YouTubeがユニバーサルと提携、約1000本の歴史的ミュージックビデオをHD化へ

米国時間6月19日、YouTubeとユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG、Universal Music Group)は、両社の提携を通して、約1000本の歴史的ミュージックビデオをリマスターしたことを発表した。

その中に含まれるのは、ビリー・アイドル、ビースティ・ボーイズ、ボーイズ・II・メン、ジョージ・ストレイト、ジャネット・ジャクソン、レディ・アンテベラム、レディ・ガガ、ライオネル・リッチー、マルーン5、ミートローフ、ノー・ダウト/グウェン・ステファニー、スモーキー・ロビンソン、キラーズ、トム・ペティなどのラインナップだ。

YouTube上にある最も象徴的なミュージックビデオの多くは「もともとモノラルスピーカーのブラウン管テレビを対象とした時代遅れの標準」形式でしか利用できなかった、とYouTubeは発表の中で説明している。しかし今日では、人々はデスクトップ、モバイル、テレビなど、さまざまなプラットフォームでビデオを視聴するようになっている。そしてそれらの多くは高解像度(HD)を提供しているが、その状況に古いビデオは対応できていなかった。

今回の新しいパートナーシップでは、ビデオとオーディオ両方の品質が、最高水準にアップデートされ、その新しいビデオが既存のSDバージョンと置き換えられることになる。また、新しいコンテンツとして登場するのではなく、URLはそのままで視聴回数や評価数(いいね)の数も引き継がれる。

米国時間6月19日の時点で、両社はすでに100を超えるミュージックビデオを更新している。その一部は以下のようなものだ。

計画では来年中にほぼ1000本近くをアップグレードすることになっていて、2020年末までには1000本のタイトルすべてが利用可能になる予定である。YouTubeによれば、このプログラムが継続すれば、毎週新しいビデオが追加されることになるということだ。

これらのビデオは、YouTubeとYouTube Musicでのみ利用可能となる予定だ。後者に関してはGoogle Play Musicとの計画的合併に先立って行われた

あるYouTubeミュージックビデオはアップグレードされたものかどうかは、ビデオの説明に“#Remastered”(リマスター済)というタグが出るので、判別できるようになる。

「ユニバーサル・ミュージック・グループと提携して、世界中のファンが最も歴史的で象徴的なビデオを視聴する方法を変えられることは、本当に光栄です。得られた品質は、真に素晴らしいものです」と声明の中で語るのは、YouTubeのレーベルリレーションの、グローバル責任者であるスティーブン・ブライアン(Stephen Bryan)氏である。「本日ご紹介したミュージックビデオたち、つまり本物の芸術作品たちが、それぞれのアーティストの作品としてふさわしい、そして今日の音楽ファンが期待する、高品質の基準を確実に満たすことが、私たちの目標です」。

「私たちはこれらの象徴的なミュージックビデオを、YouTubeとの提携を通して、最高の音質と画質でご提供できることに、とても興奮しています」と語るのは、UMGのデジタルストラテジー担当エグゼクティブバイスプレジデントのマイケル・ナッシュ(Michael Nash)氏だ。「私たちのレコーディングアーティストとビデオディレクターは、これらのビデオに多大な創造性を吹き込みました。彼らのビジョンと音楽の完全なエクスペリエンスを引き出すことができたことは素晴らしいことです。これらのビデオは、どの画面でも素晴らしく視聴できるだけでなく、今後何十年もの間、音楽ファンたちに楽しまれることでしょう」。

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(翻訳:sako)