植物由来肉を人工脂肪でおいしく満足できるものにするYali Bio

Yali Bioのチーム。左から3人目がCEOのユーリン・ルー氏(画像クレジット:Yali Bio)

フードテックの企業にとっては人の食習慣を変えることが重要だが、特に代替肉製品の場合は、味も匂いも食感も本物の肉のようでないと多くの人は満足しないため、なかなか難しい。

Yali Bioは、この問題を解決したと称する企業の1つで、同社はそのために、植物由来の食肉や乳製品のための人工脂肪(designer fats)を開発した。同社は現在、代替食肉の味を良くするための顧客特注の脂肪を生産するプラットフォームを作っている。

その加工技術を支えるものは、合成生物学とゲノミクスのツール、およびディープラーニングの技術で、それらによって作られる脂肪は、現在植物性の蛋白質に使われているココナッツなどの油脂よりもサステナブルだ。しかもその味や質感は、動物性脂肪を模倣している、とCEOのYulin Lu(ユーリン・ルー)氏は主張している。

ルー氏とチーフサイエンティストのPeng Xu氏は、カリフォルニアで同社を2021年に創業した。ルー氏はフードテックの前歴があり、Impossible FoodsやEat Justの躍進をこれらの企業の社員として見てきた。Peng氏は合成生物学が専門で、微生物を利用するシステムで脂質を開発してきた。

「明らかに現在は、製品の質と消費者体験が伸び悩みの段階にある。食肉は成功したブランドもあるが、そこから先がない。人びとが好む高級肉はいろいろな種類があるが、その代替製品に共通して欠けているのが製品の質を高める脂肪だ」とルー氏はいう。

彼によると、今はほとんどの植物由来の食肉が、脂肪に代わるものとしてココナッツオイルを使っているらめ、食品企業はどうしても風味添加物を使うことになり、消費者の好みに合わない製品を作っている。しかしYali Bioの技術は、非常に多種類の機能性脂肪を作ることができ「市場の鍵」を開けることができる。それまでその市場は、製品の質と消費者体験に限界があった。

顧客が必要とする脂肪を作れるようになった同社は、今度はそれらの人工的な脂肪を製品中に効率的に利用できる生産システムに取り組んでいる。これまで他社が使っていた方法の中には、動物の細胞や脂肪組織を使うものもある。

しかしYali Bioが採用したのは、微生物を利用する精密発酵という技術だ。独自の技術で微生物の菌株のライブラリを作り、それらをすべてテストした。次の段階は、発酵器の中で菌株を活動させ発酵工程をデモンストレーションするパイロット事業だ。それにより、小規模ないし中規模でも生産できることを証明する。

これらのステップをすべてこなしていくには、資本が少々必要だ。ルー氏はアクセラレーター事業を半年受講し、その間に新しい実験室を作った。そのとき同社はEssential Capitalがリードするシードラウンドで390万ドル(約4億5000万円)を調達した。このラウンドには新旧さまざまな投資家が参加し、それらはThird Kind Venture Capital、S2G Ventures、CRCM Ventures、FTW Ventures、そしてFirst-in Venturesなどだ。エンジェル投資家として、Stephanie Sher(ステファニー・シャー)氏とJohn Goldsmith(ジョン・ゴールドスミス)氏が参加した。Yali Bioのこれまでの総調達額は500万ドル(約5億8000万円)になる。

資金の一部は実験室の建設に投じられるが、他にも、合成生物学の部門や製品開発、パートナー選び、マーケティング、新規雇用などにもお金が必要だ。求める人材は、製品開発や食品科学、発酵などの方面で、年内に約12名が欲しいとのこと。

ルー氏によると、Yali Bioの技術も他の技術と同じく、本番稼働までに時間がかかる。例えば細胞培養を使う方法は7年前に最初の波が興ったが、現在でもパイロット段階の企業が少なくない。それらは、わずかな量の製品をレストランに卸している程度だ。Eat Justのようなスタートアップも、The EVERY Coのような食品メーカーも、今では細胞培養ではなく精密発酵を利用している。

ルー氏はさらに「今のチームでできることには限界があるため、もっと人を増やしてバイオテックの研究開発企業から具体的な製品のある企業に変わっていかなければなりません。精密発酵のデモを行い、他の技術よりも製品やサンプルを速く作ることができることを知ってもらいたい。その他、規制の問題や最終製品の形状、技術の複雑性といった難しいポイントはありますが、2〜3年後には製品を出したい」という。

Essential CapitalのマネージングパートナーEdward Shenderovich(エドワード・シェンデロビッチ)氏によると、代替食品への投資は初めてという投資家が多く、特に合成生物学の食品への応用という新しい技術はまだよく知られていない。

彼によると現在は第四次農業革命の前夜だという。これまでの農業はコスト低減と増産と質の向上を追ってきた。しかし、第四次はバイオの生産技術が引っ張り、サプライチェーンと価値の創造機会に大きな変化が訪れる。

「動物をベースとする農業から、バイオ生産による動物を使わない農業への移行を可能にするものなら、どんなものでも追究する価値があります。Yulinは、植物由来の発酵食品や培養食品の採用に立ちふさがる重要な難問を特定しています。培養肉の多くはタンパク質だけですが、脂肪も欲しい。脂肪は悪者扱いされてきましたが、現在、見直されつつあります」とシェンデロビッチ氏はいう。

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

植物肉スタートアップのDAIZが30億円のプレシリーズC調達、熊本・新工場による生産体制強化と国内外でさらに販路拡大

植物肉スタートアップのDAIZが総額30億円のプレシリーズC調達、熊本・新工場による生産体制強化と国内外でさらに販路拡大発芽大豆由来の植物肉(代替肉)「ミラクルミート」を開発・生産するDAIZは2月1日、プレシリーズCラウンドにおいて、第三者割当増資による総額30億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、日清食品ホールディングス、丸井グループ、三菱ケミカルホールディングス、長谷川香料、物語コーポレーション、東洋製罐グループホールディングスの事業会社6社と、インベストメントLab、三井住友海上キャピタル、グローバル・ブレインなどの金融投資家4社。累計資本調達額は60億5000万円となった。国内のフードテック・スタートアップとしては、最大級の資金調達額。また、植物肉市場の成長が著しい海外での事業展開を見据えており、現地生産拠点の確保のために2022年中に追加で数十億円規模のシリーズCラウンドの資金調達を計画している。

プレシリーズCラウンドで調達した資金は、ミラクルミートの生産体制の拡大と研究開発(R&D)の強化、グローバルでの事業展開、成長を支える人材採用などにあて、さらなる事業基盤の拡充を図る。生産体制の拡大として、2023年の稼働を目指して熊本県内に新工場を建設する計画が進行しており、現在の年間生産キャパシティ4000トンの5倍の年間2万規模になるという。

また、成長資金の獲得と提携企業との協業によりミラクルミートの商品開発や販路拡大、SDGs観点の差別化訴求などを推進する。

DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とした熊本発のフードテック領域のスタートアップ。DAIZが生み出した環境負荷が小さい次世代の植物肉ミラクルミートは、大手ハンバーガーチェーンや、大手スーパー各社、飲食店など50社を超える採用実績を持ち、味の素やニチレイフーズなどの大手食品メーカーとの共同開発も進めてきた。

大手企業と連携して日本の食品技術を結集させた「オールジャパン構想」のもと、さらに研究開発を重ねることで「ミラクルミート」の価値向上を図っているという。また、2021年5月には米国・ボストンにDAIZ初の海外子会社を設立し、欧米市場へ進出した。

「鼻」でも味わえるBlack Sheep Foodsの植物由来肉、ラムなど植物由来ジビエを開発

植物由来の伝統的ないつもの肉やジビエを製造するフードテック企業Black Sheep Foodsが、特許出願中の風味化合物の開発を継続するため、525万ドル(約6億1000万円)のシード資金を獲得した。

共同設立者のSunny Kumar(サニー・クマール)氏は、TechCrunchの取材に対し、植物由来肉の中には、口で生み出す味に頼っているものがあると指摘する。彼の会社では、鼻で適切なタイミングで感じる味を作り出している。

「口で感じる味は初歩的なものです。私たちは、鼻で感知できる化合物を研究しています。人は狩猟や採集をするときに、鼻を使ったのです」と彼はいう。

2019年からBlack Sheep Foodsは、エンドウ豆のタンパク質と脂肪酸からなる化合物を作り、それをどのように提供するのがベストなのかと研究開発に取り組んでいる。

近年、植物性の鶏肉や牛肉が人気だが、地中海、インド、中東、アフリカの食生活でよく食べられるラムなどのジビエは、このトレンドに取り残されているとクマール氏は考えている。

そんな偏ったトレンドを作り出しているのが、2020年で66億7千万ドル(約7700億円)に達している植物由来肉の世界市場だ。今後、食べ物を意識する人がもっと増えて、サステナブルな方法で生産された食品を求めるようになると、その市場は2026年に167億ドル(約1兆9276億円)になるという。

今回の資金調達により、同社は植物由来の肉類をより多くの消費者、特にラム肉を食べたことがありその味が気に入らなかった人に提供する機会を得た。

Black Sheep Foodsの出資者には、AgFunder、Bessemer Venture Partners、TastybitesのMeeraとAshok Vasudevan、New Crop Capital、Siddhi Capital、Smita Conjeevaramがいる。

同社は2021年、植物由来のラム肉を、ベイエリアのSouvlaなど、ギリシア料理レストランとパートナーして試してみた。それは、Souvlaにとって7年ぶりの新メニューだった。2022年には、同社のミートボールがデルタ航空のファーストクラスとビジネスクラスの機内食で提供される。

2022年1月は、植物製ラム肉がベイエリアのRooh、Chezchez、Beit Rima、Joyride、Mazra、Monica’s、Ettanなどでも提供される予定だ。

クマール氏の計画では、資金は、実際の市場規模を知るためのマーケティングの市場調査にも当てたいという。またR&Dでは合成生物学の分野を追究するとともに、その一環として、イノシシなどその他の風味も実現したい。

「最大のハードルは多くの人にサンプルを試食してもらうことです。2021年は、パートナーのレストランのシェフたちに販売するだけで売り切れになった。競合他社がどれだけ売っているのか知りたいですし、私たちはその数字を超えたいです」とクマール氏はいう。

画像クレジット:Nicola Parisi

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

非動物由来のプロテイン製品開発に成功したThe EVERY Co.、卵市場に変化をもたらす

エッグプロテインという非動物由来のタンパク質を作る精密発酵技術を開発したThe EVERY Co.の2021年の業績が好調だ。

以前はClara Foodsとして知られていた同社は、4月にAB InBevの投資部門であるZX Venturesの投資先であるBioBrewと契約を結び、非動物由来のタンパク質を大規模に醸成することに成功した。EVERYの初の非動物性エッグプロテインは、2021年後半に最初の小売顧客との共同ブランド食材として発売される予定だ。

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そして米国時間12月7日、募集額以上に申し込みのあったシリーズCラウンドで1億7500万ドル(約198億8600万円)が集まったことを発表した。この投資は、新規投資機関のMcWinと既存投資機関のRage Capitalが共同で行い、ラウンドにはTemasek、Wheatsheaf Group、SOSV、TO Venturesなど、新規および既存の投資機関が参加した。EVERYによれば、Prosus Venturesも今回の資金調達に貢献しており、合成生物学への初の投資となった。

今回の投資により、EVERYの資金調達総額は2億3300万ドル(約264億8200万円)に達した。TechCrunchでは、2015年にEVERYが170万ドル(約1億9300万円)のシード資金を調達した際に紹介した。その後当社は、2019年にはシリーズAでさらに1500万ドル(約17億円)、シリーズBで4000万ドル(約45億4600万円)の資金を確保している。10月にはThe EVERY Co.に社名を変更した。

その際、CEO兼創業者のArturo Elizondo(アルトゥーロ・エリゾンド)氏は、プレスリリースを通じ「私たちの新しいブランディングは、21世紀のフードシステムを根本的に変革し、あらゆる場所のあらゆる人間が、その過程で地球や動物に害を与えることなく、慣れ親しんだ好きな食べ物を楽しむことができるようにするという私たちのビジョンを届けるものになっています」と語った。

The EVERY Co.の創業者兼CEOアルトゥーロ・エリゾンド(画像クレジット:The EVERY Co.)

社名変更に加えて、11月には初の非動物由来のエッグプロテイン「EVERY ClearEgg」を発売し、コールドプレスジュースブランドPressedとのパートナーシップによりEVERYの製品が入ったスムージーを作り、小売デビューを果たした。

エリゾンドは、これは同社の7年間の仕事の集大成だとTechCrunchに語った。そして2019年のシリーズBは技術を証明するためのもので、今回のシリーズCでは、製品を市場に投入し、資本を活用して規模の拡大を推進することができると付け加えた。

また、この2年間でEVERYは、収益予測値だった状態から収益を得るようになり、従業員が30人から60人に増え、すべての製品に対し米食品医薬品局の承認を得て、米国、欧州、アジアで販売するようになった。

今回の資金調達により、同社は生産規模の拡大、パイプラインのさらなる製品の商業化、そして技術の新たな食品用途への拡大を図ることができる。

エリゾンドはこう語る。「私たちは今、導入促進のためのスケールアップに注力しています。B2Cについては多くの報道がなされており、Kellogg’sやGeneral Millsのような企業も追いかけてこの種の製品を発売しようとしていますが、インフラが追いついていません。これらの技術が機能し、変化を可能にするためには、それに見合った規模が必要です。当社では、その配備を始めています」。

一方、卵市場はいまだに動物由来の卵に支配されている。世界で年間1兆3000億個以上の卵が生産されているが、EVERYはその卵市場に変化をもたらそうとしている。当社の調達額の大きさは、その技術が機能し、支持を得ているということを示している。

EVERYは、Simply Egglessや今夏の初めに2億ドル(約226億7600万円)を調達したEat Just、ベルリンに拠点を置くフードテック企業で、2022年第1四半期に鶏を使わないエッグ製品を発表したPerfeggtなど、同様の動物由来でないエッグ製品に取り組んでいる企業の仲間に加わっている。Perfeggtは11月に280万ドル(約3億1700万円)を調達している。

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エリゾンドは、この分野の企業が増えることは、競争ではなく「上げ潮はすべての船を持ち上げる」ものだと考えている。それよりも、認知度を高め、本物の卵と同じ割合で使用されるようにできるかが勝負だ。

「卵はほとんどすべてのものに使われている機能的な食材ですから、ただおいしいだけの製品を作っても上手くいきません。市場を席巻するためには、消費者が代わり、1:1の比率にならなくてはなりません。そうすれば既存の企業と対抗する最大のチャンスになります」と彼はいう。

Rage CapitalのマネージングパートナーであるGabriel Ruimy(ガブリエル・ルイミー)は声明文の中で「100年以上の歴史を持つ業界に革命を起こしたと確信をもって主張する企業は稀です。しかし、EVERYのアルトゥーロやそのチームは、まさにそれを実践しています」と述べている。

また、McWin Food Ecosystem Fundと世界で2300のレストランを運営するAmRestの創業者であるHenry McGovern(ヘンリー・マクガバン)は「レストラン業界は、新しい食品技術をいち早く取り入れ、消費者に紹介します。McWinは、レストランに深く根ざし、代替タンパク質のリーディングカンパニーに多くの投資を行ってきたことから、EVERYの製品を世界中のメニューに導入するという野心的な計画をサポートできる独自の体制が整っています。卵はどこにでもあるものであるだけでなく、代替することが非常に困難なものでもあります。EVERYの革新的な技術には大きな可能性を感じています」と述べている。

画像クレジット:The EVERY Co.

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(文:Christine Hall、翻訳:Dragonfly)

ジャックフルーツを使った代替肉の普及を目指すjack & annie’sが約26.3億円調達

jack & annie’sの創業者アニー・リュウ氏(画像クレジット:jack & annie’s)

ジャックフルーツ(パラミツ)を原料にするサステナブルな代替肉ブランドJack & annie’sが、米国時間12月14日に2300万ドル(約26億3000万円)のシリーズBの調達を発表した。

ラウンドはCreadevとDesert Bloomがともにリードし、Wheatsheafと既存の投資家Beta AngelsおよびInvestEcoが参加した。同社の創業者でCEOのAnnie Ryu(アニー・リュウ)氏は、TechCrunchに対して、以前のラウンドは発表しなかったし、これまでの総調達額も公表しないが、今回は「これまでのラウンドの合計より大きい」と語った。

ジャックフルーツの製品化のアイデアを思いついたのは10年前、リュウ氏がハーバードの医学部大学院の学生時代だった。彼女は弟と一緒に会社を起こし、インドでジャックフルーツを知った。

リュウ氏はこの果実が干ばつに強くて収量も多いことを知ったが、現地の人たちが好きなだけ食べても70%が未使用であることもわかった。世界の健康が研究テーマだったリュウ氏は、この果実の利用量を増やすことで地域の貧困を終わらせたいと考えた。今日では彼女のブランドは1000戸の農家と協力して、彼らの収入の10〜40%を提供している。

その後、リュウ氏は「ジャックフルーツ最大のサプライチェーンの開拓」を始めた。最初に作ったブランドは2015年に厚い果肉を利用し、コクのあるフレーバーでタンパク質や食物繊維など栄養価も高かった食品を提供した。現在、The Jackfruit Co.は約10種類の製品を、主にベジタリアン向けに販売している。当初はWhole Foodsが販路だったが、その後、拡大している。

2020年にローンチしたjack & annie’sは、リュウ氏によれば「とても親しみやすい」ブランドだという。同社は10種類の冷凍食品をそぼろやミートボール、ナゲットなどの原料として売っている。小売価格は、冷凍製品が4.99〜5.99ドル(約570〜約680円)、冷蔵製品が6.99ドル〜7.99ドル(約800〜910円)となっている。

ジャックフルーツを原料とする植物性の代替肉食品を扱う企業がいくつか登場している。2020年はシンガポールのKaranaが170万ドル(約1億9000万円)を調達して、植物性の豚肉代替食をこの果実で開発している。UptonのNaturalsThe Very Good Butchers、そしてNative Forestなども、この果実を使った代替肉食品を作っている。

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しかしリュウ氏のブランドは1年足らずで1500ほどのリテイラーに広がり、その中にはWhole FoodsやSprouts、Meijer、Wegman’s、Hannaford、Target、Giantなどもいる。同社はまた、植物性代替肉の冷凍製品では3番めに大きいブランドだ。また自然食品の流通チャネルでは同社は、SPINS Natural Channelによると、10月3日までの12週でナゲットのトップだった、とリュウ氏はいう。

同社の売上は前年比で倍増というペースを続けており、今度の資金はパートナーシップの構築の継続と、新たなイノベーション、各店におけるシェルフスペースの拡大、総流通量の拡大に投じられる。

リュウ氏によると「ジャックフルーツはビーフやポーク、チキン、シーフードなどのようにしやすため、これまで行ってきたことは氷山の一角にすぎないでしょう。リーダーとしてやるべきことは、多くの顧客のイノベーションパートナーであることです。彼らがジャックフルーツの肉のような食感を利用し、素性がわかる良質な原料だけで美味しい製品やメニューを開発しているときは、私たちがボウルダーにあるR&Dセンターを利用して協力することができます」という。

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

霜降り技術が売りの植物性ステーキ開発Juicy Marblesが5.1億円を調達

スロベニアのスタートアップJuicy Marbles(ジューシーマーブルズ)のおかげで、肉を食べる人に対し、環境にやさしい食事をするよう説得することが(それが矛盾に聞こえなければ)少し楽になるかもしれない。同社は、植物性のホールミートカット(塊肉)を作る方法を開発した。

「Fancy Plant Meat(すてきな植物性肉)」は、フィレミニョンステーキやその他の(動物)肉の「プライム」カットに代わる、ヴィーガン向けの同社製品を表現する力強い売り文句だ。

リュブリャナを拠点とするこのスタートアップは、植物性タンパク質の最高級品を市場に投入するため、450万ドル(5億1000万円)の資金調達を発表した。前述の(ヴィーガン)フィレミニョンを皮切りに、2022年第1四半期の発売を予定している。

なぜフィレスミニョンなのか。それは、独自に開発した「霜降り技術」を最もよく発揮できるカットだからだ。また、フィレミニョンを選んだのは、このカットが(肉の)ステーキの「王冠の宝石(重要部分)」と考えられているからだという。

さらに、高級フェイクミート市場は比較的競争が少ない。それに対し、ハンバーガーソーセージベーコンチキンテンダーなどの、派手さが少なく、カットがより小さい代替タンパク質製品は、製造する企業が多数存在する。そのため、大きなサイズでがっしりとしたものにすることは、盛り上がる代替タンパク質市場で目立つための1つの方法だ。

「他のホールカットに先駆け、まずはフィレスミニョンから始めることにしました。フィレミニョンはステーキ界の『王冠の宝石』であり、当社の霜降り技術が最もよく発揮されるからです。当社の明確かつ決定的なセールスポイントと言えるでしょう」とJuicy MarblesはTechCrunchに語った。

「私たちは、最も高価なカットだけではなく、サーロイン、ランプ、フィレ、トマホーク、和牛、そしてフィレミニョンで知られるようになりたいと思っています。長期的には、フィレミニョンをより手頃な価格で、植物性であることによる経済性の違いを考慮した上で、入手しやすいものにしていきたいと考えています」。

Juicy Marblesのフィレミニョンにかぶりつくとき、あるいはかぶりつくとして、実際に食べているのは何だろうか。主なタンパク質は大豆だ。大豆は栄養価が高く、環境的にも持続可能であると同社は主張している。

「大豆栽培が森林破壊を引き起こしているという問題があります。これは、大豆栽培が家畜を育てるために必要とされるからこその問題です。大豆生産量の97%は家畜の飼料として使われており、もし私たちの肉がすべて植物由来になれば、大豆栽培の悪影響は単純になくなってしまうでしょう」と同社はいう。「人間が食べるための作物として、純粋に人間が消費する大豆に必要な土地ははるかに少なく、現在必要とされている農地の3分の1以下になるでしょう」。

大豆は用途が広い。Juicy Marblesは、あらゆる形態で食べることができると指摘する。生、ドライ、プレーン、発芽、粉末、発酵といった状態の他、豆腐、ソース、スープ、デザート、飲み物などとして摂取することができる。同社は「大豆中心のフードカンパニー」となることで、より柔軟に料理を提供できると述べている。

例えば、大豆を使ったマグロのステーキなどのアイデアがある(動物性ではない、マグロ代替品を最初に市場に出す会社というわけではない。例えばYCが支援するKuleanaなどがある)。

「私たちのビジネスは、タンパク質の食感というコンセプトを基盤としています。これこそが、人々が安価な肉と比較してステーキに惹かれる決定的な要因なのです。植物性食肉のホールカットの分野では、あまり革新的な技術がなく、誰も高級品を模したステーキを開発することができませんでした」と同社は語る。「この分野でも脱炭素化や植物由来の代替品のニーズがあることを考えると、これは大きなライバル企業が開拓していない巨大な機会だと思います」。

画像クレジット:Juicy Marbles

「植物由来の製品といえば、現在はハンバーガーやソーセージ、ベーコンなどの安価なカットに限られています。また、チキンテンダーやツナ缶などの塊もありますが、ホールカットはありません」と付け加えた。

Juicy Marblesは、どのようにしてこのような大量のフェイクミートを製造できるのかを明らかにしていない(タンパク質の霜降り技術を解明しようと「多数の大手食品会社が嗅ぎ回っている」と主張している)。

しかし、同社は、自社の知的財産が確実に保護されるようになれば、より透明性が高まるとしている。

同社は、植物性ステーキが研究室で栽培されたものでも、3Dプリントされたものでもないことを明記した上で、特許出願中の独自の3D組み立て技術を使用しており、これによって「形状、食感、霜降り、味、香り、栄養を完全にコントロールした、A5等級の高級肉」を作ることができると主張している。

もちろん、これらの主張の真偽は食べることで明らかになる。しかし、Juicy Marblesは「高レベルの霜降り効果」と「大胆で豊かな風味」の両方で肉を食べる人は驚くはずだ、という。

また、発売時には「平均的な価格」のフィレミニョンと「同等」の価格を実現するが、最終的には(「2〜3年以内に」)ステーキ1枚あたりのコストがより手頃価格の肉を買うのと同じになるよう縮小していくとしている。

Juicy Marblesは、植物性ステーキには非飽和脂肪酸が使用されており、肉類に比べてナトリウムが少ないこともメリットだと指摘している。なので、植物性ステーキへの切り替えを検討する健康上の理由付けがあるかもしれない(地球上の生命の未来が十分に大きな理由ではない場合)。

今回のシードラウンドは、植林活動を行う検索エンジンEcosiaが新たに設立したWorld Fund(3億5000万ユーロ=約448億円の基金)がリードしている。同ファンドは、地球の脱炭素化に役立つテックに取り組んでいるスタートアップにフォーカスしていて、TechCrunchは2021年10月同ファンドの立ち上げを取り上げた(Juicy MarblesはWorld Fundの最初の投資先だ)。

このファンドのゼネラルパートナーDanijel Visevic(ダニジェル・ビシェビッチ)氏は、声明で次のように述べた。「近年、地球と自分の健康のために真の変化を起こしたいと願う世代によって、植物由来の代替品へのシフトが起こっています。しかし、多くの場合、代わり映えのしないものを目にしたり、ホールカット肉のようなちょっとした贅沢を諦めることができず、完全な植物性食品への移行に抵抗を感じたりしています。Juicy Marblesのチームは、これを真に理解しています。チームの現実的で熟考されたアプローチは、彼らの技術力、そして食欲(!)と相まって、植物性食品のパズルの主要な部分をついに解明しました。チームに加わり、今後数カ月、数年のうちにどれほどのインパクトを与えるかを目撃できることに興奮しています」。

今回のラウンドには、Agfunderの他、Y CombinatorやFitbitなどのエンジェル投資家が参加している。

Juicy Marblesによると、今回の資金調達は、植物由来のステーキを小売市場に投入するための生産規模の拡大に使用される。

同社は、こだわりのある食料品店やレストランだけでなく、スーパーマーケットへの販売も計画している。しかし、生鮮食品を個人の消費者に配送するための「地球に優しい」梱包は複雑であるため、消費者への直接販売は特別なオファーに限られるとのことだ。

また、同社はチームを拡大し、新しいカットの開発含むR&Dをさらに強化する予定だ。

「学習サイクルとして、次のラウンドでは、植物性肉のギガファクトリーを設立して事業規模を拡大し、植物性肉の価格をさらに下げることができます」とも話す。

ちなみに、Luka Sinček(ルカ・シンチェク)氏、Maj Hrovat(マジ・フロヴァット)氏、Tilen Travnik(ティレン・トラブニク)氏、Vladimir Mićković(ウラジミール・ミッチコビッチ)氏の創業チームにはヴィーガンと肉食のどちらもいる。

画像クレジット:Juicy Marbles

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

代替肉ミラクルミートのDAIZと物語コーポレーションが資本業務提携、代替肉メニューを焼肉きんぐなど国内外の店舗で展開

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

発芽大豆由来の代替肉(植物肉)「ミラクルミート」を開発・生産するスタートアップ「DAIZ」は11月19日、物語コーポレーションとの資本業務提携を発表した。物語コーポレーションは、焼肉きんぐにおいて、ミラクルミートをベースにした新たな焼肉商材の共同開発とイノベーションを推進する。また、DAIZがミラクルミートを使用してレシピ開発した餃子・春巻きなどの商品を丸源ラーメンなど複数業態において展開を拡大させる。海外店舗においても、ミラクルミートを使用した商品の現地製造ならびに販路拡大を予定しているという。

物語コーポレーションは、国内において郊外ロードサイドを中心に「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」、中国・上海では「蟹の岡田屋総本店」「熟成焼肉 焼肉王」など国内外16ブランド595店舗を展開する外食企業。物語コーポレーションが掲げる中期経営計画「ビジョン2025」では、2025年期に「アジアにおける業態開発型カンパニー」として、グループ売上高1500億円(直近2021年期実績:959億円)を目標とし、既存事業の強化や新事業、新業態の開発を推進している。

DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)をコア技術とするフードテック領域のスタートアップとして、環境負荷が小さなミラクルミートの研究開発・提供を通じて、タンパク質危機や地球温暖化の解決の一助となることを目指している。より多くの消費者へ、新たな肉として代替肉の認知向上を図り、サステナブルな食文化の啓蒙をするべく、今回の資本業務提携に至った。

SDGs(持続的開発目標)達成に対する取組みとして、地球環境に配慮した商品ニーズに対応するべく、環境負荷の小さミラクルミートを使用した新商品開発および販売を拡大させる。また「環境」「飢餓」などの課題解決に、より積極的に取り組みを推進するという。

DAIZによると、従来代替肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、味と食感に残る違和感、大豆特有の青臭さ・油臭さ、肉に見劣りする機能性(栄養価)の点で課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていたという。

これに対してDAIZの代替肉ミラクルミートは、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また、味や機能性を自在にコントロールする落合式ハイプレッシャー法で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。この発芽大豆を、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力・食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減したミラクルミートを製造しているという。

代替肉ミラクルミートのDAIZと物語コーポレーションが資本業務提携、代替肉メニューを焼肉きんぐなど国内外の店舗で展開へ

代替肉ブームに乗って海藻をハンバーガーにしたAKUAが3.6億円獲得

世界の代替肉の市場規模は、2年前には45億1000万ドル(約5140億円)で、2027年までに倍増すると見込まれており、スタートアップを惹きつけている。AKUA(アクア)のような代替肉テック企業も含まれる。同社は、この新しい業界で、重要な地位を確立することを目指している。

テクノロジージャーナリストだったCourtney Boyd Myers(コートニー・ボイド・マイヤーズ)氏は5年前、Matthew Lebo(マシュー・レボ)氏と共同でAKUAを創業した。マイヤーズ氏は、後世に何かを残し、気候変動を食い止めるという使命を果たせる仕事を探していた。

フードマーケターの父のもとで育ったボイド・マイヤーズ氏は、ファストフードの食生活が人に与える影響を目の当たりにし、地球にも良い影響を与える、より健康的な食品を常に探していたと話す。

AKUAの共同創業者でCEOのコートニー・ボイド・マイヤーズ氏(画像クレジット:AKUA)

創業者らは当初、食品に関して持続可能性に欠ける部分、つまり工場的畜産を再生可能な海洋農業に置き換えることを考えていた。ボイド・マイヤーズ氏は友人からケルプの養殖場を見せてもらう機会があり、行ってみたところ、とても気に入り、それからAKUAが誕生した。

AKUAは米国時間11月5日、Vibrant Venturesのリードによる320万ドル(約3億6000万円)のシードラウンドを発表した。資金調達総額は540万ドル(約6億2000万円)となった。総額には、プレシード投資家やRepublicのキャンペーンからの投資や、共同創業者らの出資が含まれている。

また、今回のラウンドには、Pegasus Sustainable Finance、Halogen Ventures、Fifth Down Capital、Alumni Ventures Group、Karmagawa、ニューイングランド・ペイトリオッツのコーチで元ラインバッカーのJerod Mayo(ジェロッド・マヨ)氏、美容業界の創業者であるCristina Carlino(クリスティーナ・カーリノ)氏、SmartyPantsのCEOであるCourtney Nichols Gould(コートニー・ニコラス・グールド)氏、Sir Kensington’sの共同創業者であるBrandon Child(ブランドン・チャイルド)氏、Gellert Global Groupの社長であるAndy Gellert(アンディ・ジェラート)氏、SOAのSeabird Ventures、Blue Angelsといった面々が参加した。

2019年には、4種類のフレーバーを揃えた最初の商品「Kelp Jerky」を発売した。これはボイド・マイヤーズ氏が、海で養殖されたケルプを新しい形で人々に見てもらう良い試みだと考えた商品だった。

「運を天に任せてというところはありました。ですが、とにかくヘルシーです」と同氏は付け加えた。「パンデミックの際には新製品の開発に戻り、『The Kelp Burger(ケルプバーガー)』を考案しました」。

このバーガーは、ビーガン(完全菜食主義者)、非遺伝子組み換え、大豆フリー、グルテンフリーで、原材料として、海で養殖されたケルプ、クレミニマッシュルーム、エンドウ・プロテイン、黒豆、キヌア、クラッシュ・トマト、複数のスーパーフードが含まれる。

しかし、ジャーキーでは可能だった試食が実施できなかったため、フードクラブを立ち上げ、ハンバーガーのサンプルを送った。最終的には1000人の顧客が登録し、The Kelp Burgerは「英雄的商品」になったとボイド・マイヤーズ氏は話した。

肉の代替品には、化学的な保存料や耳慣れない成分が含まれていることが知られており、より健康的な選択肢を求める目的が損なわれてしまう。最近では、Shiruのように、この問題に注目しているスタートアップもある。同社は、より体に良い肉の接合剤の開発を目指し、1700万ドル(約19億円)を調達した

ボイド・マイヤーズ氏は、AKUAがケルプバーガーの原材料を考える際、そうした主張がヒントになったと話す。ケルプバーガーは15の原材料から成り、すべてが食品または食品由来だ。

「植物由来の食事の第1波は、Boca Burger、豆、豆腐でした」と同氏は付け加えた。「第2波はImpossibleとBeyondです。第3波はホールフードやクリーンな食事への回帰になるでしょう。これまでに存在したものがなければ、私たちは今日ここで、より優れた植物性バーガーを作ることはできなかったと思います」。

AKUAは5月に消費者への直接販売を開始し、現在はアラスカとハワイを除くすべての州に出荷している。ボイド・マイヤーズ氏は、同社には売り上げがあり、リピーターもいるものの、成長の指標を語るには時期尚早だと説明する。しかし、同社は小売店舗にも手を広げており、ニューヨークでは100店以上から予約注文を受けた。今後数カ月のうちに出荷し、続いてサンフランシスコとロサンゼルスの店舗にも出荷を見込む。

同社の品揃えには、ジャーキーやハンバーガーの他に、ケルプパスタもある。今回の資金調達は、代替肉や植物由来のシーフードの分野で、ケルプやそれ以外の食品、例えばレンズ豆などを使った新製品の研究開発に充てる。

同社は、ケルプのひき肉製品をソフトローンチした。2022年第2四半期にはケルプのクラブケーキを発売する予定だとボイド・マイヤーズ氏は話す。また、人材をさらに採用し、販売・マーケティング活動を強化する。

同氏は、Vibrant Venturesの創業者であるJarret Christie(ジャレット・クリスティー)氏と一緒に働けることをうれしく思うと語った。他の創業者から紹介されたという。Vibrant Venturesは、7月に発足したロサンゼルス発の新しい「植物由来志向」のファンドだ。

クリスティー氏はボイド・マイヤーズ氏を知るにつれ、同氏がコミュニティビルダーであると考えるようになった。工場的畜産から脱却し、気候変動と戦い、人々がより低価格で健康的な食品を手に入れられるような運動を起こしていると見ている。

「半年前には誰の目にも留まらなかったケルプですが、今では作物の飼料や包装資材、作物の肥料としても検討されています」とクリスティー氏はいう。「ボイド・マイヤーズ氏はケルプの生産者と手を取り合って働いています。これは始まりに過ぎないと思います」。

画像クレジット:AKUA / AKUA Kelp Burger

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi

TC Tokyo2021「SDGs」セッションに代替肉を手がけるDAIZ取締役CTOの落合孝次氏が登壇

TC Tokyo2021「SDGs」セッションに代替肉を手がけるDAIZ取締役CTOの落合孝次氏が登壇12月2、3日にオンラインで開催される「TechCrunch Tokyo 2021」。本年度は、期間中、7つのテーマで国内・海外のスピーカーを招いたセッションが行われる。

「SDGs」をテーマにしたセッションでは、DAIZの取締役CTO、落合孝次氏が登壇する。モデレーターは、経済コンテンツアプリ・メディアPIVOTの竹下隆一郎氏。

DAIZは、2019年12月より発芽大豆由来の代替肉(植物肉)「ミラクルミート」の事業を展開するスタートアップ。ミラクルミートは、ハンバーガーチェーンやスーパーマーケット、食品メーカー、飲食店において採用が進んでいる。またミラクルミートにより生まれる、環境価値を活用したカーボンクレジットなどの新ビジネス創出の可能性を検証するなど、環境価値の創出を通じSDGsに貢献することも目指しているという。

これまでの代替肉は、主原料として大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)が利用されてきたため、「味と食感に残る違和感」「大豆特有の青臭さや油臭さ」「肉に見劣りする機能性(栄養価)」といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていたという。これに対してDAIZの代替肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功している。

取締役CTOの落合孝次氏は、1967年生まれの近畿大学農学部卒。大手食品会社を経てカリフォルニア州ナパにてバイオベンチャーを2002年起業。その後、滋賀県長浜バイオインキュベーションセンターで本格的に活動開始。紆余曲折を経て現在はDAIZ取締役に就任。2019年4月熊本大学薬学部先端薬学教授に就任。

「TechCrunch Tokyo 2021」は、すでに参加者チケットは発売中。参加者チケットは2日間の通し券で、他の講演はもちろん新進気鋭のスタートアップがステージ上で熱いピッチを繰り広げるピッチイベント「スタートアップバトル」もオンラインで楽しむことができる。本講演は英語でのセッションとなるが、日本語の字幕が入る。

チケット購入

本記事執筆時点では「早割チケット」は税込3500円、2021年12月31日までアーカイブ配信も視聴できる「早割チケット プレミアム」は税込3500円となっている。また、スタートアップ向けのチケット(バーチャルブース+チケット4枚セット)は後日販売予定だ。

オンラインでの開催で場所を問わず参加できるため、気になる基調講演を選んで視聴することもしやすいはず。奮ってご参加いただければ幸いだ。

マクナルドが米国の一部都市でBeyond Meatの植物由来肉を使ったMcPlantバーガーを発売

2021年2月にBeyond Meatとの契約を発表したMcDonald’s(マクドナルド)は、米国時間10月14日の朝、植物由来のBeyond Meatを使ったバーガーの販売を2021年11月から一部店舗で開始すると発表した。

11月3日に登場するMcPlantバーガーは、同社の8つの店舗(テキサス州アービングとキャロルトン、アイオワ州シーダーフォールズ、ルイジアナ州ジェニングスとレイクチャールズ、そしてカリフォルニア州エルセグンドとマンハッタンビーチなど)で販売される。

いまだ初期段階であるため、マクドナルドは今回の販売をBeyond製パテの「テスト」と呼ぶ。その原料は、豆や米、ポテトなどの植物だ。2021年10月に同様のテストをスウェーデンやデンマーク、オランダ、オーストリア、英国 / アイルランドなどで行っている。

マクドナルドによると「そのパテは、トマトとレタス、ピクルス、玉ねぎ、マヨネーズ、ケチャップ、マスタード、そしてアメリカンチーズのスライスと一緒に挟まれる。味はマクドナルドの象徴的なものです。なぜならそれはマクドナルドのバーガーだからだ」。この最後の文章は、人によって反応がまちまちかもしれない。

同社によると、今後のMcPlantには植物由来のチキンやポーク、それに卵も使っていきたいという。

Beyond Meatは2021年2月に、Yum Brandsと提携している。同社の傘下にはKFCやPizza Hut、Taco Bellなどがある。競合するImpossible Foodsは、Burger KingやStarbucks、 White Castleなどと契約している。

画像クレジット:McDonald’s

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

バイオリアクターと培養細胞で、従来の肉と区別がつかないような培養肉を生み出すAnimal Alternative

従来の食肉生産はサステナブルなプロセスとは程遠いものであり、また人々に「本物」の肉を食べるのをやめてもらうという課題は先が見えていない。そんな中、バイオリアクターと培養細胞を使って、動物由来の肉と区別がつかないような肉を作ろうとしている企業の1つがAnimal Alternative(アニマル・オルタナティブ)だ。同社はデータとAIを活用したカスタマイズ可能なプロセスによって、地元の生産者にこの方法を活用してもらおうと試みている。

米国時間9月22日にTechCrunch Disrupt Startup Battlefieldで発表したAnimal Alternativeは、ケンブリッジ大学でバイオテクノロジーを専攻していた時に度々出会う機会があった2人の卒業生が考案した会社である。食肉生産業界は生まれ変わる必要があるという信念を共有していたClarisse Beurrier(クラリス・ボーリエ)氏とYash Mishra(ヤッシュ・ミシュラ)氏。2人はお互いが持つスキルがその目的のために補完し合っていることに気づく。彼らは培養肉の生産を、ハードウェアだけでなくソフトウェアの観点からも取り組むという、データを多用した新しいアプローチを追求するために会社を設立することを決めたのである。

細胞培養肉という言葉に馴染みのない読者のために説明をしておこう。細胞培養肉とは動物の組織から採取した細胞を、人工的な環境下で一般的に「肉」とみなされるだけの数になるまで増殖させたものである。しかし、牛肉をただ切り落として栄養タンクの中に入れておけば500グラムのリブロースに成長するわけではない。自然界で成長するように組織を再現するというのは非常に困難なことなのである。しかしAnimal Alternativeは、データがその答えだと考えている。

研究や医療目的で、細胞や組織の生体電気信号モニタリングを行う研究室出身のミシュラ氏。ある時、同氏とボーリエ氏はこれと同じ技術を食肉生産に応用できるのではないかと考えた。

ヤッシュ・ミシュラ氏(左)とクラリス・ボーリエ氏(画像クレジット: Animal Alternative)

「親指よりも小さなバイオリアクターを作りました。最小限の資源で多くの情報を得ることで、持続可能な方法で食肉を作るための最適なプロセスを見つけることができました」と同氏は話している。

どんな目的であれ、細胞をモニタリングするというのは非常に複雑な提案であり、多くの場合染色や他の場所でテストするためのサンプルの収集など時間のかかる旧式の技術を必要とする。彼らの革新的な技術は、リアルタイムの細胞モニタリング技術の向上と、それによって細胞成長のプロセス全体を導くことができる即時のフィードバックの両方にあるとボーリエ氏説明している。

「すべてがうまく連動しなければいけません。例えば顧客がラム肉を作りたいと思っても、そこにはあらゆるパラメータがあり、非常にダイナミックなプロセスとなっています」とボーリエ氏。特許出願中のバイオリアクターについてあまり多くを語らないようにしていた2人だが、このバイオリアクターが強力なモニタリングとAIによるフィードバックを提供するものであるということは教えてくれた。

「栄養素、流量、pH、温度など、多くのパラメータが、製造される肉の味、食感、品質に大きな影響を与えます。当社が独自に開発したバイオエレクトロニック分析によって、これまでにないレベルの洞察を得ることが可能になりました」とミシュラ氏は説明する。「また、当社の革新的なプラットフォームには、AI駆動のソフトウェアが搭載されているため、当社が持つ全データを利用してコスト削減と効率向上につなげることができます。これにより、必要なコストとエネルギー量は、開始時に比べてすでに92%以上削減されています」。

畑で作物を育てる際に、水や窒素の量が適切であるかどうかを調べるのと同様に、培養細胞が期待通りに成長しているかどうかをリアルタイムでモニターする必要がある。単に組織の成長と健康を維持するだけでなく、実際の肉にありそうな場所に脂肪や血管の組織を作るなど、これによって積極的に組織を分化させることが可能になる。今後は培養肉に関する世界で唯一のデータベースを構築し、そこからラムやポーク、さらには和牛やアンガス牛などの品種に特化した数多くのAIエージェントを育成、配備していく予定だという。

今の段階ではすべて小規模なスケールでしか実証されていないが、同社はむしろ大規模から小規模へという順序でのスケールアップを計画しているという。「バイオリアクターの設計は大規模なものですが、マイクロスケールのシステムは、そのシステムのモデルとなるように意図的に設計されており、マイクロフルイディクスとバイオエレクトロニック・モニタリングを用いて分子スケールまで再現されています」とミシュラ氏は話す。

つまり言い換えれば、現在試作している卓上スケールでできることは、もっと大きなスケールでもできるはずなのだ。そして同社は「ルネッサンス・ファーム」と呼ばれる大型のバイオリアクターを、食肉生産者がターンキープロセスとして利用できるようにしようと計画しているのである。

食肉は世界的な産業だが、すべての国や地域に食肉生産を支えるだけのスペースや資源、インフラがあるわけではない。それでもどの国でも食肉は消費されているため、多くの国が多額のコストをかけて食肉を輸入しなければならないのである。鉱物や石油には恵まれていても、牧草地には恵まれていない国が、自分たちの資源だけで肉を生産できたらどうだろう。それがAnimal Alternativeの目指すところなのである。

「私たちの目標は、最大規模の商業用工場の代替となる、実行可能な手段を提供することです」とボーリエ氏。彼らの試算によると、1000リットルのバイオリアクターなら、わずか5%の土地、水、排出ガスで、年間100万キログラムの肉を従来の農業と同程度の価格で作ることができるはずだという。

ハードウェアはAnimal Alternativeが提供するが、顧客は定期的に新しい幹細胞(動物を傷つけずに採取される)を購入する必要があるという。生産施設での主なコストは、動物以外から調達した液体培地や成長ホルモンなどの原材料である。販売した商品のレベニューシェアが同社の主な収入源となる。

自社工場に資金を投入して自社製品を作るという決断にいたらなかったのは、スケールの問題が理由だ。

「私たちだけではできない問題です。私たちは野心的ですが、これは非常に大きな挑戦となるため、エコシステムの他のすばらしい企業と協力しなければなりません」。

食肉生産の脱炭素化と民主化という目標を一刻も早く達成するためには、食品業界の大手企業と提携してこのプロセスを強化するのが一番である。培養肉を作るための商業規模のプロセスが確立されれば、本物の肉と区別がつかないサステナブルな製品として、人気商品になることだろう。

さてどの程度本当に区別がつかないのか。その結果は近日中に行われる試食会でのお楽しみである。

画像クレジット:Animal Alternative

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

Beyond Meatの植物由来「チキン」テンダーが食料品店に登場

Beyond Meat(ビヨンド・ミート)はこの夏、植物由来の「チキン」テンダーをレストランで提供し始めたが、小売店での販売も開始したことで、まもなく家庭でも「チキン」テンダーを楽しめるようになる。この5ドル(約550円)のテンダーは、10月から一部の市場に限られるが、Walmartをはじめとする主要な食料品店で販売される。Beyond Meatsは、2021年後半には販売を拡大する予定だ。

Beyond Meatsによると、このテンダーは、実際の鶏肉を使ったものよりも飽和脂肪が50%少なく、遺伝子組み換え作物、抗生物質、ホルモン、コレステロールも含まれていない。同社では、チキンテンダーの味と食感を再現するために、大豆ベースのレシピではなく、ソラマメを使用している。調理済みのチキンテンダーは、10分以内に温めることができるという。

Beyond Meatのチキンテンダーは、Walmartの他、Jewel-Osco、Safeway NorCal、Harris Teeter、Giant Foods、ShopRiteの一部の店舗でも販売を開始する。一方で、同社は、ウォルマートでの販売もさらに強化するとしている。1300以上の店舗でBreakfast Sausage Pattiesが販売さる他、さらに多くの店舗でBeyond MeatballsとBeyond Beef Crumblesが販売される予定だ。

植物性代替肉のエコシステムにおいて、2021年9月は忙しい月だった。Beyond Meatの競合であるImpossible(インポッシブル)社は、数週間前から「チキン」ナゲットのレストランでの販売を開始した。また、Impossible社は、今秋、同社の豚挽き肉をレストランで提供することを発表した。

編集部注:本稿の初出はEngadget

画像クレジット:Beyond Meat

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(文:Kris Holt、翻訳:Yuta Kaminishi)

大塚食品が大豆ミート採用の「ゼロミート」製品を卵を使わない動物性原料不使用製品にリニューアル

大塚食品が大豆ミート採用の「ゼロミート」製品を卵を使わない動物性原料不使用製品にリニューアル

大塚食品は9月21日、大豆ミートから作られたお肉不使用の「ゼロミート」シリーズ4品をリニューアルし、これまで原料として使用していた卵を使わない「動物性原料不使用」の製品に切り替えると発表した。

2018年11月から販売されている「ゼロミート」シリーズは、「おいしい食感」を再現するために卵を使っていた。しかし、より多くの人に食べてもらうために研究開発を重ね、卵を使わずに、植物由来素材のおいしさを引き出した「おいしい食感」を出すことに成功したという。

今回リニューアルされるのは、「デミグラスタイプ・ハンバーグ」「チーズイン・デミグラスタイプ・ハンバーグ」(チーズを模した豆乳クリームを使用)、「ソーセージタイプ」「ハムタイプ」の4つ。

パッケージデザインを変更し、10月から全国の量販店、ドラッグストア、コンビニで順次展開される。大塚食品が大豆ミート採用の「ゼロミート」製品を卵を使わない動物性原料不使用製品にリニューアル

【コラム】気候変動を解決するのは米国のイノベーターであり規制当局ではない

Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領は米国の温室効果ガス排出を2030年までに半分に削減することを誓約した。大統領は相次ぐ新たな予算と政府事業計画によってこの野心的目標を達成しようとしている。

しかし、炭素排出削減で我々が最も期待しているのは新たな財政支出ではない。それはテクノロジーの大転換であり、実現できるのは民間セクターだけだ。

実際、政府は排出削減テクノロジーが市場に出ることを妨げる規制を設けることで、気候変動の進展を遅らせている。もし我々の指導者たちが本当にこの惑星を救いたければ、実際にそれを実行できる起業家たちの邪魔にならないようにする必要がある。

政府に期待するのは、炭素汚染を削減する可能性のあるテクノロジーを支援することだ。そもそもバイデン大統領は自身の気候変動政策の中で、米国の技術革新を促進することを約束している。

残念ながら、最も有望なグリーンテックのブレースクルーの数々は、誤った、あるいは時代遅れの政策によって、厳しい逆風に曝されている。

そんなテクノロジーの1つで、イノベーターと規制の関係を描いた新しいドキュメンタリー「They Say It Can’t Be Done(みんな出来ないと言った)」で紹介されているのが、人工樹木であり、アリゾナ州立大学の物理学者・エンジニアのKlaus Lackner(クラウス・ラクナー)氏が開発した。その人造の木に含まれる特別なプラスチック樹脂は、二酸化炭素を吸収し、水に浸されると排出する。天然の木と比べて大気から二酸化炭素を取り込む効果は1000倍以上だ。捕獲された二酸化炭素は回収されて燃料に変換される。

ラクナー氏のデザインは、1台で1日当たり1トンの二酸化炭素を除去できる規模に拡大できる。主な障害は炭素捕獲テクノロジーを巡る明確な規制の欠如であり、特に捕獲した炭素の輸送と貯蔵が問題だ。

統一された枠組みができるまで、このテクノロジーを市場に出すためのプロセスはありえないほど複雑で、かつリスクをともなう

あるいは、大規模な畜産農業の必要性を低下させるテクノロジーを考えてみよう。数十億の鶏や豚や畜牛を育てるためには膨大な水と餌と土地が必要だ。その結果の炭素排出量は膨大で、年間約7.1ギガトンの温室効果ガスを生み出す。

ここでも新たなテクノロジーが排出量削減にひと役買う。研究者らは細胞培養肉をつくっている。飼育場ではなく実験室で生まれた鶏肉、豚肉、牛肉だ。代替タンパク質は安全で健康的で、従来の飼育食肉よりも炭素排出が少ない。

代替肉をつくっているスタートアップであるEat Just(イート・ジャスト)は、最近シンガポールで細胞培養鶏肉を販売するための認可を取得した。しかし、今も米国では規制当局の青信号を待っている。同社のファウンダーによると、米国の承認を得るまでには1年あるいはそれ以上かかるという。

関連記事:Eat Justが世界初の認証を取得しシンガポールで培養肉の販売を開始

代替肉生産のように大きな資本を必要とする業界では、このゆっくりとした承認プロセスによって、スタートアップが開業し、製品を市場に出すことが不可能になりかねない。

このようなハイテクソリューションこそ、気候変動の脅威から地球を守るために必要だ。果たして、代替肉が将来の持続可能食料なのか、それとも大気中の二酸化炭素を固定する最高のソリューションが人工樹木なのかはわからないが、参加しやすく公正な戦いの場は、最高のイノベーションの繁栄を可能にするはずだ。

気候変動に関することは政府だけの仕事だと信じている米国人があまりにも多い。事実は、持続可能なテクノロジーの大規模な導入の主要な障壁は、政府の介入が無いことではなく、過剰な、あるいは少なくとも誤った介入だ。

国の炭素排出量削減の約束を遂行するためには、それを実現する可能性のあるテクノロジーの開発と展開を、政府がいかに妨害しているかを、大統領とチームは認識する必要がある。

編集部注:本稿の執筆者Quill Robinson(キル・ロビンソン)氏は環境保護団体、American Conservation Coalitionの政府業務担当副社長。

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画像クレジット:simpson33 / Getty Images

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(文:Quill Robinson、翻訳:Nob Takahashi / facebook

植物肉「Green Meat」を手がけるグリーンカルチャーが東京造形大学と協同で植物肉料理をデザインし販売

植物肉「Green Meat」を手がけるグリーンカルチャーが東京造形大学と協同で植物肉料理をデザインし販売植物肉「Green Meat」を販売するグリーンカルチャーは9月16日、東京造形大学造形学部デザイン科の酒井俊彦ゼミナールと協同で、デザインの観点から植物肉の飲食店へのアプローチを考えるプロジェクト「メタモルフード・デリバリー」を開始したと発表した。学生たちが考案したメニューを、フードデリバリーサービスのゴーストレストラン研究所が運営する「Ghost Kitchens」で商品化し、Uber Eatsが配達する。

プロダクトデザイナー酒井俊彦氏は、デザイン先行で食べ物を「変身」させる授業を酒井ゼミで行っている。ライスペーパーを植木鉢に、「Green Meat」を土に見立てたハーブの鉢植えのような生春巻き風のものなど、見た目のデザインを重視したメニューのアイデアが学生たちからたくさん提案されている。

その中から今回発売されるのは、メインが「グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬け」、サイドメニューが動物性材料を使わない植物肉入りの「たいやき」。

販売メニューは以下のとおり(価格は税込)。東京都港区西麻布を中心とした地域で、Uber Eatsから注文ができる。

  • グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬け(植物肉2倍)1280円
  • グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬け(トマト / きゅうり / ゴボウ / 枝豆 / きのこ・パプリカ)各1180円
  • グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬けとヴィーガンたい焼きセット
    セットたい焼き1個付き1540円
    たい焼き2個付き1880円

  • プレーンたい焼き(2個)680円
  • カレーたい焼き(2個)780円
  • プレーンたい焼きサラダ(2個)980円
  • カレーたい焼きサラダ(2個)1080円

Green Meatは、大豆たんぱくなどを原料とする、動物性原料不使用の植物肉。挽肉の形状で提供されるため、さまざまな料理に利用できる。現在、東京都内のラーメン店「麺屋武蔵」や高級レストランなどに導入され、北米にも輸出されている。「既存の畜肉を補うだけではなく、畜肉よりおいしくて健康的」とグリーンカルチャーでは話している。

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」(ペトコトフーズ)を提供するPETOKOTO(旧シロップ)は9月14日、不二製油製大豆ミート(植物肉)を使用したドッグフード「SOY MEAT」を開発すると発表した。また試食モニターを募集しており、これにより改良を重ね2022年春をめどに正式販売する予定。試食モニターの応募締め切りは、9月21日23時59分。

2015年3月設立のPETOKOTOは、「人が動物と共に生きる社会をつくる」ことをミッションに掲げ、すべての犬・猫と飼い主のQOLの向上を目指し、DXと家族品質のFX(Family Transformation)を通して家族品質の暮らしを提案するペットウェルネスブランド。同社は、ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」を2020年2月より展開している。

今回新開発のSOY MEATは、他メニューと同じく新鮮な国産の食材・国内製造の加工品にこだわっており、高タンパク低コレステロール、高食物繊維で、犬の健康にも良くダイエット中の犬にも最適という。

またレシピの開発については、世界で95名しかいない米国栄養学専門医の資格を持つニック・ケイブ獣医師(ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授)が担当した。同氏は、犬猫の栄養ガイドライン(Global Nutrition Guidelines )を策定した世界小動物獣医師会(WSAVA) 小動物栄養学の創立委員会メンバーでもある。

すでに社内テストは完了しているものの、豊かな食事体験の提供には嗜好性も重要なポイントになることから、今回は、応募者に4種類の大豆ミートをそれぞれ無償モニターテストを実施してもらい、嗜好状況を確認するとしている。

PETOKOTO FOODS「SOY MEAT」

    • 保存:製造日から冷凍で10カ月
    • 容量:1パック150g
    • 与え方:トッピング、2食のうち1食/日、2食/日
    • 発送:2021年10月上旬予定(1人につき2〜4パックの送付を想定)
    • 生産国:日本
    • 原材料:大豆ミート、かぼちゃ、人参、白米、小松菜、サプリメント、すりごま、亜麻仁オイル、フィッシュオイル
    • 募集数:20名(応募多数の場合は抽選)
    • 参加条件:同社指定のヒアリング内容に協力できること、愛犬がSOY MEATに含まれる食材にアレルギーを持っていないこと、続けて2日間SOY MEATのみを与えること(ごはんを食べないなど、体調に変化があった場合を除く)
    • 応募締切り:2021年9月21日23時59分
    • 応募方法:「新商品_モニター募集」より申し込み

「PETOKOTO FOODS」

PETOKOTO FOODSは、犬や猫と家族同然に暮らす中で従来のドッグフードに疑問を持ち、「私たちが食べても安心できるごはん」を作るために生み出したものという。

公式サイト上で、愛犬の体重・体型・運動量、アレルギーなど10個の質問に回答するだけで最適な摂取カロリー量やメニューのフードプランを提案。パックごとに愛犬の名前を貼って自宅にごはんが切れる前に送付する。購入後は、獣医師やペット栄養管理士にLINEで相談できる上、体重など体の変化をもとに常に最適なフードプランを提案し、一生涯の健康をサポートするとしている。ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

キノコ由来代替肉の豪スタートアップ「Fable Food」が米国へ進出

オーストラリアのシドニーを拠点とする新しい植物由来食品スタートアップのFable Foodが資金調達を発表した。キノコから代替肉を製造している同社はシードラウンドで650万オーストラリアドル(約5億2900万円)を調達した。このラウンドを主導したのはオーストラリアのVCでCanva、Culture Amp、SafetyCultureにも投資しているBlackbird Venturesで、他に農業・食品テックベンチャーファームのAgFunder、持続可能性に着目するAera VCとBetter Bite Ventures、さらにシンガポールを拠点とする農産物輸入業者のBan Choon MarketingとSequoia CapitalのパートナーだったWarren Hogarth(ウォレン・ホガース)氏も参加した。

Fableは2021年中の米国での販売開始に向けて準備をしている。オーストラリアでは同社製品をWoolworths、Coles、Harris Farm Marketsなどの小売店で購入できるほか、レストランのGrill’dでは最近136店舗でキノコ肉バーガーパティの提供を始めた。Fableの製品はシンガポールや英国のレストランでも味わえる。

Fableは高級レストランのシェフから化学系エンジニアで菌類学者(キノコ研究者)に転身したJim Fuller(ジム・フラー)氏、オーガニックキノコ農家のChris McLoghlin(クリス・マクラフリン)氏、以前にShoes of Preyを起業したMichael Fox(マイケル・フォックス)氏によって2019年に創業された。

FableのCEOであるフォックス氏はTechCrunchに対してメールで、自身は6年間をベジタリアンとして過ごした後に「健康、環境、倫理的な理由で」ヴィーガンになったと述べた。

フォックス氏は「友人や家族と話をすると、多くの人が同じ理由で肉の消費を減らしたがっていますが、肉の味や食感が好きなので難しいようです」と述べた。同氏は植物由来食品にもっと簡単に移行できるようにしたいと考え、数人のシェフからキノコをベースの食材にすることを勧められた。その後フォックス氏は、キノコから作る代替肉を開発していたフラー氏とマクラフリン氏と出会った。

フォックス氏は次のように語る。「出会ったときに、我々は同じ価値観とゴールを共有し、お互いに補完しあうスキルセットを有していることを確信しました。我々には工業型農業に終止符を打ち、食糧システムをもっと倫理的で健康で持続可能で温室効果ガスを削減するものにしたいという共通の願望がありました」。

Fableの最初の製品にはプルドポークや蒸し煮の牛肉、牛のブリスケット(肩バラ肉)の代替(フラー氏はテキサスでスロークックの食事を食べて育ち、その体験を再現したかった)と、調理済み食品のラインナップがある。使われているのは椎茸だ。フォックス氏は椎茸について「自然のうまみがあって味わい深く、成長が遅いキノコなので自然と肉のような食物繊維になり、動物性タンパク質と同様の肉っぽい噛みごたえが得られます。調理したときの化学的組成がちょうどよく、動物性食品のような風味になります」と説明する。

Fableの調理済み食品。画像クレジット:Fable

フラー氏はFableの最高サイエンス責任者を務めている。Fableは同氏のシェフ、化学系エンジニア、菌類学者としての経験を活かして、最小限の加工と原材料で優れた味、香り、食感の食品を作っている。例えば蒸し煮の牛肉の代替品は、椎茸以外は7種類の原材料と塩、コショウでできている。

米国時間8月11日、FableはDan Joyce(ダン・ジョイス)氏が最高事業成長責任者に就任しグローバルでのセールスとマーケティングの責任者になることも発表した。同氏は安全検査ソフトウェアのSafetyCultureでヨーロッパ、中東、アフリカの責任者を務めていた。Fableはレストランやミールキット企業との協業で米国での販売に乗り出す。

キノコをベースに代替肉を作っているスタートアップには他にMeatiAtLastがある。フォックス氏によれば、この2社は菌類の子実体であるキノコではなく、菌の構造である発酵した菌糸体を使っているのが大きな違いだという。

Fableは新たに調達した資金で研究開発とオーストラリアや他の国での製造能力の拡大を図る。同社は今後の製品の計画を明らかにしていないが、フォックス氏はキノコを使って豚肉、鶏肉、ラム肉といった植物性タンパク質の代替品を開発する予定だと述べた。

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画像クレジット:Fable Food

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(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)

代替肉バーガーのImpossibleが今度は豚っぽいソーセージを米国大手スーパーで家庭用に発売

米国時間8月11日に発表されたニュースに先駆けて、Impossible(インポッシブル)からチューブタイプのパッケージに入った植物由来のソーセージが送られてきた。余談になるが、大きな箱の中に冷凍パックを数個入れて送るのは、最も効率的な配送方法ではなかったように思える。だが、もしかしたら冷凍食品を送るのに良い方法はないのかもしれない。誰か、遠慮なしにその業界をディスラプトしてくれないだろうか。

とはいえ、中身に不満はない。ソーセージを2つのパスタ料理に入れた後、今晩の夕食用に残りを解凍しているところだ。10年半ほど豚肉や牛肉を食べていない筆者には、どれだけ実物に近いかを判断するのは難しいかもしれないが、覚えている限りでは、ソーセージの味に近いものだった。

画像クレジット:Impossible

この商品は、先に米国の多くのレストランで販売されて人気を博したImpossibleの「Burger(バーガー)」に続くものだ。同社の代替肉バーガーは、香港の約200軒のコーヒーショップでも販売されている。8月11日、この新製品「Impossible Sausage」の小売販売が開始され、多くの大手スーパーマーケットチェーンで購入できるようになった。Kroger、Ralphs、King Soopers、Fred Meyer、Safeway、Albertsons、Wegmans、Stop & Shop、Hannaford、Giant Martin’s、Giant Food、Sprouts Farmers Market、Heinen’sなどが取扱店リストに含まれている。

この製品は完全に植物由来で、コレステロールやトランス脂肪酸を含まず、1食分(56g)あたり飽和脂肪酸4gを含む9gの脂肪が含まれている。さらにタンパク質は7g、豚は0gだ。米国で食用として屠殺される豚の数はImpossibleのサイトに掲載されているが、それは割愛して……たくさんの豚だとだけ言っておく。米国人はとにかくたくさんの豚を食べる。

画像クレジット:Impossible

また、この製品は豚肉の生産に比べ、水使用量が79%、土地の使用量は41%、温室効果ガスの排出量も大幅に削減される。そして個人的な体験から、フライパンで調理するとかなりおいしく仕上がるという事実も証明されている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Impossible Foods植物由来肉

画像クレジット:Impossible

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

代替タンパク質開発の豪v2Foodがアジアや欧州進出に向け約58億円調達

v2Food(ブイツーフード)は代替タンパク質分野で競争を展開している数多くの新規参入社の1社だ。創業地はオーストラリアだが、いま欧州やアジア、その他の地域に狙いをつけている。同社は競争においていくつかの鍵となる有利点を持っていて、新たに調達した4500万ユーロ(約58億円)でユーロ圏参入の道筋をつける。

同社はオーストラリアで大きく成長し、まず最初の目標は同国トップとなることだとCEOで創業者のNick Hazell(ニック・ハゼル)氏は話した。同氏はMasterFoodsとPepsiCoのR&D部門で働いた経歴を持つ。一方でv2Foodは、パートナー企業のBurger Kingがv2Foodのパティを使ったWhopperの提供を開始したアジア、そして疑わしい材料を最小限にすることが重要である欧州でも存在感を高める計画だ。

現在v2Foodは植物ベースの牛ひき肉とパティ、ソーセージ、調理済みのボロネーズソースを作っている。明らかに同社は、大半の代替タンパク質企業がまず参入するそうした部門で激しい競争に直面している。しかしv2Foodは2つの点で他社に優っている。

まず、v2Foodの製品は「どの基準の食肉生産施設」ででも作られる。少なくとも作ることができる。これは事業拡大するためには大きなプラス点であり、コストという点ではマイナスだ。というのもスケールメリットがすでに働いてきるからだ。植物ベースの物質や、代替タンパク質を構成する一般的な他の人工物質を作って混ぜる工程は、既存のインフラが受け入れることができたわけではない。これは工程の切り替えをしなければならないことに尻込みしてきた従来の食肉会社との提携に道を開いている(ちなみに、v2Foodが目指すのは、新たな地域でのマーケット成長であり、従来の肉の置き換えはさほどではない、とハゼル氏は指摘した)。

2つめは、資金調達発表のプレスリリースに書かれている点だ。「v2Foodの製品にはGMO(遺伝子組み換え作物)、防腐剤、着色剤、香料が含まれていません。そのため、欧州マーケットに理想的な製品となっています。多くの大手競合社が厳しい規制のために欧州マーケットに参入できていません」。これはまた店舗で2つの植物由来の製品のどちらにしようか迷う購入者を引きつけるのにも少なからず有利に働く。防腐剤などの不使用を誇らしげに宣伝する、ごく限られた材料から作られているものを最終的に選ばない人はいるだろうか。代替タンパク質を購入する層は特にこうしたことを考慮するだろう。

4500万ユーロのラウンドは欧州インパクトファンドのAstanorがリードし、Huaxing Growth Capitol Fund、Main Sequence、ABC World Asiaも参加した。調達した資金はR&Dと事業拡大にあてる。

「今回の資金調達は、世界が食糧を生産する方法を変革するというv2Foodの目標に向けた重要なステップです」とハゼル氏は話す。「こうしたグローバルの問題は早急な解決策を必要としているため、当社がすばやく事業を拡大するというのは責務でもあります」。

そのために、調達した資金のかなりの割合を、需要に応えるために十分な製品を作ることに向ける。v2Foodはまた新製品開発の加速と既存製品の改良のためにR&D支出を倍増させる。必要な材料をオーストラリアに輸入するより、同社はローカルの製造施設を建設できるか模索している。幸運と、植物由来のものの製造で、そうした地域は純輸出国となるかもしれず、そうなれば地域経済の下支え、v2Foodのレジリエンス強化やコスト削減につながる。

欧州への事業拡大は同社(とAstanor)にとってまだひらめきにすぎず、v2Foodの元来のシンプルさと非GMOでもってしても、欧州マーケットで新製品を展開するというのは簡単なことではない。

カテゴリー:フードテック
タグ:v2Foodオーストラリア植物由来肉タンパク質資金調達

画像クレジット:v2Food

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

大きな塊にもできる植物由来肉を開発したPlanted、シュニッツェルはじめさまざまな料理に

スイスの代替プロテイン企業Plantedが2021年の2度目のラウンドで、1900万スイスフラン(約23億円)を「プレB」の成長資金および製品開発資金として調達した。米国進出も予定にはあるが、当面はPlantedの顧客はヨーロッパに限定され、彼らだけが新製品の純植物性シュニッツェルを味わうことができる。

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Plantedは2019年に、スイスのチューリッヒ工科大学からのスピンオフとして登場した。同社の共同創業者たちは、植物のタンパク質と水分を、本物の肉のような繊維状の構造へ抽出する独自の技術を開発した。その後同社はそのタンパク源を多様化し、えん麦やヒマワリも加えて、プルドポークやケバブの代替製品も開発した。

その後、工程も改良された。CEOで共同創業者のChristoph Jenny(クリストフ・ジェニー)氏はTechCrunch宛のメールで「発酵やバイオテクノロジーの技術を加えて、味と食感を改良しました。それは(1)どんな形や構造でも作れる、(2)多様な風味を実現できるということです」。

同社の最新の進歩はシュニッツェルだ。これはもちろん、叩いて薄くした肉にパン粉をつけて揚げたもので、世界中で人気があるが、特に主な市場であるドイツとオーストリアとスイスでよく食べられている。ジェニー氏によると、Plantedのシュニッツェルは、細切れ肉を寄せ集めて押し固めたものではなく、一片の肉だ。「発酵により味と食感が良くなり、おいしそうな匂いとジューシーな食感が得られました」というが、残念ながら私はまだ食べていない。シュニッツェルの一般市販は、2021年第3四半期だという。

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どんな料理でも作れる大きな肉の塊としての代替肉はさまざまなところで計画されているが、Plantedのチームが主張するのは、同社の製品ならどんな形状も可能だとのこと。その形は、本物の肉をカットしたものとまったく変わらない。現在は大きな肉の塊を消費者にテスト、試食してもらってる。最終製品の味や形が決まれば、大量生産へ移れる。

今回のラウンドは、Vorwerk VenturesとGullspång Re:food、Movendo Capital、Good Seed Ventures、Joyance、ACE & Company(SFGの戦略的投資)、そしてBe8 Venturesが参加し、3月に行われた1700万スイスフラン(約20億円)のシリーズAの、続きのようなものだ。いうまでもなく、代替プロテインの爆発的需要急増と競争の激化が、Plantedの投資家たちの、もっと攻撃的な成長と開発戦略への欲求をかき立てている。

第3四半期と第4四半期にかけていくつかの新市場に進出する計画だが、新型コロナウイルスで旅行が制限されている間は、米国には疑問符が付く。ジェニー氏によると、可能な市場ならどこへでも出ていくが、現状のPlantedは主にヨーロッパ市場にフォーカスしているという。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Plantedスイス資金調達代替肉プロテインチューリッヒ工科大学

画像クレジット:Planted

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)