モーションリブが模型用小型モーター使い固い・柔らかい物をつかんだ感触を伝送する技術を開発

モーションリブが模型用小型モーター使い固い・柔らかい物をつかんだ感触を伝送する技術を開発

モーションリブは10月15日、汎用力触覚ICチップ「AbcCore」により、低価格な模型用小型モーターを使い、硬いモノ・柔らかいモノなどをつかんだ感触など力触覚を伝送をする技術を開発したと発表した。

モーションリブは、機械が力触覚を自在にコントロールするために必要なリアルハプティクス(Real-Haptics)について、機械への実装を可能にするための研究開発から、キーデバイスである汎用力触覚ICチップ「AbcCore」の製造販売まで行う慶應義塾大学発スタートアップ。

リアルハプティクスとは、慶應義塾大学で発明された、アクチュエーターの力加減を自在に制御できる技術。同技術により、力センサーレスで力触覚を伴う「計測可視化・分析」「遠隔操作」「ロボット自動化」「感触の再現・VR」が可能となる。

AbcCoreは、力センサーや特殊なモーターなどを必要とせず、市販モーターを使って力加減や力触覚伝送の制御を実現できる点で技術的優位性を備えるという。モーターにかかる負荷力は推定アルゴリズムにより算出するため、力センサーも不要。AbcCoreは、すでに60社以上の企業に先行提供されており、共同研究や実用化が始まっている。

モーションリブが模型用小型モーター使い固い・柔らかい物をつかんだ感触を伝送する技術を開発

  • 力加減の制御: リアルハプティクスをモジュール化し、リアルタイムな力加減の計測と制御を実現
  • 力触覚を伝送: 力加減をデータ化し、遠隔地に伝送。双方向に力触覚を伝え合うことを実現
  • 力センサーレス: 独自の力推定アルゴリズムにより力センサーの設置が不要(力センサーの使用も可)
  • 高い汎用性: 市販のアクチュエーター・機器を使用して力の制御が可能。既存システムへの組込みも容易

リアルハプティクスによる力触覚を有する遠隔操作は、人間が入れない危険環境の作業代行や、職人による官能検査、あるいは製造・保守業務のリモート化など、産業用途において幅広く活用検証が進んでいる。

ただし、リアルハプティクスを適用した装置の構築は高価格なサーボモーターが必要で、装置製作が高コストになる傾向にあるという。

一方、今回モーションリブが開発した技術では、低価格な模型用小型モーターを活用できるようになり、力触覚を有する装置を低コストに構築することが可能となる。

これにより、目下応用研究開発が大きく進んでいる産業分野にとどまらず、家電・ホビー・エンターテイメントなど幅広い民生分野においても、低価格な普及型製品への適用可能性が広がるとしている。

なお、同技術は模型用小型モーターの力触覚制御をベースとしているため、モーター2台を使った力触覚伝送はもとより、モーター単体を使った力加減の計測・制御についても利用可能。

また同技術は、リアルハプティクス技術協議会の加盟企業との共同研究開発の中で提供を開始する。

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カテゴリー: ロボティクス
タグ: モーションリブ日本

モーションリブが力加減を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発、汎用力触覚ICチップを利用

慶應義塾大学 モーションリブ 力触覚 ハプティクス AbcCore

慶應義塾大学発スタートアップのモーションリブは7月17日、汎用力触覚ICチップ「AbcCore」により、市販の協働ロボットを使って力触覚を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発したと発表した。

ロボットの遠隔操作による人手作業の代行は、危険作業における作業員の安全確保や、製造・保守作業のリモート化による業務効率改善など、様々な場面での活用が期待されている。また、力加減を伴う作業をロボットの遠隔操作で行う場合、位置や力の力触覚情報をリアルタイムかつ双方向に伝えることが作業効率に影響することが知られている。

モーションリブが開発したシステムでは、市販の協働ロボットで「作業者の力加減を伴う動作」「作業対象のモノの感触」といった力触覚情報を双方向に伝送する遠隔操作システムを構築可能。協働ロボットの力加減を直感的に操作できるため、離れた場所からの安全・柔軟な遠隔作業を行えるようになる。

また、力触覚を有する遠隔操作システムをAbcCoreで構築するには、これまで専用装置の製作が必要だったが、今回のシステムでは市販協働ロボットをそのまま活用できるようになった。短期間かつ容易に、力触覚伝送機能を有する安全な遠隔操作システムを構築可能としている。

モーションリブは、機械による力触覚の制御に必要なリアルハプティクス(Real-Haptics)について、機械への実装に向けた研究開発から、AbcCoreの製造販売までを行う慶應義塾大学発スタートアップ。リアルハプティクスとは、アクチュエーター(サーボモーターなど)の力加減を思うように制御できる、慶應義塾大学が発明した技術。この技術により、力触覚の可視化・分析、遠隔操作、自動化、感触が再現可能。

AbcCoreは、力センサーや特殊なモーターなどを必要とせず、市販モーターを使って力加減や力触覚伝送の制御を実現できる点で技術的優位性を備えるという。モーターにかかる負荷力は推定アルゴリズムにより算出するため、力センサーやトルクセンサーも不要。AbcCoreは、すでに50社以上の企業に先行提供されており、共同研究や実用化が始まっている。

慶應義塾大学 モーションリブ 力触覚 ハプティクス AbcCore

また同社は、共同研究を行うソリューション事業、AbcCoreを提供する「デバイス事業」、技術を提供するライセンス事業の3事業を柱に、顧客の製品企画から量産販売までをサポートできる体制を構築している。

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力触覚技術を搭載したICチップ「AbcCore」の開発元であるモーションリブは6月24日、慶應イノベーション・イニシアティブおよびDBJキャピタルを引受先とした第三者割当増資により、総額1.8億円の資金調達を発表した。

同社の力触覚技術は「リアルハプティクス」と呼ばれており、機械の力加減を簡単に操れるようにする、慶應義塾大学が開発した技術。具体的には、DC/ACサーボモータを細かく制御することで、産業用ロボットがなどが得意な正確な位置制御と柔軟な力制御を両立することで、機械やロボットのアームなどに力の加減を持たせることができる。モータ2台を運動同期することも可能だ。AbcCoreは、この力触覚の制御を実現するICチップとなる。

今回の資金調達により同社は、現在50件以上あるさまざまな業種の企業との共同研究開発プロジェクトを推進し、製品への実装を進めていくとのこと。すでに一部の企業では、最終製品へのAbcCore の実装・販売が始まっているそうだ。