次世代型mRNA創薬の実用化に向けた名古屋大学発スタートアップCrafton Biotechnology設立

次世代型mRNA創薬の実用化に向けた名古屋大学発スタートアップCrafton Biotechnology設立

名古屋大学は3月18日、メッセンジャーRNA(mRNA)の製造、分子設計・医学に関する知見、AI、データサイエンス、シンセティックバイオロジー(合成生物学)などの最先端技術を融合し、次世代型mRNA創薬を目指す名古屋大学発スタートアップCrafton Biotechnology(クラフトンバイオロジー)を3月1日に設立したと発表した。国産mRNAワクチンの速やかな供給をはじめ、がんや遺伝子病の治療、再生医療にも応用されるmRNA創薬に取り組むという。

Crafton Biotechnologyは、名古屋大学、京都府立医科大学、早稲田大学、理化学研究所、横浜市立大学の共同研究を実用化することを目的に設立された。10年以上にわたりmRNAワクチンと医薬品の開発に取り組んできた名古屋大学大学院理学研究科の阿部洋教授と京都府立医科大学大学院医学研究科医系化学の内田智士准教授らが、AI、データサイエンスを専門とする早稲田大学の浜田道昭教授、シンセティックバイオロジーを専門とし進化分子工学の手法を採り入れた次世代mRNAの製造法と設計法を開発する理化学研究所の清水義宏チームリーダー、さらに、副反応の少ないmRNAワクチンの開発を進める京都府立医科大学大学院医学研究科麻酔科学の佐和貞治教授と横浜市立大学眼科学の柳靖雄教授らが連携し、「強固なベンチャーエコシステム」を構築するという。そのとりまとめを行うのが、代表取締役を務める名古屋大学大学院理学研究科の金承鶴特任教授。そのほか、安倍洋教授が最高科学責任者、内田智士准教授が最高医療責任者に就任した。名古屋大学インキュベーション施設に拠点を置き、各研究機関の技術をライセンス化して一元的に集約。mRNA技術の事業基盤を確立し開発を促進する。

同社は数年以内に国内でmRNAを製造できる体制を整備し、安定供給を目指す。また独自の創薬技術を整備して、新型コロナウイルスに限らず、感染症のパンデミック時に独自開発したmRNAワクチンの迅速な供給を可能にすると話す。また、治療技術の海外依存度が大変に高くなっている現在、医薬品産業における日本の国際競争力を高める上で非常に重要な「ワクチンを超えた医薬品としてのmRNAの応用」として、がんや遺伝性疾患、再生医療への応用にも取り組むとしている。

カナダのワクチン義務化に抗議するトラック運転手たちの寄付サイトから個人情報流出

カナダのワクチン義務化に抗議しているオタワのトラック運転手が利用している寄付サイトが、寄付者のパスポートや運転免許証が流出するセキュリティ上の不備を修正した。

マサチューセッツ州ボストンを拠点とする寄付サービスGiveSendGo(ギブセンドゴー)は先週、GoFundMe(ゴーファンドミー)が市内での暴力や嫌がらせに関する警察の報告を理由に数百万ドル(数億円)の寄付を凍結した後、いわゆる「フリーダム・コンボイ」活動の主要寄付サービスとなっていた。

1月に始まったこの抗議運動では、新型コロナワクチン接種の義務化に反対する数千人の抗議者とトラック運転手がカナダの首都に降り立ち、渋滞で通りがマヒするほどだ。GoFundMeの募金ページが約790万ドル(約9億1200万円)の寄付を達成した後、このクラウドソーシングの巨人はキャンペーンを阻止するために介入し、募金活動を、抗議活動への支援を公言するGiveSendGoに移行するよう促した。プレスリリースによると、GiveSendGoは、同社がキャンペーンを主催した初日に、フリーダム・コンボイの抗議者のために450万ドル以上(約5億1900万円)の寄付を処理したと述べている。

TechCrunchは、AmazonがホストするS3バケットに50Gバイトを超えるファイル(パスポートや運転免許証など)が保存されていることがセキュリティ分野の人物によって発見されたことを受けて、このデータ漏えいに関する情報を入手した。

この研究者は、GiveSendGoにあるフリーダム・コンボイのウェブページのソースコードを閲覧することで、公開されたバケットのウェブアドレスを見つけたという。

S3バケットは、ファイルや文書、あるいはウェブサイト全体をAmazonのクラウドに保存するために使用されるが、デフォルトでは非公開に設定されており、バケットの内容を誰でもアクセスできるように公開するには、複数のステップのプロセスが必要だ。

公開されていたバケットには、フリーダム・コンボイのページがGiveSendGoに最初に設置された2月4日から、1000枚以上のパスポートと運転免許証の写真とスキャン画像がアップロードされていた。ファイル名から、一部の金融機関が個人の支払いや寄付を処理する前に必要とする、支払いプロセスで身分証明書がアップロードされていたことが示唆される。

TechCrunchは、GiveSendGoの共同設立者であるJacob Wells(ジェイコブ・ウェルズ)氏に、現地時間2月8日に公開されたバケットの詳細について連絡を取った。しばらくして、バケットの安全は確保されたようだが、ウェルズ氏は、GiveSendGoがセキュリティの欠陥について、情報が流出した人々に知らせる予定があるかどうかなどの質問には答えなかった。

バケットがいつまで晒されたままになっていたかは正確には不明だが、無名のセキュリティ研究者が残した2018年9月付けのテキストファイルには、バケットが「適切に設定されていない」ため「危険なセキュリティ上の影響を及ぼす」と警告されていた。

画像クレジット:Kadri Mohamed / Anadolu Agency / Getty Images

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Spotifyとジョー・ローガン氏が新型コロナ関連コンテンツへの反発に対応

米国時間1月31日、Spotify(スポティファイ)CEOのDaniel Ek(ダニエル・エック)氏は、ブログ投稿の中で、健康に関する誤った情報提供に関して高まっている論争に対応した。SpotifyがNeil Young(ニール・ヤング)氏とJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)氏の楽曲を、ポッドキャスト界の巨頭Joe Rogan(ジョー・ローガン)氏との契約へ抗議したことを受けて引き上げた後、同CEOは、Spotifyが「我々のコンテンツをより広く導くための方針に関して、透明性に欠けていた」と認めたのだ。

関連記事
Spotify、新型コロナ誤情報に抗議・宣言したニール・ヤングの楽曲を削除
ジョニ・ミッチェルもニール・ヤングに続き、新型コロナワクチン誤報問題でSpotifyから楽曲を削除

エック氏は、Spotifyが、特に新型コロナについての議論を特集したPodcastエピソードにコンテンツアドバイザリを追加するために取り組んでいることを付け加えた。このアドバイザリーは、BBC、ABC、CNNなどのニュースエピソードや、Anthony Fauci(アンソニー・ファウチ)氏や他の医療専門家のインタビューを掲載した「Covid-19 Hub」にリダイレクトされるようになっている。

「ここ数週間のフィードバックを受けて、私たちは、この前例のない時代を切り抜けるための案内をしてくれている、医学と科学のコミュニティから広く受け入れられている情報へのアクセスとバランスを提供する義務があることが明らかになりました」とエック氏は記している。「これらの問題は信じられないほど複雑です」。

昨晩投稿された10分近いInstagramの動画で、ローガン氏は同社の反応も含めてこの論争に対応している。ローガン氏は、自分の番組が誤解されていると考えており、自分がヤング氏のファンであり、自分の番組について「(ヤング氏とミッチェル氏が)そのように感じているのは非常に残念だ」と指摘している。ヤング氏とミッチェル氏の2人とも、有効なワクチンが開発される前の幼少期にポリオに感染している。

「もし、物議をかもした直後に、私がなにかできることがあったととすれば、異なる意見を持つ専門家をもっと登場させることでしょう」とローガン氏は動画の中で語っている。「確実にそれに対して前向きです。将来的には、これらのポッドキャストで異なる意見を持つ何人かの人々と話をしたいと思っています。見ていてください」と語っている。

彼は「スケジュール管理はすべて自分でやっていて、いつもうまくいくとは限らない」とも付け加えている。ローガン氏は、この番組の魅力は「ただの会話」であることだと説明し、一方で、科学的なコンセンサスがしばしば変化することにも言及している。動画の中では、2020年5月に1億ドル(約115億2000万円)といわれる独占契約を結んだSpotifyに対して、より直接的な謝罪の言葉を述べている。「今回支えてくれたSpotifyに感謝したい。彼らにこのようなことが起きていること、そして彼らがこのことで多くの注目を浴びてしまっていることを非常に残念に思う」。と彼は動画の中で語っている。

2週間前、270人の医学専門家が署名した書簡は、同音楽ストリーミングプラットフォームが「主催するメディアが科学研究に対する国民の信頼を損ない、医療専門家が提供するデータに基づく指導の信頼性に疑念を抱かせる」と非難している。この書簡は特にRobert Malone(ロバート・マローン)博士の最近のインタビューを引用しているが、これは「Spotifyのプラットフォームで発生した違反行為だけではなく、同プラットフォームがこれによって引き起こされている損害を軽減することを怠っていることに関連した例」であると指摘している。

「私は自分たちの方針、開発に情報を吹き込む研究と専門知識、そしてライン内で、幅広い議論と討論を可能にするような方法で、それらを適用する私たちの熱意を信頼しています」とエック氏は書いている。「私たちはこのことを真剣に受け止め、クリエイターとリスナーのために、専門家と提携し、私たちのプラットフォームの機能と製品機能に多大な投資を続けていくつもりです。だからといって、いつもうまくいくとは限りませんが、私たちは学び、成長し、進化することを約束します」と書いている。

この投稿では、Joe Rogan Experienceやその番組ホストについて具体的に言及できていない。また、同社はここ数週間の騒動でどれだけのユーザーがアカウントを取り消したかを明らかにしていない。この番組は以前、反トランスジェンダーとみなされる内容で非難を浴び、Spotify社内の反発を招いたことがあった。

画像クレジット:Antoine Antoniol / Contributor

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ニール・ヤング、人気ポッドキャスターによるコロナ誤情報に抗議してSpotifyから楽曲を引き上げると宣言

ミュージシャンのNeil Young(ニール・ヤング)氏は、Spotify(スポティファイ)とポッドキャスターのJoe Rogan (ジョー・ローガン)氏との独占契約が反ワクチン運動を助長しているという懸念から、同ストリーミングサービスから自身の音楽カタログを引き上げると宣言した。

ヤング氏はマネージャーとレコード会社に宛てたオープンレターで「今日すぐにSpotifyに、私の音楽はすべて彼らのプラットフォームから削除するよう伝えてほしい。Spotifyは私かローガン、どちらかを選ばなければならない。両方はあり得ない」と書いている。その後削除された内容を、Rolling Stoneが報じた

「Spotifyで独占的に配信されているJRE(Joe Rogan Experience)は、世界最大のポッドキャストであり、多大な影響力を持っている。Spotifyにはプラットフォーム上での誤情報の拡散を緩和する責任があるが、今のところ、誤った情報に関するポリシーというものがない」とも。

Spotifyは、2020年に「The Joe Rogan Experience(ジョーローガン・エクスペリエンス)」の独占配信権を1億ドル(約113億9000万円)以上の価格で購入した。しかし、ローガン氏がトランスフォビア的な発言をしたり、トランスジェンダーコミュニティに批判的なゲストを招いたりしていることが話題になるなど、契約後、Spotifyは人気ポッドキャスターである同氏との関係をめぐる批判にさらされている。

2022年1月初めには、ローガン氏がTwitter(ツイッター)から追放されたウイルス学者、Robert Malone(ロバート・マローン)博士をゲストに迎え、新型コロナウイルスに関する誤った情報を広めたことを受けて、約300人の医療専門家からなるグループがSpotifyに公開書簡を提出し、誤情報に関するルールを導入するよう求めた。

「マローン博士は、JREのプラットフォームを利用して、新型コロナワクチンに関するいくつかのデマや、社会的リーダーが国民を『催眠術にかけている』という根拠のない説など、数々の無根拠な主張をさらに広めました」とその書簡には書かれている

「これらの発言の多くはすでに否定されており、信憑性のないものです。特にマローン博士は、パンデミック政策をホロコーストと比較した最近のJREのゲスト2人のうちの1人です。これらの行動は、不適切で攻撃的であるだけでなく、医学的にも文化的にも危険なものです」。

ローガン氏はパンデミックを通して、科学的なコンセンサスに疑問を投げかけ、健康な若年層にワクチン接種を思いとどまるよう勧めたり、FDAが一般市民に注意を促している動物用医薬品で、ローガン氏が自身のコロナ治療に使用したイベルメクチンを推奨したりしている。

ニール・ヤング氏がSpotifyから自身の楽曲を削除すると宣言したことで、他のエンターテインメント関係者からも圧力がかかるかどうかはわからないが、今回の発言により、Spotifyの誤情報に対する姿勢の甘さに注目が集まっていることは確かだ。同社はローガン氏と契約した後も、世界で最も再生されているポッドキャストとの独占的な関係を他のコンテンツと同様に扱っていた。

今やSpotifyは、どのコンテンツに対価を支払い、宣伝するかという編集上の決定には、特にそのコンテンツが公衆衛生上の危機に寄与する場合には、さらなる責任が伴うという現実を突きつけられているのかもしれない。

画像クレジット:Matthew Baker / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

デジタル庁、新型コロナワクチン接種状況のダッシュボードとオープンデータをリニューアル

デジタル庁、新型コロナワクチン接種状況のダッシュボードとオープンデータをリニューアル

デジタル庁は1月24日、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種状況に関するダッシュボードオープンデータを、3回目の接種状況を加えてリニューアル公開した。2022年1月24日現在、医療従事者のデータは公開準備中という。

データに関するライセンスは、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 4.0」(CC BY 4.0)としている。また利用の際のクレジットは「デジタル庁」と記載する必要がある(「デジタル庁コピーライトポリシー」参照)。

このダッシュボードは、ワクチン接種記録システム(VRS)に記録された新型コロナワクチンの接種状況を、全国および都道府県単位で、グラフを用いて視覚的に把握できるというもの。これに関連するデータファイルは、オープンデータとして公開され、プログラムなどに利用できるよう、NDJSON(改行区切りJSON)形式またはCSV形式で提供される。

オープンデータの概要

  • 都道府県別接種回数詳細
    形式:改行区切りJSON (NDJSON)
    内容:ワクチンの接種回数を都道府県別に集計した統計データ
  • 接種日別接種回数サマリー
    形式:CSV
    内容:ワクチンの接種回数を接種日別に集計した統計データ
  • 都道府県別累積接種回数サマリー
    形式:CSV
    内容:ワクチンの累積接種回数を都道府県別に集計した統計データ

詳細は下記リンクをご覧いただきたい。
https://info.vrs.digital.go.jp/opendata/

メルクのコロナ飲み薬「モルヌピラビル」米FDAが緊急使用許可、抗ウイルス剤として2番目

Pfizer(ファイザー)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)抗ウイルス剤は、米国ではすでにいくつかの競争相手がいる。AP通信の報道によれば、米食品医薬品局(FDA)はMerck(メルク)の経口治療薬「Molnupiravir(モルヌピラビル)」について、緊急使用許可を出したという。この治療薬は、理想的には発症からすぐに投与し、ウイルスの遺伝コードに「エラー」を挿入することで、SARS-CoV-2ウイルスの複製を抑制し、リスクの高い患者の軽度または中等度の症例が重症化するのを防ぐというもの。

しかし、この薬は、PfizerのPaxlovid(パクスロビド)のようには広く使用されないかもしれない。若い患者の骨や軟骨の発達に影響を与える可能性があるため、Merckの薬は18歳以上の大人にしか使用できないが、Pfizerの製品は12歳以上の患者に使用できる。また、薬が胎児に影響するリスクがあるため、妊婦や妊活中の服用は推奨されていない。FDAは、治療中も治療後も避妊具を使用し、(妊娠を試みる前に)女性は数日、男性は3カ月待つべきだとしている。

さらに、MolnupiravirにPaxlovidほどの効果は期待できないようだ。Pfizerのソリューションが入院や死亡を90%減少させたのに対し、Merckの飲み薬は30%しか減少させることができなかった。この薬は、特にPaxlovidが使用できない場合の第二の選択肢となるかもしれない。両社の製品は変異したスパイクタンパク質をターゲットにしたものではないため、同ウイルスのオミクロン変異株にも引き続き有効だと考えられる。

それでも、新型コロナウイルスによる入院や死亡を最小限に抑えるためには、これも有効な手段の1つとなるかもしれない。米国が1000万人の患者に対応できるだけの量を発注した場合、Pfizerの薬が最も入手しやすくなるが、Merckの薬は310万人に対応できるだけの量があるという。たとえ効果が限定的であっても、それによって何十万人もの人々の命がこの病気の最悪の事態から救われるかもしれない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Jon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Merck

原文へ

(文:Jon Fingas、翻訳:Aya Nakazato)

Coral Capital、スタートアップ企業の従業員・家族向け新型コロナワクチン合同職域接種3回目の実施を発表

Coral Capital、スタートアップ企業の従業員・家族向け新型コロナワクチン合同職域接種3回目の実施を発表

シードステージを対象とするベンチャーキャピタル(VC)のCoral Capitalは12月23日、「Coral新型コロナウイルスワクチン合同職域接種プログラム」(Coralワクチン合同接種プログラム)による接種済み対象者への第3回ワクチン接種に向けて、実施体制を整えたことを発表した。前回同様、小児科・内科クリニック「キャップスクリニック」を展開するCAPSグループ、接種会場の無償提供を行った三菱地所との協力体制のもと実施する。接種対象者は、投資先スタートアップ企業およびパートナーVC45社の投資先スタートアップ企業の従業員、またその家族。開始日は2022年4月11日を予定。

「Coral新型コロナウイルスワクチン合同職域接種プログラム」概要

  • 開始日:2022年4月11日から(予定)
  • 場所:Coral Capital本社イベントスペース(東京都内)
  • 接種想定人数:約1万8000人(前回接種の7~9割の希望者を想定。年明けより希望者調査を実施し確定)
  • ワクチン:政府より配布されるワクチン

Coral Capitalは、2021年6月23日から8月11日にかけて、CAPSグループとの協働でCoralワクチン合同接種プログラムを実施。大手町の接種会場において、投資先のスタートアップ企業などの従業員、その家族を対象に1日に2000人、合計2万1563人にモデルナ製ワクチンの2回の接種を完了した実績を持つ(参考:Coralスタートアップ合同職域接種、2万人超へのワクチン接種を完了)。

3回目の合同職域接種となる今回は、CAPSグループの人員拡大とオペレーションのさらなる効率化によって、1日あたりの接種人数を2500名に拡大し、1週間程度での接種完了を目指す。

Coral Capitalは、福利厚生の面でワクチン接種が後回しになりかねないスタートアップ従業員に対して確実なワクチン接種の機会を確保すること、日本の未来を作るスタートアップの従業員・関係者の健康を守り社会のイノベーションを加速すること、効率の良い合同接種オペレーションの構築とその知見を他社の職域接種に広めることを「スタートアップ向けの合同職域接種の意義」として挙げている。

CAPSグループは、キャップスクリニックを運営するナイズとクリニックチェーンマネジメント事業を展開するCAPSで構成。年間15万件以上のワクチン接種実績や、22万回以上の新型コロナワクチンの接種実績を有する。また、コロナ禍において2万回以上のオンライン診療を実施し、高齢者向けの新型コロナワクチン接種の際には破棄リスクのあるワクチンをキャンセル待ちの人に回す取り組みを行なってきた。

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

デジタル庁は、新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」の配信をiOS / Android向けに本日(12月20日)開始しました。

同アプリでは、日本国内用および海外用の接種証明書を発行&提示可能。発行にはマイナンバーカードが必要となるほか、海外用の発行にはパスポートが追加で必要となります。新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

接種証明書はアプリを起動すればいつでも表示可能。証明書は二次元コードのほか、氏名・生年月日・接種記録(ワクチンの種類、接種年月日、ロット番号など)などが記載されます。加えて、海外用ではパスポートの国籍や旅券番号が記載されます。新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

ダウンロードURLは下記の通りです。

iOS版(App Store)
Android版(Google Play)

(Source:デジタル庁Engadget日本版より転載)

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンの開発を行う九州大学発KAICOが2.6億円調達

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンの開発を行うKAICOが2.6億円のシリーズA調達

カイコを利用したタンパク質の受託発現や、試薬、診断薬、医薬品原料の製造販売を行う九州大学発スタートアップKAICO(カイコ)は12月15日、第三者割当増資による2億6000万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合、双日、東京センチュリー、ユーグレナ。これは2020年5月25日に公表したシリーズAの追加ラウンドにあたり、シリーズA累計調達額は5億2000万円となった。

KAICOは、2020年から新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を生産し、2021年9月からは、このタンパク質を利用した新型コロナウイルスの抗体測定サービスも開始している。また2021年4月には、KAICOは、開発したワクチン抗原タンパク質が経口接種によるワクチン効果があることを確認し、特許を申請している。ワクチンの原料となるタンパク質は、通常は経口接種するとアミノ酸に分解され免疫の獲得は困難となるが、一部のカイコ由来タンパク質は経口接種でも注射と同じように免疫を持つことが確認された。

経口接種ワクチンが実現すれば、医療機関で注射を受ける必要がなく、誰もがドラッグストアで購入して飲むことができる。また常温で保存が可能なため、世界中どこへでも運ぶことができる。家畜にも、1頭ずつ獣医師が注射をすることなく、餌に混ぜて接種できるなどのメリットが大きい。

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンの開発を行う九州大学発KAICOが2.6億円調達

KAICOのコア技術は、「カイコ・バキュロウイルス発現法」と呼ばれるもの。バキュロウイルスは、昆虫を宿主とするウイルスで、異種遺伝子を発現させるために使われている。目的のタンパク質の遺伝子をカイコに挿入すると、カイコの体内でそのタンパク質が作られる。医薬品やワクチンを量産したければ、カイコの数を増やすだけでよい。即座にスケールアップが可能ということだ。また、複数の薬を同時並行して開発することもできる。

今回の資金調達で、KAICOは経口ワクチンの実現を目指して、ヒト用(新型コロナウイルス、ノロウイルスなど)と動物用の開発を進めるとしている。経口ワクチンの前段階として、カイコを使ったサプリの開発、販売も予定しているとのことだ。

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」は12月20日提供開始、申請にはマイナンバーカード必須

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が12月20日提供開始、申請にはマイナンバーカード必須

岸田総理大臣は、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書アプリを12月20日より提供すると明らかにしました。

また、厚生労働省によると、新型コロナワクチンの接種証明書(電子版)は、スマートフォンの専用アプリから申請・取得し、二次元コードで表示する方式。

上記申請時の本人確認にはマインナンバーカードが必要で、自治体によってはマイナンバーカードの申請から交付の準備までに1か月程度かかることから、アプリによる接種証明書の利用を検討している場合には、マイナンバーカードの申請を早めに済ませるよう呼びかけています。

(Source:厚生労働省Engadget日本版より転載)

福岡市がワクチン接種証明による特典を提供し経済復興支援の検証を開始、感染拡大防止と経済活動の活性化を目指す

福岡地域戦略推進協議会(FDC)、KDDIauコマース&ライフ(auCL)、ミナケアは11月18日、福岡県福岡市において、ワクチン接種証明による経済復興支援の検証を目的とした実証実験を行なうと発表した。期間は11月18日から12月31日まで。

現在、新型コロナウイルス感染症の感染状況は下降傾向にあるものの、将来の再拡大の可能性に備えて引き続き警戒が必要な状況にある。一方、対面型サービス業を中心に依然集客が厳しい商業施設の活性化が課題となっている。ワクチン接種証明を活用することでその両立を図ることができるのか、今回の実証実験によって検証する。

同実証実験の内容は、KDDIとauCL運営の総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」から福岡市を中心とした対象店舗(11月18日現在で18店舗。随時拡大予定)の事前購入型飲食店チケットを購入したうえで、当日店頭でワクチン接種証明を提示すると、ワンドリンクサービスやデザートサービスなどの特典を受け取れるというもの。店舗の検索や予約はau PAY マーケットの特集ページより行なえる。

またワクチン接種の証明は、福岡市がワクチン接種管理アプリとして利用しているミナケア製「Health Amulet」(ヘルスアミュレット。Android版iOS版)の活用を推奨している。

FDCは、同実証実験で得られた結果を福岡市における経済復興支援策の立案に活かしていくとのこと。実証実験においてKDDIとauCLはau PAY マーケットの運営とワクチン接種証明の提示による特典付き商材の提供を行なう。ミナケアではHealth Amuletの運用、接種記録機能の同実証実験向け提供を担う。さらにKDDI、auCL、ミナケアの3社は、今回の実験で得られたノウハウを基に、感染拡大防止と経済活動活性化の両立を目指す他の地域・自治体への展開を視野に入れ連携を強化していく予定。

内閣府「ワクチン・検査パッケージ」対応、playgroundが有観客イベントの感染対策をワンストップで支援するサービス提供

総合エンターテック企業のplaygroundは11月4日、有観客イベント運営における感染対策を支援する「イベント入場業務の感染拡大対策、ワンストップアウトソーシングサービス」の提供開始を発表した。

内閣府の「ワクチン・検査パッケージ」に関する技術実証事業および経済産業省のコロナ禍のイベント開催様式の実証事業で採択された、プロバレーボールチーム「ヴォレアス北海道」との実証実験では、全来場者にワクチン・検査履歴の登録を義務付け、「ワクチン・検査パッケージ」を基に合計1000名が入場したという。

なおこの「ワクチン・検査パッケージ」とは、「ワクチン接種歴およびPCRなどの検査結果を基に、個⼈が他者に⼆次感染させるリスクが低いことを⽰す仕組み」を指す(内閣官房「ワクチン接種が進む中における日常生活の回復に向けた特設サイト」)。

playgroundの支援サービスは、「入場管理面」「イベント運営面」の双方から、新型コロナウイルスの感染対策を一気通貫でサポートするというもの。興行主側の専門知識やノウハウの不足、運営リソースの不足などの課題をクリアでき、様々なイベントの実施ハードルを下げてWith/Afterコロナ時代における有観客イベントの実現が可能になるという。

入場管理においては、playground独自の入場認証機能「MOALA QR」を搭載した電子チケット発券サービス「MOALA Ticket」を利用。今回コロナ対策として、同伴者を含めた全来場者に対する来場者情報と「ワクチン・検査パッケージ」の登録を事前に行える機能を搭載したという。

まずイベント来場者は、playground提携のチケット販売各社でチケットを購入後、ウェブブラウザーで表示された電子チケット券面上において、本人確認用の顔写真・来場者情報・ワクチン接種履歴(または検査履歴)の3点を登録する。来場者は、この際発行された入場用QRコードを、スマートフォン(または紙印刷)でイベント会場に持参することになる。

イベント当日は、入場認証端末に顔とQRコードをかざす動作だけで、チケット確認・本人認証・発熱検知および「ワクチン・検査パッケージ」確認を1.5秒以内に終えられる。

興行主は全入場管理を1つの管理画面上で確認できるため、コロナ対策に向けた新たな人員拡充や設備追加、管理業務が不要となることに加え、蓄積した来場者データに基づくイベント後のアフターフォローやマーケティング活動に活かせるという。

またplaygroundによると、イベント運営支援の面において、感染対策における運営設計から、官公庁・医療機関などの関係各所とのコミュニケーション代行、抗原検査キットといった各種物品の仕入れ支援までワンストップでサポートする。playgroundは、専門業者として情報収集と対策を実施しており、日々変化する感染情報や政府方針、世論に対してタイムリーで最適な対応が可能であるとのこと。こうした部分をアウトソーシングすることで、イベント運営者はイベント本来の価値向上に集中できる環境を構築できるとしている。

2017年設立のplaygroundは、スポーツ・エンターテインメント業界に特化した技術開発、コンサルティング、SI事業を行なう総合エンターテック企業。エンタメのデジタル化支援プラットフォーム「MOALA」の提供、コンサルティング・SIサービスの提供などを事業としている。

アドビが米国の全従業員に12月8日までのコロナワクチン接種を義務付け、未接種の場合は無給休暇

アドビが米国の全従業員に12月8日までのコロナワクチン接種を義務付け、未接種の場合は無給休暇

Morsa Images via Getty Images

Adobeが、12月8日までに新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けるとして、米国の全従業員にメールを送信しました。これは、米国のバイデン大統領による大統領命令に従うためのもの。

バイデン大統領は9月、全ての連邦政府職員と契約職員、請負業者、医療関係者に12月8日までのワクチン接種を義務付けると発表しています。Adobeは米国政府との取引が多く、2021年3月には、50州すべてと提携しAdobe Experience CloudとAdobe Document Cloudでサービスのデジタル化を支援すると発表しています。このこともあり、政府と取引をするならワクチン接種が必須になると判断したようです。

なお、社内アンケートによれば、米国従業員の93.5%がすでにワクチンを接種済みか、接種過程にあるとのことです。ワクチン未接種の場合、無給休暇の扱いになるようですが、宗教的・医学的理由でワクチンを接種できない場合は考慮するとしています。

ワクチン接種の義務付けはAdobeに限ったことではなく、IBMでも同様の措置を発表済み。また、Googleも7月に出社するすべての従業員にワクチン接種を義務付けるとしています。Appleはワクチン接種を義務付けてはいませんが、11月1日以降ワクチン未接種の従業員は毎日の検査報告が義務付けられます

(Source:CNBCEngadget日本版より転載)

アップルがワクチンを接種していない従業員に対し、毎日の新型コロナウイルス検査を義務付け

Apple(アップル)は、Google(グーグル)のように全従業員にワクチン接種を義務付けるような命令はまだ出していないものの、それでも新型コロナウイルスに関する指示は締め付けを増している。Bloombergによると、アップルはワクチンを接種していない社員に対し、自宅ではなくオフィスで仕事をしなければならない場合には、毎回ウイルス検査の義務付けを始める予定だという。9月にBloombergが報じたところによれば、アップルは従業員に、ワクチン接種状況を自主的に共有するよう求めていた。ワクチン接種状況の共有を拒否した人は毎日検査を受けなければならないが、ワクチンを接種した社員は週に1回の迅速検査だけで済む。

しかし、同社の小売店であるApple Storeの従業員は、消費者に接する仕事であるにもかかわらず、毎日の検査は課せられない。ワクチンを接種していないスタッフは、週に2回の検査が義務付けられており、ワクチンを接種したスタッフは、アップルのオフィスワーカーと同様に、週1回の迅速検査を受けるだけで済む。この巨大テクノロジー企業が今後、新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けるようになるかどうかはわからないが、Biden(バイデン)政権は以前、すべての連邦事業請負業者に対し、12月8日までに全従業員へのウイルス接種を義務付けるよう指示している。Bloombergが指摘するように、アップルは米国政府にも製品を販売しているのだ。

現在のところ、アップルは従業員に10月24日までに予防接種の状況を報告し、証明を提示するように指示したと報じられているため、11月1日から新規則を実施する可能性が高い。ワクチンを接種していない従業員は、アップルのオフィスや店舗で家庭用の迅速検査キットを受け取り、自分で検査をして、その結果を社内アプリを通じて報告しなければならない。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したMariella Moonは、Engadgetの編集委員。

画像クレジット:Apple / Apple

原文へ

(文:Mariella Moon、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Tinderが「ワクチン接種有無」を表示できる新機能を日本で開始、デート相手に「ワクチン接種」を求めるニーズに対応

マッチングアプリTinderが「ワクチン接種有無」を表示できる新機能を日本で開始マッチングアプリのTinderは、新機能「ワクチンセンター」を10月15日から日本で導入します。

同機能では、“新型コロナワクチンの接種状況”や”ワクチン接種に対する考え方”などを表現したTinderオリジナルのステッカーを、プロフィールに表示できます。さらに、ワクチンセンター内に貼られたリンクから近くのワクチン接種会場の案内などを確認できます。

マッチングアプリTinderが「ワクチン接種有無」を表示できる新機能を日本で開始

若者への新型コロナワクチン接種が本格化し始めた7月以降、Tinderではプロフィール欄に「ワクチン」や「接種」というワードを使うユーザーが急増。7月単月では、日本において「ワクチン」を含んだプロフィールが前月比で2.4倍、今年1月比較で約68倍に増え、 「接種」を含んだプロフィールは前月との比較で2.3倍、1月との比較で115倍にも増加したといいます。

このような数字から、Tinderのメンバー間ではマッチ相手にワクチン接種の状況を確認したり、自分が接種済みであることをアピールポイントとする傾向が見られるといい、今回の新機能の実装に踏み切ったといいます。

(Source:TinderEngadget日本版より転載)

新型コロナワクチン輸送市場に参入するSkyCellがシリーズCで約39億円調達

医薬品やワクチンの輸送用スマートコンテナを開発するスイスのSkyCell(スカイセル)が、重要な資金調達ラウンドを発表した。2020年完了した6200万ドル(約69億円)のラウンドに続き、今回、新型コロナウイルスワクチンを含む、温度変化に敏感な医薬品輸送の改善に向け、3500万ドル(約39億円)をシリーズCで調達した。

このラウンドは、株式と負債を組み合わせた資金調達で、DisruptAD(アブダビを拠点とする政府系ファンドADQのVC部門)、SHUAA(UAEの大手アセットマネジメント会社・投資銀行)など、中東の投資家が名を連ねた。また、同社によれば「中国を拠点とする」および「チューリッヒを拠点とする」ファミリーオフィスや、スイスの大手民間保険会社であるMobiliarからの投資も含まれている。

今回のラウンドにより、同社の資金調達総額は1億3300万ドル(約149億円)に達した。

SkyCellは主に輸送用コンテナを開発している。同社のコンテナには温度維持と振動制御の機能があり、貨物の状態を継続的に報告するセンサーを備える。そのため、医薬品の劣化につながる温度変化や輸送中に発生するダメージを最小限に抑えることができる。

ワクチン物流の現場でよく言われるのが、2005年に世界保健機関(WHO)が発表した「ワクチンの50%が無駄になっている」という数字だ。これは、温度、物流、運送の問題が原因の一部だ。バイオ医薬品業界では、より楽観的な数字が使われている。SkyCellの共同創業者でCEOのRichard Ettl(リチャード・エトル)氏によると、この業界では通常、世界中に医薬品を出荷する際、先進国市場では約4%、新興市場では約12%の損失率を想定しているという。

外部の監査機関によると、SkyCellの温度逸脱率はこれまでのところ、0.1%未満だという。

TechCrunchが前回SkyCellを取り上げた2020年4月の時点では、同社は大手製薬会社8社と提携し、さらに7社と試験を行っていた。広報担当者によれば、同社は現在「上位20社の製薬会社の大半と提携している」とのことだが、それ以上の詳細は明かされていない。

同社は新型コロナ以前、合計で年間約2億5000万本の医薬品バイアル(容器)を輸送した。新型コロナ以降、この技術は1つの大きな進歩を遂げた。mRNAベースの新型コロナワクチンおよびその製造に必要な原材料を輸送できるよう再設計されたのだ。

新たに設計された容器はドライアイスを使う。ファイザー製ワクチンが求めるような摂氏マイナス80〜60度を実現するために必要となる(ただし、もはや常に必要なものではなくなった)。

ワクチンの超低温輸送には、基本的にドライアイスの使用が避けられない(UPS Healthcareは自社でドライアイスを製造しており、新型コロナワクチンの需要に応えるべく生産量を増やしている)。エトル氏によれば、SkyCellの技術は、他社に比べてドライアイスの使用量が圧倒的に少なくて済む。100キログラムのドライアイスで約120時間の使用が可能だが、到着時にドライアイスを追加すれば、ワクチンをさらに長く保管できる。

「競合他社は200キログラム以上のドライアイスを必要とします」と同氏はいう。「だからこそ、技術的にも偉業だったのです」。

同氏によると、同社は現在、新型コロナワクチンのトップメーカー3社の原料またはワクチンを輸送している(どのメーカーかは明らかにしていないが、極低温という条件から推測できるかもしれない)。

「3社のうち2社は、工場から出荷される原料のみを輸送しています」と同氏は話す。

もう1つの大きな前進は、飛行機輸送からトラック輸送への拡大だ。

ワクチンの多くは飛行機で各国に到着するが、医療用の集中倉庫にワクチンを運ぶのは多くの場合トラックだ。マッキンゼーの2021年のレポートによると、冷蔵トラックが理想的だが、常に利用できるとは限らないため、コールドボックスや大型の運搬用トラックも使われる。

トラック輸送への進出は、SkyCellのワクチン流通ネットワークの範囲を大きく広げることになる。同社は、ある大手ワクチンメーカーのヨーロッパでのワクチン流通に関与しているとエトル氏はいう。

「以前はトラック輸送を扱っていませんでした」とエトル氏は話す。「今では、私たちのコンテナは、マイナス80度と非常に低い温度の製品を輸送するためにトラックで使用されています。これは間違いなく大きな変化でした」。

同氏は、新型コロナワクチンの輸送は、同社の将来において重要な役割を果たすだろうと話す。しかし、それは彼らのビジネスの中核ではない。抗がん剤から他のワクチンまで、多くの医薬品がコールドチェーンの取り扱いを必要とするからだ。

国際航空運送協会(IATA)のCenter of Excellence for Independent Validators in Pharmaceutical Logisticsは、コールドチェーンを利用する医薬品および生物製剤の世界売上高が2024年までに4400億ドル(約49兆円)を超えると予想する。これには新型コロナワクチンの支出は含まれていない。

この業界では、3つのマクロトレンドがあるという。コンテナ再利用サービスの増加、リサイクル可能なコンテナの開発、そして電子機器を使ったリアルタイムでの貨物追跡だ。

SkyCellの動きは、こうしたトレンドと重なる部分がある。同社のコンテナが再利用可能であることは、製薬会社との提携を獲得する「大きな原動力」だとエトル氏はいう。また、箱の中にはセンサーが設置されており、出荷ごとにさまざまなデータを収集している。

エトル氏は、SkyCellが業界で起こる変化やコールドチェーン製品の需要増加に対応する態勢を整えていると考えている。これまでのところ、好ましい業績になっているようだ。

「当社の歴史上、製品の販売機会を失ったことは一度もありません」と同氏は話した。

原文へ

(文:Emma Betuel、翻訳:Nariko Mizoguchi

WHOが初のマラリアワクチンを承認、アフリカやその他感染地域の子どもたちへの接種を推奨

WHOが初のマラリアワクチンを承認、アフリカやその他感染地域の子どもたちへの接種を推奨

panom via Getty Images

世界保健機関(WHO)が、サハラ以南のアフリカおよびマラリア感染率が中程度から高い地域の子どもたちを対象に、マラリアワクチンRTS,Sの広範な接種を推奨する声明を発表しました。

WHOのテドロス事務局長は「マラリアワクチンは長い間実現できない夢だった。30年以上かけて作られたRTS,Sワクチンが公衆衛生の歴史を変えることになる」とコメントしています。

WHOはガーナ、ケニア、マラウイで2019年以降、80万人を超える子供たちを対象に実施した先行調査プログラムの結果に基づき、このワクチンをサハラ以南のアフリカや、マラリアの感染率が中程度以上の地域で展開すべきだとしています。

RTS,S/AS01 (RTS,S)と呼ばれるこのワクチンは”Mosquirix”という名称で知られています。テドロス氏は「待望の子ども用マラリアワクチンは、科学、子どもの健康、マラリア対策にとって画期的なものだ」と述べ「このワクチンを既存のマラリア予防法に加えて使用することで、毎年何万人もの若者の命を救うことができるでしょう」とコメントしています。

上記のアフリカでの先行調査の結果によると、このワクチンはマラリアの発症を39%、重症化を29%防ぐことができるとのこと。

数字だけならこれはそれほど高い効果とは思えませんが、これに虫を寄せ付けないコーティングの蚊帳などその他のマラリア対策を組み合わせることで、WHOは毎年26万人以上とされるマラリアの犠牲になる子供たちから数万人を助けられると述べています。

The Guardianによれば、ワクチンを開発したグラクソ・スミスクライン(GSK)は、最大で年間1500万回分を、製造にかかる費用の5%以下で供給するとしています。そのかわりとしてWHOとGSKは、パートナー企業や各国政府からの追加資金の提供を求めています。

WHOのアフリカ地域ディレクターのMatshidiso Moeti氏は「マラリアはサハラ以南のアフリカで何世紀も猛威を振るい、甚大な苦痛を感染者に与えてきました。今回のWHO勧告によって、この病気に負担を強いられている大陸に希望の光を提供し、より多くのアフリカの子供たちがこの病気から護られ、健康に成長できることを期待します」と述べています。

ちなみにこのワクチンは、今後のマラリア用ワクチン対応強化の始まりにすぎないとされます。

英オックスフォード大学が開発した、R21/Matrix-Mと称するマラリアワクチンはまだ試験段階ですが、今年4月に発表された研究でブルキナファソの子どもたち450人を対象とした1年間の研究で、最大77%の有効性を示したとされます。このワクチンはRTS,Sとは異なり、新型コロナワクチンと同じmRNAベースの新しい技術を用いています。

(Source:WHO。Coverage:University of OxfordEngadget日本版より転載)

YouTubeが新型コロナに続きワクチン全般の誤情報も禁止対象に

YouTube(ユーチューブ)は米国時間9月29日、ワクチンについての誤情報を禁止する新しいガイドラインを医療誤情報の規則に含めた。Google(グーグル)所有の動画プラットフォームYouTubeは以前、新型コロナウイルス感染症について危険な誤情報を広めた100万本を超える動画削除している。そして現在、YouTubeはワクチンの安全性、有効性、成分に関する誤情報を広めるコンテンツも削除するという。YouTubeは以前、新型コロナワクチンに限定して誤情報を禁止したが、今回、はしかやB型肝炎のような定期接種に関する誤情報や、地域の健康衛生当局や世界保健機構(WHO)によって安全が確認されたワクチンについての一般的な嘘も禁止するために規則をアップデートする。

関連記事:YouTubeは2020年2月以降、新型コロナに関する100万の危険な誤情報動画を削除

規則の変更は、新型コロナワクチン接種率が低い中でのものだ。米国のコロナワクチン接種完了者の割合は約55%だが、この数字はカナダと英国ではそれぞれ71%と67%で、米国より高い。バイデン大統領はソーシャルメディア上でワクチン誤情報が拡散していると指摘した。さらにホワイトハウスは国民にワクチン接種を促すためにOlivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)氏のような新星のスーパースターに助けを求めすらした。

YouTubeの今回の新しいガイドラインはFacebook(フェイスブック)に倣っている。Facebookは2月に、誤ったワクチン情報を取り締まるために使用している基準を拡大した。Twitter(ツイッター)もまた、ミスリードする新型コロナ情報の拡散を禁止し、AIと人間の組み合わせでミスリードしているツイートにラベルを貼っている。Twitterは、ワクチンとマスクは新型コロナ拡散を抑制しないという誤った主張を展開したジョージア州選出の議員、Marjorie Taylor Greene(マジョリー・テイラー・グリーン)氏を一時停止措置にすらした。

関連記事
フェイスブックがワクチン接種の邪魔をする新型コロナ陰謀論を削除へ
Twitterが新型コロナワクチン誤情報への注意を喚起するラベルを導入、まずは英語でのツイートが対象

YouTubeの新ガイドラインに違反するコンテンツの例としては、ワクチンはがんや糖尿病など慢性的な副作用を引き起こすと主張する動画、ワクチンには接種した人を追跡できるデバイスが含まれていると主張するビデオ、ワクチンは人口抑制計画の一環だと主張する動画などが挙げられる。ユーザーがこれらのガイドラインに違反するコンテンツを投稿すると、YouTubeはそのコンテンツを削除し、なぜビデオが削除されたのかをアップロードした人に案内する。初めての規則違反である場合、警告を受けるだけで罰則は科されないとYouTubeは話す。もし違反が初回でなければ、ユーザーのチャンネルはストライク1つとなる。そして90日以内にストライク3つとなると、チャンネルは削除される。YouTubeはまた、Joseph Mercola(ジョセフ・メルコラ)氏やRobert F. Kennedy Jr.(ロバート・F・ケネディ・ジュニア)氏のようなワクチン反対派の有名人に関連するチャンネルも取り締まる。

「新しいガイドラインでは重要な例外もあります」とYouTubeはブログ投稿で述べている。「科学的なプロセスにおける自由公開討論や議論の重要性を踏まえ、当社は引き続き、ワクチン政策や新しいワクチンの試験、これまでのワクチンの成功や失敗などについてのコンテンツがYouTube上にあることを認めます」。

YouTubeはまた、コンテンツが他のガイドラインに違反しない限り、ユーザーがワクチンに関する個人的な体験を議論することも認める。しかしチャンネルが反ワクチンを促進する動きをみせると、YouTubeはコンテンツを削除する。これらのガイドラインは9月29日から適用される。だが、新しい規則にはよくあることだが「完全適用」にはしばらく時間がかかる、とYouTube書いている。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

米国でApple Walletに証明に使える新型コロナワクチン接種記録を保存可能に

米国では施設に入るのに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を証明する書類が必要になる場合もある。Apple(アップル)は電子メールを探し出したり、ポケットにカード実物を携帯したりする手間をなくしたいと考えている。同社は今後行うiPhoneソフトウェアのアップデートの中で、証明として使える新型コロナウイルスのワクチン接種記録をWalletに導入する。この機能では、国際的なSMART Health Cards規格(すでにいくつかの州で採用されている)を利用して、予防接種の証明書を作成し、秘密鍵で署名し、公開鍵を作成して情報を検証します。

リリースされたばかりのiOS 15では、すでに検証可能な予防接種や検査結果を、同じ規格を使って「ヘルスケア」アプリに保存することができる。記録は、QRコードやダウンロード可能なファイル、あるいはiPhoneの「ヘルスケアレコード」を利用する医療機関を通じて受け取ることができる。

Appleは、ユーザーの全データに対して厳格なプライバシーを約束している。同社はユーザーのインポートされたり、共有されたりしたデータへのアクセスは持たず、どこか別のところに送られるときにはすべての情報は暗号化され、安全に保管されなければならない。Appleはまた、ユーザーのワクチン接種記録や、ユーザーがどのように記録を使ったかを確認することはできない。ユーザーは「承認した」サードパーティのアプリと情報を共有できるが、その時、1回限り有効というのが基本だ。

Appleはアップデートをいつリリースするのか明らかにしていない。もしあなたがワクチン接種の有無をコンサート会場やレストランと共有するというコンセプトについて懸念しているなら、この機能は楽しみではないだろう。しかし少なくとも会場に入るプロセスを合理化し、イベントに遅刻しているときには大事なものとなるはずだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

新型コロナのアルファ株・デルタ株変異体発見に貢献、ゲノム情報に特化した情報共有プラットフォームのSeqera Labsが約6億円調達

ビッグデータ時代の現在、あらゆる場所に存在する非構造化情報に秩序をもたらして理解するということは、最も重要なブレークスルーの1つだろう。ライフサイエンス分野において、この課題に取り組むためのプラットフォームを構築してきた欧州のスタートアップ(同社のプラットフォームは複数の研究所によって新型コロナウイルスの変異株の配列と特定にも活用された)が現地時間9月7日、より多くのユースケースに対応するためのツールを開発し、北米に進出するための資金調達を発表した。

バルセロナを拠点とするSeqera Labs(セケラ・ラブス)。シード資金として550万ドル(約6億円)を調達した同社は、データオーケストレーションやワークフローのカスタムプラットフォームを提供しており、科学者やエンジニアがクラウドベースのゲノムデータから情報を得たり、複数の場所からの複雑なデータを利用するライフサイエンスの応用に取り組んだりするのを支援している。

今回のラウンドはTalis Capital(タリス・キャピタル)Speedinvest(スピードインベスト)が共同で主導し、以前からの支援者であるBoxOne Ventures(ボックスワン・ベンチャーズ)も参加している。また、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏とPriscilla Chan(プリシラ・チャン)博士が科学応用のためのオープンソース・ソフトウェア・プロジェクトを支援するために設立したChan Zuckerberg Initiative(チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ)も助成金を提供している。

Seqeraは「sequence(配列)」と「era(時代)」を組み合わせた造語で、シーケンスデータの時代を意味している。同社はこれまで100万ドル(約1億1000万円)以下の資金しか調達してこなかったものの、現在では世界最大の製薬会社5社の他、バイオテクノロジーやその他のライフサイエンス分野の顧客を持ち、収益を伸ばしている。

Seqeraはバルセロナのバイオメディカル研究センターであるCentre for Genomic Regulation(CGR、ゲノム規制センター)からスピンアウトしたもので、Seqeraの創設者であるEvan Floden(エヴァン・フローデン)氏とPaolo Di Tommaso(パオロ・ディトマソ)氏が、オープンソースのワークフローおよびデータ・オーケストレーション・ソフトウェアであるNextflow(ネクストフロー)の商用アプリケーションとしてCGRで構築したのが始まりだ。

SeqeraのCEOであるフローデン氏はTechCrunchに対し、Nextflowがライフサイエンスのコミュニティで多くの支持を得て、その後さらなるカスタマイズや機能を求める多くのリクエストを繰り返し受けたことが、同氏とディトマソ氏が2018年にSeqeraを創設する動機になったと話している。NextflowとSeqeraはともに多くの利用実績があり、Nextflowのランタイムは200万回以上ダウンロードされ、Seqeraの商用クラウドサービスでは現在50億件以上のタスクを処理しているという。

新型コロナのパンデミックのような深刻な課題は、Seqera(およびその関連としてのNextflow)が科学者コミュニティで解決しようとしていることの典型例である。新型コロナの大流行は世界中で発生しており、研究所で新型コロナの検査が行われる度にウイルスの生きた遺伝子サンプルが採取される。こういった何百万件もの検査結果は新型コロナウイルスがいつ、どこで、どのように変異しているかを示す情報の宝庫であり、さらにまだ解明されていない新しいウイルスにとってもこれは非常に貴重なデータとなる。

つまり問題は、より深い洞察を得るためのデータが存在するかどうかではなく(間違いなく存在するからだ)、既存のツールを使ってそのデータを総合的に見ることがほぼ不可能だということなのである。データはあまりにも多くの場所に存在し、その量はあまりにも多く、日々増加し続けている(そして日々変化し続けている)。データを中央に集めて分析を行うという従来のアプローチは効率的ではなく、実行には莫大なコストがかかってしまう。

そこで登場するのがSeqeraだ。同社のテクノロジーでは異なるクラウド上の各データソースを重要なパイプラインとして扱い、データがすでに存在しているインフラの境界を離れることなく、1つのボディとして統合・分析することができる。ゲノム情報に特化してカスタマイズされているため、科学者らはその情報を照会してより多くの知見を得ることが可能だ。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、Seqeraはアルファ株とデルタ株の両方の変異体の発見に貢献したのである。

同社はいわゆる「プレシジョン・メディシン」の領域など、他のタイプの医療応用でも使用されており、がんなどの複雑な分野では非常に大きな可能性を秘めている。がんは患者自身の遺伝子の違いなど、多くの要因によって変異や行動が異なるため、画一的な治療では効果が出にくいためだ。

機械学習やビッグデータ解析を活用して、個々のがんやそれが異なるグループ間でどのように発症するかを理解してより個別化された治療法を生み出すアプローチが近年増えているが、Seqeraはそのようなデータをシーケンスする方法を提供しようと取り組んでいる。

Seqeraプラットフォームのもう1つの特徴として、データの専門家でなくてもデータを分析する人、つまり研究者や科学者自身が直接利用できるという点が挙げられる。同社にとってこれは優先事項だったとフローデン氏は話しているが、高度に技術的なプロセスを技術者ではない人々が使えるように設計された、今流行の「ノーコード・ローコード」ソフトウェアをこのプラットフォームが意図せずして取り入れているというのは興味深い事実である。

既存の可能性と、将来的にクラウド上に存在することになる他の種類のデータにSeqeraをどのように適用していくかという両点が、この会社を興味深いものにしており、また投資先としても興味深いものとして考えられているのだろう。

Talis CapitalのプリンシパルであるKirill Tasilov(キリル・タシロフ)氏は声明の中で次のように述べている。「機械学習の進歩とデータの量と種類の増加により、ライフサイエンスや生物学におけるコンピューター科学の応用がますます増えています。これは人類にとって非常にエキサイティングなことですが、一方で、コンピューターを駆使した複雑な実験は、コストが非常にかかり、プロジェクトごとに数百万ドル(数億円)になることもあります。Nextflowはすでにこの分野ではユビキタスなソリューションであり、Seqeraはその機能を企業レベルで推進しています。その過程で彼らはライフサイエンス業界全体を近代化しているのです。Seqeraの今後に関わって行けるということに、弊社は胸を躍らせています」。

SpeedinvestのプリンシパルであるArnaud Bakker(アルノー・バッカー)氏は「安価で商業的なDNAシーケンシングによる生物学的データの爆発的な増加にともない、増え続ける複雑なデータを分析する必要性が高まっています。Seqeraのオープンでクラウドファーストなフレームワークがもたらす高度なツールキットにより、組織は複雑なデータ分析の展開を拡大し、データ駆動型のライフサイエンスソリューションを実現することができるでしょう」と話している。

現在のSeqeraにとって、医療やライフサイエンス分野は最もタイムリーで明らかな活用分野ではあるものの、もともと遺伝学や生物学のために設計されたこのフレームワークは他のさまざまな分野にも応用することができる。AIトレーニング、画像解析、天文学の3つが初期のユースケースだとフローデン氏はいうが、天文学には限度がないため非常に適した分野なのではないだろうか。

「私たちは、現在が生物学の世紀であると考えています」とフローデン氏。「生物学は活動の中心であり、またデータ中心になりつつあります。我々はそれに基づいてサービスを構築しているのです」。

Seqeraは今回のラウンドでの評価額を公開していない。

画像クレジット:zhangshuang / Getty Images

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)