グローバル・ブレインと三菱電機が共同で50億円規模のCVCファンド「MEイノベーションファンド」設立

グローバル・ブレインと三菱電機が共同で50億円規模のCVCファンド「MEイノベーションファンド」設立

グローバル・ブレイン三菱電機は1月13日、運用総額50億円のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド」(MEイノベーション投資事業有限責任組合)を設立したと発表した。ファンド規模は50億円。投資対象は、デジタルおよびグリーンイノベーション領域を中心に同社との協業の可能性を有する国内外のスタートアップ。

グローバル・ブレインと三菱電機は、同ファンドを通じて、革新的な技術やビジネスモデルを有する国内外の有望なスタートアップ企業の成長支援を行うとともに、三菱電機とのオープンイノベーションも加速させることで、事業モデルの変革や新規事業の創出を目指す。

またグローバル・ブレインは、同ファンドの運営において、有望なスタートアップ企業の発掘や投資判断、投資先スタートアップ企業に対する多面的な経営支援、IPO支援などを行う。これにより、投資先である有望なスタートアップ企業の飛躍的成長の実現を目指す。グローバル・ブレインと三菱電機が共同で50億円規模のCVCファンド「MEイノベーションファンド」設立

東工大と三菱電機が需要家の取引ニーズに応じP2P電力取引を最適化するブロックチェーン技術開発

東工大と三菱電機が需要家の取引ニーズに応じP2P電力取引を最適化するブロックチェーン技術開発

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月17日~1月23日の情報から。

東京工業大学三菱電機は1月18日、P2P電力取引を最適化する独自のブロックチェーン技術を開発したと発表した。4月から、同ブロックチェーン技術を用いたP2P電力取引システムの性能評価と探索処理の改良を行い、早期実用化を目指すとした。

売り注文と買い注文の最適な組み合わせを探索する、計算量の少ないブロックチェーン技術開発により、需要家(電力の売り手)の取引端末など小型計算機でもP2P電力取引が可能。また、余剰電力を最大限に活用したい場合は需要家の剰余電力を最大化、需要家の利益を優先させたい場合は需要家全体の利益を最大化するなど売買注文の最適な組み合わせを探索することで、様々な取引ニーズに柔軟に対応可能な取引環境を実現するという。

同P2P電力取引は、三菱電機がP2P電力取引システムの設計と約定機能の設計を担当。東京工業大学がブロックチェーン技術の研究開発、最適約定アルゴリズムの設計を担当している(東京工業大学 科学技術創成研究院 先進エネルギーソリューション研究センターの小田拓也特任教授、情報理工学院 数理・計算科学系の田中圭介教授、同学院 情報工学系のデファゴ・クサヴィエ教授、環境・社会理工学院 イノベーション科学系の梶川裕矢教授らの研究グループ)。

2009年11月から始まった、国によって制定された再生可能エネルギーによって発電された電力の固定価格買取制度「FIT」は、買取期間が2019年より順次終了し、2023年までにすぺての電力が買取期間満了を迎える。そのため、買い取りが終了した再生可能エネルギーは余剰電力となる。

余剰電力となった再生可能エネルギーは、電力の需要家(工場や店舗などの電力使用者)間で余剰電力をその時々の最適な価格で直接融通しあうP2P電力取引が、余剰電力の新たな取引手段として注目を浴びている。

そのような背景のもと、三菱電機と東京工業大学は、P2P電力取引に適した独自のブロックチェーン技術を開発した。

独自ブロックチェーン技術で柔軟な電力取引を実現

Pow(Proof of Work。プルーフ・オブ・ワーク)に代表される、暗号資産(仮想通貨)のコンセンサスアルゴリズムでは、膨大な計算処理を必要とするマイニングが一般的で、多数の高性能なコンピューターが必要となっている。また、売買の注文の約定方式は、条件の合った売り注文と買い注文から取引を順次成立される方式などが採用されており、売買注文の組み合わせの最適化などは行われていなかった。

今回開発した独自ブロックチェーンでは、これらとは異なり、需要家の計算機が取引の目標やデータを共有して、売買注文の最適な組み合わせを少ない計算量で探索する、分散型の最適化アルゴリズムを採用している。この方式を新たなマイニングとして導入し、小型計算機上で動作可能な取引の最適化を実現したという。

独自ブロックチェーンを用いたP2P電力取引では、余剰電力を最大限に活用したい時は需要家の余剰電力の融通量を最大化し、需要家の利益を優先させたい時は需要家全体の利益を最大化するなど、売買注文の最適な組み合わせを探索することで、取引ニーズに柔軟に対応するという。

東工大と三菱電機が需要家の取引ニーズに応じP2P電力取引を最適化するブロックチェーン技術開発

独自ブロックチェーンは、所定時間ごとに締め切られる需要家の売り注文と買い注文の情報と取引の目標をすべての計算機で共有する。それぞれの計算機は、取引目標に適した売買注文の組み合わせを探索し、探索結果を互いに提示する。他からの探索結果を受け取った各計算機は、受け取った中で最も目標に適した取引を選んで新たなブロックを生成し、ブロックチェーンに追加するという。

同P2P電力取引の取引価格は、売り注文の入札価格よりも高い価格、買い注文の入札価格よりも安い価格で約定する。また、入札は繰り返し行われ、取引が成立しなかった需要家は、次回の入札において前回の取引価格を参考に入札価格や入札量を変更することで、取引を成立させる可能性を高めることができる。取引の探索結果が公平になるよう、複数の同等な入札がある場合には無作為に選択するなど、探索過程にランダム性を採り入れているという。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:再生可能エネルギー(用語)東京工業大学三菱電機日本(国・地域)

三菱電機が提携するRoboTireのロボットは10分で4本ものタイヤを交換する

ある日、サービスステーションの待合室で苦痛の時間を過ごしていたVictor Darolfi(ビクトール・ダロルフィ)氏はふとひらめいた。「俺はAmerica’s Tiresに3時間もいる。工場でのタイヤ着脱にロボットを使おう」と創業者のダロルフィ氏は説明する。「サービス業界にロボットを導入してはどうだろうか」と。

これがベイエリア拠点のロボティクス企業RoboTire(ロボタイヤ)の始まりだ。同社はSpark RoboticsでCEOを務めていたダロルフィ氏が2018年10月に設立した。そして今、最新のY Combinatorスタートアップ群の一角としてステルスモードで登場する準備が整った。RoboTireは車のタイヤを即座に交換する能力を実現しており、すでに業界の関心を集めている。

「タイヤ4本の取り外し・取り付けを10分でできる」とダロルフィ氏は説明する。「人間がタイヤ4本の交換作業をすると通常60分はかかる」。もっと早く交換できる人はいるかもしれないが、1日8時間その作業をすることはできない。

三菱電機との提携のもと、現在のところ25万ドル(約2800万円)のシステムをデザインしている。サービスセンターやディーラー、その他のアウトレットに貸し付けることを想定し、パイロット事業では、早く試したい人のために、同社はタイヤ1本あたり5〜7ドル(約550〜780円)でサービスを提供する。最終的にプロダクトを本格展開するときには10〜15ドル(約1100〜1700円)になる見込みだ。

RoboTireは、このロボットが1カ月あたり1万ドル(約110万円)ほどを稼ぎ、2年で元が取れると予想している。ブリヂストンのようないくつかの有名企業と協議している一方で、カリフォルニア州・サンカルロス拠点のToole’s Garagemがパイロット事業を行う最初のパートナー企業になっている。

RoboTireは2019年2月に17万ドル(約1885万円)を調達した。その後、YCに加わる前、Type One VenturesとBackend Capitaによる100万ドル(約1億1000万円)のシードラウンドをクローズした。

自動車業界や製造業界に多くの人材がいるものの、就業機会が乏しいダロルフィ氏の地元、デトロイトでシステムの製造と組み立てを計画している。

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(翻訳:Mizoguchi