熟成期間が長いハードチーズを動物性原料を使わずに作るBetter Dairyが約25.3億円を調達

Better Dairyが同社のハードチーズ製品の溶け具合をテストする様子(画像クレジット:Better Dairy)

フードテック企業のBetter Dairy(ベターデイリー)は、シリーズAで2200万ドル(約25億3000万円)の資金を確保し、熟成期間の長いハードチーズのテスト段階に向け駒を進めた。

Jevan Nagarajah(ジェヴァン・ナガラジャ)氏が2019年に設立した英国を拠点とする同社は、精密発酵を用いた動物性の原料を使わないチーズを開発するR&D段階を続けている。我々がナガラジャ氏とBetter Dairyと最初に出会ったのは、同社がHappiness Capitalが主導するラウンドで160万ポンド(約2億4600万円)のシード資金を調達した2020年にさかのぼる。

当時、彼は動物を使った酪農が「非常に持続不可能」であり、わずか1リットルの牛乳を生産するために650リットルの水を必要とすることや、そのプロセスの結果、年間17億トン以上のCO2が大気中に放出されていることを説明してくれた。

代わりに、Better Dairyは精密発酵を利用して、従来の乳製品と分子的に同じ製品を製造している、とナガラジャ氏は語った。このプロセスはビールの醸造に似ているが、最終的に得られるのは乳製品だ。

他のフードテック企業がモッツァレラチーズや乳清タンパクのような柔らかいチーズに取り組んでいるのに対し、Better Dailyはより持続可能な方法で、より複雑なプロセスであるハードチーズをターゲットにしている。

画像クレジット:Better Dairy

「ハードチーズには、動物性原料を使わないステーキを作ろうとするのと同じような制限があると考えています」とナガラジャ氏。「製薬業界向けのタンパク質の製造に30年の専門知識を持つ最高科学責任者を含むチームを作ることで、私たちは複雑なことを意識的に行えると気づいたのです」。

Happiness Capitalは、今回はRedAlpineとVorwerkとの共同リードとして、シリーズAを再び主導した。Manta Ray、Acequia Capital、Stray Dog Capitalも今回のラウンドに参加した。

乳製品分野を狙っている企業は、Better Dairyではない。Clara Foods、NotCoClimax FoodsPerfect Dayといった企業が、動物性原料不使用のチーズや乳製品に取り組んでいる。しかしナガラジャ氏は、精密発酵技術の向上を目指した今回の資金調達によって、同社が競合他社に先んじ、この分野でハードチーズを発売する最初のプレーヤーとなることができると考えている。

同社はこの資金によって従業員を8人から35人に増やし、イーストロンドンにある6千平方フィート(約557 m²)の新しい研究所とオフィススペースに投資していくという。

Better Dairyは、食感とさらには熟成について科学的に解明し、すべての構成要素を1つの製品にまとめ、賞味期限を設定できるようにすることを目指している。ナガラジャ氏は、精密発酵プロセスにより、今後18カ月ほどで単位あたりの経済性、つまり同様のクオリティの手作りチーズと同等の価格を達成できると楽観視している。

「当社のサイエンスをアップグレードするには、適切なスペースと設備が必要です」と彼は付け加えた。「動物性原料を使用せず、持続可能であることだけでなく、おいしさも重要です。味が改善すれば、(非動物性の製品を選ぶのは)人々にとって簡単な決断になり、成功の指標となります。正しい方法で製品を作ることにはメリットがあります。でなければ、(植物性製品はまずいと思う観念など)すべてを巻き戻すのに長年かかってしまうかもしれませんから」。

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(文:Christine Hall、翻訳:Den Nakano)

Zero Acre Farmsが微生物(と約43億円)を使って植物油の代替品開発に取り組む

キャノーラ油やパーム油などの植物油は、否でも応でも私たちの食生活の主要な部分を占めるようになった。有用な物質ではあるが、体に良いとは言い難く、森林破壊の大きな原因になっている。Zero Acre Farmsは、微生物と発酵によって生産される、改良された代替品を提供することを目指す新しい企業で、その目標のために3700万ドル(約42億9600万円)を調達した。

調理に油を使うのは新しいことではないが、私たちの消費量は増えている。確かに私たちは何世紀にもわたって、オリーブ、アボカド、乳製品などの油性の食品を、脂肪として、また調理のために使用してきた。しかし、100本のトウモロコシの穂、あるいは同量の大豆、ひまわりの種などから1カップの油を絞り出すという技術革新が、その方程式を変えてしまった。

他の加工食品と同様、植物油は便利で持ち運びもできるが、体に良いということはほとんどない。フライパンの油引きに小さじ1杯、クッキーのレシピに大さじ1杯を使っても害はないが、これらの油は私たちが食べるカロリーのかなりの部分(5分の1にもなる)を占めるまでに浸透してしまっている。冷蔵庫やスナックの入った引き出し、あるいはファストフード店に行ってみると、いたるところに植物油が使われているが、それは最終的な材料として使われているわけではない。

マヨネーズは何からできているのだろうか?植物油だ。アルフレッドソース(チーズクリームソース)のとろみは何なのか?植物油だ。ポテトチップスを食べた後、指につくのは何か?ご想像のとおりだ。

体に悪いだけでなく、大量に、しかも無駄な工程を経て作られるため、大豆やパームなどの油糧作物が育つ熱帯地域の森林破壊の主な原因になっている。そしてそれを使って調理すると、有害なガスが発生することもある。要するに、植物油はナパーム弾ではなくとも、すばらしいものではない。より健康的で、より資源を必要としない代替品があればありがたい。

Zero Acreは、同じように「自然」でありながら、より健康的で環境に優しいまったく新しい油の開発に取り組んでいる。それは発酵によって行われるもので、基本的には微生物に餌を与え、微生物が出したものを収穫する。

「ビールをつくるようなものですが、エタノールをつくる代わりに、微生物が油脂を作るのです。それもたくさん」と、CEOで共同創業者のJeff Nobbs(ジェフ・ノブス)はいう。

もちろん、発酵は多くの産業でよく知られ、頻繁に利用されているプロセスである。微生物は、入力(通常は糖分やその他の基本的な栄養素)と出力(微生物の自然な傾向か遺伝子操作によって決定される)のある小さな工場のようなものだ。例えば、パン作りに使われる酵母は、二酸化炭素とエタノールを生産する。前者は生地を膨らませるのに十分な量だ。しかし、遺伝子操作された酵母は、新薬のような、より複雑な生体分子を作り出すかもしれない。

画像クレジット:Ashwini Chaudhary

この場合、微生物はエネルギーを油脂として蓄える能力を持つものが選ばれている。「こうした微生物はそれが好きで、得意なのです」とノブスはいう。

このような試みをしたのは彼らが初めてではない。C16 Biosciences(Y Combinatorの2018年夏のバッチで紹介した)は発酵によってパーム油を複製しようとしているし、Xylomeは現在のバイオ燃料生産技術に代わるものを探している。合成生物学は、いわゆる微生物を特定の目的に合わせて調整することだが、それを支えるバイオテクノロジーのインフラが進歩するにつれて、ますます実行可能になっている。

Zero Acreの場合、自分たちが市場で戦いやすくなるように工夫している。コーンビジネスやパームビジネスに対抗するのは難しい命題だ。その代わり、食料品店で倫理的な買い物をしようとする消費者をターゲットにしている。オーガニックの卵、フェアトレードのコーヒーなどを買う消費者だ。価格は高くなるが、ノッブスは、当社が社会的善の側面だけに傾いているわけではないことを注意深く指摘した。

彼は次のようにいう。「私たちは、環境に良い『だけ』の合成油をつくっているわけではないのです。これは新しいカテゴリーの油脂です。私たちはより食品に適した、人間にとってより良い組成物を作ることができるのです」。しかし、一部の代替品とは異なり、レシピの修正などは必要ないとも付け加えている。「小麦粉の代わりにアーモンド粉を使うようなものではなく、1:1の置き換えです。代替しようとしている製品の代わりに、それを使うだけなのです」。

それだけでなく、高温で変なガスを発生させないし(260度の熱に耐える生体分子を進化させる理由は植物にも動物にもないと彼は指摘した)、他の油のような加工や矯味を必要としないため、実は味もさっぱりしている。

しかし、このような合成油に多くの利点があるのなら、なぜ多くの資源を持つ他の企業は、今までこれを試みなかったのだろうか?

「もし、あなたが大企業なら、これは本当に些細なことに思えるでしょう」とノブスは説明した。油は食料品店だけでなく、ファストフードチェーンや基本的な材料として必要とする生産者に、1000ガロン(約3785リットル)のタンクで売られている。家庭用の高級食用油は、油の最大の供給源にとっては誤差のようなものなのだ。それに「私たちのメッセージは植物油は良くないものだということです」と彼は続けた。「大企業はそういうことはできません。彼らは経済的にそのように自分たちの首を絞めることはしません」。

Zero Acreのアプローチに関連して、最近、技術面でもいくつかの進歩があった。

「発酵プロセスには、温度、pH、酸素の量、餌など、たくさんの要素があります。共同創業者がジョークで言っていたように、実験室でどんな音楽を聴くのかというようなものです。些細なことが大きな効果を生みます。私たちには、そのような最適なパラメーターを見つけるためのプラットフォームがあります。まだ多くの研究が必要ですが、いくつかの進歩がありました。そして私たちはこれに対し、世界最高の生物を使っていると思います」とノブスはいう。

より変わった分子の精密発酵と比較すると、製造工程が比較的単純であるため、同社はすでに製造工程を「何千何万リットル」まで拡大し、2022年後半には消費者向けにデビューする予定だ。最終的なブランディングや包装については、まだ明らかにされなかった。公開は実際の発売に近い時期になるだろう。

この3700万ドル(約42億9600万円)のAラウンドは、継続的な研究と商業的立ち上げに充てられるもので、Lowercarbon CapitalとFifty Yearsが主導し、S2G Ventures、Virgin Group、Collaborative Fund、Robert Downey JrのFootPrint Coalition Ventures、そしてシェフのDan Barber(ダン・バーバー)が参加した。

画像クレジット:Tolgart/Zero Acre Foods

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

植物性由来のミールキットを配達するSplendid Spoonが約13.8億のシリーズB資金を獲得

消費者がより体に良い食品を求めるようになり、食事宅配サービス会社に多くのベンチャーキャピタルが流入している。

オンラインミールキットデリバリー市場は、2022年末までに70億ドル(約8000億円)、そして今後5年間で3倍の産業に成長するといわれている。そのため、ベンチャーキャピタルが注目し、最近、自宅料理用の食材を配達するShef(シェフ)WoodSpoon(ウッドスプーン)、ベビーフード分野のLittle Spoon(リトルスプーン)やSerenity Kids(セレニティ・キッズ)などの資金投入につながった。

このカテゴリーにいち早く飛び込んだ企業の1つが、植物性のスープやボウル、スムージーに特化した食事宅配サービスのSplendid Spoon(スプレンディッド・スプーン)である。Nicole Centeno(ニコル・センテノ)氏が同社を設立したのは2013年。当時、彼女は忙しい母親であり、厳しい仕事に就いていたため、思うように健康的な食生活を送ることができなかったという。

彼女は料理学校に通い始め、食事の準備や調理を必要としない、ヴィーガン、非遺伝子組み換え、グルテンフリーのオーガニックスープとスムージーのラインを作った。ブルックリンのマーケットで販売した後、彼女はFresh Direct(フレッシュ・ダイレクト)に製品を供給するために卸売り業者と提携し、2015年に全国展開した。

それ以来、センテノ氏と彼女のチームは消費者への直販型のサブスクリプションモデルを構築し、2018年には同社の初期の愛用者の1人であったElise Densborn(エリス・デンスボーン)を共同CEOとして採用した。

Splendid Spoonの共同CEOのNicole Centeno氏とElise Densborn氏(画像クレジット:Splendid Spoon)

「私たちはこの3年間、私たちが『筋肉』もしくは『フードテックビジネスの赤身肉』と呼ぶもの、つまり食品そのものに事業を集中してきました。そして、私たちの食品ができるだけすばらしい味になるために必要なものはすべて揃えるようにし、体にも良い新鮮な食品という約束を実現してきました」と、センテノ氏は付け加えた。

現在、同社は米国本土の全州に配送し、50以上の植物由来の食材を揃え、顧客がサブスクリプションに申し込まずにオンデマンドで買い物できる機能を備えている。同社は2020年から成長率を2倍に高め、現在までに2万人を超える登録者を抱えている。

そして最近、Splendid Spoonは1200万ドル(約13億8700万円)のシリーズB資金を確保した。このラウンドはNicoya(ニコヤ)が主導し、Danone Manifesto Ventures(ダノン・マニフェスト・ベンチャーズ)、Torch Capital(トーチ・キャピタル)、Reddit(レディット)共同創業者のAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、Rent the Runway(レント・ザ・ランウェイ)共同創業者のJennifer Fleiss(ジェニファー・フライス)氏、Tasty Bite(テイスティ・バイト)の創業者Ashok(アショック・ヴァスデヴァン)氏とMeera Vasudevan(ミーラ・ヴァスデヴァン)氏が参加した。Torchとオハニアン氏は、以前のラウンドでも投資している。センテノ氏は、2018年の非公開のシリーズAを含む、同社の総資金額を明らかにしなかった。

自身の健康のコントロールを取り戻したいという消費者行動の変化と、そのための簡単な方法への需要が、Splendid Spoonの最新の資本注入の原動力の2つだった。

「健康は、私たち消費者の原動力です」とセンテノ氏はいう。「おそらくあなたも聞いたことがあるであろう、怖い統計結果が出ています。例えば、CDCの調査によると、米国人の10人に1人しか野菜を摂取していないことが明らかになりました。現在、85%の米国人がより健康的な食生活を送ろうと努力しています。パンデミックによって、ダイレクト・ツー・コンシューマーの試みが加速され、人々は、『あれ、この食事を家に届けるのはもっと簡単じゃないか』と思えるようになり、その答えはイエスだったのです」と述べる。

センテノ氏とデンスボーン氏は、今回の資金調達で、同社の主力製品群を拡大するとともに、新製品やカテゴリー、食事プログラムを追加する予定だ。Splendid Spoonは、創業以来、デンスボーン氏が「小さいけれども強力なチーム」と呼ぶチームで活動してきたため、採用も優先事項となるだろう。

現在34人で、2021年初頭の15人から増えている。小さなチームが実際にどれほど強大かを示すために、近年Splendid Spoonに投資した1ドル(約115円)に対して、同社は15ドル(約1730円)の収益を上げたと、デンスボーン氏は付け加えた。全体として、前年比平均100%の成長を続けているのだ。

同社が次に取り組むべきことは、チームの強化に加え、サプリメントや他の食品、消費者直販以外のさまざまなチャネルでの試用機会について、戦略策定と市場参入の戦略を検討することだ。

「私たちはまだ表層しか見ていないと思っています。今後12カ月の間に、多くの創造が起こるでしょう」とセンテノ氏は語る。

画像クレジット:Splendid Spoon

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

植物性由来のミールキットを配達するSplendid Spoonが約13.8億のシリーズB資金を獲得

消費者がより体に良い食品を求めるようになり、食事宅配サービス会社に多くのベンチャーキャピタルが流入している。

オンラインミールキットデリバリー市場は、2022年末までに70億ドル(約8000億円)、そして今後5年間で3倍の産業に成長するといわれている。そのため、ベンチャーキャピタルが注目し、最近、自宅料理用の食材を配達するShef(シェフ)WoodSpoon(ウッドスプーン)、ベビーフード分野のLittle Spoon(リトルスプーン)やSerenity Kids(セレニティ・キッズ)などの資金投入につながった。

このカテゴリーにいち早く飛び込んだ企業の1つが、植物性のスープやボウル、スムージーに特化した食事宅配サービスのSplendid Spoon(スプレンディッド・スプーン)である。Nicole Centeno(ニコル・センテノ)氏が同社を設立したのは2013年。当時、彼女は忙しい母親であり、厳しい仕事に就いていたため、思うように健康的な食生活を送ることができなかったという。

彼女は料理学校に通い始め、食事の準備や調理を必要としない、ヴィーガン、非遺伝子組み換え、グルテンフリーのオーガニックスープとスムージーのラインを作った。ブルックリンのマーケットで販売した後、彼女はFresh Direct(フレッシュ・ダイレクト)に製品を供給するために卸売り業者と提携し、2015年に全国展開した。

それ以来、センテノ氏と彼女のチームは消費者への直販型のサブスクリプションモデルを構築し、2018年には同社の初期の愛用者の1人であったElise Densborn(エリス・デンスボーン)を共同CEOとして採用した。

Splendid Spoonの共同CEOのNicole Centeno氏とElise Densborn氏(画像クレジット:Splendid Spoon)

「私たちはこの3年間、私たちが『筋肉』もしくは『フードテックビジネスの赤身肉』と呼ぶもの、つまり食品そのものに事業を集中してきました。そして、私たちの食品ができるだけすばらしい味になるために必要なものはすべて揃えるようにし、体にも良い新鮮な食品という約束を実現してきました」と、センテノ氏は付け加えた。

現在、同社は米国本土の全州に配送し、50以上の植物由来の食材を揃え、顧客がサブスクリプションに申し込まずにオンデマンドで買い物できる機能を備えている。同社は2020年から成長率を2倍に高め、現在までに2万人を超える登録者を抱えている。

そして最近、Splendid Spoonは1200万ドル(約13億8700万円)のシリーズB資金を確保した。このラウンドはNicoya(ニコヤ)が主導し、Danone Manifesto Ventures(ダノン・マニフェスト・ベンチャーズ)、Torch Capital(トーチ・キャピタル)、Reddit(レディット)共同創業者のAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、Rent the Runway(レント・ザ・ランウェイ)共同創業者のJennifer Fleiss(ジェニファー・フライス)氏、Tasty Bite(テイスティ・バイト)の創業者Ashok(アショック・ヴァスデヴァン)氏とMeera Vasudevan(ミーラ・ヴァスデヴァン)氏が参加した。Torchとオハニアン氏は、以前のラウンドでも投資している。センテノ氏は、2018年の非公開のシリーズAを含む、同社の総資金額を明らかにしなかった。

自身の健康のコントロールを取り戻したいという消費者行動の変化と、そのための簡単な方法への需要が、Splendid Spoonの最新の資本注入の原動力の2つだった。

「健康は、私たち消費者の原動力です」とセンテノ氏はいう。「おそらくあなたも聞いたことがあるであろう、怖い統計結果が出ています。例えば、CDCの調査によると、米国人の10人に1人しか野菜を摂取していないことが明らかになりました。現在、85%の米国人がより健康的な食生活を送ろうと努力しています。パンデミックによって、ダイレクト・ツー・コンシューマーの試みが加速され、人々は、『あれ、この食事を家に届けるのはもっと簡単じゃないか』と思えるようになり、その答えはイエスだったのです」と述べる。

センテノ氏とデンスボーン氏は、今回の資金調達で、同社の主力製品群を拡大するとともに、新製品やカテゴリー、食事プログラムを追加する予定だ。Splendid Spoonは、創業以来、デンスボーン氏が「小さいけれども強力なチーム」と呼ぶチームで活動してきたため、採用も優先事項となるだろう。

現在34人で、2021年初頭の15人から増えている。小さなチームが実際にどれほど強大かを示すために、近年Splendid Spoonに投資した1ドル(約115円)に対して、同社は15ドル(約1730円)の収益を上げたと、デンスボーン氏は付け加えた。全体として、前年比平均100%の成長を続けているのだ。

同社が次に取り組むべきことは、チームの強化に加え、サプリメントや他の食品、消費者直販以外のさまざまなチャネルでの試用機会について、戦略策定と市場参入の戦略を検討することだ。

「私たちはまだ表層しか見ていないと思っています。今後12カ月の間に、多くの創造が起こるでしょう」とセンテノ氏は語る。

画像クレジット:Splendid Spoon

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

「鼻」でも味わえるBlack Sheep Foodsの植物由来肉、ラムなど植物由来ジビエを開発

植物由来の伝統的ないつもの肉やジビエを製造するフードテック企業Black Sheep Foodsが、特許出願中の風味化合物の開発を継続するため、525万ドル(約6億1000万円)のシード資金を獲得した。

共同設立者のSunny Kumar(サニー・クマール)氏は、TechCrunchの取材に対し、植物由来肉の中には、口で生み出す味に頼っているものがあると指摘する。彼の会社では、鼻で適切なタイミングで感じる味を作り出している。

「口で感じる味は初歩的なものです。私たちは、鼻で感知できる化合物を研究しています。人は狩猟や採集をするときに、鼻を使ったのです」と彼はいう。

2019年からBlack Sheep Foodsは、エンドウ豆のタンパク質と脂肪酸からなる化合物を作り、それをどのように提供するのがベストなのかと研究開発に取り組んでいる。

近年、植物性の鶏肉や牛肉が人気だが、地中海、インド、中東、アフリカの食生活でよく食べられるラムなどのジビエは、このトレンドに取り残されているとクマール氏は考えている。

そんな偏ったトレンドを作り出しているのが、2020年で66億7千万ドル(約7700億円)に達している植物由来肉の世界市場だ。今後、食べ物を意識する人がもっと増えて、サステナブルな方法で生産された食品を求めるようになると、その市場は2026年に167億ドル(約1兆9276億円)になるという。

今回の資金調達により、同社は植物由来の肉類をより多くの消費者、特にラム肉を食べたことがありその味が気に入らなかった人に提供する機会を得た。

Black Sheep Foodsの出資者には、AgFunder、Bessemer Venture Partners、TastybitesのMeeraとAshok Vasudevan、New Crop Capital、Siddhi Capital、Smita Conjeevaramがいる。

同社は2021年、植物由来のラム肉を、ベイエリアのSouvlaなど、ギリシア料理レストランとパートナーして試してみた。それは、Souvlaにとって7年ぶりの新メニューだった。2022年には、同社のミートボールがデルタ航空のファーストクラスとビジネスクラスの機内食で提供される。

2022年1月は、植物製ラム肉がベイエリアのRooh、Chezchez、Beit Rima、Joyride、Mazra、Monica’s、Ettanなどでも提供される予定だ。

クマール氏の計画では、資金は、実際の市場規模を知るためのマーケティングの市場調査にも当てたいという。またR&Dでは合成生物学の分野を追究するとともに、その一環として、イノシシなどその他の風味も実現したい。

「最大のハードルは多くの人にサンプルを試食してもらうことです。2021年は、パートナーのレストランのシェフたちに販売するだけで売り切れになった。競合他社がどれだけ売っているのか知りたいですし、私たちはその数字を超えたいです」とクマール氏はいう。

画像クレジット:Nicola Parisi

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

スムージーやスティックで野菜や果物が摂れるKenckoが約11.4億円調達

植物由来でミキサーを使わないスムージーを提供するKencko(ケンコー)が、新しいカテゴリーに進出するために1000万ドル(約11億4000万円)の資金をシリーズAで調達した。

今回のラウンドは、既存の投資家であるSiddhi Capitalが主導し、Next View Ventures、Riverside Ventures、Silas Capital、Cheyenne Ventures、Shilling Capital、Indico Capital、Mission Point、Gather Ventures、Nextblue Venturesなど、既存および新規の投資家が参加した。今回の投資により、Kenckoの資金調達総額は1350万ドル(約15億4000万円)を超えた。

TechCrunchがKencko(日本語で「健康」を意味する)を最後に取り上げたのは、同社が340万ドル(約3億9000万円)のシードラウンドを実施した2019年のことだった。当時、同社は6種類のフレーバーのフルーツドリンクを販売しており、さらに2つの新商品を発売する準備をしていた。

現在は、オーガニックスムージーには10数種類のフレーバー、ガムドロップには4種類のフレーバーを用意している。フリーズドライ技術により、1食分のグミキャンディのようなスティックで2.5食分の野菜と果物を摂取することができる。精製された砂糖や甘味料、人工的な素材は一切使用していない。

Kenckoは、2030年までには70億ドル(約7971億6000万円)の規模になるといわれる競争の激しい世界の健康 / ウェルネス市場の中で、独自のニッチな位置を占めている。他の企業もベンチャーキャピタルを引きつけているが、例えば毎日の栄養補給を目的とした粉末飲料AG1を開発したAthletic Greens(アスレチック・グリーンズ)は、米国時間1月25日に1億1500万ドル(約131億円)の新たな資金調達を発表し、プレマネー評価額を12億ドル(約1366億6000万円)に引き上げた。

今回の投資のニュースとともに、Kenckoは2月下旬に発売される最新のボウル型加熱式製品を発表した。

共同創業者でCEOのトマス・フローズ氏(画像クレジット:Kencko)

Kenckoは、そのままでは廃棄されてしまう野菜や果物を転用することにも力を入れており、2021年1年間で1000万本以上のフリーズドライのスムージーを出荷することができたが、同社によればこれは約660トンの生鮮食品に相当するそうだ。また、2022年には完全なカーボンニュートラルを目指している。

共同創業者でCEOのTomás Froes(トマス・フローズ)氏は、TechCrunchにメールで、創業からわずか3年で年平均500%以上の成長を遂げていると語った。2021年末のKenckoの会員数は約36万人で、2020年比で173%の伸びを示している。

フローズ氏は、新たな資金を、Kenckoのサプライチェーンおよび自社製造の拡大・最適化に投入したいと考えている。社員数はちょうど100名を超えたところで、今後12カ月間でチームを倍にする予定だ。

フローズ氏は「今回の増資によって、会員の方々にとって手間のかからない栄養補給の機会である『Kencko moments』を増やすことができるでしょう」と付け加えた。「私たちは、より多くの人々が日々の果物や野菜の摂取量を増やすことで、より健康的な生活へと移行できるよう、今後も努力していきます。私たちはエキサイティングな新製品を数多く開発しており、2022年中には実店舗での販売を開始できたらと思っています」。

画像クレジット:Kencko

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(文:Christine Hall、翻訳:sako)

非動物由来のプロテイン製品開発に成功したThe EVERY Co.、卵市場に変化をもたらす

エッグプロテインという非動物由来のタンパク質を作る精密発酵技術を開発したThe EVERY Co.の2021年の業績が好調だ。

以前はClara Foodsとして知られていた同社は、4月にAB InBevの投資部門であるZX Venturesの投資先であるBioBrewと契約を結び、非動物由来のタンパク質を大規模に醸成することに成功した。EVERYの初の非動物性エッグプロテインは、2021年後半に最初の小売顧客との共同ブランド食材として発売される予定だ。

関連記事:「バドワイザーは卵を作る」食料大手が代替タンパク質産業に相次いで参入、投資額も急増

そして米国時間12月7日、募集額以上に申し込みのあったシリーズCラウンドで1億7500万ドル(約198億8600万円)が集まったことを発表した。この投資は、新規投資機関のMcWinと既存投資機関のRage Capitalが共同で行い、ラウンドにはTemasek、Wheatsheaf Group、SOSV、TO Venturesなど、新規および既存の投資機関が参加した。EVERYによれば、Prosus Venturesも今回の資金調達に貢献しており、合成生物学への初の投資となった。

今回の投資により、EVERYの資金調達総額は2億3300万ドル(約264億8200万円)に達した。TechCrunchでは、2015年にEVERYが170万ドル(約1億9300万円)のシード資金を調達した際に紹介した。その後当社は、2019年にはシリーズAでさらに1500万ドル(約17億円)、シリーズBで4000万ドル(約45億4600万円)の資金を確保している。10月にはThe EVERY Co.に社名を変更した。

その際、CEO兼創業者のArturo Elizondo(アルトゥーロ・エリゾンド)氏は、プレスリリースを通じ「私たちの新しいブランディングは、21世紀のフードシステムを根本的に変革し、あらゆる場所のあらゆる人間が、その過程で地球や動物に害を与えることなく、慣れ親しんだ好きな食べ物を楽しむことができるようにするという私たちのビジョンを届けるものになっています」と語った。

The EVERY Co.の創業者兼CEOアルトゥーロ・エリゾンド(画像クレジット:The EVERY Co.)

社名変更に加えて、11月には初の非動物由来のエッグプロテイン「EVERY ClearEgg」を発売し、コールドプレスジュースブランドPressedとのパートナーシップによりEVERYの製品が入ったスムージーを作り、小売デビューを果たした。

エリゾンドは、これは同社の7年間の仕事の集大成だとTechCrunchに語った。そして2019年のシリーズBは技術を証明するためのもので、今回のシリーズCでは、製品を市場に投入し、資本を活用して規模の拡大を推進することができると付け加えた。

また、この2年間でEVERYは、収益予測値だった状態から収益を得るようになり、従業員が30人から60人に増え、すべての製品に対し米食品医薬品局の承認を得て、米国、欧州、アジアで販売するようになった。

今回の資金調達により、同社は生産規模の拡大、パイプラインのさらなる製品の商業化、そして技術の新たな食品用途への拡大を図ることができる。

エリゾンドはこう語る。「私たちは今、導入促進のためのスケールアップに注力しています。B2Cについては多くの報道がなされており、Kellogg’sやGeneral Millsのような企業も追いかけてこの種の製品を発売しようとしていますが、インフラが追いついていません。これらの技術が機能し、変化を可能にするためには、それに見合った規模が必要です。当社では、その配備を始めています」。

一方、卵市場はいまだに動物由来の卵に支配されている。世界で年間1兆3000億個以上の卵が生産されているが、EVERYはその卵市場に変化をもたらそうとしている。当社の調達額の大きさは、その技術が機能し、支持を得ているということを示している。

EVERYは、Simply Egglessや今夏の初めに2億ドル(約226億7600万円)を調達したEat Just、ベルリンに拠点を置くフードテック企業で、2022年第1四半期に鶏を使わないエッグ製品を発表したPerfeggtなど、同様の動物由来でないエッグ製品に取り組んでいる企業の仲間に加わっている。Perfeggtは11月に280万ドル(約3億1700万円)を調達している。

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エリゾンドは、この分野の企業が増えることは、競争ではなく「上げ潮はすべての船を持ち上げる」ものだと考えている。それよりも、認知度を高め、本物の卵と同じ割合で使用されるようにできるかが勝負だ。

「卵はほとんどすべてのものに使われている機能的な食材ですから、ただおいしいだけの製品を作っても上手くいきません。市場を席巻するためには、消費者が代わり、1:1の比率にならなくてはなりません。そうすれば既存の企業と対抗する最大のチャンスになります」と彼はいう。

Rage CapitalのマネージングパートナーであるGabriel Ruimy(ガブリエル・ルイミー)は声明文の中で「100年以上の歴史を持つ業界に革命を起こしたと確信をもって主張する企業は稀です。しかし、EVERYのアルトゥーロやそのチームは、まさにそれを実践しています」と述べている。

また、McWin Food Ecosystem Fundと世界で2300のレストランを運営するAmRestの創業者であるHenry McGovern(ヘンリー・マクガバン)は「レストラン業界は、新しい食品技術をいち早く取り入れ、消費者に紹介します。McWinは、レストランに深く根ざし、代替タンパク質のリーディングカンパニーに多くの投資を行ってきたことから、EVERYの製品を世界中のメニューに導入するという野心的な計画をサポートできる独自の体制が整っています。卵はどこにでもあるものであるだけでなく、代替することが非常に困難なものでもあります。EVERYの革新的な技術には大きな可能性を感じています」と述べている。

画像クレジット:The EVERY Co.

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(文:Christine Hall、翻訳:Dragonfly)

「動物なし」のモッツァレラチーズの商品化を進めるNew Cultureが約28億円を獲得

Allied Market Research(アライド・マーケット・リサーチ)によると、チェダーやモッツァレラの販売に牽引され、米国のチーズ市場だけでも2019年には343億ドル(約3兆9300万円)、2027年には455億ドル(約5兆2200万円)に達し、年平均成長率は5.25%になると予測されている。

それに比べて、ヴィーガンチーズの業界は小さく、同社の調査によると、2019年の市場規模は約12億ドル(約1370億円)、2027年には44億ドル(約5050億円)に達すると予測されている。

しかし、このような大きなギャップにもかかわらず、シンジケートの投資家たちの「牛がいない牛のチーズ」を販売するNew Culture(ニュー・カルチャー)への、シリーズAでの2500万ドル(約28億6900万円)の資金投入は止まらなかった。それどころか、投資家たちは、ベイエリアを拠点とする設立3年目のこのスタートアップ企業が、動物を使用しないモッツァレラを通じて、市場を大きく成長させることができると考えている。投資家のSteve Jurvetson(スティーブ・ジュルベッソン)氏によれば、味も香りも伸び方もミルクチーズのようであり、彼が「これまでのところ、非常に不愉快だ」と表現したほとんどのヴィーガンチーズとは一線を画す。

ジュルベッソン氏によると、不足している成分は牛乳のカゼインタンパク質で、これまでは牛乳からしか摂取できなかったという。一方、New Cultureでは、精密な発酵プロセスにより、カゼインタンパク質を大量に生産しているという。VegNewsの記事に説明されているように、New Cultureは、巨大な発酵タンクを使って、糖液を与えた後に目的のタンパク質(αカゼイン、κカゼイン、βカゼイン)を効果的に発生させるよう微生物にDNA配列を注入しているそうだ。

その後、カゼインを回収し、水、植物性油脂、ビタミン、ミネラルなどと混ぜ合わせてモッツァレラを作る。

コレステロールや乳糖が含まれていないため、より健康的な製品ができあがる。また、環境にも優しい。実際、乳製品を使ったチーズを1oz(28.35g)生産するのに必要な水の量は56gal(約211L)といわれている。(土地の使用量もはるかに少なくて済む)。

なお、New Cultureのモッツァレラは近所の食料品店では販売されていない。まだいまのところは。計画では、まず2022年から全国のピザ屋にこのチーズを卸すことになっている。

ニュージーランド出身で、遺伝学と微生物学を学び、以前は教育関連のレビューサイトを立ち上げて販売していたNew Cultureの共同設立者兼CEOのMatt Gibson(マット・ギブソン)氏は、最終的には、ヨーグルトやアイスクリーム、さらには牛乳も作ることができるだろうと述べている。しかし、当面はモッツァレラが中心であることを強調した。

New Cultureのラウンドは、Ahren Innovation Capital(アーレン・イノベーション・キャピタル)とCPT Capital(CPTキャピタル)がリードした。また、ADM Ventures(ADMベンチャーズ)、Be8 Ventures(ビーエイト・ベンチャーズ)、S2G Ventures(S2Gベンチャーズ)、Marinya Capital(マリンヤ・キャピタル)、そしてジュルベッソン氏とパートナーのMaryanna Saenko(マリアンナ・サエンコ)が運営するFuture Ventures(フューチャー・ベンチャーズ)が新たに参加した。

今回の資金調達には、SOSVのIndieBioプログラム、Bee Partners(ビー・パートナーズ)、Mayfield(メイフィールド)、Bluestein Ventures(ブルースタイン・ベンチャーズ)、Kraft Heinz(クラフト・ハインツ)のコーポレートベンチャー部門であるEvolv Ventures(エボルブ・ベンチャーズ)など、以前からの支援者も参加している。

画像クレジット:New Culture

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(文:Connie Loizos、翻訳:Akihito Mizukoshi)

植物性アイスクリームのEclipse FoodsがWhole Foodsと提携、まずはカリフォルニアで提供

植物性の肉代替品に対する需要がかつてなく高まっている中、Impossible(インポッシブル)やBeyond(ビヨンド)といった企業がハンバーガーで成し遂げたことをアイスクリームでも実現したいとEclipse Foods(エクリプス・フーズ)が考えているのは間違いない。パンデミック前に同社はニューヨークと、地元であるサンフランシスコの一部の小売店での販売を発表していたが、今回、有名な小売店との提携により販売場所を増やす。

2019年初めに創業されたEclipse Foodsは、YCからの資金調達を含め、これまでに約1600万ドル(約18億円)を調達している。CEOのAylon Steinhart(エイロン・ステインハート)氏はTechCrunchとの以前のインタビューで、代替となる食料源をまかなうのにシンプルなアプローチを取ることで他の植物性食品との差別化を図ろうとしている、と述べた。

関連記事:Eclipse Foodsの純植物性アイスクリームがニューヨークとサンフランシスコの高級店に登場

「我々は、目的を達成するために高価なバイオテクノロジーを使用していません」と同氏は述べた。「植物の機能性タンパク質とその働きに関する世界レベルの専門知識を用いて、極めてシンプルな方法で植物をブレンドさせています」。

Eclipseは、乳製品ベースのアイスクリームをより直接的に模倣することを目指している。「プレミアム食材を使用した高品質なプロダクトを提供する小売店の代名詞であるWhole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)との提携は、当社が全米で販売を拡大していく上で画期的なものです」とステインハート氏はニュースリリースで述べた。

アイスクリームは、まず北カリフォルニアの一部の店舗で販売される。

画像クレジット:Eclipse Foods

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

バイオテックのスタートアップShiruが新規資金で植物由来原料の「発酵」を促進

タンパク質生化学者のJasmin Hume(ジャスミン・ヒューム)博士は、代替食料分野に取り組んでいる。テクノロジーを進化させることで、世界の食品産業が動物への依存を減らせる機会があると考えたからだ。


同氏は2019年にShiru(シル)を設立し、その会社では「精密発酵」プロセスを利用してし食品会社向けに植物由来原料を作り出している。その結果は味、食感、多用途性、量産した場合のコスト、いずれにおいても動物由来と同等だとヒューム氏はTechCrunchに語った。

「私が発見し、学んだのは、動物から得ている原料である卵のタンパク質や乳タンパク質が、食品ラベルのおかしな場所に現れているということでした」と彼女は語った。「例えば白い、ふわふわのパンには乳タンパク質が入っています。私たちは多くの食品部門を対象に、それらを持続可能で栄養のある原料に置き換えることが目標です。

食品原料市場と植物由来タンパク質市場は、いずれも安定した成長態勢にある。世界食品原料市場の規模は2022年に4000億ドル(約45兆4136億円)と予測されており、植物由来食品は2030年までに1620億ドル(約18兆3925億円)市場になると考えられている。

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現在、Shiruの商品カタログには、パッケージされた焼き菓子、ソース、バーガー、ヨーグルトなどさまざまな食料製品に添加できる無味無色の材料が6種類載っている。

ヒューム氏らが置き換えを狙っている食料の1つがメチルセルロースで、これは植物タンパク質ベース食品などに使用されているデンプンだ。

「メチルセルロースには植物由来のバーガーとソースにはない結合作用がありますが、ラベルには載せたくない成分です」とヒューム氏は付け加えた。「食品会社はメチルセルロースの問題を抱えていますが、誰も口にしません。この種の成分は置き換えを余儀なくされていて、私たちには置き換えるための原料があります」。

産業界からの需要を見越して、2022年の早くにこれらの原料を企業に提供するために、カリフォルニア州エメリービルのスタートアップは米国時間10月27日、1700万ドル(約19億3000万円)のシリーズAラウンドをS2G Venturesのリードで完了したことを発表した。

ラウンドには、既存出資者のLux Capital、CPT Capital、Y Combinator、およびEmles Venture Partner、新規出資者のThe W Fund、SALT、およびVeronorteが参加した。新たな資金を得て、Shiruのこれまでの総調達額は2000万ドルをわずかに超えた、とヒューム氏は語った。

投資の一環として、S2GのマネージングディレクターであるChuck Templeton(チャック・テンプルトン)氏がShiruの取締役会に加わった。S2Gは、健康食品と持続可能農業に焦点を当てた投資ファンドで、これまでに影響力があり、動物由来製品を置き換える製品をもつ会社に何度も投資してきた。

植物由来食品は進化中であり、新しいバージョンは常に良い味を目指しているが、まだ十分健康的ではない、と彼は言った。その点、Shiruの原料は「味がよい」だけでなく、置き換えようとする対象をしっかりと再現し、かつ健康的だとテンプルトン氏は付け加えた。

さらにテンプルトンは、同社はコスト構造と栄養成分、そして「顧客を喜ばせる」正しいラベリングを理解していると信じていると語った。

「あの会社は製品とタンパク質をすばやく発見し、多用途の原料を市場に提供する方法を知っています」と彼は付け加えた。「これによって彼らは、コスト構造の改善などを精査、継続していく機会を得られます。ヒューム氏のチームは、食品業界が制約を受けないように、そしてラベルと環境をきれいにする最高の原料を見つけられるようにしています」。

2022年までに材料を顧客に提供する計画を踏まえ、Shiruの成分を含む最初の商品が食料品店の並ぶのは、早ければ2023年だろうとヒューム氏は予想している。

同社はまずテクノロジーに集中して取り組み、それが検証されるとヒューム氏は、Shiruのスケーリングと基盤整備を次のフェーズに進めるために、次期ラウンドのベンチャーキャピタルを探し始めた。

彼女は新しい資金を、Shiruの22名の従業員を1年以内に2倍にし、科学、発酵、マーケティング、事業開発の人員を雇用するために使うつもりだ。また同社は、2022年にカリフォルニア州アラメダへ本社を移転し、生産規模の拡大を開始する。

「私たちがやるべき最大の仕事は、食品原料をたくさんつくることです」とヒューム氏はいう。「スケーリングへの挑戦には困難がともなうでしょうが、提携あるいは自社施設の建設によって発酵を工業規模で行うことを目指しています。そうすることで、食品会社がテストするために必要なサンプルを配れるところまで進むことができます。

画像クレジット:Getty Images under a metamorworks license.

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(文:Christine Hall、翻訳:Nob Takahashi / facebook

より持続可能な、カカオをまったく含まないチョコレートを作る独QOAが約6.8億円のシード調達

ミュンヘンを拠点とするQOAは、100%カカオフリーのチョコレート製品をいち早く市場に投入するための準備を進めている。


QOAはこのたび、Cherry Venturesがリードし、Fifty Years、World Fund、Nucleus Capital、Trellis Road、Pioneer Fund、Tet Venturesが参加した投資ラウンドで、600万ドル(約6億8000万円)のシード資金を調達した。

同社は2021年、Sara Marquart(サラ・マルカート)博士とMaximilian Marquart(マクシミリアン・マルカート)博士の姉弟チームによって設立された。サラ・マルカート博士は風味形成を専門とする食品化学者であり、マックス・マルカート博士は材料科学者で、これまで3度の起業を経験している。

QOAの製品テストキット(画像クレジット:QOA)

世界のチョコレート菓子業界は、2020年には2080億ドル(約23兆6700億円)を超える規模になっており、米国の製菓業界では最大の部類に入る。世界のカカオ供給の3分の2は西アフリカ産だが、危機に瀕しており、これが2人のマルカート博士が同業界に注力することにした理由の1つだ。現在、病原菌や気候変動により、カカオ供給の最大50%が危険にさらされており、カカオは森林破壊強制的な児童労働の一因となっている。

マックス博士は、TechCrunchにこう語った。「我々の食生活によって、食料供給が脅かされています。私たちはチョコレートが大好きですが、持続可能性のリスクがあることに気づき、将来も食べられるように何とかしたいと思ったのです」。

California CulturedVoyager Foodsなどの企業も、さまざまなアプローチでカカオを使わないチョコレートを作っている。一方、QOAは、他の食品製造プロセスで発生する天然の副産物を基材とする発酵プロセスを開発した。酵母やその他の微生物、独自のフレーバー形成を使って、人工添加物を一切使用せずに、チョコレートの食感と風味を再現するヴィーガン製品を開発したとのこと。

この発酵プロセスにより、2035年までに生産規模を拡大し、従来のチョコレートと同じかそれ以下の価格で製品を提供できるようになるという。実際、マックス博士は、将来のチョコレート市場は、通常のカカオを使った高級で高価な製品と、QOAの製品の2本柱になるだろうと予測している。

QOAは、2021年のY Combinator(Yコンビネータ)に参加し、製品テストキットを稼動させて、9つのオプションを試せるようにした。マックス博士は2022年にQOAの最初の製品を市場に投入することを期待しており、今回の資金調達は、スイスでスタッフ採用中の施設に加え、ミュンヘンに最初のパイロット生産施設を建設するために使用される。

現在、最初の企業間取引の顧客と交渉中で、近々小規模な契約を締結する予定だとマックス博士は述べている。

「その後、より大規模な生産ラインを構築するために、シリーズAの獲得を目指します」と同氏は付け加えた。

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)

チーズを愛するStockeld Dreamery、豆類からチーズを作るために約22億円調達

チーズは一度ハマると虜になる食べ物の1つだ。また、ミルク以外のものから作るのが最も難しい食べ物の1つでもある。Stockeld Dreamery(ストッケルド・ドリーマリー)は、その難題に挑戦しただけでなく、その成果として製品を生み出した。

9月上旬、ストックホルムを拠点とする同社は、Astanor Ventures(アスタノール・ベンチャーズ)とNorthzone(ノースゾーン)が共同で実施したシリーズAラウンドで2000万ドル(約22億円)を調達したことを発表した。創業者のSorosh Tavakoli(ソロシュ・トヴァコリ)氏がTechCrunchに語ったところによると、このラウンドは「植物由来の代替品を扱う欧州のスタートアップとしては過去最大のシリーズAラウンド」であるとのことで、Gullspång Re:food(グルスポング・リフード)、Eurazeo(ユーラゼオ)、Norrsken VC(ノルフェンVC)、Edastra(エダストラ)、Trellis Road(トレリスロード)、およびエンジェル投資家のDavid Frenkiel(デイヴィド・フレンキエル)氏とAlexander Ljung(アレキサンダー・リュング)氏が参加した。

トヴァコリ氏は以前、動画広告のスタートアップ「Videoplaza(ビデオプラザ)」を設立し、2014年にOoyala(ウーヤラ)に売却した。次のプロジェクトを探していた同氏は、自己分析を重ねた結果、次の会社では環境に好影響を与えるようなことをしたいと考えていたという。そして、行き着いたのが、食の世界、特に植物性食品の世界だ。

「動物に頼らないことは、工場式農場はもちろん、土地、水、温室効果ガスにおいて大きなメリットがある」と同氏はTechCrunchに語る。そして「チーズの影響が最も大きいことが分かった。しかし、人々は食生活を変えたいと思っていても、いざ代替品を試してみると、それが気に入らない」と続ける。

そこでトヴァコリ氏は、科学に精通する共同創業者を探し、バイオテクノロジーと食品科学をバックグラウンドに持つAnja Leissner(アンジャ・ライスナー)氏と出会った。そして2019年、両氏はストッケルドをスタートさせた。

ノースゾーンのジェネラルパートナーでありビデオプラザへの出資者でもあったPär-Jörgen Pärson(パー・ヨルゲン・パーソン)氏は、ストッケルド・ドリーマリーは「最高の技術と最高の科学がペアになった」結果であり、トヴァコリ氏とライスナー氏は「科学的な知識と未来のビジョンに基づく商業的なアプリケーションを提案しており、ユニークではないにしても、フードテックの分野では非常に珍しい存在だ」とメールで述べている。

同社の最初の製品であるStockeld Chunk(ストッケルド・チャンク)が5月に発売されたが、そこにはいくつもの挑戦や試練があった。トヴァコリ氏によると、製品といえる「チーズ」にたどり着くまでにチームは1000回以上のテストを繰り返し、納得できる配合を見つけ出したという。

植物由来のミルクのカテゴリーは、そのほとんどが成功しているが、それは必ずしも植物性だからという理由ではなく、美味しいからだと同氏は説明する。肉のカテゴリーでもイノベーションは進んでいるが、チーズはまだ難しいようだ。

「通常、植物由来のチーズは、でんぷんとココナッツオイルから作られており、その匂いやゴムのような口当たりでは食を楽しむことはできないだろう。それに、タンパク質も含まれていない」とトヴァコリ氏は付け加える。

ストッケルドは、タンパク質を主成分としたいと考えていたため、チャンクは発酵させた豆類(今回はエンドウ豆とそら豆)を使用している。その結果、フェタチーズのような見た目と食感を実現したことに加え、タンパク質を13%含んでいる。

チャンクは当初、スウェーデンのレストランやシェフを対象に発売された。その他にも、塗るチーズやとろけるチーズなどの製品を開発中であり、トヴァコリ氏は今後1年以内に市場に投入したいとしている。とろけるチーズは、作るのが最も難しいチーズの1つだが、成功すればピザの材料としての可能性が広がると同氏はいう。

今回のラウンドを含め、ストッケルドはこれまでに2400万ドル(約26億円)を超える資金を調達している。4人でスタートした同社は、現在23人にまで成長しており、トヴァコリ氏は来年末までにそれを50人にする意向だ。

今回の資金調達により、同社は研究開発に注力するとして、パイロットプラントを建設している。また、来年にはストックホルムの新本社ビルに移転する予定だ。さらに同社は、スウェーデン国外への展開や米国への進出も視野に入れている。

トヴァコリ氏は「当社には、当社がやろうとしていることを理解してくれる意欲的な投資家がいる。大きく考え、それに応じて計画を立てるチャンスがある。当社は、豆類をタンパク質に利用するという意味では、独自のカテゴリーに属していると思う。豆類を発酵させた第3のカテゴリーのようなもので、これをどこまで進化させることができるか、とても楽しみにしている」と述べる。

アスタノール・ベンチャーズの共同設立者兼パートナーのEric Archambeau(エリック・アーシャンボー)氏も、そのような投資家の1人だ。同氏もトヴァコリ氏とは前の会社で知り合い「植物由来の次世代のチーズ」を作るというアイデアを聞かされたとき、興味を持ったとメールで語っている。

「ストッケルドのチームは、設立当初から、本当に革命的でおいしい製品を作ろうとする勤勉さ、決断力、コミットメントを持ち、それに感銘を受けてきた。彼らは型にはまらない製品を作り、世界のチーズ業界の新しい未来に向けて道を切り開いたのだ」とアーシャンボー氏は語った。

画像クレジット:Stockeld Dreamery

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(文:Christine Hall、翻訳:Dragonfly)

電子レンジで温めるだけの植物由来食品を宅配するAllplantsが59億円を調達

ベジタリアン向け食事宅配サービスを提供するAllplants(オールプランツ)は、Draper EspritがリードするシリーズBラウンドで3800万ポンド(約59億円)を調達した。英国の消費者に、家で温める、植物由来のおいしい食事を提供することを目指す。

今回のシリーズBラウンドの規模は、ヨーロッパの植物由来食品の企業としては過去最大とのことだ。

ロンドンを拠点とするAllplantsは、2018年にシリーズAで750万ドル(約8億5500万円)を、またエクイティ・クラウドファンディング・プラットフォームのSeedrsを通じても資金を調達している。

同社によると、2017年の創業以来、収益は毎年2倍以上で推移しているという。

シリーズBに参加した他の新規投資家には「パーパス・ドリブン」の消費財ファンドThe Craftory、シリコンバレーを拠点とするTriplePoint Capitalに加え、イングランドの国際的なサッカー選手であるChris Smalling(クリス・スモーリング)氏とKieran Gibbs(キーラン・ギブス)氏、英国の独立系スナック菓子会社Proper Snacksの創業者でMBE(大英勲章第5位)のCassandra Stavrou(カサンドラ・スタブロウ)氏などがいる。

また、既存の投資家からFelix Capital(オートミールベースの代替ミルク「Oatly」を開発したベンチャー企業)とOctopus Venturesも参加した。

近年、欧米では、食肉生産にともなう気候変動への懸念が高まり、植物由来の代替品への関心が高まっている。

さまざまなスタートアップが肉に代わる便利な製品を幅広く開発してきた。Allplantsのような消費者に直接届ける食事や、Heuraのような植物由来の肉代替製品などの選択肢がそうだ。後者の製品はAllplantsの食品の原材料になるかもしれない。

関連記事:スペインの100%植物由来チキンのスタートアップ「Heura」が英国に進出

Alplantsは「植物由来の食品に興味がある人々」、つまりフレキシタリアンの消費者市場が急速に拡大していることが同社の成長要因だと分析する。同社によると、現在、英国だけで100億ポンド(約1兆6000億円)、先進国市場では年間1000億ポンド(約16兆円)の市場規模があるという。今のところ英国のみの展開だが、同社のウェブサイトには、世界進出も視野に入れているとある。

今回の資金は、ロンドン北部のウォルサムストウにある植物由来食品のキッチンを現在の6倍に拡張するために使用するという。急増する国内需要に対応する。

現在、同社のキッチンでは140人のシェフが24時間体制で働く。冷凍された状態で消費者に届けられるため、従来の電子レンジ食品と同様、食べる前にオーブンや電子レンジで再加熱する必要がある。

現在のメニューは、朝食、昼食、スナック、おやつ、夕食をカバーし、カレーやチリ、パスタやリゾットなど、さまざまな種類の世界の料理を提供している。肉の代替品としてはビーガンのタンパク源となる、ビーガンチーズ、豆腐、豆、ビーガンチョリソーなどが含まれている。

ユーザーは、宅配用に用意された料理の中から、1人分または2人分の量を選び、6食入りの箱を作る。

また、好みに合わせて「肉の代替品」のみの食事(いつも肉の塊がお皿にのっていることに慣れている人向け)や「最もチーズの効いた」料理(100%ビーガンのチーズを使用)のセレクションなど、バラエティに富むセットを販売している。

同社は、肉を使った食事を植物由来の食品に変えることが、環境への負荷を減らす最も効果的な方法の1つだと指摘する。植物由来の食事を週に1日増やすだけで、英国の平均的な消費者の食品からの二酸化炭素排出量を年間10%以上削減できるとしている。

さらに、シリーズBにおける計画として、他の販売チャネルへ迅速に進出する能力を構築するという。つまり長期的には、スーパーマーケットなどの小売店を含めたマルチチャネルでの販売を視野に入れているようだ。

今回の資金調達は、チームの大幅な拡大にも充てられる。料理学校で研修を受けたシェフをはじめ、オペレーション、イノベーション、マーケティング、テクノロジーなど、ビジネスのあらゆる機能に関して採用を予定している。

また、シリーズBの計画には、拡大する顧客層の好みに合わせて食事の範囲を広げることや、より幅広いカテゴリーの製品を開発することなどが含まれる。

Allplantsの創業者兼CEOであるJonathan Petrides(ジョナサン・ペトリデス)氏は、声明の中で次のように述べた。「我々が料理に関わり始めてからの5年間で、植物由来食品の需要が爆発的に増加していることを実感しています。我々には、このムーブメントをより多くの人々のキッチンに届けるためのエキサイティングな計画が多数あり、今回の投資はそれを可能にしてくれます」。

「食品の選択は非常に個人的なものです。ですから、品質と味は常に我々の最優先事項です。それが我々のすべての活動の原動力であり、顧客が妥協することなく、より多くの植物を食生活に取り入れることを可能にしています」とペトリデス氏は付け加えた。「我々は今、より多くのおいしいレシピや製品を想像して創造し、そして提供することができます。そして最終的には、植物由来の生活が我々の地球の未来にもたらす変革を加速させることができるのです」。

Draper EspritのパートナーであるNicola McClafferty(ニコラ・マクラファティ)氏は投資にともなう声明で次のように述べた。「今回の投資は、Draper Espritにとって非常にエキサイティングです。Allplantsは、今日の食品消費において最も急速に成長している複数の分野が交差する場所で、ユニークな位置にいます。消費者にとって非常に便利な方法で、味、持続性、栄養に配慮しながら高品質の植物性食品を提供しています」。

「ペトリデス氏と彼のチームは、非常に明確な価値観を持ち、信じられないほど力強い成長と忠実な顧客ベースを持ちあわせた、すばらしいブランドを確立しています。Allplantsは、消費者への直販ビジネスを拡大すると同時に、英国内および海外の新しいチャネルにも進出する可能性を秘めています。植物由来の食品に興味がある消費者に栄養、味、利便性を提供する、世界的なブランドになれると信じています」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

バイオリアクターと培養細胞で、従来の肉と区別がつかないような培養肉を生み出すAnimal Alternative

従来の食肉生産はサステナブルなプロセスとは程遠いものであり、また人々に「本物」の肉を食べるのをやめてもらうという課題は先が見えていない。そんな中、バイオリアクターと培養細胞を使って、動物由来の肉と区別がつかないような肉を作ろうとしている企業の1つがAnimal Alternative(アニマル・オルタナティブ)だ。同社はデータとAIを活用したカスタマイズ可能なプロセスによって、地元の生産者にこの方法を活用してもらおうと試みている。

米国時間9月22日にTechCrunch Disrupt Startup Battlefieldで発表したAnimal Alternativeは、ケンブリッジ大学でバイオテクノロジーを専攻していた時に度々出会う機会があった2人の卒業生が考案した会社である。食肉生産業界は生まれ変わる必要があるという信念を共有していたClarisse Beurrier(クラリス・ボーリエ)氏とYash Mishra(ヤッシュ・ミシュラ)氏。2人はお互いが持つスキルがその目的のために補完し合っていることに気づく。彼らは培養肉の生産を、ハードウェアだけでなくソフトウェアの観点からも取り組むという、データを多用した新しいアプローチを追求するために会社を設立することを決めたのである。

細胞培養肉という言葉に馴染みのない読者のために説明をしておこう。細胞培養肉とは動物の組織から採取した細胞を、人工的な環境下で一般的に「肉」とみなされるだけの数になるまで増殖させたものである。しかし、牛肉をただ切り落として栄養タンクの中に入れておけば500グラムのリブロースに成長するわけではない。自然界で成長するように組織を再現するというのは非常に困難なことなのである。しかしAnimal Alternativeは、データがその答えだと考えている。

研究や医療目的で、細胞や組織の生体電気信号モニタリングを行う研究室出身のミシュラ氏。ある時、同氏とボーリエ氏はこれと同じ技術を食肉生産に応用できるのではないかと考えた。

ヤッシュ・ミシュラ氏(左)とクラリス・ボーリエ氏(画像クレジット: Animal Alternative)

「親指よりも小さなバイオリアクターを作りました。最小限の資源で多くの情報を得ることで、持続可能な方法で食肉を作るための最適なプロセスを見つけることができました」と同氏は話している。

どんな目的であれ、細胞をモニタリングするというのは非常に複雑な提案であり、多くの場合染色や他の場所でテストするためのサンプルの収集など時間のかかる旧式の技術を必要とする。彼らの革新的な技術は、リアルタイムの細胞モニタリング技術の向上と、それによって細胞成長のプロセス全体を導くことができる即時のフィードバックの両方にあるとボーリエ氏説明している。

「すべてがうまく連動しなければいけません。例えば顧客がラム肉を作りたいと思っても、そこにはあらゆるパラメータがあり、非常にダイナミックなプロセスとなっています」とボーリエ氏。特許出願中のバイオリアクターについてあまり多くを語らないようにしていた2人だが、このバイオリアクターが強力なモニタリングとAIによるフィードバックを提供するものであるということは教えてくれた。

「栄養素、流量、pH、温度など、多くのパラメータが、製造される肉の味、食感、品質に大きな影響を与えます。当社が独自に開発したバイオエレクトロニック分析によって、これまでにないレベルの洞察を得ることが可能になりました」とミシュラ氏は説明する。「また、当社の革新的なプラットフォームには、AI駆動のソフトウェアが搭載されているため、当社が持つ全データを利用してコスト削減と効率向上につなげることができます。これにより、必要なコストとエネルギー量は、開始時に比べてすでに92%以上削減されています」。

畑で作物を育てる際に、水や窒素の量が適切であるかどうかを調べるのと同様に、培養細胞が期待通りに成長しているかどうかをリアルタイムでモニターする必要がある。単に組織の成長と健康を維持するだけでなく、実際の肉にありそうな場所に脂肪や血管の組織を作るなど、これによって積極的に組織を分化させることが可能になる。今後は培養肉に関する世界で唯一のデータベースを構築し、そこからラムやポーク、さらには和牛やアンガス牛などの品種に特化した数多くのAIエージェントを育成、配備していく予定だという。

今の段階ではすべて小規模なスケールでしか実証されていないが、同社はむしろ大規模から小規模へという順序でのスケールアップを計画しているという。「バイオリアクターの設計は大規模なものですが、マイクロスケールのシステムは、そのシステムのモデルとなるように意図的に設計されており、マイクロフルイディクスとバイオエレクトロニック・モニタリングを用いて分子スケールまで再現されています」とミシュラ氏は話す。

つまり言い換えれば、現在試作している卓上スケールでできることは、もっと大きなスケールでもできるはずなのだ。そして同社は「ルネッサンス・ファーム」と呼ばれる大型のバイオリアクターを、食肉生産者がターンキープロセスとして利用できるようにしようと計画しているのである。

食肉は世界的な産業だが、すべての国や地域に食肉生産を支えるだけのスペースや資源、インフラがあるわけではない。それでもどの国でも食肉は消費されているため、多くの国が多額のコストをかけて食肉を輸入しなければならないのである。鉱物や石油には恵まれていても、牧草地には恵まれていない国が、自分たちの資源だけで肉を生産できたらどうだろう。それがAnimal Alternativeの目指すところなのである。

「私たちの目標は、最大規模の商業用工場の代替となる、実行可能な手段を提供することです」とボーリエ氏。彼らの試算によると、1000リットルのバイオリアクターなら、わずか5%の土地、水、排出ガスで、年間100万キログラムの肉を従来の農業と同程度の価格で作ることができるはずだという。

ハードウェアはAnimal Alternativeが提供するが、顧客は定期的に新しい幹細胞(動物を傷つけずに採取される)を購入する必要があるという。生産施設での主なコストは、動物以外から調達した液体培地や成長ホルモンなどの原材料である。販売した商品のレベニューシェアが同社の主な収入源となる。

自社工場に資金を投入して自社製品を作るという決断にいたらなかったのは、スケールの問題が理由だ。

「私たちだけではできない問題です。私たちは野心的ですが、これは非常に大きな挑戦となるため、エコシステムの他のすばらしい企業と協力しなければなりません」。

食肉生産の脱炭素化と民主化という目標を一刻も早く達成するためには、食品業界の大手企業と提携してこのプロセスを強化するのが一番である。培養肉を作るための商業規模のプロセスが確立されれば、本物の肉と区別がつかないサステナブルな製品として、人気商品になることだろう。

さてどの程度本当に区別がつかないのか。その結果は近日中に行われる試食会でのお楽しみである。

画像クレジット:Animal Alternative

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

Beyond Meatの植物由来「チキン」テンダーが食料品店に登場

Beyond Meat(ビヨンド・ミート)はこの夏、植物由来の「チキン」テンダーをレストランで提供し始めたが、小売店での販売も開始したことで、まもなく家庭でも「チキン」テンダーを楽しめるようになる。この5ドル(約550円)のテンダーは、10月から一部の市場に限られるが、Walmartをはじめとする主要な食料品店で販売される。Beyond Meatsは、2021年後半には販売を拡大する予定だ。

Beyond Meatsによると、このテンダーは、実際の鶏肉を使ったものよりも飽和脂肪が50%少なく、遺伝子組み換え作物、抗生物質、ホルモン、コレステロールも含まれていない。同社では、チキンテンダーの味と食感を再現するために、大豆ベースのレシピではなく、ソラマメを使用している。調理済みのチキンテンダーは、10分以内に温めることができるという。

Beyond Meatのチキンテンダーは、Walmartの他、Jewel-Osco、Safeway NorCal、Harris Teeter、Giant Foods、ShopRiteの一部の店舗でも販売を開始する。一方で、同社は、ウォルマートでの販売もさらに強化するとしている。1300以上の店舗でBreakfast Sausage Pattiesが販売さる他、さらに多くの店舗でBeyond MeatballsとBeyond Beef Crumblesが販売される予定だ。

植物性代替肉のエコシステムにおいて、2021年9月は忙しい月だった。Beyond Meatの競合であるImpossible(インポッシブル)社は、数週間前から「チキン」ナゲットのレストランでの販売を開始した。また、Impossible社は、今秋、同社の豚挽き肉をレストランで提供することを発表した。

編集部注:本稿の初出はEngadget

画像クレジット:Beyond Meat

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(文:Kris Holt、翻訳:Yuta Kaminishi)

植物由来プリンのスタートアップ「Noops」がプレシード完了からわずか2カ月で約2.2億円追加調達

200万ドル(約2億2000万円)のプレシード資金調達完了からわずか2カ月後、植物由来プリンのスタートアップであるNoops(ヌープス)が新たに200万ドルの調達ラウンドをLerer Hippeau(レラー・ヒッポー)のリードで行ったことを発表した。

ニューヨーク州ロングアイランド拠点の同社は、2019年にHungryroot(ハングリールート)の共同ファウンダー、Gregory Harry Struck(グレゴリー・ハリー・ストラック)氏が、がんと闘い野菜中心の食事を摂るようになった後に創業した。

「この会社は、多くの食べ物を除外されていた私の必要から生まれました」とストラック氏がTechCrunchに語った。「この変化の時期に、私は食事について、また食事が私たちの幸福と健康に及ぼす影響について考えました」。

ストラック氏は、食料品店のヨーグルト売り場を見ていた時、プリンが目に入り、なぜこの商品が栄養面から考え直されてこなかったかを不思議に感じた。帰宅した彼は自宅を業務用厨房に変え、小さな子どもたち3人を味見係にして、さまざまなレシピの実験を開始した。

うまくいくレシピを発見すると友だちや家族にプリンを渡すようになり、ついにはNoopsを立ち上げた。最初の製品はオーツミルク由来の製品ラインで、オーガニック、乳製品とグルテンを含まず、プレバイオティクス、植物性タンパク質および食物繊維を含み砂糖無添加だ。チョコレート、キャラメル、モカ、バニラといった馴染みのあるフレーバーが揃っている。

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Lerer Hippeauの他に、Siddhi Capital(シディ・キャピタル)、Idea Farm Ventures(アイデア・ファーム・ベンチャーズ)、Simple Food Ventures(シンプル・フード・ベンチャーズ)、Animal Capital(アニマル・キャピタル)、およびAmerican Pie(アメリカン・パイ)の幹部、Alan Mitzner(アラン・ミツナー)氏が出資した。最新のラウンドの結果、同社の総調達額は500万ドル(約5億5000万円)に達したとストラック氏は言った。

「これは、私たちにとって非常に大きいことです。Lerer Hippeauのようなパートナーに私たちが次の世代になれると信じてもらえたのですから」と付け加えた。「そして私たちは、これからどこへ行くのか、そして未来を見つけそこで役割を果たせることをはっきりとわかっています」。

この出資の一環として、The Fresh Market(ザ・フレッシュ・マーケット)の前CEO、Larry Appel(ラリー・アップル)氏とHungryrootのCEO、Benjamin McKean(ベンジャミン・マキーン)氏が同社の諮問委員会に加わる。

Lerer HippeauのパートナーであるAndrea Hippeau(アンドリー・ヒッポー)氏は、ストラック氏が植物由来食品業界に衝撃を与えて強力な会社を作ることができると自分たちに信じさせたのは、ストラック氏自身と彼の経歴だったと語った。Bloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)のレポートによると、植物由来食品市場は2020年に294億ドル(約3兆2531億円)規模と推計されており、2027年には740億ドル(約8兆1881億円)に成長することが見込まれている。

ヒッポー氏は同分野の投資家として、この分野を「あらゆるカテゴリーに影響を与える次世代消費財」と見ていると語った。そして、植物由来食品は肉類、海産物などさまざまなカテゴリーに進出しているが、プリンではほとんど見ることがなく、健康志向の製品をもつ既存企業はいない、とヒッポー氏は言った。

事実、米国の食料、飲料大手トップ25による年間売上3480億ドル(約38兆5062億円)のうち、500億ドル(約5兆5325億円)ほどがJell-O(ジェロ)などのスナックブランドによるものだが、Jell-Oには動物由来成分が含まれており、それは1897年の発売以来変わっていない、とストラック氏は言った。

「食料品店は植物由来の代替商品を求めています」とヒッポー氏は言った。「Noopsはみんなが好きなものと同じフレーバーと栄養分を含むプリンを作り、ヨーグルトと正面から戦っています。グレゴリー氏と彼のチームは、それを理解しているので、私たちのところに来た時、すでに必要なネットワークを持っていました」。

新たな資金は、Noopsの小売と直販の流通チャンネル開発、パートナーシップの追加開拓、経理と営業の主要人材の雇用、生産3倍増に向けての第2生産パートナーの決定、ヨーグルトに代わる朝食向け製品ラインの開発などに向けられる。

Noopsが正式発売されたのは2021年第1四半期で、現在Sprouts Farmers Market(スプラウツ・ファーマーズ・マーケット)、Wegmans Foods Markets(ウェグマンズ・フード・マーケッツ)など750以上の小売店で販売されている。また、同社は2020年の発売前時点以来、予測数値を2倍にした。2021年中にFresh Thyme(フレッシュ・タイム)を発売予定。

画像クレジット:Noops

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(文:Christine Hall、翻訳:Nob Takahashi / facebook