iMessageに対応した既存アプリのダウンロード数が急上昇

imessage-app-effect-hero

iOS 10はいまのところおよそ半分のiPhoneならびにiPadにインストールされたに過ぎないが、自社のモバイルアプリを新しいiMessage App Storeに対応させた開発者は、既に収益を挙げていることが、新しい調査で判明した。iMessageのためのサポートを追加した既存のアプリは、ダウンロードが目に見えて増えていて、JibJabなどの初期の対応者は最大のダウンロード増加を見せている。

iOS 10で、iMessageは単純なメッセージングであることをやめ、アプリのためのプラットフォームへと拡大した。そこには独自のApp Storeも含まれている。現在は新しいステッカーパック(スタンプ)とゲームがiMessage App Storeのトップチャートを席巻している。しかし既存のアプリもまた、iMessageとの相互運用を提供することによって、相当なダウンロード数増を果たしている。

アプリ情報会社のSensor Towerのデータによれば、アニメーションステッカー作成アプリのJibJab(2014年からiOS App Storeで提供されていた)は、驚くべき成長をiOS 10に公開以来続けている。

そのダウンロードの成長率は、iOS 10が公開された最初の週である9月12日の週に、1500パーセントを超えた。

IMessageがアプリ効果

この成長は、JibJabが新しいiMessage App Store内で、アップルによってフィーチャーされたという事実によるところが大きい。iMessageアプリが新しいものであることから、多くのモバイル消費者たちは、どのアプリを最初にダウンロードすべきかを判断する際に、アップルを信用する傾向にあるからだ。

このような事情はあるが、開始時にiMessageアプリを準備できていた他の既存のアプリのダウンロードも増加している。そうしたものの例として、ダウンロードが129%増加したTenor’s GIF Keyboard、108%増加したGeniusとGiphy、再び74%の増加を見たZynga’s Words with Friends、その他が挙げられる。

Zyngaのアプリはまた、 iMessageへの統合を提供した最初のゲームタイトルの1つでもある。そしてゲームはiMessage App Storeでの人気カテゴリであることが明らかになって来ている。現在は無料アプリのトップ10のうち4つがゲームだ。一方有料アプリの第10位はチェスゲームである。

新しいApp Storeの開始に伴って、iMessage対応アプリのダウンロードが大幅に増えたことは意外ではない、しかしこの成長がどこまで続くかはわからない。さらに、アプリの利用者を増やしたり、より深く関わって貰うためには、例えば単独のアプリを出すべきなのか、それともステッカーパックを出すべきなのかといった、どのアプローチが優れているのかの判断もまだ時期尚早だ。

注意しておきたいのは:Sensor Towerの調査は過去2ヶ月の間に、50000ダウンロードを超えた大規模なアプリだけに注目したものである。このためこのレポートは、これまでアプリが皆にあまり知られていなかった小規模の独立アプリ開発者が、ただiMessage対応を追加しただけでダウンロードが伸びることを必ずしも示すものではない。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

子供向けチャットアプリ「Disney Mix」、ディズニーキャラクターのスタンプやゲームも楽しめる

mix_logo

ディズニーは先日(米国時間8月4日)、新しいチャットアプリDisney Mix」をモバイルメッセージング市場に投入した。このアプリのターゲットは子供、14歳くらいまでのトゥイーン、ファミリーだ。WhatsApp、Facebook Messenger、Snapchatなど、他の人気メッセージングクライアントとは、あるレベルまでは競合するが、Disney Mixのゴールは子供による利用を考慮した、より安全な代替ツールの提供にある。つまりアプリの役目はチャット機能だけに限られず、ゲームプレイ、ミーム(おもしろネタ)の拡散、スタンプの共有などにあるとディズニーは述べている。

ディズニーはまた、子供向けオンラインコミュニティの構築においてはClub Penguin、MarvelKidsやその他のバーチャルワールドを含め、10年以上の経験があることにも言及している。

Disney Mixの製作にあたっては、Club Penguinを通しての学びをスタート地点として、そこからDisney Mixに固有の新たなツール、モデレーション機能、および教育的リソースを構築したという。

当然ながら、Disney Mixはターゲットとなるユーザー層に配慮して米国児童オンライン保護法(COPPA)を遵守している。これは子供向けサービスの運営時に企業が従うべき個人情報の収集・使用方法について規定する法律だ。

Mix-Screenshots-WW-3-640x960

ユーザーがアプリにサインアップする際には コミュニティルールに同意するようになっている。このルールには「安全に注意する」「他のユーザーを思いやる」「投稿内容に配慮する」などの決まりごとが含まれ、知らない人に個人情報を教えないことの大切さや、共有にふさわしいコンテンツについて言及している。これによりいじめや不適切な言葉遣いを防止する狙いだ。

アプリにはモデレーション機能も備わっており、いずれかのルールを破ったユーザーは一時的または恒久的にDisney Mixを利用停止にするとディズニーは話している。

このような管理を担うモデレーションチームには、チャットスレッド上部にある「ホイッスル」アイコンをクリックすることでいつでも連絡できる。チャット中にクリックすると会話内容が報告されて、モデレーションチームが対処する。また、ユーザーは友達リストで名前の左側をスワイプするだけでリストから削除することもできるようになっている。

ディズニーでは13歳以下の子供がサインアップする際には、保護者と子供でアプリのルールについて一緒に話し合うよう推奨している。

  1. mix-screenshots-ww-5-640x960.png

  2. mix-screenshots-ww-4-640x960.png

  3. mix-screenshots-ww-3-640x960.png

  4. mix-screenshots-ww-2-640x960.png

  5. mix-screenshots-ww-1-640x960.png

アプリはApp Storeではレーティング「4+」になっているが、コンセプト的にはもう少し上から13歳くらいまでのプレティーンを惹きつけそうだ。

Disney Mixでは、友達同士でチャットして、ズートピアのフラッシュや、ファインディング・ドリーのハンク、ベビーシッター・アドベンチャーのジェニーなどのスタンプを送り合える。アプリのその他のコンテンツにはアナと雪の女王、モンスターズ・ユニバーシティ、トイ・ストーリー、ティーン・スパイ K.C.、ファミリー・ツリーなど、ディズニーのその他フランチャイズも使われているという。

このアプリを使ったチャットは友達や家族だけに留まらず、ディズニー・チャンネル、ディズニーXD、ディズニー・ムービーなどの「ディズニー・アカウント」も友達リストに追加できるようになっている。これらのアカウントからは定期的に新着の画像や動画、ニュースなどが送られてくる仕組みだ。

Disney Mixと他のメッセージングに特化したクライアントを比べた場合の最大の差別化要因は、インタラクティブで多様なアプリ一体型ゲームかも知れない。アプリにはSpikes、Elsa’s Winter Waltz、Cards of Doomなどのゲームが備わり、チャット画面から友達同士でプレイできるようになっている。

アプリの利用開始時には髪型や顔の特徴、アクセサリーなどを選択してカスタマイズしたアバターを設定する。これは任天堂のMiitomoとあまり違わない印象だが、Disney Mixのアバターは全身ではなく顔のみとなっている。

次回リリースでは画像と動画の共有など、さらなる機能をサポートするとディズニーは話すが、もちろん保護者による監督あっての機能提供であると念を押している。

Disney Mixは、iOSAndroid用に無料でダウンロードが可能だ。

[原文へ]

(翻訳:Ayako Teranishi)

「Cola」は開発者が地図やフライト確認などのアプリを自由に付け足せるメッセージアプリ

4d2f871f-6ce6-4823-83d8-704ca4d8a79e

チャットにアプリを埋め込めるメッセージングアプリのColaは誰でも新しいアプリケーションを組み込めるようにするための開発者キットを公開した。

本日更新されたバージョンには、メッセージングアプリの中で動作する12個の「バブル」と呼ばれる実質的なアプリケーションが含まれている。ユーザーは中で使われる個別のツールのアカウントを作ることなく、天候やフライト情報、GIF、その他の情報を共有することができる。同社が優先するのは他人と基本的なタスクを行う際の壁の高さを下げることである。メッセージアプリを離れることなく2人が共有ToDoリストをチェックする場合を考えてみると良いだろう。

Cola自身が提供する新しいバブルに加えて、開発者はバブル開発キットを用いてメッセンジャーのために新しい機能を作成することが可能だ。AppleのApp Storeと同様に、Colaはユーザーを保護するための承認プロセスを用意している。

10人のチームが、2014年以来Colaを開発していて、ユーザーは今年の3月からアプリケーションを使うことができるようになっている。昨年末に、Naval Ravikantは130万ドルのシードラウンドを主導した。この時はRavikantのAngelListシンジケートも参加しているが、その中にはAOLの創設者スティーブ・ケースも含まれている。

メッセージングクライアントのプラットフォーム化を決意した企業はColaが最初ではない。Heymarketはビルトインされたアプリのようなテンプレートを使用して中小企業が顧客と連携するためのメッセージングプラットフォームを開発しているし、AtlassianのHipChatは、Slackに類似したチームのためのメッセージング機能を提供していて、Dropbox、Github、Trello、BlueJeansそしてUberまでもが統合されている。

市場の空白を探す努力の結果、Colaは消費者をターゲットにしている。そのサービスはユニークではあるものの、それはまだ基本的にFacebookのメッセンジャー、AppleのiMessage、GroupMe、WeChatなどと競合するものだ。

Colaの制限の1つは、コンテンツを発見し送るためにはアプリの中から行わなければならないということだ。例えばGIF画像を送信したいときに、Giphyでそれを開くことはできない。Colaのユーザーがそれを送信するためにはGiphyバブルを使う必要がある。また、統合のメリットを最大限に活用するためには、送信者と受信者の両方がColaをダウンロードしておく必要がある。

アプリのUIは非常に基本的なものだ。とはいえ加えられたシンプルさは欠点を上回っている。私たちが馴染んでいるマテリアルデザインではないが、きちんと動作しわかりにくいものでもない。

エンジニアリングの観点から言えば、各バブルは独自のサンドボックス内で実行されるので、失敗したメッセージがアプリケーション全体を巻き込んでダウンさせてしまうことを心配する必要はない。Colaはそのサービスがスムースに運用されることを狙って、Facebookによって主導されているオープンソース技術のReact Nativeを活用している。開発者はネイティブ「バブル」アプリケーションをJavascriptを使って開発する。

Colaのバブル(泡)は便利だが、クリティカルマスに達するユーザーを引き込むには、何らかのキラーフィーチャーが必要だろう。開発を外部へ公開することによって、利用者が単に欲しいと思うだけではなく本当に必要とする機能をColaが提供できる可能性は高まるだろう。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)