ニュージーランドの機械学習を利用した写真編集ソフトスタートアップ「Narrative」が約2.8億円調達

フリーランスの写真家にとっては、写真を撮影するのと同じぐらい、宣伝や写真の編集に時間がかかる。2017年に創業したニュージーランド・オークランドのNarrativeは、ウェブサイトビルダーやAIを活用してベストショットを選ぶNarrative Selectといったツールでプロの写真家を支援し、膨大な数のショットを扱う時間を削減する。

米国時間7月14日、NarrativeはFounders Fundが主導しIcehouse Venturesが参加したシードラウンドで258万ドル(約2億8000万円)を調達したことを発表した。

NarrativeのウェブサイトソフトウェアであるNarrative Publishはすでに数万人の写真家が使用しているという。今回調達した資金の一部はNarrative Selectのマーケティングに使用する予定だ。Narrative Selectはサブスクリプションとして提供され、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響から立ち直ろうとしている世界中の写真家に対してユーザーベースを広げていく。

Narrativeは、米国や英国から技術職の社員を採用し、ニュージーランドのオフィスで仕事をしてもらう計画も進めている。新型コロナウイルスの封じ込めに成功しているとして、ニュージーランド移住に対する関心は高まっている(The Guardian記事)。

Narrative Selectは機械学習を利用し、写っている人物に対して特に着目して写真に魅力があるかどうかのフラグを立てる。例えば被写体がブレていたり目をつぶったりしていれば、その写真には魅力がないとフラグが立てられる。同社によれば、通常30%の写真に魅力がないというフラグが立てられ、編集時間を短縮できるという。Narrative Selectはファッション、広告、ライフスタイルの写真にも利用できるように拡張される予定だ。

画像クレジット:scyther5 / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Facebookが写真日記&ショートムービ作成アプリ「Hobbi」を半年足らずで終了

Facebookがつい最近リリースした実験アプリのHobbiが、早くも終了する。Hobbiは個人的なプロジェクトや趣味などPinterestぽいコンテンツに関する短いビデオを作るアプリだ。Facebook社内のR&DグループであるNPEチームがリリースしたアプリのひとつで、2020年2月にiOS版が公開された。

Hobbiのユーザーにはアプリが2020年7月10日に終了するというプッシュ通知が送られている。ユーザーのデータはアプリの設定からエクスポートできる。

Hobbiは米国のApp Storeで数カ月間公開され、Sensor Towerの推計ではダウンロード数はわずか7000回だった。Apptopiaも、このアプリのダウンロード数は1万回に届かず、5月と6月はきわめて少ないダウンロード数だったとレポートした。

HobbiがPinterestからヒントを得たことは明らかだが、気になったアイデアを集めるピンボードとして設計されたものではなかった。Hobbiのユーザーは、ガーデニングや料理、アート&クラフト、装飾品といった自分のプロジェクトに関する写真を、ビジュアル化された日記のように整理することができる。プロジェクトの進捗を時系列で撮影し、必要に応じて段階を説明するテキストも加えるためのアプリだった。

プロジェクトが完了したら、すべての段階をつなげたハイライト動画にして、外部に公開することができた。

しかしHobbiはかなり簡素なアプリだった。自分のプロジェクトを記録する以外の機能がない。サンプルをいくつか見られるだけで、ほかのユーザーが作ったプロジェクトを見ることはできない。このサービスのトップユーザーをフォローすることもできない。記録のためのツールとしても発展途上だった。プロジェクトの段階を書き留めるための専用の「メモ」フィールドはあるものの、アプリのエクスペリエンスは「ストーリーズ」の劣化版のようだった。

短いクリエイティブコンテンツの可能性を追求しているのはFacebookだけではない。Googleの社内R&DグループであるArea 120もこのジャンルのビデオアプリ、Tangiを公開している。Pinterestは最近、Story Pinsの新バージョンのテスト(未訳記事)を目撃された。この新バージョンでユーザーはDIYなどのクリエイティブコンテンツを似たような感じで公開することができる。

人気が得られなかったことを考えれば、Hobbiが早々に終了することに驚きはない。かねてよりFacebookは、NPEチーム(Tech@facebook)は急速に変化するアプリに関して実験し、消費者が有用性を感じなければ終了すると述べていた。

NPEチームは2019年夏以降、Hobbi以外にも、ミームづくりのWhale、おしゃべり用アプリのBump、音楽アプリのAux、カップル向けのTunedApple Watch app Kit、オーディオ通話アプリのCatchUp(未訳記事)、共同音楽制作アプリのCollab(未訳記事)、ライブイベント向けのVenue(未訳記事)、予測アプリのForecast(未訳記事)など、多くのアプリをリリースしている。Hobbi以前に終了したアプリはBumpのみだった(アプリにより公開されている国が限られる)。

もちろんFacebookは、これらの実験を通じてまったく新しいソーシャルアプリをゼロから作ろうとしているわけではないだろう。どんな機能がユーザーに響き、どんな制作ツールが使われるのか、データを収集しているようだ。こうしたデータは、FacebookのメインのアプリであるFacebook、Messenger、WhatsApp、Instagramなどの機能の開発に反映させることができる。

我々はFacebookにコメントを求めたが、本稿公開までに回答はなかった。

関連記事:最新のモバイルアプリには変革が必要だ

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Facebook

画像:Hobbi

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(翻訳:Kaori Koyama)

Facebookはアプリ内インスタPopular Photosをひっそり開発

Facebook(フェイスブック)は、ブランディングと母艦への逆リンクによってその買収を妨害するかたわら、Instagram(インスタグラム)をパクろうとしている。TechCrunchは、FacebookがPopular Photos(ポピュラー・フォトズ)と呼ばれる機能をテストしていることを突き止めた。これは、アルゴリズムで選定した友達の写真を、ニュースフィードでフルスクリーンに開いた下にエンドレスにスクロールできるかたちで表示するというもの。その結果、Instagramのフィードと同じ体験をFacebookの中でもできるようになる。

Popular Photosでは、いくつものリンクをクリックしたり、ステータスの更新を読んだりする必要も、異なるコンテンツのタイプによってニュースフィードが固まってしまうこともなく、リラックスした楽な状態で写真のブラウジングができる。ユーザーはただ受動的に、素敵な写真が流れてゆくのを眺めるだけでいい。

Facebookのリンクだらけのフィードは、InstagramやSnapChatやTikTokなどの視覚系ソーシャルネットワークに比べて、だんだん古臭く面倒なものになってきている。ニュースフィードの投稿の意味を知ろうとすれば、ユーザーはいちいちリンクを掘り下げなければならず、簡単に楽しむことができない。こうした手間は、日常のちょっとしたブラウジングタイムには、また、仕事や学校や家族のことで疲れ切っているときなどにはそぐわない。Facebookのデスクトップには専用の写真ブックマークがあり、写真タイプのコンテンツのブラウズができるようになっていたのだが、いつの間にかなくなってしまった。

Facebookの広報担当は、同社がPopular Photosの小規模なテストを行っていたことを、我々が10月にそれを発見したときに認めていた。テスト期間は終了したが、現在も改良を重ねており、将来またテストを行う予定でいる。Facebookは、Popular Photosの詳細や、その目的について公表を拒んでいる。すでにFacebookにはストーリーズ、メッセージ、プロフィール、IGTVっぽい動画専用ハブであるWatchがあることから察するに、Instagramを完全コピーする場合に今不足しているものは発見タブと写真専用のフィードだ。

Popular Photosの仕組みはこうだ。ユーザーが、ニュースフィードやプロフィールで写真を見つけ、それをタップすると、映画館のように背景が黒いフルスクリーン表示に切り替わる。通常は、その写真をスワイプするかスクロールすると元の表示形式に戻る。しかしPopular Photosでは、スクロールすることで、その写真に続いてたくさんの写真を見ることができる。

Popular Photosのタイトルから下をスクロールすると、さらに写真が表示され、“See More Photos”(もっと写真を見る)というラベルが現れる。これをタップすれば、公開されている写真や、友達がシェアした友達限定の写真、または友達がフォローしている人の写真が続けて見られるようになる。Instagramと同じく、そしてニュースフィードとは違い、FacebookはPopular Photosのキャプションをおよそ65キャラクターまでしか表示しないため、画面が文字でいっぱいになることがない。Popular Photosの背景には映画館らしい雰囲気があり、写真を際立たせている。

Facebookは2014年から、フルスクリーンで開いた動画をスクロールしたときに関連動画を表示するようになった。現在、このもっと動画を見る機能は、次の動画が自動再生されるようになり、その動画のフィードがユーザーにどさっと示される。また、広告動画も入る。そのことから、Popular Photosにも広告主からの写真が入ることが予想される。さらに写真を見れば、それがFacebookの収益となるわけだ。

Facebookは、Instagramを利用して収益を上げることに躊躇しなかった。同社は、Instagramのナビゲーション・サイドバー(三本線ボタン)に「Facebookを開く」ボタンを設置した。

以前は、Instagramはその通知タブにFacebookの警告を表示しようとしていた。Facebookからのお知らせが入ると、三本線のボタンにあの目障りな赤いマークで示される。それをタップするとInstagramのサイドバーが開き、Facebook.comに紹介トラフィックを戻すよう促される。またFacebookには、Instagramでフォローしている人のFacebookページの“いいね”を求める通知も送ろうとしていた。現在は、“from Facebook”と新しいロゴマークがInstagramの読み込み画面に表示されるようになっている。

市場参入から15年間成長を続けてきたFacebookには、視覚的コミュニケーションを全面的に取り込む必要がある。すでにスナップチャットのストーリーズはコピーし、Facebook内に、すぐに消える写真や動画の形式を実装した。Facebookが自身の子会社であるInstagramを真似してフィードのスクロールに代るものを取り入れることに、引け目を感じている様子はまったくない。親会社が直接のライバルになることを、Instagramのスタッフはどう感じているだろうか。

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(翻訳:金井哲夫)

アドビがSensei AI利用の写真編集アプリ「Photoshop Camera」を発表

InstagramやSnapchatの普及で人々の写真との関わり方が大きく変化した。しばらく前まで写真を編集するには高価なソフト、ハードが必要でユーザーは写真家、デザイナーなどのプロやセミプロが主だった。ところが今では誰でもスマートフォンで写真を加工している。とはいえ、スマートフォンアプリに付属しているフィルターの機能は初歩的で、PhotoshopやLightroomを代替するものではない。あくまでスマートフォンでセルフィーを撮ってその場でちょっと明るさを補正して投稿するというような用途向けの「そこそこ」のプロダクトだった。

Adobe(アドビ)はこのことを認識しており、米国時間10月4日に米国ロサンゼルスで開幕したAdobe Maxで手を打ってきた。

それがPhotoshop Cameraだ。 これはAdobeのAI、Senseiを利用した写真編集のためのモバイルアプリでiOSとAndroidで利用できる。Photoshop Cameraを起動し、写真を撮影するかカメラロールから選択する。アプリはAIで内容を判断し多数の編集オプションを提供する。明るさや色などの基本的修正から複雑な背景から空を入れ替えるなどの高度な編集まで可能だ。

Photoshop Cameraは食べ物、人物、遠くの山並みなど被写体を認識し、最も適切と考えた「レンズ」(他のアプリでいうフィルター)を提示する。こうしたレンズも他の編集もすべて非破壊的だ。つまり元の画像を変更しないのでどんな状態からでもオリジナルにロールバックすることができる。

こうしたAI活用が可能になったのはAdobeが長年蓄積した何億枚にもおよぶ膨大な写真データによるものだという。おそらくいちばん重要なのはAdobeが写真をAの状態からBの状態に変えるためにどのような編集処理を行えばいいか判断できるという点だろう。

私は先週、アドビを取材し、アプリが実際に動作することを見ることができた。短いデモではこのアプリの能力をフルに紹介するのは難しかったと思うが、私は強い印象を受けた。アプリはごく普通の風景写真を処理してネイチャー雑誌のカバーフォトのように仕上げた。また料理の写真を見るなり1秒もかけずに「どの部分が料理か」を認識し、その部分だけを処理してシズル感を高めた。

アドビの担当者によれば、こうしたフィルター処理が可能になったのはBilly Eilish(ビリー・アイリッシュ)氏のようなフォトグラーやデザイナーと緊密に協力してきたからだという。このときアドビのCTOであるAbhay Parasnis(アブヘイ・パラスニス)氏は「地域、時期限定のカスタムレンズというのも面白いかもしれない」 と語った。つまりあるコンサート会場に行ったユーザーだけに提供されるレンズといったものだ。

このPhotoshop Cameraをすぐに使いたいユーザーはアドビに登録してプレビューモードへの招待を受ける必要がある。一般公開は2020年に入ってからとなるらしい。登録はこちらから

【Japan編集部追記】 日本からも上記リンクで申し込みは可能だがアプリのダウンロードができるようになるまでにはしばらく待つことになる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

GoogleはPixel 4のカメラでハードと画像処理AI/MLを融合、写真の新しい水準を実現

Google(グーグル)が発表した新しいPixel 4に写真機能の強化だけでも大量のテクノロジーが投入されている。こGoogle Researchでカメラ開発の指揮をとってきたMark Levoy(マーク・レヴォイ)教授が登壇してこの点を詳しく解説してくれた。この記事では広角から望遠まで高解像度で撮影するスーパーハイブリッドズーム、HDRをライブでプレビューするテクノロジーを含め、カメラの新機能を紹介する。

被写体、照明、レンズ、ソフト

レヴォイ教授はフォトグラファーの間に以前から伝わる格言から説明を始めた。つまり良い写真と撮るために必要なのは、まず被写体、 次に照明、つぎにレンズ、カメラボディーの順序となる。教授は「我々はこの格言には多少の修正が必要だと気づいた。つまりカメラボディには処理ソフトを含めて考えねばならない」と語った。

Screen Shot 2019 10 15 at 10.59.55 AM

もちろんレンズは依然として重要であり、Pixel 4では現行広角レンズに加えて望遠レンズを加えた。レヴォイ氏は「通常望遠のほうが広角より役立つ」と指摘したが、これはApple(アップル)がiPhone 11 Proに超広角レンズを加えてカメラ3台のアレイを構成したことに対する批判だろう。

Google Pixel 4 Camera

このコンテキストで説明するなら、Googleの「コンピュテーショナルフォトグラフィー」というコンセプトはスマートフォンの筐体に収まる小さい撮像素子(貧弱な画像しか撮影できない場合が多い)に対して強力な処理を加えることによって驚くべき高品質の画像を生み出すテクノロジーといっていいだろう。

レヴォイ氏によればPiexl 4に搭載されているのは「ソフトウェアによって定義されたカメラ」だという。つまり常時複数の画像を撮影し、それらのデータをコンピュータがバックグラウンドで合成することによってユーザーに複雑な操作を要求せずに優れた最終画像を得る仕組みだ。

Screen Shot 2019 10 15 at 11.07.56 AM

Pixel 4でどこが新しくなったのか?

コンピュテーショナルフォトグラフィーにより、Pixel 4ではいくつかの重要な機能が利用できるようになった。ひとつはライブHDRプレビューとデュアル露出コントロールだ。これにより、ユーザーはリアルタイムでHDR(広ダイナミックレンジ)処理を適用した写真をプレビューすることができる。これまではHDR写真を撮影する前のプレビューは撮影後の実画像とかけ離れているのが普通だった。Pixel 4では画像の高輝度領域と低輝度領域をリアルタイムで常に別個に調整することが可能になった。ユーザーは作画意図によって被写体をシルエット化したり逆光でも明るく描写したりできる。

機械学習によるスマートホワイトバランス機能はて適切なホワイトバランスの取得という問題を扱う。 レヴォイ氏によれば、Googleは現行Pixel 3で夜景モードを導入したとき、低照度条件でホワイトバランスを得る方法を開発したという。 Pixel 4ではこの機能が強化され、夜景モードだけでなくあらゆる条件で作動するようになった。逆光などの困難な撮影条件ではホワイトバランスがオレンジやイエロー側に振れる現象が起きやすいが、スマート・ホワイトバランスは白いものは白く描写できる。

Screen Shot 2019 10 15 at 11.02.01 AM

新しいポートレート・モードでは背景に加えるボケなどをいっそう正確にコントロールできるようになった。これは2つの撮像素子から得られるデュアルピクセル画像を処理することで奥行き情報を得て人物と背景の距離差を検出し、人物のみを鮮明に描写する。これにより人物がかなり離れた場所にいても人物に焦点を合わせ、背景をやわらかくボケさせることが可能になったという。人物の描写で髪の毛の一筋一筋や毛皮の衣服などデジタル一眼でも撮影が難しい対象を鮮明に描写できる。

複数カメラの採用により、当然ながら夜景モードも根本的なアップデートを受けた。新しい星空モードを利用すれば夜空を撮影して星や月を見たままに近く描写できる。星空モードが提供する夜の空は非常に魅力的だ。このモードでは数分にわたって撮影を続けることができるが、星の動きの追跡も含めて合成処理は処理はコンピュテーショナルフォトグラフィーが行うのでユーザー側で煩瑣な設定をする必要はない。

google pixel 4 sample images

さらに…

GoogleはPixel 4はスマートフォンの小型センサーに内在するさまざまな限界を打ち破ったカメラだとしている。写真界における世界的な巨匠であるAnnie Leibovitz(アニー・リーボヴィッツ)氏との共同撮影プロジェクトを続行中だ。レイボヴィッツ氏も登壇し、Pixel 3とPixel 4で撮影した写真を何枚か披露した。ただしとりあえずインターネット記事にフィードされる写真と最終成果物の写真集の写真とはかなり違うだろう。


レヴォイ氏はPixel 4の撮影能力はハードウェアのリリース後もカメラソフトウェアのアップデートによって引き続き改良されていくと述べた。つまりPixel 4のカメラはまだ始まったばかりということだ。現行Pixel 3のカメラはスマートフォンとしてトップクラスだが、ステージで披露されたデモ写真を見ただけでもPixel 4の写真はこれを上回っていた。今後実機を手にしてAppleのiPhone 11のカメラと比較してみるのが楽しみだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Peak Designが省スペースの本格的トラベル三脚をKickstarterに


ベルトやバックパックのストラップに固定できるコンパクトなCaptrueカメラクリップや、旅行用カメラバッグで知られているPeak Designから、セットアップが簡単でプロ用大型デジタル一眼レフも固定できる省スペースの三脚が発表された。

デザイナーによれば従来の三脚の欠点は「脚とセンターポールという4本の円柱と雲台操作用のハンドルという構造のため無駄な空間が多く携帯しにくい」点だという。

独特の固定方法とハンドルなしの自由雲台を開発したため、従来の三脚のような不規則なでっぱりがなく、畳むとペットボトルくらいの直径で、全長はわずか39.4cmになってしまう。Peak Desgin標準のカメラ用プレート、汎用スマートフォン・マウント、センターポールへの重り吊り下げ用フック、調整用六角レンチが標準で付属する。

耐荷重9.1kgと本格的なプロダクトとしては非常に手頃な価格でKickstarterでバッカーを募っている。プレッジ額 289ドルでアルミ製(1.56kg)、479ドルでカーボン製(1.27kg)のTravel Podが入手できる。現在プレッジ受付中で出荷予定は今年12月。

プロデューサー/Yashad Kulkarni, Gregory S. Manalo
撮影、編集/Gregory S. Manalo

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

プラハ旧市街を360度パノラマで撮った(ような)405ギガピクセルの巨大写真を見よう、世界記録かもしれない

Jeffrey Martinは巨大なパノラマ写真で世界を撮影していて、その写真をマウスでさっとスワイプすれば友だちの家などにも行ける。今回彼は自分の記録を塗り変えて、プラハの旧市街の幅90万ピクセルの写真を、6か月かけて制作した。

その写真はここで見られるが、その総球体解像度は405ギガピクセルというすごい数値だ。Martinは600mmのレンズと50MPのデジタル一眼レフカメラを使って、旧市街のほとんどあらゆるものの写真を撮った。カテドラル・コンドミニアムやプラハ城も見れるし、道路標識や看板、それに鳩も分かる。それは、美しい都市の美しい眺望だ。

Martinによると、撮った写真の後処理に6か月以上かかり、数千点の写真と加工を必要とした。どのファイルもPhotshopが扱える最大サイズの6倍の大きさで、部分写真の貼り合わせには細心の注意を要し、ものすごく苦労した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

あなたの州で「投票撮り」(votie)は合法? このマップで調べよう

明日は2018年中間選挙。興味深い政治展望の変化に加えて、この日は何百万というvotie[投票撮り]、つまり記入済み投票用紙の写真がソーシャルメディアに投稿されることが約束されている。それは同時に、合法か違法かという国レベルの混乱を招く事象でもある。それはあなたがどの州に住んでいるかによって変わる。でも心配はいらない、この地図を見るか、下に載せた便利なカラーコード化リストを見れば安心だ。

さて、読者の中には誰に投票したかを公開して自分の政治見解を表明することがなぜ違法になるのか不思議に思う人もいるだろう。問題は政治的発言をすることにあるのではない。当然その権利は守られている。問題は、選挙手続き上その行為が明示的に禁止されているとき、実際の投票を公開することだ。

投票の秘密は力を与えるためであり、制限するためではない。自分の投票内容を誰にも知られることがなく、なんらかの形で投票の証拠を公表することが法で禁止されていれば、誰に投票するかを強制されたり脅迫されたりする心肺はない。この可能性に加えて、投票所という人に見られたくない場所に撮影装置を持ち込む、というもっと一般的な脅威もある。

民主的プロセスの完全性と〈他人の〉投票の秘密を侵害する可能性は、この特別な場所と時間には個人の言論の自由に優先するという判断が、一部の州では決定されているが、そこには少なからぬ議論や異義がある。憲法修正第1条の例外として、これはかなり範囲の狭いものの一つだ。

ダウンロード用の大型マップはこちら

ともあれ、18の州がこの行為を禁止しているが、その範囲と厳格さはまちまちだ。低レベルの軽犯罪であったりもっと重大な罪であったり、投票所への電子機器持ち込みが全面禁止されていることもある。州によっては訴訟することも、何もしないこともあるが、私はシンプルに “ILLEGAL”[違法]と分類した。この選挙投票の日になんらかの形で法に抵触するのだから。

21の州は、この行為を禁止する法律がないか、明示的に許しているのでLEGAL[合法]とした。ただし、写真は自分と自分自身の投票用紙であり、他人のものであってはならない。

残る11州は、いずれのカテゴリーにもすっきり収まらない。たとえば、一部の州では書き込み済みのMAIL-IN BALLOTS[郵送投票用紙]の写真は自由にシェアできるが、投票場所やその周辺の写真を撮ることは許されていない。〈私〉には理解出来ないが、法律家や立法者から見るとvotieで法を犯す方法があるらしい。UNCLEAR[不明]な州にいる人は、何もしないのが安全だが、どうしてもやらなければならないなら、Law & Crimeにあるこのリストの最後を確認されたい。

それでは本題のリストはこちら:

  • Alabama: ILLEGAL
  • Alaska: ILLEGAL
  • Arizona: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Arkansas: UNCLEAR
  • California: ILLEGAL (but not for long)
  • Colorado: ILLEGAL
  • Connecticut: LEGAL
  • Delaware: ILLEGAL
  • District of Columbia: LEGAL
  • Florida: ILLEGAL
  • Georgia: ILLEGAL
  • Hawaii: LEGAL
  • Idaho: LEGAL
  • Illinois: ILLEGAL
  • Indiana: LEGAL
  • Iowa: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Kansas: LEGAL
  • Kentucky: LEGAL
  • Louisiana: LEGAL
  • Maine: LEGAL
  • Maryland: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Massachusetts: UNCLEAR
  • Michigan: ILLEGAL
  • Minnesota: LEGAL
  • Mississippi: ILLEGAL
  • Missouri: UNCLEAR
  • Montana: LEGAL
  • Nebraska: LEGAL
  • Nevada: ILLEGAL
  • New Hampshire: LEGAL
  • New Jersey: ILLEGAL
  • New Mexico: ILLEGAL
  • New York: ILLEGAL
  • North Carolina: ILLEGAL
  • North Dakota: LEGAL
  • Ohio: UNCLEAR
  • Oklahoma: UNCLEAR
  • Oregon: LEGAL
  • Pennsylvania: DEPENDS ON COUNTY
  • Rhode Island: LEGAL
  • South Carolina: ILLEGAL
  • South Dakota: ILLEGAL
  • Tennessee: ILLEGAL
  • Texas: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Utah: LEGAL
  • Vermont: LEGAL
  • Virginia: LEGAL
  • Washington: LEGAL
  • West Virginia: MAIL-IN BALLOTS OK
  • Wisconsin: ILLEGAL
  • Wyoming: LEGAL

もし自分の州が違法または合法かどうか疑問の場合は、自分の責任でvotieをシェアされたい。

投票妨害や投票マシンの不具合その他の問題をスマートフォンで記録することは、規則の例外になる場合がある。最善の判断を下し、他人のプライバシーに配慮されたい。

私は法律家ではなく、これは法的な助言ではない! 本稿は単なる情報提供であり、2018年11月5日現在私の知る限りの知識による。誤りがあった場合は? [原文の]コメント欄で教えてくれれば調査する。すでにいくつか修正した箇所もある。

ちなみに私は “votie” が起きるのを止めようとしているのではない。きっと起きるだろう!

more 2018 US Midterm Election coverage

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Flickrの新しいビジネスモデルでCreative Commonsの作品は消されるのか

昨日(米国時間11/2)は Flickrの改革プランについて、新オーナーのSmugMugから一連の発表があったが、それにより重要な懸念も生じた: 無料のアカウントの写真の点数を1000に制限すると、Creative Commonsから利用できる写真の数も制限されるのではないか?。

アメリカの非営利団体Creative Commonsは、写真などのクリエイティブな作品にいくつかのタイプの著作権ライセンスを設け、作者が自分の作品をどんな形で共有したいか、設定できるようにしている。たとえば多くのクリエイターたちは自分たちの写真を、彼らの名前とプロフィールやオリジナル作品へのリンクをつけてなら無料で使ってよい、としている。〔クリエイティブ・コモンズ・ジャパン。〕

Flickrは長年Creative Commonsのパートナーで、今では何百万枚もの写真を、さまざまなタイプのライセンスで提供している。

しかしFlickrのストレージ削減プランのもとでは、これらの、合法的に無料で使える貴重な写真集は今後どうなるのか。

Creative CommonsのCEO Ryan Merkleyがブログにこう書いている: “無料アカウントの容量制限によってCCの何百万枚もの写真が削除されることを、多くのユーザーが心配している。今後について多くの人から質問を受けたが、私は解が見つかると確信している。人間の善意と、共同的クリエイティビティーの重要性が理解されることを、私は信じたい”。

彼によると、この非営利団体はすでに今、Flickrとその親会社SmugMugとの話し合いを開始している。それにより、Commonsとその将来の成長を保護し確保するつもりだ。

“ユーザーが自分たちの作品を共有し、永続的にオンラインで可利用にすることが、彼ら自身のすばらしい体験でもあることを、私たちは確証したい”、とMerkleyは語る。

SmugMugの新しいオーナーたちと同様彼もまた、買収前のFlickrのビジネスモデルは破綻していた、と考えている。大量の無料のストレージとその利用に伴う帯域を、Flickrほどの規模(写真点数数十億)で提供すれば、その費用も膨大だ。彼は、Flickrが存続するためには別のオプションを探究すべき、と理解している。

Flickrもまさに今それを、アカウントプランの変革でやろうとしている。無料アカウントのユーザーは、最大1000枚の写真を保存できるが、容量無制限のストレージは年額50ドルになる。

では、Creative Commonsは一体どうなるのだろうか。Merkleyによると同団体は、Creative Commonsの作品が削除されそうになったら、新しいFlickrのやり方に介入する最初のユーザーになるだろう、という。

また彼は、Flickrの新しいオーナーたちにはこの前会ったが、感触は良い、とも言っている。

しかしFlickrがCreative Commonsのサポートを続けるとしたら、CC側としてはそれをどのように支援するのか。同団体はそれを今模索中であり、答はやがて得られるだろう、と言っている。

SmugMugはまだ何もコメントをくれないが、得られ次第この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

明日iOS 12.1がやってくる。グループFaceTimeとカメラの改善

どうやらAppleは、明日ブルックリンで行われるビッグイベントだけにニュースを残しているわけではなさそうだ。同社は最新バージョンのiOSを明日公開するとついさきほど発表した。iPadのお披露目にちょうど間に合うタイミングだ。

最大の目玉は、待望のグループFaceTimeで、AppleはWWDC以来たびたび話題にしていた。ビデオチャットアプリはこのアップデートによって最大32名が同時に参加できるようになる。

システムは話者を自動的に検出し、リストのトップに優先して並べる。それ以外の人が下がるのは他のチャットサービスと同じで、タップすればそのユーザーが前面に来る。グループFaceTimeは暗号化されていて、メッセージ(SMS/MMS)アプリから開始する。

最近報じたように、新バージョンのオペレーティングシステムではiPhone Xsの自撮りのソフトフォーカス化問題が修正される。Samsungなどのメーカーが提供するフィルターの効果に似ていたため「ビューティーゲート」とも呼ばれたが、Appleは意図した機能でないと明言した。

問題は手ブレ写真を起こすバグに起因していることを会社は発表した。その修正とともに、12.1では、ポートレートモードの被写界深度をリアルタイムで調節してバックグラウンドのボケを調整できるようになる。iPhone XsおよびXRにはデュアルSIM機能も追加される。

そしてもちろん、新しい絵文字が山ほど——全部で70種類——やってくる。赤毛、白髪、縮れ毛、禿頭なども加わる。新しい動物やスポーツ画像、食べ物関連もたくさんある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adobe、Photoshop CCのiPad版を発表

Adobeが同社の Creative Cloudアプリを近代化して、あらゆるプラットフォームに持ち込もうとしていることは周知の事実だ。本日(米国時間10/15))同社は、ロサンゼルスで行われたMaxカンファレンスで、Photoshop CCのiPad版を正式にアナウンスした。

残念ながら今すぐ試すことはできないが、2019年になったら、あらゆる画像をiPadでレタッチできるようになる。そして、当初はデスクトップ版の全機能を使うことはできないが、今後追加していく予定だとメーカーは言っている。

あらゆるAdobe製品がそうであるように、Photoshop for iPadは他のあらゆるバージョンのPhotoshopと互換があり、PSDに加えた変更はデバイスを横断してすべて同期される。ユーザー体験が一から再構築され、タッチ用にデザイン変更されているのも驚きではない。標準Photoshopの画像編集ツールとレイヤーパネルのほとんどが実装される。もちろん、デジタルスタイラスにも対応している。

iPadバージョンはデスクトップ版Photoshopとコードベースを共有しているため、「機能やパフォーマンスや編集結果に妥協は一切ない」とAdobeは言っている。

しかし現時点でPhotoshop CC iPad版についてわかっていることは、これくらいだ。これ以上は2019年まで待つしかない。もっとも、知っておくべきことはおそらくこれだけだ。Adobeはずっと以前から、ユーザーがどこにいても作業ができるようにしたい、と言ってきた。当初それは、大きなCreative Cloudエコシステムと同期する、機能に特化した数多くの小さなアプリ群のことを意味していたが、今はPhotoshopのような巨大アプリのフルバージョンをモバイルで動かす方向にシフトしているようだ

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adobe Photoshopの‘コンテンツに応じた塗りつぶし’が性能アップ、おかしな失敗が減少

Adobe Photoshopの“コンテンツに応じた塗りつぶし”(content-aware fill)が登場したときは、誰もが感激した。退屈な名前だけど、すばらしく便利な機能で、画像のセレクトした範囲内にAIが選んだ画像の破片をリプレースして、そのまわりと同じ本物らしく見せかける。しかしAIは万能ではないから、ときどき、おかしな、笑えるような結果になった。でも今度の新しいツールでは、AIの失敗がほどんどなくなるそうだ。

今日(米国時間9/10)発表された予告編ビデオでは、コンテンツに応じた塗りつぶしの設定項目が大量に増えたから、修正作業が楽しくなるかもしれない。フォトグラファーは元々、加工や修正が好きな人種だが、修正のメニューが増えればそれだけ結果も良くなる。

以前は、どうだったか…

…ときどき、こんな結果になった…

[コンテンツ対応の失敗]

…今度からは右側に大量のオプションが並ぶのでそこから選ぶ。

いちばん重要な違いは、ユーザーが範囲指定をした領域内でどの部分を塗りつぶすべきかを、AIが選べることだ。上の失敗例では、馬の部分を塗りつぶそうとして、ほんの一筆(ひとふで)か二筆(ふたふで)ぶん、除外している。しかし正確である必要はない。人間の手とマウスによる指定が1ピクセルの精度で間違っていても、今度のアルゴリズムは正しく判断する。

改良されたアルゴリズムはさらにお利口になり、使用する成分の回転や縮小拡大も臨機応変に行なう。その方が良い、と判断したら、コンテンツの鏡像も使う。

塗りつぶしを、別のレイヤ(層)に出力できるので、アーチストにとって重要な「非破壊的編集」ができる。これは、前からあるべきだった、とぼくなどは思うね。

ここまで強力な修正をやると、純粋な人はしらけるかもしれない。でも、実際に手元にある写真を使うしかない場合もあるし、ちょっと牛の数が多すぎる、ということもあるだろう。手作業による写真修正の名人ではない人が、大きな修正をしなければならないときには、使ってもいいことにしておこう。

今回の新しいアップデートは“もうすぐ提供”ということだから、アップデートの通知によく注意していよう。

画像クレジット: Adobe

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Instagramの月間アクティブユーザー10億に到達、IGTVは広告媒体としての魅力増大か

Instagramの華々しい成長が続いている。対照的にSnapchatやFacebookは停滞している。今日(米国時間6/20)のInstagramの発表では、2017年9月に8億を超えた月間アクティブユーザー数(MAU)が、ついに10億に達した。1日のユーザー数は5億だ(MAUは月内の同一ユーザーの複数回アクセスを数えない)。

この大量のオーディエンスは、今日(米国時間6/20)ローンチした長時間ビデオハブIGTVの大きな吸引力になるだろう。IGTVの収益化の仕組みが動き出すのはまだ先だが、露出とファン獲得を争うコンテンツメーカーは早くから群がるだろう。

Snapchatの1日のユーザー数は2018Q1に1億9100万で2.13%の伸び、そしてFacebookのMAUは21億9600万で3.14%の伸びだが、Instagramの四半期成長率は5%に近い。

ユーザー数10億のオーダーに達したInstagramはFacebookファミリーの中では重くなりすぎて、自身の収益化もままならないかもしれない。FacebookはInstagramの売上を公表しないし、そのヒントもくれない。しかしeMarketerの推計では、Instagramのアメリカでの2018年の売上は54億8000万ドル、前年比70%の増だ。Facebookのモバイル広告の売上の28.2%がInstagramだ。

IGTVによって、テレビに広告を出していたような企業も群がるようになり、よりおいしい広告媒体をInstagramは持つことになる。その余波でFacebookの株価も2.2%上がり、202ドルになった。

というわけでInstagramのブランド力はますます、Facebookの救命ボートに見えてくる。Facebookの人気はこのところ、ティーンを中心に落ち込んでいるし、相次ぐプライバシーの不祥事に揺さぶられている。でも実際には、InstagramがFacebookの子会社であることを知らない人がほとんどだ。Facebookとは無関係に、この写真共有アプリを愛している。ユーザー数10億に達した今後は、企業もコンテンツクリエイターも、写真やビデオをなお一層、重視せざるをえない。あなたの友だちの世界がそこから見える窓を提供することは、儲かる商売なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleフォトに「いいね!」と「お気に入り」がやって来る――ハートと星に注目

以前Twitterは「お気に入り」の星アイコンをハート型の「いいね!」アイコンに取り替えたが、Googleフォトは今回のアップデートで両方のアイコンを追加する。Googleの今日の午後ツイートによると、同社の写真共有サービスには星型の「お気に入り」ボタン」が追加された。ハート型の「いいね!」ボタンが追加されるのは来週だという。2つのボタンはそれぞれ異なる役割を担う。

「お気に入り」(星)ボタンは自分のライブラリーだけに表示される。ユーザーが「お気に入り」に選ぶとその写真は自動的に「お気に入りアルバム」に保存される。この機能はAppleやGoogle自身のPicasaを始め他の写真サービスではかなり以前から使われている。Googleが今回追加したのは少々遅いがまずは順当だろう。

ハート型アイコンはGoogleフォト版の「いいね!」だが、こちらは他のユーザーと共有している写真にだけ表示される。つまり「いいね!」できるのは家族、友達などユーザーの写真を見ることのできる相手だ。Googleによれば、アルバム全体が共有されている場合はそのアルバムに「いいね!」することもできるが、逆に共有されていない写真やアルバムに「いいね!」がつくことはないという。「いいね!」した写真を自分の「お気に入り」に追加したい場合は、まずその写真を自分のライブラリーにコピーしておく必要がある。

一見するとマイナーな改良のように思えるが、こうした「いいね!」や「お気に入り」を導入するのはサービスのソーシャル化の上で大きな決断といえる。以前Twitterが星型アイコンをハート型アイコンに変えたときは一部のユーザーから強い反発を受けた。Twitterでは今だにこの変更に馴染めないユーザーもいる。Facebookの場合でも、投稿に対する反応が「いいね!」だけであることに対するユーザーの不満が大きくなり、「ひどいね!」など他のリアクション・ボタンを導入することになった。

Googleフォトにも「いいね!」だけでなく「すごいね!」や「うけるね!」アイコンが導入されたら面白いだろう。 すべての写真が「良い」わけではなく、バカバカしい、悲しい、ショッキングだなどいろいろな種類の写真があるはずだ。当面はすべて「いいね!」で間に合わせておくことになる。

AIを利用した修正やモノクロ写真の自動着色などGoogle I/Oで発表されたGoogleフォトの各種の新機能も近く一般向けにリリースされる予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOSのカメラアプリHalideは写真の位置データを削除できる、セルフタイマーもサポート

iOS用の高度なカメラアプリHalideは、AppleのデザイナーだったSebastiaan de WithとTwitterのエンジニアBen Sandofskyが昨年ローンチし、そして今日(米国時間4/30)はこれまでで最大のアップグレードを発表した。このアップグレードには、セルフタイマーや、写真レビュアーの新設計、障害者等向けアクセシビリティの改善、などが含まれる。でも、おそらく、今回の最良の機能は、写真のプライバシーの保護だろう。写真を他と共有する前に、その写真のメタデータから位置情報をなくせるのだ。

Halideがとくに優れているのは、プロフェッショナルなカメラ機能を簡単なジェスチャーで使えることだ。だからアマチュアにもプロにもどちらにとっても、魅力的なアプリだ。

今ある主な機能は、手動の焦点調節ダイヤルや、その逆の自動焦点モード、RAWとJPGをサポート、グリッド/レベルツール、ライブのヒストグラムなどだ。

そして今回のアップデートで、Apple Watchコンパニオンなど、さらに便利な機能が加わった。

Apple Watchのアプリをインストールすると、リモートでフレームを決めたり、Halideのシャッターを切ったり、タイマーをセットしたりできる。つまり、自分の手首から撮影をコントロールできる。

Apple Watchがなくても、セルフタイマー機能がある。設定は3秒、10秒、30秒の三種類だ。起動するとシャッターボタンが押された状態になり、ボタンの近くのアイコンにカウントダウンが表示される。

フォトレビュアーも新しくなった。撮影済みのグリッドをスクロールして、そこからすぐに撮影状態に戻れる。

アクセシビリティの改善ではDynamicとBold Typeが加わり、VoiceOverがサポートされた。Halideの作者たちによると、30秒のタイマーもアクセシビリティを意識した結果だ。素早く動けない人でも、利用できるように。

しかし、今回の最大の変化は、写真のプライバシーだ。

今の写真には、大量のプライベートデータが含まれていることを知らない人や、忘れている人は多い。写真ファイルのメタデータには、カメラやレンズやフラッシュに関する情報や、日付時刻、写真の位置情報などが隠されている。そんな情報は、共有したくないと思うこともあるだろう。Webやソーシャルメディアにポストするときには、とくに。

今度のHalideでは、トグルスイッチのon/offで位置データを削除できる。それにより、FacebookやInstagramやWhatsAppなどに写真を投稿するとき、個々の写真ごとに、位置の共有を制限できる。

アプリのダウンロード数は公表されていないが、Appleのオプトイン方式のアナリティクスによると、月間ユーザー数は10万あまりだ。サードパーティによるユーザー追跡は、行われていない。プロシューマー層というニッチを対象とする有料アプリにしては、いい数字だね。

Sandofskyはこう言っている: “うちはメールやプッシュ通知みたいな成長戦術をやっていないから、この数字を誇りに思うね。このアプリは、多くの人たちの本当のニーズを満たしているのだ、と思う”。

Halideは、App Storeから5ドル99セントでダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Verizon/Oath傘下だったFlickrをSmugMugが買収、写真サイトとしてのFlickrは存続

SmugMugがFlickrを、Verizonのメディア系子会社Oathから買収して、二つの写真共有サービスが合体する。

このニュースを速報したUSA Todayは、SmugMugのCEO Don MacAskillにインタビューしている。それによると彼は、Flickrを再び元気にしたい、と言っている。

しかしまだ、具体的なプランはないようだ: “CEOが、これからどうしていいか分からない、なんて言ったら馬鹿と思われるかも知れないけど、SmugMugだって最初にマスタープランがあったわけではない。顧客の声に耳を傾け、多くの人たちが、彼らやコミュニティにとって重要な何かを求めていると分かったら、それを作ってきただけだ”。

Flickrは2004年に創業され、1年後にYahooが買収した。そのYahooはVerizonに買収され、Verizonは同じころ買収したAOLと合わせて、新たな子会社Oathを作った

過去2か月、Oath(本誌TechCrunchのオーナー)はAOLとYahooの一部資産を売却してきた。それらは、Moviefone(MoviePassの親会社(Oathが株主でもある)が買収)、Polyvore(資産をSsenseが買収)、などだ。

この売買に関するFAQで SmugMugは、Flickerは単独のサイトとして運営し、ユーザーのアカウントや写真の併合はしない、と言っている: “いずれはFlickrをSmugMugの技術的インフラストラクチャの上へ移して、Flickrの写真もその移行の一環として物理的には移動すると思われるが、しかし写真そのものはFlickr上に残る”。

このFAQは、今後のサービスについてこう述べている:

SmugMugとFlickrは、世界でもっとも影響力のあるフォトグラファーのコミュニティを代表しており、その強さを数字も示している。われわれはフォトグラファーたちに、彼らが自分のストーリーを語るために必要とするインスピレーションとツールの両方を提供したい。われわれは刺激とエネルギーを結集して、より多くのフォトグラファーたちに、自分が見たものを他と共有したいという意欲を鼓舞していきたい。そしてわれわれは、すべてのフォトグラファーを歓迎するスペースになりたい: ホビイストでも、蒐集家でも、そしてプロの写真家でも。

買収の価額等は公表されていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Instagram、人物写真にボケ味を加えるFocusを公開――シングルカメラでプロ級ポートレートが撮影できる

Instagramはポートレート撮影でAppleの上を行こうとしている。iOSだけでなく多数のモバイル・デバイスで洗練されたポートレート写真とビデオが撮影できるようになった。先月、TechCrunchは高度な人物写真が撮れる機能をInstagramが開発中だと報じた。今日(米国時間4/10)、この機能がFocusとして公開が開始された

Focusは人物に鮮明にピントを合わせたまま背景にボケを加えるというプロ級のテクニックを誰でも使えるようにする。Instagramの広報担当は私の取材に答えて、「Focusモードは顔認識と背景の分離を行うテクノロジーを用いている。 そのためデュアル・カメラを用いる必要がない」と説明した。

FocusはInstagramストーリーズのオプションとしてBoomerang、Superzoomなどと並んで表示される。メインカメラ、セルフィーカメラ両方で有効だ。iPhone 6s、 6s Plus、 7、 7 Plus、 8、 8 Plus、Xの各機種、また一部Androidデバイスで世界的に公開された。機能としてはAppleのポートレート・モードに近いが、Appleの場合はiPhone 7 Plus、8 Plus、Xのみでサポートされる。Androidでこうしたポートレート・モードが使えるのはこれまでPixel 2、Pixel 2 XLだけだった。その他、Magic Portrait Mode、FabFocus、LightX、Point Blurなどがポートレートに「準ボケ」加工ができるアプリとして人気を集めていた。しかしInstagram自体にシングルカメラでボケを加えるポートレート・モードが公開されたため、こうしたアプリに対する関心は薄れるかもしれない。

Instagram Focusによる背景ボケは読者のGenady OkrainからTechCrunchに提供された実例で確認することができる。背景は非常に巧みにボケさせてあるが、よく観察すると顔の輪郭はいくぶんにじんでいる。デュアルカメラを装備した最新のiPhoneでポートレート・モードはこれよりいくぶん良い結果を出せるようだ。ただしもちろんシングルカメラのモデルでは利用できないし、ビデオも撮影できない。

FocusはリアルタイムSNSとしてSnapchatよりInstagramを選ぶ理由を増やした。なんといっても別アプリを開かず、Instagramアプリ内部で処理が完結するのは便利だ。水平線沈む夕陽や料理写真でまず有名になったInstagramだが、8年後の現在もセルフィーを含む人物写真は十分に人気がある。こうして常に機能をアップデートし魅力を加えていけば、Instagramが10億ユーザーに到達することは可能だろう。

FocusアイコンはInstagramストーリーズの撮影画面でBoomerangやSuperzoomと並んで表示される。 スクリーンショットはSocial Pip から。

またInstagramはメンションにステッカーを追加した。これまでのように@マークに続いてテキストでユーザー名を入力するだけでなく、画像で友達をメンションすることができるようになる。Instagramでは先月からこの機能のテストを始めていたが、今回のアップデートですべてのiOSで利用可能になる。【略】Instagramでは2016年にストーリーズを公開した直後にテキストによるメンションもスタートさせている。Snapchatがこの機能を追加したのは先月だった。

Facebookがスキャンダルに揺れる中、Instagramにはほとんど影響が及んでいない。 リンク共有をサポートしてないためフェイクニュースの影響を受けにくく、Facebookの苦闘の原因となった政治的な動きの標的ならなかったのが幸いした。Focusに加えてInstagramアプリのコード中には音声とビデオによる通話機能が隠されていることをわれわれは報じた。またSnapchatのQRコードに似た画像をスキャンしてフォローできるInstagram Nametagsもベータ・テスト中だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

画像検索エンジン、Google LensがAndroidのGoogleフォトにやって来る

Googleのビジュアル検索エンジン、Google Lensは写真をスキャンして「何が写っているのか」を認識する。たとえば名刺をカメラで撮影するとLensは自動的に内容を認識し、連絡先に追加したりできる。

このGoogle LensがAndroidのGoogleフォトのユーザーに公開された。これはGoogleにとって最初の本格的なLensの普及の試みだ。これまでLens機能は最新のPixelスマートフォンでしか使えなかった。PixelではGoogle Assistantを通じてLensが利用できたが、他の機種のAndroidユーザーはアクセスできなかった。

GoogleではiOS版のGoogleフォトでもLensが「近々公開される」としているが、正確なスケジュールは明らかになっていない。

Lensは非便利であることもあれば、失望させられることもある。絶対に必要なツールかといえば今のところそこまでの完成度はないが、うまく作動するときはすばらしい能力を見せる。もちろんエッフェル塔の前に立っているときにGoogleレンズが「エッフェル塔です」と認識してくれても(時差ボケがよほどひどくない限り)それ自身ではあまり役に立たない。しかしいちいち文字を入力しなくても即座にエッフェル塔に関する詳細情報、歴史とか開館時間を知ることができるのは非常に便利だ(Googleマップからの検索でも有用な情報を手早く知ることができる)。

一方名刺スキャン能力はビジネスに大いに役立つ(相手が名刺の代わりにLinkedInのプロフィールで済ませている場合はダメだが)。

個人的にはLensの能力が不可欠だったという経験はまだしていない。最初は面白がってもやがて存在を忘れてしまいそうだ。しかしGoogleのことだから日々能力が改良されていくに違いない。やがて世界のどこで何を撮っても、名所であれレストランであれ、即座にそれが何であるか検索できるようになるのだろう。

画像: nurphoto/Getty Images

〔日本版〕右側のカット写真はサンフランシスコのテレグラフヒル地区の名所、コイト・タワー。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagramにポートレートモード発見――近くアプリ内から高度な人物写真が撮れるようになる

BoomerangやSuperzoomといった機能が大人気のInstagramではさらにSnapchatの上を行こうとして撮影モードのオプションを拡大するようだ。InstagramアプリのAPK(Android Application Package)の中に、Portrait というシャッターモードのアイコンが含まれていることがわかった。どうやらユーザーはStoriesのカメラを使って背景にボケなどの他洗練された効果を加えたポートレートを撮れるようになるらしい。

TechCrunchは読者のIshan AgarwalからAPK中に含まれているPortraitアイコンの画像を独占的に提供された。APKというのはWindowsでいえば.exeファイルに相当するファイルでAndroidで実行することによってアプリがインストールされる。PortraitモードのアイコンはInstagram Storiesでで撮影する際にオーバーレイされるオプションの一つになり、スワイプすることでそのモードを利用できるようになる。

われわれの取材に対してInstagramはコメントを控えたが、GiphyというGIF共有機能が1月に発見されたときも同じ対応だった。Giphyはわずか1週間後に正式に公開された。 もちろんInstagramは正式公開以前であれば(ベータテストの結果が悪かったり、戦略の変更があった場合など)波風を立てずしまい込むことができる。

われわれは先週もInstagramアプリ中にダイレクト・メッセージでビデオ通話をサポートする部分が隠されているのを発見している。

最新のiPhoneを含め、現在のスマートフォンはデフォールトのカメラでポートレート撮影モードをサポートしている。多くのユーザーがこのモードを使って撮影した写真をInstagramなどにアップしている。しかし最近はInstagramが高度なフィルターをサポートするにつれ、アプリ内のStoriesカメラを使う例が多くなっていた。

Snapchatもさまざまな撮影オプションを用意しているが、InstagramはPortrait機能で差をつけようとするらしい。Snapchatには現在アプリ内のポートレート・モードのオプションはない。Appleの場合はiPhone 7 plusに基本的な機能を実装して反響をみた後、iPhone 8 plus、iPhone Xで各種の照明効果を含むポートレート撮影機能を搭載するという手順を踏んでいる。

Instagramのポートレート機能の内容は詳しく分かっていないが、これまでもInstagramは高級一眼レフでないと撮れないような各種の効果を提供してきた。ただし実際に公開されるときはデバイスのカメラ自体のポートレート・モードとの混同を避けるためにPortraitではなく、別の名前になるかもしれない。

Instagramは常に話題となるような新しい機能を追加し続けねばならない。しばらく前にはセピア色のラテアートや彩度をむやみに高めた夕陽の写真がインターネットを席巻していたが、あっという間に時代遅れになってしまった。Instagram対Snapchatの軍拡競争はARやGIF機能の追加といった方向に進んでいたが、ポートレート撮影がサポートされればInstagramは「共有して楽しめる写真を簡単に撮れるようにする」という初心に戻ることになる。これは今後Storiesがどうなろうと、Instagram自体に価値ある機能となるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スマートフォンの写真の人工的ぼけの上手下手を点数で評価するDxOMark

DxOMarkのピクセルピーパー(pixel-peeper, デジタルフォト技術者/マニア)たちが、スマートフォンの写真の人工的なぼけの質を判定するおもしろい測度とテクニックを紹介している。ぼけの評価自体も難しいが、彼らはそのやり方を体系化したのだ! 彼らのガイドはベテランの撮影者にも、計算機が作り出すぼけと、そのさまざまな違いについて、いろんなことを教えてくれるだろう。

ふつうこの効果は、良いレンズをつけたSLRの絞りをいっぱいに開いて撮ると得られる。背景がなめらかにぼけて、しかしライトポイント(光が当たってるところ)の形はよく分かる。

最近では各メーカーの主要機種にほとんど必ずある、背景の人工的なぼけの利点と不利は、デュアルカメラという技術に起因している。一つのシーンを二つのカメラで撮ると、その情報を使って深度マップを捉えることができ、そうすると一定の距離よりも向こうをぼかせられる。そしてSLRの撮影効果の、まあまあのシミュレーションが出来上がる。

背景のなめらかなぼけを見よ…撮影はぼくだ。

しかしもちろん、そのやり方には巧拙がある。この人工的な方法を採ったことの証拠がいくつかあり、DxOMarkのチームはそれらを見つけて評価に使っている。証拠のいくつかは当然あるもの。しかし、やや意外なのもある。彼らのクレージーなテストのセットアップは、それらの‘異状’をすべてあぶり出す。

たとえば、たぶんご存知と思うが、この人工的ぼけシステムは、ぼかしてはならないものをぼかすことがある。髪の毛やそのカール、植物の近くの手、など。それはもちろん的外れだが、しかし背景の本物のぼけは焦点の前後にかけてなめらかに大きくなり、焦点近くのものはわずかにぼける程度、そして遠くのライトは単なる円形のにじみになってしまう。

スマートフォンがそれをシミュレートするためには、シーン内のあらゆるものの深度マップを計算する必要がある。そしてそれに基づいて、漸進的にぼかしていく。しかしそんな処理は時間と電池を食うから、実際にそれをやっている機種はほとんどない。ではなぜその光学的現象を模倣するのか、というと、そうしないといけないトレンドだからだ。そしてDxOMarkは、その努力の結果を格付けする。

この記事では、ほんの少しのことしか書けなかったが、詳しくはこれを読んでいただきたい。そうすると次にこのサイトのレビューを見たとき、その点数の理由が分かるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa