PET・布など低耐熱基材への電子部品実装技術のワンダーフューチャーコーポレーションが3.5億円調達

PET・布など低耐熱基材への電子部品実装技術のワンダーフューチャーコーポレーションが3.5億円を調達

ワンダーフューチャーコーポレーション(WFC)は11月2日、シリーズAとして総額3.5億円の資金調達を発表した。引受先はサカタインクス、リアルテックファンド。今回の資金調達をきっかけにさらなる事業拡大を目指す。

また、印刷インキ世界第3位のサカタインクス、国内最大のEMS(電子機器製造受託サービス)であるシークスとのコラボレーションを通じ、印刷技術を用いて電子回路・デバイスを形成する技術「プリンテッドエレクトロニクス」に求められる基板や配線材料、製造受託ノウハウと、WFCが持つダメージレス部品実装「IHリフロー技術」を一貫して顧客に提供し、同分野の真の社会実装を目指す。

具体的には「IH-EMS(IHリフロー技術を基盤としたEMS)の事業化」「FDS(フレキシブルデジタルサイネージ)の量産化」「ミニLED・高密度実装基板のリペア装置開発」の事業化、開発を進める。

WFCは、独自のダメージレス部品実装技術「IHリフロー技術」の事業化を目指し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」の採択を受け、実装対象物サイズの微細化を実現。2019年12月には、デジタルサイネージなどの低コスト修理を実現する受託サービス「IH-EMS」の提供を開始している。

従来のはんだリフローなどの部品実装技術では、基材やデバイスにかかる熱ダメージと、熱ダメージに耐えるために基材として柔軟性・伸縮性の低いガラスや、高価なポリイミドなどの耐熱性基材の使用が避けられない。

同社のコア技術「IHリフロー」は、IH(Induction Heating。電磁誘導)を応用した部品実装技術で、実装が必要な部分のみを瞬時に、かつ物理的なストレスなくダメージレスに実装できるというもの。この技術により、安価で柔軟性・伸縮性のあるPET・布・紙などの低耐熱性基材に電子部品が実装可能となる。また同技術により、ガラスや電源基板などの高放熱基板へのはんだ実装も容易になるとしている。

FDSについては、すでに量産装置の設計を完了し、製作を開始。看板など従来型の一般的なデジタルサイネージは、重量があり固くて曲がらない形状のため、使用用途が限定的だが、WFCのFDSはフィルム基板採用によりフレキシブル性を備えており、圧倒的に軽くて曲がるうえ異形対応が可能。車載やアミューズメント、照明や家電分野への機器に組み込んでの使用が可能となる。

これにより、既存のデジタルサイネージ市場以外の、今までにない組込み型デジタルサイネージの市場も創生できるとしている。例えばEV化が進むことで自動車のエンジンルームが不要となれば、フロントグリルの役目はエンジンの冷却機能から各自動車メーカーのデザインアイコンへと大きく変化する可能性を指摘。その際、組込み型デジタルサイネージであるFDSは、フロントグリルの形状に合わせて、組み込んで搭載可能という。「自動運転中」など外部への表示が法制化される動きもあることから、今後の市場規模拡大が期待されるとしている。

従来IH-EMSでサービスを提供しているLEDモジュールのLEDリペアサービスを進化させ、その対象サイズを小さくすることでミニLEDの生産工程内リペア装置を実現。同装置は、ミニLEDと同等サイズの微細な部品のリペアにも対応可能なため、高密度実装基板の部品リペア市場への適用拡大が期待されるという。

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カテゴリー: ハードウェア
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