リモートセンシング技術のスカイマティクスが13億円のシリーズB調達、セールス・マーケティング・人材採用を強化

リモートセンシング技術のスカイマティクスが13億円のシリーズB調達、セールス・マーケティング・人材採用を強化

「リモートセンシングで、新しい社会を創る」をミッションとするスカイマティクスは3月1日、シリーズBラウンドとして、第三者割当増資による総額約13億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、既存投資家のフェムトグロースファンド2.0投資事業有限責任組合、新規投資家のミライトロン、ジャパン・コインベスト(三井住友トラスト・インベストメント)、農林中央金庫の4社。累積調達額は約29億円となった。調達した資金は、同社サービスのセールスとマーケティングに「集中投下」し、同時に人材採用も強化するとのことだ。特に、GISエンジニア、ウェブエンジニア、画像処理解析エンジニア、さらにR&D人材、セールス、カスタマーサクセス人材を拡充する。

リモートセンシングとは、遠く離れた場所からセンサーを用いて対象物を調べる技術のことをいう。この技術を柱とするスカイマティクスは、人工衛星やドローンなどから収集したあらゆる地理空間情報(GIS)と時系列情報を処理解析する「時空間解析プラットフォーム」を構築し、農業・建設・測量・整備点検・防災といった幅広い業界のDXを推進している。

スカイマティクスが提供するサービスには、以下のものがある。

ドローン測量・現地管理DXクラウド「くみき

ドローン測量データから現場の画像や動画データを駆使した「現場データ丸ごと管理」サービス。あらゆるデータを地図上に統合し、データ管理を効率化する。

施設・設備情報管理システム「くみきスコープ

施設や設備に関する画像、テキスト、ファイルなどの情報を、屋内外を360度パノラマ化した画像で可視化し、スマートに管理するサービス。独自AIによる画像処理で、錆びや腐食の検出なども行える。

農家向けスマート農業サービス「いろは

画像解析技術と地理情報技術で、農地へ行かなくても農地全体の状況を把握できるようにするサービス。全国の農地に採用され、都道府県普及率100パーセントを達成した。

自治体向け農業管理DXソリューション「いろはMapper

自治体による経営所得安定対策と中山間地域等直接支払いのための現地調査を効率化するサービス。

 

白熱化する衛星リモートセンシング市場、合成開口レーダーを活用する衛星画像のICEYEが約157億円調達

合成開口レーダー(SAR)を用いた衛星画像を提供するスタートアップ企業のICEYE(アイスアイ)は、新たなシリーズD投資ラウンドで1億3600万ドル(約157億円)を調達、これまでの資金調達総額は3億400万ドル(約350億円)となり、SpaceX(スペースX)を除く宇宙関連スタートアップ企業の中では最も資本力のある企業の1つとなった。ICEYEは、宇宙から地球の画像を撮影するリモートセンシングに注力する企業で、そのために同社が用いる技術は、従来の画像ベースの観測では難しかった雲やその他の障害物で覆われた場所も容易に覗き込むことができるため、利益率の高い国防産業を含む、幅広い顧客を惹き付けている。

防衛産業といえば、ICEYEは米国時間1月20日に米国家偵察局(NRO)と契約を結び、同局によるSARの商業リモートセンシングの評価に参加することになった。ICEYEはまた、すでに軌道に乗せた16基の衛星に加え、2022年にはさらに10基の新しい衛星の打ち上げも計画している。

ICEYEは当初、フィンランドのヘルシンキで設立されたが、その後は米国にも子会社を設立するなど事業の足場を拡げ、2021年からは独自の製造施設も稼働させている。米国内で衛星を製造・運用できるということは、ICEYEが米国の国防に関わる重要な案件を請け負うことができるという意味だ。

その一方で、同社は、保険、海運、海上監視、災害対応、さらには金融など、さまざまな業界の顧客にサービスを提供し続けている。夜間や悪天候など、従来の障害に邪魔されずに地表を頻繁に撮影できることに価値を見出す顧客は後を絶たない。

今回の1億3600万ドルの資金調達は、既存投資家であるSeraphim Space(セラフィム・スペース)が主導し、新たな戦略的投資家や、既存の顧客であるBAE Systems(BAEシステムズ)、Kajima Ventures(カジマ・ベンチャーズ)も参加した。

画像クレジット:ICEYE

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ウミトロンがAIスマート給餌機「UMITORN CELL」を活用し「くら寿司」の養殖事業と協業

愛媛県宇和島市のくら寿司委託生産者に実験導入された「UMITRON CELL」

愛媛県宇和島市のくら寿司委託生産者に実験導入された「UMITRON CELL」

AI・IoT・衛星リモートセンシングなどを駆使して持続可能な水産養殖に取り組むスタートアップ「ウミトロン」は10月28日、くら寿司傘下のKURAおさかなファームと協業して、スマート給餌機「UMITRON CELL」」(ウミトロンセル)を使った養殖事業を支援すると発表した。

UMITRON CELLは、生け簀で泳ぐ魚のリアルタイム動画を見ながら、遠隔で餌やりが行えるスマート給餌機。AIが魚の食欲を判定し、餌の量や与える速度を最適化することで、労働負荷を軽減し、無駄な餌やりをなくして海の環境を守ることができるというもの。従来よりも少ない餌量でも、適切なタイミングで給餌することで、出荷時のサイズや品質を保ちながら短期間で魚を育成できるという。すでに、近畿、四国、九州地域を中心に、真鯛、シマアジ、サーモントラウトなどの養殖に導入されている。

くら寿司が100%出資するKURAおさかなファームは、回転寿司チェーン業界では初となる、水産専門の子会社。自社養殖と委託養殖を行う。委託養殖された魚は、くら寿司が中長期契約で全量を買い取り、店舗で提供される予定だ。「くら寿司の先端技術と水産業界のノウハウを結集して、持続可能で国際競争力のある水産経営モデルの創出」を目指している。

東京大学と日本気象協会が人工衛星から観測した「重い水蒸気」が天気予報の精度向上に寄与することを実証

東京大学と日本気象協会が人工衛星からのリモートセンシングで観測した「重い水蒸気」が天気予報の精度向上に寄与することを実証

東京大学生産技術研究所芳村研究室(芳村圭教授)は9月14日、日本気象協会と共同で、人工衛星から観測された大気中の水蒸気同位体の比率から気温や風速の予測精度を改善できることを、世界で初めて実証したと発表した。天気予報の精度向上に直接貢献できる可能性がある。

原子には、原子核を構成する陽子と中性子の数によって、軽いものと重いものとがあるのだが、同じ原子番号のもので、軽いの重いのをくるめたのが「同位体」だ。たとえば水素には、原子核に陽子が1つの軽水素、陽子と中性子とが1つずつの重水素、陽子1つと中性子2つの三重水素という3つの安定同位体(放射性のない同位体)がある。また酸素には一般的な質量数16のものに対してと0.2%ほどしか存在しない質量数18という「重い」ものがある。これらの重い同位体で構成される水分子の水蒸気が、「重い水蒸気」ということだ。

重い水蒸気同位体は、気体よりも液体、液体よりも固体に多く含まれる性質があることから、古くから地球上の水の循環の指標に使われてきた。東京大学生産研究所では、重い水蒸気同位体と軽いものとの比率の実測値と、大気大循環(地球規模の大気の循環)モデルを使ったシミュレーションによる推定とを組み合わせること(データ同化)で、気象予測の精度が向上するという理論を2014年に発表していた。

さらに2021年、人工衛星からの水蒸気同位体比の観測情報を得たと仮定して、それを同研究所が開発した全球水同位体大気循環モデル「IsoGSM」によるシミュレーション結果とデータ同化し確認したところ、実測データではないものの、10%以上改善できることがわかった。

そして今回、同研究所は、欧州の人工衛星MetOp(Meteorological Operational Satellite Program of Europe)に搭載された分光センサーIASI(赤外線大気探測干渉計)の実測データを入手しデータ同化を行った。すると、実際に気象に関連する数値の解析精度が向上していることが実証された。4月1日から4月30日までのIASIのデータを使い、データ同化した場合としなかった場合の予測を比較したところ、結果はデータ同化したものが、していないものの成績を上回った。

今後は、観測データを増やし、モデルの性能を高め、「どのような状況でどのような効果が得られるのか」を詳細に調べてゆくという。そうすることで、例えば、台風や線状降水帯など、極端現象の予測性能の向上に繋がる可能性もあると考えているとしている。

持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日・海の日から実証販売

持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日の「海の日」から実証販売

AI、IoT、衛星リモートセンシングなどのテクノロジーを水産養殖に活かすことで食料問題と環境問題の解決に取り組む「ウミトロン」は7月21日、イオンリテールと共同で、おいしさ・安心・サステナブルの3点にこだわった養殖魚「うみとさち」を、7月22日の「海の日」から実証販売すると発表した。

この実証実験は、売り場にPOPやリーフレットを置き、商品にはQRコードを添付して、「生産者による品質や安心へのこだわり、海の持続可能性に配慮した取り組み」などを消費者に伝えるというもの。また、海の未来を考える料理人集団Chefs for the Blueに所属するミシュランシェフたちが考案した和洋中など6ジャンルの簡単レシピ、生産者や養殖魚に関する情報なども提供される。

実証販売は、東北、関東を除く本州と四国の「イオン」「イオンスタイル」で、7月22日から25日、さらに7月30日と31日に行われる。販売されるのは、「地域の生物多様性や水質保全など海洋環境に配慮し、国際基準に則った飼料・投薬使用を行なっている」真鯛商品。

ウミトロンのテクノロジーのひとつに、スマート給餌機「UMITRON CELL」がある。AIで魚の食欲に合わせた餌やりが可能で、複数真鯛事業者との大規模実証実験の結果、従来給餌量の2割削減を達成できた。魚の食欲をスマートフォンで確かめ、遠隔で餌やりを行うことで、これまでより少ない餌でも、出荷時のサイズや質が保ちつつ育成期間を1年から10カ月に短縮できたという。餌の海洋流出も抑えられる。

このようにウミトロンは生産現場の課題解決に取り組む中、消費者側の海の持続可能性に対する認識を高め、購買チャンネルを増やすことも重要だと感じていた。そこで「うみとさち」ブランドを立ち上げた。今回の実証販売の目的はそこにある。ウミトロンと同じく、持続可能な生態系づくりを支援しているイオンリテールの理念と合致したことから、この実証販売が実現した。

持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日の「海の日」から実証販売

真鯛商品イメージ(切り身)

持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日の「海の日」から実証販売

真鯛商品イメージ(刺身)

今後は、「うみとさち」の取り扱い魚種と商品形態を増やし、「サステナブルシーフードを(消費者の)日常生活の購買における身近な選択肢のひとつ」となるよう展開してゆくとのことだ。

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カテゴリー:フードテック
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ブロッコリーの収穫期をドローン画像とAI解析で診断、スカイマティクスの葉色解析サービス「いろは」が生育診断提供開始

ドローンによるリモートセンシングサービスを提供しているスカイマティクスは5月26日、葉色解析サービス「いろは」にブロッコリーを対象とした解析機能を新たに実装し、提供を開始したと発表した。

これまでブロッコリーの生産現場では、生産者が農地を歩きながら花蕾の生育を確認し、収穫のタイミングを判断するという運用が行われてきた。しかし、農地が広ければ確認に時間を要し、また人の目による確認作業は体力的にも大きな負担となっていた。

そこで「いろは」において、生産者が収穫適期の見極めを正確かつ効率的に行える追加機能として「ブロッコリー花蕾診断」が開発・実装した。

同機能では、AIが画像内の10〜15cm程度の花蕾を認識し、サイズ別に集計を実施。そして集計結果を確認することで、撮影時点の農地においてどの規格のブロッコリーが何%存在するのかを把握可能となる。ユーザーはドローンで農地の画像を撮影して「いろは」にアップロードするだけで、たった数時間で花蕾サイズ分布データが入手できるという。

実はスカイマティクスは、ブロッコリー生産を手がけている大規模農業生産法人からの相談を受け、2019年よりドローン画像を用いたブロッコリーの花蕾抽出技術および花蕾のサイズ判定技術の開発に取り組んできたそうだ。以来同社が収集したブロッコリー画像データは数万点に上り、今日においても全国のブロッコリー畑においてデータ収集を継続、日々解析精度の向上に努めている。

スカイマティクスによると、今後ブロッコリーの生産現場においては一斉収穫を前提とした機械収穫体系の導入が進んでいくとされ、農地内の収穫適期の判断がより一層重要となるという。ドローン×画像解析技術により、ブロッコリー生産者の収穫適期の判断の支援を行うとしている。

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