Rivianと登山家Alex HonnoldがEV用バッテリーを再利用したソーラー・マイクログリッド建設で協力

かつては秘密主義だったが11月に電動ピックアップトラックとSUVで公にデビューを果たした自動車メーカーRivianは、自社の中古バッテリーを、プエルトリコでのソーラー・マイクログリッド・プロジェクトに役立てようと計画している。

Rivianは、プロの登山家でドキュメンタリー映画『Free Solo』の主役にもなったAlex Honnoldが創設したThe Honnold財団と手を組み、このマイクログリッド・プロジェクトを進める。HonnoldとRivianのCEO、RJ Scaringeは、土曜、デンバーにてプロジェクトに関する対談を行う予定で、その様子は米山岳部時間で午後6時からストリーミング配信される(訳注:すでに終了しています)。

マクログリッド・プロジェクトは、プエルトリコの中西部に位置する人口2万人の都市アドフンタスで実施される。ここは2017年のハリケーン・マリアによる甚大な被害を受けた地域だ。アドフンタスに拠点を置き、この地域に安価に電力を供給する方法を模索している環境監視団体Casa Puebloも、プロジェクトに参加する。

Rivianは、自動車開発に使用した135キロワット毎時のバッテリーパックを提供してマイクログリッドを支える。今年の始め、RivianとThe Honnold財団のエンジニアがCasa Puebloを訪れた。彼らは、地域の代表者たちを交えて、アドフンタスの中心地でビジネスを展開する数多くの事業所に電力を供給する、地域に適合したシステムの設計について話しあった。

街の中心地を対象としたマイクログリッド・プロジェクトには、2つの目的がある。主電源が使えなくなったときに地元の中核的事業に電気を供給すること。そして、アメリカ全体の平均の2倍にもなるプエルトリコの電気料金を日常的に引き下げることだ。

このシステムは2020年の稼働を予定している。

「再生バッテリーは、再生可能エネルギーの普及を加速させる大きな力になります。このシステムが地域社会で重要な役割を果たすことを想像すると、胸が躍ります。このシステムは、場所の制約、災害復旧、エネルギーの独立性などを考慮して、地域ごとにカスタマイズできるエネルギー貯蓄ソリューションのモデルになるでしょう」とScaringeは話した。

このプロジェクトは、再生バッテリーの広範な利用法を探すという同社の長期計画の第一歩となる。

同社では、そのバッテリーパック、モジュール、バッテリー管理システムを、電気自動車用としての生涯を終えた後も、自動車用充電池から据え置き型充電池へ転換できるよう設計している。モジュール自体は薄型デザインになっているので、再生後は、場所をとらないカスタマイズ可能な装置として応用できる。

Rivianは、ピックアップトラックやSUVといったスポーティーなオフロード車に特化した電気自動車のメーカーだ。同社は2月、アマゾン主導のラウンド投資7億ドル(約760億円)を調達したことを発表した。

この企業は、創設当初、一般の目に触れない形で事業を行ってきた。2009年に設立されたときの社名はMainstream Motorsだった。2011年には社名をRivianに変更し、フロリダを離れた。現在、同社は、ミシガン州プリマス、カリフォルニア州サンノゼとアーバイン、イギリスのサリーに開発部門を分散し、1000名以上の従業員を擁している。また、イリノイ州ノーマルには、約73000坪の工場を構えている。

RivianはR1T電気ピックアップトラックと、R1S SUVを、2020年後半にアメリカで発売する予定だ。その他の地域では2021年から展開が開始される。

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(翻訳:金井哲夫)