衛星データで世界中の森林伐採の状況を可視化できるアプリGRASP EARTH ForestをRidge-iが開発

衛星データで世界中の森林伐採の状況を可視化できるアプリ「GRASP EARTH Forest」をRidge-iが開発、違法な伐採を自動検出

AI・ディープラーニング領域のコンサルティング・開発を手がけるテックイノベーションファーム、Ridge-i(リッジアイ)は12月6日、衛星データを利用した森林伐採の進行状況を可視化できるアプリケーション「GRASP EARTH Forest」を開発したことを発表した。ヨーロッパの光学衛星Sentinel-2の観測データを利用し、約1週間の周期で全地球の変化を捉えることができる。

衛星データで世界中の森林伐採の状況を可視化できるアプリ「GRASP EARTH Forest」をRidge-iが開発、違法な伐採を自動検出

Ridge-iでは、GRASP EARTH Forest利用の実例として、千葉県南部の大規模開発を検出した様子を写真で示している。下の写真では、Google Map上で赤く塗られた箇所が森林伐採された地区を示している。2018年1月から2021年1月にかけて伐採が行われたと思われる場所だ。

GRASP EARTH Forestでは、伐採状況の時間的変化もグラフで示してくれる。下の写真は、指定した伐採箇所のグラフが表示されている。グラフの縦軸が植生指数(植物の量)、横軸が時間。これを見ると、2019年の一時期に急激に植生が減少している。そのことから、この時期に森林が伐採されたものと推測できる。

このアプリケーションで、違法な森林伐採や、許可量を超えた伐採などの自動検出が可能になるとRidge-iは話している。また、関心のある地域の状況のレポートを、ウェブアプリやPDFで定期的に提供することも可能とのことだ。下記リンクからトライアル版の申し込みができる。

https://deep-space.ridge-i.com/contact

リッジアイが衛星画像により軽石の漂着状況がわかるウェブアプリ公開、被害の把握や本土への漂着予測に活用

AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を手がけるリッジアイが7.8億円を調達
「軽石ビューア」を使って確認した軽石の漂流状況(Sentinel-2 ©ESA)

「軽石ビューア」を使って確認した軽石の漂流状況(Sentinel-2 ©ESA)

衛星データとAIを駆使した開発・コンサルティングなどを行うRidge-i(リッジアイ)は11月5日、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火で発生した軽石の漂着状況が衛星画像でわかるウェブアプリ「軽石ビューア」を公開した。

このアプリでは、中央のバーを左右にドラッグすることで、異なる日付の衛星写真を比較できる。比較したい画像の2つの観測日はそれぞれ指定が可能(観測データのない日もある)。地図はドラッグによる移動やズームが行える。海岸沿いの海上に薄茶色に見えるのが軽石だ。衛星画像は、欧州宇宙機関(ESA)のSentinel-2のものを利用している。

今後は、関東への漂着にも備え、関東地方に特化した「軽石ビューア」も公開予定のとのこと。

 

衛星データプラットフォームTellusが衛星データとAI画像認識技術による駐車場検知ツール「Tellus VPL」α版を無料提供

衛星データプラットフォームTellusが衛星データとAI画像認識技術による駐車場検知ツール「Tellus VPL」α版を無料提供

さくらインターネットは8月19日、衛星データとAI画像認識技術を活用して駐車場として利用できそうな場所を検出するツール「Tellus VPL」のα版を、衛星データプラットフォーム「Tellus」(テルース)の公式ツールとして、無料提供を開始した。

同ツールは、さくらインターネットのほか、ディープラーニングをはじめとするAI技術で課題を解決するRidge-i(リッジアイ)、駐車場予約アプリ「akippa」を運営するakippa(アキッパ)の3社で研究開発した。

衛星データプラットフォームTellusが衛星データとAI画像認識技術による駐車場検知ツール「Tellus VPL」α版を無料提供

「Tellus VPL」の新規駐車場用スペース解析結果イメージ画像

衛星データから駐車場として活用できそうな空き地などを見つけ出す同ツールは、空いている月極や個人の駐車場、空き地などを駐車場として一時利用するシェアリングサービスを展開するakippaの提案から生まれた。通常は、そうしたスペースを足で探さなければならず、大変な労力とコストがかかる。そこで、さくらインターネットがプロジェクトの取りまとめと衛星データの提供を、Ridge-iが機械学習とディープラーニング技術を使った候補地検出プログラムの開発を担当し、開発を進めた。akippaは、このツールの本格活用に向けて駐車場開拓パートナーとの連携を進めることにしている。

このツールが利用できるTellusは、さくらインターネットが経済産業省の「政府衛星データのオープンアンドフリー化・データ利活用促進事業」として開発・運用を行う日本初の衛星データプラットフォーム。衛星データの提供のほか、衛星データを活用するためのツールや関連コンテンツなども提供している。実際にこれを使って駐車場候補地が検出されているかを検証した記事が、Tellus公式メディア「宙畑」(そらばたけ)に掲載されている。衛星データプラットフォームTellusが衛星データとAI画像認識技術による駐車場検知ツール「Tellus VPL」α版を無料提供

さくらインターネット、Ridge-i、akippaは、「Tellus VPL」の改良を重ね、衛星データの実用化に向けて取り組んでゆくと話している。

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カテゴリー:宇宙
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