人事ソフトのRipplingとGustoが広告看板をめぐり「どちらもどっち」な言葉のバトル

企業向け人事サービスを提供するZenefits(ゼネフィッツ)が問題を起こし、CEOのParker Conrad(パーカー・コンラッド)氏が追放されたときのことを憶えておいでだろうか。そのコンラッド氏が、Rippling(リップリング)という従業員の新人研修スタートアップを立ち上げたが、「Gustoを超えた? なら今すぐ変わろう」という別の人事サービス企業Gusto(ガスト)との比較広告を出している。

問題は、Gustoがこの広告を取り下ろすよう、Ripplingと広告看板の管理会社Clear Channel Outdoor(クリア・チャンネル・アウトドア)に停止命令を出したことだ。通常、比較広告は内容が正しい限り法的に許されるため、これは異例だ。Gustoは人事、福利厚生、給与計算のソフトウェアを販売している。Ripplingも同様のソフトウェアを販売しているが、それにIT管理を加えて従業員識別プラットフォームと統合している。

Ripplingが私に伝えたところによれば、同社に乗り換える顧客がその最大の理由に挙げているのが、企業の成長にGustoが追いつかなくなったことだという。Gustoの顧客事例には、61人以上の顧客は記されていない。Enlyftの調査では、同社の顧客は社員数10人から50人の企業が中心となっている。「2019年、Gustoのプラットフォームを去ったとき、我々がGustoにとって最大の顧客でした。彼らの製品は我々の事業規模には適していないと、正直に事実を話してくれました。昨年の秋にRipplingに乗り換えて、大変に満足しています」と、Compass Coffeeの共同創設者Michael Haft(マイケル・ハフト)氏は語っている。

それらの話を総合すると、広告におけるRipplingの主張は妥当に思える。しかし、停止命令では「Gustoの顧客には従業員数が100名を超える企業が複数あり、特定規模の事業がそのプラットフォームの許容度を超えるとは言っていない」と述べられている。

TechCrunchに提供された社員向けの電子メールに、RipplingのCMO、Matt Epstein(マット・エプスタイン)氏は「法的要求は真摯に受け止めますが、失笑を禁じ得ません。Gustoはそのウェブサイト全体で、スモールビジネスにフォーカスすると言っているのです」と書いていた。

そこで、Gustoを法廷に引っ張り出したり、Clear Channel Outdoorに広告看板を取り下げるようつげる代わりに、コンラッド氏とRipplingは小洒落た手に出た。停止命令にシェークスピア張りの弱強五歩格の韻文で返答したのだ。

Our billboard struck a nerve, it seems. And so you phoned your legal teams,
(我らが広告が気に触り、あなたは弁護士に電話した)
who started shouting, “Cease!” “Desist!” and other threats too long to list.
(彼らは叫んだ。停止だ! 差し止めだ! その他おびただしい脅しの言葉を)

Your brand is known for being chill. So this just seems like overkill.
(あなたのブランドは穏やかさが定評。なればこれは少しやりすぎ)
But since you think we’ve been unfair, we’d really like to clear the air.
(だが我らを不当とお考えのようなので、誤解を解きたく存じます)

Ripplingの顧問弁護士Vanessa Wo(バネッサ・ウー)氏は書簡をしたため、「Gustoが規模の拡大を目指していたとき、私たちはあなたがたが既製品に頼るのを見ていました。あなたがたのソフトウェアは力不足だった。そこでWorkdayに助けを求めざるを得なかった」と、Gustoの人事ツールでは100人を超える従業員には対応できず、大きな業務用ソフトウェア企業に頼ることになったことを示唆した。この書簡は、Gustoに停止命令を取り下げ、意味のある競争をしようと暗に提案して締めくくっている。

So Gusto, do not fear our sign. Our mission and our goals align.
(さすればGustoよ、我らが広告に恐れることなかれ。我らが使命と目標は同じ)
Let’s keep this conflict dignified—and let the customers decide.
(不毛な争いは止めて、消費者の選択に任せよう)

RipplingのCMOマット・エプスタイン氏は「あちら側の人たちは競争を不快なものと考えているようですが、企業が切磋琢磨すれば消費者が得をするのです。この愉快な詩が、言い争いを土に戻し、市場に競争が起きることを期待しています」と私に話している。

Gustoの停止命令に返したRipplingの韻文Josh Constine提供。

Ripplingは、この顛末はすべてが滑稽な笑い種だと思っているかもしれないが、これは少々時代錯誤の受け狙いに見える。エミネムの「8マイル」での気迫に満ちたライムとはほど遠い。本当に消費者の選択に任せたいのなら、停止命令を受け入れて次に進むか、広告を一切取りやめる方法もあったはずだ。広告看板は他にもまだ4つあり、それらは競争相手を非難する内容にはなっていない。とはいえ、その広告看板を下ろさせようとするGustoも狭量だ。それに、大規模なチームに対応する準備ができていないことを隠している。

我々は、先週末と17日、停止命令を取り下げる気はないか、Ripplingによるバスの広告も停止させるのか、本当に内部でWorkdayを使っているのかについてGustoにコメントを求めた。

Gustoの広報担当Paul Loeffler(ポール・ローフラー)氏は、「これはブランドを維持するための通常の業務」だと語った。そしてGustoについては「中心はスモールビジネスですが、そこに特化しているわけではありません」と話した。そして「Gusto自身が大企業に成長するに従い、私たちの多くの顧客とは別のニーズが生まれ、Workdayに移行したのです」と認めた。

最後に彼は「私たちは、より多くの企業が新しいソリューションを生み出し、企業による従業員のケアと支援がより簡単になることをとてもうれしく思っています」と明言した。そのひとつを訴えたにも関わらずだ。もしGusto自身がGustoを超えて成長したのなら、広告が顧客に訴えている内容も、まったく事実だと言える。

Gustoは5億1600万ドル(約566億円)を調達している。Ripplingの調達額の10倍だ。ならば、Ripplingよりも多くの広告費を使えるし、どんなに顧客企業の従業員が増えても対応できる人事ツールを開発できるのではないかと思われるだろう。GustoもRipplingもYコンビネーターの出身で、クレイナー・パーキンスがメインの投資企業になっている(利益相反か?)。そのため、彼らにはまだ矛を収めるチャンスがある。

少なくともこの2つの企業は、先週末の間、人事業界を楽しませてくれた。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

Googleの契約社員たちが賃上げと福利厚生を要求

Googleの契約社員は、内部では臨時社員(Temporary)、業者出向社員(Vendor)、契約社員(Contractors, 請負社員)、合わせてTVCと呼ばれている。彼らは、より良い、平等な扱いを求めている。それは、今よりも良い賃金と福利厚生、そして会社の情報へのアクセスの向上を意味している。GoogleのCEO Sundar Pichaiに宛てた書簡で彼らは、Googleは“仕事や生活に関係のある情報へのTVCたちのアクセスを、当たり前のように拒否している”、と主張している。

TVCたちによると、たとえば4月のYouTubeにおける銃撃事件でGoogleは、正社員にのみアップデートを送った。次の日の討議集会でも、彼らは除外された。

書簡は次のように主張している: “重要なコミュニケーションと公平な扱いからTVCを排除することは、会社に定着している人種差別、性差別、およびわれわれ等に対する差別的待遇のシステムの一環である。TVCは不条理にも軽視され、より少ない報酬や機会、職場におけるより少ない保護や尊敬がふさわしい者として扱われている。われわれは正社員とは違うバッジを着用し、それに基づいて恣意的で差別的な分離が強制されている。正社員と同じ仕事をするときですら、これらの仕事には一貫して生活給の提供が行われず、最低限の福利厚生もないことが多い”。

7月のBloombergの記事によると、Googleはその総スタッフの過半数がTVCである。彼らはさまざまな仕事を担当し、それらの中には、配膳、自動運転車のテスト、チームの管理なども含まれている。

TVCによるこの抗議活動の前にGoogleは、セクハラと暴行の申し立てに起因する社員の要求に応じて部分的な譲歩をしている。それによって多少の変更は為されたが、そのときの活動を組織した者たちの要求のすべてには対応していない。たとえばGoogleは、チーフ・ダイヴァーシティ・オフィサー(多様性最高責任者)をPichaiの直属にするという格上げには応じず、取締役会に社員代表を加えよという要求は無視した。

今Googleに問い合わせているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしたい。

関連記事: Googleのストライキ主催者たちはCEOの対応に満足していない

画像クレジット: TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、司法省のシリコンバレー反トラスト法責任者を引き抜く

Facebookは米国司法省の古参でシリコンバレー反トラスト局長Kate Patchenを、訴訟責任者・法律副顧問に採用した。

Patchenは、 同社が進行中スキャンダル危機的評判問題の数々を抱える中、今月Facebookの一員になったことをLindedInプロフィールに書いている。

この人事をいち早く見つけたのはFinancial Timesで、2週間前にFacebookが、LinkedInで競争問題担当者としてワシントンの「主任弁護士」を募集していたことも報じている——社内の専門家体制を強化する取り組みの現れだ。

Patchenは、反トラスト問題の豊富な経験を新たな雇用主にもたらす。司法省で16年間の経験を持ち、法廷弁護士として活動を始めた後2014年に反トラスト部門の次席になった。そして2年後に部門長になった。

この採用について問い合わせたところ、Facebookは本誌のメール内容を認めたが、反トラスト法執行専門家を採用する決定についてのコメントは出さなかった。

ソーシャルメディアの巨人がこの問題に関して山ほど悩みを抱えていることは間違いない。

2016年、ロシアが支援する選挙妨害活動が最初に起きた際、Facebookは議員らのレーダーにはっきりと捕らえられ、政界の渦中に立たされた。以来、相次ぐセキュリティーやデータの不正スキャンダルによって、Facebookに対する議会の圧力は高まるばかりだ。

現在米国の議員たちはソーシャルメディアの規制化に向けてこれまでになく活発に動いている。不当競争の監視は大規模IT企業全般に対して厳しくなっており、被害の影響を緩和するために巨大プラットフォームの分割を要求する向きもある。

例えばFinancial Timesによると、最近民主党は「経済集中の脅威」に対処る法案を提出した。また、民主党が推進する競争法の強化は、同党とシリコンバレーのIT巨人らとの熱愛関係が完全に終わったことを示唆している。

欧州では、競争監視当局がすでにIT大手に対抗する動きを見せており、ここ数年の間にGoogleのサービスに対して2件の巨額な罰金を科し、捜査は今も続いている。

Amazonも現在当局の目に捕らえられている。EU規制当局は国家レベルで、IT広告業界がGoogleとFacebookの複占状態になっていることに対する監視を強めている。

一方PatchenがFacebookに入ると同時に、長年務めたベテランたちが社を去っていった——公開ポリシー責任者Elliot Schrageもその一人だ。

Schrageの退社は数ヶ月前から準備されていたが、本誌が今週入手した社内メモによると、同氏が最近発覚した広報スキャンダルのスケープゴートとして体よく追い出されたことを示唆している。

先月もFacebookは新勢力の採用を発表した。元英国副首相のニック・クレッグが国際ポリシーおよび報道の新しい責任者に就任した——当時Schrageは顧問として残る予定だった。

別の上級幹部人事では、Facebook CSO Alex Stamosもこの夏に会社を去り、最高法務責任者のColin Stretchは年末に退社すると表明した。

しかし今月のRecodeの記事によると、Strechは退社を保留——来年夏まで——しており、これは現在進行中の政治問題に対応するためだと思われる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleの1100億ドルの広告/コマース事業のトップがGreylock Partnersへ移籍

Googleの内部筋によると、15年あまり同社に在籍した同社のコマース部門の長、Sridhar Ramaswamyが去り、Greylock Partnersに加わる。Googleも、それを確認した。RamaswamyはGreylock Partnersのベンチャーパートナーになる。Googleでは、彼の職責を、これまでGoogle Cloudのアプリ担当VPだったPrabhakar Raghavanが担うことになる。

RamaswamyはGoogleで、同社の広告とコマース関連プロダクトの事実上すべてを統轄した。それは、GoogleのGoogle Cloudを除いた部分の、収益のほとんどを稼いでいた。RamaswamyはGoogleに技術者として入ったが、昇進が速かった。現職に就いたのは2014年で、それはSusan WojcickiがYouTubeへ異動した直後だった。

GreylockでRamaswamyは主に、起業家たちの初期段階のプロジェクトに注力する。

2018年7月24日にサンフランシスコで行われたCloud Next ’18でスピーチするGoogle Inc.のエンジニアリングとプロダクト担当VP Prabhakar Raghavan。

Googleの広告収入は今でも、Alphabetの年商の80%を占める。前四半期のGoogleの広告収入は280億ドルあまりで、2017年全年では1100億ドルを超えた。ただし、誰もが知っているように、強力なコマース事業の構築ではGoogleは苦戦している。他のeコマースが継続的に成長している中で、Google Expressは伸び悩んでいる。

Ramaswamyの後釜となるRaghavanは、彼自身が作ったYahoo LabsでVPを7年務めたあと、2012年にGoogleに入った。Ramaswamy同様Raghavanもプロダクトにフォーカスし、GoogleのChief Business Officerの役を続けるPhilipp Schindlerと二人三脚で職務に当たる。

Yahooの前のRaghavanはVerityのCEOで、IBM Researchにもいた。彼にはコンピューターサイエンスの著書が二つある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookは人事異動でアメリカのポリシー担当とプライバシー担当トップを刷新

メンローパークでは、試練の時が続いているようだ。プライバシーに関してあらゆる方向から非難を浴びたFacebookは、防御を固めるために上級役員の入れ替えを行っている。アメリカのポリシー担当トップErin EganがCPO(chief privacy officer)の役割に戻り、元FCC(連邦通信委員会)の委員長だったVPが彼女の後釜に座る。

そのKevin Martinは、ごく最近までモバイルとグローバルアクセスポリシー担当VPだったが、これからは全社的ポリシーのトップだ。彼がFacebookに来たのは2015年で、FCCには2001年から2009年までいた。最後の4年間は、委員長だった。Facebookの今後のポリシーについては未知数だが、彼がお役所方面に強くて明るいことは確かだ。

Martinが来たときErin EganはCPOで、アメリカのポリシーのトップを兼任した。Facebook のスポークスパーソンAndy Stoneは、“最後の2年間、Erinは会社で二つの帽子をかぶっていた”、と言った。

さらにStoneは、“Kevinは暫定的にアメリカの公共政策(US Public Policy)担当トップになり、Erinは最高プライバシー責任者(CPO)として、幅広い職務を担当する”、と述べた。

つまり、二つの役職名は前と同じでもその重要性と複雑性は数年前に比べると大きい、ということだ。一人の役員による兼務は無理だった。今後はますます無理だろう。

注目すべきは、Martinの新たな上司となるJoel Kaplanは、2000年のブッシュ-チェニーの選挙戦でMartinと一緒になり、数年間その政府にいたことだ。共和党政権とワシントン人脈との深いご縁は、議会や各種団体などからも砲火を浴びている昨今、同社にとってすごく貴重かもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

過去の採用応募者データベースから新しい職種の適材を見つけるHire by Google

企業のリクルーターや採用担当者を助けるサービスHire by Google今日、これまでの採用応募者の中から新しい職責に適した人物を見つけるための機能が加わった。

つまり、社内社外の人材資源を最大限に有効利用するためには、過去にあった空席がその応募者の希望や適性にはそぐわなかった、という人びとの中から、今度の新しいポジションの適材を見つけるべきだ。そしてそのために、蓄積された応募者データベースを利用するとよい。

HireのチームのプロダクトマネージャーEduardo Fernándezは、今日の発表声明でこう述べている: “人を一人雇うために企業は平均、250人の応募者と接触している。その249人の中には、未来に生ずる新しい職責にぴったりの人も少なくない。でもこれまで多くの企業は、過去の応募者の中に新しい仕事の適材を容易に見つけるための方法を、持っていなかった”。

過去の求職者という人材プールから適材を発掘するために、今度の新しい機能“candidate discovery”(候補者発見)は、新しい仕事に関する情報と過去の応募者たちをマッチングする。そのためにHireは、Googleの優れた検索機能を利用して、リクルーターの意図を正しく理解する。たとえばその新しい仕事の場所(例: 札幌支店)も、フォームの場所欄が空であっても、説明文のテキストの中から探り当てることができる。

求人求職に関するGoogleのこれまでの発表は、求職者の職探しを助けるものが多かった。しかし今回のHire by Google(Google Hireでもよい)は、求人側を助ける。このサービスは、今後もっともっと、機能が充実してほしいね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ヤフー新体制へ——副社長の川邊氏が代表取締役社長CEOに内定、宮坂氏は会長に

ヤフーは1月24日開催の取締役会で、副社長の川邊健太郎氏を代表取締役社長CEOに内定する人事を決議した。現社長の宮坂学氏は、代表権のない会長となる予定。6月に開催される株主総会の決議を経て、それぞれ就任する。

ヤフーでは同時に新執行体制への移行も決定。市場環境変化のスピードが速いインターネット業界を勝ち抜くためには「新たな挑戦と経営幹部の若返りが重要な要素」として、4月1日からの新執行体制を発表した。これまでの宮坂氏の取り組みによる「スマートフォンで利用される会社」への移行やコマース事業の拡大が功を奏したとしつつ、2018年度からは加えて「データの会社」になることを目指す、としている。

川邊氏は1974年生まれ。電脳隊 代表取締役社長、ピー・アイ・エム 取締役を経て、ヤフーとピー・アイ・エムの合併により2000年にヤフー入社。Yahoo!モバイル担当プロデューサー、Yahoo!ニュースプロデューサーなどを務め、2009年5月にヤフーが買収したGyaO(現GYAO)の代表取締役に就任する。2012年より副社長COOを務める。新体制への移行後は、CEO職とCOO職は統合され、川邊氏が担当することになる。

なお、宮坂氏はヤフーが新規事業のために設立した「Zコーポレーション」の代表取締役に、4月1日に就任する予定。新会社では「ヤフーの事業と切り離した新領域への挑戦を加速させていきます」とリリースでは述べられており、こちらの“新領域”の内容についても気になるところだ。

MITのコンピューター科学研究所が性差別をテーマとする社会科学ゲームを作った

週末を、何かおもしろくて、勉強にもなって、本物の仕事をしてるみたいなもので過ごしたいなら、Chimeria:Grayscaleはどうだろう。このゲームでは、あなたが人事課(部)の人になって、社内のいろんな問題にメールで対処していく。いや、こんな説明をすると、つまんねぇとしか思えないかもしれないけど、でもそれだけではないんだ。

このゲームを作ったMITのコンピュータ科学・人工知能研究所のD. Fox Harrellが、インタビューで説明しているように、ゲームの目的は性差別という問題の微妙な側面について知ることだ。

このゲームでは、ほかの社員たちからのあなた宛のメッセージに、Fiske and Glickの社会科学モデルにあるような、さまざまなタイプの性差別の証拠が隠れている。

とくにFiske and Glickの性差別モデルを選んだのは、それが両面的性差別という問題を扱っているからだ。そんな性差別は、セクハラや性による差別など露骨で敵対的な性差別と、本当は抑圧的なんだけど善意ぶった性差別の、両方を含んでいる(だから‘両面的’という)。たとえば、彼女は自分では直せない、と勝手に想定して女性のコンピューターを直してやるようなのを、Fiskeらは“保護のふりをした父親的干渉” (protective paternalism)と呼んでいる”。

人事部(課)に初めて配属されたあなたのところに、いろんな問題が送られてくる。アドベンチャーゲームの方針選択画面のように、あなたは対応を選ぶが、それは実は、その問題の機微をよく理解してない者の対応かもしれない。

これはStanに関する注記(Note)があるから、やさしい問題だろう。みんながStanという人物を知っているのだ。

[係長のStanley Rose(Stan)が、シャイな彼女の電話番号をきみから聞いてくれ、とメールで言っている。それに対してこの図では、「それは適切でない」と答えている。Noteによると、Stanはとても気持ち悪い人物だ。]

ゲーム終了時の達成感はない。ひとつのゲームが10分から15分ぐらいだが、最後に、あなたは性差別をしていない、という認定証はもらえない。でも、いろんな状況にどう対応するかで違う結果になるから、何度もプレイしたくなるだろう。

これは社内でよくある衝突や緊張に対して、おもしろい見方を教えてくれる。短くて初歩的なものばかりだが、それらに対する社員や会社からのさまざまな対応も知ることができる。そして少なくともこのゲームは、人事の仕事も人間の仕事だ、と教えてくれる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Eric SchmidtがAlphabetの会長の座を降りて‘テクニカルアドバイザー’になる

休日を控えて、すこし遅すぎたニュースかもしれないが、長年Googleの役員を務めたEric Schmidtが今日(米国時間12/21)、Alphabetの取締役会の常勤会長の役割を降りる、と発表した。

Alphabetは本誌TechCrunchに、この異動を確認し、Schmidtの声明を提示した。

その声明中で彼は曰く、“Larry, Sergey, Sundar, そして私の全員が、この異動がAlphabetの進化における正しいタイミングだと信じている。Alphabetという構造体は良好に作動しており、Googleおよびそのほかも栄えている。最近の数年間の私は、自分の時間の多くを科学とテクノロジーの諸問題、および博愛事業に費やしており、今後はその仕事を拡大するつもりだ”。

Schmidtは2001年にGoogleに加わり、ファウンダーのLarry PageとSergey Brinの強い要請によりCEOの座についた。それまでの彼は、Sun MicrosystemsとNovellに在籍した。Googleが2004年にIPOしたときは、この三人組があと20年間一緒に仕事をすることを誓った、といわれている。

しかしご存知のようにSchmidtは、2011年にバトンをPageに渡した。4年後、Googleの構造再編でAlphabetが生まれたとき、PageがそのCEOになり、GoogleはSundar PichaiがCEOになった。

今回の再度の異動についてAlphabetは詳細を明らかにしていないが、Pageは自分の声明の中で、何事(なにごと)にも積極的であったSchmidtについて述べている: “2001年以降、Ericはわれわれにビジネスとエンジニアリングの専門的能力と、テクノロジーの未来に関する明快なヴィジョンを提供した。17年間の奉職のさらなる継続として彼は、科学とテクノロジーの諸問題に関するテクニカルアドバイザーとして、われわれを助けてくれるだろう。弊社が成し遂げつつある進歩と、そのイノベーションを駆動する強力なリーダーがいることに、私はとても感激している”。

Alphabetは、来月の会議で新しい会長を任命する。今度は、非常勤タイプになるだろう。SchmidtはAlphabetの取締役会に残り、“テクニカルアドバイザー”〔技術顧問〕という、やや軽い役職になる模様だ。その具体的な仕事はまだ不明だが、いずれにしても2004年の誓いどおりに、彼は2024年までは在職するのだろう。

声明の全文はAlphabetの投資家サイトで読める。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GithubやStack Overflowを毎日モニタして企業が求める人材を探すHireSweet

エンジニアの雇用は非常に面倒な仕事なので、最近はその面倒な部分を人工知能にやらせようとする企業がとても多い。中でもここにご紹介するフランスのHireSweetは、あなたの会社への求職など考えたこともなかった人びとの中に、候補を見つけようとする。

HireSweetはGitHubやStack Overflowなど、技術者たちが多く集まるプラットホームやコミュニティをスキャンして、求める人材を探す。同社が調べるのは、プロフィールの内容などもっぱら非定型データで、それらからデベロッパーをそのスキルやプロジェクト、適応能力などで分類する。そして毎日ユーザー企業の人事部に、選んだ候補のプロフィールを送る。

同社との会話を開始するには、まず同社サイトにあるテンプレート使ってメールを書き、それを送る。あとは、待てば海路の日和あり、毎日同社からの報告を待って、採用候補を選ぶ。

GitHub上で活動が活発なエンジニアは優秀な人が多いけど、彼らは必ずしも新しい仕事を探していない。しかしHireSweetはそこを一歩踏み込んで、ユーザー企業がそんなエンジニアを引き抜けるよう、努力する。

求職者との面接の前にGitHubのリポジトリやStack Overflowへの回答の投稿を調べる企業は多い。でも、それらの調べる作業は、その企業が自分でやろうとすると、たいへんである。

しかしHireSweetは、車輪の再発明をしているのではない。同社は、時間がかかって非効率なプロセスを自動化サービスに変える。それだけでも、良い候補が見つかる確率は高くなる。

同社は最近180万ドル(150万ユーロ)を、Global Founders Capital, Kima Ventures, Bpifrance, TheFamily, およびDavid Bizer, Yannis Yahiaoui, Yves Weisselbergerのようなエンジェルたちから調達した。

HireSweetの今の主な顧客は、Doctrine, eFounders, Deezer, Nokia Health, Sqreen, CallDeskなどだ。今はフランスの企業が多いが、ゆくゆくはアメリカおよびその他のヨーロッパ各国にも顧客を見つけたいと思っている。得られた資金は、そのため…顧客開拓…に使う予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uberの共同ファウンダー、カラニック復帰を否定――「取締役会は新CEOを選ぶ」とキャンプ

Uberの共同ファウンダー、前CEOのトラビス・カラニックがUberに復帰しようと運動しているという噂や報道が出ている。しかしRecodeによれば、共同ファウンダーで現取締役のギャレット・キャンプは「そういう事実はない」と否定した。

Recodeが入手した情報によれば、「新CEOの選任はUberの取締役会の最優先事項だ」とキャンプは今朝(米国時間8/7)のメールで述べている。キャンプはまた「Uberが次の段階に進み新しい章を書くために適切な新しいリーダーを必要としている。すでに読んだ人間も多いと思うが、〔トラビス・カラニックが復帰を図っているという〕噂が報道されているが、トラビスはCEOに復帰しないことをはっきりさせておきたい。われわれは世界的にみてトップクラスの経営者をUberのCEOに選任しなけれならない」と述べた。

The InformationがカラニックはUberの元同僚に対し、株主間の争いでカラニックを支持するよう働きかけているという記事が発表された直後にキャンプのコメントが発表された

Uberは一切のコメントを避けている。私はキャンプに取材を申し込んでいるので新しい情報をつかめばアップデートする。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleは初めて中華圏担当のマネージングディレクターを置く、中国政府とのコミュニケーション充実のため?

Appleが同社のIsabel Ge Maheを、中華圏における同社の事業の、初めてのVPおよびマネージングディレクター(専務取締役相当副社長)に任命した。

中国生まれのGe MaheにAppleのチャイナビジネスの経営管理が任されることになり、彼女の直接の上司はCEO Tim CookとCOO Jeff Williamsになる。オフィスは、“今夏の終わりに”上海に開設される。

Ge Maheは現在カリフォルニアにいて、過去9年間、Appleのワイヤレス技術部門のソフトウェア開発チームを率いてきた。それらは、実際に製品に搭載されるセルネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth、NFC、位置対応、モーションキャプチャなどの技術開発であり、Appleによると彼女は、Apple PayやHomeKit、CarPlayなどの技術開発にも関わった。

“Appleの社員なら誰もが、自分たちがビジネスをするコミュニティに貢献できることを誇りに思っている。そして私も、私たちのチームと中国の顧客、政府、そして企業との結びつきを深め、イノベーションとサステナビリティを推進していけることを、楽しみにしている”、とGe Maheは声明で述べている。

彼女の声明に政府が言及されていることが、興味深い。それは、Ge MahaがAppleと中国当局との関係強化に指導的な役割を果たすことを、暗示しているようである。Appleは、初めて、中国を物理的所在地とするデータセンターを開設するプランを今月発表したが、それは6月1日に発効した同国の新しいサイバーセキュリティ法と関連があると思われている。そして、今回のトップクラスの人事も。

最近ではAppleのこの圏域の売上が同社の決算報告の明暗を左右するから、中華圏にMDを置く経営上の理由は数多くあるだろう。しかもここでトップを取れば、この国の面倒な問題にも対処しやすいかもしれない。たとえば今年の早い時期に北京当局は、ライブストリーミングの同社のスタンダートについて説明するよう、Appleに求めた。そしてその後政府は、メディアに関する同社のスタンダートに違反していることが明らかとなった数多くのライブストリーミングサービスを閉鎖した

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

メルカリ、執行役員CBOにFacebookでVPを務めたジョン・ラーゲリン氏が就任――グローバル展開の加速を狙う

フリマアプリのメルカリはグローバル展開を加速するために役員の強化も図っているようだ。本日、メルカリはFacebookでVPを務めたジョン・ラーゲリン氏を同社の執行役員Chief Business Officer(CBO)に迎えたことを発表した。

メルカリは2013年7月に日本でローンチし、2014年9月にはアメリカでもサービスをリリースした。2017年3月には、海外2拠点目となるイギリスにも進出を果たした。

グローバル展開に伴い、今年の4月には役員の体制を変更している。メルカリの創業者で代表取締役社長を務めてきた山田進太l太郎氏は代表取締役会長兼CEOとしてグローバル全体を管轄するようになり、小泉文明氏が取締役社長兼COOとして日本を中心に見る体制へと移行した。メルカリはラーゲリン氏をCBOに迎い入れることで、メルカリのグローバル展開をさらに強化したい考えのようだ。

ラーゲリン氏は大手IT企業で経験を積んできた人物だ。Googleで日本及びAPACにおけるモバイルビジネスとプロダクトの責任者、Androidグローバルパートナーシップディレクターなどを歴任し、2014年5月からはフェイスブックのVPを務めている。

また、ラーゲリン氏は日本への造詣も深いようだ。ラーゲリン氏はストックホルム商科大学修士課程を修了していて、在学中には東京大学大学院経済研究科でも論文研究を行っていたそうだ。LinkedInのプロフィールを見ると、英語とスウェーデン語に加え、日本語も話せるとある。

メルカリはプレスリリースでラーゲリン氏のCBO就任について以下のようにコメントしている。

ジョンをメルカリ本社のマネジメントチームとして迎え入れることで、グローバル展開を加速すると共に、日本事業についても次のステージを目指していきます。

メルカリは、アプリのダウンロード数については日米合算7,500万(日本5,000万、米国2,500万)、月間の流通額は100億円を超えたと発表している。

Google検索がWeb上の求人情報を再整理厳選して紹介、ユーザーによる多様な職種基準やフィルタリングも可能

【抄訳】
職探しはだんだん容易になっている。今日(米国時間6/19)はGoogleが、検索に職探しの機能を導入して、主な求人サイトや求人ページのすべて… LinkedIn, Monster, WayUp, DirectEmployers, CareerBuilder, Facebookなどなど…で仕事を探せるようにした。企業のホームページ上にある求人リストのリンクも、検索結果のページに載る。

これからは、いろんな求人サイトを次々と訪れて、各所に重複があったり、大量の無関係な求人を見る徒労から解放される。

この機能はデスクトップとモバイルの両方で使えるが、今のところ英語のみだ。検索ワードとしては、“jobs near me”(近くの仕事)とか“writing jobs”(書く仕事)などなどと入力し、職探しウィジェットから大量の検索結果を見る。そこからさらに、たとえば“フルタイム(or正規雇用)のみ”などの条件で結果を絞り込む。特定の職に関する情報をクリックに次ぐクリックで掘り下げていくと、GlassdoorやIndeedで企業の格付けを見ることもできる。

仕事を業種や位置、求人情報掲載日、雇用主などでフィルタできる。これでよし、というクェリが完成したら、それに通知機能を付けて、今後の新たな求人をお知らせしてもらえる。

【中略】

その膨大なリストが無駄に膨大にならないために、同じ求人情報の重複は事前に排除されている。そして求人情報のカテゴリー分類は、機械学習のアルゴリズムが行う。既存の求人求職サイトが情報にすでにマークアップを付けていることも多いから、検索はそれも参考にする。しかし求人情報の検索に関しては、SEOは機能しない。求職者に大量の情報、すなわち多くの選択肢を提供することが目的だから、SEOによって結果の上位に出ることをねらっても無意味である。

仕事が見つかったら、その会社の求人ページへ行って応募する。複数のサイトが最終的なクェリにマッチしたときは、もっとも完全な求人ポストの企業へ連れて行く。このようなランク付けは、なるべく詳細で完全な求人情報を企業側に書いてもらうための、インセンティブでもある。

そして実際の応募フォームを書いて入力するときは、Googleはいっさい手を出さない。そこから先は完全に、求職者自身の仕事だ。

Googleがユーザーについてすでに知ってること(例: 釣りが好き)は、職のフィルタリングに用いられない。釣りが好きでも、漁船や釣り船の仕事にありつきたいわけではないからね、たぶん。

Googleは、MonsterやCareerBuilderなどのサイトと直接競合したいわけではない、と明言している。だから現状では、求人者が直接、Googleの職探し機能の上へ自分の求人情報をポストする機能はない(やれば儲かりそうだけど!)。この部門のプロダクトマネージャーNick Zakrasekは曰く、“うちは、うちが得意なことだけをする。つまり、検索をね。既存の求人求職サイトに、繁盛するきっかけを与えたい”。それ以上のものはGoogleの操舵室に存在しない、と彼は付言した。

Monster.comのCTO Conal Thompsonも、声明文でこれと同じことを言っている。“Google検索の職探し機能はうちのやり方と連携しうるもので、いずれにしても(Google検索のこの機能ががあろうとなかろうと)求職者はWeb全域に仕事を探し、検索基準を磨いて自分のニーズに合う情報を見つけるのだ。求人情報の内容や形式は、検索を意識して変えなければならない部分はあるだろう。最大の問題は、今現在SEOに依存しているサイトやページだね”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トラビス・カラニック、UberのCEOを一時休職――ホルダー勧告の内容公開

波乱の時期を迎えているUberだが、CEOのトラビス・カラニック(Travis Kalanick)は先月、両親がボートの事故に遭い、母親を失うという悲劇に見舞われた。カラニックはUberの改革の前にまず休暇を取って気持ちを静める必要があったようだ。トラビスは社員に向けて休暇を取ることを告げた。期限は明らかになっていない〔社員向けメモは原文に掲載〕。

カラニックは「この〔休暇〕期間中、会社はリーダーシップチームと私の指示によって運営される。きわめて重要な戦略的決定が必要になる場合は私が判断するが、リーダーシップチームには大胆かつ決定力をもって会社を前進させるため権限を与える。休暇の期間について現時点で予測するのは難しい。長くなるかもしれないし、短いものになるかもしれない」と書いている。

カラニックが復帰した場合も権限は縮小されることになるだろう。これは元アメリカ司法長官のエリック・ホルダー(Eric Holder)がUberに提出した調査報告と勧告に基づくものだ。ホルダーはセクハラ、女性差別問題を引き起こしたUberの企業文化について調査し、これを改めるための改革を提言した。ホルダーのレポートは「歴史的な経緯によりカラニック氏に集中していた権限の一部は上級経営チームのメンバーと共有され、あるいは移譲されるべき」だと勧告している。

Uberの取締役会はホルダーの勧告をすべて受け入れることを決定している。ホルダーの調査と勧告の内容は今日(米国時間6/13)、公開された

カラニックが関係する勧告には以下のものも含まれる。

  • ダイバーシティーの確保、社員からの苦情の処理、社員の満足度、コンプライアンスなど経営陣の報酬を基礎づける重要事項に関して数字に基づいた成果のレビューを行いリーダーの責任を明らかにする。
  • カラニック氏およびUberに関して運営の公正を確保するための独立の監視委員会および委員長職を設置し、また監査委員会の権限を拡大する。
  • カラニック氏および他の上級管理職にリーダーシップに関する広汎な研修を義務付ける。
  • ヒューマン・リソース・チームとその新たな目標についてカラニック氏および経営陣は公けの支持をさらに強める。

Uberは当面 CEOを欠いたまま新たな企業文化の建設という困難な(おそらくは長い)道に踏み出すことになった。

画像: Udit Kulshrestha/Bloomberg via Getty Images

〔日本版〕Uberとカラニックの進退問題についてはこちらの記事を参照。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

企業が大量のフリーランサーを効果的に管理できるプラットホームShortlistが$1.5Mを調達

フリーランサーの管理は、今でもほとんどの企業が、Excelのスプレッドシートを全社的に共有して行っている。Shortlistは、単一のプラットホーム上でフリーランサーやフリーの契約社員と彼らへの支払いを管理できるようにして、その仕事をもっと効率化したい、と願っている。2015年にMartin Konrad(CEO)とJoey Fraiser(COO)が創業した同社は今日(米国時間6/6)、150万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。その投資家はImpulse VC, FundersClub, Alchemist Accelerators、そしてCiscoのイノベーション部門のVP Maciej Kranzなど数名のエンジェルたちだ。

ユーザーから見てShortlistの実体は、会社が自分のニーズに応じて作ったフリーランサーたちのリストだ〔例: 上図〕。Shortlistは大企業の顧客が多くて、彼らは多くの場合大量のフリーランサーとフリーの(独立系の)契約社員を常時抱えている。ただし同社は、中小企業の顧客も少なくはない。

Konradによると、契約社員の数は年々増加している(いわゆるギグ・エコノミー(gig economy)が社会問題になったりしている)。しかし、ほとんどの企業が、彼らを有効に管理するためのツールを持っていない。Shortlistは、フリーランサーの新規採用から、そのバックグラウンドチェック、担当プロジェクトの決定、仕事の割り振りなどの処理を自動化する。

同社の現在の顧客の中には、Publicis Groupe, CBRE, Hays, Roche, AKQA, Western Governors Universityといった有名どころもいる。Konradによると、現在多い業種はメディア、コンテンツ制作プロダクション、高等教育などだ。現在、毎月前月比で20から30%の増加率で顧客は増えている。同社のプラットホーム上で彼らが管理している契約社員の数は、25000人を超えている。

今回新たに得た資金は製品開発、中でもそのプラットホームの経費と給与の管理の部分の改良に充てたい、とKonradは語る。ただし請求書や報酬の支払いの管理、税務関係の書式、タイムシート(出退勤時間記録)、フリーランサーたちの仕事効率のチェック、などの機能は、今でもすでに揃っている。

現時点では、契約社員を募集して雇うのは個々の顧客企業の仕事だが、今後はShortlist自身がフリーランサーたちのマーケットプレースの機能を持った方が良さそうだ、とKonradは考えている。

同社は最近、B2B専門のアクセラレーターAlchemistを卒業した。そのおかげで、Shortlistが、将来顧客になりそうな多くの企業に紹介され、また投資家も見つけることができた。現在、同社の社員は15名で、これまで230万ドルの資金を調達している。

Shortlistの利用は、フリーランサー/独立系契約社員の数が1000名未満、社内のユーザー数が100未満なら無料だ。フリーランサー自身やベンダーのアクセスも、当然無料だ。有料のエンタープライズプロダクトになると、シングルサインオンや、カスタムブランドとそれらの統合化、そして支払いや税の書式(フォーム)などの機能が提供される。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

社員のパフォーマンスを可視化する目標・評価管理サービス「HRBrain」が資金調達、正式版も公開

hr-brain

半期、あるいは年に1回は上司と仕事の成果を確認し、人事考課を受ける人も多いのではないかと思う。社員にとっては昇給や昇格に影響する点で重要だが、会社にとっても配置転換などの人事戦略を立てるのに重要な指標となる。モスキートーンが提供する「HRBrain」は、社員の目標と評価をクラウドで一元管理するためのサービスだ。本日、モスキートーンはジェネシアベンチャーズとBEENEXTから数千万円規模の資金調達を実施したことを発表した。また、資金調達と同時にHRBrainの正式版も公開した。ちなみにジェネシアベンチャーズはサイバーエージェント・ベンチャーズの元代表取締役社長、田島聡一氏が新たに創業したベンチャーキャピタルで、モスキートーンへの出資が第1号案件となる。

HRBrainを利用するには、まず初めに組織の部署や役職、各社員の情報を登録する。社員の情報は1名づつ入力することも、エクセルシートをアップロードして登録することも可能だ。会社によって目標管理の方法は異なるだろう。HRBrainでは目標管理のためのテンプレートを用意していて、OKRや360度評価などに対応している(OKRは「Objective and Key Result:目的と主な結果」の意味で、グーグルなどで用いられている目標管理の手法だ)。

企業はテンプレートをカスタマイズして利用することができる。また、人事情報はセンシティブな内容を含むため、HRBrainでは被評価者に評価者のコメントなどを表示するかどうかや社員の評価結果の閲覧権限など細かく設定することができる。設定が完了したらあとは、期首に各社員が目標を入力して提出し、期末になったら担当者が評価を入力するサイクルを行う流れだ。

okr

OKR用の目標シート

 

モスキートーンのファウンダーで代表取締役の堀浩輝氏はサイバーエージェントのAmebaの事業部長を務めた経歴を持つ。そこで組織の目標管理の難しさを体験したのがHRBrainを開発したきっかけという。会社が小さいうちは紙やエクセルシートでも十分だが、50名以上の組織になってくると管理の手間が増えてくる。会社では人事異動で組織編成が変わることもあるが、紙やエクセルだと社員の過去の情報にアクセスしにくい。HRBrainはこうした人事考課の作業を効率化するために開発したと堀氏は言う。

社員のモチベーションアップに活かす

人事考課や目標管理の分野でサービスを提供するスタートアップには他にも人材周りでサービスを提供する「CYDAS」や社員の顔と名前を軸に置く人材マネジメントサービス「カオナビ」などがあるが、HRBrainの利点は人事データを活用できることと堀氏は説明する。HRBrainでは、クラウド上に集約した人事データを分析することで、例えば社員の自己評価と評価者からの評価の乖離が大きい社員を特定することができる。乖離の原因は社員の自己評価、あるいは評価者の評価が甘いケースなどがあるが、いずれにしろ被評価者と評価者の目標のすり合わせや評価基準の設定が十分にできていないことが考えられる。優秀な人材を正当に評価していないのなら社員のモチベーションを下がり、最悪離職することにもなりかねない。HRBrainのアナリティクス機能は部署ごとや社員ごとの視点からも、全社的な視点からも人事評価を見ることができ、 従業員の評価設計や適材適所の配置転換、育成計画といった人事戦略に役立てることができると堀氏は言う。

15991493_1626859897340545_1109571602_o

HRBrainのアナリティクス機能

モスキートーンは2016年3月に創業し、スタートアップアクセラレーター「TECH LAB PAAK」の第5期の参加企業だ。2016年9月に開催された「TECH LAB PAAK」のデモデイではTechCrunch Japan賞を受賞した。HRBRainは2016年11月からベータ版をリリースしていて、すでに十数社が利用しているという。HRBrainは本日、正式版をリリースした。料金体系はユーザー数別の従量課金モデルで、1ユーザーあたり600円から900円だという。

「会社にとって重要なのは社員のパフォーマンスであり、多くのことは社員のパフォーマンスを引き出すための手段です」と堀氏は話す。HRBrainでは一番重要なパフォーマンスを測り、それを他の指標を比較することで社員のスキルやカルチャーフィット、モチベーションが分かるようにしたいと堀氏は言う。HRBrainで社員のパフォーマンスの領域を抑えたら、ゆくゆくは周辺領域である労務管理や給与管理にも展開していく計画だと堀氏は話している。

人材サービス・テクノロジーのイノベーションの歴史

gettyimages-601929590

【編集部注】執筆者のMichael Overellは、RecruitLoopのCEO兼共同ファウンダー。RecruitLoopは、企業がスマートな採用活動を行えるよう、人材サービス企業のオンラインマーケットプレイスを運営している。

「今を理解するためには、過去について知らなければならない」- カール・セーガン(Carl Sagan)

2016年は人材業界にとって大きな分岐点となる。同業界で最も有名なテック企業3社のうち、LinkedInとMonsterが買収され、CareerBuilderも売りに出されている。さらにMicrosoftが人材業界に華々しく参入し、多額の資金を持った既存プレイヤーは横からその様子を眺めている。

そしてその余波は、企業のファウンダーや投資家、サービスプロバイダーから求職者にまで届き、業界全体に影響を与えている。では私たちにはどんな変化が起きるのだろうか?

この記事では、歴史的な観点から人材業界の情報を整理していく。業界が過去20年間でどのように変わってきたかというフレームワークを提示することで、ファウンダーや投資家、人材業界で働く人に、現在進行中の大きなトレンドを理解してもらうと共に、今後の活動の参考にしてもらうのが目的だ。

変化の波

人材業界はディスラプションを起こすには格好の標的だ。何千億ドルものお金が毎年使われている一方、非効率的なビジネスモデルで多くの人が苦しんでいる。しかし何千ものスタートアップが何十億ドルという資金を調達しているにも関わらず、構造的な業界刷新の様子は一枚の紙の上にまとめることができる。

そして根本的な採用活動の流れは、テクノロジーの変化にも関わらず、驚くほど変わっていない。今日でも20年前のように、候補者集めをした後に面接などの選考プロセスを踏み、誰かがそのプロセスを管理しているのだ。

以下のフレームワークでは、3つの変革期に沿った人材業界の重要な変化が描かれている。矢印は変化の”方向”を表しており、どこから新しいモデルが誕生したかが分かるようになっている。例えば、求人情報サイト(Indeedのようなサービス)は2000年過ぎに誕生し、オンラインの求人掲示板を大きく変えた。

unnamed-4

出典: RecruitLoop

このフレームワークでは、人材業界のバリューチェーンが一般化されており、業界全体に影響を与えていない何千ものスタートアップやイノベーションについては省略されている。そして、新たなビジネスモデルが誕生しても、それ以前のものが使い続けられている場合もある(求人掲示板はいまだに広く使われている)。しかしこの図を見れば、いつどのように有名企業が誕生したのかという文脈を掴むことができる。

詳細に入る前に、過去20年間に起きたイノベーションは全て水平方向(左から右)に起きており、その影響はバリューチェーンの各ステップにとどまっていることに注目してほしい。

2016年中にこの状況が全て変わろうとしている。

人材業界のバリューチェーン

現在の人材業界を形作っている大きなトレンドの話をする前に、まずは、バリューチェーンの各ステップを特徴付けるビジネスモデルや企業について見ていきたい。理解を促すために、ここでは人材採用のプロセスが、候補者探し、プロセスの追跡、プロセスの実行、という3つのステップに簡素化されている。

候補者探し

unnamed-3

全ては新聞からはじまった。候補者を探したい企業は、紙の新聞の広告スペースにお金を払っていたのだ。これはシンプルで効率的な一方、値の張る手段だ。そこでインターネットが登場する。

第一波:オンライン求人掲示板。オンライン求人掲示板は1990年代後半に誕生し、新聞や印刷メディアからユーザーを奪っていった。MonsterCareerBuilderCraigslistが代表例で、彼らは雇用主と求職者両方のために、求人広告や求人検索を完全に作り変えたのだ。そして、明らかにディスラプションのターゲットとなっている一方で、求人掲示板はいまだにアメリカの雇用の10〜15%を支えている。

第二波:能動的・受動的な候補者。2000年代半ばにはソーシャルネットワークによって、求職者が能動的・受動的というふたつのカテゴリーにわけられた。求人掲示板は能動的な候補者のためのものだったが、広告主が獲得・購入できるトラフィックの量が限られていた。そこでIndeedは、他のウェブサイトの求人情報をまとめることに商機を見出し、”ペイパークリック”の求人広告を導入した。その後求人情報まとめサービスは、能動的な候補者探しの主要なモデルになり、現在でもアメリカの社外からの雇用の58%を支えているほか、2012年にはこのサービスに可能性を感じたリクルートがIndeedを買収した。

2016年は人材サービス・テクノロジー関連企業にとって別れ目の年になるだろう。

しかし、この期間を特徴づけた企業はLinkedInだった。LinkedInは候補者の情報をオンラインに移行させることで、受動的な候補者探しという新たなカテゴリーを生み出したのだ。今ではある人が求人に応募したかどうかに関わらず、誰でもその人の情報を確認できる。これまで人材紹介会社は、”自分たちの”データベースを利用することで、雇用主よりも多くの情報を握っていた。しかしそんな時代は終わりを迎え、必要なスキルやツールを持っている人であれば、誰でも候補者の情報を手に入れられるようになったのだ。

第三波:企業のブランディングと候補者探索ツール。求人掲示板モデルは、企業のレビューという出処の違うデータの登場によって、すぐにその地位が危ぶまれることになった。Glassdoorは、ユーザーが生み出すコンテンツの力をExpediaやYelpから学び、その手法を応用して人材業界に参入した。その後すぐにIndeed風のまとめサービスが追加されると、Glassdoorは最速の成長スピードを誇る求人サイトへと進化し、アメリカの求職者の約50%が就職活動中に一度はサイトを訪れるほどになった。

それと同時に、全く新しいツールやテクノロジーの誕生によって、受動的な候補者探しも採用活動のひとつの形として認められるようになった。この時期の最も重要なイノベーションが、ウェブ上のさまざまなサービスに登録されている候補者の情報をまとめた人材サーチエンジンだ。Connectifier(現在はLinkedInの子会社)やTalentBin (現在はMonsterの子会社)のほか、数十という数の企業が今もシェアを争っている。

プロセスの追跡

unnamed-2

採用管理システム(ATS=Applicant Tracking System)は、採用活動向けのCRMだ。ほとんどの企業は、時代遅れの使いづらいテクノロジーから抜け出せずにおり、現在使っているシステムは好きではないが、必要に駆られてしかたなく使っている。

第一波:オンプレミスATS。ATSは1990年代に、ソフトウェアの注目カテゴリーとして現れた。その頃に使われていた他のソフト同様、ATSは顧客のサーバーにインストールされ、企業での利用を前提としていた。その代表例がTaleoで、同社はその後上手くSaaSモデルへと(第二波で)移行し、結局Oracleに19億ドルで買収された。そしてTaleoは今でもATS市場のシェアの36%を握っている。

第二波:Saasへの移行。2000年代初頭に起きたソフトウェア全般のSaaSへの移行を受けて、”ウェブファースト”のATSという新しいカテゴリーが誕生した。JobviteiCIMSといった新たなプレイヤーがシェアを拡大していく一方、OracleやSAPといった規模の大きな既存のプレイヤーは、人材関連ソフト一式を揃えるために買収活動を加速させた。

第三波:新種の誕生。その後顧客が求めるものに変化が起きた。当時のエンタープライズ向けソフトは、効率性や魅力に欠けていたのだ。そして、ユーザーフレンドリーでモバイルファースト、他のシステムとの連携が可能で技術的負債の無い、新しい種類のATSが誕生した。ここ数年だけでも、1億ドル以上がGreenhouseLeverSmartRecruitersWorkableといった新たなプレイヤーに流れ込んでいる。今でもこの分野では激しい競争が繰り広げられており、勝ち抜くためにはイノベーションと積極的な営業・マーケティングを組合せていかなければならないだろう。

プロセスの実行

unnamed-1

20年間におよぶテクノロジーの変遷にも関わらず、いまだに採用活動の予算のほとんどは、社内外の人材サービスにつぎ込まれている。

人気の”革新的なリクルーター(disrupting recruiters)”という考えにも一理あるが、そこには3つの重要な要素が欠けている。(a)社内外を問わず誰かがツールを利用して採用プロセスを管理しなければいけないということ。(b)人材サービス企業にもさまざまな種類や専門があるということ。(c)人材サービス業自体で既に大きなイノベーションやディスラプションが起きているということ。

第一波:人材サービス企業にとっての”ゴールドラッシュ”。1990年代から2000年代半ばは、人材サービス業を営む企業にとってのゴールドラッシュだった。自分たちが所有しているデータから生まれた情報の非対称性を利用して、企業からお金をとることができたのだ。この頃は、さまざまなプレイヤーが人材業界に参入し一攫千金を狙っていた。多くの人材サービス企業は、ルールがほとんどないような売上重視の環境に社員を置き、その結果、企業のオーナーは金持ちになり、中には上場する企業までいた。

第二波:インハウスとRPO。2000年代半ばから後半のあいだに、ゴールドラッシュの影響を受けてふたつの相反するトレンドが生まれた。ひとつめは採用活動の内製化で、LinkedInの人気やその他のテクノロジーの誕生によって、多くの企業が外部の人材サービス企業への支出を減らし、自分たちで採用活動を管理しはじめた。この頃に、企業内の採用チームへの移行という大きなトレンドが誕生し、それまで人材サービス企業で働いていた採用担当者の多くが別の企業に移っていった。彼らは新しい環境でも”採用活動”を行っていたが、サービスを提供する企業は1社だけで、多くの場合以前よりも安定した環境に身を置くことができた。

そしてふたつめが、採用活動のアウトソース(RPO=Recruitment Process Outsourcing)だ。採用活動の内製化と同じ時期に、多くの企業が、採用機能全体をアウトソースすることで、採用チームの生み出す価値を安価に得られることができると気付いたのだ。例えばRandstadに買収されたSourcerightや、ADPに買収されたTheRightThingのように、この分野で早くから活躍していた企業は、既存の人材サービス企業に吸収されることになった。そして現在この分野のリーダーとなっている独立系の企業には、プライベート・エクイティ・ファンドから多額の資金が集まっている。例えばCieloWilsonHCGには、それぞれKKRとFrontier Capitalが投資している。RPOは現在30〜40億ドル規模の市場へと発展し、さらに毎年10%も成長している。しかし一般的にRPOは高くつくことから、主な顧客は採用ボリュームの大きな大企業に限られる。

第三波:専門化と個人事業主の登場。過去5年間の技術的なイノベーションの結果、採用担当という仕事が再形成されていった。候補者をみつけだしてコンタクトをとる際の技術的な部分にフォーカスした候補者探し専門の企業が、人材サービス企業とは別のカテゴリーとして誕生したのだ。それと同時に、個人事業主で採用活動を請け負う人たちが現れ、社内と社外の間の境界線がぼやけだした。採用サービス(および候補者探し)を提供する個人事業主は、新しいツールやプラットフォームを使いながら、柔軟な価格設定(時給、プロジェクトベース、成約ベースなど)で、今ではさまざま方法を用いてビジネスを展開することができる。その結果、雇用主である企業は、コストを下げるとともに採用活動の柔軟性を高めることができるようになった。

次の波

上記のトレンドが収束し、2016年は人材サービス企業にとって別れ目の年となる。次の波が人材業界を襲おうとしているのだ。2016年は統合の年になるだろうか?イノベーションの年になるだろうか?その両方だろうか?以下に、人材業界の今後10年以上を形作っていくであろう問いと共に、既に起きつつある4つの変化をまとめた。

大手企業の新規参入

Microsoftは260億ドルでLinkedInを買収し、積極果敢に人材業界へ参入していった。両社の事業統合には時間がかかることが予想されるが、この買収は業界全体に広く影響を与えることになるだろう。Microsoftの影響で、他の大手企業も人材業界への参入に興味を示すことになるのだろうか?

SalesforceやGoogle、FacebookもLinkedInの買収を検討していたことは周知の事実だが、特にSalesforceは長い間人材関連テクノロジーに興味を持っていた。Microsoftの参入によって、彼らの気持ちはくじかれてしまうのか、それともさらに高まるのか?

さらにその他にもOracle、SAP、IBMといった”忘れられた”巨大企業が存在する。彼らは豊富な資金力を持ち、人材業界での競争における本命である一方、人材関連テクノロジーにおける次のイノベーションの波に乗り遅れる可能性もある。

彼らのような巨大企業や、他の企業はどのように人材業界へ参入することができるだろうか?

バリューチェーンに沿った垂直統合

Randstad(世界第2位の人材サービス企業)は、Monsterを買収することで、世界で1番カバー範囲の広い人材サービスのポートフォリオを構築しようとしている。これが大型垂直統合の初めて例というわけではなく、以前既にリクルートグループがIndeedを買収していたが、RandstadとMonsterの事業統合の可能性を考えると、最も影響力のある垂直統合になりえる。

なお、垂直統合は他の分野でも起きている。

求人の枠を超えて投資を行っている、求人掲示板を運営する大手企業の例が以下だ。

  • CareerBuilder – ATS企業を買収予定
  • Monster – RPO企業を買収予定
  • SEEK – 新サービスの開発および新サービスへの投資

さらに、テクノロジーとサービスを混ぜ合わせたモデルが誕生している。

  • Hired – 人材サービス業とテクノロジープラットフォームの掛け合わせ
  • Indeed Prime – 怪しいほどHiredに似たIndeedの新サービス

さらにATS企業は、事業領域の拡大や統合を行うことで、採用活動全体を管理しようとしている。

既存の人材サービス企業や旧来のビジネスモデルは、垂直統合型のモデルとどのように戦って行けばいいのだろうか?

ソリューションの細分化

業界リーダーの間では合併や統合が進んでいる一方、人材関連のソリューションを提供するスタートアップの数は爆発的に増えている。以前に比べて、ずっと簡単かつ安くテック企業を始められるようになったことから、人材市場はファウンダーや次なる目玉を狙う投資家で溢れかえっているのだ。

unnamed

新しいスタートアップが提供しているソリューションの多くは、事業というよりも一機能のように感じられ、彼らはそのうちピボットもしくは撤退することになるだろう。また、人材業界で働いている人や人材サービスの利用者にとっては、サービスの種類の多さから、雑音を断って本当に採用活動の助けとなるサービスをみつけだすのが、今まで以上に難しくなっている。

今後スケールしそうな新しいテクノロジー・イノベーションとは何だろうか?

人材サービス企業の専門化

採用活動や候補者集め、ヘッドハンティングなどを行う旧来の人材サービス企業が、テクノロジーを利用したソリューションと競合することで、彼らの利益が減少する恐れがある。そのため、多くの企業が価格設定やビジネスモデルを変更しつつある。1番の手立ては、業界や地域、採用プロセスの段階に応じて専門性を高めていくことだろう。

逆に多方面でサービスを提供している企業は苦しむことになるだろう。冒険ができない既存プレイヤーも置いてけぼりにされてしまう。技術的な統合が進み、競争が激化している環境では、多くの企業がそこから撤退するか消え去る運命にあるのだ。

既存の人材サービス企業は顧客を保って利益を守るため、どのように差別化を図れば良いのだろうか?

この記事では上記の問いに対する答えは提示しない。本記事の目的は、あくまで人材業界の歴史的な文脈や、現在業界を騒がせている主要なトレンドをまとめることなのだ。ただ一つ言えるとすれば、2016年は人材サービス・テクノロジー関連企業にとって別れ目の年になるということだ。

あなたにはどのような影響があるだろうか?

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Androidの共同創設者Rich MinerがGoogleの教育プロジェクトの舵取りをするためにGVを辞任

15618280082_5d83d9cf49_o

Androidの共同創設者Rich Minerが(Alphabet ではなく)Googleの中で教育プロジェクトを立ち上げるためにGV(以前は Google Ventures という名で知られていた)を辞任することが、本日GV側から発表された。Minerは謎めいた新しいEdTech(教育テクノロジー)プロジェクトの指揮を、大半がシリコンバレーにいる彼のチームに対してマサチューセッツ州ケンブリッジから行うことになる。

GVの担当者は、プロジェクトが収益事業なのか、または慈善活動の一部であるかどうかへの回答は差し控えた。

またMinerの新しいプロジェクトはGoogle内での独立したスタートアップのようなものだろうという先走った噂は正しくないものであると広報担当者は語った。現時点で、Minerへのインタビュー申込みは叶えられておらず、新しいプロジェクトに関する追加情報の提供も拒否されている。

この件に最初に触れたFortune誌のDan Primackによるインタビューによれば、Minerとの間で「ベビーシッター用途でも広告配信用途でもない、質の高い教育アプリやその他子供中心のインターネットサービス」はほとんど存在しないという話が出たそうだ。

それは、現在市場で人気のアプリケーションやサービスを提供する無数の教育テクノロジーや子供中心企業に対する不満のようなものであり、GVやGoogle.orgの手を借りてとまでは言わないが、ベンチャーもしくは慈善基金を立ち上げるような話だった。

GVのEdTech関連のビジネスポートフォリオに含まれているのは以下のものだ。
NoRedInk: 個性を活かした文章の書き方を子供達に教えるアプリ。
Wonder Workshop: 子供達と指導者たちがロボットやコーディングクラブをコミュニティ内で立ち上げることを助けるプラットフォーム。
Clever: 生徒たちが教室内でアプリにログインすることを助けたり、家庭で名前とパスワードの管理に長々とした時間を費やさなくても良いようにする学校向けの管理ツール。

GVは更にUdacityCreativeLiveといった大人向けの専門的な訓練を施すEdTech企業も支援している。

Google自身も既に大規模な教育事業を展開している。学校に対して大量のChromebookとタブレットを売っていて、これはスティーブ・ジョブスがかつてApple IIを使った戦略に倣ったものである。また、Google自身はGoogle for Educationのアプリケーションやコンテンツ、そして Android オペレーティングシステムを学校や教育者、そしてEdTech業界の開発者に普及させるべく大いに力を注いでいる。

Alphabet は売上報告の中で教育関連のセールスデータを開示していないが、Googleにとって巨大な市場であることに間違いはない。

Google for Educationのサイトによれば、 Google Appsの利用者数は現在5000万人。1000万人の教師と生徒がクラウドベースのGoogle Classroomをグループの形成、課題の配布、フィードバックの送信などのために使っているし、地域の教育者同士をつなぎ、お互いの学びを提供するGoogle Educator Groupsに属する教育者グループの数は世界で280に及んでいる。

いまやGoogleは、Apple、Microsoft、そしてBertelsmannのような伝統的な教育出版社たちと、大規模でグローバルな教育市場で競合している。スタートアップも同様だ ー EdSurgeの調査によれば、EdTech投資家たちは、2010年以来、K-12(幼稚園生から高校生まで)の市場に対するものだけでも23億ドルの資金を注ぎ込んでいる。

これまでのところGoogleは、教育テクノロジーを買収するよりも自身で構築することを選んできた。同じEdSurgeレポートでは、2010年から2015年の教育市場におけるM&AでGoogleが買い手として関わったものは1%未満であることが明らかになっている。

[原文へ]

(翻訳:Sako Hiroshi)