住宅ローン借り換えで平均480万円節約――「モゲチェック」が2.5億円調達

住宅ローンの借り換えサービスなどを展開するMFSは8月28日、オプトベンチャーズグロービス・キャピタル・パートナーズを引受先とした第三者割当増資を実施した。調達金額は2億5000万円だ。

同社は今回調達した資金を利用して、新サービスの開発、人員拡大、マーケティングの強化、全国対応のオペレーション構築に注力するとしている。

MFSの主力サービスは、2015年6月にリリースした住宅ローンの借り換え支援サービス「モゲチェック」だ。

低金利がつづく日本ではローンの借り換えによってメリットを得られる人が多いものの、「面倒くさい」「分からない」などの理由で借り換えを行っていない人が多い。MFSのリリースによれば、日本の住宅ローン残高は200兆円、1200万件の規模だというが、そのうち過半数の600万件が割高な金利のまま運用されつづけているという。

そういった人たちが得られるであろうメリットを視覚化し、借り換えを促すのが「モゲチェック」の役割だ。

また、MFSは2017年1月、この「モゲチェック」に続く新たなサービスである「モゲスコア」をリリースした。これは、年収や家族構成など10項目を参考にして、ユーザーが住宅ローンをいくらまで借りられるのかを算出するサービスだ。「モゲスコア」の詳細については以下の記事を参考にしていただきたい。

住宅ローンいくらまで借りれる? 10項目による自動診断をMFSが開始

リアル店舗モデル vs B2B2Cモデル

日本のスタートアップ業界にはMFSと同様のサービスを展開する競合が存在する。2017年6月に8000万円の資金調達を発表したWhatzMoneyだ。

でも、両社のアプローチにはちょっと違いがある。

MFSのリアル店舗

「モゲチェック」をローンチした直後のMFSは、エンドユーザーに借り換え支援アプリを直接提供するというビジネスモデルだった。

しかし、その後同社はリアル店舗を利用したビジネスに方向転換する。

コストはかかるが、直接相談できる対人コンサルを起用することでコンバージョン率をできるだけ高めようというのがMFSのアプローチだ。

TechCrunch Japanが前回取材したときの話では、店舗に来店した人の6〜7割が実際にローンの借り換えを行っているのだとか。現在は新宿、銀座、横浜の3店舗が稼働中で、累計相談件数は1000件、金利削減額の平均は480万円だ。

一方のWhatzMoneyは、ユーザーとのあいだにリフォーム会社などの事業会社を挟んだ“B2B2Cモデル”を採用。事業会社をエンドユーザーとの接点として利用しながらマーケティング費用を抑えるための戦略だ。

同じ住宅ローンの借り換えというビジネスを展開する両社だが、このアプローチの違いは非常におもしろいと思う。

2009年に創業のMFSは、2015年9月にマネックスなどから9000万円を調達。2016年6月には今回のラウンドにも参加したグロービス・キャピタル・パートナーズから2億円の資金調達を実施している。

今回を含むMFSの累計調達金額は約5億4000万円となる。