Googleマップがローカルガイドの「フォロー」機能でSNSに対抗

Googleマップは、地図アプリというよりFacebookなどのソーシャルネットワーク的な新機能のテストを開始する。他のユーザーをフォローする仕組みだ。具体的には「ローカルガイド」をフォローできるようになる。ローカルガイドというのは積極的に店舗などをレビューしてGoogleマップ上で写真や自分の知識をシェアするメンバーのことで、包括的な報酬プログラムの一環として行われている制度だ。

ローカルガイドプログラムは2015年にYelp Elitesに対抗するためにスタートしてもので、積極的にマップに貢献した人たちが地元の流行発信人的ステータスを得ることができる。ローカルガイドは、他のマップユーザーが地元についてもっとよく知ってくれるように詳しいレビューや写真を投稿する。

見返りとして、ガイドはさまざまな特典を手にすることができる。例えば、新機能の早期アクセス、特別な地域ミーティングへの参加、Googleサービスの無料アクセス、割引、クーポンなどだ。

これから一部の地域では、プロフィールページの「フォロー」ボタンをクリックすれば人気のローカルガイドをフォローできるようになる。すると、選んだガイドのお勧めがマップに表示される。モバイルアプリの「おすすめ」セクションには、ローカルガイドによる地域のおすすめ情報を表示するエリアが新たに追加される。

当初パイロットプログラムが実施されるのは、バンコク、デリー、ロンドン、メキシコシティー、ニューヨーク、サンフランシスコ、サンパウロ、および東京。うまくいけば他の地域にも拡大されるだろう。

Googleマップにとってこの機能は、地域の店舗を発見してそれに関するニュースやイベント、セールなどの最新情報をつかむための場所としてFacebookに対抗しようとする最新の試みだ。昨年10月Googleは、店舗を「フォロー」する機能をAndroidアプリで提供し、後にiOS版にも追加された。今年の夏にGoogleは、さまざまな地域ビジネス向けツールを提供し、Googleマップの写真やプロフィールを更新したり短縮URLの作成や顧客への特典提供などをできるようにした。どの機能もFacebookページに対抗するためだ。

しかしこれまでGoogleは、ユーザーが店舗そのものをフォローしてやり取りするための機能を重視し、他のユーザーとの関わる仕組みは提供していなかった。

ただし、ローカルガイドプログラムを店や企業の情報源として使うためには大きな落とし穴がある。情報は一般の人たちのクラウドソーシングで集められたものであり、批評家や専門のレビュアーが書いたものではない。このためローカルガイドのレビューは質にバラツキがある。その一方でGoogleが今もっとも関心を持っているのは、ローカルガイドの定着とレビューの数のようで、レビューの正確さや質ではなさそうだ。

一般にローカルガイドのレビューには批判的な姿勢がなく、単なる簡単な紹介で終わっていることが多い。例えば、レストランのレビューといえば「素晴らしい料理!また食べに来たい!」という類のこと以上は何も言っていないものが多い。ローカルガイドのレビューは他の一般ユーザーのレビューと変わらない(ときにはずっとよくない)こともある。もちろんローカルガイドのレビューがどれも役に立たないというわけではないが、レビューに「ローカルガイド」と書かれていても、レビューの質の高さを表すわけではない。

しかし9つの都市で始まる新しいおすすめ機能では、ローカルガイドの言葉よりも写真が中心だ。Googleマップの「おすすめ」タブを開くと、ガイドからのおすすめがフォトコラージュのように表示され、クリックすればガイドが何を書いているかを見ることができる。GoogleマップアプリでちょっとしたInstagram的感覚を味わえる。

この新機能は、Googleの年次ローカルガイドサミットで 発表された。そこでGoogleは、ローカルガイドコミュニティーが2万4000都市、1億2000万人まで増えたことも共有した。しかしそれはGoogleがユーザー数の伸びを喜んでいることの新たな証であり、必ずしもレビューの質に目を向けたものではなかった。もしローカルガイドが信頼できる詳しくて公正なレビューを提供できれければ、人々は誰もそこに目を向けず、「フォロー」しようとも思わないだろう。

Goolgeはパイロットテスト対象地域でいつ「フォロー」機能が使えるようになるのかは明らかにせず、「もうすぐ」やってくるとだけ言っていた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleマップの、Foursquareに似たリスト作成機能の一般公開はもうすぐ

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ユーザー自身が、場所のリストを作成できるGoogleマップの機能が、もうすぐ一般公開されるようだ。今月に入り、沢山のGoogleマップユーザーが、モバイルアプリケーションに加えられた新しい機能に気が付いた。スターをつけたりお気に入りとした場所のリストだけでなく、いつか訪れたい場所のリスト、そして自分自身カスタムリストを作ることができる。

Foursquareのリスト作成ツールを思い起こさせるこの機能は、何ヶ月ものあいだGoogleローカルガイドプログラムの中でテストされていた。このプログラムは利用者のマップコミュニティへの個々の貢献に対して、新しい機能への早期アクセスという形で応えてきた。昨年の夏に最初に報告されたときには、この機能はローカルガイドとしてレベル4以上を達成し、かつ、Androidデバイスを使用している人たちだけが利用可能なものとなっていた。

しかし今週Googleは、ローカルガイドたちに対して、この機能がiOSあるいはAndroidを使っている、レベル2以上を達成している人に利用可能になったことを、メールで通知した(このレベルは、特に、クチコミや写真のようなものの投稿を通して、マップへの参加と貢献を重ねることで与えられる)。

多くのGoogleマップユーザーが、一般公開に先立ち、そのマップモバイルアプリの中にリストツールが出現していることに気がついている。これらのユーザーの中には何人かのレベル2ローカルガイドが含まれているので、彼らがこの機能を見ることができた理由もわかる。

この場所をリストに加えられるスター機能はいいね。でもデスクトップとモバイルの正式機能にはまだなっていないのかな!?

遂にリストが入った。ありがとう。

リスト機能が入った。Foursquareみたいだな。

私のiOSのGoogleマップに、場所に単にスターを付けるだけでなくリストに保存する機能がはいった。

このリスト機能と、Googleの新しい旅行計画アプリであるGoogle Trips(このアプリでは、目的地であなたが訪れたいと考える「保存場所」リストが作成できる)の間にはおそらく何らかの重なりがある筈だ。

とはいえ、マップリスト作成ツールは、1回の旅行よりも広いスコープを対象にしていて、覚えておきたい場所をなんでも保存してくれる。例えば近所のお気に入りのレストランとか、いつか訪れてみたい場所などだ。これによってFoursquareアプリだけではなく、例えばSoonのような小さなスタートアップなどとも、より直接的に競合することになるだろう。

この機能へのアクセス権を持っている場合は、メニュー内の「マイプレイス」の中の「保存済み」タブの中にリストを見つけることができる。

私たちはGoogleに対して一般公開時期に関するコメントを求めたが、「私たちはGoogleマップの新しい機能を常に実験しています」という回答と、一般公開の時期はユーザーのフィードバックによって決定される、ということ以上の詳細な情報は得られなかった。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)