Beyond Cafeと村田製作所がコミュニケーション特性解析ツール「NAONA」利用のグループディスカッション練習会開催

Beyond Cafeと村田製作所がコミュニケーション特性解析ツール「NAONA」利用のグループディスカッション練習会開催

学生無料カフェの運営やキャリア面談などを通じて学生のキャリア支援を行う人材教育企業Beyond Cafe(ビヨンドカフェ)は7月27日、村田製作所と共同で、2023年3月卒業予定の大学生を対象としたグループディスカッションの練習を行う「グルディス練習会」の開催を発表した。開催期間は、7月16日から8月19日まで。

この練習会は、村田製作所が開発中の、コミュニケーションを可視化し解析できるセンシングデータプラットフォーム「NAONA」(ナオナ)を基盤とするツール「NAONA Group Discussion」(ナオナ・グループディスカッション)を活用した初の試み。

参加者は、NONAによって検出されるグループディスカッションの「個別特性データ」と、就活を終えた先輩や社会人で構成されるメンターからの口頭によるフィードバックを通じて、自分自身のコミュニケーションの特性を「定量的に確認」でき、改善に役に立てることができるという。

企業には、新卒採用者の選考にグループディスカッションを採り入れているところが多い。しかし、選考通過を目的としたディスカッションの練習は、実践で必要とされる能力の開発とは別物になってしまう傾向がある。そこでBeyod Cafeは、就職後も持続可能な能力を身につけるために、自分の特性を知り、成長できる機会として、この「グルディス練習会」を企画した。

NAONAは、従来デジタル化できなかった、人が感覚的に認知している「関係性情報」、例えば人同士の会話量や人の感情の推移を可視化・データ化を可能とする、センシングデータプラットフォーム。社内ミーティングや1on1ミーティングなどにおけるコミュニケーション可視化ツールとして村田製作所が開発を進めており、オンライン就活におけるグループディスカッション場面でも同様に使用可能という。NAONAをベースとした音声解析+グループディスカッション参加者がお互いに評価し合えるウェブアプリを用いてグループディスカッションを解析し、各々の強みや課題の改善ポイントを表示する。

現時点ですでに3回実施されていて、ある参加者の感想としてそのTwitter投稿の一部がBeyod Cafeによって公開されている。それによると、強みは「アイデア出しでの議論推進」、弱みは「メンバーの反応への不均衡さ」との指摘があり、「役職を無理に取りに行かなくていいからアイデア出しで貢献しつつ、声に出して相槌して全員の意見に反応するよう意識!」とのアドバイスを受けていた。

グルディス練習会は、開催期間中の7月16日から8月19日まで、随時参加希望者を受け付けている。23年春卒業予定の大学生なら誰でも参加が可能。とくに選考や抽選は行わない。練習会開催スケジュールは以下のとおり。

  • 7月15日 19:00~20:30
  • 7月20日 13:30~15:00、19:00~20:30
  • 7月29日 13:30~15:00、19:00~20:30
  • 8月5日 19:00~20:30
  • 8月12日 19:00~20:30
  • 8月19日 19:00~20:30

定員は各回10〜15名。参加方法など詳細はこちら

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カテゴリー:HRテック
タグ:求人 / 求職(用語)人材採用(用語)データ分析(用語)Beyond Cafe(企業)村田製作所(企業)日本(国・地域)

さらば履歴書、リモートワーク化が進む中、スキルテストで人材採用するサービスTestGorillaが人気

2020年のパンデミックに際して、各企業は体制を立て直すために奔走したが、その中で1つのことははっきりしていた。リモートワークへの移行が誰もが予想していたよりも早く始まったということだ。それにともない、企業が新しい人材を採用する方法も根本的に変わった。そこでの問題は、危機的状況の中で、マネージャーたちが手間をかけて履歴書を選別するのか、それとも履歴書よりもスキルを評価することが急いで求められることになるのかということだ。

あるスタートアップが、この状況を上手く利用する決意を行った。

オランダのHRテックスタートアップのTestGorilla(テストゴリラ)が、短いスキルベースのテストで人材を採用する方法を生み出した。この方法を使えば、見栄えのよい履歴書が生み出す無意識のバイアスを取り除くことでスキルのない者を目立たせてしまうことを防ぐことができ、一方スキルはあるものの十分な要件を満たさない者を採用することを防ぐこともできる。

同社によれば、その賭けは成功し、9カ月後にはNHS(英国国民保健サービス)、ソニー、PepsiCo(ペプシコ)、Bain & Company(ベイン&カンパニー)などをはじめとする1500社以上の顧客を獲得したという。

このたびTestGorillaは、SaaS専門のVCであるNotion Capitalが主導し、Partech、Jeff Weiner(ジェフ・ワイナー)氏のNext Play Ventures、Indeed(インディード)の共同創業者であるPaul Forster(ポール・フォレスター)氏、Peakon(ピーコン)の共同創業者であるPhil Chambers(フィル・チェンバース)氏、Justworks(ジャストワーク)の共同創業者であるIsaac Oates(アイザック・オーツ)氏らが参加したシード資金調達ラウンドで、1000万ドル(約11億2000万円)を調達した。

TechCrunchの知るところ、このラウンドでは熱い争奪戦が繰り広げられ、複数の個別オファーを受けた後、わずか2週間でクローズした。

連続企業家のWouter Durville(バウター・ダフィール)氏とBain & Companyの元パートナーであるOtto Verhage(オットー・ハファーハ)氏が立ち上げたTestGorillaは、リモートから、認知能力、ソフトスキル、特定の仕事に対するスキル、カルチャーフィット、モチベーション、言語能力などを評価する。履歴書によるスクリーニングを置き換えることで、同社は採用プロセスにおける無意識のバイアスを取り除く手助けをする。

TestGorillaの共同創業者であるバウター・ダフィール氏は、電話で私にこう語った「私たちがバイアスをなくせるのは、採用をデータに基づいて行っているからです。わたしたちがお勧めしているのは、ただ履歴書を眺めて、その中に書かれた有名ブランドの名前や、その人の顔写真や、その人とのつながりなどを見るのではなく、私たちのテストを使って、仕事の成功につながると思われる、認知能力や企業文化に合う性格といった、さまざまな項目をテストするということです。そして、すべてのデータに基づいて自動的にソートし、お客さまの目の前にすべての候補者をベストからワーストまで並べて表示し、誰をその先の採用プロセスへと進ませるかを決定していただくのです」。

Notion CapitalのジェネラルパートナーのJos White(ジョス・ホワイト)氏は次のようにいう「これはすばらしい投資です!ほとんどのVCが参加を希望した、競争率がとても高いラウンドでした。彼らは、より民主的で、よりグローバルで、究極的には仕事の成功を予測するために非常に適したプラットフォームを使って、文字通り採用プロセスを大変革しようとしています。企業は人材の激しい争奪戦を繰り広げていますが、手にしている武器は小型ナイフだけなのです。TestGorillaは、新しい人材プールを切り拓き、障壁を取り除き、候補者と企業がお互いを見つけられるようにします。当社はこのラウンドを主導していますが、エンジェル投資家たちは文字通りHRテック業界の有力者たちです。なぜなら、彼らはこの会社が採用の未来を示していて、企業が直面している多くの課題に対処していることを理解しているからです」。

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カテゴリー:HRテック
タグ:TestGorillaオランダ資金調達人材採用

画像クレジット:TestGorilla

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(文:Mike Butcher、翻訳:sako)

Arcがソフトウェア開発者向けにリモートキャリアプラットフォームを公開

COVID-19の大流行により、リモートワークが注目されるようになったが、ハイテク企業は人材不足に対応するために、すでに何年も前から遠隔地での採用を行ってきた。Arc(アーク)は台湾時間4月28日、そのリモート採用プラットフォームをすべてのソフトウェア開発者に開放することを発表した。これまでのArcは、認定プロセスを通過した開発者のみに公開されていた。開発者は、他の応募者に対して差をつけるために、引き続き認定を受けることができるが、Arcの求人データベースと検索エンジンは誰でも利用できるようになった。

Arcは、ソフトウェア開発者向けのオンライン教育プラットフォームであるCodementor(コードメンター)のチームが2年前に立ち上げた企業だ。その創業以来Arcは、Spotify(スポティファイ)、Hims(ヒムズ)、Hubspot(ハブスポット)、FiveStars(ファイブスター)といった企業の採用に使われてきた。その投資家には、Techstars、500 Startups、WI Harper、Y Combinatorなどがいる。

創業者で最高経営責任者のWeiting Liu(ワイティン・リュー)氏は、TechCrunchの取材に対し、「私たちは開発者の皆さまにに与えたインパクトを誇りに思うと同時に、そのインパクトをさらに大きなものにしていきたいと考えています」と語った。

新バージョンのArcは、2つの機能を中心にしている。スマートなリモートジョブ検索エンジンと開発者コミュニティだ。Arcは、求人情報サイトなどをクロールしてそのデータベースを構築しており、これまでに1万3000社から、5万4000件の開発者募集情報を集約している。そして、その検索エンジンは、リモートワークの検索に伴う課題を取り除いている。

リュー氏は「たとえば、よく聞かれる不満は、多くの仕事がリモートでありながら、応募が米国内に限定されているということです。あるいは、パンデミックが終わるまでの限定リモート勤務だったりすることです」という。「これに対して、私たちのアルゴリズムが、応募者の状況に応じて最善を尽くします。例えば、アジアや東欧を拠点とする開発者の場合、タイムゾーンによっては残念ながら応募できない求人もあります。ということで、これらの制約を考慮し、応募者の経験や技術的な強みを考慮して、最も関連性の高い仕事を推薦いたします」。

Arcコミュニティは、リモートワークに慣れていないソフトウェア開発者や、海外での仕事のやり方を知りたい人のためのリソースだ。リュー氏は「たとえば米国を拠点とする雇用主のためには私の履歴書はこのフォーマットでなければならないのかとか、使用するツールの種類や文化的規範はどうなっているのか、といった質問があるかもしれません」と語る。「アメリカの会社でポジションを探していらっしゃる方ならなら、一般的な面接のやり方や、どれくらいの会社がSlack(スラック)を使っているのかといった基本的な仕事の慣行についてもお話ししたいでしょう。そこでコミュニティの出番となるわけですが、すでにリモートで仕事をしている開発者が、ご自身の経験を共有できるようにしたいと考えています」。

そして現在はオプションとなっているものの、Arcでは引き続き認定プロセスを推奨している。認定には通常1週間程度かかり、コーディングチャレンジや、Arcのチームメンバーを相手にした行動/技術面接などが行われる。仮に合格しなくても、改善を要する点をフィードバックしてもらい、半年後に再応募することができる。認定と求人検索は無料で、Arcはプラットフォームを通じて採用を行う企業に課金することで収益を得ている。

Arcの開発者認定プロセスのステップ

コミュニティに加えて、Arcは先日Elevate(エレベート)というプログラムを開始した。リュー氏自身がY CombinatorやTechstarsで受けた経験から着想を得たElevateは、リモートワークに移行したい開発者のための「短期人材アクセラレータ」という位置付けだ。プログラムの第1回目には、ラテンアメリカから13名の開発者が参加したが、今後は10名から20名の規模で開催される予定だ。このプログラムには、キャリア準備のためのワークショップ、面接練習、そしてGitLab(ギットラブ)、Zapier(ザピアー)、Dialpad(ダイアルパッド)で働く開発者によるライブメンターシップセッションが含まれている。

現在Arcは、SECの新しい株式クラウドファンディングの規制施行後に、クラウドファンディングキャンペーンを始めていて、これまでに約95万ドル(約1億円)を調達している。

「これは、アクセスを民主化したいという私たちのビジョンと一致しています。もしArcをコミュニティが一部所有するリモートジョブプラットフォームにすることができたなら、非常に興味深いものになりでしょう。私たちは世界最大のリモートジョブサイトになることを目指していますので、もしコミュニティのメンバーの皆さんをプラットフォームの投資家/オーナーにすることができれば、私たちのミッションをより早く実現することができるからです」とリュー氏はいう。

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

HRテックのブルーブレイズが3000万円調達、都築代表が語る社会人同士のOB・OG訪問サービス「CREEDO」の狙い

OB・OG訪問は、学生の就職活動時に行うものだと思われている。しかし、「育児と仕事を両立するコツ」「自身のスキルが企業のチームに合うのか」など、これまでタッチポイントがなかった現場の社員などに直接キャリア相談をし、自身の転職活動やキャリア形成に活かせることもあり、現在、社会人同士のOB・OG訪問にも注目が集まっている。さらに気軽なOB・OG訪問から、社員が知人などを自社に紹介して採用する「リファラル採用」に至るという流れも生まれているという。

社会人同士のOB・OG訪問サービスCREEDO(クリード)を展開するブルーブレイズは3月24日、J-KISS型新株式予約権方式で3000万円の資金調達を行ったと発表した。引受先はディープコアと個人投資家の本間達也氏(ラブグラフCOO)となる。ブルーブレイズは資金調達によって、CREEDOを活用した法人向け採用支援サービスに取り組む。2021年夏から同サービスを提供する見通しで、リファラル採用事業に本腰を入れる。

ブルーブレイズは同サービスに、AI技術によるユーザーと現場社員のマッチング最適化を図るシステムを組み込んでいく。さらにリファラル採用におけるコンサルティングサービスも始める予定だ。

新たな展開を迎えるブルーブレイズ。同社の都築辰弥代表に、サービス内容や起業の経緯、コロナ禍における人材業界の変化、法人向け採用支援サービスなどについて話を聞いた。

「人生の先輩」から聞くキャリア経験談

2019年8月に設立したブルーブレイズは、2020年3月にCtoCオンラインサービスとなるCREEDOをローンチした。CREEDOは、転職や起業、独立といったキャリア選択の岐路に立つ人が、すでにその経験を積んだ、いわゆる「人生の先輩」から話を聞くことができるサービスだ。また「人生の先輩」も自身のキャリア経験談を話すことで、報酬を得る。

キャリア経験談のイメージ

CREEDOでは、ユーザーがキャリア体験談を選ぶとサイト内のチャットルームから相手に連絡できる。ビデオ通話で話ができるなどオンラインで完結するため、連絡先の交換は不要だ。また、CREEDOではなりすましや二重登録などを防ぐため、ユーザー登録はFacebookによるログインのみとなっており、安心して利用できるようになっている。

サービス開始から1年で約3000人のユーザーが登録し、キャリア経験談は1200件を超えるなど急成長しており、リファラル採用を目的にCREEDOを使う企業はすでに100社を超えているとこと。社会人同士のOB・OG訪問領域では国内最大級の規模になるという。

都築氏は「企業は、より専門性が高い即戦力の人材を求めるジョブ型雇用に企業はシフトしています。新型コロナウイルスの流行による社会情勢の変化で、自身のキャリアを見つめ直す人が増え、キャリア形成の多様化が一気に進みました。ジョブ型雇用が注目され、その採用手段としてリファラル採用の重要性は高まっています」と語った。

ソニーへの入社を遅らせて世界を巡り見た景色

中央がブルーブレイズの都築辰弥代表

中央がブルーブレイズの都築辰弥代表

新卒学生の時、都築氏は中学生の頃から憧れていたソニーへの内定が決まっていた。しかし、大学を休学して入社を1年遅らせ、世界一周の旅に出たという。

「イスラエルからパレスチナ自治区に入った時、前日にまさにここで銃撃戦があったと聞きました。そんな場所に自分の足で立ったとき、この問題はソニーで働き、いくら貢献しても解決できないなと、そんなモヤっとした感覚が残ったのです」と都築氏は振り返る。

世界を見て回った後にソニーに入社するが、世界の人々もスコープに入るような仕事がしたいと思い始めたという。モヤっとした違和感から生まれたその想いが、キャリアチェンジのきっかけだった。ソニーに2年半務めたタイミングで都築氏は起業を決断した。

「世界には今もたくさんの課題がありますが、歴史を振り返ると、世界を良くしてきた人は何かしらの課題意識や志を持った人達でした。そんな志を持った人を増やすことができれば、間接的にいろいろな課題にアプローチできるのではないか」と都築氏はいう。

ブルーブレイズは「世界に百億の志を」というミッションを掲げている。多くの人が志を持てるような社会にしていきたいという想いが込められている。

都築氏は「そこでなぜCREEDOなのかといえば、自分のキャリアに納得して楽しいと思える感覚は、志が宿るための必要条件となります。日本では自分のキャリアに対して自信を持つことがまだ根づいていないため、CREEDOを通じて変えていきたいと考えています」と語った。

CREEDOにおけるユーザー増加の戦略

SNSシェア画面

スタートアップがゼロベースでCtoCサービスを始める際、初めのトラクションをいかに出していくかということが課題になる。CREEDOはサービス開始からほとんど広告を打たずに、SNSの口コミでユーザーを獲得していった。

CREEDOでは、ユーザーがキャリア経験談を登録・更新した時に「シェアしませんか」といったウインドウを表示し、ワンタップでSNSにシェアできるようにした。話し手起点で、聞き手を集めてくるようにCREEDOを設計しているのだ。

また、CREEDOでは、1人のユーザーが話し手と聞き手の両方で登録するケースが全体の4割以上を占めているとのこと。この転換率が高ければ1人が2人分のアクティブユーザーとなり、サービスはより活性化していく。

都築氏は「メルカリのようなサービスでも同じですが、1人のユーザーが買い手と売り手になる転換率は、CtoCサービスにおけるグロースの上で非常に重要なKPIになっています。我々も初めからそのKPIをトラッキングしていました」と説明した。

戦略としては、話し手から聞き手への転換は、ユーザーの興味や関心に応じてパーソナライズしたおすすめのキャリア経験談を、CREEDOのトップ画面に表示するようにした。一方、聞き手から話し手への転換は、聞き手としてユーザー登録をした後、キャリア経験談の登録画面を全ユーザーに提示するようにしている。

コロナ禍で見直されたキャリア形成の道

厚生労働省によると、2020年平均の有効求人倍率は2019年と比べて0.42ポイント減の1.18倍だった。有効求職者数は2019年から約12万人増の183万人となったが、有効求人数は約216万人で2019年から約58万人減少している。

コロナ禍で人材業界は大きく変わった。さらに中長期的には、日本の総人口は減少していくこともあり、今後も採用難の状況は変わらない。また、終身雇用制度が崩壊しつつあることや副業解禁といった要因も絡み、ジョブ型雇用は企業に定着しつつある。

ジョブ型雇用が主流になれば、個人はキャリア形成の道を自身で選んで仕事を変えていくため、終身雇用時代に比べて転職回数が増える。企業は1人当たりの採用コスト削減が必要になり、コストがかかる求人広告や転職エージェントサービスから抜け出す動きが出てくる。

ジョブ型雇用が進み、採用の流れが変わっていく中で、リファラル採用への対応は企業にとって大きな課題となっている。

法人向け採用支援サービスで中途採用に本腰

ブルーブレイズは2021年夏を目途にCREEDOを活用した新たな法人向け採用支援サービスを展開し、企業がリファラル採用をスムーズに行えるようにする。気軽なOB・OG訪問をフックにリファラル採用を推進できることで、企業の社員はCREEDO上で人材を待つだけでなく、自ら人材を獲得できるようになる。

また、ブルーブレイズはこれまで、CREEDOにおける個人同士のマッチングをメインのキャッシュポイントとして捉えていなかったが、今後は本格的な収益を法人向け採用支援サービスから獲得していきたいと考えていく。

法人向け採用支援サービスでは、リファラル採用をしたい企業がCREEDOにどういったユーザーがいるかを検索し、職種や経験を見てオファーできるスカウト機能を設ける予定だ。さらに企業がユーザーを探す手間を軽減させるために、AI技術を活用したレコメンド機能も提供していく。

今後、特に力を入れるのがこのAI技術を使ったマッチング精度の向上だ。CREEDOではユーザーがどの職種・キャリアに興味があるか、またOB訪問の実績やキャリア経験談の閲覧履歴など、さまざまなデータを蓄積することができる。データから、キャリア選択を控えるユーザーと、採用企業の現場社員とのマッチング最適化を図るシステムの開発に注力していく。

都築氏は「現場の社員は採用がメインの仕事ではないため、この負荷は最小化されるべきです。少ない時間と労力で、求める人材とマッチングし、継続的にリファラル採用ができる仕組みを作り上げていきます」と意気込む。

さらに同社は、リファラル採用のコンサルティングサービスも2021年夏から始める予定だ。リファラル採用はまだ、企業側の支援体制やインセンティブの仕組みなど、一定のスタンダードが確立されていない。企業も手探りな部分が多い中で、CREEDOにおける知見を活用してリファラル採用の定着を後押ししていく。

カテゴリー:HRテック
タグ:ブルーブレイズCREEDOリファラル採用日本資金調達

求職者にありのままの姿を、ビズリーチ創業者ファンドが2人目の支援者に伝える「採用の意識改革」

転職サイト「ビズリーチ」など人材サービスを展開するビジョナルは1月27日、スタートアップを資金面と採用面からサポートする独自のファンド「ビズリーチ創業者ファンド」の投資第2号案件を発表した。ビジョナルが投資先として選んだのは、アート作品のストレージサービスを展開するbetween the artsだ。ビジョナルからの出資額は未公開だが、between the artsが今回実施したシードラウンドの合計調達額は5500万円だという。

写真左より、between the arts代表の大城崇聡氏、ビジョナル代表の南壮一郎氏。Visionalの渋谷オフィスのエントランスにある「Visional Collection」にて、感染対策を実施し撮影(撮影時のみマスクを外した)。

ビズリーチ創業者ファンドは、2018年10月に設立されたビジョナル独自のスタートアップ支援ファンドだ。同ファンドでは、スタートアップへの資金提供はもちろん、ビジョナルが展開するビズリーチやキャリトレといった採用系サービスの無償提供、ビジョナル経営陣が持つ採用面でのノウハウの提供などを通し、創業期のスタートアップの支援を行っている。

設立時に発表された第1号投資案件は、TechCrunch Japanが毎年開催する「スタートアップバトル」の2019年王者RevComm(レブコム)だった。ビズリーチ創業者ファンドによる支援を受け、同社は創業期の6カ月で4人のエンジニア採用に成功。その後も従業員数は順調に増え、創業5年目の現在では83人が在籍している

今回、ビズリーチ創業者ファンドが第2号の支援先として発表したのは、アート作品のストレージサービスを提供するbetween the artsだ。同社はアートコレクターなどのユーザー向けに、空調が管理された自社倉庫でのアート作品預かりサービスを提供している。利用料金は作品の大きさによって500~5000円の間で設定されており、平均単価は1000円ほどだという。

コロナ禍でリモートワークが増え、ビデオチャットの背景におしゃれな絵を飾りたいなど、アートに対する需要も加速してきた。一方で、アート作品が増えるにつれて課題になるのが保管場所の確保や管理だ。between the artsが目指すのは、そういったユーザー向けに簡単に利用できるアートの管理方法を提供することで、「アートを購入して楽しむ」という市場自体を創出することだ。

「日本におけるアートの購入額は年間400円程度であるのに対して、米国では年間1万円ほど。その差は25倍にもなる。一方で、美術館を訪れる人の数を見ると、その差は3倍でしかない。アートを買う楽しさを伝えられるようなサービスを作ることができれば、その25倍という差が縮まっていき、大きな市場が生まれるのではないかと考えている」と、between the arts代表の大城崇聡氏は話す。

採用サービスと人材が増えた今、重要なのは経営者の意識改革

特に創業期のスタートアップにとって、最も大きな課題となるのは人材採用だ。2020年版の中小企業白書を見ても、依然としてスタートアップ業界に人材の需給ギャップが存在することは明らかだ。

ただ、例えばビズリーチが設立された2007年と今を比べると、人材データベースの数も増え、スタートアップも簡単にそこへアクセスできるという時代になった。それでもスタートアップ業界の人材不足が発生してしまうのは「経営者側にも責任がある」と語るのはビジョナル代表の南壮一郎氏だ。

「スタートアップ業界に流入する有能な人材は著しく増えている。ただ、それに応じて人材の見極めも難しくなっている。昔は、スタートアップで働きたいという強い信念を持ち、かつ心理的なバリアを超えてくる人材の絶対数が少なかったが、現在はより多くの人材とより多くのスタートアップがマッチングする時代になり、人材の見極めが以前よりも難しくなっている。『成長痛』みたいなものだ。そのような状況で重要なのは、自分たちのありのままの姿をいかに求職者に伝えられるかだと思っている。華々しく見えるスタートアップだが、もちろん大半の仕事はつらいものだ。そういった部分も含めて求職者に対して正直に向き合うことでミスマッチが減り、離職者も減る」(南氏)。

人材採用に利用できる各種サービスが整い、スタートアップで働きたいと思う人材も増えてきたが、そんなときにこそ重要なのが、経営者自身の意識改革なのかもしれない。それを学ぶためには単に採用サービスを利用するだけでは不十分であり、経営者同士の横のつながりや先輩経営者からの教えが必要になる。ビズリーチ創業者ファンドでは、ビジョナル経営陣や投資先の経営者とともにある種のコミュニティを構築し、今後も採用に関するノウハウを伝えていくという。

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カテゴリー:HRテック
タグ:ビズリーチ人材採用between the arts資金調達日本

AI利用の動画ベース求人プラットフォームmyInterviewがシード資金5.2億円調達に成功

履歴書の処理は求職者にとっても、採用企業にとっても面倒な仕事だ。特に現在の採用環境では困難が大きい。ソーシャルメディアにはすでに動画は無数にあるが、求人分野でまだほとんど使われていない。しかし動画なら、テキストベースでは十分に表現できない応募者の個性がはっきりわかる。オーストラリアのシドニーを拠点とするmyInterviewは、動画をリクルートビジネスの必須な部分に変えたいと考えており、ユーザーが質問に回答していくだけでいわばバーチャル面接ができるようなプラットフォームを開発した。採用担当者はオプションとしてmyInterview Intelligenceも利用できる。これは機械学習ベースのツールで多数の応募者から最終候補リストを自動的に作成する。

myInterviewはイスラエルとオーストラリアにオフィスを置くスタートアップで、イスラエルのアーリーステージベンチャーキャピタルであるAlephがリードしたシードラウンドで500万ドル(約5億2000万円)を調達した。今回のラウンドには既存投資家のEntrée Capital、SeedIL Venturesも参加した。myInterviewはこの2社とLinkedInの東南アジア、オーストラリア、ニュージーランド事業の元トップだったCliff Rosenberg(クリフ・ローゼンバーグ)氏から160万ドル(約1億7000万円)のプレシード資金を調達している。

myInterviewはすでに米国と英国を中心にオンラインスーパーマーケットのOcado、小売業のB&M、P&OFerriesなどを含め2000社以上で利用されている。またFacebook(フェイスブック)のCareer Connectionsとも連携し、英国最大の求人検索サイトであるreed.co.ukと戦略的パートナーシップを結んでいいる。これまでに200万人以上の求職者がmyInterviewを使用しているが、同社の目標は数千万人規模だという。

今回の資金はプロダクト、セールス、開発チームの拡大するために利用されるという。

Guy Abelsohn(ガイ・アベルソン)氏とBen Gillman(ベン・ギルマン)氏は就職活動をしている際に、履歴書を目立たせることが非常に難しいことに気づいた。これがきったけとなって両氏は2016年にMyInterviewを創立した。当初、myInterviewは、企業の既存の採用システムに統合できる各種ツールを提供していたが、2019年初めに独自の動画履歴書プラットフォームを立ち上げた。これは新型コロナウイルスによってパンデミックが発生するかなり前のことだった。ギルマン氏はTechCrunchの取材に対してこう述べている。

すでに2019年から2020年の初めにかけてすでに好調にユーザーを集めていたので、我々成功は新型コロナが主たる原因ではないと考えます。しかし採用側企業にはパンデミックは大きな影響がありました。我々のユーザー企業には新しいテクノロジーを利用して採用プロセスの効率化を図る必要が生じました。myInterviewは、多数の応募者に対してソーシャルディスタンスを保ちながら効果的、効率的な面接を行うために動画を全面的に取り入れました。

ギルマン氏によればmyInterviewの動画プラットフォームはどんな職種の採用にも適しているというが、数百人から数千人も応募者が殺到する初級職の募集で利用されることが多い。

myInterviewを使用するために、企業はプラットフォーム上にポータルを設定する。ここには求職者に動画で回答を求める質問のリストと応募にあたっての諸注意を記述する。求職者は、動画履歴書の送信する前に、応答を再生し、気に入らなければ再度撮影することができる。送信されるたファイルには採用担当者が各種の基準でソート可能なタグが自動的付与される。

採用プロセスに動画の統合を試みているスタートアップで最近資金を調達した会社にはVCV.AIJobUFOWilloがある。

myInterviewがライバルと競争する上での武器の1つはmyInterview Intelligenceだ。採用担当者はmyInterview Intelligenceを使用してキーワードとフレーズで検索ができる。また応募者の応答動画の音声から口調の分析も可能だ。

スクリーンショット:myInterview Intelligence

MyInterviewのAIツールは、パーソナリティの研究で広く利用されている「ビッグ5」というフレームワークに基づいている。「ビッグ5」ないし「性格の五因子モデル」は採用プロセスで長年使われてきた。myInterviewは検査様式に回答を記入させる代わりに、動画を解析したスクリプトに基づいてプロセスを自動化する。

myInterviewによれば、職場文化との適合性に重点を置いた機械学習により最終候補者リストを自動的に作成することで、採用担当者は時間的余裕を得ることができ、従来の方法では見落とされがちだった適格者を発見するのに役立つという。ギルマン氏によると、同社のプラットフォームは、行動心理学者と協力し、多様な動画データセットを使用してアルゴリズムをトレーニングすることで採用プロセスに混入しがちなバイアスを最小化させようとしている (AIを使用して採用における各種のバイアスを克服する試みとしては、最近資金調達に成功させたRippleMatchなどがある)。

あらゆる関係についていえるが、特定の企業文化に適合する性格がどんなものであるか明確に定義するのは難しい場合が多い。myInterviewのデベロッパーにはプログラマーだけでなく行動心理学者、機械学習エンジニアが含まれており、優れたチームを構成する要素がなんであるか解読しようとしているという。ギルマン氏はこう説明する。

複雑な階層構造を持つ大企業に向いた求職者もいれば、家族的な自由な空気の小規模な企業でうまくいく求職者もいます。これらははっきりした結果をもたらす要素です。我々は求職者と雇用企業の双方にメリットのあるプラットフォームの実現を目指しています。

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カテゴリー:HRテック
タグ:myInterview人材採用機械学習

画像クレジット:FreshSplash / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

データを駆使するスタートアップは人材採用にもデータを活用すべきだ

著者紹介:Zoe Jervier Hewitt(ゾーイ・ジャービエ・ヒューイット)氏は、マルチステージVCファンドのEQT Ventures(EQTベンチャーズ)のリーダーシップコーチおよび人材パートナー。企業成長の各段階で候補者を確保するために必要とされる適切なテクノロジーおよび人脈の活用を促すことにより、体系的かつ迅速な方法で人材を集められるよう投資先企業を支援している。

ーーー

新興企業の多くがテクノロジー思考の創業者によって起業されている。また、ベンチャーキャピタルは、製品開発や事業拡大のためにデータを駆使するアプローチを取る企業に投資している。しかし皮肉なことに、人材の採用となると、データ志向ではない従来型の企業よりもデータを活用せず、型にはまった手法を使う新興企業が多い。実のところ、テック業界では人材採用がこれまでに劇的に変わったことはなく、「人材採用」という、会社の命運を分ける決定が、今でも履歴書や面接に基づいて下されている。

その結果、チームの構築だけでなく、スタートアップ界全体の多様性にも弊害が及んでいる。
データを駆使した採用とは、候補者を絞り込むための適切な基準を定めてプロセスの効率を判断するだけのことではない。ここで言うデータとは、募集職種に適した人物かどうかを判断するために収集して評価する情報(または収集しない情報)の選択も含まれる。チームを構築するため、つまり、チームに加える人材を選考するための科学的な方法があるのに、なぜ創業初期のスタートアップの人材採用ではいまだにデータが活用されていないのだろうか。

人材の選考にはそもそも人が関わるのだから、完全に科学的なものにすることはできない、と言う人もいる。人間は、各々が独特かつ複雑であり、感情的で予測不能だ。加えて、「自分には他人の特質や才能を見きわめる能力がない」と思っている人は少ない。ほとんどの人は、自分には優れた直感と、才能をかぎ分ける「鼻」があると、自信過剰なまでに信じている。優れた結果を出すのに正式な訓練や何十年もの経験が不要な数少ない業務、それが人材採用である。

直感に基づく評価をやめる

この時代遅れの考え方の影響はいたる所で感じられる。最初に、また最たるものとして、チームダイナミクスに関係する場合が挙げられる。まず、ある人物に資格があるかどうかを知るには、何を評価するかを理解していなければならない。職責を全うするのに必要なことに関する浅い理解のまま業務を続ける企業には、優れた選考システムの構築に不可欠な情報が欠けている。その結果として出来上がるのは、体系化されていない面接が重視され、何らかの予兆を示すシグナルが軽視され、直感が評価を左右する、貧弱な採用プロセスだ。

業務を遂行する能力に応じた役割を候補者が獲得できるかどうかは、相性や自信、カリスマ性によって決まる可能性が高い。その結果、新規採用者のほぼ半分が役に立たなくなって脱落する可能性があり、貧弱なチームが構築されることになる。信頼できるデータが欠如しているということは、多くの企業において、採用とチームの業績の間のフィードバックループが壊れているということである。そのため、学習と改善が脇に押しやられることになる。全体像を把握できなければ、最高水準の業績を導き出すスキル、特質、行動パターンが採用プロセスで効果的に評価されているかどうかを判断することは不可能だ。

主観的な手法の危うさ

さらに危険なことに、証拠に基づいて収集と評価を行うように設計されていない採用プロセスは、ほとんどの場合、多様性の乏しさにつながる。周知のとおり、多様性に乏しいと、イノベーションや企業の成功が阻害される

人材の選考と育成を主観的に行うと、無意識の偏見と排除が繰り返される環境が生まれ、テック業界のエコシステムの均質性を増幅させる。創業初期の企業は採用候補者を探す手段として自然と人脈に頼り過ぎる傾向があるが、それは解決策にはならない。

最後の点として、主観的な手法は人材採用の担当者や専門家に対する信頼度を落とすことにつながる。今の状態では、人材の募集と選考は単純で重要度が低い事務仕事、または水晶玉をのぞき込むのと同じ程度のデータしか得られない「闇の魔術」というらく印を押され続けることになるだろう。

証拠に基づく手法を採用する

採用プロセスの客観性を高める際、創業者とそのチームが最善の益を得るには、まず、チームを構成する各役割における成功の尺度を、証拠に基づいて明確に定義することから始める必要がある。次に、選考の各段階を体系化して特定のスキルや行動特性を評価する。つまり、何をいつ評価するのか、どんな基準でデータを評価するのか、といった点を決める。言い換えれば、候補者が特定の役割を果たせるかどうかを正確に予測する根拠になり得る、信頼性の高いサインを可能な限り見きわめることを目標とすべきだ。

採用担当の管理職による評価の客観性を高めるのに役立つ、科学的な手法に基づいた人材評価ツールは最近まで、主に有名大手企業で使われてきた。そうした企業は大量の求人応募の処理に頭を悩ませている。ネット応募が普及したがゆえの、ぜいたくな悩みである。しかし、最近生じている3つの変化は、創業初期のスタートアップ企業がチームを拡大するときの採用活動に見られる傾向を示している。

  1. 多様性と包括性を持つチームを構築することへの圧力。2020年は、ほとんどの企業にとって、多様性と包括性が優先課題になった年である。チーム構築の一環として使われる評価ツールは、認識、個性、スキルの面で足りない部分がどこにあるかをより正確に特定するのに役立ち、その不足部分を埋める人材の採用に集中できるよう助けてくれる。このようなツールを使うと、長所と短所に関するより客観的な情報に基づいて候補者を評価できるため、面接に入り込む可能性がある無意識の偏見を低減させることができる。
  2. 求職者の急激な増加。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、求人活動に2つの大きな影響を及ぼした。第一に、企業はリモートで働く人材の採用を余儀なくされている。その結果、テック企業のほとんどの職種について、今まで以上に世界中から採用することが可能になった。第二に、人材プールが拡大したため、平均求職数が劇的に増えた。候補者優位の市場から雇用者優位の市場へと変化したため、人材採用に関する評判があまり確立されていない創業初期の企業にとって、可能性を秘めた人材の発掘はますます難しくなっている。
  3. 人材評価ツール製品の性能向上と価格低下。長い間、人材評価ソフトウェアの大部分は、会社の形態になっていない顧客には手が出せないものだった。インターフェイスがわかりにくく、候補者が敬遠するような設計だったため、科学的な根拠に基づくツールは数多くあったのに、それが、テクノロジーと自社製品のことで頭がいっぱいの創業者の目に留まることはなかった。さらに、管理や解釈のために追加のコンサルティングや専門家によるトレーニングが必要なツールの多くは、創業初期のスタートアップの予算では到底手が出ないほど高価だった。自動化、製品設計、コンプライアンスに注力した新製品が人材評価ツール市場に登場すれば、スケールアップを目指す企業がこの分野に投資することは正当な選択となる。また、人材評価ツールがチームの業務ツールキットに必須のSaaS製品になるにつれて、このツールに対する認識も変わるだろう。

このような外的要因によって人材採用が証拠に基づいた手法へとシフトしていく中、企業自身も採用に関する慣例を変えていく必要がある。これは優先的に取り組むべき課題だ。体系化されていない面接はとても自然に感じるかもしれないが、人材を正確に選考する面では非常に危険である。面接で会話することは確かにすばらしいかもしれないが、そのような会話では、本当に重要なことに基づく賢明で正確な判断を妨げる雑音も聞こえてしまう。

人材の採用においては、直感的なフィーリングや「勘にまかせる」ことには慎重でなければならず、決定は常に、募集職種に関する正確な根拠に基づいて下す必要がある。チームの強固な土台を据えることを目指す新興企業は、主観的な人材採用によって無駄や偏見が発生するリスクを冒してはならない。

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カテゴリー:HRテック
タグ:人材採用データ分析

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(翻訳:Dragonfly)