賃貸の敷金に代わる保険商品を販売するRhinoが98.5億円を調達

米国時間1月26日、Rhino(ライノ)は9500万ドル(約98億5000万円)の資金を調達したことを発表した。これで同スタートアップの総調達金額は5億ドル(約518億5000万)弱となった。ラウンドをリードしたのはTiger Globalで、Rhinoはこの投資を「プレIPO」であると本誌に語った。

Rhinoは不動産屋向けに保険商品を提供しており、これを利用することで業者は伝統的な敷金を排除し、同様の役割を果たす保険商品を賃借人に通常料金で提供できる。

Rhinoは資金調達のニュースとともに、近年同社契約の年間経常収益(ARR)が急増し、2019年1月の400万ドル(約4億1000万円)から2021年1月には6000万ドル(約62億2000万円)になったことも明らかにした。このARRの数字は、Rhinoが契約している建物から予想される顧客規模を表している。同社の共同ファウンダーで会長のAnkur Jain(アンクル・ジャイン)氏は、これは控えめな数字だとTechCrunchに語っている。

Rhinoの親会社であるKairosのCEOでもあるジャイン氏にこの新規投資について尋ねたところ、Kairosは若年層のためにコストを下げたいと考えている、と同氏は話した。Rhinoはその目的にフィットしている。なぜなら賃貸の初期費用は法外なものになることもあり、同社のサービスによって賃借人は、敷金を用意するために賃貸時期を遅らせることがなくなるからだと説明した。

ジャイン氏はRhinoについて、家主と賃借人の両方にとって賃貸の壁を低くし、潜在顧客層を広げるものだと語った。対象顧客が増えれば、賃貸される物件も増える。

経済状況はRhinoを後押ししているようだ。ジャイン氏は、新型コロナウイルスの流行、同社の中核保険商品の貢献利益を抑圧していない、と話す。一部の急成長保険商品で貢献利益が劇的に下がったことを踏まえると、Rhinoの好調さが伺える(TechCrunchはこの数値が損失調整費を「含む」ことを確認した)。

はたして予定通り上場するのに十分なほど、業績は健全なのか?おそらく。ジャイン氏は、同社の新たな筆頭出資者であるTigerは企業の株式公開に対する多くの経験があり、1~2年のうちに上場することを考えているとTechCrunchに語った。

最近の傾向を踏まえ、SPAC(特別買収目的会社)についても質問してみた。従来型のIPOが目標だ、とCEOは答えた。

まだスタートアップのCEOがここまで正直に上場について話すことに驚いているのなら、2020年中頃にそこそこの売上で上場して大成功したLemonade(レモネード)を思いだしてほしい。新型保険プロバイダーのRoot(ルート)も上場したが、その後業績を落としている。また、保険商品を提供する別のプレイヤーであるMetroMile(メトロマイル)はSPACによる上場を計画している。

他にも多くのスタートアップが保険を巡る問題解決に取り組んでいる。インシュアテックブームの2020年の興奮は2021年に続きそうだ。

カテゴリー:その他
タグ:Rhino資金調達保険インシュアテック

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モバイルアプリで保険を管理できる仏LeoCareが約19億円を調達

フランスの保険スタートアップLeoCareは1500万ユーロ(約19億円)を調達した。Felix Capital、Ventech、Daphniの各社が米国時間1月19日のラウンドに参加している。同社はさまざまな保険商品を販売しており、サインアップ手順とユーザー体験に焦点を当てている。保険の契約内容をモバイルアプリから操作できるのが特徴だ。

すでに複数の保険商品に支払っている人は多いだろう。しかし、最後に補償範囲をチェックして契約を更新したのはいつだっだろうか?新しい保険を契約したあと、そのまま忘れてしまう人がほとんどだろう。

保険会社が、モバイルアプリやコントロールパネルなどのユーザー体験に力を入れないのばそれが理由だ。LeoCareは、その逆を行く者にまだチャンスがあると信じている。

LeoCareは自分の家、クルマ、オートバイ、スマートフォンに保険をかけることができる。会社のウェブサイトまたはモバイルアプリをインストールしてサインアップできる。また同社は、参加プロセスを最適化するために、理解しやすい質問や、選択肢によって少しだけ余分に払うのか、かなり多く払うのかを示すインジケーターを導入した。

サインアップすると、保険契約書がすぐ手に入る。こうして数分後には大家さんに契約書を送ることができる。しかしLeoCareはそれだけでなく、その後も契約内容を管理する手助けをしてくれる。たとえば多くのLeoCareユーザが、ロックダウン時に自動車保険の保険料を下げた。さらに数週間だけドライバーを追加することもできる。

LeoCareは舞台裏では総代理店として動いている。複数の保険会社と提携し、自社ブランドで保険商品を販売する。現在同社の顧客は2万人で、月間100万ユーロの保険料を徴収している。

LeoCareによると、契約の63%が自動車で、26%が家屋、7%がオートバイ、4%がスマートフォンの保険だという。LeoCareの成長は目覚ましく、現在対前月比38%で成長している。

今後LeoCareは、自分の事故案件の状態をチェックするボットなどの新機能を提供したいと考えている。同社は、交通事故の多発する地域を運転しているときに通知を受け取る機能も開発している。

さらにLeoCareは、プロフェッショナルのためのマーケットプレイスも計画している。水道工事業者を探すときなどに役立つ。会社の新たな収入源にもなる。

LeoCareは2021年末までに保険商品のラインアップを7倍に増やす計画だ。社員数も35人から80人に増える予定となっている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:LeoCare保険

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スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

スマートフォンでペット保険金請求を行えるサービス「アニポス」(Android版iOS版)を展開するアニポスが1月5日、2021年1月1日付けの正式サービス開始とともに、日本ペット少額短期保険の保険金請求への対応を発表した。

アニポスは、ペット保険金請求がスマホだけで完結するというサービスおよびアプリ。動物病院からもらった「診療明細原本」の写真を撮ってアップロードすると、加入している保険運営会社から飼い主の口座に保険金が入金される。診療明細原本以外に動物病院でもらう必要のある書類はなく、郵送などの作業は不要。

なお、アニポスアプリで一度に請求できるのは1回の通院分で、同一の診断・症状であっても複数回受診の請求を一度に行うことはできない。

スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

また診療明細データ1件ごとに、公益社団法人アニマルドネーションを通じ、動物救済団体に対してアニポスが寄付を行う。寄付は毎月実行されアニポスの公式サイトで公表している。

この寄付の原資は、すべててアニポスが負担しており、ユーザーが負担することはない。アニポスサービス利用規約にある引き受け対象に合致したアップロードに限り寄付を実行する。保険金請求を行わない選択も可能で、その場合は寄付のみ行われる。

また同社は、提携ペット保険運営会社に対して、保険金査定で必要な情報の取得、保険金請求業務のデジタル化などを含む包括的な業務効率化サービスを提供している。

スマホでペット保険金を請求できる「アニポス」が正式サービス開始、日本ペット少額短期保険に対応

2019年3月設立のアニポスは、「すべての人がより良い適切な動物医療を享受し、動物と幸せに暮らせる世界を創る。」をビジョンに掲げ、ペット保険のDXを推進。ペット保険金を簡単に請求できるスマホアプリ「アニポス」と、「アニポス」からシームレスにつながるペット保険事業者の保険金支払い業務効率化サービスを始め、テクノロジーの力で動物医療を支えるサービスを開発提供していくとしている。

ペットの長寿化、ペット医療の高度化・高額化を背景に、日本のペット保険市場は年率20%で成長しているという。ペット保険は、生活者(ペット保険加入者)にとって身近になったものの、手続きの利便性向上を求める声が増しており、同時にペット保険運営業者のデジタル化を含む業務効率化・業界全体のDXが求められているという。

また同社は、提携ペット保険運営会社に対して、保険金査定で必要な情報の取得、保険金請求業務のデジタル化などを含む包括的な業務効率化サービスを提供している。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:医療(用語)ペット(用語)保険(用語)日本(国・地域)

健康保険スタートアップ、OscarがIPO前らしきラウンドで145億円を追加調達

医療費負担適正化法(Affordable Care Act; ACA)をきっかけにベンチャーキャピタルによるヘルスケア投資の波が押し寄せている中、ニューヨークを拠点とする健康保険のスタートアップであるOscarは、1億4,000万ドル(約145億円)の資金を追加調達した。

この新たな資金調達は、2020年を通じて、同社が1日につき100万ドル(約1億円)相当の額を調達したことを意味する。

同社の前回の資金調達ラウンド、2億2500万ドル(約230億円)の大口投資は、わずか数ヶ月前の今年6月だった。

Tiger Global Managementが主導し、Dragoneer、Baillie Gifford、Coatue、Founders Fund、Khosla Ventures、Lakestar、Reinventなどを含む今回のラウンドの投資家リストを考えると、最終的に株式を公開する前に非公開市場を利用する最後の機会の一つになると思われる。

「2017年以来、Oscarは年率70%以上の会員数増加を記録しています」と、Oscarの共同設立者兼最高経営責任者であるMario Schlosser(マリオ・シュロッサー)氏は声明で述べている。「事業を急速に拡大させていく中で、この資本金は、全国のより多くのOscar会員に、手頃な価格でアクセス可能な医療を提供するというコミットメントを実現するのに役立ちます。」

新年に向けて、同社は、個人・家族プラン、メディケア・アドバンテージ、少人数グループの各商品において、18州と286郡で利用できるようになると述べている。同社によると、2020年9月30日現在、Oscarの会員数は15州で約42万人に上るという。

Oscarは、バーチャルケアサービスをいち早く提供した保険会社の1つだ(早くも2014年にオンライン診療を開始している)。現在では、Oscar会員のプライマリケア医への受診の半数近くが、Oscar推奨の医師との受診となっている。同社によれば、1回以上の受診経験がある加入会員の約38%が、バーチャルケアサービスを利用しているという。

関連記事:保険セールス向けSaaSサービスの「hokan」が2.5億円調達、Sansanと資本業務提携

カテゴリー:フィンテック
タグ:資金調達 保険

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(翻訳:Dragonfly)

「宇宙のガソリンスタンド」を目指すスタートアップOrbit Fabがシードラウンドで6.2億円を調達

TC Disrupt 2019にて衛星カップリングシステムを披露するOrbit Fabの最高開発責任者Jeremy Schiel (ジェレミー・シール)氏

「宇宙のガソリンステーション」の構築に特化した企業を自称する、軌道上でのサービス提供を目指すスタートアップOrbit Fab(オービット・ファブ)は、シード投資ラウンドに新たな投資者を迎えた。この追加拡張投資は、Munich Re Ventures(ミューニック・リー・ベンチャーズ、世界最大クラスの保険会社ミュンヘン再保険グループのコーポレートベンチャー投資部門)によるものだ。Munich Reグループは、特に衛星運用者には非常に重要な保険会社であり、打ち上げ前、打ち上げ時、軌道上の運用をカバーする保険商品を提供している。

2019年TechCrunch Disruptバトルフィールドの最終選考まで勝ち残った経験のあるOrbit Fabのシステムは、基本的には、宇宙船を軌道上の給油所まで誘導する宇宙タグボートで成り立つ。給油所には、同社が注文に応じて製作するインターフェイスを使って接続できる。新しく衛星を設計する際に、比較的簡単に組み込めるようデザインされており、キャプチャーやドッキングのための特別なロボットシステムなどを必要とせず、宇宙空間で簡単に燃料補給ができる。

このスタートアップの目標は、宇宙船の寿命を延ばして宇宙デブリを減らし、運用者の経費を削減することで、持続可能な軌道上の商用運用環境の構築を助けることだ。Munich Re Venturesの参加は、衛星運用者の打ち上げと運用のリスクモデルに持続可能性が高く運用期間が長い宇宙船を組み込めるという点で、極めて大きな前進となるずだ。

「推進剤のサプライチェーンの立ち上げを見てみると、その大部分は財務モデルです」と、Orbit Fabの共同創設者でCEOのDaniel Faber(ダニエル・ファーバー)氏はインタビューで私に話した。「顧客のリスクを移動し、設備投資を運営費用に確実に移動し、それでいて新たなリスクを招かないようにするには、これをどう使えばよいのか。そのすべてを、Munich Reの財務商品、保険とリスクの評価に任せることができます。なのでこれは、大変に意味深いパートナーシップなのです」。

ファーバー氏は続けて、Munich Re Ventures のTimur Davis(ティムア・デイビス)氏が宇宙関連のカンファレンスによく顔を出すようになり、そうしたイベントでファーバー氏は彼と言葉を交わすようになったと話した。それがやがて、宇宙でのサービスと基盤整備を見すえたMunich Re Venturesの投資計画に発展し、Orbit Fabはその新計画を背景とした最初の投資先となったわけだ。

この新規投資によって、Orbit Fabのシード投資ラウンドの総額は600万ドル(約6億2000万円)に達した。この中には、ベンチャー投資企業からのものに加えて、米国政府からの200万〜300万ドル(約2億6000万〜3億9000万円)の資金援助も含まれている。同社はまた、新たにドッキングのための「自動運転衛星」キットを着想し研究を行っている。これには、米国立科学財団から予備的な要求開発のための資金を獲得し、現在、その設計製造に着手できる段階に至っている。2021年は、宇宙産業の新企業にとっては大きな年となる。持続可能で規模の拡張が可能な衛星運用というアプローチを掲げるOrbit Fabも、間違いなくその中の1つだ。

関連記事:軌道上の人工衛星に燃料補給するスタートアップOrbit Fabが約3億2000万円を調達

カテゴリー:宇宙
タグ:Orbit Fab人工衛星保険持続可能性

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

保険セールス向けSaaSサービスの「hokan」が2.5億円調達、Sansanと資本業務提携

保険セールス向けSaaSサービスの「hokan」が2.5億円調達、Sansanと資本業務提携

保険セールス向けSaaSサービス「hokan」を開発するhokanは12月14日、シリーズAラウンドにおいて、エクイティファイナンスにより総額2.5億円の資金調達を完了したと発表した。引受先は、リード投資家のArchetype Ventures(既存投資家)、Sony Innovation Fund、Sansan、BEENEXT。テクノロジーを駆使した保険業界のアップデートをさらに推進すべく、併せてSansanと資本業務提携契約を締結したと明らかにした。

調達した資金は、システムの開発・販促体制強化を目的とした人材採用およびセキュリティ・データ活用技術を中心とした技術投資のために利用する。

hokanがメイン事業として展開する保険営業向けクラウド型顧客・契約管理システム「hokan」は、2019年1月に販売開始。週1回以上のアップデートを続けながら、現在は全国31都道府県・127拠点で利用されているという。

2021年に予定されている金融仲介業の規制緩和によって、保険販売に関与する新規事業者が増えることが見込まれており、多事業展開における顧客データ基盤の統一や営業生産性の維持・向上の観点から、現代的な顧客管理システムのニーズはますます増えると予想されるという。

こうした業界全体の成長トレンドもふまえて、同社が掲げる「保険業界をアップデートする」というミッションの実現に向けた取り組みを加速させるべく、資金調達を実施した。

また保険業界の営業活動においては、非対面における新たな顧客との接点構築や関係強化が難しくなっていることや、出会いのきっかけづくりが属人的・根性論的になっているといった課題が存在するという。紙書類をベースとした事務作業も依然として多く存在しており、さらなる業務の効率化が求められている。

そこでhokanは、名刺情報を起点とした出会いから生まれる新たな価値の創出や、アナログ媒体のデジタル化において、圧倒的な技術と実績を誇るSansanとの提携を実施。同社との提携の先には事業化を見据えており、すでに複数の大手保険会社や保険代理店との協議を進めている。

営業活動のDXや紙書類のデジタル化・データ化を通じて、保険業界全体のアップデートと顧客価値向上を目指していくとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Sansan(企業・サービス)資金調達(用語)hokan保険(用語)日本(国・地域)

急成長中のフランスの住宅保険スタートアップ「Luko」が62.4億円を調達

フランスのスタートアップであるLukoはシリーズBラウンドで6000万ドル(約62億4000万円)を調達した。ラウンドをリードしたのはEQT Venturesで、既存出資者のAccel、Founders FundおよびSpeedinvestも参加した。

ほかに、Hippo Insuranceの共同ファウンダーであるAssaf Wand(アサフ・ワンド)氏をはじめ、保険とテクノロジーの経験のある複数のエンジェル投資家も出資した。

Lukoは住宅所有者と賃貸人向けに住宅保険商品を販売しており、これまでに10万件の顧客を獲得している。2019年(未訳記事)にかけて同社は急速な成長を遂げ、顧客数を1万5000から10万へと大きく伸ばした。

迅速な加入プロセスに加えて、Lukoは顧客にとってより良い体験になるよう自社の保険商品を改善してきた。たとえばLukoは未使用の保険料から利益を得ようとしていない。

Lukoの収益モデルは明快だ。月額支払の30%を取得する。それ以外はすべて保険金支払いのために蓄積する。このようにこの会社は保険料から必ずしも多額の手数料を生み出そうとしていない。

年の終わりに、顧客は70%の中で残った部分を寄付することができる。LukoはBコーポレーション認定も受けている。

このモデルは、最近上場を果たし近々フランスで事業を開始する(La Tribune記事)予定のインシュアテック(保険テック)会社であるLemonadeを思い出させる。果たしてLukoが、Lemonadeの市場参入後も同じペースで成長を続けられるのか注目だ。

支払いを早くするために、Lukoはフランス最大の個人間支払いアプリであるLydia経由で送金する。こうして顧客は数秒のうちに保険金を受け取ることができる。

従業員85名のLukoは、国境を超えて拡大する計画だ。さらに、先を見越して住宅を守るために、漏水を検出する水道メーターや侵入者を検知するドアセンサーなども提供したいと考えている。

画像クレジット:Luko

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Luko保険インシュアテックフランス資金調達

画像クレジット:Luko

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

三井住友海上中国が上海保険取引所と提携、ブロックチェーン活用のスマート国際貿易保険プラットフォーム開発

三井住友海上中国が上海保険取引所と提携、ブロックチェーン活用のスマート国際貿易保険プラットフォーム開発

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年11月22日~11月28日の情報から。

三井住友海上火災保険が100%出資する三井住友海上火災保険(中国)有限公司(三井住友海上中国)は11月22日、上海億通国際および上海保険取引所と提携し、ブロックチェーン技術を活用したスマート国際貿易保険プラットフォームを開発したこと発表した

提携先の上海億通国際は、中国の税関システムである国際貿易単一窓口(国際貿易に係るオンラインワンストップサービス)を運営しており、上海保険取引所は中国保険業界のITインフラの整備・開発を行っている。

スマート国際貿易保険プラットフォームは、上海国際貿易単一窓口が持つ税関手続きデータを、ブロックチェーンを活用して取得し、保険ユーザーが保険証券や保険料請求書などを自動発行できる保険プラットフォーム。税関データを利用し、正確かつ迅速な保険加入手続きを実現する。それにより、保険の加入漏れの防止、未加入貿易企業への保険加入の促進していく。中国保険業界共通のプラットフォームの構築による保険利用者の利便性向上を図るという。

今回は、貿易における輸送中の損害を補償する外航貨物保険のみを対象とするが、今後は生産物賠償責任保険、関税ボンド、輸出取引信用保険等、貿易に関わる他の保険にも対象を拡大する予定という。

三井住友海上中国が上海保険取引所と提携、ブロックチェーン活用のスマート国際貿易保険プラットフォーム開発
プラットフォームの開発は、億通国際、上海保険取引所および三井住友海上中国の三社で行い、運営は上海保険取引所が行う。

現状の貿易プロセスは、荷主、物流業者、銀行、税関、保険会社など多くの事業者が参加する中で、売買契約書、信用状、船荷証券、保険証券など類似した膨大な量の書類のやり取りが行われている。各業務は個々の事業者、異なる国にまたがる状況下で事務作業が発生していることから、多量の人足と時間を要するといった課題を抱えている。それらの業務を、ブロックチェーンを活用し効率化することで、多大なコスト削減と時間の短縮が期待されている。

上海市は「上海五大センター設立」(国際経済、貿易、金融、水運、世界イノベーション)の国家戦略のもと、世界の経済、貿易、金融の中心都市となるべく各施策を推進している。三井住友海上中国は、貿易が盛んな上海において市政府関連機関と連携しながら、貿易プロセスにおける課題解決に挑戦し、顧客の利便性の向上と中国保険業界の発展に貢献していくとした。

また親会社の三井住友海上は11月18日、今回のプラットフォームの運営や今後の新たなシステム開発事業を積極的に行うことを目的に、中国上海市にてITシステム開発やその他のサービスを行う100%出資のMSIG管理(上海)有限公司を設立した。今後は、他業界ともブロックチェーン技術で連携を行い、さらなる利便性の向上を目指していく。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:FinTech保険(用語)

英国のMarshmallowが評価額3億1000万ドルで3000万ドルを調達、より「包括的な」自動車保険を目指す

特定の顧客に提供するサービスの種類や価格設定を導くのにアルゴリズムを始めとする計算手法を用いることに関して、保険業界は最も古い活用歴を持つ業界の1つである。しかし、その伝統的なポジションの水面下には、そうした手法による測定の中に改善の余地があるという事実が存在する。プロファイルに適合しない顧客に競争力のある価格を提供できていないからだ。

英国のスタートアップMarshmallowは、リスクを判断する新しいアプローチでこれらのレガシー保険会社大手に挑戦することを展望し、3000万ドル(約31億円)の資金調達ラウンドを発表した。自動車保険からスタートした同社は、より幅広いアナリティクスとシンプルなモバイルやウェブネイティブのインターフェースを活用して、十分なサービスを受けていない市場セグメントをターゲットに展開している。今回調達したシリーズA資金を用いてダイバーシティとインクルージョン(多様性と包括性)を重視した事業拡大を継続し、今後18ヶ月のうちに、より広範な種類の保険を対象国を拡大してローンチする計画だ。

同社は今回のラウンドで3億1000万ドル(約321億円)の評価を得たとみられているが、現時点では市場浸透と成長という観点から顧客数を明らかにしていない。保険業界は巨大産業であり、McKinsey(マッキンゼー)の推計によると、2017年の保険料は全世界で4兆ユーロ(約49兆円)以上であった。一方Allianz(アリアンツ)は最近の報告書の中で、COVID-19による経済不安の結果、市場は今年「冷え込んだ」が、それはまた、新技術と新たなアプローチの傾向を加速させていると指摘した。それに加えて、全体的に巨大な市場のわずかなシェアでも大きな収益につながるという事実は、Marshmallowが注目すべき挑戦者であることを意味する。

同社は今回のラウンドの参加者の名前を明らかにしていないが、著名なフィンテック支援者と、大手金融機関の1つが名を連ねているようだ。PitchBookによると、Outrun Venturesのほか、匿名の投資家がこのラウンドに参加している。以前の支援者はPassion CapitalとInvestecだった。

Marshmallowは2018年、外国人居住者をターゲットにした製品を携えて登場した。英国の保険会社は通常、保険料を決定する際に被保険者の英国での実績を評価するが、それはつまり、海外から英国に移住した成人の場合、履歴は良くとも悪くとも関係しないということだ。同社はそのロジックに着目した。Marshmallowの解決策は、国のデータだけでなく、グローバルなデータを組み込んだ評価アルゴリズムを構築することだった。

同社の共同創設者兼CEOであるOliver Kent-Braham(オリバー・ケントブラハム)氏は当時、TechCrunchに次のように語っている。「自動車保険では概して、人の運転能力、運転歴、現在のライフスタイルを捕捉したうえで保険会社が適正価格を提示する必要があります。残念なことに多くの保険会社は、英国に住む外国人ドライバーを適正に評価することなく彼らに過剰請求しています。英国を拠点とする外国人ドライバーは、市場平均より51%高い提示価格が見込まれています」。

現在ではより幅広い年齢層の、英国で一貫した記録を持たない人たちにもその範囲が広がっている。

「引き続き外国人居住者を対象とした自動車保険を提供していますが、現在当社は21歳から50歳までの人を対象にした保険サービスも手掛けています。これは、住所や信用履歴が断片的で、あまり裕福ではなく信用スコアが低い人たちに対して魅力的な価格と経験を提供することに焦点を当てたものです」と同氏は近況をTechCrunchに語る。「これらの顧客グループはいずれも、従来の保険業界からより高い料金を請求されています」。

ケントブラハム氏自身、規範から外れていることについての意識が高いかもしれない。同氏は双子の兄弟Alexander(アレクサンダー)氏と共同でこの会社を設立したが、両氏は黒人である。アメリカでは黒人の創設者は1%未満であると推定されており、ヨーロッパでも同様に有色人種の創設者の数字は低いものとなっている。なお、David Goate(デビッド・ゴート)氏は3番目の共同創設者である。

実際、Marshmallowの台頭は、少数派の創設者のストーリーとしても、十分なサービスを受けていない社会のセグメントにサービスを提供するという同社のフォーカスにしても、時宜を得たものである。

今年のテック業界の大きな焦点の1つは、ダイバーシティとインクルージョンをより積極的に業界に組み込む方法に関するものだった。米国で黒人が警察に殺害された事件が多発し、社会不安の波が押し寄せたことをきっかけに、経済的、社会的格差にどう対処するのが最善かという問題意識が世界中で高まっている。

テクノロジーの世界では、関係する企業の構成に多様性を持たせることが、より幅広いオーディエンスとニーズに対応するために重要であることが長い間認識されてきた。その意味では、2人の黒人男性が率いる保険スタートアップが、より幅広いユーザーグループのための製品を特定し、構築しようとしていることは驚くことではないだろう。

「当社には、従来の保険会社を悩ませている顧客に保険を提供するためのツールがあります」とアレクサンダー氏は声明で述べている。創業者の1人で現在は会長を務めるTim Holliday(ティム・ホリデイ)氏は、保険業界で長い実績を有する人物だ。既存企業が市場に残したギャップをスタートアップが特定するために同氏は不可欠な存在となっており、Marshmallowは自身の新しいテクノロジーを用いてそれに取り組んでいる。

COVID-19のパンデミックと世界中に広がる不確実性を背景に、前年度はインシュアテックに大きな注目が集まった。

現在の時価総額が28億ドル(約2900億円)を超えるLemonadeの上場に加えて、Hippoの評価額は大幅に上昇し、ターゲット層の選択やモデル化の手法という観点で保険モデルを再考する企業の増加も顕著になってきている。BIMAとWaterdropはそれぞれ、新興市場向けのマイクロ保険と、クラウドファンディング保険サービスのアイデアに注目している。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:イギリス 保険 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)