パナソニック、テスラのEV向け大容量電池を2024年3月までに和歌山で量産開始

Panasonic(パナソニック)は、2024年3月までにTesla(テスラ)の電気自動車向けとなる大容量バッテリーの量産開始を目指している。同社は和歌山工場に同バッテリーの生産設備を建設中で、そこに2つの生産ラインを増設し、構造的な改良を施す計画だ。

この現在も開発が続いている「4680」と呼ばれる新型リチウムイオン電池は、現行の電池の約2倍の大きさで、エネルギー容量は5倍になる見込みだ。1台の車両に必要な電池の本数が減る(これはコスト削減につながり、EVの価格を下げる可能性がある)一方で、一度の充電で走行可能な航続距離を15%以上伸ばすことができるという。

今回のパナソニックの発表は、来年にもこの電池の製造が始まる可能性を示唆した以前の報道と一致する。同社はその生産設備に約800億円を投資すると言われていた。テスラからの要請を受けて、この電池の開発に着手したものの、他の自動車メーカーに4680電池を販売する可能性もある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Kris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

パナソニックがテスラ向け大容量バッテリーを2023年に生産開始との報道

Panasonic(パナソニック)は、早ければ2023年にも、Tesla(テスラ)向けのより大容量なバッテリーの量産を開始する可能性があると、Nikkei Asia(日経アジア)が報じた。この新しい「4680」バッテリーセルは、電気自動車の航続距離を15%以上も向上させるという。テスラの「Model S(モデルS)」では、1回の充電で走行可能な航続距離が現行の650kmから750kmにまで伸びる可能性があるということだ。

バッテリーセルの大きさは従来の約2倍に大きくなるものの、エネルギー容量は5倍になっているとNikkeiは伝えている。そのため、1台の自動車に必要とされる電池の本数は少なくて済むため、製造コストはすでに10~20%安くなっているという。バッテリーはEVのコストの30%を占めていると言われる。バッテリーのコストが下がれば、EVがより手頃な価格になり、電気自動車への移行が早まる可能性がある。さらに航続距離が伸びれば、充電の頻度も少なくて済むようになる。

テスラの長年のパートナーであるパナソニックは、4680を生産するための新しい設備に約800億円を投資すると報じられている。日本の和歌山県にある既存の工場を拡張し、まずはそこで新しいバッテリーの生産を始めるとのこと。Nikkeiによると、パナソニックは2023年に量産を開始する前に、安全で効率的な生産工程を開発するために、2022年から小規模にバッテリーの製造を開始するという。その後、他の国で電池を量産する可能性もあるようだ。

Reuters(ロイター)によると、パナソニックは2022年にテスト生産ラインを設置することを認めたが、大規模なバッテリーの量産を開始する時期については言及せず「我々は大量生産のためのさまざまな選択肢を検討している最中です」と述べたという。

パナソニックは、テスラからの依頼を受けてこのバッテリーの開発に着手した。パナソニックのバッテリー部門責任者は2021年11月、同社ではテスラを優先するものの、他の自動車メーカー向けにこの電池を生産する可能性も除外していないと語っている。テスラのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは以前、同社ではバッテリーの自社生産を計画しているが、他のサプライヤーからの調達も継続すると述べていた。

テスラは、2020年9月に開催された「Battery Day(バッテリー・デイ)」というイベントで、この4680を発表した。マスク氏は当時、このバッテリーセルの導入とその他の開発が進むことにより、テスラは2万5000ドル(約285万円)のEVを販売できるようになると語っていた

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のKris HoltEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)