米国の州検事総長がTikTokとSnapに対して他社製ペアレンタルコントロールアプリに対応するよう要望

TikTok(ティックトック)とSnapchat(スナップチャット)にはペアレンタルコントロールの強化が必要だとする書面に、44人の州検事総長が署名した。

米国時間3月29日、全米検事総長協会(NAAG)は10代の間で広く使われているTikTokとSnapchatに対し、一連の懸念を書面で送った。

州検事総長のグループはソーシャルメディアアプリに関して、広い意味で子どもの身体、感情、精神の健康に与える悪影響などさまざまな問題点を挙げている。虐待的な性的関係を表現したコンテンツは子どもの健全な関係に対する考え方を著しく傷つけることがあり、家庭内虐待や人身売買の継続を助長する恐れもあると指摘している。そして書面では、TikTokとSnapchatが他社製ペアレンタルコントロールアプリと効果的に連携して保護者がプラットフォーム上での子どもの行動を監視し制限することに努めていないと強調している。

NAAGはBarkというアプリの調査を引き合いに出した。2021年に30種類のアプリで34億通のメッセージを分析したところ、10代の74.6%が自傷や自殺の状況に関わり、90.73%がオンラインでヌードや性的コンテンツに接し、93.31%がドラッグやアルコールについて話したという。

書面では「ペアレンタルコントロールアプリは保護者や学校に対し、プラットフォーム上のメッセージや投稿が有害で危険な恐れがあることを警告します。子どもが自傷や自殺の願望を示した場合にも保護者に警告できます」と述べられている。

Snapchatにはすでにアプリ内のペアレンタルコントロール機能があり、TikTokにもあるが、州検事総長のグループはプラットフォームに対し他社製ペアレンタルコントロールアプリとの互換性を高めるように要望している。ただし、特定のプロダクトは推奨していない。州検事総長のグループは、ペアレンタルコントロールアプリはプライベートなメッセージなどアプリに内蔵のペアレンタルコントロールでは監視していないソーシャルメディアアプリの機能にもアクセスできることに言及している。さらに他社製アプリは、アプリのメインのフィードに表示されるユーザー生成コンテンツのフィルタリング機能も優れているとしている。

ただし、他社のコントロールアプリには子どもを監視する方法に関して独自の問題がある。

TikTokとSnapchatにはペアレンタルコントロール機能があるが、競合のInstagram(インスタグラム)にはなかった。ソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える影響に関する一連の上院公聴会の後、Meta(メタ)はようやくInstagramにペアレンタルコントロールの導入を開始した。

しかしペアレンタルコントロールの有無に関わらず、こうしたプラットフォーム上での10代の安全について米国政府は今も懸念を持っている。バイデン大統領は一般教書演説でソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える脅威に言及した。この一般教書演説にはFacebook(フェイスブック)の元従業員で内部告発をしたFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏がゲストとして参加していた。

10代の間ではInstagramよりTikTokの方が人気があり、Instagramはそれに負けじとTikTokによく似たリールに投資している。しかしTikTokは急速に成長してソーシャルアプリとして地位を守っているため、Metaは自社の存在感を維持するために驚きの行動に出た。The Washington Postが米国時間3月30日に報じたところによると、Metaは共和党系コンサルティング企業のTargeted Victoryを使ってTikTokに対する大衆の反感をあおったという。Targeted Victoryが危険なクチコミトレンドがTikTokで始まったと主張して世論に影響を与えようとしたが、それは実際にはFacebookで始まったものだったというケースもあった。TechCrunchも2018年に、FacebookがTargeted Victoryと組んでFacebookプラットフォームの政治広告費に影響を及ぼす法案の進行を遅らせようとしたことを報じた

Targeted VictoryのCEOであるZac Moffatt(ザック・モファット)氏は声明で「Targeted Victoryの企業活動ではクライアントに代わって両党のチームに対応しています。我々が数年間にわたってMetaと協力しているのは広く知られていることで、我々はこれまでの仕事を誇りに思っています」と述べた。

いずれにしても、アプリを10代にとって安全なものにするためにペアレンタルコントロールにできることは限られている。アプリそのものが、危険なコンテンツを10代に提供しないように努めなくてはならない。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

MetaがVRヘッドセット発売から3年近く経ちようやく基本的な保護者向け管理ツールを追加

Meta(当時はFacebook)が最初にVRヘッドセットをリリースしたのは2019年5月だったが、ここにきてようやくMeta Questに保護者向け管理ツールを追加する。

Metaは2021年に驚きのリブランドをして以来、VRへの投資は社名変更の価値があったことを証明しようとしていると注目されている。しかし米国政府の最上層部が安全性を重要視する中で、Metaはさまざまな保護者向け管理ツールを公開することで子どもたちにとってより安全なプラットフォームにしようと取り組んでいる。

Meta Quest 2は2021年の年末商戦で販売数を大きく伸ばし、クリスマス後の2週間でOculus Questのモバイルアプリはおよそ200万回ダウンロードされたと推計される。しかしMetaのヘッドセットが普及するにつれ、ペアレンタルコントロール機能の欠如が問題視されるようになった。英国個人情報保護監督機関はこのヘッドセットがオンラインでの子どもの安全規定に違反している恐れがあるとして圧力を強めている。

画像クレジット:Meta

現在、Questヘッドセットではデバイスへのアクセスに関してパスコードなどのロック解除パターンを設定することができる。Metaによれば、4月にこの機能を拡張して特定のアプリに適用できるようにするという。つまり、保護者が共有使用しているヘッドセットで子どもに特定のゲームをプレイさせたくないなら、そのアプリ専用のロック解除コードを設定できるようになる。

同社は5月には、IARC(International Age Rating Coalition、国際年齢評価連合)がその年齢層には不適切とみなしたアプリを10代がダウンロードできないように自動でブロックする機能を追加する予定だ(QuestのプロフィールがFacebookアカウントと関連づけられて年齢が判断される)。ティーンが保護者のログイン情報と関連づけられているアカウントを使用している場合は、この保護機能は動作しないかもしれない。

今後数カ月かけて、MetaはQuestのペアレンタルコントロールを強化していく方針だ。Oculusのモバイルアプリで保護者はペアレントダッシュボードにアクセスし、このダッシュボードで子どものアカウントとリンクする。

Metaはさらに、ツールや保護者向けリソースを集めたファミリーセンター公開した。

画像クレジット:Meta

Metaはブログ記事でアカウントのリンクに関し「プロセスを開始するのはティーンで、保護者とティーンの双方がエクスペリエンスに同意する必要があります」と記している。

モバイルアプリにVR管理ツールを含めるのは、VRヘッドセットよりもモバイルアプリの操作に慣れている保護者にとってはスマートな方法だ。保護者はこのモバイルダッシュボードでティーンのアカウントに対し、例えば全年代向けアプリのダウンロードを事前に承認するというようにレーティングをもとに子どもがダウンロード可能なアプリを管理できる。ティーンが有料アプリを購入したい時に、保護者はそのリクエストを承認または拒否する設定もある。ウェブブラウザや、ヘッドセットをPCのVRゲームに接続するLinkアプリといった特定のアプリを子どもが利用できないようにブロックする機能もある。さらに、保護者が子どものスクリーンタイム、フレンドリスト、ダウンロード済みアプリを見ることもできる。

Questヘッドセットは13歳以上のユーザーを対象にしているが、もちろん13歳未満の子どもも必然的にバーチャルリアリティを利用するようになるだろう。ただし13歳以上のティーンであっても、MetaのソーシャルVRアプリである「Horizon Worlds」や「Horizon Venues」など一部のアプリには年齢制限がかけられている。

「Horizon Worlds」のウェルカムプラザだけは人間のモデレーターがいるが、モデレーターはメタバースでのセルフィーの撮り方に関する質問をするユーザーのサポートに忙しいようだ。

「Horizon Worlds」はすでにコンテンツモデレーションシステムの不備を悪用されている。BuzzFeedによれば、Qアノンの陰謀説のようなFacebookやInstagramで禁止されているコンテンツが満載のテスト用のワールドを作っても、Metaのコンテンツモデレーションシステムはガイドラインに違反していないと判断したという。このプラットフォームでセクハラや痴漢行為に遭ったと報告しているユーザーもいる。この種のハラスメントは残念ながらテキストベースのウェブのフォーラムでも起きるが、没入型の不慣れなバーチャルワールドではことさら強烈に感じられることもあるだろう。これまでMetaはこうした行為を抑制するための試みとして、オプションで他人との距離を一定以上に保つ個人境界機能を導入した。

TechCrunchはMetaに対し、多くのユーザーがすでに子どもたちがこのプラットフォームをうろついていると報告し、Quest Storeのアプリのレビューでは行儀の悪い子どもたちにつきまとわれたという苦情が散見されることから、18歳未満のユーザーが「Horizon Worlds」などのアプリを利用できないようにする方法についてコメントを求めた。

Metaの担当者はTechCrunchに対し「現時点では長いジャーニーの第一歩を踏み出したところであり、今後さらにオプションを増やしていく予定です」と述べた。Metaはアプリごとのロック解除パターンは解決策としてあり得るとしているが、これは保護者に知識と予見があれば18歳以上向けのプラットフォームを子どもが使えないようにするだけのものだ。Metaは「保護者とティーンが当社のプラットフォームに対して何を必要としているかをさらに把握しながら、保護者向け管理ツールの機能を引き続き開発し拡張していきます」と述べた。

結局のところ、ペアレンタルコントロールは保護者とティーンがそれをきちんと使って初めて効果を発揮する。しかし、こうしたガードレールの設置はMetaにできる最低限のことだ。

画像クレジット:Meta / Facebook

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

Disney+がNetflixのMarvelシリーズを米国などで配信開始、日本では2022年後半の予定

米国時間3月1日、Disney+(ディズニープラス)は、以前Netflix(ネットフリックス)で配信されていたMarvel(マーベル)の実写ドラマの配信と、これらのドラマの追加にともない17歳未満の子どもには不適切と評価されたTV-MAコンテンツの視聴を禁止できる新しいペアレンタルコントロールの導入を発表した。

Disney+によれば、3月16日から米国、カナダ、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドで実写シリーズの「Marvel デアデビル」「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」「Marvel ルーク・ケイジ」「Marvel アイアン・フィスト」「Marvel ザ・ディフェンダーズ」「Marvel パニッシャー」「エージェント・オブ・シールド」を配信する(ただし「エージェント・オブ・シールド」は米国のみ)。

Marvel作品に関するNetflixの権利が3月1日に切れて配信ラインナップから消えたことは、Netflixの1つの時代の終わりを表している。Disney+が登場するまでは、NetflixはDisneyと長年にわたって関係を築いていた。NetflixがDisneyのコンテンツに関して複数年の契約を交わした後、2013年にMarvelはNetflixと組んで最初の4本のスーパーヒーロードラマを製作した。これによりNetflixは「Netflixオリジナル」ブランドとして長年にわたって人気ドラマを配信し、新規ユーザーの獲得につながった。しかしNetflixは2018年と2019年にMarvelドラマの配信中止を開始し、Disneyとの契約終了に至った。そして契約により、中止後も2年間はドラマのキャラクターはNetflix以外の映画やテレビシリーズに登場できないことになっていた。

当初はNetflixの権利が切れた後にMarvelの実写ドラマがどこに行くかは不透明だった。ことに、これらの大人向けドラマは家族向けの配信サービスであるDisney+には合わない。可能性がある考えられたのは、Disney傘下で大人向けコンテンツの傾向が強いHulu(フールー)だ。しかしこれらのドラマが3月中旬からカナダのDisney+に登場することがスクープされ、Disneyは少なくとも一部のマーケットでこれらのドラマをDisney+に取り込む意向であることが明らかになった。ただし米国で配信されるのか、されるとしたらいつからか、どのプラットフォームで配信されるのかは明らかになっていなかった。

画像クレジット:Sarah Shatz/Netflix

また、Disney+は米国でTV-MAに指定されているコンテンツを子どもに見せたくない保護者のためのツールが必要であることも認めた。3月16日から米国のDisney+利用者すべてに対してペアレンタルコントロールのアップデートが求められる。利用者は家族のプロフィールごとにコンテンツのレーティングを選択し、プロフィールをロックするためのPINコードを設定できる。またキッズプロフィールを抜けるための質問も設定できるので、子どもはキッズの利用環境から切り替えることができない(Disney+のグローバル市場ではすでにこのようなペアレンタルコントロールが提供されている。しかし米国のユーザーは新機能として今後RやTV-MAコンテンツの制限ができるようになる。アプリを再起動する際に変更を求められる)。

これらの設定はオプションで、米国の全利用者に対して3月16日以降に初めてDisney+のサービスを利用するときに表示される。利用者がレーティングを設定しない場合は、デフォルトで14歳未満の子どもには不適切とされるTV-14コンテンツに設定される。つまりTV-MAのプロフィールを選択しないと、新たに配信されるMarvelドラマは見られない。

Disneyによれば、TV-MAに切り替えたプロフィールには変更を確認するためにアカウントのパスワードも必要になるという。設定した後はDisney+の大人向け番組を利用でき、アプリの「あなたへのおすすめ」や「トレンド」にも表示されるようになる。

Disney Streaming(ディズニー・ストリーミング)の社長であるMichael Paull(マイケル・ポール)氏は発表の中で次のように述べた。「Disney+には業界で最も愛されるブランドが集まり、これらの実写ドラマが追加されることでMarvelブランドもさらに1カ所で楽しめます。我々は世界中の市場でDisney+が提供するコンテンツを拡大してすばらしい成功を収めており、Marvelの新しいドラマを加えたすばらしいコンテンツと、お客様とご家族が最適な視聴体験を得られる機能を提供して米国でもこれを継続できることをたいへんうれしく思います」。

ペアレンタルコントロールを変更すると今後、大人向けのMarvelコンテンツをさらに配信できることになるが、Disneyは具体的な発表はしていない。

同社によれば、MarvelのドラマはDisney+のその他の全海外市場で2022年後半に公開される予定だ。

画像クレジット:Disney

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

YouTubeが2021年11月から「低品質の子ども向けコンテンツ」の収益化を停止するとクリエイターに警告

YouTube(ユーチューブ)は、同プラットフォーム上で「子ども向き」(made for kids)を謳っているチャンネルに対し、否定的行為や態度を奨励する、あるいは過度に商業的であるなど、質の低いコンテンツを制作している場合、近々収益化を停止すると発表した。同社は以前、この種のコンテンツは専用アプリのYouTube Kidsに採用されなくなることを警告したが、11月からYouTubeはさらに、新しい収益化ポリシーの適用を開始する。これはクリエイターのYouTubeパートナープログラムの参加資格に影響を与え、資格喪失にもつながる可能性がある。


YouTubeが未成年者保護を強化する計画を最初に発表したのは2021年の8月で、今後のアップデートのいくつかは近日施行される規制に直接対応する他、法律の要求を超えるものもある、と語った。当時YouTubeは、13歳から17歳のユーザー向けビデオのデフォルト設定を「非公開」に変更し、未成年ユーザーには休憩や就寝のリマインダーを有効にし、ティーンエージャーや子どもの広告ターゲティングするための「興味や関心」のデータの利用を中止すると語った。変更には、子ども向けコンテンツに特化してい制作しているクリエーターに対する警告もあり「過度に商業的」なコンテンツを同社の低年齢小児向けスタンドアローンアプリ、YouTube Kidsから除外する計画であると記載されている。

関連記事:グーグルが検索やYouTubeなどの自社プラットフォームにおける未成年者保護を強化

今回の行動の前に、いくつかの消費者擁護団体がYouTubeと関係規制機関に対してこの種のビデオをやめさせるよう圧力をかけ、YouTubeはコンテンツと広告の境界を曖昧にしたと指摘していた。また、一部のクリエイターがこの種のコンテンツ制作を支援するブランドとの関係を公表していないことにも言及した。

しかし、何が子どもたちにとって適切かに関する規制やガイドラインがない中、YouTube最大のクリエイターの1人は、Ryan ToysReview(現在はRyan’s World)の億万長者、Ryan Kaji(ライアン・カジ)くん(8歳)という現状がある。同チャンネルは商業主義とおもちゃの開封儀式に強く特化している。

8月にYouTubeは、視聴者の製品購入を誘発するコンテンツや「商品の過剰な収集や消費に焦点を当てたコンテンツ」をYouTube Kidsから削除すると語った。そして今回、YouTubeは低年齢視聴者を対象とするチャンネルや「子ども向け」として分類されているその他のチャンネルも、低品質なコンテンツを公開すれば収益化中止の危機に直面する可能性があると警告した。

これには、ネガティブな行為や態度を助長するコンテンツ(いじめ、不誠実な行い、他社への尊敬を欠く行為、危険な行為、不健康な食習慣、等々)や、教育的内容にみせかけるコンテンツ、理解を妨げるコンテンツ、扇情的または誤解を招くコンテンツ、子どものキャラクターを不適切に利用するコンテンツなどが含まれる。最後の例は近年特に問題となっており、Peppa Pigのようなキャラクターを子どもにふさわしくない状況で登場させるビデオがある)。

関連記事:YouTubeが子ども向け/子どもが登場する悪質ビデオの排除基準をより具体化

画像クレジット:YouTube

11月からYouTubeは「子ども向け」に指定されたチャンネルあるいは子ども向けコンテンツを頻繁に制作するチャンネルのために、上記の品質原則を念頭に置いて拡張された収益化ポリシーの施行を開始すると発表した。

もしクリエイターが低品質のコンテンツを作れば、この原則に則って、YouTubeパートナープログラムから除名あるいは参加が拒否される可能性がある。低品質の原理に当たるその他のビデオも、広告が制限あるいは禁止される場合がある。まず、否定的行為を助長するビデオから適用を開始するとYouTubeはいう。他にも質の悪い「子ども向け」コンテンツに重点を置いたチャンネルも審査の対象になる、と同社は付け加えた。

こうした不適切に関する原則は、コンテンツがYouTube Kidsに適しているかを決定する因子として、すでに利用されており、広くYouTubeアルゴリズムに情報提供されている。しかし、収益化ルールの変更は、コンテンツクリエイターが実際何を作るかを決めさせるはるかに強力な道具だ。

YouTubeは、収益化ルール変更の影響を受ける可能性のあるチャンネルのクリエイターには、変更が施行される前にメールが送られると言っている。また、すぐに影響を受けなくても低品質な子ども向けコンテンツを作っているチャンネルは、広告主向けの警告に黄色いアイコンが付加される。同社は、新たなポリシーの影響を受けるチャンネルの数は明らかにしていない。

反対に、質の高いコンテンツの原則に適合するコンテンツは、今後YouTubeアルゴリズムに推奨されることが多くなり、YouTube Kidsアプリにも採用されるようになる。

質の高いコンテンツの原則には、子どもたちの正しい行いを育むコンテンツ、向学心と好奇心を刺激するコンテンツ、創造性、遊び、想像力を育成するコンテンツ、現実世界の問題との関わりに焦点を当てたコンテンツ、多様性、公平性、包括性を奨励するコンテンツなどがある。

今回の発表は、テック企業が自社サービスを利用する未成年の幸福に関して果たしている役割に対する監視の高まりを受けたものだ。すでに、 GoogleとYouTubeInstagram(インスタグラム)、およびTikTok(ティックトック)は、低年齢ユーザーの安全とプライバシーを重視した改訂を発表している。YouTubeは新しいペアレンタル・コントロールも導入した。また、今週Snap(スナップ)とTikTokは、議会聴聞会に召喚されている。

YouTubeは、今後も各種原則の再評価と改訂を続けていくと言っている。

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YouTubeが10代と10代の子を持つ親向けペアレンタルコントロール機能を導入へ

画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTokがティーンエイジャーの親向けに教育リソースを提供、ユーザー保護強化で

TikTokはアプリ内のペアレンタルコントロール機能「Family Pairing」に、親がティーンエイジャーの子どもをこれまで以上にサポートできるようにするための教育リソースを加えた。同社が米国時間9月1日に明らかにした。2020年に世界中のユーザーへの提供が始まったペアリング機能では、子どものスクリーン使用時間や誰とダイレクトメッセージをやり取りできるかなどを設定できるよう、13歳以上の子どもを持つ親が自分のアカウントを子どものアカウントとつなげることができる。しかし同社のもとには、自分たちのデジタルライフへの親の関わりについても考慮して欲しいというティーンエイジャーからの声も届いた。

新しい教育コンテンツをつくるために、TikTokはオンラインセーフティに取り組む非営利団体Internet Mattersと提携した。同団体は、親にTikTokに関する状況やティーンエイジャーのソーシャルメディア使用について一般的な情報を提供すべく、ティーンエイジャーとのコラボで一連のリソースを開発した。

この取り組みの中で、Family Pairingのような機能を使う時、設定するルールを親に理解して欲しい、とティーンエイジャーはいう。また、ティーンエイジャーがオンラインに費やす時間について議論することにもオープンであって欲しいと思っている。ティーンエイジャーは親が境界線を定めることについては気にかけていない一方で、人生において大人からある程度の信頼を得たいと感じている。

また年齢を重ねるにつれ、ティーンエイジャーは自分のデバイスやソーシャルネットワークで自主権を持ちたくなる。そのため、与えられたプラットフォームで付け回されたくない、と親にいうことがあるかもしれない。

これは必ずしもティーンエイジャーが何か悪さをしているわけではない、と新しいリソースは親に説明している。ティーンエイジャーはただ、厳重な監視なしにオンライン上で友達とつるむことができる、と感じたいだけなのだ。これはパンデミック時代にある今日、オンライン体験の重要な部分になっている。パンデミックでは多くの若者が、実生活で友達と付き合ったり、対面でのグループ活動に参加したりする代わりに、これまでよりも長い時間を家で過ごしている。

画像クレジット:TikTok

ティーンエイジャーはまた、何かまずい状況になったときに、ひどく怒られたり親がパニックになったりするのでは、とびくびくせずに親を頼ることができれば、ともいう。もし規則を破れば相応の結果がともなうことをティーンエイジャーは知っているが、厄介な事態になったときに、怒るだけでなく親に一緒に解決策を考えて欲しいと思っている。

これらは至って簡単で常識的なアドバイスのように聞こえるが、子どものデジタルライフやソーシャルネットワークの使用に対するTikTok上の親の寛容度はさまざまだ。ティーンエイジャーが何を求め、どう感じているのかを説明している基本的なガイドラインが含まれるのは理に適っている。とはいえ、Family Pairingのようなペアレンタルコントロール機能を利用できるほどにテックに詳しい親はすでに最良のプラクティスの手がかりを得ているかもしれない。

画像クレジット:TikTok

加えて、ティーンエイジャーにフォーカスしたこの手のプライバシーセーフティコンテンツは、TikTokが若いユーザーの保護に取り組んでいるプラットフォームと自らを位置付けるのに使うためのものだ。最近大手テック企業が先んじようと試みている潜在的な規制を考えると、若いユーザーの保護はますます求められている。たとえばTikTokは2021年8月、アプリをより安全なものにするために若いティーンエイジャーのプライバシー保護をこれまでよりも強化すると発表したFacebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、YouTube(ユーチューブ)も同様の取り組みを展開している。

Family Pairing機能を介して自分のアカウントをティーンエイジャーのアカウントにリンクさせている親や保護者は、ティーンエイジャーが望んでいること、そしてデジタルリテラシーやオンラインセーフティに関する会話へのアプローチについて知ってもらうためのノーティフィケーションを受け取る、とTikTokは話す。Family Pairingを初めて使用する親にもこのリソースが案内される。

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Instagramが10代ユーザーのアカウントをデフォルトで非公開に、広告や望まない大人からの接触を制限
グーグルが検索やYouTubeなどの自社プラットフォームにおける未成年者保護を強化画像クレジット:Anatoliy Sizov / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルが検索やYouTubeなどの自社プラットフォームにおける未成年者保護を強化

Instagramがアプリを利用する未成年者の保護の強化を展開して数週間経過し、Google(グーグル)もGoogle検索、YouTube、YouTube Kids、Google Assistantなどのサービスにも同様の措置を講じることとなった。同社は米国時間8月10日、オンライン上の若年層を非公開にして保護された状態を維持できるようにサービスおよびポリシーを変更すると発表。広告ターゲットを制限する変更も行う。

関連記事:Instagramが10代ユーザーのアカウントをデフォルトで非公開に、広告や望まない大人からの接触を制限

Googleのサービスは1つのアプリに限定されるものではないので、Instagramの発表よりもさらに広範囲で、同社のサービス全体にわたる変更になる。

米国議会は、Googleをはじめとするハイテク企業に対し、企業のサービスが未成年者に与える悪影響を排除するよう圧力をかけてきたが、Googleは、法律で要請される以上の変更を行うという。

Googleの広報担当者は、TechCrunchの取材に対し次のように話す。「今後の規制に対応するアップデートもありますが、私たちはGoogleとYouTubeを利用するティーンエイジャーを保護するために、法律が要請する以上のことを行ってきました」「これらの変更の多くは、現在および今後発生し得る単体の規制を超えるものです。私たちは、世界中の子どもたちやティーンエイジャーに向けて、一貫性のあるエクスペリエンスとユーザーコントロールを提供する方法を検討しています」。

つまり、Googleは、現状に対応するだけでなく、業界の将来を考慮したアップデートを行うというのだ。

YouTubeでは、13~17歳のユーザーを対象に、デフォルトのアップロード設定を、最も限定的なものに「徐々に」変更していくという。これにより、動画の公開範囲は、一般ユーザーではなく、ユーザー本人と、本人が直接共有する相手に限定されることになる。アップロード設定を「公開」に変更することは可能だが、その際には明確かつはっきりとした意思を持つ選択が必要だ。Googleはこの場合、YouTubeに、自分のビデオの公開範囲を示すリマインダーを設置するとしている。なお、今回の変更はYouTubeの新規アップロードにのみ適用され、現在公開されている動画を遡って非公開にする予定はないとのこと。

また、YouTubeは、13~17歳のすべてのユーザーに対して「休憩」と「おやすみ」のリマインダーをデフォルトで有効にし、自動再生を無効にする。繰り返しになるが、これらの変更は、デフォルトの設定に関するものであり、ユーザーはDigital Wellbeing(デジタルの健全な利用)機能を無効にすることができる。

YouTubeの子ども向けプラットフォーム「YouTube Kids」には、自動再生オプションが追加される。このオプションはデフォルトでは無効になっており、子どもに自動再生機能を使わせるかどうかは保護者の判断になる。この変更は、子どもの安全支援団体や一部の国会議員による、アルゴリズムを使った機能に問題があるという指摘に対応し、選択を保護者の判断に任せるというものだ。保護者はデフォルトの選択をロックすることもできるようになる。

YouTube Kidsからは「過度に商業的なコンテンツ」も削除される。これは長らく「YouTubeは子どもたちによる消費(正確には、親にお金を使わせてくれと頼むこと)を助長している」と主張してきた消費者保護団体や子どもの専門家からの圧力が高まったことを受けた措置である。

許容できるコンテンツと「過度に商業的な」コンテンツの線引きは明確ではないが、例えば人気のある「開封の儀」動画のような、商品のパッケージに焦点を当てた動画は削除するとしている。この変更は、YouTubeで子ども向けの動画を制作している大手クリエーターの中でも、非常に高額な収入を得ているRyan’s Toy Review(ライアンズ・ワールドのおもちゃレビュー)のようなクリエーターに影響を与える可能性がある。同社は商品パッケージの他にも「視聴者に商品の購入を煽る」コンテンツや「商品の過剰な収集や消費に焦点を当てたコンテンツ」の削除も検討するとしている。

画像クレジット:YouTube

YouTube以外でも、未成年者を対象とする変更が展開される。

今後数週間のうちに、Googleは、18歳未満のユーザーまたは保護者が、Google画像検索の検索結果から自分の画像の削除を要請できるようにする新しいポリシーを導入する。これは、欧州ですでに実施されている「忘れられる権利」のプライバシーポリシーを拡張するもので、子どもとティーンエイジャーを守る新しいサービスと制御方法が全世界で展開されることになる。

また、18歳未満のユーザーアカウントについても、さまざまな調整を行う。

YouTubeの変更に加えて、Googleファミリーリンクで管理している13歳未満のすべてのユーザーに対してセーフサーチフィルタリングをデフォルトで有効にして、アダルトコンテンツへのアクセスを制限する。また、18歳未満のすべてのユーザーに対してセーフサーチを有効にし、新たにアカウントを作成するティーンエイジャーにもセーフサーチをデフォルトで適用する。Googleアシスタントでは、スマートスクリーンやウェブブラウザなどの共有デバイスで、セーフサーチの保護機能がデフォルトで有効になる。先の発表のとおり、Google Workspace for Educationを使用している学校の設定でも、セーフサーチがデフォルトになり、ゲストモードやシークレットモードのウェブブラウジングへの切り替えもデフォルトで無効になる。

位置情報の履歴はすべてのGoogleアカウントでデフォルトで無効になっているが、今後は管理対象のアカウントを利用している子どもたちについて、位置情報の履歴を有効にすることはできなくなる。この変更は全世界の18歳未満のユーザーに適用される。法的に成人するまで位置情報を有効にすることはできない、ということだ。

また、Google Playでは、アプリがファミリーポリシーに従っているかどうかを保護者に知らせるセクションが新設され、アプリ開発者は、自分のアプリがどのようにデータを収集・利用しているかを開示することが必要になる。これらの機能は、Apple(アップル)の「App Storeのプライバシーラベル」に一部ヒントを得たもので、すでにAndroid開発者向けに詳細が発表されている

Googleのペアレンタルコントロールツールも拡充される。ファミリーリンクを利用している保護者は、アシスタント機能を搭載したスマートデバイスで、ニュース、ポッドキャスト、ウェブページへのアクセスをフィルタリングしたり、ブロックしたりすることができるようになる。

広告主にとっても重要な変更がある。

Googleによると、年齢制限のある広告カテゴリーがティーンエイジャーに表示されないようにするための保護機能を拡充し、18歳未満のユーザーに対しては、年齢、性別、興味や関心などの要素に基づく広告ターゲティングをブロックするという。ティーンエイジャーや子どもをターゲットにする際に「興味や関心」のデータを利用しないという点は、Instagramが導入した広告の変更に似ているが、Instagramは年齢や性別によるターゲティングを許可している。Googleは年齢や性別によるターゲティングを許可しないことになり、この変更は「今後数カ月のうちに」全世界に展開されるとのことだ。

GoogleとYouTubeにおけるすべての変更は、今後数週間~数カ月の間に全世界で展開される予定である。

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画像クレジット:Nicolas Economou / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

TikTokが13歳~17歳のアカウント対象に新たな制限、16歳未満はデフォルトで非公開・DMやダウンロード無効

TikTokが13歳~17歳のアカウント対象に新たな制限、16歳未満はデフォルトで非公開・DMやダウンロード無効

LOIC VENANCE/AFP via Getty Images

TikTokが、10代の若者の安全とプライバシーを保護するため、13歳~17歳のユーザーを対象とした、アカウントや動画の視聴、ダイレクトメッセージ(DM)機能に関する新しい制限を設けました。

これにより、13歳~15歳のアカウントについては、デフォルトで非公開となり、動画を公開する際、誰が動画を観られるかを選択するポップアップが表示されるようになります。公開範囲としては、フォロワー、友人、自分のみが選択でき、誰でも観られる設定は行えません。また、DuetやStitchの機能も利用できません。

16歳~17歳のユーザーは、DM機能がデフォルトでオフとなります。ただしこれは設定から変更が可能。初めてDMを利用する場合にもプライバシー設定の確認を求めるメッセージが表示されます。また、同様に公開した動画のダウンロードを有効にする場合にも、同様に確認のメッセージが表示されます。なお、13歳~15歳については、DM機能は利用できず、ダウンロード機能も無効になっています。

このほか、いじめ防止や健康的なデジタル習慣の促進のため、13歳~15歳のアカウントでは午後9時から、16歳~17歳では午後10時からプッシュ通知が無効になります。

TikTokは、以前からいじめやプライバシーに関する取り組みを強化してきています。ただ、これらに関しては終わりがなく、今後数か月でさらに多くの取り組みを伝えていきたいとしています。なお、10代を対象としたプライバシー保護などの取り組みは、Instagramなども力を入れているところです。

TikTok、不快なコメント防止に2つの新機能を導入。コメント承認制も
Instagram、16歳未満の新規アカウントをデフォルトで非公開に。広告も一部制限

(Source:TikTokEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
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グーグルが子供向けオンライン安全カリキュラムを更新、オンラインでのいじめやハラスメントに関するレッスンも追加

Google(グーグル)は、米国時間6月16日、同社のデジタルの安全性と市民権に関わるカリキュラム「Be Internet Awesome」のアップデートと拡張を発表した。学齢期の児童が責任感を持ってインターネットを行き来できるようになることを狙ったカリキュラムだ。Googleによると、4年前に導入されたこのカリキュラムも、現在では3カ国数百万人の子どもたちに届いている。今回のアップデートで、Googleは、と教育者のためのレッスンを10 個ほど増やし、オンラインゲームや検索エンジン、動画の消費、オンラインの共感、サイバーいじめなどのテーマを加えている。

Googleはニューハンプシャー大学の対児童犯罪研究センターに依頼してこの事業を評価してもらい、2019年には重要なアップデートとして、偽情報やフェイクニュースの判断方法を子どもたちに教えるためのレッスンを追加している。

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当時の評価では、この事業がサイバーいじめやオンラインの市民性とウェブサイトの安全性といった部分では、子どもたちの助けになっているが、その他の部分に関して改善が必要だと指摘されていた。

Googleはその後、Committee for ChildrenThe Net Safety Collaborativeといったオンラインでの安全性に関するエキスパートと協力して教材を改訂している。その結果、現在では、レッスンが年齢集団や学年別に調整され、テーマも増え、家族向けのリソースも加わった。

今回の新レッスンには、オンラインゲームと検索エンジン、動画消費に関するガイダンスが含まれ、児童生徒がサイバーいじめやオンラインでのハラスメントに対応できるようになるための社会や感情に関する学習も追加されている。

例えば一部の新レッスンでは検索メディアのリテラシーが議論され、Googleといった検索エンジンの正しい使い方とリンク、それらが返す結果を評価することを学ぶ。これらのレッスンが、メディアリテラシーに関する既存の教材に加わった。

他にも、オンラインでの共感の実践や親切の示し方、いじめなどの不適切で気が動転するようなものを見た / 遭遇したときの対応方法などのレッスンも加わっている。

オンラインゲーム関連のコンセプトが新レッスンに織り込まれたのは、リアルタイムチャットで他のプレイヤーと対話することも増えており、現在の子どもたちがオンラインゲームにおける大量のソーシャルなコミュニケーションを経験しているからだ。

また子どもたちは、「本当に子どもなのか」など、いろいろな視点からオンラインゲーマーの人物を検証できるようになる。教材は、オンライン上の人と共有してはいけない種類のプライベートな情報について説明している。

新たに追加された家族向けリソースでは、今回アップデートされたカリキュラムが親を、テクノロジーの利用を家族で管理するためのコツやツールの情報を提供する最近立ち上げられたオンラインハブ「families.google」に誘導する。

GoogleがアップデートしたFamily Linkアプリは、どのアプリをいつなら使ってよいかを、親が設定することが可能で、実際に子どもたちが画面を見たり、使ったりした時間が親に報告される。また2021年初めにはYouTubeに対するペアレンタルコントロール機能が加わり、YouTube Kidsの層よりも年は上だが、まだ自由に視聴させたくない年齢層、つまりティーンや10〜13歳の子どもたちの利用もコントロールできる。

Googleによると、アップデートされたカリキュラムは米国時間6月16日から、親や家族、教師、教育者らがBe Internet Awesomeのウェブサイトで利用できる。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Google子ども10代ペアレンタルコントロールメディアリテラシー

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルのファミリーリンク機能が保護者の考え方の変化を反映してアップデート

Google(グーグル)はペアレンタルコントロールシステムであるファミリーリンクを変更する。子どもが画面を見る時間に対する保護者の考え方の変化を反映するのが目的だ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する前は、保護者はスクリーンタイムを制限すべきものと考える傾向があった。おそらく、画面を見るよりも外へ出て友だちと遊ぶほうが良いと思っていたのだろう。しかしロックダウンされバーチャル学習へと移行した困難な状況が、保護者の考え方に影響を与えた。グーグルによれば、保護者は最近、子どもがデバイスを「何時間」使うかよりも「どう」使うかを心配しているという。

感染拡大を防ぐために家に留まり、親戚や友人と会うことを制限され、学校は閉鎖され、遊ぶ約束やパーティは中止になった。こうした家族にとってデバイスはある種の救世主となった。保護者の考え方の変化は、このような世界に対する譲歩だ。保護者は、画面を見ている時間自体は必ずしも避けるべきものではなく、使い方を制御したいだけだと認識するようになった。

ファミリーリンクがアップデートされ、保護者はリモート学習アプリを「常に許可」できるようになったため、リモート学習アプリはスクリーンタイムの1日の制限に含まれなくなる。学校の授業を受けたり先生とコミュニケーションを取ったりするアプリだけでなく、子どもが学んだり遊んだりするアプリも許可することになるかもしれない。例えば学校が推奨する補習用の教材や、バーチャル授業の合間に遊ぶことを保護者が認めたアプリなどだ。

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保護者はこれまで以上に詳しい日、週、月ごとのアクティビティレポートも見られるようになる。レポートには子どものアプリ利用時間の概要、週や月単位での利用時間の変化「常に許可」したアプリの利用時間が表示される。これにより保護者は学習と遊びでどのように使われているかを詳しく把握できるようになる。

Androidでは、米国で13歳未満の子ども向けに教員が推薦しているGoogle Playのアプリも見られるようになり、スクリーンタイムの制限を子どものデバイスから直接設定することもできる。

画像クレジット:Google

こうしたアップデートは新型コロナウイルス感染症が収束した後でも保護者がスクリーンタイムを細かく見られるので有用だが、感染拡大の中でグーグルがこの変更を公開するまでにこれほど時間がかかったのは残念だ。米国では多くの人がワクチンを接種し、多くの場所で学校が再開されるなど制限が緩和されている。したがって、子どもが画面を見る時間が長くなるという保護者の心配は、直になくなるだろう。デバイスから対面の学習に移行し、画面を見る時間はまた悪者扱いされるようになるかもしれない。

今回の発表に関連して、グーグルはテクノロジーを使い始めた子どもがいる家庭向けに新しいウェブサイトを公開した。さらに同社は子どものいる家族が一緒に瞑想を練習するのに役立つアプリのHeadspaceを紹介する新しいコンテンツのシリーズも公開した。繰り返しになるが、こうしたリソースは世界が再度動き始めた今ではなく、2020年の感染状況が最悪だった時期にこそ必要だった。

コロナ禍で家族が子どものスクリーンタイムやデバイスのエクスペリエンスをこれまで以上に考える事態となった。保護者の監視が強まった結果、TikTokやInstagramなどのソーシャルアプリは、スクリーンタイムで真っ先に制限されるのではなく保護者から好意的に見てもらうためにファミリー向けの安全機能を公開している(Instagramについてはちょうど今日、記事を公開した)。スクリーンタイムで制限されないエデュテインメントアプリの新しいカテゴリーを確立しようと、新しいハイブリッド学習や教育のスタートアップも現れている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Googleペアレンタルコントロール

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

TikTokとの競争激化でInstagramが10代向けのセイフティーツールを新たに導入

2021年1月にTikTokはプライバシーの設定をアップデートし、デフォルトでティーンのユーザーに対する制限を強化した。米国時間3月16日、Instagramもこれに続いてティーンのプライバシーに関してアップデートした。ただしInstagramはTikTokのようにデフォルトでティーンのアカウントのプライバシーを強化するのではなく、成人がティーンのInstagramユーザーとやりとりすることを難しくしたのが主な変更点だ。

Instagramは、成人ユーザーが自分をフォローしていないティーンに連絡できないようにする新しい安全機能を公開中だとしている。このルールの例外として、成人の家族と、家族の友人などプラットフォーム上で信頼される成人のみがティーンとやりとりできる。成人が自分をフォローしていないティーンにダイレクトメッセージを送ろうとすると、送れないという通知が返ってくる。

ティーンがすでに成人とつながっていてダイレクトメッセージのやりとりをしている場合、成人が18歳未満のユーザーに大量の友達リクエストやメッセージを送るなどの疑わしい行動をするとティーンに警告が送られる。このツールでティーンが会話を終わらせる、ブロックする、報告する、今後の連絡を制限するといったこともできる。

画像クレジット:Instagram

Instagramによれば、アプリ内の「発見」や「リール」などで成人がティーンを見つけてフォローすることも難しくなるという。具体的には、成人に対してアプリの「おすすめ」ユーザーのセクションでティーンのアカウントの表示が制限され、公開された投稿ではティーンのコメントが非表示になる。

同社は、アプリ上で年齢を偽っているティーンを発見する新しいAIと機械学習のテクノロジーを開発中であることも補足した。ティーンがアプリにサインアップする際に生年月日をごまかしたとしてもこの機能が働くかもしれないが、まだ完全に動作しているわけではない。

今回のアップデートとしては他に、保護者向けとしてアプリの「保護者ガイド」に記載された安全のための新しいリソースや、ティーンに対してアプリで公開アカウントを持つ意味を説明し非公開の設定を選択するように促す教育用資料がある。

画像クレジット:Instagram

TikTokがティーンにとって安全なプラットフォームにしようと力を入れているこの時期に、こうした機能が公開されたことは注目に値する。TikTokはデフォルトの設定を変更するだけでなく、2020年にはペアレンタルコントロールも追加した。TikTokは2020年にペアレンタルコントロールのメカニズムをアプリに直接組み込むという異例の措置をとった。これにより保護者が子どものTikTokアカウントにリンクして、子どものプロフィールのプライバシーや子どもがアプリ上でできること、表示されるフィードをもコントロールできるようになった。TikTokはこの機能の公開後もコントロール拡大を続け、これを核心と考えていることがうかがえる。プライバシーとペアレンタルコントロールをエクスペリエンスの重要な部分と位置づけることにより、TikTokはティーンのソーシャルメディア利用を制限しようとする保護者から認められる。こうしてTikTokのユーザー数が増え、ティーンが時にはInstagramを使っていた時間を削ってTikTokを長時間利用することにつながる。

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タグ:Instagramペアレンタルコントロールティーンエイジャー

画像クレジット:Instagram

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

YouTubeが10代と10代の子を持つ親向けペアレンタルコントロール機能を導入へ

YouTube(ユーチューブ)は米国時間2月24日、学童を対象としているYouTube Kidsアプリを使うには年齢が上だが、YouTubeの世界すべてを冒険する準備はまだできていないというティーンエイジャーやツイーン(8〜12歳)向けにデザインした新エクスペリエンスを間もなく導入する。「監督」されたGoogleアカウントを通じて親が子どものYouTubeへのアクセスを制限できる新機能のベータテストを立ち上げる準備をしている、と同社はいう。この機能は、ツイーンやティーンエイジャーがYouTubeで視聴できるもの、そして動画制作やコメントといった同プラットフォームでできることを制限する。

多くの親がすでに、GoogleのFamily Linkペアレンタルコントロールアプリを通じて監督されたGoogleアカウントを子どものためにセットアップ済みかもしれない。このアプリでは親がさまざまなプロダクトやサービスへのアクセスを制限し、またスクリーンタイムを管理したり、ウェブサイトをフィルタリングできる。また一部の親は、子どもが新しいAndroidデバイスやChromebookで最初にアカウントをセットアップするときに子どもの監督つきGoogleアカウントを作成したかもしれない。

もしそうでなければ、新機能を試すことができるようになれば数分で子どもの監督つきアカウントを作ることができる。(残念ながらオンラインスクールで現在、子どもたちが使っているGoogle Eduアカウントは、立ち上げ時にサポートされていない)。

新機能では、親は子どものためにYouTubeアクセスレベルを3段階から選べる。まず最初にYouTubeは、オンラインサービスを利用するにあたって親の同意が必要な年齢(米国では13歳以下だが、国によって異なる)の子どもを持つ親向けに機能を提供し、その後他の年齢層の子どもを対象に加える。

画像クレジット:YouTube

YouTube Kidsアプリを卒業したばかりのツイーン向けには、「Explore」モードが用意されていて、一般的に9歳以上の視聴者に適したさまざまな動画を視聴することができる。ここにはブログや個別指導動画、ゲーミング動画、ミュージッククリップ、ニュース、教育コンテンツが含まれる。これにより子どもたちはキッズフレンドリーなコンテンツを提供するお気に入りのゲーミングストリーマーのようなものを視聴できるようになるが、よりセンシティブなコンテンツを子どもたちが目にするのを(理論では)防ぐ。

次にくるのは「Explore More」モードだ。ここではYouTubeのPG-13バージョンのように、閲覧できる動画は13歳以上に適したものとなる。これによりアクセスできる動画が増加し、子どもたちは「Explore」と同じカテゴリーのライブストリームにアクセスできる。

10代後半のティーンエイジャー向けには、「Most of YouTube」モードが用意されている。18歳以下にはふさわしくない年齢制限つきのコンテンツをのぞく、ほぼすべてのYouTube動画が視聴できる。

画像クレジット:YouTube

3つの異なるコンテンツ設定にどの動画を含めるかキュレートするのに、ユーザーインプットと機械学習、そしてレビューを活用するとYouTubeはいう。

もちろん、YouTube Kidsと同様(これは完璧なシステムではないことを意味する)、きちんとフィルターにかけられなかった動画にユーザーがフラッグを立てなければならないキュレーションは機械自動化されている。つまり、インターネットコンテンツへの子どものアクセスをしっかりと監督している親は、YouTubeをもっと制限するためにサードパーティのペアレンタルコントロールソリューションなど、他のシステムも活用したいだろう。

YouTubeへの監督されたアクセスには他の規制もついてくる、と同社は話す。

親は子どもの閲覧・検索履歴を子どものアカウントのセッティングから管理できる。そして子どもが持つアクセスレベルに応じてYouTubeの一部の機能を利用不可にできる。

たとえば立ち上げ時にYouTubeはアプリ内購入、動画制作、コメント機能を利用不可とする。今後は親がコントロールするというアプローチのようなものを通じてそうした機能の一部を利用できるようにするために親と協業したいと話す。

また鍵となるのは、パーソナライズされた広告が監督されたエクスペリエンス上で表示されないことだ。そのコンテンツが「キッズ向け」にデザインされていなくてもだ。通常はパーソナライズされた広告が表示される。その代わり、すべての広告はYouTube Kidsでそうであるように、文脈上のものとなる。加えて、すべての広告は子ども向け広告規則、YouTubeの一般広告規則に則らなければならず、Made for Kidsコンテンツと同じカテゴリーと広告コンテンツ規制が適用される。

とはいえ、親が子どものために監督されたアカウントを作成する際、COPPAコンプライアンスに同意する。COPPA(児童オンラインプライバシー保護法)は、子どものアカウントの個人的なデータの収集・使用に関して親がその旨を知らされ、同意することを求める米国における子どもプライバシー法だ。

しかしながら、新機能は幼い子ども向けにデザインされたアプリの対象外となった子どもを抱える家庭にとって理に適ったものかもしれない。あるいは、兄や姉の「リアルYouTube」バージョンを切望する子どももいるかもしれない。また、歳のいった子どもに「子ども」アプリの使用を強制することはどこかの時点で、友達よりも遅れていると感じさせるものだ。すべての親がYouTube Kidsアプリやペアレンタルコントロールを使っているわけではないため、「他のみんなは持っているのに、どうしてダメなんだ?」という不満は常にある(なくなることはない)。

画像クレジット:YouTube Kidsアプリ

このわずかに制限されたエクスペリエンスでは、親はコンテンツや機能に関してそれが実際に何を意味するか、制限つ付きで「リアルYouTube」へのアクセスを子どもに与えることができる。

発表の中でYouTubeは、全米PTA会長のLeslie Boggs(レスリー・ボッグス)氏、UCLAのCenter for Scholars & Storytellersを創設し「Media Moms & Digital Dads」の著者でもあるYalda Uhls(ヤルダ・ウルズ)博士、SaferNet Brazilの創設者で会長のThiago Tavares(チアゴ・タバレス)氏、シンガポール工科大学教授で「Transcendent Parenting」著者のSun Sun Lim(サン・サン・リム)氏などを含む何人かの青少年専門家から新プロダクトへの支持を得たことを明らかにした。

今回のニュースがYouTubeのライバルで急成長中のソーシャルビデオアプリTikTokのいくつかのプロダクトアップデートに続くものであることは特筆すべきだろう。TikTokは若いユーザーをこれまで以上に守ることを目的に数多くの機能の提供を開始した。

TikTokは2020年4月、子どもが同アプリでできることや閲覧できるコンテンツを制限するために、親が子どものアカウントを自身のものにリンクさせることができる「ファミリーペアリング」モードを立ち上げた(TikTokはRestricted Modeという13歳以下の子ども向けにキュレートされたエクスペリエンスを提供していて、ファミリーペアリングでも設定できる)。そして2021年1月には子どもたちがアプリでできることをより積極的に制限するために18歳以下のユーザーのプライバシー設定デフォルトを変更した。

新しいプロダクトは世界80カ国以上で「数カ月以内」にベータ版として始まる、とYouTubeはいう。幼い子どもを持つ親のためにYouTube Kidsへの投資も継続するとも述べている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTubeペアレンタルコントロール

画像クレジット:YouTube

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi