ベトナムのVinFastがノースカロライナ州にEV工場を約2445億円で建設

ベトナムの自動車メーカーでVingroup傘下のVinFastは米国時間3月29日、ノースカロライナに最初の米国工場を建設すると発表した。同社は以前から、米国への投資と進出の計画を表明していた。

この新進自動車企業によると、同社は1976エーカー(約8平方キロメートル)のノースカロライナ工場の第一期工事に約20億ドル(約2445億円)を投じ、今後の工期に対しても投資を続ける。第一期の竣工予定は2024年7月で、年産15万台の生産能力を実現する。

VinFastの計画では、同工場で乗用車2車種と電動バス、電動車用バッテリーを生産し、またサプライヤーのための付属品なども生産する。

VinFastがノースカロライナ州と交わした合意書によると、VinFastの7人乗り全電動SUV、 VinFast VF 9と、5人乗り全電動ミッドサイズSUV、VinFast VF 8にはブロックチェーンの技術が含まれ、オーダーを記録したりオーナーを確認したりするが、それらの製造を米国工場で行う。VF 9とVF 8の価格はそれぞれ、1月に同社がCESでシェアしたところによると、米国で5万6000ドル(約680万円)と4万1000ドル(約500万円)からとなる。

VinFastは2017年のローンチ以来、急速に成長した。同社はベトナム初の国産車メーカーとなり、2019年にはガソリン車を発売した。その後VinFastは、2022年後期にはEVだけを生産すると約束している。

同社は米国市場を主なターゲットの1つと位置づけている。つまり既存自動車メーカーのGMやFordやTeslaだけでなく、新参のEV企業であるRivianやFiskerとも競合するという意欲的な取り組みだ。

11月のロサンゼルスAuto ShowではVinFastは2台の電動クロスオーバー車を披露し、2022年の終わりに米国で発売すると述べた。そのとき同社は、2億ドル(約244億円)ほどを投じてロサンゼルスに米国本社、そして60以上の販売店と複数のサービスセンター、および移動式サービスサイトを年内に開設すると発表した。

Vingroupの副会長でVinFastのグローバルCEOであるLe Thi Thu Thuy(レ・ティ・トゥ・トゥイ)氏は声明で次のように述べている。「市場内に製造工場があることは、VinFastに先取的なサプライチェーン管理を可能にし、価格安定と短期納車を維持し、VinFastのEVを消費者にとってアクセスしやすくして、当地の環境改善目標の実現にも寄与します」。

ベトナムにおいて2021年末にEVを発売したVinFastは、2022年、グローバルで4万2000台の販売を狙っている。Vingroupは最近ベトナムのハティンにバッテリー工場の建設を開始し、今年後半には年間生産能力5ギガワットで稼働を開始する予定だ。また1月の発表によると、同社は1月に、ドイツでの工場建設も検討していると発表している。

画像クレジット:VinFast

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ベトナムの自動車メーカーVinFastが電動クロスオーバー2車種を皮切りに米国市場への進出を目指す

Vingroup(ビングループ)傘下のベトナムの自動車メーカーVinFast(ビンファスト)は、消費者に印象を残そうと2021年のLAオートショーに参加した数多くのニューカマーの1社であった。

同社はこのショーで全電動クロスオーバー2車種を披露した。そして自動車業界へ新規参入する多くの企業がそうであるように(VinFastの場合は米国への新規参入)、両車種ともまだ生産に入っていない。

2022年後半に米国で登場予定のこの車両の仕様について、VinFastは詳細をほとんど明らかにしていない。同ショーを訪れた人は、Typeform(タイプフォーム)を介して登録することで、このクルマをいち早く「体験」し、購入に関心があることを示すことができる。

「今すぐ人々に登録してもらいたいと思っています。そして【略】顧客がどこにいるのか、誰が興味を持っているのかを把握するために、データベースを収集し構築したいと考えています。その上で、当社が提供しようとしているプロダクトやサービスの進捗状況について、人々に継続的に最新情報を発信していく予定です」と、VinFast USのCEOを務めるVan Anh Nguyen(ヴァン・アン・グエン)氏は木曜日のTechCrunchとのインタビューで語った。

興味のある顧客は、2022年第1四半期に、デポジットを払って希望のクルマを8色のうちの1色で予約することができる(更新情報:グエン氏はデポジットは500ドル[約5万7000円]だと語っていた。広報担当者はその後、この数字は正しくなく、顧客が予約に対して支払う金額は決定していないと説明し、適切な時期が来たらすぐに発表するとしている)。

グエン氏によると、数カ月後に車が利用可能になった時点で、関心のある顧客は試乗してそのデポジットを購入に充てるかどうか判断できるようになるという。仕様や詳細の情報は乏しいものの、VinFastは米国市場への参入計画を急速に進めているようだ。

工場、本社、および60店舗

VinFastの米国での計画は、電動クロスオーバーの販売に留まらない。同社はロサンゼルスに米国本社を置くために2億ドル(約227億円)超を投資するという野心的な計画を発表した。また、2022年までに、60を超える販売拠点、多角的な展開のサービスセンター、いくつかのモバイルサービスサイトの開設を計画している、工場もリストに挙がっているが、2024年後半まで開設の予定はない。

VinFastにとっては、多額の資本とスタッフを必要とする迅速な準備段階だ。

グエン氏は、米国に滞在してまだ14カ月しか経たないが、VinFastのモデルを米国市場に投入するチームの編成に取り組んでいるという。しかし、その製造施設がどこにあるかについては明らかにすることを控えた。

また、VinFastはReuters(ロイター)に対し、同社は今後数年のうちに米国株式市場に上場する計画だと述べている。

韓国のHyundai(ヒョンデ、現代自動車)やKia(キア、起亜自動車)、日本のトヨタ、スバル、マツダなど、他のアジアの自動車メーカーが米国市場に進出している中、VinFastはベトナム企業として初めてこの試みに乗り出すことになる。BYD(ビーワイディー、比亜迪)のような中国企業は、米国市場への参入を試みたが失敗した。

VinFastはどのような企業

VinFastは、1993年にスタートしたベトナムの民間コングロマリットVingroupの一部である。Vingroupは、不動産、ホスピタリティから産業、テクノロジー、さらには教育まで、幅広い分野に事業を展開している。

その自動車部門であるVinFastは、2018年のパリモーターショーで、同社初の内燃機関搭載車を発表した。同社はその後すぐに、各種の電動スクーター、Lux SUV、そしてベトナム市場向けの自動車の販売を開始した。同社によると、1年も経たないうちに、同社の車両はベトナムで最も早く売れるクルマになったという。

そして2021年、同社はベトナムで全電動バスとさらなるスクーターの販売を開始し、先のLAオートショーでSUV2車種の覆いを取り去って、グローバル車両になると同社が述べているVinFast VFe35とVFe36を発表した。いろいろな意味で、VinFastはHyundaiグループと類似しているように見受けられる。他の主要事業の中で自動車事業が占める割合はとても小さい。

VingroupはVinAI(ビンAI)も所有している。VinFastがショーで公開した新型SUV2台の脇に置かれた小さなディスプレイによると、VinAIは独立した法人で、車載AIと思われるものに取り組んでいる。運転席でのユーザーの動きを追跡して、ユーザーが注意を払っているか、スマートフォンを見たり、眠気を催したりしていないかを判断するものだ。このシステムはまた、センサーとカメラを使って車外の歩行者やスクーターなどの障害物を特定し、衝突を回避することにも役立つ。

グローバル市場向け電動SUV2車種

どちらも電気自動車であるVinFast VFe35とVFe36は、ベトナムにあるVinFastの90%自動化された大規模製造施設で作られる予定だ。この2車種は自動車ブランドのPininfarina(ピニンファリーナ)と提携して設計された。Pininfarinaは、クラシックフェラーリや、200万ドル(約2億2600万円)の電気スポーツカーPininfarina Battista(バッティスタ)の設計で知られている。

VinFastによると、SUVは1回の充電で約300マイル(約483km)走行できるということだが、充電や容量の詳細は明らかにされていない。グエン氏は、各車種にはEcoとPlusの2つのバージョンがあると付け加えた。VFe35の航続距離は、Ecoモデルで約285マイル(約459km)、Plusモデルで約310マイル(約499km)。より大型のVFe36のEcoモデルは約310マイル、Plusは約420マイル(約676km)になると同氏は述べている。

LAオートショーのステージに登場した2台のSUVはいずれもプロトタイプである。スペックシートによると、VFe35とVFe36のプロトタイプは、402hp(約300kW)の出力と472lb-ft(約640Nm)のトルクを発揮し、さまざまなエアバッグ、バーチャルアシスタント、そして「VinFastアプリによるリモートコントロール」機能を備え、eコマースサービス、ビデオゲーム、車内オフィス、さらにはロケーションベースの行動ターゲティング広告と呼ばれるものを搭載しているようだ。

VinFastは複数のパートナーと緊密に連携しているとグエン氏は話す。バッテリーの供給元については明かさなかったが「非常に有名な会社」のものだという。

バッテリーパックはベトナムのVinFastの施設で作られる。「私たちはProLogium(プロロジウム)のようなバッテリーパートナーと密接に協働しており、他の数社とも同様に協力関係を築いています」と同氏は言い添えた。「当社は、バッテリー技術に関して非常に優れた経験豊富なパートナー各社を選定しています」。

ProLogiumは、台湾を拠点とするソリッドステートバッテリーのメーカーである。

VinFastによると、両車種には標準的な先進運転支援システム、フルカラーヘッドアップディスプレイ、15.5インチのタッチスクリーンが搭載され、指をスワイプするだけでお気に入りの写真を「Zenモード」で表示できるという。

LAオートショーでは、どちらのクルマのドアも開けることはできなかった。小型のVFe35は本物の内装のように見えたが、ステアリングホイールの前にデジタルクラスタはなく、一方VFe36は内装を備えていなかった。

VinFastは、米国では電気自動車のみの販売を計画している。自動車生産への4年間という急速な道のりは、自動車業界ではほとんど聞いたことがない。車両の配送は2022年末に開始されると同社は述べている。すべてがどうなるかを見るには、来年まで待たなければならない。

画像クレジット:Abigail Bassett

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(文:Abigail Bassett、翻訳:Dragonfly)

ベトナムのヘルスケア予約アプリDocosanが1億円以上のシード資金を獲得

ホーチミン市に拠点を置くDocosan(ドコサン)は、アプリで医師を検索・予約できるようにすることで、患者が長い待ち時間を回避できるようにする。同社はベトナム時間4月14日、100万ドル(約1億1000万円)以上のシード資金を調達したことを発表した。これは、ベトナムのヘルステック企業としては過去最大規模のシードラウンドであるという。今回の投資は、台湾を拠点とするアーリーステージへの投資やアクセラレータープログラムを提供するAppWorks(アップワークス)が主導し、加えてDavid Ma(デビッド・マー)氏とHuat Venturesが参加している。

共同創業者で最高経営責任者のBeth Ann Lopez(ベス・アン・ロペス)氏がTechCrunchに語ったところでは、2020年に創業したこのアプリは、約5万人の患者が予約に利用していて、現在では小規模な家族経営の小児科クリニックから大規模な私立病院の神経外科まで、300以上の個別医療機関が登録されている。医療機関は、プラットフォームに登録される前に審査されているが、平均して18年の臨床経験を持っている。

ロペス氏によると、ベトナムでは医師の事前予約は一般的ではないという。ロペス氏は「(一般的に、民間の医療機関を利用する人々は)価格や質に大きな差がある3万以上の民間の病院や診療所の中から自分で選ばなければなりません。そのため、人びとは医療機関を選ぶ際に、家族や友人からの口コミによる推薦を利用しているのです。そして、病院やクリニックに足を運び、時には何時間も列に並んで待つのです」という。

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Docosanのユーザーは、所在地や専門分野などの条件で医療機関を絞り込み、価格情報や認証済みのカスタマーレビューを見ることができる。最近、オンライン決済機能や保険との連携機能が追加された。ハーバード大学のLaunch Lab X(ローンチ・ラボX)に参加した同社は、今後、遠隔医療サービスや薬局サービスも開始する予定だ。

アプリに登録された医療機関にとっては、Docosanが予約と待ち時間の緩和のためのソフトウェアを提供してくれることが1つの重要なセールスポイントとなっている。これは、新型コロナウイルスのパンデミック下では、混雑した待合室に座ることを嫌がる人が多いからだ。ロペス氏は、医師が行わなければならないマーケティングや管理業務の量が減ることで、患者さんに接する時間を増やせるというメリットもあるという。

スタートアップは、他国への進出も計画している。ロペス氏は「Docosanは、大規模で互いにうまく連携していない民間医療システムがある場所ならば、どこでもうまく機能するソリューションです」という。「まるでGrabタクシーを予約するように、名医を簡単に見つけられる世の中になれば、私たち全員が恩恵を受けることができます」。

AppWorksのパートナーであるAndy Tsai(アンディ・サイ)氏は以下のように語る「DocosanがAppWorks Acceleratorに参加してくれたおかげで、同社の可能性に早くから注目できていました。Docosanの創業者たちは、地域のヘルスケア問題に対する豊富な経験を持ち献身的な姿勢を示しています。私たちは、すべての人がより良い医療を受けられるようにしたいというDocosanのビジョンをサポートできることを誇りに思います」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Docosanベトナム資金調達医療

画像クレジット:Docosan

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

ベトナムの電動バイクメーカーDat Bikeが2.9億円調達、ガソリンバイクからの乗り換えを狙う

自社のバイクに乗るDat Bike創業者でCEOのソン・グエン氏

東南アジアでトップの電動バイク企業になることを目指しているベトナムのスタートアップ企業Dat Bike(ダット・バイク)が、Jungle Venturesが率いるプレシリーズAで260万ドル(約2億9000万円)の資金を調達した。Dat Bikeは、ほとんどが国産部品で構成されたベトナム製バイクで、価格と性能の両面でガソリンバイクに対抗できるのがセールスポイントだ。Jungle Venturesがモビリティ分野に投資するのは今回が初めてで、Wavemaker Partners、Hustle Fund、iSeed Venturesも参加している。

創業者であり最高経営責任者でもあるSon Nguyen(ソン・グエン)氏は、シリコンバレーでソフトウェアエンジニアとして働いていたときに、廃品を利用してバイクを作る方法を学び始めた。彼は2018年にベトナムに戻り、Dat Bikeを創業した。インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムでは、8割以上の家庭がバイクを所有しているが、そのほとんどがガソリンを燃料としている。グエン氏はTechCrunchに対して、多くの人が電動バイクに乗り換えたいと思っているが、大きな障害は性能だと語る。

グエン氏によれば、Dat Bikeは市場に出回っている多くの同じ価格帯の電動バイクに比べて、3倍の性能(5kW対1.5kW)と2倍の航続距離(100km対50km)を実現しているという。ガソリンバイクに対抗するために作られたのが、Weaver(ウィーバー)という名の同社のフラッグシップバイクだ。グエン氏によれば東南アジア諸国での重要なセールスポイントである2人乗りで、5000Wのモーターを搭載し、0から50km/hまでを3秒で加速する。Weaverは標準的なコンセントを使って約3時間でフル充電が可能で、1回の充電で最大100kmの走行が可能だ(次のモデルでは1回の充電で最大200kmの走行が可能になる)。

Dat Bikeは、2020年12月にホーチミン市に初の実店舗をオープンした。グエン氏によれば、同社は「これまでに数百台のバイクを出荷していて、まだ受注残を抱えています」という。また、ホーチミン店のオープン後、新規受注が前月比で35%増加したと付け加えた。

3990万ドン(約18万9000円)というWeaverの価格設定も、ガソリンバイクの中央値に相当するものだ。Dat Bikeは、銀行や金融機関と提携して、顧客に12カ月の無利息支払いプランを提供している。

「彼らは、ベトナムの新興中産階級を初めてデジタル金融市場に引き込むために競い合っていますので、結果的に非常に有利なレートを得ることができるのです」と彼はいう。

ベトナム政府はまだ電動バイクへの補助金は提供していないが、交通省が駐車場やバイク駐輪場に充電インフラを義務づける新しい規制を提案していることもあって、グエン氏は電気自動車の導入が進むだろうという。ベトナムで電動バイクを製造している企業には他にもVinFast(バンファスト)やPEGAなどがある。

Dat Bikeの強みの1つは、地元で調達したパーツを使って自社で開発している点だ。グエン氏は、中国やその他の国から調達するのではなく、ベトナムで製造することのメリットとして、Dat Bikeのサプライヤーのほとんどが国内にあるため物流の合理化やサプライチェーンの効率化があるという。

「バイクの輸入関税は45%、バイク部品の輸入関税は15%から30%なので、地元企業であることには税制面でも大きなメリットがあります」とグエン氏。「一方、東南アジア内の貿易には関税がかからないので、海外からの輸入バイクに比べて、東南アジアへの進出に優位性があるのです」。

Dat Bikeは、Jungle Venturesなどの投資家の協力を得て、今後2~3年の間に東南アジアでのサプライチェーンを構築し、拡大していく予定だ。

Jungle Venturesの創業パートナーであるAmit Anand(アミット・アナンド)氏は声明の中で「特に東南アジアの250億ドル(約2兆7000億円)規模のバイク産業は、電気自動車と自動化の新たな発展の恩恵を受けるための機が熟しています。私たちは、Dat Bikeがこの動きをリードし、次世代の電動バイクの外観や性能について、国内だけでなく世界的にも新たな基準を作ることができると信じています」と語る。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:ベトナム東南アジア電動バイクDat Bike資金調達

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

英語学習アプリのELSAが約15.7億円を調達、日本などのアジア諸国やラテンアメリカでの事業拡大を目指す

新しい言語のスピーキングを学ぶのは難しい。定期的に練習する相手がいない場合は、特にそうだ。ELSAは音声認識技術を活用して発音を良くするのに役立つアプリだ。米国時間1月31日、サンフランシスコとホーチミンに拠点を置くELSAは、VI(Vietnam Investments)グループとSIGが主導するシリーズBで1500万ドル(約15億7000万円)を調達したと発表した。これまでにも投資していたGoogle(グーグル)のAIに特化したファンドであるGradient Ventures、SOSV、Monk’s Hill Venturesのほか、Endeavor CatalystとGlobant Venturesも参加した。

調達した資金はラテンアメリカ事業の拡大と、企業や教育機関がこのアプリのサービスを従業員や学生に提供するスケーラブルなB2Bプラットフォームの構築に使われる。ELSAは2015年に設立された。社名は「English Language Speech Assistant」の頭文字をとったものだ。同社は利用者が1300万人を超えていると公表している。前回の資金調達は2019年に発表されたシリーズAで700万ドル(約7億3000万円)だった。

ELSAはラテンアメリカ以外に、2020年に需要が多かったベトナムやインド、日本にも事業を拡大しようとしている。同社は最近、IELTS試験を運営しているIDPおよびBritish Councilと提携し、IDPとBritish CouncilIがELTSの試験対策としてELSAを推奨するようになった。ELSAはIMAPやSpeak Upなどのベトナムの語学スクール、オンライン学習プラットフォームのYOLA、Kimberly ClarkやIntel、ATADといった法人顧客とも提携している。

ELSAの共同創業者でCEOのVu Van(ヴ・ヴァン)氏はTechCrunchに対し、就職に生かし収入を増やすチャンスを得るために英語のスピーキングを上達させたいと思っている人は多いと語った。ベトナムやインド、ブラジルでは英語のスピーキングが上手な人は同僚に比べ2〜3倍の給与を得られると同氏はいう。

ヴァン氏は「このような動機があるため、ベトナムやインド、ブラジルで我々に対する英語学習者の需要が高まっています。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がってからは、ラテンアメリカからも大きな関心が寄せられるようになりました」と付け加えた。

ELSAの英語の発音に関するフィードバック

ヴァン氏の出身国であるベトナムでは、英語学習者はオンラインやオフラインでの英語のトレーニングに可処分所得の多くを払っている。「しかし英語学習者の大半はスピーキングのスキルがなかなか上達しません。他人に通じなかったり、話す勇気がなかったりするのです」とヴァン氏はいう。ELSAは発音を学び、自信を持って英語を話せるようになるための利用しやすいリソースを提供することを目的に開発された。

英語の発音に特化したアプリには、ほかにFluentUやSay Itなどがある。ヴァン氏によれば、ELSAの強みは自社の音声認識AI技術だという。

同氏は次のように説明する。「我々のAI独自の特徴は、多くのユーザーからさまざまな発音の英語の音声データを大量に集め、このデータを使って数年にわたってAIモデルをトレーニングしてきたことです。これにより、世界中の非ネイティブの人が話す英語を高精度で認識し、理解できます。ほかの音声認識技術ではネイティブの人の英語は理解できても、非ネイティブで発音に癖のある学習者の英語はなかなか理解できません」。

ELSAでは単語ごとにフィードバックを返すだけでなく響きに関しても指摘することができ、発音を良くするための詳細な情報がユーザーに提供される。「イントネーション、リズム、流暢さといった極めて高度なスピーキングの韻律的な特徴に関して情報を提供できるので、ユーザーはもっと自然な英語を話せるようになります。これは競合他社では提供していないことです」とヴァン氏は述べた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ELSA語学学習資金調達ベトナム

画像クレジット:ELSA

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(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)

トレードワルツと三菱商事など計5社がブロックチェーン基盤の貿易情報連携による電子化実証事業

トレードワルツと三菱商事など計5社がブロックチェーン基盤の貿易情報連携による電子化実証事業

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年12月20日~12月26日の情報から。

ブロックチェーン活用の貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を運営するトレードワルツは12月24日、三菱商事プラスチック、三菱商事、三菱UFJ銀行、東京海上日動火災保険の連携企業4社と提携し、2021年3月より三菱商事プラスチックと三菱商事のベトナム向け商流にて電子化実証を開始することを発表した。同実証事業は、経済産業省の「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に採択されている

物流に付随する貿易業務のうち、複数の事業者や行政機関が介在する書類処理プロセスにおいては、いまだ紙媒体を利用した手作業によるデータ再入力作業、確認作業、修正などに膨大な時間とコストを要している。現在、それらがフルリモートワークを阻害する要因になっており、コロナ禍でも実務者の一部は週に数回程度、出社が必要という。

新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、出社ができない状況になった場合は貿易手続きが遅延し、サプライチェーンに影響を及ぼす可能性があることから、紙書類を電子化するニーズは大きな高まりを見せているそうだ。

日本政府もまた国内サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことから、特にアジア地域における生産の多元化やデジタル化などによってサプライチェーンを強靭化するため、日ASEAN経済産業協力関係の強化を目的とする「海外サプライチェーン多元化等支援事業」における補助事業者を募集している。

ブロックチェーン技術の活用により、貿易業務を一元的に管理する「TradeWaltz」は、輸出系の標準書類の電子化実装を完了した。今回、そのうちの一部機能である「信用状(L/C)」受領機能から連携企業4社とシステム間連携し、3月より実商流を用いた実証を行う。信用状とは、貿易決済を円滑に運ぶ手段として銀行が発行する支払い確約書で、銀行が輸入者の支払いを保証するものという。

従来の貿易業務では、銀行が手形の買取りの前提として船積書類の内容が信用状に記載された内容と一致しているかの調査を行うなど、書類と現状を突き合わせる煩雑な作業がある。TradeWaltzによる今回の実証では、それらをすべてシステム統合し、システム上でチェックできる仕組みを目指すとした。

同実証事業は、経産省の令和二年度補正予算で措置された「海外サプライチェーン多元化等支援事業」(事務局JETRO)が募集するサプライチェーン強靭化施策の目的とも合致したことから第2回公募に応募、11月に採択が決定した。

TradeWaltzは、すべての海外国の信用状(L/C)を扱うことが可能だが、採択支援事業においては、ベトナム社会主義共和国を対象国とした。ベトナムは2020年のASEAN議長国であり、対日貿易額が約400億米ドルにのぼるなど、ASEANの中でも日本にとって重要な貿易相手国のひとつでもあることから、今回はベトナム企業との商流にて実証を行うとしている。

海外サプライチェーン多元化等支援事業は、「類型1(製品開発型)」および「類型2(バリューチェーン高度化型)」の2類型について、それぞれ実証事業および事業実施可能性調査の募集を行っている。すでに3回の公募が実施された。同社が採択された実証事業は、類型2で製品などの国境を越えた流通や生産プロセスの効率化、円滑化を図るシステムの導入に向けた実証事業等を対象としている。

トレードワルツと先行する連携企業4社は、ベトナムでの実証をはじめ引き続き連携し、ASEAN各国などの貿易業務の電子化にも貢献していく。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:サプライチェーン(用語)トレードワルツブロックチェーン(用語)ベトナム(国・地域)日本(国・地域)