深い会話で孤独感を解消するビデオチャットアプリTwine

twine(トゥワイン)という新しいスタートアップ企業が、人々の孤立感や孤独を和らげようと頑張っている。準備にこれまで6カ月間ほど費やしてきたプロジェクトなのだが、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行と政府の外出自粛要請のために家族や友だちやご近所さんや仕事仲間たちと切り離され、人々が辛い思いをしているこの時期にローンチを決めた。「新しい人たちと出会うためのZoom」と、わかりやすい説明が付けられたtwineは、有意義な会話や新しい友情の芽生えを支援するグループビデオチャットサービスだ。

twineでは、利用者は自分の他に4人のパートナーとマッチングされ、それぞれが1対1の会話を8分間行うことになっている。この会合は、基本的なルールを説明するバーチャルガイドの時間を含めて全体で40分間続く。

参加者は250問を超える「深い」質問のライブラリーから話題を選ぶと、同じトピックについて話し合いたいパートナーとマッチングされる。そしてそれぞれのタイムゾーンで開催されるtwineのデジタル会合に参加申し込みをして、その開始時間が来たらチェックインする。

余計な話をスキップしていきなり本題に入ることで、人と人のつながりを作るというのが全体的な主旨だ。しかし、本来の目的はデートではなく友情。会合の後もつながりを維持し、将来の会合でまた集まれるよう、利用者たちにはリマインダーの設定が勧められる。

このアイデアには、どことなくChatrouletteを思われるものがある。少なくとも理論的には、この会合を引っかき回す目的で登録した人間とマッチングされる可能性があるからだ。だがtwineでは、その手段を厭わず他人に嫌な思いをさせた人間を永久追放することで、ショッキングなコンテンツを見せて人に不快感を与える「荒し」の危険性を低減させる努力をしている。また私たちは、このアプリに登録する際に、メールアドレス、電話番号、郵便番号が求められることを知った。つまり利用者は、まったくの匿名ではないわけだ。

さらにtwineでは、会話が終わった時点で、利用者にはその評価が求められる。さらに会話に参加する際には事前の承認が必要になる。荒らしをなくすために、将来的には「本物のIDのみ」に持っていきたいと同社は考えている。

とはいえ、踏み込んだ個人的な話題を見ず知らずの人とオープンに話し合うというのは、ちょっとリスキーに思える。twineのガイドラインには、会話の内容は他人には知らされないが、法的に秘密が守られる医師と患者の会話とは違うと書かれている。これは単なるグループチャットのアプリなのだ。参加者の中にはルールを守る者と守らない者がいておかしくない。

だがインターネットは今、新型コロナウイルスの影響である意味生まれ変わろうとしている。人々はつながりを求めてインターネットに集まって来ている。ソーシャルメディアは、現実のソーシャル(社会)になりつつある。人はそもそも善であり、テクノロジーを適切に使うとの信念に基づくtwiceのような楽観的なツールを試すには、理想的な環境だ。

twineのアイデアは、いくつもの企業を立ち上げてきた起業家であるLawrence Coburn(ローレンス・コバーン)氏とDiana Rau(ダイアナ・ラウ)氏によるものだ。コバーン氏は、モバイルイベント技術を提供するDoubleDutch(ダブルダッチ)を創設し、この9年間はCEOを務めてきた。その会社は2019年にCvent(シベント)に買収された。ラウ氏はその間、Veterati(ベテラティ)を共同創設しCEOを務めていた。ベテラティは、退役軍人のためのデジタル助言プラットフォームで、コミュニティー形成の訓練として1対1の対話を活かしている。

2人の共同創設者は、すでにジョージタウンの起業家エコシステムの中で知り合っていた。しかもコバーン氏はベテラティの顧問であり、ラウ氏はダブルダッチで働いていたことがある。

コバーン氏は、twineに関する彼のビジョンを、新しいソーシャルネットワークと、精神性は高いが宗教的ではない人たち、つまり「よりよい人間になりたい」と願う献身性のある人たちの代理との中間的存在と説明している。ラウ氏は、1対1の会話で人間性を探求できる場所を人々に与えることで孤独の解消に役立ちたいという気持ちから、twineでの仕事を望んだと話していた。

このアプリは、そもそもは人と人とを実際の会合で直接会わせることが目的だったのだが、同社は新型コロナウイルスの感染拡大のために計画を変更し、ローンの時期を早めたのだった。

「最高のタイミングで企業を立ち上げるのは、本当に難しいことです。世界的なパンデミック? ひえー!」とコバーンはローンチに関するブログポストに書いている。「しかし新たな現実が定着するようになると、世界はtwineのようなものが以前にも増して重要になるのは明らかだと、私は感じました。そんなマクロな力が、twineをスタートさせろとダイアナと私の背中を押したのです。孤独、分断、孤立を助長するのは、他ならぬ社会的距離戦略です。コロナウイルスが流行る前からすでに蔓延していた社会的孤立は、さらにずっと深刻化します」と彼は言う。

このスタートアップは、3月12日にDoubleDutchに投資しているHinge Capital主導のシードラウンド140万ドル(約1億5200万円)をクローズした。その他、DoubleDutchへの投資企業もtwineの投資に戻ってきた。その中にはFJ Labs、Brand Foundry Ventures、Bragiel Brothersが含まれる。このラウンドに参加したエンジェル投資家には、April Underwood(エイプリル・アンダーウッド)氏、Jay Hoffmann(ジェイ・ホフマン)氏、Scott Heiferman(スコット・ハイファーマン)氏、Vishal Kapur(ヴィシャル・カプール)氏などが名を連ねている。

将来twineは、サブスクリプション形式にして世の中が安全になったときに、当初の計画どおり人と人が直接会える会合を開けるようにしたいと考えている。

このアプリは現在、iOSとウェブでプライベートなベータテストを行っている。すでに1000人を超える予約者があり、そのほとんどはニューヨーク市とサンフランシスコの住民だ。だがtwineは全世界で使えるようになる。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

デート率の高さがウリ、第3世代のマッチングアプリ「Dine」提供元が1.5億円を調達し日本版リリース

マッチングアプリ「Dine(ダイン)」をアメリカ、カナダで展開するMrk&Coは11月1日、結婚相談所を運営するパートナーエージェントおよびベンチャーユナイテッドを引受先とした第三者割当増資と、日本政策金融公庫からの資本制ローンにより、総額約1.5億円を調達したことを明らかにした。内訳は非公開だが、パートナーエージェントが1億円を出資しているという。

同社はこれまでサイバーエージェントベンチャーズとiSGSインベストメントワークスから約4000万円を調達していて、累計の調達総額は約1.9億円。 今回の調達に合わせてDineの日本版を正式にリリース、まずは東京から始めて順次エリアを広げていく予定だ。

「実際にデートできること」にコミットしたマッチングアプリ

Dineは「直接会うこと」にフォーカスをしたマッチングアプリで、2016年3月にアメリカとカナダでリリースされた。海外から展開を始めていたが、提供元のMrk&CoはDeNA出身の上條景介氏と森岡崇氏が創業した日本発のスタートアップでオフィスも渋谷にある。

日本国内でもマッチングアプリが普及し始めているが、Dineも仕組み自体はシンプルで割と一般的なものだ。毎日定刻にユーザーがレコメンドされ、気に入った相手にはデートのリクエストを送る。そして双方がリクエストを送ってマッチングした場合には個別でメッセージをやりとりし、実際に会うという仕組みになっている。

特徴的なのは、よく見ると相手の顔写真の下に3件のレストラン写真が表示されていること。Dineでは全ユーザーが登録時に自分が行きたいレストランを3件選ぶところから始まり、相手にリクエストを送る際には「どのレストランで会いたいか」を選ぶ仕様になっている。

写真左からレストラン選択画面、ホーム画面、デート日程調整画面

つまりマッチングした時点では、すでに相手と「このお店で会いたい」ということまで具体的に決まっているわけだ。今回リリースした日本版ではまず恵比寿と銀座でそれぞれ50店舗ずつ、合計100店舗のレストランが対象となる。

「アメリカで人気のTinderBumbleはマッチングはするものの、実際に会える確率が低い。大きな要因として、必ずしも婚活や恋活を目的にしている人ばかりではなく目的意識がバラバラだということがある。そしてマッチング後に相手とデートするためには、メッセージスキルが必要で手間もかかるなど障壁が高い。Dineでは実際に会うことにフォーカスしていて、そのために障壁となるものを取り除くことを徹底的に意識している」(上條氏)

最初にレストランを選ぶという設計もそうだし、マッチング後のメッセージ画面にもこだわりが見える。Dineではデートのスケジュールを提案するフォーマットが組み込まれていて、候補日を選択するだけでデートの提案ができる。

当初は自由にメッセージを送れる仕様だったが、それでは脱線してしまったりコミュニケーションが上手くいかないケースがあった。そこでフォーマットを取り入れたところ、デートに行く確率が20%から40%まで跳ね上がったそうだ。

「オンラインではそこまで印象が良くなかったが、実際に会ってみるとすごくいい人だったということは恋活に限らずよくあること。メッセージが苦手だとか、オンラインの人格だけで人が評価されてしまうのは双方にとって損失。Dineではまずは短時間でも実際に会ってみることを大切にしている」(上條氏)

結婚相談所の運営企業から出資を受け、将来的には業務提携も

写真左が代表取締役の上條景介氏、右が取締役CTOの森岡崇氏。

Dineを立ち上げた背景には上條氏が前職時代にカナダに赴任した際の体験も関わっている。当時はオンラインの掲示板を通じて現地にいる日本人との繋がりが広がっていったこともあり、オンラインで人と出会うという体験にポジティブな想いがあったそうだ。

上條氏は業界の変遷も踏まえて、Dineをサードウェーブデーティングアプリ(第3世代)と表現する。

第1世代は1995年にリリースされたマッチングアプリのパイオニア的存在でもあるMatch.comのように、身長や年収など求める条件を入力し、条件に合った人を検索してマッチングするサービス。そしてスマホで使うことを想定し、第1世代の操作性を改善しながらよりカジュアルに使えるようにしたのがTinderを代表とする第2世代のアプリだ。

MAUが5000万人を超えるとも言われるTinderを筆頭に、現在北米で主流となっている第2世代のアプリだが、上述したようにユーザーの目的がバラバラなため真剣に出会いを求めるユーザーの中には不満を持つ人もいるそう。上條氏も複数のマッチングアプリを使う中で「実際に会う」というところに課題を感じ、そこにフォーカスしたDineの開発に至った。

リリースしてから約1年半が経つが、特にデート率(会話が始まってから実際にデートに行く確率)が40%と高く、それに伴ってDAUや売上といった指標も毎月120~150%ほど成長しているそう。創業者の2人はDeNAでソーシャルゲームの開発に携わってきたメンバー。データを基に細かい改善を日々繰り返していて成長の兆しが見えてきたこともあり、その勢いを加速するため資金調達に踏み切った。

今回はVCに加えて結婚相談所を運営するパートナーエージェントからも出資を受けている。具体的な話は今からとのことだが、相談所やイベント運営のノウハウを活用した新サービスなど、将来的な業務提携も考えているそうだ。

「TinderのMAUや会員数を越えようとは思っていない」と上條氏が話すように、Dineでは「デートに行ける」という部分にコミットしながら、今後アプリのグローバル展開を進めていくという。

アプリでママ友探しーPeanutが考える新しい母親同士の交流のかたち

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親になるというのは、ときに孤独なプロセスだ。ハッピーアワーよりも子どもの遊びの約束を優先しなければならず、スケジュールや物事の優先順位が違う友だちと過ごす時間が減ってしまうこともある。新たにローンチされたPeanutというiOSアプリは、そんな新米ママをサポートしようとしている。このアプリを使えば、近くに住む趣味趣向が似たママ友を見つけることができるのだ。

これは、母親のためのTinderといっても間違いではないだろう。

Peanutの共同ファウンダーであるMichelle Kennedyがこれまでデーティングサービスに関わっていたことを考えると、Tinderとの比較はむしろふさわしいものだと言える。

Kennedyはオンラインデーティング企業のBadooに、法務顧問(後にCEO代理)として6年間勤務していた。さらに彼女は、Badooを大株主に持つデーティングアプリBumbleの開発にも携わっており、BumbleファウンダーのWhitney Wolfeのアドバイザー、そして取締役を務めていた。

もう一人の共同ファウンダー(兼Peanutの生みの親)であるGreg Orlowskiも、Deliverooの共同ファウンダー兼CTOとしての経験から、スタートアップ界をよく知る人物だ。彼は昨年Deliverooを去り、現在はシカゴで働いている。一方Kennedyはロンドン在住で、Peanutにはニューヨークで働くスタッフもいる。

友だち探しのためのアプリ

アプリを使った友だち探しというのは、現在大手デーティングアプリが進出しようとしている分野で、BumbleにはBFF、TinderにはSocialと呼ばれる機能が備わっている。

Peanutも一般的なデーティングアプリのように、友だち候補を見つけるのにスワイプメカニズムを採用しており、友だちになりたいと思う人は上に、その人のプロフィールをスキップしたければ下にスワイプするだけでいい。しかし、Tinderのように見た目だけで判断するのではなく、Peanutは共通点を持った友だち探しにフォーカスしている。そのためユーザーは、相手が話せる言語やフルタイムで仕事をしているか、アウトドアタイプかといったポイントを確認しながらスワイプしていく。

さらに子どもの年齢も表示されるので、子どもの遊び相手を見つけるのにもぴったりだ。

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各ユーザーの特徴は、登録時に選ぶシンプルなステッカー上に、「mom boss(活発なママ)」「firness friend(フィットネス好き)」「fashion killa(ファッション大好き)」といった短い言葉で表現されているので、自己紹介文を読み込まなくてすむ。ステッカーはプロフィール設定から追加・削除することも可能だ。

一見すると、この共通点にもとづいた友だち探しというのは、上手く機能するように思える。もしも、ハイキングやダンスより、ショッピングやリラックスするのが好きな人であれば、自分と趣味が似通った人と友だちになりたいと思うだろう。さらに、もしもフルタイムで働いていて、いつも忙しい人であれば、お手製のベビーフードを作るような専業主婦とは上手く仲良くなれないかもしれない。

しかし逆を言えば、この共通点にもとづいた友だち探しの結果、ある一定の社会経済的な輪にユーザーを閉じ込めてしまい、彼女たちの友人関係が多様性に欠けてしまう恐れもある。特に今の時代、人との違いを理解するというのは重要なことだ。現在の政治の様子を見ても、私たちがこれを上手くできているとは言えない。

考え方の違う人と友だちになるのは難しいことだが、新しいことを学ぶチャンスでもある。しかしKennedyは、むしろ自分と似た人と友だちになる方が重要だと考えているようだ。

michelle-kennedy-headshot「政情を見ていると、私は考え方の似た、同じ価値観を共有できるような女性同士を結びつけることが、これまで以上に重要になってきていると感じています」と彼女は話す。「そして、Peanutでその手助けができればいいなと思っているんです」

数年前に息子が誕生したKennedyは、母親になった女性の友だちづくりの難しさをよく理解している。

多くのママコミュニティが、少し「古風な」形をとって、アプリよりもウェブサイトやオンライン掲示板を利用しているということに彼女は気付いた。最近母親のユーザーが増えているFacebookグループでさえ、現代版オンライン掲示板のようなもので、友だちを作る場には適していない。

イギリスのMushやサンフランシスコのWinnieなど、Peanutに近いサービスを提供している企業も存在する。しかしMushは依然アメリカへは進出しておらず、Winnieはどちらかというと、母親向けYelpのようなサービスを提供している。つまり、まだまだPeanutのようなサービスには、市場開拓の余地が残されているのだ。

スッキリとした現代的なデザインのPeanutアプリは、とても使いやすく、登録、スワイプ、ママ友との約束設定まで、全て片手で行うことができる。

目的の見えないチャットが続きがちなデーティングアプリとは違い、Peanutのゴールは母親同士を実際に会わせることにある。そのため、ユーザーが誰かとマッチしたら、マッチスクリーンからそのままチャットを開始できるようにつくられている。

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さらにPeanutにはグループチャットも備わっており、みんなでやりたいことを相談したり、投票機能を使って会う日を決めたりすることもできる。日程が決まったら、投票を開催したユーザーは画面をタップするだけでインビテーションを作成でき、他のユーザーは自分のカレンダーに約束を追加できる。

既に公開中のPeanutだが、同社の課題はどのくらいユーザー数を伸ばせるかということだろう。大都市でない限りは、主に口コミに頼ってアプリを広めていくしかないし、新しいアプリをインストールしたくないという不満の声も忙しい人からよく聞く。ここがPeanutの頑張りどころだ。

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一方で、NEAやFelix Capital、Partech、エンジェル投資家らが参加したシードラウンドで、予想よりも多額の資金(まだ調達額は開示されていない)を調達できた同社の手元には、まだまだ資金が残っているのも事実で、まだ時間は残されている。

Peanutは今日からiOS向けに公開されており、無料でダウンロードできる。現状ベータ版だが、来週水曜日にはバージョン1.0の公開が予定されている。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

マッチングサービス「CROSS ME」は“すれ違い”をきっかけに出会いを提案する

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pairs」「Omiai」「タップル誕生」といったサービスの躍進も追い風となり、認知が広がっているマッチングサービス。この領域にまた新たなプレーヤーが登場した。サイバーエージェント傘下のプレイモーションは8月23日、マッチングサービス「CROSS ME(クロスミー)」の提供を開始した。

CROSS MEのコンセプトは「すれ違いの恋をきっかけにするアプリ」。アプリをインストールし、FacebookやTwitterアカウント、SMSでの認証をしてユーザー登録をすれば、あとはアプリを立ち上げなくても自動で他のユーザーと「すれ違い」が可能になる。同じタイミングに同じ場所にいた異性ユーザーは「すれ違い」リストに「いつ、どのあたりで、何回すれ違ったか」までが表示される。そのリストの中で気になる異性がいれば「いいね!」を送ることができる。お互いが「いいね!」を送り合えば2人でメッセージをやり取りすることが可能になる。

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位置情報は起動時および基地局の変更時に取得している。位置情報は町名までを取得。実際の「すれ違い」を判定する距離などは非公開で、今後利用動向を見てチューニングしていくという。ユーザーによっては夜間など自分の位置情報を伝えたくない時間帯もあるだろうが、あらかじめ設定しておけば、特定の時間帯に位置情報を送信しない機能も備えている。ユーザー検索機能も用意するが、基本的にはすれ違ったユーザーとのコミュニケーションを前提としているという。

プレイモーション代表取締役の平松繁和氏

プレイモーション代表取締役の平松繁和氏

ターゲットとするのは20代半ばまでの比較的若い世代。「同じ学校ですれ違ったのか、電車に乗る際にすれ違ったのかという偶然にドキドキして欲しい。恋活、婚活といったテーマのマッチングサービスもあるが、恋のきっかけとして利用して欲しい」(プレイモーション代表取締役の平松繁和氏)。若いユーザー層の利用を想定してFacebook以外にTwitterでの認証も導入したという。ただし24時間体制での監視を導入し、安全性を担保するという。

サイバーエージェントグループと言えば、冒頭で紹介したタップル誕生も提供しているが、ターゲットの属性が異なるため(タップルの方が上の世代をターゲットにしている)、競合ではなく補完関係にあるサービスだと説明する。

メッセージを往復する際に男性に料金がかかる。料金は最大で月額3800円だが、22歳の3月になるまでのユーザーに限定して月額600円の「学割」を導入する。今後はまず首都圏に限定してプロモーションを強化していく。

Nianticの「ポケモンGO」が登場して以降、改めて注目を浴びている“位置情報系”のサービス。果たしてマッチングという領域でも新しい価値を生み出せるだろうか。

BumbleがSpotifyと連携、デート相手は好みの音楽で決める

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Bumbleは急成長中の女性主導のデートアプリだ。今回BumbleはSpotifyと連携すると発表した。

Bumbleのユーザーは近いうちにデートのプロフィールにSpotifyのアカウントを連携し、プロフィールによく聞くアーティストを表示できるようになる。ユーザーが誰かのプロフィールに掲載されているアーティストをタップすると、Spotifyアプリのそのアーティストのページへと飛ぶ。

音楽の好みなんて些細なことと思うかもしれないが、好みの音楽はユーザーが誰かのプロフィールを右か左にスワイプするのを決めるほどの影響力があるとBumbleは考えているという。「音楽はその人がどのような人かについて多くを語ります。文化を通じてつながることは、意味ある関係を築く土台となります」とBumbleのファウンダーでCEOのWhitney Wolfeは言う。

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これまでもユーザーはプロフィールに好きな音楽を入力することができたが、多くのユーザーは時間をかけてまでプロフィールを埋めないこともBumbleは認識しているという。それに加え、ユーザーがこれからマッチングする可能性のある人が掲載している音楽を聴いてみたいと思った時にSpotifyへと直接飛ぶリンクがあるのも便利かもしれない。

現在、Spotifyにおけるユーザーの視聴行動を元に自動でよく聞くアーティストを引っ張って表示しているが、同社は特定のアーティストを隠せる機能も提供するという。これで、誰かに知られては恥ずかしいような音楽をプライベートで聞いている場合でも、Bumbleの公開プロフィールのペルソナにまでそれが反映される心配をなくす助けになるだろう。

パートナーシップは自然と起きたものだとBumbleは言う。この機能が実装に至ったのは、数年前にBumbleの社員とSpotifyで働くその社員の友人との取り止めもない会話がきっかけだったという。

この機能がユーザーのスワイプ傾向に影響を与えるのなら、デート相手を互いによく知るために、将来的に他の機能統合にも発展することになるかもしれない。

例えば、OpenTableのプロフィールと連携して良く行くレストランが表示されたり、Giltアカウントと連携してお気に入りのブランドを表示できたらどうだろう?アプリベースのデート相手探しだと限定的な情報(それも必ずしも正しいとは言えない情報)しか手に入らない状態で相手をスワイプするかどうかを決めなければならない。これらの連携は、意思決定において確かな情報をプロフィールに付加することにつながるだろう。

Bumbleにはこれ以上ユーザーにプラットフォームを使用してもらうためのインセンティブは必要ないようだ。アプリがローンチしてから18ヶ月が経つが、平均的なユーザーは日に100分もアプリを使用し、550万ユーザーを抱えているという(デイリーでアプリを使用しているのは110万人だそうだ)。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website