司法省が省のすべてのヘイトクライム関連リソースを一堂に集めたポータルを立ち上げ

国内テロの恐ろしい週が明けた今日(米国時間10/29)、合衆国司法省はヘイトクライムに関するオンラインリソースや報告ツールを一箇所のハブにまとめて資料源を一本化した。

司法省のプレスリリースによると、その新しいポータルは、“省のヘイトクライムリソースを法執行部門やメディア、研究者、被害者、活動グループ、そして個人のために集めた統一的なポータルを提供するためのものである”。その新しいWebサイトは、https://www.justice.gov/hatecrimesにある。

月曜日(米国時間10/29)にD.C.で行われたヘイトクライム防止のための法執行部門の行事で、司法省副長官Rod RosensteinがそのWebサイトを発表した。Rosensteinはまた、ヘイトクライムデータの収集方法に関する研究に対する、国立司法研究所の助成金84万ドルを発表した。

このサイトは、司法省の調査や訴追活動の中から得られたリソースを集める。それらは、調査報告書や、統計データ、法律案内、教材などから成る。また、国の捜査/訴追対象となったヘイトクライムの近例を提供する。それらは、人種や宗教、出生国、性、障害、性的指向性などによる個人への暴力を含んでいる。また、ヘイトクライムらしきものを見た者が連邦政府にそれを報告するための、各種報告ツールも集められている。

政治的憎悪を広めることにおけるトランプ政権の役割に対して批判的な者にとっては、このサイトはあまり慰めにはならないだろう。役に立つリソースがいくつか集まってはいるが、でもそれらも結局は、認知的不協和を招く奇妙な行為の一つにすぎない。ここで司法省は憎悪を動機とする暴力を真剣に扱おうとしているが、しかしその結果が、暴力のターゲットになることの多い弱者から保護を剥ぎとっている。中でも最近もっとも顕著な弱者集団は、トランスジェンダーのアメリカ人だ。

Rosensteinは発表の中で、“本日被害者への哀悼を表するために、私たちもまた、ヘイトクライムの真剣な防止に向けて、自分自身を捧げるものである”、と言っている。彼もまた、ヘイトクライムの多くが今後も未報告のままであり続けることを、認めているのだ。

画像クレジット: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

一般庶民の日常的法律問題を助けるDoNotPayの訴訟書式チャットボットがついに1000種を超えた

[画像: 駐車券問題の対応]

自作のチャットボットDoNotPayが駐車券争いで役に立ち、一躍話題になった19歳のJoshua Browderはそれ以来、できるだけ多くの、よくある法律的ニーズをできるかぎり自動化して、司法を民主化したいという彼のクェストに、さらに没頭を続けた。その結果Browderは、アメリカのすべての州とイギリスで、これから訴訟を起こす人びとの訴訟文書の作成を助ける、およそ1000種あまりのボットを作ってしまった。

最初のDoNotPayボットは、徐々に新しい機能を加えていくにつれて、何のためにどうやって使うのかわからない、と訴えるユーザーが増えてきた。そこで彼はその路線をやめて、個々の訴訟案件タイプごとのアシスタント機能をできるだけたくさん作り、フルサービスの消費者向け法律ツールとして出直すことにした。

今日ローンチした新しいDoNotPayは、庶民がぶつかるあらゆる法律問題…出産育児休暇を認めないブラック企業、家主地主の契約違反、などなど…で、誰でも訴訟用のトランザクションフォームを書ける。その1000以上あるボットは、自然言語で検索できるから、ユーザーが自分の問題を述べれば、DoNotPayが自動的に関連のアシスタントへ連れて行く。

Browderはこのツールを作るときに、関連書式や法律の地域(州〜国)ごとの違いが膨大で、しかもそれらに対応しなければならないと覚悟した。今のDoNotPayはユーザーの位置を自動的に確認して、その地域に合った適切な情報を提供する。

[世界初のボット弁護士が今や1000種の案件をさばく]
[お困りの問題はなんですか?]
[出産休暇を延長したいんです]
[それはたいへんですね.やり方をお教えしましょう]

ここまで大きくなれば、誰もがVCからの資金や、収益化について考えるだろう。でもBrowderはVCには目もくれず、自分の作品が無料であることにこだわる。彼は今Greylockの社員起業家だから、給料もアドバイスも会社からもらえるのだ。

今後は、結婚、離婚、倒産などもっと面倒な法律処理にも対応したい、と彼は考えている。IBMはDoNotPayに対し、Watsonの利用をタダにしてくれている。ユーザーが自然言語で検索できるために、Watsonが必要なのだ。そんな技術も自分で作りたいが、今のところ彼の関心はほかのところ…訴訟関連とユーザー対策…にある。

今Browderがとくに力を入れているのは、エンゲージメントの増大だ。今のユーザーは数か月に一回ぐらいのペースで利用しているが、利用頻度がもっと増えても平気で処理できるほどの能力を、システムに持たせたい。

それが達成できたら、収益化が視野に入るだろう。Browderは、今でも自分が何をやりたいのかはっきりしていない、というが、一応構想としてあるのは、一部のボットには企業をスポンサーにできる、ということだ。たとえば駐車券問題のボットには、自動車販売店がスポンサーになりたがるかもしれない。

DoNotPay(そんな金払うな!)の語源となった駐車券問題ボットでは、人びとの930万ドルを節約し、37万5000件の紛争を扱った。今や、社会を変えたといっても過言ではない。そのツールは、AIの必要性を人びとが自然に理解できる理想的なケーススタディだ。技術的に革命的なところは、何もなくってもね。

VCたちがIPに私権の鎧を着せて、独創的なアルゴリズムや機械学習の博士号を守ろうとするのは当然だが、でも結局のところは、世界に対するAIのインパクトの多くは、既存の技術をうまく利用する、彼のような熱心な自由人の発想から生まれるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネット上の仮想民事法廷FairClaimsが$1.8Mを調達して司法の大衆化に挑戦

2年前にStephen Kaneは、彼の次のビッグアイデアを探していた。弁護士として超大手法律事務所O’Melveny & Myersにいたが、その後、弁護士たちのために判例法を分析するソフトウェア企業Lex Machinaに在籍、その間彼は次にやるべきことを探していた。

そこから生まれたアイデアが、FairClaimsだ。小額裁判になるような軽い訴訟をネット上で解決するサービスで、Kaneはそれを仮想“Judge Judy”(ジュディ判事)*と呼ぶが、良いたとえだ。〔*: Judge Judy, 小額民事裁判をエンタテイメント化したCBSの長寿(1996-)リアリティー番組。〕

小額裁判は法廷への出頭が必要で、おそろしく長期化することもある。そこでロサンゼルスのFairClaimsは、それに代わるものを提供する。

実際の裁判の費用は、州によって違うが75ドルが相場だ。FairClaimsはそれよりやや高い79ドルを払って、問題をプロの調停人に調停してもらったり、仲裁人の前で略式裁判を申し立てたりできる。企業の場合は、250ドルだ。

つまり個人だけでなくAirbnbのような企業は、ゲストとホストの争いを、このような仮想審理で解決する方向へ変わりつつある。

Kaneによると、彼のこのサービスは今や、共有経済に従事している企業の定番的サイトになりつつある。

“レンタカーのTuroはサービス規約にうちの利用を載せている”、と彼は言う。

同社の取り分は、仲裁人が要らない場合で解決額の10-20%だ。仲裁人は、証拠審理のあとで係争を解決した判事である場合が多い。そして、裁決までの時間は通常3週間以下だ(実際に裁判になってしまうと数か月かかることもあり、さらにその後聴聞に回されたりすることもある)。

主張や議論はすべて、調停人、仲裁人、原告、被告らのあいだで、ネット上または電話で行われる。

営業とマーケティングを拡大したい同社は、ロサンゼルスの大物投資家たちから定額転換社債で180万ドルを調達した。

そのラウンドには、Greycroft, Crosslink, それに新顔の投資ファンドFikaらが参加した、とKaneは言っている。

その資金調達は、同社の宣伝機会でもあった、とKaneは考えている。法律サービスを大衆化する、という同社のメッセージが多少は世の中に伝わっただろう、と。

“わが社のミッションは、司法へのアクセスをサービスとして提供することだ”、とKaneは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))