BtoBサイトで使える事例掲載方法10パターン

インバウンドマーケティングは、Webサイトやブログ、ソーシャルメディアで役立つ情報を提供し、自社を見つけてもらい、見込み顧客を獲得・育成して、顧客になってもらうためのマーケティング手法です。

「見つけてもらう」ことから始まるインバウンドマーケティングの一連のプロセスでは、潜在顧客・見込み顧客に役立つコンテンツを提供することが重要になります。

ブログやホワイトペーパーなど「コンテンツ」には様々な種類がありますが、その中でも「事例」はBtoB企業でも取り組みやすく、Webサイトで最もよく閲覧されるコンテンツであるため、コンテンツ強化の第一歩に事例を作成したい!というご相談が増えています。

そこで今回は、事例作成の参考になればと思い、サイト内での事例掲載方法のパターンをご紹介します!

事例掲載の10パターン

1. 導入事例

課題を感じたキッカケから選定プロセス、導入後の成果などをまとめて紹介します。

事例:ケーススタディ – 株式会社ジャストシステム様|TAM

2. お客様インタビュー

選定プロセスや導入後の成果に加え、喜びの声をお客様にインタビューします。

事例:[震災復興支援プロジェクト特別コンテンツ]遠隔授業活用事例 | テレビ会議システムなら日立ハイテクノロジーズ

3. 動画インタビュー

お客様インタビューの様子を動画にします。

事例:ユーザインタビュー|事例紹介|どこでもプロジェクト管理バックログ

4. 社名伏せ事例

具体的な社名を出せない場合、「A社」のように社名を伏せて、プロジェクトの内容を紹介します。
社名が出せない点をカバーするため、解決アプローチを細かく記載したり、価格を記載しましょう。

事例:スーパーマーケット 中国地方 A社様向け導入事例│販売管理システムならテスク

5. 社内事例

上記同様、具体的な社名が出せない場合は自社での導入事例を紹介します。社外の事例よりも詳しく背景や解決策、効果を記載できるはずです。

事例:実践事例 I/O機器のトータル管理でセキュリティとペーパーレス化を推進 | 大塚商会

6. ケーススタディ

製品・サービスを活用した課題解決方法を架空のケーススタディとして記載します。

事例:フェイシャルマスクパックの4方シール包装|株式会社トパック

7. 実績集計

導入事例が多数ある場合、企業規模や業種などの軸で事例を集計します。

事例:導入事例|導入実績グラフ│生産管理システムのMCFrame

8. 数値化

個別の事例ではなく、導入企業数や利用人数を数値で紹介します。

事例:お客様事例 | クラウド型CRM・顧客管理システムSynergy! [シナジー!]

9. ロゴ掲載

ネームバリューがある企業の導入事例が豊富であれば、ロゴを一覧で掲載します。

事例:顧客 | Brightcove

10. 地域別

全国的にサービスを提供している場合は、地域ごとに導入実績数を掲載します。

事例:導入実績 | 電子カルテ・電子カルテソリューションの販売・サポート | 株式会社ワイズマン

BtoB企業ブログで使えるコンテンツアイデア19個

インバウンドマーケティングにおいて、ブログは非常に重要な施策の一つです。昨今のインバウンドマーケティング/コンテンツマーケティングの隆盛もあり、ブログを始めたい、強化したい、というご相談をいただくことが増えました。

ただ、ブログを書いた経験がない企業様の場合、「どのような記事を書けば良いのかわからない」というご相談も同時にいただきます。

そこで今回はBtoBの企業ブログにおけるコンテンツアイデア19個を参考ブログと共にご紹介します!

顧客となるユーザが知りたい情報であることが前提ですが、まとめ方の類型を知ることで、今後記事を企画する際の参考にしていただければ幸いです。

1. 製品の使い方紹介

製品の使い方をブログ形式で紹介します。顧客からよく質問されることを説明したり、使い方を提案します。

2. 製品のアップデート情報

新機能の追加情報を紹介します。魅力的な追加機能は新規顧客の獲得にもつながります。

3. FAQ(よくある質問)

製品に関するよくある質問やセミナーなどで寄せられた質問にまとめて回答します。

  • 事例:よくあるご質問 : カード決済 × ネットショップ FAQブログ│GMOペイメントゲートウェイ

4. 用語解説

業界で使われる用語を詳しく解説します。

5. 業界ニュース

業界の最新動向を紹介します。業界ニュースをまとめたり、大きなニュースであれば一つの記事で紹介しても良いでしょう。

6. 調査レポート

調査を実施し、結果と考察を紹介します。

7. 事例紹介

導入事例を紹介します。

  • 事例:CREATIVE SURVEY LAB. BLOG: » クリエイティブサーベイ写真調査の事例まとめ

8. 他社事例研究

トレンドや重要なポイントを学べる他社事例を研究し、エッセンスを紹介します。

9. 企業担当者インタビュー

導入企業の担当者や業界内で成功事例として知られる企業の担当者にインタビューを行い、成功の秘訣などを語ってもらいます。

10. キーパーソンインタビュー

企業担当者だけでなく、業界のキーパーソンに対するインタビューも有効です。

11. コラム

見込み顧客・顧客が知りたい情報を執筆者の意見や分析を加えて紹介します。

12. HowTo

見込み顧客・顧客が抱える課題をどのように解決すれば良いかをまとめます。

13. まとめ

世の中に分散している情報をまとめて紹介します。

14. インフォグラフィック

情報やデータをインフォグラフィックを使って、視覚的にわかりやすく伝えます。

15. イベント告知

セミナー開催やカンファレンス出展の情報をお知らせします。

16. 自社イベントレポート

開催したセミナーやカンファレンス、勉強会の後に当日の内容をまとめて紹介します。

  • 事例:第3回セミナーレポート : 利用シーン10選と4つの質問でレベルアップ – SurveyMonkey Japan Blog

17. 社外イベントレポート

社外のセミナーやカンファレンスに参加した後に当日の内容をまとめて紹介します。

18. 寄稿

外部のエキスパートに記事を寄稿してもらいます。

  • 事例:徹底解説!!フーモアのアートディレクターによるソーシャルゲームイラストの制作手順! | ソシャマノートブログ

19. 翻訳記事

海外の記事を翻訳して、紹介します。

リンク否認ツールの使い方・注意点・使用事例などまとめ

昨年10月にリンク否認ツールが公開されてから早4ヶ月が経ちまして、リンク否認ツールを使用した後に再審査リクエストに成功する事例なども見受けられるようになってきました。今回のブログでは、改めて否認ツールについての簡単なおさらいや、いくつかの事例のご紹介を致します。

リンクの否認ツールとは

何のためのツールか

googleのウェブマスター向け公式ブログでは否認ツールについての記事が2つあります。昨年10月17日の記事には

この新しいツールは、サイトへの不自然なリンクを理由に手動によるスパム対策が実施されているというメッセージが Google から届いた際に、ウェブマスター向けガイドライン違反となる箇所の違反状態を解消するためにお使いいただけます。サイトへの不自然なリンクに関するメッセージが届いていない場合は、このツールを使う必要はありません。

というように書かれており、手動ペナルティに対する再審査リクエストのためのツールと説明されています。しかし10月26日の記事のQ&Aの中では、

質問: 「サイトへの不自然なリンク」の通知を受け取っていなくても、予防策としてリンク ファイルを作成すべきですか?

回答: 通称 “Penguin” アップデートの影響がサイトに及んでおり、スパムの疑いのあるリンクや低品質なリンクを設定したことが原因ではないかと思う場合は、サイトへのリンクを調査し、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反するリンク プログラム などによるリンクを否認することをおすすめします。

というQ&Aが記載されており、手動ペナルティを受けた状態でなくとも、粗悪なリンクによる悪影響を取り除くためにも使用したほうが良い、としています。

後ほどの注意点にも書いてある内容になりますが、Googleは否認ツールについて、「本当に必要な時にしか使用すべきでない」と何度も解説しています。前者の記事で手動ペナルティを受けた状態で使用するツールであると説明しているのは、「なぜ貼られているのか不明で大した恩恵もなさそうなリンクはとりあえず全部否認してしまおう」というような使い方を防止するためのものでしょう。したがって、手動ペナルティ時に限らず粗悪なリンクによる影響やリスクを取り除きたいときに、やむなく使用するツールといえます。

否認ツールの使い方

否認前後のフロー

否認するリンクを1行1URLずつ、プレーンテキスト(.txtのファイル)に記載します。ドメイン単位で否認することも可能で、その場合「domain:www.example.com」というように書きます。なお否認するリンクについては、WMTから確認できる被リンクの他、Majestic SEOOpen Site Explorer等のツールから検出できるリンクも合わせて精査することで、より多くのリンクをチェックすることができます。
否認リンクリスト

ファイルを準備したら、WMT上の設定画面より、下図のようにファイルをアップロードできます。
リンク否認フロー
なお、リンク否認が正しく行われると、以下のようなメッセージが届きます。
否認確認メール
また、否認ツール使用後はリンク登録画面が下図のようになります。否認したリンクの確認や、否認の解除を行うことができます。もちろん新たにリンクを否認することも可能です。
否認編集

使用上の注意点

あまり安易に使わないことがまず重要です。Google公式ブログなどでも度々言及されていますが、まず粗悪なリンクについては削除を試みることです。削除を試みた上で、どうしてもできないものに限り否認を使う、というようにするのがよいでしょう。

また、上図でも度々使用を確認されていますが、使用に当たっては慎重になる必要があります。間違って否認をしてしまった場合、内容を差し替えることはできますが、それが反映されるまで更に数週間かかると言われているからです。また、ドメイン単位で否認する際はそのドメインから正当なリンクを受けていないか確認した方がよいでしょう。

リンク否認後の順位推移

順位推移事例1

否認ツールを使用した事例です。もともと上位を維持していたキーワードでしたが徐々に順位が下がってきており、特に昨年12月頃から下降のペースが上がってきていました。SEO目的の粗悪なリンクが設置されており、前々から削除を試みてはいましたが、削除しきれないものも多くありました。具体的には無料なディレクトリ型検索サイトからのリンクや、昔ながらのワードサラダで生成したテキストからのキーワードリンクがその大半を占めていました。そのような中で、12月中旬より大きく順位が下がったためリンクの否認を行う運びとなりました。

リンクの否認後もしばらくは下がっていましたが、2週間ほど経った頃から順位が回復していき、1か月後には下がる前の水準まで戻りました。googleの公式ブログでも、否認後効果が出るまで数週間の期間を要することもあると書かれていますが、ちょうどそれに該当する時期での回復となります。

順位推移事例2

こちらも同様の事例で、どうしても粗悪なリンクが削除できていなかったため、順位の下降後リンクの否認を行いました。約2週間後に順位がある程度回復しています。これだけで否認の効果があるとは全く断定できませんが、このような事例はけっこうあるため、使う価値はあるでしょう。

まとめ

仮に粗悪でリスクを伴う不自然なリンクであっても、上位表示という恩恵を受けているケースは今でもまだまだあります。しかし、ペナルティなど明らかな下落は起きておらずとも、粗悪な被リンクにより順位が安定しないことや、伸び悩んでしまうことも現実には多くあります。

そのような場合、どうしても問題の解消が不可能な場合は、リンク否認ツールの使用により改善が見込める可能性はありそうです。しかし、実際に否認ツールを使っても再審査リクエストに合格できない事例や、特に何の変化が見られないというような事例も多くあります。

どちらにせよ問題を解決してくれる万能ツール、というわけではないことは間違いなさそうですので、不自然なリンクが多く残っている場合には、まずはそれらのリンクの削除を試みた上で、否認ツールはどうしても削除が難しい場合の「最終手段」として使用する、くらいが現時点ではちょうど良さそうです。

文責 : 志水

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不自然リンクによるGoogleペナルティ解除事例 (基礎編)

ここ1年で、ペナルティを受けてサイトの検索順位が下落したというケースが急増しましたが、2013年に入ってもペナルティにお悩みの方はまだまだ多くいらっしゃるのが現状です。弊社におきましても、未だにペナルティ解除に関するご相談のお問い合わせを数多く頂きます。そこで今回は、改めて初心者の方向けに基本的なペナルティ解除方法とペナルティ解除に成功した事例に関してご紹介させて頂きます。

ペナルティ解除までの大まかな流れ

  1. 自サイトに向けられている外部リンクの調査・精査
  2. 不自然なリンクに該当すると思われるリンクの削除
  3. 何かの事情でどうしても削除できないリンクの否認
  4. 改善の経緯をドキュメント化し、再審査リクエストの送信

基本的な流れは上記4項目です。あとは解除されるまで粘り強く上記の繰り返しです。

ペナルティ解除の一例

以下、ペナルティ解除に成功した事例についてのご紹介です。

・ご契約に至るまで
クライアント様が自社サイトの順位下落を不安に思い、ペナルティを受けていると判断されて弊社にご依頼頂きました。
(この時点でウェブマスターツールに警告メッセージは来ておりませんでした。)

・ペナルティ解除フロー
下図は、解除に至るまでの順位推移とその期間の対応です。
flow1

解除のために、先ずはクライアント様が過去にご依頼していたSEO会社に、残っていたリンク削除依頼を出し、6月中旬に1回目の再審査リクエストを送信したところ、7月中旬にウェブマスターツール上で「ガイドラインに違反しています」のメッセージが確認されました。

この時点で手動ペナルティを受けていることが確定しました。初回で解除に失敗したのは、削除依頼したリンクが少し残ってしまっていたことが理由と考えられます。(この時ガイドライン違反と思われるリンクがおよそ90リンク残っていました。)

解除に失敗した際の返答メッセージです。
miss

そこで再度リンクを精査し、過去のSEO会社に改めて削除依頼を行い、SEO会社が管理していないリンクに関してはブログサービスなどのサービス会社に直接削除依頼を行い、9月初旬に2回目の再審査リクエストを送信しました。

その際、どうしても削除できなかったリンクに関しては、その理由と削除努力を記載しました。その結果、9月中旬にウェブマスターツールに「Webspamチームによる手動の対応が取り消されました」との返答メッセージがきてペナルティ解除に成功しました。

解除に成功した際の返答メッセージです。
success

ペナルティを解除するために必要なこと

「ペナルティの要因となっていたリンクをしっかりと削除すること」これに尽きるでしょう。上記の事例では、そのためにクライアント様にも迅速に対応頂き、過去のSEO会社にも削除に対応してもらえました。

当時はまだリンクの否認ツールも公開されておらず、とにかくペナルティの原因と考えられるリンクを削除する以外に方法がありませんでした。また、どうしても削除できないリンクに関しては、削除できない理由と削除するためにどのような努力をしたのかをしっかりとドキュメント化し、再審査リクエストに盛り込みました。

このように順調にリンクの削除とその他の対応が進められれば、ほとんどのケースでペナルティ解除に成功しています。また、裏を返せばそれ以外のケースはいつまでたってもペナルティを解除できないということが大半です。

  1. リンクを削除できない、過去のSEO会社が削除対応してくれない。
  2. 削除努力をせずに再審査リクエスト、否認ツールを利用する。
  3. 削除のためにとった行動の詳細を再審査リクエストに記載しない。

といった場合です。ご相談いただくお問い合わせの中には、リンクを削除する前に再審査リクエストを送っていたり、否認ツールを利用している方もまだまだ多いようです。それだけではペナルティを解除するのは難しいでしょう。
(再審査リクエストに記載すべき内容はGoogleも公式に発表しています。)

まとめ

一にも二にも、問題となっているリンクが削除され問題が解消されることがペナルティ解除のための最大の近道であり、かつ唯一の手段であると言えます。特にペナルティを受けていてもある程度の順位がついていたり、ロングテールのキーワードでの流入が残っていたりすると、「アクセスがなくなったわけでもなし、リンクを削除してしまうとこれが更に減ってしまう可能性があるのではないか」との思いからリンク削除に躊躇しがちになってしまうこともあるかと思います。

しかし、サイトのSEOに関してもしも長期的な視座に立てる状況であれば、その場しのぎの対応をとるのではなく、しっかりと問題を解消してペナルティを解除した上で改めてSEOを行っていく、ということが、結果的にサイト全体のパフォーマンスを高めることにも繋がるでしょう。

文責:ヴォラーレ株式会社 渡邉

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Webサイト・ブログ運営の2012年振り返り

ガイアックスはBtoB企業に対してインバウンドマーケティングへの移行支援をしていますが、弊社自身もインバウンドマーケティングを実践しています。

本サイト(inboundmarketing.jp)は2011年7月に立ち上げましたが、昨年はインバウンドマーケティング/コンテンツマーケティングの盛り上がりもあり、アクセス数・リード獲得数が大きく伸びた年でした。

今回はこれからインバウンドマーケティングを実践する方の参考になればと思い、本サイトの2012年の振り返りデータを共有します。

結果サマリー

まず、訪問数・PV数・リード獲得数の数値的な結果です。

  • 1月と11月の比較で、訪問数は2倍、PV数も2倍、リード獲得数は8.5倍に増加
  • ブログの運営体制を変更し、コンテンツ作成を本格稼働させた6月から特に右肩上がりの傾向
  • 7月にはてブ800超の記事があったものの、資料ダウンロードやメルマガなどへの導線がなかったためかリード獲得には貢献せず
  • 逆に、ブログから資料ダウンロードへの導線を強化した10月からリード獲得数が大幅に増加

ソーシャルメディア経由の流入数

本サイトへのソーシャルメディア経由のアクセスを抽出しました。

7月のはてブのホットエントリー入りがあまりにも強力でしたが、瞬間風速的な効果が強いため、記事を出せなかった3~5月はほとんど流入を獲得できていません。

ただ、コンテンツ作成に力を入れた6月以降は、を他社のFacebookページや一般ユーザの方に過去の記事を紹介いただけるようになり、安定した流入が獲得できています。

検索エンジン経由の流入数

別ドメインで運用していたブログの記事をいくつか10月に移行した影響もありましたが、2012年に最も手応えを感じたのが検索エンジンからの流入数増加です。

お客様へのヒアリングから、BtoBのWeb・マーケティング情報への接触はソーシャルメディアよりも検索エンジン経由が圧倒的に多かったため、BtoB関連ワードでの上位表示獲得を当初から強く意識していました。

記事がソーシャルでシェアされるようになった6月以降、大量にシェアされた記事が軒並み検索結果上位にランクイン。予想を超えて検索エンジン経由の流入数が増加しました。

2013年1月には検索エンジン経由の流入数は6,500を超え、資産として順調に積み上がっているのを感じます。

主要キーワードでの検索順位

上位表示を狙っていたキーワードの順位を抜き出してみました。

お客様へのヒアリングから「BtoB ◯◯」のように「BtoB」を掛けあわせての検索が多かったため、ブログ記事のタイトルに「BtoB」をほぼ毎回入れ、見つけてもらいやすくしました。
弊社のお客様では業種や業態よりも自社が「BtoB企業であること」を強く意識しているため、記事がソーシャルメディアでシェアされた際に「BtoB」と入っていた方が目に留めてもらいやすいのでは、という考えもありました。

現在、サイト訪問者の65%がブログを窓口に流入しており、予想よりもはるかに多い割合になっています。また、上記キーワードでのランクインページの大部分はブログ記事です。

人気・不人気記事TOP3

 

ブログが本格稼働した6月からの半年間、計20本の記事を更新した中でのトップ3とワースト3を調べてみました。

トップ3ははてブやソーシャルメディアと相性が良い、デザインやソーシャルメディア系の記事。はてブ、いいね!、ツイートが集まった人気記事は様々なキーワードで検索上位に表示され、数ヶ月前に更新した記事でも未だに月1,000~1,500ほどのアクセスを稼いでいます。

反対に、不人気記事のトップ1・2は共に翻訳記事になってしまいました。

2012年 効果の大きかった施策

「コンテンツが重要!」=「良質なコンテンツを作成すれば大丈夫」となりがちです。

しかし、検索エンジンやソーシャルメディアで「見つけてもらう」施策。サイトやブログ、LPのデザイン・ユーザビリティを改善し、リード獲得率を上げる施策など、いわゆるWeb構築ノウハウの重要性を再認識した1年でした。

下半期、特に効果の大きかった施策を一部ご紹介します。

  • 6月:ブログの運営体制を変更し、コンテンツ作成へのリソース投下を本格化
  • 9月:Webサイトリニューアル
  • 9月:ブログ記事のタイトル方針を検索エンジンで見つけられることを重視したものに変更
  • 10月:ブログ記事の下に資料ダウンロードのバナーを設置
  • 11月:資料ダウンロードのバナー内文言を変更
    → 詳しくは【ABテスト事例】バナー内文言の変更で資料ダウロード数4倍をご覧ください

良かった点

本サイト(サイト・ブログ)を中心にメールマガジン、セミナーなど、インバウンドマーケティングの取り組みを強化した結果、サイト訪問数・リード獲得数の増加以外に以下のような効果がありました。

  • 有効商談率の向上
    →ブログやセミナー、メールマガジンを通じて、弊社をよく知ってもらった後にご相談いただくため、お問い合わせから具体的な商談に結びつくまでの確率が上がりました。
  • 成約率の向上
    →同様の理由で、BtoB企業のWebサイトリニューアル、インバウンドマーケティングへの移行に関するご相談では、商談から受注に至る成約率も上がりました。
  • 社内の営業・マーケティング資産の再発掘
    →ブログやeBookを作成する過程で、社内に眠っていたノウハウの再発見が何度もありました。

改善したい点

一方、コンテンツの更新頻度を上げることには正直、苦労しました。

普段のお客様とのやり取りの中で「こういう情報があれば参考にしていただけるのでは?」というネタは山ほどあるものの、コンテンツに落とすまでには相応の時間が必要です。

社内のノウハウ、事例、TIPSは可能な限り公開していく方針ですが、発信できていない情報がまだまだ多く残っています。

他事業では、外部のエキスパートの方にコラムを寄稿いただいたり、複数人でブログを運営していますが、本サイトもより多くの方にご協力をいただきながらの運営を検討中です。

今後の打ち手

ブログ、eBookなどコンテンツの発信頻度向上

BtoB企業のWeb・マーケティング担当の方が困っていること、知りたいことに答えられる情報をより幅広く揃えたサイトにするため、ブログ・eBookなどのコンテンツ作成によりリソースを投下していきます。

セミナー開催頻度の向上・内容の充実

弊社では、ブログやメールマガジンを通じた継続的なコミュニケーションの後、一度セミナーにご参加いただき、具体的な相談をいただくケースがほとんどです。
ブログ、eBookよりも踏み込んだ情報提供の場、弊社をより深く知っていただく場として、 セミナーの充実を予定しています。

社内調整に使える情報の発信

BtoB企業がテレアポや飛び込みなどのアウトバウンド型営業から、インバウンド型の営業・マーケティングに移行する場合、社内説得が大きなハードルになります。

そもそもWebサイトを充実させることから、コンテンツ発信の重要性を理解してもらうことまで、一歩一歩、成果を出しながら周りを巻き込んでいく必要があります。

2012年後半、インバウンドマーケティングが大きく盛り上がりました。
実践者が増えてくる2013年、ただ単にノウハウや事例を公開するだけではなく、実践する方が社内調整に使っていただけるような形で情報発信していきたいと思います。

【ABテスト事例】バナー内文言の変更で資料ダウロード数4倍

社内で実践したWebサイト改善施策の中から、効果の高かったものをお伝えします。今回はバナーデザインのABテスト事例です。
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Webからのリード獲得数を増加させるために社内でも日々、Webサイトやブログ、ランディングページを改善しています。

目標達成に向けてサイト改善を繰り返す中で、自信を持って改善したものが、蓋を開けてみると改善する前よりも効果が悪かった…という経験も過去に1度や2度ではありません。
仮説が外れてしまう経験を何度かした後に社内で頻繁に使うようになったのが、今回ご紹介するABテストです。

BtoBでは、Webからのリード獲得数を目標にしているサイトが多いと思いますが、今回はリード獲得の中でも資料ダウンロード数を増やすために実施したABテストをご紹介します!

結果サマリー

■Aパターン:『無料資料プレゼント!』を目立たせたパターン

【資料ダウンロード数】15件/月
【クリック率】0.35%

■Bパターン:具体的な資料名を目立たせたパターン

【資料ダウンロード数】62件/月
【クリック率】1.41%

A/Bテストの内容

ゴール

月間のリード獲得目標から必要な資料ダウンロード数を逆算。資料ダウンロード数を増やすこと、そのためにバナークリック率の向上を狙いました。

仮説
  • 資料ダウンロード数を増やしたかったが、ブログ記事下のバナーのクリック率が低く、資料ダウンロード件数が少ない
  • バナー内の文言が「無料資料プレゼント!」では、どんな資料が提供されているのかわからないのではないか
施策内容
  • バナー内の文言を「無料資料プレゼント!」ではなく、具体的な資料名「インバウンドマーケティングを実践するまでの道のりと大切なこと」に変更
結果

分析(達成/未達成の要因)
  • 資料ダウンロードページへの誘導数が4倍に増加
  • 結果、資料ダウロード数も4倍に増加
  • 「無料資料プレゼント!」よりも、具体的な資料名にした方が提供される資料をイメージできるため、クリック率が上がるのではないか
今後の打ち手
  • バナー文言が同じ資料名のままでは、リピートユーザに飽きられてしまうので定期的にeBookを作成し、バナーを更新する
  • eBookごとにバナーを作成して、ランダム表示にする
  • eBookの数が増えてきたら、記事の内容ごとに表示するバナーを最適化させる

内部リンクの構造の変化がアクセス数に与えた影響

今回の記事は内部リンクの最適化がSEO対策上及ぼす効果に関する話題です。SEOで「リンク」と言えば外からのリンク(外部リンク)を指すというイメージもある方もいるかもしれませんが、内部リンク(サイト内リンク)はサイト内で行き来するリンクのことで、ユーザーを受け渡すという意味では大きく価値は変わりません。

内部リンクのSEO対策における重要性

「外部リンクだけではなく、内部リンクも変わらず重要です」というのは簡単ですが、実際にどのような価値があるのかということを言われると、その役割は様々で一口に言うのは難しいです。

こちらで書くと長くなりますので別のブログの関連記事を紹介します。

「検索エンジン最適化」について再考・まとめておく- 天照SEOブログ

私が個人的に別で書いている記事ですが、この中に内部リンクに関する重要事項がかいつまんで話されているので参照下さい。上記記事の言葉を借りて以下に内容を簡単にまとめると、

  • ページランクの調整
  • リンク階層の調整
  • WEBページ間の情報の関連付け
  • アンカーテキストで端的にページの主なテーマを示す

という内容になっています。詳細はこちらでは割愛しますが、サイト内のナビゲーションという意味だけではなく、SEO対策に於いても色々な意味を持っていると言えます。

内部リンクの改悪・改善が検索流入数に与える影響

約1年半前にオープンし、SEOを弊社で行ってきたとあるクライアントさまのWEBサイトを2011年の春~7月にかけてリニューアルしました。目的は主にUI(ユーザーインターフェース)の改善によるPV(ページビュー)数の増加と直帰率の低下、SEO対策面での強化、その結果としての問合せ数の向上です。

UI・デザイン面での向上をはかるにあたり、少し(見た目上)目立って露出されていた内部リンクを、一旦どのページからも外してみた時期がありました。その関係で、一部のアーカイブのページへの内部リンク(※)が極端に減少しました。それが下記図の①の時期です。

この時期に検索エンジンに関わる変更はそれ以外には行っておらず、その減少が内部リンクの構造の改悪によるものと判断し、その後にそれを修正し、見た目上のストレスにならない位置へとそれを以降しました。また、その他でもそれが下図の②の時期です。

クリックで拡大
※クリックすると画像が拡大して見られます。

ちょっと見た目には分かりづらい変化ではありますが、実際に数字を見てみると6月中旬から7月上旬にかけて、それまでのアベレージのアクセス数に比べて約10~15%程度(数で言えば約25~40/日 程度)の減少があり、実際に新しいコンテンツを追加した後にそのページが明らかにランキング上位にヒットしなくなったということも実際に見られました。

②以降数日後からは順調に回復し始め、最終的にはその他のUIの改善に伴い更に内部リンクを強化(主にTOPページから下位ページへのリンクの見直し)を行い、つい先日ようやく過去最高の検索流入数(492)をマークしました。2ヵ月前からの推移を見ればそれなりの%での改善が出来ています。

また、PV数もまだまだとは言えリニューアル前後で見れば大分改善しています。

PV数の推移

※①の内部リンクは、イメージではブログでいう「タグ」とか「カテゴリ」へのリンクのようなアーカイブに飛ばすリンクのイメージです。

簡単にまとめ

少しざっくりとした内容ではありますが、基本的なことは昔から誰かが言ってきたことで、特に難しいテクニックを使っているわけではなく、重要なページには内部リンクを集めた方がよく、関連性の高い内部リンクは価値があり、アンカーテキストは端的にキーワードで書いた方が分かりやすく、、などということです。

言われてみればどこかで聞いたことがあるようなフレーズですが、やはりSEOと言うとどうしてもそのあたりの意識が飛んでいってしまってテクニックというか小技を頭に描いてしまうのは我々SEO業者の良くないところかもしれませんが、一旦冷静になって考えてみるとちょっとした一部の改善だけで少なくとも数%とか数十%くらいのアクセス改善は行えるのではないかと思います。

内部リンクの最適化は特にページ数が多い、更新が多いなどというWEBサイトでは特に影響力が大きいので、あまりナメてかからない方が良いですね。ご参考までに。

ヴォラーレ株式会社 土居健太郎

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