Waymoが無人ロボタクシーサービスをサンフランシスコの従業員に提供

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門のWaymo(ウェイモ)は米国時間3月30日、サンフランシスコの従業員に完全自律走行車による乗車の提供を開始したと発表した。

Waymoは、プレシディオからキャンドルスティックポイントの最奥部まで広がる「サンフランシスコの初期サービス領域」内で、乗客だけが乗り込む運行を開始し、そこから徐々に拡大していく予定だ。

このニュースの約1カ月前には、同社はカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から許可を取得後、人間のオペレーターを乗せたロボタクシーの乗車でベイエリアの住民に課金し始めると発表した。また、8月にはWaymoのTrusted Testerプログラムが始まった。このプログラムでは、サンフランシスコの人々が登録して、やはり人間のオペレーターを乗せたWaymo Driver搭載の全電動自動車ジャガーIペースを無料で呼び出すことができるようになった。

サンフランシスコは、Waymoとその最大のライバルであるGM(ゼネラルモーターズ)の自動運転子会社Cruise(クルーズ)との間で、ある種の戦場と化している。Cruiseは2022年2月上旬、自社の完全自律走行の配車サービスの一般提供を開始したが、乗車料金を徴収するためには、まだCPUCの許可を得る必要がある。Waymoは、最終的にドライバーレス乗車で課金するための許可をすでに申請しているかどうかについては明らかにしなかった。

ただし、アリゾナ州フェニックスでは、CruiseはWalmart(ウォルマート)と共同で自律走行配送の試験運用を行っている。最近その試験運用は拡大されたものの、Waymoはロボタクシーの優位性を確立している。同社は2016年からフェニックスでテストを行っており、2020年にはそこで完全自律走行の公共配車サービスを導入した。サービスを通じて毎週数百回の乗車を提供している。

Waymoは2022年3月30日、フェニックスでのルーツを深め、Waymo Driverが最近自律走行距離50万マイル(約80万キロメートル)を達成したイーストバレーからダウンタウンに拡大することも明らかにした。これまでと同様、同社は自律走行スペシャリストを運転席に乗せての乗車をまず自社従業員に提供し、その後、同社のTrusted Testerプログラムを通じて一般の人々にもサービスを開放する予定だ。

Waymoの共同CEOであるDmitri Dolgov(ドミトリ・ドルゴフ)氏は声明で「安全で堅牢、かつ汎用性のある自律走行ドライバー、すなわちWaymo Driverを構築し、その能力と性能を地域や製品ラインの間でうまく移行させることに我々は注力しています」と述べた。「これまでの経験から、第5世代Driverをサンフランシスコですばやく、そして自信を持って展開することができたのと同じように、サンフランシスコとフェニックスのイーストバレーでの経験の組み合わせは、何百万マイルの実走行に基づき、何十億マイルのシミュレーション走行によって後押しされ、すでにフェニックスのダウンタウンでの当社の進歩を導き、完全自律配車サービスの将来の拡張のための準備となっています」。

Waymoは、現時点ではサンフランシスコとフェニックスでの保有車両数は共有しないと述べた。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Auroroa、トヨタ・シエナの自律走行型タクシーのテストを公開

自律走行車技術企業のAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、将来のライドヘイル事業に向けて、カスタム設計の自動運転Toyota Siennas(トヨタ・シエナ)の小規模なテストを始める。Auroraの広報担当者によると、同社はテキサス州ダラス・フォースワース地域の高速道路や郊外の道路で、高速ルートを中心に車両テストを行う予定だ。

ハイブリッド電気自動車のトヨタ車には、同社が物資運搬用にテストしているAuroraのクラス8トラックと同じソフトウェアとハードウェアが搭載される予定だ。Waymo(ウェイモ)と同様に、Auroraは、同社が「重要な競争優位性」、つまりトラック輸送と旅客モビリティという2つの重要な市場に共通するコア技術の「移植可能性」を持っていることを証明したいのだ。

このテストの公開は、Auroraがピッツバーグ、ダラス、ベイエリアでテストを行った同じ車の初期開発プロトタイプを発表した6カ月後、またAurora Driver(オーロラドライバー)をロボットタクシー業務用に設計したドライバーレス車両と統合するためにトヨタと提携する意図を最初に表明してから1年後に行われた。

Auroraは以前、2024年後半までに、既存のライドヘイリングアプリ、特にUber(ウーバー)を通じて利用できるドライバーサービス製品であるライドヘイリング「Aurora Connnect(オーロラ・コネクト)」を発売する目標を掲げた。

2020年、AuroraはUberの自動運転部門を買収し、それ以来、同社との関係を維持している。例えば、Auroraの自動運転トラックは、両社がより密接に統合される多段階商用パイロット版の一環として、テキサス州でUber Freight(ウーバー・フレイト)の顧客のために、商品を運搬している。

「私たちは現在、Uberの詳細な市場データを活用して、トヨタとUberと提携してAurora Connectを広く展開するための商業化計画を加速させています」と、Auroraの広報担当者はTechCrunchに語った。「ライドヘイリング市場に参入するために、私たちは、既存のライドヘイリングネットワーク向けにAurora Connectを設計しました。これは、自律走行車と人間のドライバーのハイブリッドモデルを作り、ネットワークが増大する需要に対応し、ライダーにシームレスな経験を提供するのに役立つでしょう」。

Aurora Connectが市場に出れば、ライダーがトリップをリクエストすると、ルートによってAurora駆動の車か人間のドライバーが迎えに来ることになる。

Auroraが商業化への道を切り開いているように見える一方、ロボタクシー業界では他の企業がすでに道路空間を開拓している。例えば、Motional(モーショナル)は、最近ラスベガスでオンデマンドおよびトランジット技術サービスのVia(ヴィア)と無料のロボタクシーサービスを開始し、2023年には同市でLyft(リフト)と商業サービスを開始する準備を進めている。そしてもちろん、Cruise(クルーズ)とWaymoもあり、それぞれサンフランシスコとフェニックスで、自社ブランドのロボタクシーサービスを開始している。

ここ数カ月、Auroraはテキサスの高速道路で、FedEx(フェデックス)などの大企業とともに自律走行型トラックのテストを行っている。最近SPACになったスタートアップは、テキサスはまた、AuroroaがAuroroa Connectを導入する最初の州になるとしている。

「テキサス州には、当社の顧客や将来の顧客の多くが操業している、全米に商品を移動させるために重要な米国の主要な州間道路や路線があります」と、広報担当者は述べた。「テキサスはまた、空港への移動のような、Aurora Connectを開始する際に優先されるルートを開発し、テストする能力を与えてくれます」。

「Sienna Autono-MaaS(S-AM)」プラットフォームで作られた自動運転トヨタ車は、時速70マイル(時速約113km)まで出すことができ、高速道路での安全運転のために同社独自のFirstLight LiDAR(ファーストライト・ライダー)に依存している。

Auroraのテスト車両には、2人の車両オペレーターがいる。1人は運転席でAurora Driverの行動を監督し、もう1人は助手席でエンジニアリングチームに送信するメモを取る。Auroraによると、AuroraのAVスタックを搭載したSiennasは、すでにテキサス州で、路肩での停車時や低速車を回避する場合も含む、Uターン、高速合流、車線変更などをこなしている。

Aurora Driverは、さまざまな形の工事、渋滞、悪天候にも対応している。

現時点では、車両は10台未満と思われる小規模なものだが、Auroraは、今後数カ月のうちに車両を追加し、より多くのシナリオとルートを扱い、密集した都市部に移動してテストを拡大する予定であるという。

画像クレジット:Aurora Innovation

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Yuta Kaminishi)

ロボタクシーZooxがイチゴ収穫ロボットのStrio.AIを買収、知覚技術の取得が目的

Amazon傘下のロボタクシー企業Zooxが今週、Strio.AIを買収したことを発表した。このボストンのロボティクス企業は2020年にMIT出身者らが創業し、イチゴの収穫と剪定を自動化する。同社はパンデミックの間に短期間で立ち上がり、6カ月のうちに最初のプロトタイプをカリフォルニアとフロリダの農家に納めた。

今回の買収は人材獲得が主な目的で、Strioの共同創業者でCEOだったRuijie He(ルイジエ・ヒー)氏がパーセプション(知覚)部長としてZooxに参加し4人の上級エンジニアがチームに加わる。Strioのチームの獲得は、ベイエリアのZooxにとって初めてのイーストコーストの研究開発サイトの招聘になる。

Zooxはブログで次のように述べている。「RJやStrioの他のメンバーと話をするたびに、彼らの技術力と起業家精神と高度な知覚システムを開発するアプローチに感銘を受けました。彼らを迎えることで私たちの自動化技術の前進を継続できることに喜んでいます」。

この買収でStrioのアグリテックの部分は、Zooxの幅広いロボタクシーのプランにそれの知覚技術などが統合されるというよりむしろ、縮小されるだろう。この買収の数週間前にはBowery FarmingがTrapticのイチゴ収穫ロボットを買収し、それを屋内の垂直農場に組み込むことになった。Zooxの場合と同じくBoweryの買収も、Trapticのロボットを農場から奪った。

一般的には、自動化ロボットはアグテックにいろいろな活躍の機会があると思われているが、その主な選手たちの多くがあまり前進していない。Abundantのリンゴ収穫ロボットも、もう1つの見逃せない例だ。しかしそれでも、一般的にロボットというカテゴリーは、むしろ買収に活路を見出す例が多い。Strioのような若い企業では特にそうだ。

一方、Zooxにとって今回の買収は人材を獲得しボストンのロボティクス研究ハブに座を得る機会になる。

関連記事:りんご収穫ロボットを復活させるために、Abundantの新オーナーがエクイティクラウドファンディングを計画

画像クレジット:Zoox

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

トヨタが支援するロボタクシースタートアップ「Pony.ai」の評価額が約9775億円に急上昇

中国と米国を拠点とするPony.aiは米国時間3月7日、シリーズDの1回目のクローズ後に評価額が85億ドル(約9775億円)に急上昇したと発表した。自律走行車両が大量に投入されるにはまだ数年かかるこの分野を投資家が追いかけ続けていることの表れだ。

2016年に創業しトヨタが支援するPonyは、中国と米国の両方でテストと運用をしている一連のロボタクシースタートアップの1つで、同様の他のスタートアップにはWeRide、Deeproute、AutoXなどがある。Ponyの前回の評価額は2020年11月の53億ドル(約6095億円)だった。

Ponyがこの1年で直面した困難の数々を考えると、今回の評価額は驚きだ。同社ではトラック部門とロボタクシー部門を統合する経営判断が不評で、その後自律走行トラック部門の主要メンバー数人が退社し、ライバル企業数社のメンバーとなった。米国の同社トラック部門はその後解散したが、中国でのトラック事業は成長を続けている。

12月には衝突事故を受けてカリフォルニア州がPonyの無人運転テストの許可を一時停止した。

テック企業に対する中国当局の監視が厳しさを増す中、PonyはJPMorgan Chaseの幹部だった人物を最高財務責任者として迎えた直後に米国での上場計画をせざるを得なかったと報じられた

ロボタクシーの開発は費用がかかることで知られるが、Ponyは資金は潤沢だと述べている。一般に、自律走行車両スタートアップにとってはトラック事業はロボタクシーに比べると早く収益化できる手段とも見られている。同社はシリーズD-1の後に10億ドル(約1150円)近い「バランスシートの流動性」を有していると述べた。

同社は今回の調達金額を明らかにしていないが、ラウンド全体が完了したら詳しく発表するとしている。

グローバルで1000人以上の従業員を抱えるPonyは、自律走行車両を中国の主要4都市(北京、上海、広州、深セン)、そしてカリフォルニア州のフリーモントとアーバインでテストしている。同社のロボタクシーはBaidu(百度)の自律走行車両とともに、北京郊外の実験区域で乗客への課金を開始する許可も受けた。

資金の用途についてPonyの共同創業者でCEOのJames Peng(ジェームズ・ペン)氏は発表の中で次のように述べた。「我々の技術開発とバランスシートの強みの両方がそろうことで、2022年の採用を大幅に拡大し、新しい自律走行車両のテストと運用の拠点をグローバルで多数開設し、戦略的パートナーシップを進展して、車両を急速に展開します」。

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(文:Rita Liao、翻訳:Kaori Koyama)

Waymoがサンフランシスコでロボットタクシー乗車料金の徴収を開始

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門であるWaymo(ウェイモ)は、カリフォルニア州公益事業委員会から、サンフランシスコで自律走行車によるライドヘイリングに乗車した人に料金を課すことを認める許可を得た。ただし、許可の規定に従い、人間のセーフティオペレーターが立ち会う必要がある。

このカリフォルニア州公益事業委員会(CPC)からの許可取得は、同社がサンフランシスコで自律走行車を商用化するための最終ステップの1つだ。2021年9月、カリフォルニア州自動車局はWaymoに同市での運転者同席許可証を与え、それにより同社は自社の自律走行車が提供するサービスの対価を受け取ることができるようになった。

この許可は、Waymoが特別にロボットタクシーサービスに料金を課すことを許可するものではなかったが、同社は自律配送から収益を得ることができた。11月、同社はスーパーマーケットチェーンのAlbertsons(アルバートソン)と提携し、サンフランシスコで一部の顧客に食料品を配達している。

Waymoは2021年8月から、サンフランシスコで十分に精査された個人のグループである「Trusted Tester」プログラムのメンバーに無賃乗車を提供している。これは、乗車体験に関する詳細なフィードバックを提供してもらい、同社のサービスに関する学びを手助けするものだ。同社によると、テスターは秘密保持契約書にサインしてプログラムに参加し、ウェイティングリストは数万人に上るという。

今後数週間のうちに、WaymoのSFサービスエリア内であれば24時間365日どこでも有償で乗車できるよう、同社はこのプログラムを発展させる予定だ。

Waymoの広報担当者であるNick Smith(ニック・スミス)氏はTechCrunchに「我々は完全自律走行体験を一般に展開するための道筋を、段階的なアプローチで進めています」と語っている。「それは、私たちがアリゾナで取ったアプローチで、これは 私たちの安全への焦点に深く基づいています。そしてそれは、私たちが今後運営するどの都市でも取るであろうアプローチです。まず、自律走行モードで自律走行スペシャリストがハンドル操作を管理する状態で開始し、選ばれたテスターに、料金を徴収開始する前に無料で乗車を公開します。最終的には、ライダーのみのモード(他に誰も乗っていない状態)での運行に移行します。アリゾナでは、何千人ものライダーがライダーのみのモードで何万回もの移動をこなした実績があり、この方法はサービス運営に関する学びを得るのに役立っています」と語る。

同社は、同社の自律走行型Jaguar I-PACEを何台保有しているのかは共有していないが、最新のCPUC四半期報告書では、Waymoは報告期間中のある時点でライダーによる移動に利用できる車両を約100台保有していたことが判明した。

同社のライドヘイリングサービスであるWaymo Oneは、アリゾナ州フェニックスですでにドライバーレスサービスとして提供されており、このサービスがどの程度のコストになるかの指標となるはずだ。最近のCNBCのレポートによると、5mil(約8km)を14分かけて走った場合、結局1分あたり約1ドル(約115円)のコストがかかったという。Uberの平均的な乗車時間は1分あたり約0.40ドル(約46円)である。

「価格設定は合理的で、サンフランシスコの他のサービスと競争力のあるものになる予定ですが、現時点で共有できる具体的な内容はありません」とスミス氏は語る。

Waymoが有料乗車に完全移行したら、サンフランシスコのTrusted Testerの無料乗車を停止すると、スミス氏は述べた。

同市におけるWaymoの最大の競合であるCruise(クルーズ)は、Waymoがドライブレスの許可を得たのと同じ日にカリフォルニア州陸運局からドライブレスの展開許可を得ており、2月初旬から一般市民に対して人間のセーフティ・オペレーターを介さない無料乗車を提供している。Cruiseは、それらの乗り物を有料化するためのCPUCの許可をまだ待っているところだ。Waymoは、DMVにドライバーレス許可証を申請したかどうかについてコメントするのを避けた。

関連記事:Cruise、サンフランシスコの公道で自動運転タクシーの一般乗車開始へ

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Akihito Mizukoshi)

MotionalとViaが自動運転車による無料の配車サービスをラスベガスで開始

Aptiv(アプティブ)と現代自動車(ヒョンデ)の合弁事業として、自動運転車技術の商用化を目指すMotional(モーショナル)は、オンデマンド交通サービスを手がけるテック企業のViaと共同で、ラスベガスで新たなロボットタクシーサービスを開始した。

2020年10月に初めて提携を発表した両社は、ラスベガスのダウンタウンで一般市民に自動運転車の無料乗車を提供する。この自動運転車には、安全のために人間のオペレーターも同乗することになっている。

このサービスは2021年前半に開始される予定だったが、新型コロナウイルス感染流行による不安から、両社は開始時期を延期していた。MotionalとViaは当初、オンデマンドの相乗りロボタクシーという青写真を開発し、これらの車両が公共交通機関にどのように統合できるかを学ぶ計画だった。両社はその後、相乗りサービスの計画を破棄し、代わりに個人向けの乗車サービスの提供のみを行う予定であることを、Motionalは認めた。

この新サービスは、MotionalがLyft(リフト)との既存の提携関係を延長し、2023年までにラスベガスで商用ドライバーレス配車プログラムを開始する計画を発表してから、わずか数カ月で実現したものだ。MotionalとLyftは、2022年の後半までに運転手なしの無料乗車サービスを開始することを目指しており、一般市民はLyftのアプリを通じて、電気自動車「Hyundai IONIQ 5(ヒョンデ・アイオニック5)」をベースにしたMotionalのロボタクシーを予約できるようになる。

MotionalとViaは、当初は無料で自動運転車の乗車サービスを提供するという、Cruise(クルーズ)やWaymo(ウェイモ)と似たアプローチを取っている。ただし、Motionalは、少なくとも法的には、ネバダ州で乗車に課金することを妨げられているわけではない。

ネバダ州は、現在CruiseとWaymoが商用化を目指しているカリフォルニア州に比べて、自動運転車の公道走行に関する規制がはるかに少ない。例えば、ネバダ州では自動運転車のテストや運行において、人間の安全オペレーターが乗車するか否かということを区別していない。また同州の法律は、自動運転車を配達や配車サービスとして提供することについては何も言及していない。ネバダ州自動車局の広報担当者によれば、このことは「できない」とする規制がない以上、法的には企業が商用自動運転車サービスに課金することが可能であることを意味するという。しかし、この広報担当者は、現在新しい法律が起草されていることにも言及した。

Motionalによると、同社はラスベガスで既存のLyftの運転手付きサービスで行っているように、運賃を請求できる許可を得ていると言っているが、その許可が自動運転車に関連したものなのか、それとも市内でタクシーサービスを運営するために同社に与えられたものなのかについては、詳しく述べていない。

現段階では、MotionalとViaはサービスの宣伝と自社の学習目的のために無料の乗車サービスを提供することで、乗客からフィードバックを収集し、両社の技術を組み合わせてどのように機能するかを研究することができると、Motionalの広報担当者であるAbby O’Malley(アビー・オマリー)氏は語っている。この広報担当者は、両社が商用サービスの運営を目指しているかどうかや、またその時期については明言せず「Motionalは、この試験運用から学び、将来的にViaとのパートナーシップを拡大することを楽しみにしています」とだけ述べた。

画像クレジット:Motional/Via

米国時間2月24日より、乗客はViaアプリを使って、Motionalの自動運転技術を搭載した「BMW 5シリーズ」のロボットタクシー1台を予約できるようになる。これは、Motionalが現在のLyftのサービスで使用している車両と同じものだが、オマリー氏によると、両サービスで使用する車両群は区別されており、Chrysler Pacificas(クライスラー・パシフィカ)もまだテストに使っているとのこと。

Viaのサービス提供時間は、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで。乗客は、Viaアプリで強調表示されるRTCボンネビルトランジットセンター、ラスベガス市役所、コンテナパーク、ラスベガス芸術地区、クラーク郡政府センターなど、ダウンタウンの特定のポイントで乗車および降車できると、Motionalは述べている。

Motionalによると、このロボットタクシーサービスでは、Viaのインテリジェントな予約、ルーティング、ソフトウェアアプリケーション技術を活用することで、Motionalの自動運転ロボットタクシーとその車両管理、そして車内での乗客体験に役立てているという。

「車両は、乗客からの送迎の要求に基づき、(運用設計領域の中で)その時点で最も効率的なルートを採択します」と、オマリー氏はTechCrunchに語った。「バスが取るような固定ルートではありません」。

Motionalは、Viaと一緒にラスベガスで運行している車両フリートの規模を明らかにしなかったが、オマリー氏によれば、両社は需要を綿密に観察し、将来的にサービスを拡大するための基盤を持つようになる予定だという。

画像クレジット:Motional

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Waymo、ロボタクシーの安全性の詳細を秘密にすることを裁判所に認められる

カリフォルニア州の裁判所は米国時間2月22日、Alphabet(アルファベット)の自律走行部門のWaymo(​​ウェイモ)はAV技術に関する特定の詳細を秘密にしておくことができると判決し、同社は勝訴した。

同社は1月下旬、自律走行車の展開許可に関する一部の情報、およびカリフォルニア州車両管理局と同社との間の電子メールの一部を、身元非公開の第三者によって提出された公文書請求から削除するために、同局を提訴していた。

カリフォルニア州上級裁判所サクラメント支部による今回の判決は、少なくとも自律走行車業界においては、公共の安全に関わるが企業が企業秘密を含むと主張する情報への一般公開に関して、より広範な企業秘密保護の前例となる可能性がある。

Waymoは訴訟の中で、企業秘密の開示を迫られれば、自動運転技術への投資が損なわれ、車両管理局はもはや企業が自社の技術に関する情報を透明性を持って共有する安全な相手ではなくなるという「業界全体での冷え込み効果」があると主張した。

「Waymoがカリフォルニア州車両管理局に提出した許可申請書に含まれていた競争上重要な企業秘密の開示を除外する仮処分申請を裁判所が認めるという、正しい判断が下されたことをうれしく思います」と、Waymoの広報担当者はTechCrunchに語った。「当局と共有する詳細な技術情報は、必ずしも一般と共有することが適切ではないと認識している一方で、当社の自律走行技術と運用に関する安全性およびその他のデータをオープンに共有し続けます」と述べた。

カリフォルニア州でテストや展開を考えている他の自律走行技術企業と同様、Waymoもその安全対策や技術に関する情報を車両管理局に提出しなければならず、その後、車両管理局はより具体的な質問でフォローアップしていた。車両管理局はWaymoの許可申請情報の公文書請求を受けた際、企業秘密が漏れる可能性があると判断したカ所を検閲する機会をWaymoに与えた。Waymoはそれを実行し、車両管理局は主要部分を黒塗りにした状態で第三者にパッケージを送付した。Waymoによると、依頼者はこの黒塗りに異議を唱え、巻き込まれたくない車両管理局はWaymoに車両管理局に対して一時的な差止命令を求めるよう助言したという。その後、裁判官は2月2日に差止命令を出し、これによりWaymoは編集されていない形での資料の開示を永遠に禁止する差止命令を求めるための時間を稼いだ。

Waymoが訴訟を起こしたのは、同社のAVが特定の条件を識別して走行する方法、AVが人間のドライバーに制御を戻す状況を判断する方法、AV車両へのサポートを提供するタイミング、離脱事故や衝突事故への対処方法などの詳細を保護したいためだ。

「これらの研究開発には何年もかかり、莫大な資金を伴います」と、裁判所に共有されたWaymoの宣言文にはある。「WaymoのAV開発は、Waymoが2016年に独立する前、2009年にGoogleの一部として始まり、したがってWaymoのAV開発は12年以上にわたります。Waymoは、AV製品の研究開発に実に多大な投資を行ってきました」。

しかし、実際に企業秘密が含まれているかどうかは、その情報を一切見ることができないため、判断が難しい。

「問題は、その情報を他者と共有しないことによって純粋に経済的価値を得られるかどうかです」と、nuTonomy(Aptivが買収)の元顧問で、ニューヨークのイェシバ大学カルドゾ法科大学院の法学教授Matthew Wansley(マシュー・ワンズレー)氏はTechCrunchに語った。

例えば、物体を知覚する問題や、他の要因がどのように極端なものになるかを予測する問題を詳細に説明するソフトウェアの不具合は、技術の仕組みに関する情報が明らかになり、競合他社がそれを真似るか、特定のビジネスに対する自社の相対的な位置を評価する可能性があるため、非常に機密性が高いとワンズレー氏は指摘する。したがって、企業がそのような情報を公にしたくないのは理に適っている。しかし同氏は、当局がこの技術が完璧ではないことを知っていて、リスクをゼロにすることより、むしろリスクを減らすことに関心があると確信している。もし規制当局が守秘義務のもとにさらなる情報を求めたら、自身は情報共有に傾くだろうとも述べた。

「Waymoが提出した訴状に目を通しましたが、同社が話している情報のカテゴリはかなり広いです」とワンズレー氏は話した。「同社が送った情報の中に企業秘密があるのでしょうか ?おそらく、いくつかあるはずです。送った情報のすべてが含まれているのでしょうか? おそらく、ほとんどではないでしょう。ただ1つ驚くのは、同社が企業秘密だと言っているものが、実際にすべて企業秘密であった場合です。しかし、同社が当局と共有する具体的な情報を知らない限り、知ることは困難です」。

そして今、市民は知る由もない。ビジネス界はこの結果を成功だと思うかもしれないが、カリフォルニア州や一般市民は自律走行車に関して正当な公共安全の懸念を抱いているかもしれないし、当局が自分たちの代わりに判断してくれるとは思っていないかもしれない。

AV技術は非常に複雑で高度なものであり、また当局の多くの職員は必ずしも技術者ではない。市民は、公聴会や学術研究などを通じて、重要で社会に直結する決定が適切に行われているかどうかを検証する権利があると主張する人もいる。

「ある面では、これが単なるブラックボックスである場合、公共の乗り物に対する社会の信頼をどのように醸成するかという核心に触れるものだと思います」とAlston & Birdのパートナーで知的財産権訴訟を専門とする弁護士のRyan Koppelman(ライアン・コッペルマン)氏はTechCrunchに語った。「そして、これは自律走行車の根本的な問題で、データを入力し、データを出力し、その結果が安全であることを示しているだけなのです。ですので企業は、ブラックボックスで何が起こっているか、あなたは知る必要はない、ただ安全だと認識し、我々を信頼してくれ、というでしょう。そして、ブラックボックスを覗き見して署名した車両管理局を信用しなさい、それで社会にとっては十分でしょう、ともいうでしょう」。

Waymo側は、自社の技術に対する不安を解消するために、一般市民と共有している情報の幅を指摘した。例えば、AV安全報告書を発行し、米運輸省に安全自己評価を提出し、法執行機関との対話ガイドと安全手法の詳細な説明を公表している。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

アマゾン傘下Zooxのロボタクシーは一般の人や車両が通行するセミプライベートなコースでテスト中

Amazon(アマゾン)傘下であるZoox(ズークス)の共同創業者でCTOのJesse Levinson(ジェシー・レビンソン)氏によれば、同社は数十台のオリジナル電動ロボタクシーを製作し、カリフォルニアにある1カ所、または複数の「セミプライベートコース」でテストをしているという。

製作してテスト中のロボタクシーの台数について同氏は「数十台で、まだ数百台とはいきませんが、2桁はとうに超えています」と述べた。

これはメディアとのインタビューで明らかにされたもので、同社が電動ロボタクシーを公道でテストする準備を着々と整えていることを示唆している。同社は現在、サンフランシスコ、ラスベガス、そして本社に近いカリフォルニア州フォスターシティで、同社の自動運転システムを組み込んだトヨタのハイランダーをテストしている。最近ではシアトルにもテストを拡大した。このテスト車両には、安全のため人間のドライバーが乗車している。

Zooxは自律走行車両を商用化する計画だ。車両はセンサーが搭載され、両方向に走行でき、四輪ステアリングを備える。4人乗りで、最高時速は75マイル(約120km)だ。

同社は2020年12月にキューブ型の車両をお披露目したが、その後は広く姿を見せることはなかった。この車両が、キャンパスのような場所のオープンな道でテストされていることがわかった。レビンソン氏は正確な場所を明らかにしなかったが、Zooxの従業員しかいないクローズドなキャンパスではないと述べた。

「キャンパスや研究施設のようなところを想像してください。オープンな道とは、我々が関わるのは自転車や歩行者、(他の)車であり、Zooxの他の要因ではないという意味です。Zooxのクローズドなキャンパスとは異なる環境です」とレビンソン氏はいう。

同氏は、テストをしているキャンパスは完全な一般道ではないことを後から補足した。

レビンソン氏もZooxの広報も、ロボタクシーの公道テスト開始予定時期は明らかにしなかった。レビンソン氏は、公道テストは次のステップであり「それほど遠くないことは確かだ」と述べ「数年単位の話ではない」とした。

当面、同社はカリフォルニア州フリーモントにある15万平方フィート(約1万4000平方メートル、4200坪)の工場でロボタクシーを製作する。

画像クレジット:Zoox

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Kaori Koyama)

CruiseとWaymoを追う中国の自律走行車企業AutoXがサンフランシスコでテスト開始へ

米国とお膝元の中国の両方で事業展開する自律走行車企業AutoX(オートエックス)は、最大のライバル企業が商用化に向け忍び寄っているサンフランシスコに進出する。

2016年からサンノゼ広域圏で車両のテストを行ってきたAutoXは、ロボタクシー事業を開始し、サンフランシスコにオペレーションセンターを建設する計画を明らかにした。このセンターでは、車両のハウジング、メンテナンス、充電のほか、車両が現地で収集したデータの処理、センサーのキャリブレーションなどを行う予定だ。Professor Xとも呼ばれる、AutoXのCEOであるJianxiong Xiao(ジアンション・シャオ)博士によると、同社はサンフランシスコのローカルチームを構築するために採用を行っているとのことだ。

AutoXはまず、同社の最新の第5世代AVプラットフォームと冗長ドライブバイワイヤシステムを搭載したハイブリッド車のFiat Chrysler Pacifica(フィアット・クライスラー・パシフィカ)を用いて、人間の安全オペレーターが運転席に乗り込んでのテストを始める予定だ。同社はすでに、カリフォルニア州自動車局(DMV)から、人間の安全オペレーターが乗り込んでの試験が可能な「ドライバー付き試験許可証」と、人間の安全オペレーターなしで試験が可能な「ドライバーレス試験許可証」の両方を取得している。しかし、AutoXのドライバーレス試験許可は第3世代の車両に対するものであり、またエリアがサンノゼに厳しく限定されているため、同社はサンフランシスコの最新システムを使ったドライバーレス試験も行うために、DMVにその許可の拡大をリクエストする必要がある。

Dongfeng Motor(東風汽車)の支援を受けているAutoXは、サンフランシスコでのテストのためにいつドライバーなしにする予定かは明言しなかったが、サンノゼでのドライバーレステストは継続すると述べた。

AutoXは、Cruise(クルーズ)やWaymo(ウェイモ)といった企業が実際に商業運転を開始している中で、サンフランシスコに進出する。Cruise、WaymoどちらもDMVから車両配備の許可を得ており、自律走行車を使った運行で課金することができる。Cruiseはまだ、ロボットタクシーサービスの料金を請求する前に、カリフォルニア州公益事業委員会から最終的な許可を得る必要があるが、General Motors(ゼネラルモーターズ)傘下の同社は、ドライバーレスの配車サービスを一般向けに開始する際に、投資家のソフトバンクから13億5000万ドル(約1564億円)を追加で調達したばかりだ。

DMVが2日に発表した年次離脱報告書によると、Waymoは2021年にカリフォルニア州の公道で230万マイル(約370万キロメートル)の自律走行を行っており、これは競合他社を大きく上回っている。そして、Cruiseが人間のセーフティドライバーの有無にかかわらず、約90万マイル(約144万キロメートル)を走行して2位だった。

同データによると、安全オペレーター付きで約5万マイル(約8万キロメートル)しか走行していないAutoXは、自社車両のドライバーレステストを一切報告していない。とはいえ、AV開発企業は、プライベートコースやクローズドコースで行ったテストを報告する必要はない。

AutoXはカリフォルニア州に車両44台を保有しているとのことだ。DMVのデータによると、2021年にAutoXの自律走行テストに使用されたのは全車両のうちわずか6台だった。同社は、新型コロナウイルス感染症の影響でテストの規模を縮小したことが原因だとしているが、2022年は再び強化する。

また、AutoXは中国でも大規模な事業拡大を図っており、1000台のロボタクシーを広州、上海、北京、深センの各都市に配備しているという。同社はロボタクシーの乗車回数は公表していない。

AutoXは、計算プラットフォームや各種センサーを含むフルスタックハードウェアの自社開発能力を頻繁にアピールしている。このような技術の開発に加え、サンフランシスコでの事業拡大や中国でのロボタクシーの増車などを考えると、相当な額の資金が必要になる。

同社が最後に公に発表した資金調達は2019年のシリーズAで、この投資によりAutoXの総調達額は1億6000万ドル(約185億円)となった。参考までに、AutoXの中国における競合他社のほぼすべてが2021年に資金調達を行っている。Momenta(モメンタ)は12億ドル(約1390億円)、Pony.ai(ポニーエーアイ)は11億ドル(約1274億円)を調達し、WeRide(ウィーライド)は5カ月の間に6億ドル(695億円)超を、比較的若い企業のDeeproute.ai(ディープルートエーアイ)は2021年9月時点で3億5千万ドル(約405億円)を調達している。

AutoXがなぜ少ない資金でこれだけの事業を行えるのかという疑問に対して、シャオ氏はTechCrunchに、確かに今後数カ月のうちに資金を調達しようとしているが、これまでの投資家からの支援に加え、ロボタクシーサービスに対する中国の巨大市場に頼っていると語った。

画像クレジット:AutoX

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Cruise、サンフランシスコの公道で自動運転タクシーの一般乗車開始へ

GMの子会社で自動運転技術を手がけるCruise(クルーズ)は、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)から13億5000万ドル(約1546億円)の新たな投資を受け、商用化に向けてさらなる一歩を踏み出す。同社は米国時間2月1日、無人運転のロボタクシーサービスを、サンフランシスコの公道で一般向けに公開すると発表した。

ソフトバンクは以前、Cruiseが商業的に展開する準備を整えた時点で、当初の9億ドル(約103億円)に加えて13億5000万ドルを追加投資すると約束していた。

Cruiseは公式ウェブサイトを通じて一般からの乗車申し込みを受け付けている。今のところ、乗車料金は無料だ。同社は2月1日のブログ記事で、予約申し込みに参加した一般の人々は、サービスを利用する前に秘密保持契約に署名する必要はないと述べている。同社の広報担当者によると、1月27日に乗車を終えた友人や家族の少人数グループがいたが、彼らは今朝まで秘密保持契約の下にあったという。

Cruiseの広報担当者によると、無人運転サービスは当初、午後11時から午前5時までとなっているという。夜間の運転は、最もインパクトを与えられる場所から始めて、そこから計画的に拡大していくという戦略の一環であるとのことだ。Cruiseは「Chevy Bolt (シボレー・ボルト)」の自動運転車をサンフランシスコ市内で走らせてテストする。ただし、この無人運転サービスは、ヘイト・アシュベリー、リッチモンド地区、チャイナタウン、パシフィック・ハイツ地区内の特定の地域や道路に限定される。

Cruiseは、人間のドライバーが運転しない車両の運行および課金に必要な許可をほぼすべて取得している。カリフォルニア州自動車局からは、運転手付き車両と運転手なしの車両をテストおよび運用するために必要な3つの許可を取得しており、そのうちの1つは一般人の乗車を許可するものだ。同社はカリフォルニア州公益事業委員会に、乗車料金を請求するための許可証も申請しているが、こちらの許可はまだ取得できていない。

画像クレジット:Screenshot

この数週間、Cruiseの従業員が、安全のための人間の運転手が乗車していない無人運転車に乗っている様子を撮影した動画を投稿している。GMの会長兼CEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏は、最近になって乗車した。

同社では、社員が一般の人を指名できるようにしており、すでに何人かの人が乗車しているという。Cruiseはこのプログラムを「Cruise Rider Community(クルーズ・ライダー・コミュニティ)」プログラムと名付けている。社員から指名された人や、乗車予約を申し込んだ人は、最初の一般乗客となるパイプラインに組み込まれるという。

Cruiseは、Dan Ammann(ダン・アマン)CEOの突然の退任を受けて、このサービスの一般公開に踏み切った。同社の共同設立者であるKyle Vogt(カイル・ヴォクト)氏が、現在はCTOと同時に暫定CEOを務めている。

画像クレジット:Cruise

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

2021年に急成長した中国のロボタクシー(専門用語と美辞麗句が溢れるリリースから実際のところを解析)

自動運転車を手がける中国のスタートアップは、自社の自律走行車両への乗客を獲得するため、軍拡競争を繰り広げている。数週間ごとに、また1つの大手企業が新しいパイロットプログラムや小規模サービスを開始するための認可を得たというニュースが届く。

これらのプレスリリースは、規制に関する専門用語や、企業の発展を誇示するための美辞麗句が多く、わかりにくい。そこで、中国の主要なロボタクシー事業者であるAutoX(オートX、裹動智駕)、Baidu(バイドゥ、百度)、Deeproute.ai(ディープルートAI、元戎啓行)、DiDi(ディディ、滴滴出行)、Momenta(モメンタ)、Pony.ai(ポニーAI、小馬智行)、WeRide(ウィーライド、文遠知行)の2021年の進捗状況をこの投稿にまとめ、それぞれの発表から実際にどのようなことがわかるのかを解析した。

中国では多くの大手企業が以前から有人車両(保安運転手が乗車する自動運転車)や無人車両の試験運行を行っているため、この投稿では、定期的に行なわれている一般向けサービスに焦点を当てる。これらの企業は、ロボタクシーに関わるコスト、安全性、規制を調整しながら、自動運転トラック、貨物運搬車、市バスなど、より早く規模を拡大できる分野にも乗り出している。とはいえ、やはり長期的にはロボタクシー分野に重点を置いていくことに変わりはない。

中国の自動運転区域について留意すべき点

本題に入る前に、中国の自動運転車事業に特有の状況をいくつか取り上げる。

  • 中国国内の道路事情は場所により大きく異なる可能性がある。例えば、深圳郊外の工業団地で自動運転車の試験走行を行う場合、都市部にある繁華街の蛇行する道路で行うよりも道路状況はずっと楽である。
  • 自動運転車に関する規制は、それぞれの省で異なる可能性に加え、同じ都市であっても地区によって異なる場合がある。ある都市において完全無人の自動運転走行試験を行う承認を得た企業が、必ずしも他の企業より技術的に進んでいるとは限らない。単に、連携する地元の規制当局が自動運転に対して進歩的な姿勢を有しているからだという場合もある。
  • スマート交通を成長戦略として掲げている地方行政もある。当然、自動運転車を手がけるスタートアップの支援にも熱心だ。国や都市レベルの規制が制定されるよりずっと前に、当局がその管轄区域内で無人運転の試験を行うことを非公式に承認する場合もある。
  • 行政支援は、税制優遇措置、有利な土地利用の機会や安価なオフィススペースの提供などの形で現れることもある。これが、中国の主要な自動運転車のスタートアップが、深圳、広州、上海、蘇州などの十分な資金力のある都市に集中している理由の1つだ。
  • 中国の地方行政は、自動運転のような新技術の開発に拍車をかけるため、たびたび実証区を設置する。こうした取り組みにより、企業は成熟産業を規制する通常の制約を受けることなく、試験を行うことができる。
  • 今日現在、中国のどの都市も無人ロボタクシーの許可を出していない。この許可が下りればサンフランシスコで Waymo(ウェイモ)やCruise(クルーズ)が行っているように、自動運転車が保安運転手なしで一般市民を輸送することが可能になる。

AutoX

深圳に本社を置き、カリフォルニアに研究開発センターを持つAutoXは、プリンストン大学の元教授、肖健雄氏により、2016年に設立された。出資者には、Alibaba(アリババ、阿里巴巴集团)、MediaTek(メディアテック、聯發科技)、中国国営自動車メーカーSAIC(サイク、上海汽車集団)などが名を連ねる。

深圳のAutoXのロボタクシー(画像クレジット:AutoX、2021年)

事業状況

2020年8月、AutoXは上海の嘉定区で、有人運転ロボタクシーの一般向けサービスを開始した。利用者はAlibabaのナビゲーションマップ「Amap(エーマップ、高徳地図)」を通じて配車予約ができる。AutoXによると、中国の大手配車サービスプラットフォームでロボタクシーのサービスが利用可能になったのはこれが「初めて」だという。

上海郊外の嘉定区には、上海汽車集団、Volkswagon(フォルクスワーゲン)、NIO(ニーオ、上海蔚来汽車)、トヨタ自動車、Baidu、DiDi、Delphi(デルファイ)といった大手自動車メーカーやOEMがオフィスを構えている。2020年の発表によると、AutoXは100台の「自動運転車」を市内の公道で走らせる契約を上海政府と結んだ。

2021年1月、AutoXは「スマートシティ」として生まれ変わりつつある深圳の工業地帯、坪山区で無人ロボタクシーのサービスを開始した。11月には、同社はこのプログラムが168平方キロメートルの坪山区全域をカバーしたと発表した。これはマンハッタンの約3倍の広さに相当する。

ちょうど1カ月前、AutoXは深圳の公道に25台の無人自動運転車を配備し「試験走行」を実施した。中国の自動車ニュースブログは、AutoXが地元の交通規制当局の許可を得ずにこれを進めたと報じている。一方、同社はTechCrunchに対し「政府の支援」を得たと語った。当時、我々は関連部門と連絡を取ることはできなかった。

AutoXによると、同社は合わせて「数百台」のロボタクシーを路上で走行させているという。

関連記事:自動運転ユニコーンAutoXが中国初のロボタクシーのテストを深センでスタート

米国での試験走行

2021年11月現在、AutoXはカリフォルニア州で無人および有人車両の試験走行を許可されている。

OEMパートナー

AutoXは、ホンダFiat Chrysler(フィアット・クライスラー)と共同で、中国でのロボタクシーの開発を進めている。

Baidu Apollo Go

「Apollo Go(アポロ・ゴー)」は、2000年に設立された北京のインターネット企業である検索エンジン大手Baiduの自動運転車プロジェクトである。Baiduは  2015年末、多くの競合するスタートアップが誕生したのとほぼ同時期に、自動運転車部門を始動させた。

Baidu「Apollo Go」のロボタクシーサービス(画像クレジット:Baidu、2021年)

事業状況

2021年11月、Apollo Goは北京の中国における「初の商用自動運転車実証区」で、有料でのロボタクシーサービスの提供が認められた。

Apollo Goにとって公道での「初の商用展開」となった67台の車両では、乗車した保安運転手が監視を行った。このサービスはApollo Goのアプリから配車が可能で、毎日午前7時から午後10時まで運行が実施された。

Apollo Goは、中国の「初の商用ロボタクシー実証区」に参加できたが、対価を目的とした乗車提供はBaiduのこのサービスが初めてではなかった(ネタバレ:以下のWeRide.aiの項を参照)。とはいえ、このイベントにはかなりの象徴的な重要性があった。60平方キロメートルに及ぶこの実証区は、亦荘郊外における国家レベルの経済プロジェクトである北京経済技術開発区の区域内に位置している。このイベントで、ロボタクシー事業者が乗客のデータを活用し、サービス価格を設定する方法について規定する規制の枠組みが導入されたのだ。首都におけるこのような動きは、中国全土のモデルとなる可能性がある。

亦荘が推進しているのは、ロボタクシーだけでない。「コネクテッドカー実証区」はその他のタイプの自動運転車にも対応している。2021年、JD.com(JDドットコム、京東商城)やMeituan(メイトゥアン、美団)を含む多くの大手テック企業が、実証区での無人配送用ミニバンの試験走行を開始した。

Apollo Goの無料版は、広州、長沙、滄州の一部地域で一般公開されており、現在は上海で早期テスターを募集している

米国での試験走行

2021年11月現在、Apollo Goはカリフォルニア州で無人および有人車両の試験走行を許可されている。

OEMパートナー

Apollo Goのロボタクシー車両は、国営メーカーFAW(第一汽車集団)のHongqi(ホンチー、紅旗)電気自動車(EV)スタートアップのWM Motor(WMモーター、威馬汽車)、国営メーカーGAC(広州汽車集団)のEVブランド「Aion(アイオン)」、国営メーカーBAIC(北京汽車集団)のEV新ブランド「ARCFOX(アークフォックス)」から提供されている。

Deeproute.ai

深圳に拠点を置くディープルートは、設立からわずか2年の企業としてはかなりの進展を遂げている。2019年、創業者の周光氏は、自動運転車ベンチャーのRoadstar.ai(ロードスター・エーアイ、星行科技)を会社の内紛により辞したのち、ディープルートを設立した。この若い起業家は、すぐに新しい試みへの支持を集めた。2021年9月、ディープルートはAlibabaや中国の自動車メーカーGeely(ジーリー、吉利汽車)などの出資者から、シリーズBラウンドで3億ドル(約340億円)もの資金を調達した

Deeprouteのロボタクシーサービス(画像クレジット:Deeproute.ai、2021年)

事業状況

7月、ディープルートは本社に近い深圳の繁華街、福田区の公道に、20台の有人ロボタクシーを配備した。同本社は香港、深圳両行政が設立した  技術協力区の区域内にある。

同社が4月に深圳の交通規制当局から許可を得て開始したロボタクシーサービスは、現在のところ無料で一般利用できる。TechCrunchに語ったところによると、将来的には有料化する予定だという。

2021年3月、中国国営メーカーの東風汽車集団と共同開発したディープルートのロボタクシーが、武漢で一般向けに無料乗車の提供を開始した。中国中部の都市武漢も、中国の自動運転車分野のパイオニアを目指す候補地の1つだ。

米国での試験走行

2021年11月現在、ディープルートはカリフォルニア州で有人自動運転車両の試験走行を許可されている。

OEMパートナー

ディープルートと東風汽車は、2022年までに200台以上のロボタクシーを配備することを予定している。

DiDi

配車サービス大手のDiDiは、2019年に自動運転車の子会社を設立し、新会社のために5億ドル(約570億円)を迅速に調達している(当時業界で唯一最大の資金調達ラウンドだった)。これにもかかわらず、ロボタクシー開発の動きは予想より静かだった。

DiDiが他の問題に気を取られていたとしても、無理はない。2021年、米国で上場した直後、同社は中国の規制当局から徹底的なデータ調査を受けている。この中国配車サービス大手は12月、ニューヨーク証券取引所から上場廃止となることを発表した

DiDiのロボタクシーサービス(画像クレジット:DiDi、2020年)

事業状況

DiDiのロボタクシーは、2020年6月に上海の一部地域で乗車サービスを開始した。同社は、2020年末までにロボタクシーサービスを北京と深圳に拡大し、2021年には中国国外にもこの事業を展開すると述べていたが、その進捗状況はいまだ更新されていない。同社はまた、2030年までに配車サービスプラットフォームを通じて100万台以上の「自動運転車」を運用するという野心的な目標も掲げている

米国での試験走行

2021年11月現在、DiDiはカリフォルニア州で有人自動運転車両の試験走行を許可されている。

OEMパートナー

2021年4月、DiDiはジーリー傘下のVolvo(ボルボ)から同社の海外向けロボタクシー車両の提供を受けると発表した

Momenta

レベル4の完全自動走行技術にのみ注力するロボタクシー事業者が多いなか、創業5年のMomentaは、自動車メーカー向けに先進運転支援システム(ADAS)の売り込みも行っている。このアプローチにより短期的な収入が得られる他、手頃なコストでアルゴリズムの学習用データを蓄積することができる。一方、同社が実際の無人運転技術に十分なリソースを投入しているかどうかについては、業界関係者から疑問の声が上がっている。

Momentaと上海汽車集団が共同開発したロボタクシー(画像クレジット:Deeproute.ai、2021年)

それでも、蘇州に拠点を置くMomentaは、中国で最も資金提供を受けている自動運転車のスタートアップの1つとなっている。General Motors(ゼネラルモーターズ)、Daimler(ダイムラー)、Bosch(ボッシュ)、トヨタ自動車、中国国営自動車メーカー上海汽車集団から、二―オの創業者ウィリアム・リー氏が監督するファンド、Nio Capital(二―オキャピタル)まで、名だたる出資者から合わせて12億ドル(約1370億円)を調達しているのだ。

同業他社の多くが、研究開発部隊の設置や試験走行を米国で行っている一方、Momentaは国際展開の拠点としてドイツを選んだ。2021年、同社は出資者であるダイムラーの本拠地、シュトゥットガルトにオフィスを開設した。

事業状況

2021年12月、Momentaと上海汽車集団は、上海の一部地域で無料のロボタクシーサービスを開始した。利用者は毎日午前8時から午後10時まで、上海汽車集団のアプリを通じて有人運転のロボタクシーを呼び出すことができる。このプログラムでは「20台の車両を用いて将来的な商用利用のための試験と検証を行っている」とMomentaは述べている。同プログラムは、今後数カ月のうちに蘇州と深圳で展開される予定だ。

Momentaは、上海に隣接する豊かな都市、蘇州の政府から多大な支援を得ている。国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)蘇州支部と合弁事業を実施し、同市でのロボタクシー展開を「スケールアップ」させる。SASACは、100社あまりの大規模国有企業を監督する、中国の強力な政府機関である。

OEMパートナー

Momentaはロボタクシーの車両に関して上海汽車集団と協業している。両社は2022年までに中国全土に200台の車両を配備することを目標に掲げた

Pony.ai

Pony.aiは、中国で最も評判の高い自動運転車の専門家たちを輩出してきた、Baiduの自動運転車部門のベテラン2人により、2016年に設立された。広州とカリフォルニアにオフィスを構える同社は、トヨタ自動車の支援を受け、これまでに10億ドル(約1140億円)以上を調達している。

PonyのLexusのロボタクシー(画像クレジット:Pony.ai、2021年)

事業状況

Baiduと同様に、Pony.aiも2021年11月、北京のスマートカー実証区で有料のロボタクシーサービス事業を実施するための承認を得た。「PonyPilot+」と呼ばれるこのサービスは、これまで同エリア内で無料の乗車サービスを行っていた。

「PonyPilot+」は、2021年7月、上海の自動車産業の中心地である嘉定区で始動した。6月には、広州で既存のロボタクシーに加え、完全無人の自動運転車を配備している

米国での試験走行

11月、カリフォルニア州車両管理局は、フリーモントで起きた衝突事故の報告を受け、無人自動運転の試験許可を一時停止にするとPony.aiに通知した。Pony.aiが規制当局から許可を得てから6カ月後の決定だった。カリフォルニア州での同社の有人自動運転の試験許可には影響がなかった。

OEMパートナー

トヨタ自動車の「Lexus(レクサス)」、Hyundai(ヒュンダイ)の他、中国のBYD(ビーワイディー、比亚迪汽车)や「アイオン」など、複数のメーカーの車両をPony.aiのロボタクシーとして利用している。

WeRide.ai

WeRide.aiとPony.aiは多くのルーツを共有している。どちらも広州とカリフォルニアに拠点があり、創業者はBaiduの自動運転車チーム出身者だ。WeRide.aiは2017年に設立され、2021年だけで6億ドル(約686億円)以上を調達した。国営メーカーの広州汽車集団やルノー・日産・三菱アライアンスなどが出資者に名を連ねる。

東風汽車が提供するWeRideのロボタクシー(画像クレジット:WeRide、2021年)

東風汽車が提供するWeRideのロボタクシー/写真:WeRide2021年)

事業状況

2019年11月、WeRide.aiの有人運転ロボタクシーは、広州の144平方キロメートルのエリアで一般乗車を開始した。このサービスは、中国南部で最大のタクシー会社である国営の白雲タクシー会社(白雲出租汽車公司)と連携して実施している。

北京でのBaiduやポニーの有料サービスに先駆けて、WeRide.aiはサービス開始当初から、広州のタクシー料金に相当する金額を乗車料として受け取ってきた。

これは、競合同士が自社プログラムに中国で「初」という称号を得るため躍起になるという、よくある状況の例だ。このような主張そのものは有効だが、よく見極める必要がある。ある業界関係者によると「北京の方が政策を先導する上での影響力はある」が、企業にとっては有料ロボタクシーサービスを実施する場所が北京であろうと広州であろうと、その差は「それほど大きくない」という。

「北京でも広州でも、その都市が友好的な政策をとっていれば、それは良いニュースです。つまりは、ロボタクシー企業は実運用のための試験ができればいいのです」と、同関係者は語った。

WeRide.aiは、武漢でも有人運転のロボタクシーサービスを実施している。

米国での試験走行

2021年11月現在、WeRide.aiはカリフォルニア州で無人および有人車両の試験走行を許可されている。

OEMパートナー

WeRide.aiとその戦略的投資家である広州汽車集団が12月に発表したところによると、今後数年で「数万台」のロボタクシーを配備する予定であるという。

画像クレジット:Traffic jam during sunset / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Dragonfly)

遠隔操作DriveU.autoがEasyMileの自動運転シャトルやCocoの配送ロボットをサポート

2021年ステルス状態から脱したイスラエルのスタートアップ企業DriveU.auto(ドライブUオート)は、自動運転シャトルバス企業のEasyMile(イージーマイル)と、歩道ロボット配送スタートアップ企業であるCoco(ココ)が、その業務を同社のテレオペレーションおよびコネクティビティプラットフォームに統合することになったとCESで発表した。

自動運転車の業界では、多くの企業がその実現を約束したり、先進運転支援システムの名称を決めたりしているものの、依然として完全な自動運転技術を商業化するまでにはまだ遠い道程がある。実際、ほとんどの国では、公道における自動運転走行中には、安全のために人間のオペレーターが介在することが義務付けられている。自動運転技術をてがける多くの企業は、より早く市場に投入し、一般の人々に無人運転車を受け入れてもらうために、緊急事態や異常事態、安全上の問題が発生した場合には、遠隔地にいるドライバーが無人運転車の操縦を取って代わることができるテレオペレーションを採用している。

「事故現場で、複数の警察官が身振り手振りで交通整理をしている状況を想定してみてください」と、DriveU.autoのAlon Podhurst(アロン・ポドハースト)CEOは、TechCrunchに語った。「車両に搭載されたAIは、これらの身振りや声による命令を解釈するために、あらゆる可能性の支援を求めます。そのため、遠隔操作オペレーターは、ロボットや自動走行車など支援する車両の周囲の世界を、リアルタイムで見る必要があります。そこで我々は、車両のセンサーから遠隔操作オペレーターのいる場所へフィードをストリーミングしたいと考えました。遠隔操作オペレーターが車両周辺における実際の状況に基づいて判断を下すためには、信頼性の高い高品質で低遅延のコネクティビティ(相互接続性)を確保する必要があります。これはセルラーネットワークを介して行われます」。

テレオペレーションを成功させるためには、映像、音声、その他のセンサーデータを転送するための高性能なコネクティビティが不可欠だ。DriveU.autoのコネクティビティプラットフォームは、安定したネットワーク接続を確保し、自動運転走行車を支援する遠隔操作を妨げる可能性のある遅延や「ダークスポット」と呼ばれる接続性の低下を回避することを目的としている。

「1つのセルラーネットワークでは、5Gでさえ、信頼性の高い遠隔操作に必要なパフォーマンスレベルを保証することができません」と、ポドハースト氏はいう。「つまり、車両には複数のカメラが搭載されているので、複数の高精細な映像フィードを、移動中の車両から、制約のあるセルラーネットワークを使って伝送しなければならないのです。結論として、1つのネットワークでは十分ではないということになります」。

DriveU.autoの技術は、フランスの医療施設にサービスを提供しているEasyMileの「EZ10」自動運転シャトルバスにすでに搭載されており、現在はEasyMileの全車両に統合する作業を進めていると、ポドハースト氏は述べている。

EasyMileのマネージングディレクターであるBenoit Perrin(ブノワ・ペラン)氏は「自動運転車のユースケースを次々と継続的に展開していく中で、遠隔監視は当社のソリューションにおける重要な要素になることが予想されます」と声明で述べている。

DriveU.autoのコネクティビティ・ソリューションは、Coco社が保有する約100台のコンセプト実証用のパイロット車両「Coco 0(ココゼロ)」にもすでに搭載されている。Cocoによると、このプラットフォームへの統合は、新たに1000台が出荷される配送ロボット「Coco 1(ココワン)」でも計画されているという。Segway(セグウェイ)がハードウェアベースを開発しているCoco 1は、2022年第1四半期中に米国のロサンゼルスおよび他の2都市で展開が予定されている。

DriveU.autoは、EasyMileとCocoの他にも、ロボットタクシーや自動運転トラック、その他の配送ロボットや特殊用途の自動運転車でもすでに運用を行っているという。これらすべてのパートナーシップはまだ秘密保持契約の下にあるものの、今後数週間のうちに公開したいと同社では述べている。DriveU.autoは最近、日本の自動車部品メーカーであるDenso(デンソー)との18カ月間におよぶ提携も発表している。

DriveU.autoは通常、車両のコンピュータに統合されるソフトウェア開発キットを顧客に提供する。顧客は、車両に搭載されている既存のセンサーやその他のハードウェアコンポーネントを利用して、テレオペレーションを含む車両の操作を行うわけだ。このソフトウェアのみを提供するというアプローチが、より迅速な統合を可能にするため、同社の市場牽引の鍵となっていると、ポドハースト氏はいう。

同社のソフトウェアベースのコネクティビティプラットフォームは、ダイナミックなビデオエンコーディング、低遅延アルゴリズム、セルラー結合という3つの技術の融合により機能する。融合されたデータパッケージは、送信時のネットワークのパフォーマンスに応じて、複数のセルラーネットワークを介して送信される。このデータは遠隔地のオペレーター側に届くと、ビデオフレームとして再構成される。さらに詳しく見ていくと、このプラットフォームは、車両のシステムに組み込まれたソフトウェアモジュールと、クラウドベースのソフトウェアコンポーネントおよび遠隔操作オペレーターのコンピューターに組み込まれたモジュールで構成されている。

「高度なコネクティビティソリューションを配送ロボットに統合するには、過酷な電力と計算のパラメータが要求されます」と、CocoのCOOであるSahil Sharma(サヒル・シャルマ)氏は述べている。「この分野における業界リーダー各社を評価した結果、DriveUのソリューションが当社の成長計画と積極的な配送スケジュールに最もマッチすることがわかりました」。

画像クレジット:DriveU.auto

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GMは2020年代半ばまでに自律走行車の個人向け販売を目指す

General Motors(GM、ゼネラルモーターズ)は「2020年の中盤」までに個人向けの自律走行車を販売すると、同社のMary Barra(メアリー・バーラ)CEO兼会長は米国時間1月5日に行われたCES 2022の基調講演で述べた。

同社は、自動運転子会社Cruiseが最初にロボットタクシーサービスを開始することを期待しているが、バーラ氏は個人向けAVも追求していると述べている。

「私たちは今後、消費者が期待する安全性と品質、そして複数の道を同時に追求することで、現在のオーナーシップ体験を変える最先端の自動運転車技術を使って、完全自動運転車技術を個人の移動手段にまで広げる機会を探しています。GMとCruiseは、重要な技術的専門知識と経験を獲得しており、個人向け自律走行車の小売販売で市場最速になるよう取り組んでいます。実際、私たちは2020年代半ばまでに、初のパーソナルな自律走行車を提供を目指しています」。

バーラ氏が個人向けAVの目標に言及したのは、これが初めてではない。バーラ氏は2021年5月の決算説明会で、自動運転子会社Cruiseの技術を活用して、個人向けAVを販売するアイデアを探っていることを初めて明らかにしている。

GMが支配的な株式を保有するCruiseは、密集した都市部で動作し、人や荷物の可能性が高いシャトルバスになる共有の電気自律走行車に取り組んでいる。同社は、サンフランシスコの公道でその技術をテストし、2021年末には従業員にドライバーレス(つまり人間なし)の乗り物を呼べるようにした。このサービスは、まだ一般には公開されていない。

どのような車両が自律走行するのか、さらにはGMが自律走行をどのように定義しているのか、そしてCruiseがこの取り組みにまだ関与しているかどうかは、正確にはわかっていない。Cruiseは、商業用ロボットタクシー事業を立ち上げようとする一方で、独自の経営陣の激変を経ている。

2021年12月、CruiseのCEOだったDan Ammann(ダン・アマン)氏が突然会社を去り、内部関係者は彼を追い出したと主張している。自律走行車の共同設立者で、同社の初代CEOだったKyle Vogt(カイル・フォークト)氏が暫定的にその役割を引き継いでいる。フォークト氏はCruiseの社長兼CTOを務めてきた。GMによると、Northrop Grummanの元会長兼CEOでGMの取締役を務めたWesley Bush(ウェスレイ・ブッシュ)氏がCruiseの取締役に就任するという。

詳細はわかっていないが、重要なピースが1つ明らかになった。バーラ氏はそのタイムラインを設定された。

画像クレジット:スクリーンショット

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Katsuyuki Yasui)

カリフォルニア州、衝突事故を起こしたPony.aiの自動運転テスト認可を一時停止

米国にオフィスを構える中国の自動運転スタートアップPony.ai(ポニー・エーアイ)が、人間の安全ドライバーなしでの自動運転車テストを停止した。地元の規制当局によってテストが承認されたのはわずか6カ月前である。

関連記事:トヨタ出資の自動運転Pony.aiがカリフォルニア州から無人運転テスト許可を取得

カリフォルニア州車両管理局(DMV)がTechCrunch伝えてきた声明文によれば、米国時間10月28日にフリーモントでの衝突事故が報告されたことを受けて、米国時間11月19日にはDMVがPony.aiに対して、無人運転認可を一時停止することを通知した。

Pony.aiは、この自動運転テスト認可に対して、10台のHyundai Kona(ヒュンダイ・コナ)電気自動車を登録している。DMVによると、この一時停止は、Pony.aiの安全ドライバー同乗テストの認可には影響しない。

Pony.aiの衝突報告によれば、この事故は、ある晴れた朝に、無人運転車両が自動運転モードを使用して車線を変更しようとしてときに発生したという。

Pony.aiの広報担当者はTechCrunchに対して「最近、私たちの車両の1台が、カリフォルニア州フリーモントで、車線区切りと道路標識への衝突事故を起こしました。他の車両は巻き込まれていませんし、負傷者も出ませんでした」と語った。

広報担当者はさらに「私たちはすぐに調査を開始し、事故についてカリフォルニア州DMVと連絡を取り合っています」という。

これまで、他の自動運転車も衝突事故を報告しているが、そのほとんどは、安全ドライバーが車両を手動運転しているとき、または別の車両が後ろからAVに衝突したときに発生している。この事故は、車両が自動運転モードであり、かつ他の車両が関与していなかったという点が特徴的だ。

この事件は、Pony.aiの自動運転機能に疑問符を付けた。なお広報担当者によれば同スタートアップの自動運転車は「2017年以来、カリフォルニアで実際の路上を75万マイル(約120万7000キロ)以上走行することに成功した」という。

2016年にBaidu(バイドゥ、百度)からの退職者によって設立されたPony.aiは、中国とカリフォルニアの両方にR&Dチームとテスト車両群を持つAV(自動運転車両)スタートアップグループの1つだ。これまでトヨタやセコイアキャピタルのようなヘビー級の投資家を魅了し、2021年2月の時点では総額10億ドル(約1137億円)以上の資金調達を調達し、53億ドル(約6026億円)の評価額をつけている。つい最近、Baiduと並んで、北京のデモエリア内で自動運転車を商用運転することが承認された

同社はまた、ここ数カ月困難に直面している。ロイター通信によると、米国政府の標的とならないことを、中国政府に納得させることができなかったため、同社はニューヨークでのSPAC上場計画を中止した。先月、TechCrunchは、同社の自動運転トラック事業が数人の主要幹部を失い、この新しい部門が中途半端な状況に追い込まれていると報告した。競争が激化する中、Pony.aiは投資家に対して競争力のある技術と実現可能な商業的未来を持っていることをしっかり証明しなければならない。

画像クレジット:Pony.ai

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(文: Rita Liao、翻訳:sako)

深圳でロボタクシー実証を進めるDeepRoute、L4級自動運転ソリューションの価格を約114万円に設定

DeepRoute.aiの自動運転ソリューション「L4」を搭載した車両(画像クレジット:DeepRoute.ai)

中国・深圳とカリフォルニア州フレモントにオフィスを構える自動運転スタートアップ、DeepRoute.ai(元戎啓行)は、中国時間12月8日に野心的な自動運転ソリューションを発表した。

「DeepRoute-Driver 2.0」と名づけられたこのパッケージは、生産準備の完了したレベル4システムで、価格は約1万ドル(約114万円)。5つのソリッドステートLiDARセンサー、8台のカメラ、独自のコンピューティングシステム、そしてオプションのミリ波レーダーというハードウェアを使用していることを考えると、この価格設定は信じられない。

DeepRouteの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、LiDARが総コストの約半分を占めているという。「サプライチェーン全体の開発が進み、スケールアップすれば、コストはさらに下がると期待できます」。

2年前に設立されたこのスタートアップは、より成熟した競合相手に臆することはない。同社は8日のリリースでこう述べている。「DeepRoute-Driver 2.0は、洗練された効率的なL4アルゴリズムを誇るが高額な価格設定となっているWaymo(ウェイモ)やCruise(クルーズ)などの既存のL4パイオニアや、価格は手頃だが完全な自動運転という点では機能が限られているTesla(テスラ)などの先進運転支援システム(ADAS)との差別化を図っています」。

中国のセンサーメーカーは、かつては法外な価格だったLiDARの価格を下げ、大量生産に適したものにしようと努力している。DJIが設立したLivoxや、シンガポール政府系ファンドTemasek(テマセク)が支援するInnovusionもその1つだ。

カールーフに設置されたLiDAR(画像クレジット:DeepRoute.ai)

DeepRouteのL4ソリューションでは、深圳に本社を置くRoboSenseのLiDARを2個、車体のルーフにメインのLiDARとして使用している。また、北京に本社を置くZ Visionの3つのLiDARセンサーを後輪の周りの前部、左部、右部に配置し、車の死角をカバーしている。Z VisionとDeepRouteは、中国のコングロマリットであるFosun Group(復星国際)の関連ファンドであるFosun RZ Capitalの支援を受けている。

DeepRouteのレベル4技術の低価格は、同スタートアップの薄利多売を意味するか、あるいはサプライヤーのマージンを圧迫しているのではないかと、ある自律走行車スタートアップの創業者はTechCrunchに示唆した。

テスト走行では、DeepRouteのレベル4システムは、深圳の繁華街のラッシュアワーの渋滞をナビゲートし、柔軟な車線変更、歩行者の優先、自動オン / オフランプ合流などのタスクを実行することができた。

設立からまだ2年しか経っていないが、DeepRouteを支えるチームには、中国の自動運転業界のパイオニアたちがいる。2019年にMaxwell Zhou(マックスウェル・ゾウ、周光)氏がDeepRouteを設立したのは、最後に所属していたRoadStar.ai(星行科技)を内紛で追い出された後のことだった。当時、RoadStar.aiは投資家から少なくとも1億4000万ドル(約160億円)を調達しており、自律走行車の分野で有望なプレーヤーと広く考えられていた

投資家たちは、周氏の新しいベンチャー企業を応援している。同社は9月には、Alibaba(アリババ)、Jeneration Capital、ボルボを傘下に持つ中国の自動車メーカーGeely(ジーリー、吉利汽車)などからシリーズBラウンドで3億ドル(約341億円)を調達したと発表した。

OEMや自動車メーカーが、将来の生産提携と引き換えに、AVスタートアップに資金を投入するのは珍しいことではない。例えば、同じく中国のMomentaは、ボッシュ、トヨタ、ダイムラーなどの大手企業から複数の戦略的投資を受けている。

DeepRouteはL4級ソリューションの顧客をまだ正式に確保していないが、同社の広報担当者によると「大手自動車メーカー」数社がレベル4技術を搭載した車に乗車し、「機能性と価格に感銘を受けた」とのこと。

「近々契約を締結できるという見通しに非常に前向きである」と広報担当者は述べている。

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

GMの自動運転部門Cruiseがロボタクシーを「どのように」実現するのかを発表

米国時間11月4日の夜、Cruise(クルーズ)の自律走行技術の詳細について語ったエンジニアたちがTesla(テスラ)の名前を口にすることはなかった。あるいはそうする必要もなく、明確なメッセージが伝えられたのだ。

GM(ゼネラルモーターズ)の自動運転部門であるCruiseが、極めて詳細な技術および展開ロードマップを発表した。これは高度な運転支援システムを搭載した車両を含め、人間が運転するどんな車両よりも安全で拡張性の高い自律走行車を同社がいかにして構築してきたかを誇示することを目的としたものである。

イベントでCruiseが自社の技術をアピールしていたのはもちろんだが(当然のことながら才能ある人材のリクルートのためでもある)、同時にこのイベントは自律走行車全般についての議論の場ともなっていた。木曜日に登壇したエンジニアやプロダクトリーダーらは、シミュレーションの利用方法や独自のチップなどのハードウェア開発、アプリや車両の設計などさまざまな要素を紹介してくれた。

「Under the Hood」とブランディングされたこのイベントは、2021年10月に開催されたGMの投資家向け説明会でCEOのDan Ammann(ダン・アマン)氏が、Chevrolet Bolt(シボレー・ボルト)の改良版を皮切りに、数年後には各目的に合わせた自律走行車Origin(オリジン)を何万台も展開して、商用のロボットタクシーや配送サービスを開始する計画を明らかにしたことを受けて開催されたものである。

Cruiseはカリフォルニア州で商業配送サービスの認可を取得したばかりで、さらにドライバーレスのライドヘイリングとして課金できるようになるにはまだもう1つ別の許可が必要だ。それでもCruiseはコストを十分に削減して、迅速にスケールアップしていくことができると考えている。

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その方法は以下のとおりだ。

システムの検証だけではなく、スケールアップのためにシミュレーションを利用する

Cruiseはシミュレーションを多用しており、それは安全性を証明するためだけでなく新しい都市で何百万マイルものテストを行うことなくスケールアップするためでもある。

同社は進出する都市の地図を作成する必要はあるものの、車線変更や道路閉鎖など、必然的に起こる環境の変化に合わせて都市を再マッピングする必要はない。Cruiseが新しい都市に進出する際には、まずWorldGenと呼ばれる技術を使用する。これは「予測できないような道から細部に至るまで」都市全体を正確かつ大規模に生成するもので、これによりエンジニアが新しいオペレーションデザインの領域を試すことができるのだと、Cruiseのシミュレーション部門の技術戦略リーダーであるSid Gandhi(シド・ガンジー)氏は話している。つまりWorldGenは未来のシミュレーションが行われる舞台となるものなのである。

最適な環境を作り上げるため、Cruiseは24の異なる時間帯の明るさや天候などを考慮し、さらにはサンフランシスコに設置されたあらゆる街灯の光を体系的に測定した。

「高忠実度の環境とプロシージャルに生成された都市を組み合わせることで、新しい都市に向けて効率的にビジネスを拡大することができます」とガンジー氏は話す。

そして次に同氏は道路上で自律走行車が収集した実際の事象を、編集可能なシミュレーションシナリオに変換する「Road to Sim」の技術を紹介した。これにより、すでに見たシナリオと比較してテストすることで自律走行車が逆行しないようにするという仕組みである。

「Road to Simでは、知覚から得られる情報と、何百万マイルもの実走行から得られたヒューリスティックな情報を組み合わせて道路データから完全なシミュレーション環境を再現します。シミュレーションができたら、実際にイベントのバリエーションを作成し、車両や歩行者のタイプなどの属性を変更することができます。これは、AV開発を加速させるテストスイートを構築するための、非常に簡単で非常に強力な方法です」。

Cruiseが実際の道路状況で収集できていない特定のシナリオのためにはMorpheusがある。Morpheusは地図上の特定の場所に基づいてシミュレーションを生成できるシステムで、機械学習を利用して必要なだけパラメータを自動入力し、何千もの特殊なシナリオを生成してそれに対して自律走行車をテストするというものである。

「特殊な状況の解決に向けての実地テストは減少傾向にあります。なぜなら滅多に起こらないイベントを適切にテストするために何千キロもの距離を走らなければならず、拡張性に欠けるからです。そのため私たちは、大規模なパラメータ空間をスケーラブルに探索してテストシナリオを生成する技術を開発しているのです」。

テストシナリオには、他の道路利用者が自律走行車に反応する様子のシミュレーションも含まれている。Cruiseのこのシステムはノンプレイヤーキャラクター(NPC)AIと呼ばれており、これは通常ビデオゲーム用語なのだが、この文脈では複雑なマルチエージェントの行動を表現するシーン内すべての車や歩行者を指している。

「Morpheus、Road to Sim、NPC AIの3つの機能が連携することで、まれに発生する困難な事象に対してより確実なテストを行うことができるようになりました。これにより、現在ある特殊な問題を解決できるだけでなく、将来の類似した問題も解決できるという確信を得ることができました」。

ガンジー氏は、合成データを生成することで、Cruise の自律走行車が特定のユースケースをターゲットできるようになると述べ、特に緊急車両の識別や相互作用について言及した。これは、ADAS(先進運転支援システム)のAutopilotが緊急車両との衝突を繰り返しているとして連邦政府の監視下に置かれているTeslaを意識したものに違いない。

「緊急車両は他の種類の車両に比べて稀ですが、極めて高い精度で検出できる必要があるため、当社のデータ生成パイプラインを使用して救急車、消防車、パトカーのシミュレーション画像を数百万枚作成しています。我々の経験では、ターゲティングした合成データは道路データを収集する場合よりも約180倍速く、数百万ドル(数億円)も安くなります。また、合成データと実データを適切に組み合わせることで、データセット内の関連データを1桁以上増やすことができます」とガンジー氏は説明している。

自社開発の2つのカスタムシリコンチップ

10月に開催されたGMの投資家説明会にて、CruiseのCEOであるアマン氏は、Originの計算能力に多額の投資を行い、今後4世代にわたってコストを90%削減し、利益を上げられるようにするという計画を説明した。その際アマン氏は、コスト削減のためにカスタムシリコンを自社で製造するという意向には触れたものの、そのシリコンを使ってチップを製造するということについては表明していない(TechCrunchは予測していたのが)。しかし11月4日、OriginプログラムのチーフエンジニアであるRajat Basu(ラジャット・バス)氏はこの説を実証してくれた。

「当社の第4世代コンピュートプラットフォームは、社内で開発したカスタムシリコンをベースとする予定です。これは当社のアプリケーションに合わせて作られたもので、フォーカスを可能にして処理能力を向上させるとともに、ピースコストと消費電力を大幅に削減しています。コンピュートは安全性の観点からも重要なシステムであり、冗長性が組み込まれています。それに加えて毎秒10ギガビットのデータを処理するAVシステムでは、かなりの電力を消費することになります。当社のMLHチップを使うことで複雑な機械学習パイプラインをより集中的に実行することができ、それにより性能を落とさずにエネルギー効率を上げることができます」とバス氏は説明している。

CruiseのAIチームは2つのチップを開発している。センサー処理チップは、カメラ、レーダー、音響などの各種センサーのエッジ処理を行うもので、2つ目のチップは、ニューラルネットワーク専用のプロセッサーとして設計されており、AIチームが開発した大規模なマルチタスクモデルのような機械学習アプリケーションをサポートし、加速するものである。バス氏によれば、この機械学習加速装置(MLA)チップは、特定のクラスのニューラルネットやMLアプリケーションを解決するのにまさに適したサイズであるという。

「これによりパフォーマンスを極めて高いレベルで維持することができ、当社にとって付加価値のないことをするためにエネルギーを浪費しないようにしています。複数の外部ホストと組み合わせることも、スタンドアロンで動作させることも可能で、最大25Gまでのシングルイーサネットネットワークをサポートし、総帯域幅は400Gに達します。今回量産を開始するMLAチップはほんの始まりに過ぎません。今後時間をかけて消費電力を抑えながら、さらなる高性能化を進めて参ります」。

Cruiseのエコシステム

今回のイベントでCruiseが明らかにしたのは、成功裏にスケールアップするために必要な自律走行車技術だけでなく、未知のシナリオに遭遇したときの自律走行車の判断を検証するリモートアシスタンスオペレーターやカスタマーサービスの他、人々が実際に乗ってみたいと思う車両、カスタマーサポートや事故対応などを効率的かつ容易に処理できるアプリなど、エコシステム全体を考えているということである。

Cruiseのプロダクト担当副社長であるOliver Cameron(オリバー・キャメロン)氏は同イベントで次のように述べている。「研究開発を愛される製品へと進化させるためには、人工知能やロボット技術以上のものが必要です。安全な自動運転車というだけでは不十分であり、これは長い道のりの最初の一歩に過ぎません。何百万人もの人々の日常生活に取り入れられるような競争力のある製品を構築し、拡張するためには、安全な自動運転という基盤の上に多数の差別化された機能やツールを構築する必要があります。こういった機能をどのように実装すべきかは、特に安全性の問題にまだ頭を悩ませている企業にとっては明白ではないでしょう」。

画像クレジット:Cruise

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Dragonfly)

Baiduのロボットタクシーサービス、2030年までに100都市での展開を目指す

Baidu(バイドゥ)は、自律運転の実現に向けた取り組みを強化している。中国のテック企業Baiduは、検索エンジンでその名を知られ、現在も収益を検索広告に大きく依存している。しかし、同社は自律運転への大きな賭けが将来的に報われることを期待している。

BaiduのロボットタクシーサービスであるApollo Goは、2025年までに65都市、2030年までに100都市での展開を目指していると、Baiduの共同創業者でCEOのRobin Li(ロビン・リー氏)は現地時間11月18日のアナリスト向け電話会議で語った。

これは、Baiduが大量のライセンスを現地の規制当局から取得しなければならないことを意味する。そして最終的には、これらの許可のうちどれだけがApollo Goに商業活動を許可し、サービスが実際にどれだけの乗車数を集めることができるかが、このビジネスの持続可能性を左右することになる。

今のところ、リー氏はBaiduが「おそらく乗車数では世界最大のロボットタクシーサービスプロバイダーである」と見積もっている。第3四半期だけで、Baiduは11万5000回の乗車を提供しており、同氏は第4四半期の乗車数を「みなさんが世界のどこかで耳にする報告数よりもはるかに多い」と予想している。

運転技術の向上という点では、Baiduはこれまでに1600万キロメートル以上のL4(自走式)走行距離を達成している。これは、第1四半期の報告書に記載された620万マイル(約997万キロ)から増加している。

しかし、これらの膨大な数字は、閉鎖された地域の指定ルートではなく、交通量の多い都市部の道路で実際にどのくらいの走行が行われているのかがわからなければ、意味がない。

中国の多くの自律運転車企業と同様に、Baiduもロボットタクシー事業を展開する一方で、先進的な運転支援技術を自動車メーカーやOEMメーカーに提供している。

Baiduは2017年から、オープンソースのApolloプラットフォームを通じて自動車会社に運転ソリューションを提供している。同プラットフォームは数百の企業ユーザーを蓄積しているが、同社は特定のパートナーとの緊密な関係を育んできた。例えば、中国のGeely(ジーリー)と合弁会社を設立して電気自動車メーカーのJidu Auto(ジドゥ・オート)を設立し、パートナー企業が500億元(77億ドル/約8940億円)を出資している。

画像クレジット:Baidu

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(文:Rita Liao、翻訳:Akihito Mizukoshi)

NVIDIAの次世代自動運転ツールキット「Hyperion 8」が2024年の車両モデルに対応

自動運転機能、ロボタクシー、自動運転トラックの導入を目指す自動車メーカー、サプライヤー、スタートアップは、NVIDIA(エヌビディア)の最新のコンピュートおよびセンサーツールキットにあと少しでアクセスできるほど近づいている。

NVIDIAの創業者でCEOのJensen Huang(ジェン・スン・フアン)氏は米国時間11月9日に開催された同社の秋季GTCイベントにおいて、AV開発に必要なセンサー、コンピュート、ソフトウェアを含む量産可能なプラットフォーム「Hyperion 8」を、2024年の車両モデル向けに購入できるようになったことを発表した。

Hyperion 8は、エンド・ツー・エンドのNVIDIA Driveプラットフォームの最新版で、自動車メーカーが好みやニーズに合わせてカスタマイズして使用することが可能だ。Hyperion 8は4月に初めて明らかにされた。しかし、このプラットフォームを構成するカメラ12台、レーダー9台、LiDAR1台をどの企業が供給するかなど、詳細の一部は11月9日まで明らかにされていなかった。注目すべきは、Luminar(ルミナール)がLiDARを提供している点で、これは新規上場企業にとって大きな恩恵となる可能性がある。また、Continental(コンチネンタル)、Hella(ヘラ)、ソニー、Valeo(ヴァレオ)もHyperion 8用にセンサーを提供している。

Luminarの創業者でCEOのAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏は「NVIDIAのシステムが(量産車向けに)設計されるのに合わせて、我々も最終的に設計されることになります」と述べた。

Hyperionは、自動車メーカーなどの顧客が、車内の基幹コンピュートやミドルウェア、AI機能など、必要なものにアクセスして調整することができるリファレンスプラットフォームだ。

今回のHyperion 8の提供開始は、秋のGTCイベントでフアン氏が発表した一連の自動車関連の発表の1つだった。主な発表内容は多岐にわたる。6月のDeepMap買収によって強化されたマッピングの開発や、シミュレートされたカメラでリアルなシーンを再現し、データを自動的にラベル付けするツール、デジタルアシスタントの役割を果たして自動運転システムと乗客の間の重要なコミュニケーションを提供し、駐車もこなせるパーソナルコンシェルジュ製品などだ。各新製品の発表はいずれもHyperion 8に適合したり、補完したりするものだ。

結論:この分野には、乗用車用の運転支援システムを開発しているサプライヤーや自動車メーカー、自動運転トラックやロボタクシーのような完全自律走行車の展開に取り組んでいる企業が含まれ、NVIDIAはそうした自動運転マーケットの多くを取り込むことを目指している。

NVIDIAは、Cruise(クルーズ)、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、TuSimple(トゥーシンプル)、Volvo(ボルボ)、Zoox(ズークス)など、自社のDrive Orinコンピュータ・システム・オン・チップを使って開発している多くの顧客を獲得している。NVIDIAは秋のGTCイベントで、Lotus(ロータス)、中国の自動運転スタートアップQcraft(キュークラフト)、中国のWM Motor Technology Co(WMモーターテクノロジーカンパニー)が所有するEVブランドのWeltmeister(ヴェルトマイスター)など、さらにいくつかのブランドの獲得を宣伝した。

NVIDIAの自動車担当副社長であるDanny Shapiro(ダニー・シャピロ)氏は、GTCに先立って行われた説明会で「100%のマーケットシェアを期待しているわけではありませんが、NVIDIA DRIVEで開発している市場のシェアは圧倒的です」と述べた。「その理由は、NVIDIAがエンド・ツー・エンドのソリューションを提供しているからに他なりません。車に搭載されるものだけでなく、データセンター、シミュレーション、車両に至るまで、同じアーキテクチャー上にあることは非常に大きな利点です」。

画像クレジット:NVIDIA

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

自動運転ユニコーンMomentaがシリーズCに約567億円を追加、中国AD分野では今年最大のラウンドに

MomentaのCEOであるCao Xudong(カオ・シュドン)氏とGM China社長のJulian Blissett(ジュリアン・ブリセット)氏(画像クレジット:Momenta)

9月にGeneral Motors(GM、ゼネラルモーターズ)から3億ドル(約340億円)の投資を受けた中国発の自動運転ソリューションプロバイダーであるMomentaは、中国時間11月7日、シリーズC追加ラウンドで5億ドル(約567億円)を調達したと発表した。

この新たな資金調達により、同スタートアップのシリーズCの総額は10億ドル(約1134億円)を超えた。Momentaは、GMなどの自動車メーカーやBosch(ボッシュ)などのTier1サプライヤーに先進運転支援システム(ADAS)を提供する一方で、真の無人運転、すなわちレベル4走行の研究開発を行うという、同社が言うところの二足のわらじ戦略をとっている。

このスタートアップには、中国の国有企業であるSAIC Motor(上海汽車集団)、GM、トヨタ、メルセデス・ベンツ、Boschなど、ヘビー級の戦略的投資家が集まっている。機関投資家としては、シンガポールの政府系ファンドであるTemasek(テマセク)や、Jack Ma(ジャック・マー)氏のYunfeng Capital(云锋基金)などが名を連ねている。

Momentaは、自動車メーカーとの提携により、自社でロボタクシーを開発するという資金のかかるルートを選択した他社との差別化を図っている。その代わりに同社は、自社のソリューションを搭載した量産車のネットワークからデータを得ることを重要視している。Pony.ai(小馬智行)とWeRide(ウィーライド、文遠知行)は最も近いライバルだが、彼らも多額の資金を調達している。

GMとの提携の場合、Momentaのソリューションは、コンシューマーグレードのミリ波レーダーと高精細カメラを組み合わせたもので、米国ではなく中国で販売されるGMの車両に搭載される。Momentaは最近、ドイツのパートナー企業との関係強化のために初の海外オフィスをシュトゥットガルトに開設したが、これはMomentaの技術が自国の市場以外にも広がっていく可能性を示唆している。

画像クレジット:

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

Cruiseがサンフランシスコで無人運転ロボットタクシーサービスを開始

ゼネラルモーターズの自動運転子会社であるCruise(クルーズ)の従業員は、これからサンフランシスコで運行される人間の運転手が同乗しない自動運転車の初めての乗客になる。一部の一般客も乗ることができるが、運賃はかからない。

Cruiseの共同創業者であり、CTOかつ社長のKyle Vogt(カイル・ボークト)氏は、ドライバーレス自動運転車(AV)に初めて乗車した様子をTwitterで紹介している。

ボークト氏は「月曜日の夜11時頃、私たちは初めて中に誰も同乗していない状態でAVを発車させました」とツイートしている。「これまでは、人間が運転席や助手席に座って実験していたので、これは初めての試みでした。街中を巡航しながら、乗車リクエストを待つようになります。午後11時20分、私はCruiseのアプリを使って、最初の乗車を行うタクシーを呼び出しました。数分後、(「サワードウ」という名前がついている)Cruise AVの1台が私の目の前にきて停車した。車内には誰もいなかった。”start ride”(走り出す)ボタンを押すと、AVはスムーズに車線に入っていきました」。

ボークト氏はその夜、さらに5回乗車リクエストを行ったという。Cruiseがカリフォルニア州自動車局から取得した「ドライバーレス運行許可証」の規定によれば、午後10時から午前6時までの間、最高時速30マイルでしかドライバーレス運行ができないため、乗車は夜間にならざるを得なかったのだ。クルーズは10月初旬にこの許可を取得したが、これにより、人間が乗っていない車両の運行が可能となり、配達サービスに対して料金を請求することができるようになったが、乗客を乗せるタクシーサービスには課金することができない。

Cruiseが人間を同乗させない今回の最初の運行を始めたのは、GMのCEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏が、Cruiseが2022年までにドライバーレスのタクシーサービスや商用配送運転を開始することをGMは確信していると述べてから約1週間後のことだった。Cruiseは、ロボットタクシーサービスに課金するために必要な、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)からの最終的な許可への申請をまだ行っていない。それまでは、サワードウをはじめとする人間の同乗しないAVに乗ることができるのは、Cruiseの社員と無料乗車の一般市民だけだ。

Cruiseは、特定の一般人も乗れることを認めているが、誰が乗れる資格があるのかは明らかにしていない。またCruiseは、このドライバーレスサービスをまだ一般人には公開していない。

画像クレジット:Cruise

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)