B&Oの第3世代Beoplay E8フルワイヤレスイヤフォンは最高の音質と着けごこち

Bang&Olufsen(B&O)は、家庭用オーディオ機器で高い評価を得ている。同社のフルワイヤレスイヤフォン、Beoplay E8の初代のモデルは、まだ競合する製品がほとんど見当たらないようなときから、このカテゴリーのリーダー的な存在だった。最近発売した第3世代のE8は、ハードウェアも最新のものに入れ替わり、バッテリー寿命、音質、便利な機能など、多くの点で進化したものとなっている。たとえば、1回の充電で最長7時間連続使用が可能なバッテリーは、無線充電もできるようになり、最新のBluetooth仕様に準拠したことで、音質の向上だけでなく、接続距離の延長、遅延の減少なども実現している。

その結果、このB&Oの最新ワイヤレスイヤフォンは、音質を重視する人にとっては、不可欠とも言える製品となった。さらに1日中着けたままでも快適に使用でき、遮音性も高い。音質は、高音のディテールを犠牲にすることなく十分な低音を確保しており、豊かで洗練された音質パフォーマンスを達成している。

デザイン

Beoplay E8イヤホンのデザインは、実のところ初代のものからそれほど変わっていない。ただし、それはむしろ優れた点の1つと言える。というのも、初代E8のデザインは、私にとって、歴代のフルワイヤレスイヤフォンの中で、いちばんお気に入りのものだったからだ。小さくて、ツヤがあって、丸っこくて、マニュアルコントロール可能なタッチセンサーを内蔵している。

とはいえ、B&Oはデザインにもいくつか微妙な変更を施している。たとえば、初代のデザインにあった、円形の側面から突き出したコブのような突起を取り除いている。また私がテストした本体カラーがブラックのバージョンでは、以前は縁の内側にシルバーメタリックのリング状のアクセントが施されていたが、新モデルでは、そこが光沢のあるブラックの仕上げになった。全体的には、地味ながら、さらに魅力的な雰囲気になったと言える。

オリジナルも素晴らしいフィット感を実現していたが、今回私が使ってみた範囲では、物理的な形状も改善され、フィット感はさらに向上している。これまでは、完全な遮音効果を得るために、片耳、あるいは両耳のイヤフォンの位置を調整する必要があったが、この第3世代のE8では、耳に着けるだけで自然に最適な位置に固定される。長く着けていてずれてくることもない。

デザインに関して最後に言っておかなければならいのは、ケースについてだ。オリジナルのケースよりも小さくなり、ポケットにもしまいやすくなっている。それでいてワイヤレス充電機能を備えている。つまり、最近のiPhoneやAndroidのスマホなどと同じく、Qi規格の充電パッドに乗せておくだけで、ケースと、中身のイヤフォンの両方を充電できる。ケースが内蔵するバッテリーと合わせると、B&Oによれば、合計で35時間の再生が可能だという。ケースの外装は、細かな凹凸のあるペブルドレザー仕上げで、素晴らしい質感を実現している。蓋はマグネットでしっかり閉じるので、移動中に不意に開いてしまったりすることはない。イヤフォンをケースに固定するのにもマグネットを利用しているため、充電用に適切な位置にぴったりと収まる。

パフォーマンス

第3世代のBeoplay E8にとって最大の利点は、その素晴らしい音質にある。私がこれまでに使ってきたワイヤレスイヤフォンの中でも、人気の高いAirPods ProやSonyのWF-1000MX3などと並んで、あらゆる点で最高の音質だ。特にE8は、筋金入りのオーディオマニアをも満足させるような音の分離と明瞭さを備えている。そのため、どんなジャンルの音楽を聴いても、素晴らしい再生音が得られる。もちろん、高品質のロスレスフォーマットの音源の再生で、特に効果を発揮する。

遮音性の面でも、Beoplay E8は優れている。アクティブなノイキャン機能は備えないが、パッシブなノイズブロックで、周囲の雑音を効果的に遮断している。そのため、B&Oが外部の音を透過して再生する機能を用意してくれたことが、ありがたく感じられるほどだ。これは、左側のイヤフォンをタップすることで有効となる。周囲に気を配りたい場合には、非常に役に立つ。Beoplay E8には、Comply(コンプライ)製の、一種の形状記憶イヤホンチップが付属している。これを使用すると、遮音性と快適性がいずれもさらに向上する。普通、どんなイヤフォンでも、Comply製のイヤホンチップは別売りなので、これはお得感が強い。

E8は、通話用のヘッドセットとしても優れている。内蔵マイクは、周囲のノイズをほとんど拾わないクリアな音声を実現している。さらにaptXとBluetooth 5.1を採用しているため、ビデオを視聴したり、ビデオ通話用として利用する場合も、スマホ、パソコン、いずれと組み合わせるのにも適している。遅延はほとんど気にならない。

結論

Bang&Olufsenは、高級品のメーカーであり、価格もそれなりに高い。このBeoplay E8 3rd Genの350ドル(約3万7600円)という価格も例外ではない。しかし、この金額を出せば、高級感のある製品品質、優れた美意識、そしてクラスをリードする音質を、すべて手に入れることができる。フルワイヤレスのイヤフォンとして、可能な限り最高のオーディオを求めている人にとって、これは買いだ。在宅勤務用として、1日中着用するのにも素晴らしいが、優れた携帯性や周囲の音を聞く機能は、外出用としても適している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Xbox Eliteワイヤレスコントローラー2はマジ最高のゲームコントローラー

Microsoft(マイクロソフト)のオリジナルのXbox Eliteは、ゲーマーのレベルを1段階引き上げるほどのコントローラーだった。ボタンはカスタマイズできるし、ツマミ類も交換でき、感度も調整して、完璧に好みに合わせ込めるようになっていた。そこに新しいXbox Eliteワイヤレスコントローラー2が登場した。オリジナル同様の特徴を備えているが、さらにカスタマイズ性を高める新機能や機能強化が盛り込まれている。元々最高のゲームコントロラーだったものが、ハードウェア的にも進化して、さらに素晴らしいものになった。

USB-C

ここから始めるのも変かなという気もしないでもないが、新しいXbox Elite 2が充電と有線接続用にUSB-Cポートを装備したことは、かなり重要なポイント。身の回りのほとんどのガジェットが、すでにUSB-Cに移行しているからだ。Micro USBは、もういくらなんでも古臭い。ほとんどゲームコントロラーに充電するためだけに、そのケーブルを残してあるという人も多いだろう。

本機にはメッシュでカバーされたUSB-A − USB-Cケーブルが付属している。長さはは9フィート(約2.7m)あるので、ゲーム機からソファの位置まで十分に届くだろう。もちろん、スマホ、タブレット、MacBook、あるいは普通のUSB-Cタイプの充電器でも、ケーブルで接続すればElite 2に電源を供給できる。

USB-Cが重要な理由として、もう1つ大きなものがある。Apple(アップル)は最近、iPadシリーズで、Xbox用コントローラーとの互換性を実現した。そしてiPad ProもUSB-Cで充電する。つまり、iPad Proをポータブルゲームマシンとして使いたい人にとって、これは相性抜群のコントローラーと言える。持ち運ぶ場合も、充電器やケーブルなど、最小限の装備でiPadのゲーム環境を構築できる。

あらゆる部分が調整可能

Elite 2を選ぶ理由のうち最大のものは、驚くようなカスタマイズのオプションを用意していること。新機能として、サムスティックの抵抗感も調整できるようになっている。たとえば一人称のシューティングゲーム(FPS)をよくプレイする人にとっては、これは非常に有効だ。スティックの感度も調整できるので、感度と抵抗の適切なバランスを見つけて、正確な照準が実現できる。プロや上級レベルのゲーマーが、独自のプレイスタイルを最大限に発揮できるようになるはずだ。

ショルダートリガーのヘアトリガーロックは、さらに短くなっている。つまりストロークが浅くなり、ゲーム中にさらに高速に発射できるようになった。また場合によっては、最初から取り付けられているサムスティックを、付属する別のものに交換できる。また標準の多方向パッドを、やはり付属の十字キーに交換することも可能だ。

こうしたハードウェアのカスタマイズに加えて、Windows 10またはXbox Oneで動作するMicrosoft製のAccessoriesアプリを使えば、コントローラーに関するすべてを調整できる。「Shift」キーとして機能させるボタンを割り当てることで、さらに多くのカスタムなオプションを利用することも可能。複数のキーの組み合わせで、独自の入力を定義できるわけだ。納得できる設定が決まったら、1つのプロファイルとしてコントローラー内に保存できる。複数のプロファイルを保存して、コントローラーの前面にある物理的なボタンですばやく切り替えることも可能だ。

複数のゲームを渡り歩く、筋金入りのマルチプレイヤーでなくても、こうしたカスタマイズ機能は便利だ。私の場合、たとえばサムスティックによるクリックを、背面のパドルボタンに割り当てるプロファイルを作成して使っている。この設定では、多くのシングルプレイヤーゲームが、かなり快適にプレイできる。特に長時間遊ぶ場合には楽だ。

充電ドックと専用ケースが付属

Xbox Elite 2には、第1世代のものと同様、トラベルケースが付属している。そして、この部分にも進化が見られる。まず、取り外し可能な充電用のドックを備えている。これだけでも高品質のアクセサリーとして通用するもの。ドックによって、コントローラーをケース内に格納した状態でもパススルー充電が可能となる。USB-Cポート用のケースの開口部は、使わないときにはゴム製の蓋で密閉できるようになっている。

ケースには、充電ドックとコントローラー本体以外に、交換用のスティックや十字キー、使わないときに取り外したパドルなども収納できる。また、充電ケーブルやその他の細かなアクセサリーを入れられるメッシュポケットも備えている。外装は非常に耐久性の高そうなファブリックで包まれた硬質プラスチック製だ。バッグに入れても、コントローラー単体と比べて、それほど多くのスペースを必要とするようには感じられない。

このケースは、Xbox Elite 2の179.99ドル(日本では直販で税込1万9778円)という価格を正当化する上で、大いに役立っている。標準コントローラーにサードパーティのアクセサリを加えても、ここまでのプレミアム感を出すのは難しい。

結論

Microsoftは、Xbox Eliteワイヤレスコントローラーの後継機の開発に存分の時間をかけた。ぱっと見には、それほど大きな違いはないように思えるかもしれない。しかし実際には、多くの点でかなり大きく進化している。コントローラー本体の見た目だけでなく、感触も洗練された。ボタン、パッド、スティックの応答も申し分ない。コントローラー本体のグリップ部分には浅いテクスチャー処理が施されていて持ちやすい。

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USB-Cの採用と、カスタマイズ性の向上は、すでにオリジナルのEliteコントローラーを持っている人でも、買い替えたくなる理由として十分だろう。そしてEliteを買おうかどうしようかと迷っている人には、標準のXbox Oneコントローラーからアップグレードする価値が十分にあることは間違いない、とだけ言っておこう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ゼンハイザー初のゲーム用ワイヤレスヘッドセット「GSP 670」

ゼンハイザーは、先週のComputexの開催期間中に、来月初めに出荷予定の初のゲーム用ワイヤレスヘッドセットGSP 670をメディア向けに早期プレビューを行った。

GSP 670の小売価格は349ユーロ(約393ドル、約4万2600円)で、他の一般的なゲーム用ワイヤレスヘッドセット(そして有線方式の従来のモデルゼンハイザーGSP 600の249.95ドル)よりも、かなり高価なものだ。ゼンハイザー社は、同社の優れた音質と快適なヘッドセットに対する評判と共に、その新しいヘッドセットの機能が、ゲーマーたちに購入を決心させることを望んでいる(私がComputexで試用してみたときには、それは優れた装着性、接続速度、そしてオーディオ品質を提供してくれた。しかしもちろん当日の数分程度の試用では、数時間に及ぶゲームの後で、ヘッドセットがどのように感じられ音が響くのかを判断することは難しい)。

ワイヤレスによってもたらされる自由にもかかわらず、多くのゲーマーたちは音質や接続速度の低下、あるいはバッテリーレベルを心配する必要を避けるために、有線ヘッドセットを使い続けている。これらはゼンハイザーがGSP 670の機能でアプローチした課題である。他のワイヤレスヘッドセットと同様に、GSP 670もワイヤレスドングルに接続する必要がある。製品にはGSA 70コンパクトUSBドングルが付属しているが、これには「ほとんど遅延することのない音」を約束するためにゼンハイザーが開発した、低遅延接続を実現する技術が搭載されている。USBは、PCおよびSony Playstation 4と互換性がある。GSP 670にはBluetoothも搭載されているので、ユーザーはスマートフォンやタブレットとペアリングすることもできる。

GSP 670のマイクはノイズキャンセリング機能付きで、ブームアームを上げることでミュートすることができる。ヘッドセットには、ユーザーがチャット音声とゲーム音声を別々に制御できるようにするための、2つの音量調整ホイールが備わっている。ゲーマーたちは、ゼンハイザー製の”Gaming Suite for Windows”を使ってオーディオの調整を行うことができる。これはユーザーたちにプリセットオーディオとカスタマイズサウンドの間の切り替えを可能にし、サラウンドサウンドモードの切り替えや、イコライザーとしての機能も提供する。

バッテリーに関してゼンハイザーは、GSP 670の急速充電バッテリーは7分の充電で2時間動作することができると主張している。完全に充電された場合、バッテリーはBluetooth接続で最大20時間、GSA 70ドングルで接続されている場合には16時間動作することができる。ヘッドセットは、電力を節約するために自動シャットダウン機能を持っている。

GSP 670は、現在ゼンハイザーのウェブサイトで予約注文が可能で、7月1日から出荷される予定だ。

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(翻訳:sako)

Klipschの新型ワイヤレスイヤホンは、充電ケースがZippoライター風

Bluetoothイヤホンの出現以来、充電ケースといえば良く言って実用的だ。理解できる。ケースの外見でイヤホンを買う人はもしいたとしてもごくわずかだと私は想像する。しかし多くの人にとって、イヤホンはスマートフォン(とおそらくウェアブル)共に、必ず一緒に外出する電子機器のひとつだ。

デザインは悪くさえなければ無難だ。たとえばAirPods。Glideのデンタルフロスを思い出させることを除いて、十分よくできていて不快感のないデザインだ。そして少し違うことに挑戦したKlipschに拍手を送りたい(もうひとつの明確な例外であるSennheiserの高価なMomentumと共に)。T5のサウンド品質やバッテリー寿命について私には何も言えないが(来週CESで初めて披露される)、魅力的なケースに入っていることだけは間違いない。

GizmodoがZippoライターと比較しているのは実に的を射ている。そして正直に話せば、生涯ノンスモーカーの私は人生のある時期(「高校時代」と呼んでおこう)Zippoをアクセサリーとして持ち歩いていた。キャップを片手で開く小技もいくつか身につけた。自慢ではない。

ともあれ、T5の価格は199ドルで、現在のBluetoothイヤホンの中ではバイエンドの部類に入る。Klipsch製品の音質は概して堅実なので、安心できるだろう。発売は今年の夏を予定している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ワイヤレスでポータブルなiPadディスプレイアダプターLunaが80ドルで発売

Luna Displayで、世界が変わった人も多い。ぼくも、この赤い小さなドングルを試してみて、そう感じた。このデバイスの機能はDuetに似ているが、ケーブルを使わないし、追随性も良い。

昨年Kickstarterに登場したLunaが、80ドルで発売された(クラウドファンディングのときより20ドル高い)。決して安くはないし、iPadを持っていてMac用のポータブルな外付けディスプレイが必要な人以外は、用のないものだ。

でも、どっちも持ってる人にとっては、これによって出張などのときの仕事のやり方が、大きく変わるだろう。ぼくは、あちこち出かけることが多いし、オフィスでは大きな外付けモニターが必需品だ。つまりぼくは、「よく旅をする」と「外付けモニタが必要」の両方に該当するから、Lunaには相当期待している。

自分の家では、このシステムはすばらしい。アダプターをUSB-CかMini DisplayPortに挿入し、MacとiPadを同じネットワークにつなぐ。これで外付けモニターが完成する。

でも、VerizonのWi-Fiに依存している本誌ニューヨーク本社は、ちょっと難物だ。Lunaのアプリも、“Wi-Fiは難しい場合がある”、と言っている。ぼくの場合は手作業で、iPadのカメラでMacBookのQRコードを撮った。

何度かトライして、やっと使えるようになった。フェイルセーフのためのバックアップは、有線でやった。理想的なやり方ではないけど、とりあえず間に合う。

使える状態になると、相当よろしい! ウィンドウのドラッグなども、完璧にできる。

問題も多少ある。Darrelが彼のレビューで言っていた、何かを動かすときの描画性能は、今でもあまり良くない。ヘンな現象は、ほかにもある。FacebookのDMのポップアップウィンドウはおかしいし、混雑したメニューバーも再現性が悪い。

ぼくにとって重要な、RSSフィードやブラウザー、Slackなどにとって、これらは大問題ではない。そして、外付け画面でタッチが使えることは、Macでタッチが使えることにほぼ等しい。

Luna Displayは今では誰でも買える。iPadを一時的にWacomのお絵かきタブレットのように使える、同社のAstroPadとの併用もできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

HTCがViveヘッドセット用のワイヤレスアダプターを発表, 9月5日から予約販売

HTCは今でも、VRでは大物でいたい。同社は今日、Vive Wireless Adapterの予約販売の開始を発表した。このアダプターを使うと、ViveとVive Proのオーナーは、いわば、コードをカットできる。そしてユーザーは、ワイヤレスで自分のPCに接続できる。

そのBase Adapter*はViveとVive Proの両方で使えるが、ただしVive Proは、60ドルの互換性パックというものが必要だ。それには、Vive Proの接続ケーブルや、発泡プラスチックの緩衝材、Vive Pro用のアタッチメントデバイスなどが入っている。〔*: 別途エンタープライズ用がある。後述。〕

Vive Wireless Adapterは単体で299ドルで売られる。

同社のブログによると、インストールはこうなる:

Vive Wireless Adapterのインストールは数分で終わる。PCI-eカードをインストールして、今やワイヤレスになったViveのヘッドセットとPCが通信するためのセンサーを取り付けるだけである。アダプターのブロードキャストレンジは、センサーを起点として視界150度/6メートルであり、IntelのWiGig仕様により、妨害のない60Ghzの帯域を使用する。コーデックはDisplayLinkのXRを使用し、低いレイテンシーと高いパフォーマンス、および数時間の電池寿命を確保する。

アダプターはHTC QC 3.0 PowerBankを電源として使用する。これはスマートフォン用のポータブル充電器としても使え、アダプターの価格に含まれている。

HTC Viveのワイヤレスアダプターはこれが初めてではなく、2016年にTCPCastが220ドルのアダプターを発売したし、またこのアダプターのエンタープライズバージョンは2kのコンテンツを2ms未満のレイテンシーで複数のHTC Viveに送れる。

このHTC自身によるアダプターは、9月5日よりAmazon, Best Buy, Microsoft, NewEgg, Vive.comなどで予約販売を開始する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Samsungのワイヤレス充電器DuoはApple AirPowerを標的とする

AirPowerをおぼえておらえるかな? 1年近く前にローンチしたときそれは、Appleが大いにその将来を期待する充電マットだった。しかしその後、そのiPhone/Apple Watch/AirPod用のアクセサリーはMIA(戦闘中行方不明兵士)になってしまい、しかもその理由は、宇宙船クパチーノ号の外にいる者には全然分からないのだ。〔クパチーノ, Apple本社所在地。〕

今日(米国時間8/9)ブルックリンで行われたSamsung Note 9のビッグイベントでは、Samsung独自のワイヤレス充電技術が披露された。それは、Appleの、どこにでも置ける方式に比べると平凡だが、でも、今でもまだ、他社に先駆けての発表、とは言えるようだ。

そのワイヤレス充電器Duoには、二つの異なった使用面がある。ひとつはGalaxyハンドセット用、他は同社のスマートウォッチ用だ。前者は立っているので、ベッドサイドにスマートフォンと共に置けば目ざましになる。スマートフォンと一緒に寝てしまうよりは、健康的だ。そんなことを言う人間(すなわちぼく)は、目ざましの音が鳴り止んでからやっと起きるタイプだけど。

Note 9とそのあらゆる情報は確かに今日デビューしたが、その道の先にはGalaxy Watchのリリースが待っている。その謎のウェアラブルのローンチは、今日でもよかったし、数週間後のIFAでもよい。同社のスマートウォッチの発表は、伝統的に後者だった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ひとつのBluetooth出力を複数のスピーカーで聴けるTempowの改造プロトコル

フランスのTempowは、Bluetoothのプロトコルを改造してそれを多機能にしようとしている。同社はこのほど、テレビやセットトップボックス用の新しいオーディオプロフィールを発表した。

テレビやセットトップボックスのメーカーがTempowのソフトウェアをライセンスすると、彼らのデバイスに新しい機能を実装できる。それは通常のBluetoothチップを使うが、そこに新しい可能性を開く。

まず、テレビの音声を複数のBluetoothスピーカーへ送れるようになるので、テレビ音声のサラウンド化ができる。

今、サウンドバーが5.1システムを徐々に駆逐しつつあるのは、後部スピーカーのために床にケーブルを這わせるのが面倒だからだ。TempowならスピーカーはBluetoothだからケーブルは要らない。

またTempowのBluetoothは、複数のデバイスにそれぞれ別のオーディオを送れる。たとえばテレビに複数のヘッドフォーンを接続して、それぞれ異なる言語で映画を鑑賞できる。字幕を読めない子どもでも、吹替版で映画を楽しめるようになる。

また、メーカーや型番の違う複数のスピーカーのサウンドプロフィールを揃えて、誰がどれで聴いても同じ音が聴けるようにもできる。

最初同社は、スマートフォンのオーディオプロフィールに取り組んだ。たとえばMoto X4のスマートフォンを持ってる人が、複数のBluetoothスピーカーを接続できたりする。しかし今日は、スマートフォンを超えてテレビやセットトップボックスに手を伸ばした。でも、それもまたBluetoothなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

99%少ない電力でHDビデオを伝送する技術

いまでは誰もが監視カメラを家中に設置しようとしているようだ。それは問題になっているプライバシー危機とも関連してくるが、その問題は別の機会に論じることにしよう。この記事で紹介したいのは、乏しいバッテリーを犠牲にすることなく、HDビデオ信号を無線で送信できるようなカメラの話題だ。この新しい技術は、これまでの99%以下の電力でビデオを送信し、バッテリーを不要にできる可能性もある。

スマートホームや、ウェラブルに使われるカメラは、HDビデオを送信する必要がある。しかしビデオを処理し、エンコードされたデータをWi-Fi越しに送信するためには、多くの電力を必要とする。小型のデバイスにはバッテリーの余裕がほとんどなく、もし常時ストリーミングする場合には頻繁に充電する必要がある。だが、そんなことをしている暇はないのが普通だ。

多くの実績を誇る研究者であるShyam Gollakotaが率いる、ワシントン大学の研究チームによって作られた、この新しいシステムの背後にあるアイデアは、世の中にあるいくつかのアイデアと根本的に異なっているわけではない。デジタル温度計やモーションセンサーのようなデータレートの低いデバイスでは、数バイト程度で構成される低電力信号を、バックスキャッター(後方散乱)という方式で送信することができる。

バックスキャッターは、電力をほとんど必要とせずに信号を送信する方法である。なぜなら、実際に電力を供給するのは、収集するデータを送信するデバイスではないからだ。ここでは、ある信号が発信源(例えばルーターや携帯電話)から送信されて、他のアンテナがその信号を反射するということが行われる。ただしその際に内容が変更される。それをオンオフさせることによって、たとえば1と0を表現することができる。

ワシントン大学のシステムはカメラの出力が直接アンテナと接続されている。このためピクセルの明るさが、反射される信号の長さと直接相関している。短いパルスは暗いピクセルを意味し、より長いパルスはより明るいパルスを意味し、最も長いパルスは白を意味する。

チームによるビデオデータの巧妙な操作によって、フルビデオフレームを送信するために必要なパルス数が減少している。これはピクセル間のデータを共有したり、「ジグザグ」スキャン(左から右そして右から左)パターンを採用することなどが含まれる。色を取得するには、各ピクセルは連続して送信できるそれぞれのカラーチャネルを持つ必要があるが、これもまた最適化可能だ。

ビデオの組み立ておよびレンダリングは、電力が豊富に存在する、電話またはモニタなどの受信側で行われる。

最終的には60fpsのフルカラーHD信号を、1ワット以下の電力で送信することができる、更にはより控え目ながらも十分有用な信号(たとえば720p、10fps程度)なら、80マイクロワット以下で送信することが可能なのだ。この大幅な電力削減は、主にアナログ/デジタルコンバーターとデータ圧縮を取り除いたことによって実現された。こうしたレベルであれば、必要な電力を直接空中から引き出すことが可能だ。

彼らはデモ用デバイスを市販部品を使って組み立た。カスタムチップを使っていないために、マイクロワットレベルでの実現はできていないものの、それでもテクニックは想定した通りに動作した。

テスト中に送信されたフレーム。この送信はおよそ10fps程度で行われた。

このプロトタイプは専用デバイスで必要となる、センサとチップパッケージの種類を決定するのに役立った。

もちろんビデオフレームを圧縮もせず空中に送り出すことはあまり良い考えとは言えない。だが幸いなことに、送信されるデータを観察者に対して無意味な信号にすることは容易である。基本的には、両方のデバイスが事前に合意した干渉信号を送信前に加えて、受信側がそれを引き算すれば良い。

ビデオはチームが考えた最初のアプリケーションだが、ビデオ以外のデータに、この効率的で迅速なバックスキャッター伝送技術を使用できない理由はない。

この技術は既に、ワシントン大学の研究者たちによって創業されたスタートアップ(Gollakotaも参加している)であるJeeva Wirelessにライセンスされていて、同社は既に他の低消費電力無線デバイスの商品化に取り組んでいる。先週Symposium on Networked Systems Design and Implementation(ネットワークシステムの設計と実装に関するシンポジウム)で発表された、この新しいシステムの詳細はここから読むことができる。

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(翻訳:sako)

ダ大の研究者たちがアルミフォイルがWi-Fiルーターの出力を強化/制御できることを発見

ダートマス大学の研究者たちが、3Dプリントで作った形状をアルミフォイルで包んだものが、ワイヤレスの圏域を拡大しWi-Fiのセキュリティを増強することを見つけた。Eurekalertに載ったこのプロジェクトは、Wi-Fiのルーターのアンテナの上やまわりに反射板を置き、ビームを作ってレンジを増し、またその電波が通ってもよい空間を指定できる。

ダートマスの助教授Xia Zhouはこう述べている: “わずか35ドルの投資と、カバー範囲(カバレッジ)の指定により、手作りのワイヤレス反射板が何千ドルもするアンテナよりも、すごいはたらきをする”。

彼らのペーパーの中でZhouと彼の仲間たちはさまざまな形の指向性アンテナをテストし、またソーダ飲料の空き缶をルーターの背後に置いて電波の方向をターゲットに向ける、といった思いつき的なことも試みている。何度かの試行ののち彼らは、いくつかの部屋でWi-Fiの感度を高める形状にたどり着いた。そして次に彼らはその、Wi-Fiのカバー範囲とセキュリティを良くする形状を正確に3DプリントするWiPrintというプログラムを作った。次にすることは、その形状をアルミフォイルで包むだけだ。

チームは、その反射板(リフレクター)が正確な形のビームを作り、Wi-Fiがよく届く空間と、そうでない空間を作り出すことを見つけた。それによって、セキュリティとカバレッジを増すことができる。たとえば、ビームが窓から外へは出て行かないが、近くの部屋では強い、というふうにもできる。

そのソフトウェアはまだリリースされていないが、やっぱりきみのおじいちゃんは正しかったね。アルミフォイルとアンテナは相性が良いのだよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Applehがニュージーランドのワイヤレス充電専門企業を買収、この技術の‘自社化’にこだわる理由とは

Appleの最新のM&AといえばニュージーランドのPowerbyProxiだが、同社はこれによって、今年iPhone 8とiPhone Xでデビューしたワイヤレス充電技術に、いよいよ本腰を入れようとしている。

創業10年のPowerbyProxiはオークランド大学で生まれ、ワイヤレス充電と電力転送製品にフォーカスしている。それにはワイヤレスのコントロールシステムやワイヤレスセンサー、ロボティクスなども含まれ、それにもちろんワイヤレスの電池充電というApple向きの分野もある。

この買収はStuff New Zealandが最初に報じ、珍しくもAppleが直接の声明で確認した。このクパチーノに本社を置く企業を常時ウォッチしている人びとは、同社が買収をするときとくに発表などしないことを、もういやというほどよく知っているのだ。たとえば最近フランスから買ったRegaindなどは、その典型的な例だ。

Appleが本誌TechCrunchにくれた、ハードウェア部門のSVP Dan Riccioによるとされる声明は、こう言っている: “手間も苦労も要らない簡単な充電方法を弊社は世界中に広めたい。オークランドのチームは、Appleがワイヤレスの未来を作ろうと努力するときの、すばらしい支えとなる”。

この声明に付随するコメントでPowerbyProxのCEO Fady Mishrikiはこう述べている: “チームも私もAppleの一員になることに興奮している。同社との連帯は弊社の価値を大きく増幅し、オークランドで成長を続けながら、ワイヤレス充電に対しニュージーランド発のすばらしいイノベーションを寄与貢献できることに、大きな喜びを感じている”。

この買収は公式には非公表だが、Stuff New Zealandの報道では1億ドルあまり、とされている。

これまで同社には、ニュージーランドのVC Movacとドイツの製造企業Darmstadtが計900万ドルを投資しているが、彼らはこの買収でおいしいリターンを得ることになる。もうひとつ、意外な受益者がSamsungだ。このAppleの天敵のような企業は、4年ほど前にSamsung Ventures経由でPowerbyProxiを支援したことがある。

PowerbyProxiの技術資産には、50名あまりのスタッフと300以上のパテントが含まれる。それらが、Appleのワイヤレス技術を強力に充電することは確実だ。同社の初のワイヤレス充電パッドAirPowerは来年リリースの予定だが、さらにAirPodsのワイヤレス充電バージョンも出る。さらに今後だんだんと、Appleの製品からワイヤーが消えていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

本人が何も装着せず、電波の反射波を利用する非侵襲型(当人が意識しない)の睡眠モニタをMITで開発

MITの研究者たちが、睡眠をワイヤレスでモニタする新しい方法を公開した。それは反響定位法(エコーロケーション, echolocation)に似ていて、電波を睡眠者に当てて反射波を捉え、体の影響による電波の変化を調べる。

チームはこれまでも、低出力の電波をモニタリングに利用する方法をいろいろトライしてきたが、今回のはその最新の成果だ。今回はAIを利用することによって、睡眠者の体のわずかな動きでも、電波の変化の中に捉えることができた。それにより、睡眠ステージ(浅い深い、REM/NREM)、睡眠中の運動、呼吸率など、睡眠のパターンに関する有意味な情報を得ることができた。

テストは25名のボランティアに対し、100晩かけて行われた。研究の指導教授Dina Katabiによると、そのシステムは80%の正確度で睡眠パターンを検出できた。それは業界標準の睡眠テストEEGにほぼ匹敵する。

睡眠の追跡調査はFitbitやApple Watchのようなウェアラブルでもある程度行われているが、それらはもっぱら、スマホが内蔵している加速度計を使って体の動きを検出し、それにより睡眠のパターンを判断している。

“ウェアラブルもいいけど、われわれのねらいは、目に見えないものを捉えることだった”、とKatabiは語る。“それは家庭の中で、みんなが忘れてしまうぐらい目立たないが、しかしそれと同時に、ワイヤレスの信号だけを使って健康上のあらゆる問題をモニタできる”。

そのワイヤレスシステムは、取り上げる要素がウェアラブルよりずっと多い。動きだけでなく、呼吸や心拍も捉える。それでいて、まったく生活の邪魔にならず、ベッドから数メートル以内の棚や壁に目立たない形で置ける。

使用する電波はWi-Fiよりずっと弱く、一家の中で複数台を複数の人に対して使える。調整などは要らない。被験者にとって、まったく気にならない存在であることも、本機の理想的な性質だ。

本人がその存在を忘れている状態で長期の検診ができるから、パーキンソン病やアルツハイマー病のような睡眠障害と関係の深い疾病のモニタにも向いている。ただし、そこまで一般化大衆化するためには、まずFDAなどの認可が必要だ。結果はすでに良好だから、それも大丈夫だと思えるが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Qualcommが電気自動車の走行中充電技術をデモ、フィジビリティスタディを開始

Qualcomm Technologiesは、電気自動車(EV)用のワイヤレス充電システムHaloを研究開発してきた。そして今日(米国時間6/15)同社が発表したのは、それをさらに一歩進めた製品、“無停車Halo”だ。それは正式には動的電気自動車充電(dynamic electric vehicle charging, DEVC)システムと呼ばれる技術で、充電器のそばを通っただけで電気自動車の充電ができる。

そのHalo DEVCと呼ばれる製品はまだ初期的段階で、Qualcommはそのための全長100メートルのテストコースをフランスのベルサイユに作った。そして2台のRenault Kangoo EVが、その充電器の受信装置を搭載している。テストでは、ハイウェイ走行時のスピードで最大20kWを、2台同時に充電できた。

この充電システムの充電器部分はFABRICと呼ばれる。それは、未来の電気自動車のための路上充電ソリューションの実現可能性(フィジビリティ)分析(FeAsiBility analysis and development of on-Road chargIng solutions for future electriC vehicles)の、まるでこじつけのような頭字語だ。単純に FABRICと命名して、それはフィジビリティスタディのために開発したんだよ、と言えばよかったのに。それを作ったのは、ベルサイユのVEDECOM社だ。

実はそのテストは、ほとんどの資金を欧州委員会(EC)が出しているフィジビリティスタディで、900万ドルを投じて、走行中に自動車を充電することは可能か、その路上施設と車上設備の経済性(要投資額など)は妥当か、ワイヤレスDEVCの環境への影響はどうか、などを調べる。全欧から計25社のパートナーがテストに加わり、テストは2017年内に完了する。パートナーは、自動車メーカー、部品メーカー、研究機関、インフラストラクチャ(道路建設など)専門企業などだ。

アメリカのハイウェイがすべてFABRICで舗装されることはありえないと思うが、将来自動運転の電気自動車が利用される都市部では、道路交通政策の一環としてFABRIC舗装が使われるかもしれない。共有車にプラグインするのも人手を要さず、また充電のための停車がなければ、走行可能時間も伸びるだろう。

今度のフィジビリティスタディでOKと出ても、実現はかなり遠い未来の話だけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BragiのDash Proは、洗練されていてスマートなAirPods対抗製品

もしAirPodsがいいなとは思っているものの、Appleの白い筒型形状は人間工学的に自分の耳にうまく合わないと思っているのなら、良い別の選択肢が現れた。その価格に見合う価値はある筈だ。BragiのDash Proは、ヘッドセット専業会社による完全ワイヤレスイヤホンの最新版だ。そして同社が最初の2つのプロダクトから、多くのことを学んだことがわかるプロダクトとなっている。

Dash Proの価格は、米国内に於けるAirPod価格の2倍以上である329ドルだが、それは単なるワイヤレスイヤホン以上のものとしてデザインされている。スタンドアロンで使用するためのオンボードストレージ、彼らの言う所の4Dジェスチャーコントロールインターフェース(頭の動きでコントロールを行う)、そしてiTranslateのサポートなどが含まれる(iTranslateはiOSアプリをインストールしてプロサブスクリプションを行っていれば、話し言葉をイヤホンを通して翻訳してくれる)。

私はBragi Dash Proの最初の1組を数週間に亘って試用し、その結果とても感銘を受けた。Bragi HeadphoneのようにDash Proは基本がしっかりしている。ペアリングも、音質も、脱落防止も、そして安定した接続を維持するという点でも。そのような堅実なパフォーマンスに関しては、以前リリースされたDashでは、ほとんどのレビューアが不満を感じていた点である。よってBragiがそのことを改善したのはとても素晴らしいことだ。

しかし、それだけがDash Proの全てではない。ワイヤレスオーディオの自由を真に求めている人たちにとって私が本当にお勧めしたいのは、それ以外の機能だ。オンボードストレージとフィットネストラッキング機能は非常に上手く、しかも手間要らずに動作する。もしこの機能を有効にすれば、Bragiのオンボードセンサーを使用してユーザーの運動を自動的に検出してくれる。さらにiTranslateの機能は、少々面倒なところはあるものの(同時通訳ではなく、話したものを逐次通訳する)、旅行中に役立つ程度には効果的だ。

Bragi Dash Proの(頭の動きによる)モーションコントロールは一般ユーザにとってはそれほど魅力的ではないかもしれないが、もしユーザーの手が塞がっていていてタッチベースのコントロールを行えない場合には特に便利である。また、タッチセンシティブなコントロールがやりにくいアクティビティの最中や、雨の中を走る際や(これらは耐水性があり、水泳にも使用できる)、フードがイヤホンに当たり続けるので後述のオーディオ透過性をロックアウトする必要がある場合などに便利だ。

Dash Proは以前の商品のもう一つの弱点にも対処した。利用可能時間を5時間ほどに伸ばすことができたのだ。それは私の試用体験で実証できたもので、一日を通しての利用時間として十分なものだ。また、内蔵バッテリーを使って最大5回の追加充電の行えるケースも付属している。これも他のヘッドフォンたちには見られない大きな特典だ。旅行中にこれらを使用すると、劇的な違いが生じる。

最後に、Bragiのオーディオ透過性は、一度体験するとこれまでそれなしでやっていたことに驚くとても素晴らしい機能だ。基本的には外部の音をそのまま聞かせる機能で、最新版では自転車に乗っている際の風切り音などを魔法のように消し去る機能も追加されている。このことが意味するのは、ちょっとした用足しや、人と会話するときや、その他の場合に、イヤホンを外す必要がないということだ。つまりポケットの中でイヤホンをさぐり当てる必要がなくなる。

Bragiは、以前のDashに対する様々な批判を十分に受けた。しかし同社はそうした批判の大部分に応えて、素晴らしい結果を生み出した。Dash Proはワイヤレスイヤホンの偉大なプロダクトであり、将来が楽しみなコンピューティングプラットフォームの芽生えを感じさせるものだ。平均価格よりも高い値札を受け入れられるなら、これこそが私が今お勧めしたいワイヤレスイヤホンだ。

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(翻訳:Sako)

ワイヤレスで歩行速度を測るMITのWiGaitはセンサーを使うウェアラブルより正確でストレスフリー

MITのコンピューターサイエンスと人工知能研究所が、歩行速度を95から99%の精度で測定する方法を考案した。それは、ウェアラブルや体につける測定器具は使わない。その技術は、チームが“WiGait”と呼ぶワイヤレスの信号を利用し、それを家の中でルーターのような装置から送信して、一定時間内の歩行速度と歩幅を調べる。

このWiGaitシステムは屋内で使用し、目立たない場所にセットアップできる。ユーザーは、いちいち腕輪などの充電を要する器具を思い出して身につけなくても、そのままでいつでも自分の歩行を測れる。歩行速度の測定は臨床研究に大いに役に立ち、健康状態の予測予言に利用できることが、最近ますます立証されつつある。また歩幅の変化は、パーキンソン病などの診断に役に立つ。

WiGaitはそのほかの体調診断方法に比べて、体に何もつけないし、カメラのような気になる器具も使わないから有利だ。たとえば歩幅測定にカメラを使うと、副産物としてプライバシーの心配が生ずる。患者は歩行距離を測るセンサーなどがない方が気楽だし、自分を見張っているカメラがあるより、WiGaitのように壁に目立たないアンテナがある方が余計な緊張をしない。

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この開発は、長期的な介護や老人医学にとって大きな診療的意義がある。この二つの分野は、人間の長寿命化と社会の高齢化とともにますます重要だ。この技術のいちばん良いところは、一度セットアップすれば、患者の適応努力に伴うストレスがゼロであることだ。ウェアラブルだと、この適応努力がいつもたいへんである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

イヤフォンのワイヤレス新時代、 Appleが159ドルのAirPodsを発表

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このたった8グラムの物体が159ドルもするなんて高いと思うだろうか。その金額にはそれなりの理由がある。iPhone 7の発表後、AppleはAirPodsを発表した。従来のEarPodsに慣れ親しんでいるなら、これもすぐに気に入るだろう。AirPodsはEarPodsのワイヤレス版だ。

このイヤフォンはオーディオ処理とペアリングを行うW1チップを内蔵している。プロダクトページによると、端末からオーディオを転送する際にBluetoothを利用しているそうだ。しかし、どのBluetooth端末でも使用できるのか、あるいはApple製品にのみ対応しているのかは明示されていない。

スマホとペアリングすると、同じApple IDを共有する他のApple端末とも自動でペアリングを行うことができる。MacでもiPhoneでもiPadでも、さらにはApple WatchでもAirPodsでシームレスに音楽を聞くことができる。

フルに充電すると、音楽を5時間再生することができる。ケースは充電器の代わりにもなっているので、充電するにはAirPodsをケースに戻す必要がある。15分間の充電で3時間のバッテリーが補給される。ケースには24時間分のバッテリーを保持することが可能だ。

AirPodsには、耳に装着したことを認識するセンサーを搭載している。これによりAppleはバッテリーを節約することができる。同様に、内蔵されているマイクは、ユーザーが話している時にだけ起動する。「Her」の映画がお気に入りの人には朗報だ。AirPodsをダブルタップするとSiriを起動させることができる。

AirPodsは10月後半に出荷予定だ。iPhone 7には通常のEarPodsが同梱される。専用のライトニングケーブルも一緒だ。

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しかしそれだけではない。Beatsも同じW1チップを搭載した新型ヘッドフォンをリリースする予定で、Apple IDと連動するという同じペアリングの仕組みを採用する。

BeatsXは、秋頃に149.95ドルで販売予定だ。耳に入れるタイプのイヤフォンで、首の後ろを回るコードでつながっている。ライトニングポートもあるので、iPhoneケーブルで充電可能だ。

Powerbeats 3 Wirelessも秋に199.95ドルで販売予定だ。これはmicro-USBで充電できる。Beats Solo 3 Wirelessの方はすでに事前予約を受け付けていて、これは299.95ドルだ。これもmicro-USBによる充電だ。

ワイヤレス新時代へようこそ。もうヘッドフォンジャックの時代を懐かしく感じているかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website