シンガポールの物流スタートアップNinja Vanが約300億円調達、B2B部門に注力

シンガポール拠点のロジスティックスタートアップであるNinja Van(ニンジャ・バン)が、東南アジア6カ国で増大するeコマース配達の需要に対応すべく、新たな投資ラウンドで2億7900万ドル(約300億円)を調達した。

欧州のGeoPost、Facebookの共同創業者Eduardo Saverin(エドゥアルド・サベリン)氏のB Capital Group、Monk’s Hill Ventures、Carmenta、Golden Gate Ventures Growth Fund、Intouch Holding、Grab、そして2つの政府系投資ファンドが、創業6年のスタートアップのシリーズD投資ラウンドに出資した。

Ninja Vanがこれまでに調達した資金は4億ドル(約430億円)で、バリュエーションは明らかにしていない。しかし今回のラウンドの初期トランシェの分析からするに、Ninja Vanのバリュエーションは7億5000万ドル(約800億円)ほどと推定される。

Ninja Vanによると同社はシンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナムで100万個超の荷物を配達した。ShopeeやAlibabaのLazada、インドネシアのTokopediaといった主要eコマース企業と提携している。

Ninja Vanは声明文で、新たに調達した資金をサービス全般の拡大に充てると同時に、B2B部門に食い込むために使うと述べた。

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(翻訳:Mizoguchi

ロジスティックのKargoが約33億円調達、新型コロナ救済基金も設立

Uber Asiaで役員を務めたベテランのTiger Fang(タイガー・ファン)氏が共同創設した、ジャカルタ拠点のロジスティックスタートアップKargoがビジネスの拡大と、新型コロナウイルス(COVID-19)と戦う東南アジア諸国の企業をサポートするために3100万ドル(約33億4000万円)を調達した。

シリコンバレー拠点のTenaya Capital、Sequoia India、Mirae Asset Management、Intudo VenturesなどがKargoのシリーズAラウンドに拠出した。これまでに3860万ドル(約41億6000万円)を調達しているKargoの投資家にはUberの創業者で前CEOのTravis Kalanick(トラビス・カラニック)氏が含まれている。

KargoはUberのコンセプトの一部をトラック輸送やロジスティックに応用している。顧客である事業者はモバイルアプリやウェブサイトからトラックをオーダーする。しかしサービスはより広範だ、とファン氏は話す。Uberと異なり、Kargoはトラックドライバー個人ではなくトラックオペレーターや3PL(サードパーティーロジスティック)と協業している。

シリーズAの発表では、Kargoは普通ではないアプローチをとった。同社は新型コロナと戦っているインドネシアの企業をサポートしたいと考えている。新しく設立した100万ドル(約1億1000万円)のトラック運転手救済基金で支援する計画だ。Kargoの従業員も給料から基金に寄付していて、ファン氏は2021年に、給料を一切受け取らない方針という。基金へは誰でも寄付できる、とファン氏はTechCrunchに語った。

KargoはまたKita BisaやPT Akar Indah Pratamaなどいくつかの慈善団体とも提携し、複数の病院の職員と患者に食事や必要不可欠の医療物資を届けるべく取り組んでいる。

Yodi Aditya (ヨディ・アディティア)氏(写真左)とタイガー・ファン氏(右)が共同でロジスティックスタートアップKargoをジャカルタに設立した。

Kargoはドライバーの安全を守るためにいくつかの予防措置を講じていることも明らかにしている。その中にはルート上に休憩場所を多く確保し、適切な消毒を行うことが含まれている。同社はまた、ユーザー間の物理的接触を制限するためにプラットフォーム上に電子の配達証明システムを導入した。

「インドネシアにおける必要物資のサプライチェーンが影響を受けることがないよう、当社が最も信頼できるロジスティックパートナーであることを約束する。従業員全員が給料の中からそれなりの額を寄付し、地元の企業や組織にともにこの問題に取り組んでいこうと呼びかけている」とファン氏は話した。

「経済状況が見通せない中で、我々を引き続きサポートしてくれるすばらしい投資家たちに感謝している」とも付け加えている。

東南アジアマーケットでは、インフラの非効率さを解決しようと荷主や輸送事業者が徐々にテクノロジーを受け入れ始めており、ロジスティックには大きなチャンスがある。

Kargoを利用している荷主は6000社を超え、トラック5万台超のネットワークでインドネシアを網羅している。

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(翻訳:Mizoguchi

トラック輸送の改善に取り組むサンディエゴのFlock Freight

「貨物の動きを変えたい」。Flock Freightの創業者でCEOのOren Zaslansky(オーレン・ザスランスキー)氏は話す。

過去2年、ひっそりと操業してきた同氏の会社は、貨物輸送の新しいソリューションを伴ってステルスモードで登場した。「そのソリューションは運送業者により多くの金をもたらし、現在貨物向けに展開されているハブアンドスポークモデルにおける非効率をなくし、荷主に良い条件を提供する」と同氏は主張する。

サンディエゴに拠点を置く同氏の会社はまた、直近では最大となる5000万ドル(約54億円)を調達した。

ザスランスキー氏にとって貨物輸送は家業だ。「私の両親は引越し業を生業とする家庭で育った。そして私自身は起業と貨物という環境で育った」と語る。

この2つのものへの情熱が、大学を中退し、サンディエゴエリアでのトラック事業開始へと彼を駆り立てた。彼はまた、サプライチェーンのロジスティックをサポートしようと仲立業も立ち上げた。トラック事業、そして仲立業に馴染んでいたことがFlock Freightの創業と、今週初めにクローズした新たな投資ラウンドにつながった。

Flock Freightは、荷主が少量の商品を動かす方法を変えるために資金調達した。ハブアンドスポークオペレーションで動かさなければならないトラック積載量に満たない量のものが対象だ。ハブアンドスポークオペレーションでは商品の輸送にかかる時間が長くなり、また車両への積み下ろしで商品破損の可能性が増す。

「ハブアンドスポークを省きたい」とザスランスキー氏は話す。「我々はカープールになりたい。貨物の動きを変えるためにテクノロジーを使う」。

Roadieのようなサービスを通じて届けられるかなり少量のオーダーのことをザスランスキー氏は話しているのではない。配達会社Roadieは2019年2月にHome Depotのリードで3900万ドル(約42億円)を調達した。

あくまでもトラックの話で、長さ70フィート(約21m)のトレーラートラックのカープールだ。Flock Freightは中小のトラック輸送会社に声をかけ、こうした企業がすでに請け負っている荷物のオーダーを統合する。「トラックの荷台の空きを埋めるためにサードパーティーと連携を取るのに慣れている業者に働きかけている」とザスランスキー氏は言う。

目下、それは1100億ドル(約12兆円)の貨物・ロジスティック市場の15%にあたる。

Flock Freightへの新たな投資はSignalFireGLP Capital Partnersが2月中旬に実施した。この2社は、損害請求が減らせる、複数の荷主から荷物を集める、排気ガス40%抑制のための最適化したルートの配達ができる、配達率97.5%を保証するというFlock Freightの主張にかなり魅せられたようだ。

Flock Freightの発表文によると、Tuft & NeedleやTitan Supply Groupといった企業がすでにFlock Freightのサービスを使っている。

Flock Freightはトラックの余剰の輸送能力を確保し、荷主に使った分だけの料金を課すことでマーケットを形成している。「我々は荷主に対して『荷物はトラックの75%を占めた。だからその75%分だけを請求する』と言いたい」とザスランスキー氏は話した。「運送業者向けには、Flock Freightが支払うのは100%で、10フィートの貨物を追加してさらに1000ドル払う」と述べた。

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(翻訳:Mizoguchi