手持ちのモノを売り支払いに充てられる決済プラットフォームTwigが約40.3億円調達、「グリーン」を謳うがそのサステナビリティにはほころびが見える

Z世代と若いミレニアル世代の消費者をターゲットとし、電子マネーアカウントで衣類や電子機器を売って即座に換金できるロンドン本拠のフィンテックTwig(トゥイグ)が3500万ドル(約40億3000万円)のシリーズAラウンドをクローズした。

今回のラウンドを率いたのは、フィンテック投資専門のFasanara Capital(ファサナラキャピタル)で、Twigによると、LVMH、Valentino(バレンチーノ)、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の現幹部や旧幹部など、他にも数多くの匿名の戦略投資家たちが参加したという。

Twigは2020年創業の新興スタートアップで2021年7月に英国でサービスを開始したばかりだが、英国内で急速に成長しており(Twigのアプリのダウンロード回数は月間10万回を超えており、iOSのApp Storeでファイナンス関連アプリの第6位にランキングされた)、すでに海外進出に向けて準備を開始している。

Twigは、シリーズAで獲得した資金で、米国(2022年第1四半期)およびEU(第2四半期。まずはイタリア、フランス、ドイツを予定)に進出すると目されている。また、Web3とデジタル収集品の流行に注目して製品の機能拡張も予定している。

現時点では、Twigのアカウントは英国内でのみ使用できる。創業者兼CEOのGeri Cupi(ゲリー・クピ)氏によると、現段階で約25万人のユーザーを確保しているという。

同氏によると、典型的なユーザーは大学を卒業したばかりの22歳の働く女性だ。こうした女性は、おそらくワードローブに着れなくなった衣類が山のようにあり、いつでも売りたいと考えているからだ。

Twigでは、他の金融機関のアカウントに送金すると1ユーロの手数料を請求されるが、Twigアカウント同士の送金では手数料はかからないため、口コミで広がり成長したことが初期段階での急成長を加速させたようだ。

また「your bank of things(モノの銀行)」というマーケティングスローガンを掲げているものの、Twigは実際には銀行ではないことも指摘しておく必要がある。Twigのアカウントは「電子マネーアカウント」だ。このため適用される規制に関して銀行とは大きな違いがある(例えばTwigのアカウントは英国の預金保証制度の対象にはならない)。

正式な銀行ではないため、Twigは新市場でいち早く成長することができる。銀行業務ライセンスを取得する必要がある場合に比べて、提供サービスに適用される規制が軽減されるからだ。クピ氏によると、現時点では性急に正式な銀行になるつもりはないという。

数十年前、インターネットおよびオープンバンキングを背景とするフィンテックブームなど存在しない時代の昔ながらの銀行は、バッグ、文房具、音楽などの無料のおまけをつけることで学校を出たばかりの新社会人に営業して口座を作ってもらっていた。最近のフィンテックスタートアップは、最も魅力的な機能セットを競って提供することで若い年齢層の顧客を捕まえようとしている。

ただし、お金を口座に入れてもらうことが依然として主たる目的であることは間違いない。

とは言え、TwigはB Corp認証を取得申請中だ。B Corp認証は社会的目的と環境への配慮、透明性、説明責任を重視していると認められる企業に与えられる。クピ氏によると、同社は、申請の最終段階にあり、現時点では保留状態だが、第一四半期には完全な認証を受けられる見込みであるといい、ユーザーにブランド品を捨てる代わりに売るよう勧めることでサステナビリティと経済循環性を実現していることを強くPRしている。

Twigのウェブサイトでも、環境への影響を抑えるためにカーボンオフセットの取り組みを行っており、その他のイニシアチブにも参加していることが掲載されている。

要するに、人類が気候災害を回避するには、世界レベルでのCO2排出量、つまりは全体的な消費の削減が必要となる。そこで疑問視されるのが「サステナビリティ」を再販売というコンセプトに無理矢理結びつける主張の信憑性だ。再販売には、すぐに査定してもらって現金が手に入るため、逆に消費量が増すリスクがあるからだ。

現在所有しているモノを売って現金が手に入るなら、一度購入したアイテムを手放さずに長く使う場合に比べて、消費者はお金をどんどん使って新しいモノを買うよう仕向けられる可能性がある。別の言い方をすれば、消費を削減してCO2排出量を削減するつもりなら、循環経済とモノの寿命をセットで考える必要があるということだ。再販売に必要な面倒な手続きが削減されることで消費者がモノを買わなくなるかどうかはわからない。逆にもっとモノを買うようになる可能性もある。

これがTwigの謳うサステナビリティにほころびが見える点の1つだ。

この難題をクピ氏にぶつけたところ、同氏は次のような議論(いくらか循環論法的ではあるが)を展開して巧妙に解決して見せた。「中古品の流動性を高めるというTwigの目的はサステナビリティの向上と消費量削減の推進を実現します。というのは、より多くの中古品が買えるようになるからです。その結果新しいモノに対する需要が減り、より多くのアイテムがこの(より活発な)中古品経済を介して循環するようになる。

「基本的に、当社のビジネスは、消費者が自分が持っている古いアイテムをお金に変えられるようにすることで、その古いアイテムに新しい命を与えるというものです。これによって、少なくとも中古市場の供給が増大します」と同氏はいう。「中古市場の需要はずっと増え続けています。当社が中古市場の供給側だけでやっていけるのは、現在、中古市場には供給の追加を求める大きなニーズがあるからです。消費者が手持ちの中古品を売ってお金を得たとしても、そのお金で別のモノを購入するとは限りません」。

「これは当社のユーザーの行動からわかることですが、Twigに送られてくる資金のうち約42%は新しい経験、つまり旅行や経験主導の活動に使われています。ですから、流動性が向上したからといって、必ずしもモノの消費が増大して環境に悪影響を与えるとは限りません。それがこれまでのユーザーの行動から分かっていることです」。

クピ氏はTwigのビジネスを非常にシンプルな次の宣伝文句に集約させている。「当社は資産をトークン化します」。

「Twigでは、例えばGucci Marmont(グッチ・マーモント)のハンドバッグをプラットフォーム上にアップロードします。そして、アップロードされた資産をトークン化して、その価格を提示します」と同氏は説明する。

「当社の目標はこの仕組を外部でも使えるようにすることです。そこで役に立つのが、ブロックチェーンです。当社は資産の流動性を向上させて、消費者が物理的なモノを売って仮想的なモノを入手し、その仮想的なモノを使って物理的なモノや体験を購入するという行為を簡単に行えるようにします」。

「基本的に、ユーザーが簡単に取引できるようにすることが目的です」。

クピ氏にはブロックチェーンと循環経済に関するバックグラウンドがある。例えば、2018年には、デニムのアップサイクルビジネスをLevi’s Albania(リーバイス・アルバニア)に売却している

Twigのホワイトペーパーによると、よく売れる物理的なモノとしては、Nike(ナイキ)、Gucci(グッチ)Chanel(シャネル)、Hermes(エルメス)、その他の高級品メーカーのブランド品などがあるという。このペーパーには「所有の未来の再定義」と「 循環型ライフスタイルで生活を送るためのパワーをZ世代に付与」という内容が記載されている。

クピ氏によると、Appleの電子機器も中古市場で高値がついているという。同氏は、購入対象中古品に、不要になった衣類だけでなく電子機器も追加したところ、それまで女性が9割以上だったTwigの利用者構成が、女性7割男性3割くらいに変化したと指摘する。

Twigは中古品の再販売に関する手続きを代行する。具体的には、中古品を即座に査定して、Twigがその中古品の購入を承諾するとすぐに現金が手に入るので何でも好きなものを買える(Twigでは極めて詳細な購入対象品リストを用意している)。

Twigまでの配送料は無料なので、Twigのサービスを利用することで、Vinted(ヴィンテッド)Depop(ディポップ)といった中古品マーケットプレイスにアイテムを自分で直接販売する場合に発生する面倒な手続きやリスクは基本的に排除される(ただし、自分で直接販売した場合よりも売値は低くなる)。

Twigの倉庫に到着したアイテムが品質チェックに引っかかると、ユーザーは返送料を請求される(そして、おそらく即金で支払われた代金も全額Twigに返金される)。アイテムが売れなかった場合は、アップサイクルとリサイクルが適切に行われているかどうかが確認され、どちらの方法でも対処できない場合は、慈善団体に寄付される。環境に悪いため、ごみ廃棄場送りにはしない。

クピ氏によると、Twigは現在成長重視フェーズであるため、再販ビジネスで大きな利益を出すことは考えていないという。

提示する買取価格は、動的に変化するさまざまな要因によって変わる。前述のホワイトペーパーによると、Twigは「市場ベースの価格設定アルゴリズム」を使用して、中古市場の100万点を超える商品を分析し「ブランド、アイテムのカテゴリー、市場セグメントに応じた適切な再販価格を提示している」という。

その前提の中核をなすのは、消費者にとっての総所有コストという概念を再販価値の変化に織り込むという考え方だ。これは購入パターンをシフトさせるパワーを秘めている可能性がある(例えば消費者は、環境的なダメージを与える低再販価値のファストファッションではなく、高級ファッションを選択してその価値を長期間に渡って楽しむ選択をするようになるかもしれない)。

Twigは銀行のような機能(Twigの口座を作るとTwigVisaデビットカードが発行され、国内および国際送金を行うことができる)と本業の中古品再販サービスを組み合わせたものというが、ターゲットであるZ世代と若いミレニアル世代向けの宣伝文句だ。こうした世代の若者たちは中古品市場の倹約性とサステナビリティの両方にますます強い関心を寄せている。

Twigがターゲットとする年齢層を見れば、同社のマーケティングが循環経済による環境への配慮に重きを置いている理由がわかる(「Twigは循環経済を簡単に実現し、サステナビリティの高いライフスタイルを選択できるようにします」とグラフィックを多用したレトロ風のウェブサイトは謳っている)。

特にZ世代はサステナビリティ世代と呼ばれ、この世代の若い消費者は「モノを所有することよりも使うことを優先する」とTwigのホワイトペーパーに書かれている。

こうしてみると、銀行の機能を、文字どおり経済的価値を保存する場所ではなく、再販価値の交換所および仲介者として捉え直すことが非常におもしろく見えてくる。消費者は、あらゆるモノを擬似通貨に変えて、所有したいモノややりたいことの支払いに充てることができる(ハイテクによるバーター取引の再発明と言ってもよいだろう)。

しかし、Twigのビジネスにブロックチェーンが深く組み込まれていることを考えると、同社の主張するサステナビリティには別のほころびが見えてくる。

Twigのテクノロジーは最初からブロックチェーンを基盤として構築されているが、同社のウェブサイトのユーザー対面型の説明からそのことに気づくのは難しい。TwigのシリーズAで公開されたプランでは、Z世代向けの環境配慮型マーケティングがまったくうまくいかない危険がある。というのは、PRでは、Twigを「世界初のWeb3対応グリーン・ペイメント・インフラストラクチャー」と称し、その立ち上げに、最近のWeb3ハイプをうまく利用しようとしているからだ。

この来たるべき機能により、ユーザーは、実世界の資産を「トークン化」して「数秒で取引可能にできる」と、リリースノートには書かれており、さらに次のように続く。「Twigを使用すると、デジタルアイテムと物理アイテムをマネタイズして新しい方法で取引できます。このアプローチにより、ユーザーはチェックアウトページで手持ちのアイテムを売って、暗号資産を購入したり、衣類や電子機器を売ってNFTを購入したりできます」。

暗号資産とNFTの取引が「グリーン」に行われることが本当に希望のあることなのかどうかはよく考えてみる必要がある。

結局、暗号資産に使われるエネルギーコストそれ自体、地球に壊滅的な悪影響を与える要因のように見えなくもない。

例えばケンブリッジ大学が2021年行った研究は、1つの暗号資産(ビットコインなど)だけで、アルゼンチン全体の年間エネルギー消費量を超えていることを示している。

2021年3月に実施された別の研究によると、ビットコインはノルウェーと同じ量のエネルギーを消費したとし、ビットコインのCO2排出量はまもなくロンドンの大都市圏全体で生成される排出量に匹敵するようになると予測している。

要するに、ブロックチェーンベースの暗号資産(もちろんトランザクションを承認するためにプルーフ・オブ・ワークを必要とするもの)の悪名高い非効率性は、サステナブルとは程遠いものに思えるということだ。

しかもブロックチェーンはもっとひどいエネルギーの浪費に関わっている。すなわち、NFT(代替不可能なトークン)の台頭である。NFTでは、ブロックチェーンの上にデジタル収集品を取引するレイヤーを追加することで、エネルギー集約的なトランザクションが必要となり、そうしたトランザクションが促進される。

(ファッションやステータスシンボルとしての)NFTをめぐる現在の騒動と そうしたデジタル資産の小売取引、およびエネルギーを燃やして収集品ピクセルをシフトさせることで非常に手っ取り早くお金を作り出すことができるという提案によって、このエネルギーの焚き火にさらなる燃料が注入されている。

2021年、あるデジタルアーティストの分析によって、1つの平均的なNFTは、EUに住んでいる1人の人間の1カ月分の電力消費量に相当するCO2を排出することが示された。以前と同様、ユーザーにトークン化とモノ(または、デジタル収集品)の取引で忙しくするように促す機能を、どのような形であれ「グリーン」に稼働させる方法を思いつくのは難しい。

しかし、クピ氏はこの反論にもひるまない。

第一に、Twigが基盤としているブロックチェーンインフラストラクチャーは他のブロックチェーンよりもエネルギー効率が高いと同氏はいう。

「ブロックチェーン自体はテクノロジーとして環境に悪いわけではありません。ブロックチェーンにはさまざまな応用事例があります」と同氏はいう。「当社の基盤となっているHyperledger Sawtooth(ハイパーレッヂャーソートゥース)というブロックチェーンは、他のソリューションに比べてエネルギー消費量が極めて小さいという特長があります」。

「つまり、当社はエネルギーを大量に消費するソリューションの使用を最小限に抑えたいと考えています」。

また、Twigは内部のエネルギー消費量を計算して、環境への影響を数量化しており、対抗策としてカーボンオフセットの取り組みも行っているという。

さらには、大気圏からCO2を排除するプロジェクトも支援している。

ただし、個々のプロジェクトがどの程度実行可能で信頼できるものかは、まったく別の問題だ。

Twigは自社のエネルギー消費を最小化し、CO2排出量をオフセットしようとしているかもしれないが、それより大きな環境への影響が、二次使用つまり、TwigのユーザーとサプライヤーがTwigを利用した結果として発生する消費、エネルギー使用、CO2排出量によって起こる可能性がある。

こうした関連のある間接的な影響(サステナビリティレポートの用語でScope 3排出量と呼ばれる)を計算することは、企業の直接的なエネルギー使用を内部的に監査するよりもはるかに難しい。とはいえ、Scope 3排出量は企業のCO2排出量の大きな部分を占める傾向があることも確かだ。このため、そうした間接的な取引、排出量、影響をなきものとして片付けてしまうことはできない。

Twigは、カーボンオフセットによって商品の配送にともなうCO2排出量を相殺するなど、明確な姿勢でScope 3排出量対策に取り組んでいる。また、B Corp認証を取得しようという野心も称賛に値する。

しかし、Twigによって拡大も縮小もするかもしれない消費者需要やトレンドに基づいて、最終的に発生するエネルギーコストを予測するのは非常に難しい。

ユーザーに暗号資産を購入し、NFT取引を始めるよう促すことによってエネルギーコストが発生することは間違いない。そして、たとえTwigが中古品の流動性を高めることで、消費者が新品を購入する需要が低下し、新製品の実質生産量を削減することができるとしても、このような大量のエネルギー消費にともなうコストによって環境へのプラスの影響が相殺されてしまう危険がある。

とはいえ、支払いに使用できるものがこのように根本的に見直されると(あらゆるモノで支払いができる。トークン化された価値の世界では、理論上、消費者は実際のお金を使う必要がない)、消費活動の大きなシフトにつながり、循環経済に実際に目立った変化をもたらすことができる。その結果、数十年に渡る資本主義を特徴づける使い捨て消費の悪循環から抜け出すことができる。

別の言い方をすれば、(認証をサポートすることで偽物に対抗できる)ブロックチェーンベースのトークン化と(分散台帳インフラストラクチャによって完全な所有履歴を把握することで実現される)安定度の高い査定のおかげで、モノの再販時の価値をもっと確実に予測できるなら、消費者は、持っているモノを丁寧に扱う気持ちになるかもしれない。モノの寿命が維持されれば高い売値がつくからだ。そうなれば、世界の産業はそもそも現在の半分だけモノを作れば足りるようになり、資源の枯渇によって地球が機能不全に陥る重圧から解放される。

これには確かに一理ある。

あらゆるモノを売って極めて簡単に支払いができるようにすることでお金の価値が重要視されなくなることは、価値、所有、富に対する考え方を修正するために必要な最初の一歩になるかもしれない。

クピ氏は次のように説明する。「現金を使う代わりに、自宅にある不要になったモノを使ってNFTを買うことができます。例えば使わなくなった古いiPhone(アイフォーン)を売ってNFTや暗号資産を買ったり、体験を買うことができます。ニューヨークまでの旅行費用に充てたり、次回の職業教育コースの支払いに充てたりできます。つまり、Twigの目的は、市場の流動性を高めることです。人々が使わなくなった資産を売ることでその資産に新たな第二の命を与えることなのです」。

「当社の信念は、財布にも地球にもやさしい結果をもたらすことです」。

Twigのビジョンは自身を支払いプラットフォームに変えることです。ユーザーや顧客の代わりに物理的なモノを支払い代金に変えるプラットフォームです。

「現時点では、Twigは単なるB2Cプラットフォームに過ぎませんが、ゆくゆくはB2B2Cプラットフォームにしたいと考えています。将来的には、さまざまなプロバイダーの決済ゲートウェイとして接続する予定です」とクピ氏はいい「いくつかの大手小売業者」とTwigのインフラストラクチャへの接続を許可する契約を結んでいると話した(小売業者の名前は明かしていない)。

「当社がやろうとしているのは、要するに、富の定義の再発明です」とクピ氏は付け加え、お金の概念が大きく様変わりしていると説明する。「自分が所有しているものがすべてお金として扱えるとなると、富の見方も変わってきます」。

「富とは、従来の定義では、家や車など、大きな資産の価値です。しかし、たとえばワードローブの価値は通常資産の一部とはみなされません。我々はこれを変えたいのです。すべてのモノに即時の流動性があれば、モノを現金とみなすことができます。現金だろうとGGマーモントのハンドバッグだろうと違いはないのです。ポンドで何かを買いたい場合、現金でもハンドバッグでも使えるのです」。

Twigが普及すれば、決済の未来は今よりずっとビジュアルで物質的なものになる可能性があります。例えばeコマース決済ウインドウに鋳造しておいたNFTをドラッグアンドドロップして中古のiPhoneを購入する。

あるいは、限定版のナイキのシューズを売って、ずっと楽しみにしていた都市滞在型の春休みを取る。

ダイヤモンドで覆われたすばらしい宝石を売って高級不動産を買うといった具合だ。

若い消費者たちはコモディティ化された価値交換可能なモノの世界をすでに違和感なく受け入れているようだが、年配の消費者たちはどうだろう。クピ氏は、ブーマー世代やX世代が大枚をはたいて買ったモノを手放して支払いに充てるという新しいやり方に納得できると考えているのだろうか。

サイン入りの初版本や貴重なビニールのレコードが将来の決済方法の一部に取り込まれることになるだろうか。

「正直、その答えは私にもわかりません」とクピ氏はいう。「現時点では、Twigに対するZ世代の反応は極めて良好です。また、英国のミレニアル世代、我々がターゲットとしている20代の若者たちの反応も上々です。英国外の市場に進出した際には状況は変わるかもしれません」。

画像クレジット:Twig

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

インドのミレニアル世代に投資の機会を与える「Jar」に投資家が注目

インドでは何億人もの人たちが銀行口座を持っているが、金融商品に投資している人はごくわずかだ。

例えば投資信託や株式に投資しているの人は3000万人に満たない。近年いくつかのスタートアップが、ユーザー、特にミレニアル世代のユーザーが投資しやすくなる環境をつくっているが、それでも数字はあまり変わっていない。

そんな中、あるインドのスタートアップがこの課題に挑戦するソリューションを見つけたと信じてサービスを立ち上げ、すでに良い感触を掴んでいる。

モビリティのスタートアップであるBounceの元ディクター、Nishchay AG(ニシュチェイ・エージー)氏と、Marsplay(マーズプレイ、後にFoxyに売却)の共同ファウンダーであるMisbah Ashraf(ミスバー・アシュラフ)氏は、2021年初めにJar(ジャー)を設立した。

公開から3カ月の社名を冠したAndroidアプリを使って、ユーザーは最低1インドルピー(約1.5円)から貯蓄を始めることができる。

Jarのユーザーは複数の方法で投資が可能で、数秒で始められる。アプリは電子決済のPaytm(ペイティーエム)と組んで定期的支払いを設定できる(PhonePe[フォンペ]のサポートも開発中)。同社はUPI 2.0定期支払いをサポートした最初のスタートアップで、貯蓄額は1日あたり1~500インドルピー(約1.5〜753円)の間で設定できる。

Jarアプリは、ユーザーのテキストメッセージを見て、それぞれの取引に応じて微小な金額を貯蓄する。例えばユーザーがある取引で31ルピー(約46.7円)使うと、Jarアプリは金額を10の位に切り上げて(この場合40)差額の9ルピー(約13.6円)を貯める。ユーザーは自分でアプリを立ち上げて自由な金額を投資することもできる。

ユーザーが一定金額をJarに貯めると、アプリはそれをデジタルゴールド(金)に投資する。

同社が金投資を使うのは、南アジア市場の人々がこの資産クラスに絶大な信頼を置いているためだ。

インドの人々には金に魅せられる独特の気持ちがある。地方の農民から都市の労働階級まで、ほぼすべての人がこの黄色い金属を隠し持ち、結婚式で宝石を誇示する。

インドの世帯には推定2万5000トンの貴金属がしまい込まれており、その価値はこの国の名目GDPの約半分にあたる。インドのこうした金需要によって、この南アジアの国は金の世界最大級の輸入国になっている。

JarのAndroidアプリ(画像クレジット:Jar)

「もし、次の5億人に機関投資を勧めることを考えるなら、市場に存在するその他の手段の有効性について説明することが私たちの責務です」とニシュチェイ氏は言った。

「私たちはお客様が最も信頼している道具を提供します、それが金です」と彼はいう。スタートアップはいずれ他の投資方法もいくつか提供する計画だ。

ファウンダーの2人は数年前、MarsPlayとBounceが何かシナジーを起こせないか両者が探っていたときに出会った。彼らは連絡を取り続け、2020年数多くの会話の中で、どちらも投資についてよく知らなかったことに気づいた。

「点と点が繋がり始めたのはその時でした」とミスバー氏はいい、子ども時代の話を語った。「私はビハール州の小さな町、ビハール・シャリーフの出身です。子ども時代、家族は深刻な借金に苦しんでいて、それは誤った金銭判断と貯蓄のないことが原因でした」と彼は語った。

「2人とも、典型的中流家庭がどんな道をたどるのかを理解しました。この階級の人たちは過去に何の手段をもったこともありませんが、その願望には終わりがありません。このため、一度稼ぐようになった人は、すぐに全部使ってしまいます」とニシュチェイ氏は言った。

「市場には、この人たちがスタートを切るのを手助けする製品が必要です」と彼はいう。

米国市場でAcorn(エイコーン)とStash(スタッシュ)がやっていることに似たそのアイデアは、受け入れられ始めている。アプリはすでに約50万ダウンロードを数える、とファウンダーたちはいう。投資家も注目している。

9月1日水曜日、Jarは450万ドル(約5億円)の資金調達を終え、Arkam Ventures(アーカム・ベンチャーズ)、Trive Capital(トライブ・キャピタル)、WEH Ventures(WEHベンチャーズ)らの著名投資家の他、Kunal Shah(クナル・シャー)氏(CREDのファウンダー)、Shaan Puri(シャーン・プリ)氏(元Twitch)、Ali Moiz(アリ・モイズ)氏(Stonksのファンダー)、Howard Lindzon(ハワード・リンゾン)氏(Social Leverageのファウンダー)、Vivekananda Hallekere(ヴィヴェカナンダ・ハレケー)氏(Bounceのファンダー)、Alvin Tse(アルビン・ツェ)氏(Xiaomi)、およびKunal Khattar(クナル・カッター)氏(AdvantEdgeのマネージング・パートナー)らのエンジェル投資家が参加したことを発表した。

「Jarのビジョンは、健全な財政へのミレニアル世代のニーズを、卓越したプロダクトイノベーションでいかに満たすかという当社の命題と共鳴します。ファイナンシャルプランニングと投資の非常に魅力的な市場において、ユーザーの行動を強く駆り立てるJarの能力に感銘を受けています」とラウンドをリードしたArkam Venturesのマネージングディレクター、Rahul Chandra(ラフール・チャンドラ)氏が声明で語った。

Jarアプリの取引量とAUM(受託資産)は毎月350%のペースで増えている、とニシュチェイ氏はいう。近いうちに提供サービスを増やすつもりだと同氏は述べた。

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画像クレジット:Jar

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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】次世代グローバル決済を生み出すAfterpayとSquareの融合

編集部注:本稿の著者Dana Stalder(ダナ・スタルダー)氏は、Matrix Partnersのパートナー。PayPalの元コマーシャルチーフ(製品、販売、マーケティング)で、現在Matrix Partnersでフィンテック投資をリードし、消費者市場やエンタープライズソフトウェアにも投資している。

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フィンテックにとって米国時間8月1日は重要な日となった。AfterPayがSquareと合併することに合意した。この合意により、近年最も高い評価を受けている2つの金融テクノロジー企業が1つの企業になる道を歩み始める。

AfterpayとSquareは、世界で最も重要な支払いネットワークの1つを構築するポテンシャルを有している。Squareは大規模なマーチャント決済ネットワークを確立しており、またCash Appを介して、成長著しい消費者向け決済サービスを提供している。しかし、歴史的にみてこの2つの事業は統合されていない。SquareとAfterpayは、これらすべてのサービスを1つの統合されたエクスペリエンスにまとめることができる。

関連記事:Squareが3.19兆円で「今買って、後で支払う」後払いサービス大手Afterpayを買収

AfterpayとCash Appはそれぞれ数千万人の消費者を抱えており、SquareのセラーエコシステムとAfterpayのマーチャントネットワークは、いずれも年間数百億の決済ボリュームを記録している。オフラインレジとオンライン決済フローから、数タップで送金まで、SquareとAfterpayは次世代の経済的エンパワーメントの全容を物語ることになるだろう。

Afterpayの唯一の機関投資家として、私たちがどのようにしてここに至ったのか、そしてこの合併が消費者金融と決済業界の将来にとって何を意味するのかについて、いくつかの視点を共有したいと思う。

フィンテックにおける重大なイノベーション

世界の決済業界は、今後数十年間の勝者と敗者を決定する重大なイノベーションのサイクルを、5年から10年ごとに経験している。最近の大きな変化はNFCベースのモバイル決済へのシフトで、これについては2015年に寄稿しているが、主要なモバイルOSベンダー(VISA、マスターカードなど)はネットワークと消費者のニーズを巧みに橋渡しして、グローバルな決済スタックにおける地位を確固たるものにした。

AfterPayは、最新の決定的なイノベーションサイクルを引き起こした。シドニーのリビングルームでミレニアル世代のNick Molnar(ニック・モルナー)氏が構想したAfterpayには、ミレニアル世代はクレジットが好きではない、という重要な洞察がある。

ミレニアル世代は、2008年の世界的な住宅ローン危機の中で成人となった。彼らは若い頃、友人や家族が住宅ローンを積みすぎて家を失うのを目の当たりにしており、銀行に対する信頼はすでに薄れていた。また学生ローンもかつてない水準に達した。それゆえ、ミレニアル世代(そしてそのすぐ後に続くZ世代)がクレジットカードよりもデビットカードを強く好むのも不思議ではない。

しかし、パラダイムシフトを認識することと、それに対して何かを行うことは別物だ。ニック・モルナー氏とAnthony Eisen(アンソニー・アイゼン)氏は行動を起こし、最終的にそのコアプロダクトで歴史上最も急成長した決済スタートアップの1つを構築した。「Buy Now, Pay Later(BNPL、今買って後で支払う)」そして無利息のサービスだ。

Afterpayのプロダクトはシンプルだ。カートに100ドル(約1万1000円)分が入っていて、Afterpayでの支払いを選択した場合、銀行カード(通常はデビットカード)に対して2週間ごとに4回に分けて25ドル(約2730円)が請求される。無利息で、リボルビング債務もなく、適時支払いにかかる手数料もない。ミレニアル世代の消費者にとっては、高い金利やリボルビング債務といったクレジットカードの欠点を気にすることなく、デビットカードを使ってクレジットカードの第1のメリット(後で支払いができること)を享受できることを意味するものとなった。

良い面ばかりで、悪い面はない。誰が抗えるだろうか?ミレニアル世代を主な成長セグメントとしていた初期のマーチャントは、公正な取引を獲得した。Afterpayへの支払い処理にわずかな手数料を支払うだけで、かなり高い平均注文価値(AOV)と購入へのコンバージョンが得られる。これはwin-winの提案であり、多くの実績を得て、新しい決済ネットワークが生まれた。

画像クレジット:Matrix Partners

真似することが最もすばらしいお世辞となる

Afterpayは2016年から2017年にかけてはオーストラリア以外ではあまり知られていなかったが、2018年に米国に進出してビジネスを立ち上げ、2年目にして1億ドル(約110億円)の純収益を上げたことで注目を集めた。

Klarnaは米国でのプロダクト市場の適合性に苦慮していたが、Afterpayを模倣すべく事業を転換した。またAffirmは、従来からのクレジット事業を主な事業としており、売上の大部分を消費者利益から得ていたが、独自のBNPLオファリングに着目して導入した。その後PayPalが「Pay in 4」の提供を開始し、つい数週間前にはAppleがこの分野に参入するというニュースが報じられた。

Afterpayは世界的な現象を生み出し、今では業界のメインストリームプレイヤーに支持されるカテゴリーとなっている。このカテゴリーは今後10年間で世界の小売決済のかなりのシェアを獲得する軌道に乗っている。

Afterpayは、他とは一線を画している。同社は事実上あらゆる指標において常にBNPLのリーダーであるとともに、顧客のニーズに忠実であり続けることで、その地位を確立してきた。同社はミレニアル世代やZ世代の消費者をよく理解している。それはAfterpayユーザーとして人々が体験する、同社の声、トーン、ライフスタイルブランドに顕著に表れており、マーチャントネットワークにおいて戦略的に構築され続けている。それはまた、負債商品を旋回するユーザーに対して、Afterpayはクロスセルを意図していないという単純な事実からも明らかだ。

最も重要な点は、こうした消費者に対する理解の姿勢が、競合他社と比較した使用状況の測定基準に反映されていることにある。これは人々が愛着を持ち、利用し、信頼を寄せるようになったプロダクトであり、かつては得られなかった、伝統的な消費者信用を上回る良質で公正な条件を備えている。

Afterpay2021年度上半期業績発表

SquareとAfterpayの融合は完璧な調和

筆者はこれまで15年以上にわたって決済会社を手がけてきた。初期にはPayPalの黎明期を経験し、より直近ではMatrix Partnersのベンチャー投資家として活動している。しかしこれほどまでに、消費者やマーチャントに並外れた価値をもたらすポテンシャルを秘めた組み合わせは見たことがない。eBayとPayPalよりもはるかに優れている。

明確なプロダクトとネットワークの補完性を超えて、筆者とパートナーにとって最もエキサイティングな点は、価値と文化の整合にある。すべての人に向けられたより多くの機会があり、経済的なハードルが少ない未来のビジョンを、SquareとAfterpayは共有している。彼らがともにその未来に向かって前進する中で、筆者はこの組み合わせが勝者となることを確信している。SquareとAfterpayの融合により、世界の次世代決済プロバイダーが誕生するだろう。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:AfterpaySquare合併決済サービスBNPLオーストラリアアメリカミレニアルコラム

画像クレジット:charles taylor / Getty Images

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(文:Dana Stalder、翻訳:Dragonfly)

ミレニアル世代が熱狂?NFTを使ったコレクターズアイテムへの投資が今アツいワケ

コレクターズアイテム投資が熱い。Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)がルーキーシーズンに着用した「NIKE AIR JORDAN 1(ナイキエアジョーダン1ハイ)」が競売大手サザビーズのオークションで15万2500ドル(約1670万円)で落札され、Kanye West(カニエ・ウエスト)着用の「NIKE AIR YEEZY 1(ナイキエアイージー1)」が180万ドル(約1億9400万円)で落札された。

ドイツでコレクターズアイテムを使ったNFT投資のためのプラットフォームを提供するスタートアップ Timeless InvestmentのCEOであるJan Karnath(ヤン・カルナート)氏は、「今後3年でコレクターズアイテムはミレニアル世代にとって、株、暗号資産に次ぐ妥当な資産になるでしょう」と予測する。それはなぜか。同氏が詳しく説明する。

Timeless InvestmentのCEOであるヤン・カルナート氏

ミレニアル世代はコレクターズアイテムに夢中

カルナート氏は「ミレニアル世代の42%がコレクター品と何らかの関係を持っており、23.2%がNFTを何らかの形で使用している」と指摘する。23%というのはZ世代の3倍、ベビーブーム世代の10倍に当たるという。冒頭で挙げたスニーカーブームも、こうしたミレニアル世代のトレンドを反映しているという。

スニーカーだけではない。ミレニアル世代が親しんだポケモンカードも注目されている。初版の未開封デッキが高値で落札された例もある。

カルナート氏は、世界でたった1つのコレクターズアイテムの投資額を分割して、より多くの人が投資できるようにすることで市場を活性化することを目指している。これにはNFTの技術が不可欠だ。

「NFTはミレニアル世代によって動かされる次の山です。これによって根本からの変化が起きるでしょう」とカルナート氏は語る。

同氏によると、2021年の第1四半期におけるNFTのセールスボリュームは、その前の四半期よりも20倍に成長しているという。

カルナート氏は「これは何を意味するのか?コレクターズアイテム市場の急激な成長が起きているということです」と述べる。

NFTならお金がないミレニアル世代でも投資しやすい?

カルナート氏は「こうした成長の影響を最も受けるのは、歴史あるブランドとIPホルダーです」と断言する。「アイコン的製品の可能性を解放することで、コレクターズアイテム市場が良い方に変わっていくでしょう」。

しかし、こうした流行にも問題がある、というのが同氏の見解だ。ミレニアル世代がコレクターズアイテムに注目しているといっても、その多くは成長するコレクターズアイテム市場に参加することができていない。なぜなら、この世代はコレクターズアイテムへのアクセスと、コレクターズアイテム市場に参加するための資本が乏しく、また、この世代は市場の理解と資産の流動性を十分保持していないからだ。

「当社はミレニアル世代向けのコレクターズアイテム投資をもっとやりやすくしたいのです。そしてこの成長は今後数世代は続くものだと思います。当社はコレクターズアイテム投資をより便利に、アクセシブルに、インデペンデントにしたいのです」とカルナート氏。

そのため、同社では投資案件を集め、保証している。また、投資案件を小さく「シェア」という形で分割することで、1回の投資を手頃な値段にし、1口50ユーロ(約6660円)で投資することも可能だという。さらに、同社のプラットフォーム上でコレクターズアイテムの取引も可能にし、ユーザーが売りたいときに売りに出せるようにしているという。

カルナート氏「当社のプラットフォームを使ってもらえれば、資産を再度売りに出すまでに2年、4年、と待っていただく必要もないです」という。

カルナート氏がイメージするコレクターズアイテム投資は、アクセサリーや服などのファッションをプラットフォーム上で売買するものに近い。ユーザーがコレクターズアイテムをプラットフォーム上で探し、投資し、必要に応じて他のユーザーと取引するからだ。

21分で決まったロレックス投資

Timelessが100日間コレクターズアイテム投資のプラットフォームを運用してみたところ、さまざまなことが見えてきたという。「まず、どのコレクターズアイテムも1時間以内に買い手がつきました。取引のスピードが早いため、決済などの処理が追いつかない場面もありました」。

この100日間でプラットフォームを使用した投資家は1125人。そのうち複数回取引した投資家は24%だった。

カルナート氏は、取引が行われたコレクターズアイテムから、3つの例を紹介した。

例えば、写真の一番左のスニーカー。シェア売り切れまでにかかった時間は16分。これに関わる通知設定を行なったユーザー(つまり、投資に興味を持ったユーザー)は2900人。発売されたシェアは360だった。

Timelessが実際に扱ったコレクターズアイテム

写真中央はロレックスの腕時計だ。こちらはシェア売り切れまでにかかった時間は21分。通知設定を行なったユーザーは2500人。発売されたシェアは1900だった。

「このロレックスはシェアを持ちたいユーザーが非常に多かったので、2〜3倍の値段でも売れたかもしれないですね」とカルナート氏。

一番右はナイキのスニーカーだ。このシェアは140売り出され、5分間で売り切れてしまった。通知設定を行なったユーザーは1825人だった。「当社では毎週木曜にコレクターズアイテムを出品するのですが、それを見るために通知設定していたユーザーが一定数いたことがわかります」。

ミレニアル世代を惹きつけるためにすべきこと

カルナート氏は「ミレニアル世代を惹きつけるためにすべきことは3つあります」と語る。

1つめはコレクターズアイテムも分割することだ。これをすることで、暗号資産ファンだけでなく、より広い層がコレクターズアイテムに投資しやすくなる。

2つめは、既存のアイコン的なコレクターズアイテムを再度世に出していくことだ。世の中には多くのおもしろいコレクターズアイテムがある。それをデジタルな方法で紹介することが重要だという。

3つめは、新しいアイコン的なコレクターズアイテムを創造していくことだ。歴史あるブランドと若い投資家やミレニアル世代を繋ぐには、新しいコレクターズアイテムが肝要だ。

TImelessが考えるブランドとユーザーの関係

「コレクターズアイテムブームはブランドのチャンスです。この投資の流行をうまく活用できれば、低コストで新しい購買層とつながり、高い収益を狙うことができます。私たちは今、高級ブランドのNFT版を創ろうとしています。当社はブランドとユーザーをつなげ、歴史あるブランドをNFTの世界に呼び込もうとしています」とカルナート氏は語る。

【Japan編集部注】本記事はCrypt Asetts Conference 2021中のセッションを再構成したものとなる。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFT投資コレクションミレニアル世代

eコマースEtsyが中古品も扱う英国のZ世代向けマーケットプレイスDepopを約1780億円で買収

eコマース業界におけるかなり大きなニュースが6月2日、欧州から届いた。手芸クリエイターやスタイルに関心のある人がさまざまなアイテムを発見したり購入したりできる、ニューヨーク拠点のマーケットプレイスEtsy(エッツイ)が、ソーシャルショッピングという新たなアプローチでミレニアル世代とZ世代の消費者をターゲットにしているロンドン拠点のマーケットプレイスDepop(デポップ)を買収すると発表した。買収額は16億2500万ドル(約1780億円)で、Etsyは大半をキャッシュで支払う取引だとしている

わずかな差で、今回の取引はEtsyにとってこれまでで最大の買収ではない。同社はこの他に7件の買収を行ったが、ほとんどが10億ドル(約1095億円)以下だった。とはいえ、欧州のeコマースにとっては大きな買収で、ビジネスモデルの中でも特に若い、そして、あるいはよりクリエイティブなユーザーをターゲットとしているコマースモデルを構築している企業にとってはかなり心強いものだ。

Depopのユーザーの90%ほどが26歳以下で、EtsyはDepopのそうした若い人々やそのコミュニティにアクセスする大きな機会を手にするが、Depopはより多くのコンテンツや若い買い物客をEtsyに持ってくる橋渡しのように機能しそうだ。Etsyは若い人に目を向け始めたが、かなりの数の若くないユーザーも抱えている。同社は上場企業であり、直近の時価総額は200億ドル(約2兆2000億円)を超えている

Depopが最後に資金調達したのは2019年のようで(6200万ドル、約68億円のラウンド)、ユーザー1300万人を抱えて米国で急成長中と当時は絶好調だった。それから約2年、同社のユーザー数は2100万人を超え、その多くはスタイリストやデザイナー、アーティスト、コレクター、ビンテージ販売者などで、米国(Etsy最大のマーケットだ)とホームマーケットである英国(こちらもEtsyの大きなマーケットだ)でかなりのユーザーを抱えている。

Etsyにとってこれはボリュームゲームだが、必ずしも最初から利益をともなうわけではない。2020年のDepopの流通総額は6億5000万ドル(約712億円)だったが、売上高はわずか7000万ドル(約77億円)で、いずれも前年は100%増だった。

ただし、Etsyが自社の成長についてのとらえ方、特に衣服、家庭用品、そして消費財の買い物という分野における反Amazonという点で、Depopの精神は有望だ。Depopはまた現代の風潮にもぴったり合っている。2020年はeコマースが急成長したばかりでなく、人々が地元で買い物したり個人をサポートしたりし、またこれまでよりも中古品を買うようになった結果、零細事業や家内工業が繁盛した。Depopが強みを持っている分野だ。

「Z世代にとっての再販のホームだと我々が信じているDepopがEtsyファミリーに加わることに胸躍らせています。Depopは活気がある二面性のあるマーケットプレイスで、情熱的なコミュニティ、高度に差別化されたユニークなアイテムの提供をともなっています。そして我々はさらなる展開の大きな可能性を確信しています」とEtsyのCEOであるJosh Silverman(ジョッシュ・シルバーマン)氏は声明文で述べた。「Depopのワールドクラスの経営陣と従業員はこのコミュニティを育て、EtsyのDNAそしてKeeping Commerce Humanというミッションとよく一致している方法でオーガニックで正真正銘の成長を推進するというすばらしい仕事を成し遂げました。我々は専門性を共有するすばらしい機会、それぞれに異なる巨大な「ハウス・オブ・ブランド」ポートフォリオ、そしてかなり特別なeコマースブランドになる成長シナジーを目にしています」。

シルバーマン氏はeBayで何年もShopping.comを率いた経歴を持ち、これはEtsyの成長を今後どのようにとらえるか考えるときに考慮するに値するものだ。

DepopのCEOであるMaria Raga(マリア・ラガ)氏は次のように述べた。「我々はDepopを次世代がユニークなファッションを見つけるために訪れ、買い物方法を変えるコミュニティの一部になる場所にするというすばらしい旅をしています。当社のコミュニティは新たなトレンドを確立し、古いものから新しいものをつくることで新しいファッションシステムを創造する人によって構成されています。彼らは衣服のためにDepopにやって来ますが、カルチャーのためにとどまります。当社はいま、Etsyファミリーの一員としてジョッシュと彼のチームの専門性、Depopのものと一致する価値観を持つ大企業のリソースの恩恵を受けながら、エキサイティングな躍進を遂げようとしています」。

米国と英国の当局の承認やクロージング条件次第ではあるが、買収は2021年第3四半期に完了する見込みで、取引完了後はEtsy、そして2019年に買収された楽器マーケットプレイスReverbとともにDepopは別のブランドとして運営されるとEtsyは話した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Etsy買収Z世代ミレニアルイギリスマーケットプレイスファッションeコマース

画像クレジット:Paul Zimmerman / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

黒人ミレニアル世代の到来が大きなチャンスとなるメディア企業Blavity

「Black Lives Matter」は米国史上最大の社会運動かもしれない。ニューヨークタイムズ紙が最近引用した4つの異なるアンケートによると、米国で1500万から2600万人の人たちが、5月末のGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の死以降、同氏のやその他の人たちの死に抗議するデモに参加したという。

Blavity(ブラビティ)は黒人文化にフォーカスしたメディア企業だ。ロサンゼルスを拠点とし、創業6年になる。激怒した米国民がこれまでの出来事を正しく理解できるよう助けるのに、ブラビティほど適任の企業はないだろう。ブラビティの創業者Morgan DeBaun (モーガン・デボーン)氏によると、同社には黒人に対する残虐な行為を撮影した動画が毎週少なくとも4~5本は届くが、この状況は2014年以来変わっていないという。2014年当時Intuit(イントゥイット)に勤めていたデボーン氏は、故郷ミズーリ州で18才の丸腰の少年Michael Brown(マイケル・ブラウン)君が警官に撃たれた事件の後、ブラビティを創業した。

ブラビティは主要メディアがほとんど見逃してしまう事件を取り上げるが、それだけではない。ますます多くの黒人ミレニアル世代が、文化や政治に関する斬新な見方、ブラック・ハリウッド旅行に関する情報(ブラビティが運営する他の2つのブランドで取り扱っている)、大規模なネットワーキングイベント(昨年1万人を集めたイベントもあった)などに関心を持つようになっているが、ブラビティはそんな彼らの中で人気サイトとなっている。

TechCrunchは先週、デボーン氏に、ブラビティがどのようにこの機会を捉えようと考えているのか、投資家は同社への出資をチャンスだと考えているのか、といった点について詳しく話を聞いた(ちなみに同社は現在までに、GV、Comcast Ventures(コムキャスト・ベンチャーズ)、Plexo Capital(プレクソ・キャピタル)といったVCから比較的控え目の1100万ドル(約11億8000万円)を調達している)。以下がインタビューの内容だ。限られた字数で分かりやすく伝えるために編集してあるが、インタビュー全体はここから視聴できる

TC:ブラビティを創業した目的の1つは、マイケル・ブラウン君の死後、他の黒人たちとつながりたいというニーズがあるのを感じ、それに応えるためだったと聞いています。当時はどんなメディアを読んでいたのですか。

MD(デボーン氏):期待外れの答えになってしまいますが、実は何も読んでいなかったのです。地元や地域の問題、黒人の問題を常に把握しておく必要があると心底感じたのは、自分のコミュニティから離れてカリフォルニアに引っ越してからです。その時に初めて「一体何がどうなっているの」と自問している自分に気づきました。

黒人コミュニティはこれまでも、独自のネットワーク、プラットフォーム、ブランドを創り上げてきました。Essence(エッセンス)、Jet(ジェット)、Ebony(エボニー)、最近ではThe Root(ザ・ルート)など、アフリカ系アメリカ人向けの新聞がさまざまな都市で発行されています。ですが、大半のメディアは相変わらずエンターテイメントやハリウッド関連の話題ばかりを取り上げており、必ずしもニュースを重視しているわけではありません。ですから、私が知りたいと思っていた情報とのギャップがとても大きいと感じていました。

これはツイッターが本格的な情報源になる前のことで、多くの人たちにとってそれが現実でした。セントルイスの街で自分が目撃したことや現場にいた友人とテキストメッセージやメーリングリストでやり取りする情報と、大手メディアに掲載される情報との間には大きなギャップがありました。私は何か大切なことを見落としているように感じました。変化を起こすには、常に正しい情報とつながっていることが大切だとかつてないほど強く感じていたからです。

TC:ブラビティは多くの社会的不公正を取り上げています。現在、サイトで最もよく読まれている記事は、サクラメントの警官が12才の子どもの頭にビニール袋をかぶせたこと関する記事と、警官が妊娠中の女性の腹をテーザー銃で撃ち、逮捕、起訴されたことに関する記事です。こうした記事は、ブラビティが読者の情報源となるのに重要な役割を果たしているのですか。

MD:我々は黒人が体験していること、実際の心情をありのままに伝えたいと思っています。他のメディアでは取り上げられない事件やニュースも掲載します。最近よく「今回の件はこれまでとは違うと感じていますか」とか「これまでとは異なる事件なのですか」という質問を受けるのですが、「こうした事件はマイケル・ブラウン事件以来、毎週のように取り上げてきました」とお答えしています。黒人コミュニティで起こった事件を伝え、現実に起こっている不公正に光を当てることは、我々が発行するメディアとその精神にとって必要不可欠な部分です。

もちろん、喜ばしく幸福な出来事、お祝いごと、偉業達成の瞬間、地元のヒーローなどの記事もあります。しかし今は、懸命に取材に励んで今この瞬間に最も重要な事件を取り上げることが大事だと思っています。

TC:最近、Forbes(フォーブス)誌の取材で、「広告主やマーケティング担当者は、黒人の死や暴力を伝える記事の隣の広告スペースにお金を払いたくないと思っている」と答えていましたね。こうした記事を掲載するのは、それがブラビティの使命だからだと思いますが、その一方で両刃の剣のようなところがあるような気がします。

MD:組織としてのブラビティには5つの異なるブランドがあります。ですから収入源も多岐にわたり、ニュース記事の隣に広告を表示することだけに依存しているわけではありません。他のメディア企業が広告収入に依存し過ぎて苦しむところを我々は見てきました。同じ失敗を繰り返したくはありません。当社のフェイスブックのページは、投稿内容があまりに暴力的過ぎるとしてブロックされたことさえあります。しかし、黒人に対する暴力は現実です。脚色なしの本当の出来事なのです。

ブラビティにとって真実を伝えることは絶対条件ですが、それと同時に、クライアントや広告主、あるいはフェイスブックに抵抗してでも確実にコンテンツを配信し続けることができることを示すことも必要です。奇妙ですが、ブラビティはこの両者のバランスを取りながら運営しています。ただ、全体的に見て、最も収益を上げているのはニュース部門ではありません。コンファレンス事業と5つのブランド(ライフスタイルブランドを含む)全体の広告表示事業が最も利益を上げています。

あまり大々的に宣伝してはいませんが、当社は自前のアドネットワーク(複数の広告媒体にまとめて広告を配信できる仕組み)も所有しています。ただし、当社は基本的に、営業チーム、広告技術やエンジニアといった類の人材を自社で抱えられる規模にまだなっていない有色人種経営の中小メディア企業のために、広告営業・販売業務を行っています。同じく自社アドネットワークを持つVice(ヴァイス)やRefinery 29(リファイナリ29)と競合しているため、そのような競合相手にも勝てることを示すためにも当社は巨大な需要を確保しておく必要がありました。そして、この広告事業からの収益によって、他の部門へ再投資する余裕が生まれました。

TC:有料会員制のプロフェッショナル向けネットワークも開始するそうですね。

MD:特に若い黒人のプロフェッショナルたちが集まって学んだり仕事を探したりできる新しいプラットフォームを数週間後に開始する予定で、当社一同とても楽しみにしています。このようなプラットフォームは当社がコンファレンスビジネスで培ったコア・コンピテンシーの1つであるという背景もありますが、最大の目的は、今トレンドを形成している重要な問題やトピックについて議論する場を作ることです。ブラビティはすでに、Facebook Live(Facebookライブ)、YouTube(ユーチューブ)、およびInstagram Live(Instagramライブ)を使って会話する場を毎日提供していますが、そうした既存のプラットフォームにはない、安心して会話できるプライベートな空間と、さらに深いレベルでつながることができる場を提供していきたいと考えています。

TC:最近の数か月間、シリコンバレーや投資家たちについて明らかに変わったと感じた点はありますか。以前はまったく問い合わせもなかったような会社が興味を示しているといったことはありますか。

MD:注目しているVCはかなりいると思いますが、偏見があまりに強いため、彼ら自身それを打破する方法が分からないのではないかと思います。

確かに当社への問い合わせは増えました。ただ、それによって投資額やファンドへの出資額が増えたかというと、そうでもありません。私は見せかけだけの「注目」は信用できないと思っています。VCにとって最も重要な成功の尺度は、投資を回収できるかどうかです。ベンチャーの出資は寄付でも義援金でもありません。VCは彼らの成功尺度を満たす企業を探しているのです。そしてそれはおそらく私の尺度とは異なります。これだけ成功しているにもかかわらず慢性的に資金不足の状態ですから。

TC:もう少し詳しく説明していただけますか。

レイターステージの投資家たちは、シリーズAやシリーズBで投資対象になる企業はそんなに多くないと考えていると思います。でも、投資対象となり得る企業、つまり当社のような収益基準と目標基準を持ちイグジットの可能性がある企業は数多くあるのです。しかし、そのような企業は自社がスタートアップだとは考えていないし、スタートアップには見えない。ですから資金を調達するためにもっと結果を出す必要があるのです。

現在、資金を調達する人たちが本当に増えています。初回ラウンドのファンドで資金調達に成功し、今はこうしてダイバーシティへの意識が高まる中でセカンドラウンドに臨んでいる。これはとても勇気づけられることですし、シードステージやアーリーステージの創業者には本当に有利だと思います。

私も今、シードラウンドで資金調達している創業者だったら、と思います。1000万ドル(約10億7000万円)くらい調達できる可能性がありますから。資金はあふれているのです。

TC:複数のブランド資産があり、将来性もある会社を実際に経営されているあなたが資金面で不利な立場にいるとは驚きです。先ほどおっしゃったように、この国はあと10年でマイノリティー(少数派)人種が白人の人口を上回ってマジョリティー(多数派)になると予想されています。アフリカ系ラテンアメリカ人など、黒人以外のコミュニティ向けのサービスを提供する予定はありますか。

MD:膨大なオーディエンスを抱えて急成長するサブコミュニティがつながるスペースまたは場を持っていないことについては、いろいろと考えてきました。ブラビティは設立当初から、まずは自社のテックプラットフォームを確立し、その後UIを変更してさまざまなアイデアに対応できるようにし、ニッチレベルでさまざまな人種やコミュニティにサービスを提供するブランドを集めた場所を作ることを目指していました。具体的には、Z世代、黒人、LGBT、アフリカ系ラテンアメリカ人、米国にいる多くのカリブ人、ナイジェリア系アメリカ人といった人たちが対象です。移民たちの世界には本当に多くのサブコミュニティが存在します。

そのうち、このやり方を繰り返すことで間接費や管理業務が発生するのはあまり効率的ではないことに気づきました。そこで、運営サイドの仕組みを作る必要がありました。自社の広告ネットワークに資金を投入したのはそのためです。そうすれば、例えば、ブリックリンに素晴らしいクリエーターがいる場合に、「あなたの実績は素晴らしいですね。サイトへのユニーク・ビジター数(重複しない訪問者数)が毎月100万人もいる。ブルックリンにあるメディア企業の発行部数の半分以上に相当する数字です。でも広告販売チームをお持ちでないようですね。当社と提携しませんか」と声をかけることができます。それが最初のソリューションでした。

次のソリューションとしてソーシャルネットワーキングプラットフォームを構築しました。ブラビティを創業した当時にフラストレーションや緊張を感じたのは、私のような人間は他にいないと感じていたからです。大企業を作ってテクノロジーで世界を変えたいと考えていた黒人女性は皆無でした。マウンテンビューを歩いていても自分と同じような人は誰もいなくて、どこへ行けばいいのかさえ分からなかった。まさにそうした状況をテクノロジーで、つまり、人々が知り合いたい相手を互いに簡単に見つけることができるプラットフォームによって変えていきたいのです。そうして人々がつながるようになれば、起業して独自の組織を創り上げる人も出てくるはずです。そうなることを願っています。

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