エネルギー分野での地理空間の可視化と共同作業を可能にするカナダ拠点のMatidor

世界は広いが、専門家が地理空間データをより詳しく見ることができるソフトウェアは、コンシューマー向けのプラットフォームのような飛躍を遂げていない。

カナダ・バンクーバーを拠点とする地理空間の可視化と共同作業を可能にする事業を進めるスタートアップのMatidor(マタドール)は、エネルギー分野のコンサルタントやエンジニア向けにプロジェクトプラットフォームを構築しており、プロジェクトを1つの広範なダッシュボードで追跡できるようにする。共同設立者のVincent Lam(ビンセント・ラム)氏とSean Huang(ショーン・ファン)氏は、TechCrunch Disrupt 2020のバーチャルステージでMatidorを披露した。ラム氏は以前Google Earthチームで働いていた経験があり、ファンはAR/VR分野での経験がある。

Matidorの二人の共同設立者によると「現在の顧客の多くは、Slack、Microsoft Projects、ArcGIS(あるいはGoogle Maps)のようなツールを組み合わせて、転送されたスクリーンショットやリンクを織り交ぜた雑然としたソリューションを使用している」と話してくれた。Matidorは、データの可視化に関する具体的な共同作業のニーズに注目し、エネルギーと環境サービス分野の顧客にオールインワン製品スイートを提供している。

これらの業界で働く人々は多くの場合、ひと握りの視覚的なデータタイプを使用しているが、Matidorはこれらの顧客に、システムが変化を追跡し、関心のある視覚的なポイントを特定するために分析できるデータのレイヤーを重ね合わせることを可能にする。

「当社は多くのサードパーティのデータソースを取り込むことができます」とファン氏はTechCrunchに語った。そして「私たちは、あらゆるロケーションベースの有用な情報のための最適なプラットフォームになりたいと思っています」を続けた。

他のソフトウェアソリューションとは異なり、両氏は「Matidorはユーザーが簡単にポートフォリオ全体を一度に把握できるようにすることができる」とコメントしている。チャットに加えて、ユーザーは地図上の地域に素早く注釈を付けたり、メモを取ったりすることで、視覚的な共同作業が可能になる。

同社はユーザーごとに課金するのではなく、プロジェクトごとにソフトウェアを販売しており、プロジェクトで働くさまざまな関係者がプラットフォームを使えるようにすることを想定している。エネルギー分野へは参入したばかりで、開発チームは新しい顧客を取り込むためにテンプレートタイプの開発に取り組んでいる。最終的には、建設や緊急時の対応などの分野にも参入したいと考えているそうだ。

画像クレジット:Matidor

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Googleマップで衛星画像をコンピュータビジョンで彩色強化、一部都市では表示詳細化も

Googleマップに大型アップデートが実施される。一層詳細な情報が付け加えられ視覚的にもわかりやすくなる。改良は自然の地形や生態系からストリートレベルの表示までにおよぶ広汎なものだ。グーグルによれば、衛星写真をコンピュータビジョンで分析し地形や植生などに鮮明な色彩を適用する。人工物についても、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンなど一部の都市でストリートレベルの情報をさらに詳細化。これには、横断歩道の位置や歩道、歩行者用アイランドの位置形状などが含まれる。

こうしたアップデートはユーザーが徒歩や自転車、キックスクーターのような軽快な方法で移動するときのナビゲーションを容易にする。これらオルタナティブな移動手段はパンデミックによって人気が高まっている(Googleブログ)という。サポートされる都市ではその場の状況を実感しやすくするために道路の幅や歩道の形状などが沿道の建物と同一の縮尺で精密に表示される。

向かって左が更新前、右が更新後(画像クレジット: Google)

グーグルによれば、今回のアップデートでは歩道の段差、車道への切り下げなどの詳細情報は付加されないものの、横断歩道の位置が示されるようになったことはアクセシビリティの改善になっているという。また現在でもGoogleマップは車椅子で通行可能なルート、利用できる交通機関、また店舗レストランなどのビジネスにおける車椅子の利用の可否などを表示している。

同社ではニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンの詳細地図は今後数カ月の間に順次公開されるとしている。つまり都市マップのアップデートは今すぐは利用可能になるわけではないようだ。アップデートのスケジュールがやや漠然としているのは理由がある。Googleマップのように世界に数十億人ものユーザーがいる(Googleブログ)巨大アプリの場合、何段階にも分けてアップデートを行うのが普通だ。そのため全ユーザーに新機能が行き渡るまでには相当の時間がかかる。

同社によれば最初の3都市への詳細マップ導入が完了した後、この機能を米国以外の都市にも追加していく予定だという。

これと別に世界のユーザーは都市以外の地表の状態をさらに正確にわかりやすく表示するマップ機能を利用できるようになる。

グーグルは地形のカラーマッピングを保有している衛星画像の解析から得るが、特に荒地、寒冷地、森林、山間部などの地形に有効だという。分析によって得られた結果には色相、彩度、明度によるHSV色空間の特定の色彩が割り当てられる。例えば、密林は濃い緑色、 疎林は薄い緑色で表示されるなどだ。ユーザーは砂浜と植物で被覆されているいる地帯を一見して区別できる。またどこが砂漠であるかも判別できし、氷で覆われた極地の氷冠も表示される。雪が積もった山頂や国立公園の境界などもこれまでよりはっきり認識できる。

新しいカラーマッピングはGoogleマップサポートする全世界、220の国と地域の大小の都市、農地、原野など1億平方キロメートルをカバーする。

これまでGoogle マップはオンライン地図で他を大きく引き離したトップとみられていたが、最近アップルがiOSとMacの純正マップで急追を始めている。今回のアップデートはこうした状況で実施される。2018年にリニューアルされたアップルのマップ(未訳記事)は、さほど印象的ではなかったが、その後アップデートを重ねることによって無視できないライバルに成長してきた。

アップル特に大都市ユーザーをターゲットとして、Googleストリートビューより精細度が高い3DのLook Aroundを搭載した。最近ではiPhoneで地平線を撮影するだけで自分の位置が正確にわかるという巧妙な仕組みを導入した。またアップルはパートナーの手助けによる拡張とモデレーションをサポートした探索と発見のガイドを通じてGoogleマップに戦いを挑んでいる。こうした挑戦を受けてグーグルも従来のリードを保つために新機能の導入に踏み切ったものだろう。

グーグルによれば、マップのアップデートはAndroid、iOS デバイスとデスクトップを対象として今後数カ月かけて順次実施されていくという。

画像:Google, TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

クラウドソーシングで道の画像を無料データベース化するMapillaryをFacebookが買収

クラウドソーシングによる道の写真のデータベースを使った世界の地図製作でGoogle(グーグル)などに対抗するスウェーデンのスタートアップMapillary(マピラリー)が、Facebook(フェイスブック)に買収されたことを、同社がブログで公表した。買収の条件については明かされていない。

Mapillaryのスタッフとプロジェクトは、Facebookの大規模なオープンマッピングの取り組みの一部となる。Mapillaryによれば、同社の「OpenStreetMap(オープンストリートマップ)の関与は維持される」という。Mapillaryの共同創設者でCEOのJan Erik(ヤン・エリク)氏は次のように書いている。

Mapillaryは創設初日から、誰でも画像やデータを入手して、よりよい地図が製作できるようにする世界中の道の画像プラットフォームの開発に関わってきました。私たちのプラットフォームには数万人もの協力者があり、日々、Mapillaryのデータで地図が改善されています。私たちはその旅の次なる大きな一歩を踏み出しました。

エリク氏が指摘するように、Facebookは「機械学習、衛星画像、地図製作コミュニティーの協力を利用して地図を改善するツールと技術を構築している」ことが知られている。そのソーシャルネットワークの巨人にとって、地図製作には、Facebook Marketplace(マーケットプレイス)や地方のビジネスへ地図の提供、さらには拡張現実への応用といった直近の使用事例がいくつもある。

この動きは、2月にTechCrunchが報じた、別のヨーロッパのスタートアップScape Technologies(スケープ・テクノロジーズ)の先日の買収にも現れている。2017年に設立されたScapeは、コンピュータービジョンをベースにした「ビジュアル・ポジショニング・サービス」を開発していた。GPS単独では得られない、ずっと高精度の位置情報を必要とするアプリの製作を可能にするものだ。この技術は、当初は拡張現実アプリをターゲットにしていたのだが、交通、物流、ロボティクスに応用しても大きな力が発揮できる可能性を有している。Scapeはさらに範囲を広げ、カメラを搭載したあらゆる機器が周囲の状況を理解できるようにしたいとも考えていた。

Mapillaryは、誰もが参加できる最新の「オープン」プロジェクトでもあり、そこへFacebookからの資金が入った。昨年12月、同社は英国のAtlas ML(アトラス・エムエル)を密かに買収している。Atlasは、機械学習に関する論文とコードを無料で提供するオープンな情報源「Papers With Code」(ペーパー・ウィズ・コード)の管理会社でもある。

Mapillaryに話を戻そう。同社は「画像、地図データ、そしてあらゆる地図の改善」のためのグローバル・プラットフォームとして今後も存続することを強く主張している。「今後もこのプラットフォームへの画像のアップロードや、プラットフォームに存在するあらゆる地図データの利用が可能」だとエリク氏は話す。商用利用許諾のランセンスも変更されるという。

以前から、私たちのプラットフォームで利用できるすべての画像は、非商用利用に限り、誰もが使えるようオープンで、無料で提供されてきました。その形を維持しつつ、さらに一歩進めるために、本日より商用利用も無償化します。Mapillaryにアップロードされたすべての画像が、オープンで、パブリックで、あらゆる人が利用できる状態を保つことにより、新しい使用事例の道が開かれ、カバー範囲と利用範囲が大きく広がり、あらゆる地図製作に恩恵がもたらされることを私たちは期待しています。これまで私たちは、プラットフォームの構築と運営のために商業化に注力する必要がありましたが、Facebookとひとつになることで、Mapillaryは、あらゆる人に無料サービスをという創設当初からのビジョンに近づくことができました。

画像クレジット:Mapillary

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(翻訳:金井哲夫)

Googleがマップアプリを強化、iOSからも事故や交通取締をレポート可能に

Googleマップの表示がさらにWazeに近づいた。 米国時間10月17日、GoogleはGoogleマップをアップデートし、新機能を追加すると発表した。ドライバーはiOS版でも、事故、交通取締、渋滞などの道路情報をマップにアップできるようになる。 この機能はAndroid版で人気があったが、今後はiOSでも同様の機能が利用できる。

またiOS、Androidともマップ・アプリのユーザーは道路工事、レーン閉鎖、故障車両、路上落下物など交通の障害となる可能性のある情報をアップして共有できる。こうした機能はすべて2013年にGoogleが買収したナビゲーション・アプリ、Wazeのセールスポイントだ。道路状況を共有できる機能が利用できることでマップよりWazeを好むドライバーも多かった。

Mid trip UGC Report

今回のアップデートはマップのWaze化が着々と進んでいることを裏付ける。

例えばこの5月に、Androidアプリのマップにはスピード制限区域を通報する機能が40カ国で追加された。 各種の道路上の障害を通報する機能も以前からテストされている。Googleマップはナビを利用中に案内を一時中断 したり、ルート付近のガソリン価格を調べるなどWazeの機能を移植してきた。

マップでナビモードを利用している場合、画面上の「+」アイコンをタップするとドロップダウンメニューが表示され、衝突事故、スピード違反取締、軽い渋滞、工事(以上の項目は日本のAndroidですでに利用可能)、レーン閉鎖、故障車、落下物をワンタッチで通報できる。

マップ本体のWaze化によって、Wazeを使わねばならない理由が次第に薄れている。

とはいえ、カレンダーと連動させて旅行の予定を立てたり、Facebookにイベントを投稿したりするにはWazeのソーシャル機能が便利だ。Wazeでは相乗り情報の設定も可能。これに対してGoogleマップはユーザーの通勤やショッピングなど日常の移動を助けることに重きを置いている。

マップを強化することによってWazeその他のアプリからユーザーを移動させることができればGoogleの他のプロダクトとの連携に有利だ。

Googleマップにおけるデータ収集はたとえばレストランなどの施設の待ち時間、混み具合、滞在時間などにおよんでいる。またマップはGoogleのマイビジネスへの参加を促す入り口としても役立っている。このプラットフォームはFacebookページのライバルに成長しており、マップのユーザーがひいきの店を登録して最新情報を受取ることを可能にしている。

Googleによれば新機能はAndroid版、iOS版とも今週中に世界に公開されるという。

【Japan編集部追記】道路情報のレポート追加のスクリーンショットは日本におけるAndroidアプリのもの。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Mapsのレビューをより便利にするハッシュタグ機能、まずAndroidで提供開始

Google Mapsがとくに発表もなく実装した新しい機能により、ユーザーはほかの人が推薦している場所を見つけられる。それは、レビューの中でハッシュタグを使えるようになったことだ。たとえば、今レビューを書いてるレストランがすてきな#datenight(夜のデート)スポットなら、そんなハッシュタグを加えるとよい。あるいは、あるお店が#familyfriendly(家族向き)で#wheelchairaccessible(車いす可)なら、そのことをタグで注記しよう。

ひとつのレビューに最大5つまでのハッシュタグを入れられるし、それらをレビューの末尾に置いて本文を読みやすくしてもよい。

同社によると、ハッシュタグのサポートは1週間前に全世界的にAndroidデバイスに展開された。しかしこれまで発表は、Google MapsのLocal Guidesだけで行われている。これはユーザーが訪ねたお店などの場所のレビューや写真や知識を共有してごほうびがもらえるプログラムだ。

その発表によると、ハッシュタグは前に書いたレビューにも入れられるし、もちろん新しいのにも含められる。

Googleのおすすめによると、レストランなら#vegetarian(ベジタリアン)のように、その種類やタイプを示してもよいし、#goodforselfies(自撮りに好適)とか#sunsetviews(夕日が絶景)などでもよい。車いす用の斜路や音声メニューがあるなど、バリヤフリーの親切機能を知らせてもよい。

しかしInstagramやそのほかのソーシャルアプリと違って、Google Maps上のハッシュタグはあくまでも実用性が目的だ。あまり意味のない#loveや#foodなどは役に立たない、とGoogleは言っている。

Google Mapsの機能として、これ自体はあまりにもささやかな機能だが、でもGoogleはFacebookのPagesに対抗してこのところ、Mapsのソーシャル化に努めているのだ。そういう細かいアップグレードの一環だ、と思えばよい。

たとえば10月に加わった“follow”機能では、ユーザーがお店などをフォローして、ニュースや売り出し、お買い得品、イベントなどを知ることができる。また今月改作したMy Businessアプリでは、お店のオーナーがMapsのプロフィールを容易にアップデートできる。たとえば、フォロワーとシェアする新しいニュースを書き加えてもよい。このアプリで、レビューやメッセージを見たり、返事を書いたりもできる。

ハッシュタグが加わったことによってGoogle Mapsはお店などの発見プラットホームとして使いやすくなったし、ソーシャルなリコメンデーション(推薦)プラットホームにもなった。Google Guidesでハッシュタグ#LetsGuideを使うと、お気に入りの場所のパーソナルなリコメンデーションを見ることができる。その、Googleが勝手に選んだリコメンデーションを採用するか否かは、もちろんあなたの自由だ。

ハッシュタグを利用するためには、マウスをホバーすると青いリンクになるタグをクリックすると、同じタグがレビューにある近くのほかの店などのリストが表示される。このハッシュタグ機能がiOSとWebにも提供されるのはいつか、その日程はまだ明らかでない。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アップルのマップが大幅に改善、植生分布や建物形状の正確さはGoogleマップを上回る評価

eng-logo-20152012年からiOSに採用されたものの、地図の不正確さや地名の間違いなどがあり、Googleマップにはるかに及ばないとの評判だったアップルのマップ(Apple Maps)。しかし最近のリニューアルにより、植生の分布や建物の形状の正確さではGoogleマップを上回っているとの評価が報じられています。

これはアップルのマップ作成に従事していたデザイナー、Justin O’Beirne氏によるもの。アップルは今年6月、米TechCrunchにマップの完全リニューアルを準備中と回答していましたが、努力の成果は反映されつつあるようです。

まずO’Beirne氏は、リニューアル後のマップがカバーしている範囲の狭さに苦言を呈しています。今のところ米国の土地面積にしてわずか3.1%、人口の4.9%にしか及んでいないとのこと。

そう保留を付けつつ、O’Beirne氏は新マップに含まれた詳細な内容を指摘しています。特に植生分布、つまり草や木の生えた領域の細かさは驚くべきもので、郊外のみならず都市の内部まで緻密に反映されているとのこと。過去のマップと新マップを重ね合わせて比較するアニメーションGIFが公開されていますが、リニューアル後は「緑」の部分が目立っています。

植生分布は道路の間や住宅地の隅々まで反映され、ゴルフコースであればフェアウェイやサンドトラップ(俗にいうバンカー)、グリーンまで。地形の詳細についても、学校の校庭やプール、公園やテニスコートといった個々の施設が判別できるこだわりようです。

さらに建物の形状もかなりの正確さ。タイトル画像にあるサンフランシスコのFive Embarcadero Centerの新旧マップ(左が旧、右が新)を見比べれば、その改善ぶりは明らかです。

新マップが完ぺきに正確というわけでもなく、O’Beirne氏は建物の高さに関していくつかの間違いが見つかっていると指摘。たとえば近くに似た形状の建物がある場合、細部に現実とのズレがある場合も例示されており、その点でアップルのアルゴリズムがGoogleのそれ(主に屋上など)に及んでいない可能性も示唆しています。

とはいえ、アップルの新マップが以前と比べて格段の進歩を遂げ、多くの点でGoogleマップを上回りつつあるのは事実のようです。羽田空港内に大王製紙が出現、JR青梅線に「パチンコガンダム駅」が誕生する事態は再来しないかもしれません。

まだ本国アメリカでもカバー率は1/30以下で、日本の地図に恩恵が及ぶのは当分先と思われますが、その日が来るのを楽しみにしたいところです。

Engadget 日本版からの転載。

Google Mapsでは水飲み場水汲み場が分からないからTapは水のWazeになってプラスチック瓶を世界から減らそうとする

レンタル倉庫サービスMakeSpaceのファウンダーで元CEOのSamuel Rosenが次のベンチャーを立ち上げようとしているが、それはオンデマンド経済とはほとんど無関係だ。今回Rosenが目指すのは、水の世界だ。

Tapがねらうのは、世界で初めての飲料水のための公開インデックスとグローバルな検索エンジンだ。

水を売るために使われているプラスチックボトルは、いろんな意味で、この惑星を苦しめている。プラスチック製の水の瓶が環境に与える悪影響の90%以上は、製造過程で起きており、そしてGuardianの記事によると、2016年には世界中で毎分100万本以上の、プラスチックのボトルに入った水が売られた。

再利用できる瓶や水筒も使われているが、その場合は水を再充填できる場所を見つけるのが難しい。そこで、Tapの出番だ。

創業まもなくのTapは、水のためのWazeのようだ。ユーザーが提供する情報と、噴水式水飲み器のメーカーからのデータを組み合わせて、Tapは水を見つけるための公共的検索エンジンになることをねらっている。今Tapは、30か国の34000箇所あまりの水汲み場をそのアプリ上にインデクスしている。

Tapはまた、水飲み器のメーカー企業のためのバックエンドシステムを提供したいと考えている。これらの企業は通常、空港や商業施設、公共施設などに装置を売っている。据え付けは顧客が指定した場所に行なうが、どこに売れるか据え付けられるかは、水飲み器メーカー企業の関与の外にある。

しかし、これらの企業は水飲み器のメンテナンスも行なう。フィルターを交換したり、壊れた部品を修理したりしなければならない。常時人の多い場所に置かれた水飲み器は、メンテナンスの頻度も多くなる。

Tapが考えているこれらの企業のためのSDKは、それで作ったIoT的なシステムで、ユーザーがフィルターの劣化や水飲み器の故障を報告する。そしてそれらの情報がダッシュボードに表示される。

そしてRosenが考えている水の検索の収益源は、Googleの検索と同じく広告だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleマップ、店舗を「フォロー」する新機能でFacebookページに対抗

Google Mapsは次々と新機能を追加して、このアプリを単なる場所を探してそこへ誘導する以上のものにしようとしている。最近だけをみても、グループ旅行プラニング音楽のコントロールと通勤情報到着予定時刻(ETA)の共有おすすめのパーソナル化などなど様々な機能を提供してきた。今度はユーザーがお気に入りの店——レストラン、バー、商店など——をフォローする新しい方法を提供し、店の最新情報がすぐ手に入るようにする。

もしあなたがこれを、Google Maps流のFacebookページなのではないかと思ったなら、それは正しい。

同社の説明によると、新たに追加された “follow” ボタンを押して店舗をフォローすると、その店のイベント、特典その他の最新情報が、Google Mapsの”For You” タブで見られるようになる。

イベント、特典や写真満載の記事で来店を促す? そう、それはまさしく実店舗の客をターゲットにしたFacebookページのライバルだ。

Googleによると、店舗はGoogle Mapsプラットフォームを使って、開店前から潜在顧客を呼び込むことができる。

Google My Businessページでで店舗プロフィールを作り開店日などを登録すると、開店の最大3ヶ月前からユーザーのモバイルウェブやアプリ内での検索対象になる。

このプロフィールには、店舗名のすぐ下に開店日がオレンジ色で表示され、ユーザーは 自分のリストに保存することができる。その他住所、電話番号、ウェブサイト、写真などの一般的な店舗情報も見られる。

新しい「フォロー」機能は、すでにGoogle Mapsにある1億5000万箇所以上の施設とそれらを探す数百万人のユーザーが利用できるようになる。

この機能は、今週Googleが正式発表する前から、すでに出回っているところを発見されていた。今後数週間をかけてまずAndroidで公開される。

“For You” タブは現在限られた地域で利用可能で、近々他の国々にも行き渡る予定だとGoogleは言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

歩行者用マップのナビデータ取得?LiDAR入りリュック背負ったアップル社員が街を闊歩

eng-logo-2015米サンフランシスコの路上で、カメラやVelodyne製LiDARらしき物体が突き出たリュックを背負って闊歩するアップル従業員らしき人物の姿がキャッチされました。この人物の明確な目的は不明ですが、リュックにはApple Mapsの文字が記されていることからMacRumorsは歩行者視点での地形やルートデータの収集を行っていると推測しています。

全方位カメラを背負って歩く人の姿を見て思い出すのは、Googleストリートビュー用写真を撮影するためのカメラ要員。最初は海外で、後に日本国内でも時折見かけるようになりました。この背負って歩くスタイルを活用することで、Googleストリートビューは、寺社仏閣の参道や車の立ち入れない細い道、建造物の内部などにまで提供範囲を大きく広げました。

アップルは、iOS 12 から自社製マップデータへの改修を順次開始しており、まず手始めに自動車でサンフランシスコ周辺のデータを作成して、データの更新を行っています。今回のリュックタイプの機材によるデータ取得は、おそらくは歩行者ルート表示のためと思われます。

ここでよく考えてみると、Googleマップの場合はストリートビューのデータ作成のために全方向カメラを使っていました。しかし、このアップルの作業員はLiDARを背負っています。

LiDARで取得した3Dの空間データをどう使うのかを想像してみると、もしかすると歩行者向けにAR表示される3Dマップを作ろうとしているのかも。もしそうだとしたら、たとえば非常に入り組んだ構造でダンジョンとも言われる東京や大阪の地下街なども、iOSの地図アプリで3表示され非常にわかりやすくナビゲートできるようになるかもしれません。

ただし、このリュックの機材で取得したデータがマップアプリに反映されるタイミングガいつ頃になるのかはまだわかりません。またいずれ日本でこうした機材を使用した地図データ取得が行われるのかもまだわかりません。iPhoneユーザーとしては、早くそのデータが地図アプリに反映されたところを確認してみたいものです。

Engadget 日本版からの転載。

Googleマップに通勤タブと音楽再生機能追加――自動車、電車、バスで関連情報を教えてくれる

GoogleはAndroid版、iOS版のマップにいくつかの新機能を追加したことを発表した。これは主として通勤と音楽再生に関連する機能で今週中に順次公開される。

Googleマップは旅行するときにナビとして利用できるのがことに便利だが、毎日の通勤にも役立つ。Googleでは通勤関連の機能をCommute(通勤)という新しいタブにまとめた。

マップに自宅と勤務先の位置情報を登録すると、マップは朝夕の通勤で予想される状況を毎日教えてくれる。自動車通勤であればGoogleマップはどれほどの時間がかかるか調べ、別ルートがあれば提案する。クラウドソース地図のWazeのETA画面同様、30分余計にみておく必要があるなどと教えてくれる。

電車やバス通勤の場合もマップは同様に所要時間を計算し、出発すべき時間になるとアラームを表示する。マップは駅や停車場までの徒歩区間にかかる時間も計算に入れる。公共交通機関を使った通勤では情報はCitymapperを始め、各種の公開データからインポートされる。

公共交通機関といえば、マップの上で電車やバスが近づいてくるところが見える。待ち時間があとどれくらいかも表示される。この機能は世界で80の地域で利用可能となる。オーストラリアのシドニーでは、マップは次のバスがどのくらい混雑しているかも分かるという。

このアップデートに関連して浮上する問題点の一つはプライバシーだ。これまで自宅と勤務先のアドレスはマップのGoogleアカウントから登録していた。

アップデート後はウェブとアプリのアクティビティのタブを開くことになる。これは個人情報を大量に収集することで悪名高い機能だ。この機能を有効にしないと自宅や勤務先のアドレス変更ができない。Googleはこのタブから検索履歴、Chromeの閲覧履歴、位置情報、クレジットカードによる支払その他の情報を手に入れることになる。

GoogleはAndroidデバイスでGoogleアシスタントを使う場合などあらゆる機会をとらえてこの「機能」をオンにするよういつも勧めてくる。Googleはこうした最新の個人を使って収益化を行っていることは間違いない。こういう意見もある。

ださい。Googleマップに自宅や勤務先のアドレスを保存するためにはウェブとアプリのアクティビティを有効にしなければならない。 

これ以外のアップデートとしてはGoogleはマップ内に音楽コントロールを追加してきた。ユーザーはSpotify、Apple Music、 Google Play Musicをマップから操作できる。縦長画面を生かして、画面下部に再生中の楽曲名と「次の曲」や一時停止などのコントロールを表示したバナーが追加される。

アップデート後は画面右側に音楽アプリを開く新しいボタンが追加されるはずだ。 AndroidでSpotifyを利用している場合、マップから直接Spotifyのライブラリーを使うことができる。

画像:Anadolu Agency / Contributor

〔日本版〕Andoroidデバイスの場合、Googleアカウントの設定を開き、右上隅に縦に3点で表示されるメニューをタップするとドロップダウンメニューが開く。「マイアクティビティ管理」を開くと「ウェブとアプリのアクティビティ」の項目が表示され、オン/オフを切り替えることができる。

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滑川海彦@Facebook Google+

Google、新しい旅行プランツールを公開

ゆっくりだが確実に、Googleは旅行サービスを拡大し今やホテルやフライトの予約からトラベルプランのツールまで提供している。今日(米国時間9/27)、Googleはトラベルプランとホテル予約を中心とする新サービスを発表した。

中でも休日の旅行計画をする人にとっておそらく最も興味深いのが、新しいランディングページで、感謝祭や年末年始の休みに先立ち、いつ予約するのが最適かを2017年の価格変動に基づいて教えてくれる。対応している都市は少々限定されるが、用意されている25のルートを利用する予定の人は、確実に何ドルか安くできるはずだ(今年の価格傾向が去年と類似していることが前提)。

同じページにホテルの料金も載っているが、これはGoogleマップのホテル検索機能(おそらく知らない人が多い)へとつなぐツールとしての性格が強い。

目的地を決めたら、Googleの新しいホテル位置スコアが、おすすめの地域を探すのを手伝ってくれる。スコアには近くのバー、観光スポット、公共交通機関へのアクセスなどの情報が、Googleマップのデータに基づいて要約されている。空港との往復方法も教えてくれるのはうれしい追加機能だ。

10月にGoogleは、Your Tripsという旅行プランを立てるための新しい機能をスタートする。Your Tripsはフライト料金の追跡結果やホテルの検索情報など、計画している旅行に関して保存しておいた情報を一箇所に集めてくれる。これはInbox(さようなら)のトラベル情報とも似ているが、まだ計画中の旅行が対象だ。

そして、ユーザーが通常のGoogle検索で人気の旅行先を探すと、結果ページでこれらの旅行プラン機能がハイライト表示され、観光プランや当地に関する記事などを見ることができる。旅行の予約を始めたあとは、予約状況やこのデータに基づく追加情報も表示される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Mapsにグループプランニング機能が登場、マップの上でわいわい言いながら行き先を決めよう

今年の5月にGoogleは、新装のGoogle Mapsを発表した。それは、発見を前面に打ち出していた。そのとき発表された発見や探究(探検)の機能やツールは、その後ほどんどすべてローンチしたが、ただ一つ欠けていたのがグループプランニングだ。しかしそのグループコラボレーション機能が、今日(米国時間9/25)ついにローンチした。これからはお出かけを、みんなで一緒に計画できる。

Googleがこの機能で解決しようとした問題は、ディナーなどのお出かけ計画を二人以上の人間でやろうとした人なら、誰もが知っている。どこに行くかを決めるだけでも、大量のテキストメッセージのやり取りを要するだろう。

でも今度からは、Google Mapsの中で場所のリストを作って、それを友だちと共有できる。そして良質な民主主義の慣行として、行きたい場所をみんなで投票できる。しかし誰かが場所を消して自分の好みの場所をリストに加えることもできるから、民主主義の難しさはここにも表れている。

とにかく候補の最終リストができたら、モバイルやWebのGoogle Mapsに友だちを連れて来て、それをシェアし、みんなで楽しくプランニングを開始できる。

[Google I/O:マップ・アプリにニュースフィード…個人別に情報や提案を配信するようになる]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Mapsがついに#flatearth(地球平面説)の信者でなくなった

Google Mapsへ行ってズームアウトしてみよう。途中から、地図のパースが従来の平面地図から対話的な球体になる。最後までズームアウトすると地球が球体として表示され、大陸等のサイズは、それぞれ正しい。グリーンランドが、前みたいにアフリカの大きさになることはないし、すべてが実際の相対サイズだ。

平面地図では、大陸のサイズを相対尺度で表現できない。球体を無理やり平面にすると、存在しない平面が挿入されるからだ。それは、よく使われるメルカトル図法の地図でもっとも著しい。赤道あたりの陸地のサイズは正しいが、北極や南極では非現実的に巨大だ。

今度からデスクトップのGoogle Mapsでは、大陸などの地塊が正しいサイズで表示される。このアップデートはすばらしいが、でも地球が平面だと、子どものころはどこかに大きな氷の壁があってすべての生物が滑り落ちるのを防いでるはずだ、と確信していた。そして、広大で空虚な宇宙空間の中でぼくたちを支えている、あの大きな亀はどこへ行ったのだろう?

[3D球体モードではグリーンランドがアフリカのような大きさにならない]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

WazeがEsriとパートナーして道路/交通情報の分析、情報取り出し、視覚化をリアルタイムに

Wazeはこれまでの4年間パートナーの都市に、、その無料のConnected Citizens Programでおびただしい量のデータを送ってきた。その集積され匿名化されたデータには、交通状況や道路状況、危険物や事故や災害、犯罪などに関する貴重な情報が含まれているが、しかしそのようにデータを具体的に理解することは都市の側の仕事であり、それが往々にして重荷だった。

そこで今度Wazeは、マッピングとアナリティクスのプラットホームEsriとパートナーして、都市に一種のデコーダーリングを提供し、クラウドソースで提供された大量のデータから情報を取り出せるようにした。そのためにコードを書いたり、別のソフトウェアを買う必要はない。

両社の火曜日(米国時間7/10)の発表によると、これからWaze Connected Citizens Programのメンバーは、Wazeのライブ・アラート・データ(リアルタイム警報データ)を、EsriのArcGIS Marketplaceから無料で入手できる。Waze Connected Citizens Programは、2014年の10月にローンチした、交通状況/道路状況データの双方向交換の仕組みだ。Wazeは会員の都市や町にデータを配布し、ユーザーにとって重要かもしれない情報を受け取る。たとえば都市はWazeに、近く行われるマラソン大会やフェスティバル、あるいはスポーツ行事中のリアルタイムの道路閉鎖の情報などを提供できる。

しかしWazeが都市に提供するデータは、そこから対応可能な情報を取り出すために、専門技術者や特殊なソフトウェアを必要とした。今回のEsriとの広範囲なパートナーシップにより、Wazeの地図上の警報情報(事故、渋滞、道路損傷など)が、いろんなアプリケーションですぐに利用できるようになる。

全世界で700以上の都市が、Connected Citizens Programを利用している。新しい参加都市が日に日に増えている、とWazeのグローバル・パートナーシップ・マネージャーAdam Friedは言っている。

Wazeはつねに、アラートデータをライブでパートナーの都市に提供してきた。しかしそれらのデータは生データなので、都市側が分析や地図上の視覚化をする必要があった。

実はすでに、Wazeの会員都市の多くがEsriのソフトウェアを利用している。でもそんなユーザーでもこれからは、Esriの上でワンクリックするだけでWazeのデータにアクセスでき、直ちに分析と視覚化を開始できる。それは都市にとって大きな進歩であり、これまでのように何か月もかけてWazeのライブのアラートデータを分析する必要がなくなった、とFriedは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、マップの完全リニューアルを準備中――編集長が読者の質問に答える

今日(米国時間6/29)、Appleはまったく新しいマップを開発中だと発表して大きな注目を集めた。新マップはゼロからの作り直しになるという。TechCrunchの読者から質問が殺到したので代表的な質問に答えてみる。さらに質問があればTwitterに投稿して欲しい。できるかぎり答えを探ってみる。

マップのどの部分が改良されるのか?

マップ全部だ。Appleはマップをスクラッチで作り直している。今回は外部のパートナーに頼らず、、すべて独自データだ。

見た目として変わるのだろうか?

地表の植生の状態を表示するマーカーが追加される。これは地表が草や樹木で覆われていることをさらに正確に示す。池や駐車場、建物、野球のグラウンド、テニスコート、バスケット・コートなども実際の形状のとおりに示される。これまでマップに表示されていなかった歩行者通路も加えられる。またマップを見て建物の入り口がわかるような新機能も追加される。

つまりビジュアルにもそれとわかる変化があるということか?

新たに追加される詳細情報に関してのみビジュアルの変化がある。今回はマップのビジュアルを根本的に変化させるわけではない〔将来はあり得るだろう〕が、新しいマップを見れば変化に気づくだろう。たとえばこうした例だ。

新マップはiPhonesから送られてくる情報を利用するのか?

そのとおり。iPhoneユーザーの移動情報の一部を匿名化して利用する。「このルートは実際に通行できるか?」を検証したり、交通渋滞に関する情報を得たりする。

私が個人として特定されることはあるのか? つまりAppleは私がこれこれのルートで移動したと知るようになるのか?

これはノーだ。個人の移動情報を完全に保存しているのはその個人が所有しているデバイスだけだ。移動情報がAppleに送信されるときにはそのつど変化するランダムな識別子が割り当てられる。そのようなプライバシー保護措置を取った上でなければデータはAppleに送信されない。しかもAppleが入手するのはランダムに抽出された移動の一部セクションに過ぎず、個人がどこから出発してどこへ移動したかをAppleが知ることはない。情報はマップのアップデートと交通情報の表示のみに用いられる。もともとのデータが誰のデバイスから来たか知ることはない。たとえ外部からの要請があってもユーザーの移動を再現することはAppleにもできない仕組みだ。

移動データ送信からオプトアウトすることは可能か?

可能だ。位置情報サービスをオンにしなければ情報がAppleに送信されることはない。これはマップのプライバシー設定から随時変更できる。 この点は目新しい機能ではなく、以前からずっとそうだった。

新マップはデータ量が多くなり、より多くの電力を消費するようになるのか?

Appleではノーだと言っている。マップが新しくなることによる電力消費の増大は微小であり、全体としての効率の改善で完全にカバーできる程度だという。

一般公開はいつごろか?

サンフランシスコからシリコンバレー周辺のエリアに関しては来週からベータテストが開始される。秋にはカリフォルニア北部に拡大されるようだ。シニア・バイスプレジデントのEddy Cueは新マップ開発チームはグローバルな存在だとして、次のように明言している。

われわれは新しいマップ開発のために専任のチームを結成した。プロジェクトがすたーとしたのは4年前になる。機械学習からマップデザインまで広汎な分野の人材を集めた。このプロジェクトでは全世界で数千人が働いている。ここ、シリコンバレーだけでなく、シアトル、オースティン、ニューヨークなどにも多数のメンバーがいる。ベルリン、パリ、シンガポール、北京、マルメ、ハイでラバードなど他の国、都市でもそうだ。 

チームは全世界に広がっている。世界をカバーする新しいマップを作るにはこれは重要なことだ。われわれはユーザーが世界各地でAppleのデバイスをどのように使っているのか知ろうとしている。われわれは出先で役立つマップづくりを目指している。

将来はストリートビュー・モードが導入されるのか?

可能性はある。今のところAppleからストリートビューについての発表はない。しかし自動車から周囲の写真が収集できるようになれば、ストリートビューは完全に可能だ。ただし発表の段階にはないようだ。

各種ビジネスへの影響は?

Appleが利用しているコンピューター・ビジョン・システムは店舗や会社の名前を完璧に読み取る能力を備えている。だから各種ビジネスにも大きな影響があるものと思う。

建物の形状も3D化で改良されるのか?

イェス。Appleではマップ・エディターが3Dビューで建物の高さ、形状できるだけ正確に調整できるツールを使っている。この測定ツールは建物が何階建てか推定するためにも役立つ。これは建物内部のナビを行う場合に有用な機能だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

世界を57兆個の小さな区画に分割してそれぞれにユニークな名前をつけたwhat3wordsに投資が殺到

what3wordsは、世界全体を57兆個の、一辺が3メートルの正方形に分割して、そのひとつひとつに3つの言葉を割り当てている。その同社がこのほど、新たな投資家3社を開示したが、それらはどれも自動車業界方面からだ。

what3wordsは木曜日(米国時間6/28)に、中国最大の自動車グループSAIC Motorのベンチャー部門と、Formula 1のチャンピオンNico Rosberg、そしてオーディオとナビゲーションシステムのAlpine Electronicsが、ロンドンの同社に投資を行ったことを発表した。これまでの投資家Intel Capitalも、そのラウンドに参加した。

その資金は、新しい市場開拓と製品開発に充てられる。

調達額は公表されていないが、この投資は、ユーザー体験を単純化し、音声コマンドで容易に使えて、企業を自動運転車両の時代に向けて準備させてくれる技術への、主に自動車業界の関心を示している。このアドレッシングシステムではひとつの位置にユニークな(それ一つしかない)3語の組み合わせを与えるから、これまでの音声操作のナビゲーションシステムの多くが抱えていた重大な欠陥をなくしてくれる。それは、道路名の重複だ。

同社は、これら57兆個の正方形に、25000語のボキャブラリーを持つアルゴリズムを使ってユニークな三つの言葉から成る名前を割り当てた。そのシステムは、what3wordsアプリで誰もが利用でき、1ダース以上の言語に対応している。たとえば、パリのエッフェル塔の特定のコーナーにいる友だちに会いたければ、3語のアドレス、“prices.slippery.traps”を送る。Airbnbのホストは3語のアドレスを使って、ゲストを分かりにくい入口に案内する。自動運転車には3語のアドレスを与え、大きなスポーツアリーナの特定のエントランスへ行かせる。

what3wordsのCEO Chris Sheldrickはこう語る: “今回の資金でこの会社が進むべき方向が固まった。それは、車やデバイスや音声アシスタントなどに行き先を指示する方法だ”。

今年の初めにwhat3wordsは、Daimlerが同社の10%株主になったことを開示した。Daimlerの株の一件と、最近公開された投資家(前述)は、いずれも同社のシリーズCラウンドの一環だ。

同社の奇抜なグローバルアドレッシングシステムは、Mercedesの新しいインフォテインメントとナビゲーションシステム…Mercedes-Benz User Experience, MBUX…が採用し、まずこの春にアメリカ以外の市場で発売されたハッチバックの新型Mercedes A-Classに載った。セダンのA-Classはアメリカ市場に今年の後期に来る。

TomTomが先月発表したプランでは、今年の後半に同社のマッピングとナビゲーション製品にwhat3wordsが組み込まれる。TomTomのナビゲーションや交通技術製品を採用している自動車メーカーは、Volkswagen, Fiat Chrysler, Alfa Romeo, Citroën, Peugeotなどだ。

同社はそのほかの自動車メーカーとも商談を進めており、それは、車のインフォテインメントシステムにwhat3wordsを取り入れてもらうことが目的だ。

画像クレジット: what3words

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Earthに距離と面積の計算機能が加わった、面積計算はMapsにほしいな

数年前までは、Googleの衛星3D画像を見る唯一の方法がGoogle Earthだった。今ではGoogle Mapsで実用上十分に、その地図と対応する機能を利用できるが、しかしそれでもGoogleはEarthの開発を密かに続けていて、今日(米国時間6/25)同社は、面積の計算機能を加えた、と発表した。その機能を使えるのは、Webでは今日から、Androidは今週後半、そしてiOSは“もうすぐ”だ。

それほどすごい機能でもないし、距離はGoogle Mapsの地図に表示されるルーラーでも分かる。でも面積計算は、学生などにとってとくに便利だろう。

また、今回の発表は、Googleは複数の製品にまたがって機能の重複が多いことを、改めて思い出させる。それは、チャットだけではない。今回は、Google Earthに関するとても久しぶりの発表だし、ツアーのようにまだMaps上では利用できないEarthの機能が多少あることも事実だが、でも最近ではEarthのWebやモバイルバージョンが必要なことは、めったにない。今回の面積計算機能も、EarthだけではなくMapsにも加えた方が、実用的だったのでは?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google StreetViewの撮影車がロンドンの大気汚染を地図化

来月から二台のGoogle StreetView撮影車が、大気の質を調べるセンサーを乗せてロンドン中を走り回り、イギリスの首都の空気のクォリティを30メートル間隔で地図に落としていく。

またとくに汚染が激しい地区や、汚染があってはいけない地区には街灯や建物などに計100個のセンサーを取り付け、ロンドン市長のSadiq Khanが“世界に類がないほど高度な”という、大気質監視ネットワークが出来上がる。

この1年がかりのプロジェクトの目標は、ハイパーローカルなデータを得てそれらを政策に反映させることだ。Khanは、大気汚染対策を優先課題の上位に挙げている。

StreetViewの撮影車が汚染の監視に利用されるのは、これが初めてではない。3年前には、サンフランシスコのスタートアップAclimaが作ったセンサーを載せた撮影車が、ベイエリアの大気質を地図化した。

ロンドンのプロジェクトは、イギリスのAir Monitors社が作ったセンサーを使っている。

この大気質監視プロジェクトは、大ロンドン政庁(Greater London Authority)とC40 Citiesネットワークの共同事業だ。後者は、気候変動を調べ健康と福利を増進することを目的とする世界中の大都市の連盟だ。

このプロジェクトは慈善団体Environmental Defense Fund Europeが指揮し、Air Monitors, Google Earth Outreach, Cambridge Environmental Research Consultants, University of Cambridge(ケンブリッジ大学), National Physical Laboratory, そしてアメリカのEnvironmental Defense Fundのチームが賛助する。

King’s College Londonは、学校にフォーカスした関連研究を行う。

結果はC40 Citiesネットワークのメンバーと共有され、世界中の何百万もの都市住民のために大気の質を良くしていくための政策に反映される。

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Google Mapsを超える高性能低料金の地図APIを提供するMapfitが$5.5Mを調達

あなたがデベロッパーで、アプリケーションに方向や位置に関する機能を加えたくて、Google Maps Platformを使うことにすると、コストが急激に高くなる。今日(米国時間6/12)550万ドルの資金調達を発表したMapfitは、デベロッパーの利用料金でGoogleに挑戦することを、約束している。同社が提供するジオコーディングサービスと、ベクターグラフィクスによる地図は、Google Mapsと変わらぬ正確さを誇り、ときにはGoogleより優れている。〔OpenStreetMapなどもベクターベースの地図を提供。〕

中でもとくにMapfitは、95%のアドレスに関しては、建物の正しい入口が分かり、ドアツードアのナビゲーションもできる。またMapfitによると、同社のベクターベースの地図は、ほかのサービスに比べてマップタイルが95%小さい。同社のサービスはそんな従来的なタイルも提供し、また3Dのビルディング(下図)や公共交通機関の情報もサポートする。

同社は2015年に創業され、データソースは商業的なものやオープンなものを含め、さまざまなものを利用している。同社はそれらのデータを独自に処理し、検証し、独自のアルゴリズムでアドレスと整列し、また歩行者入口、車両入口などの情報も加える。

Mapfitの利用は、その試用など、非商用プロジェクトなら無料だ。有料プランの料金は月額49ドルの“成長プラン”が、25万ビュー、15万のジオコードリクエスト、そして15万の方向リクエストをサポートする。モバイルのSDKやWebのユーザーの数に制限はない。これらを超えたリクエストは1000リクエストごとに50セント、月額1499ドルのエンタープライズプランでは、ビュー数が500万だ。〔料金表ページ

今度の資金は、起業家と投資家たちから成るグループが出資者だ。そのメンバーは、Cavalry Ventures, Weihua Yan(Diapers.com, Quidsi), Roderick Thompson(ePlanet Capital, Baidu, Skype), Auren Hoffman(SafeGraph, LiveRamp), Daniel Waterhouse(Balderton), Jeroen Seghers(Sourcepoint), Matias de Tezanos(Hoteles.com, PeopleFund), そしてJoost de Valk(Yoast)である。

参考サイト

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google I/O:マップ・アプリにニュースフィード――個人別に情報や提案を配信するようになる

マウンテンビューの野外コンサートホール、Shoreline Amphitheatreで開催中のデベロッパー・カンファレンス、Google I/Oで、Googleマップの新バージョンが発表された。アップデートはこの夏に実施される予定だ。もちろんナビ機能は維持されるが、次世代マップではこれに加えて多数の便利な探索機能が追加される。

Googleマップのシニア・プロダクトマネージャー、Sophia Linは私の取材に答えて次のように語った。

1年ほど前に Googleマップに何を望むかユーザーにアンケートしたことがある。どうしたらもっと役に立てるだろうか、どんな新機能があったら便利だと思うかと尋ねた。
その中で圧倒的に多い答えが、『自分がいる場所についての情報をもっと詳しく知りたい』というものだった。それによって次にどちらに向かったらいいかを決められるという。そこで私たちはどうしたらその方向でユーザーの手助けができるか研究を始めた。

Googleマップの最大の機能はもちろん「行きたいところへ行くことを助ける」点だ。最近、Googleはマップにありとあらゆる機能を追加しているが、多くのユーザーに利用されているとは言えない。私はLinからマップの探索機能を利用しているユーザーのパーセンテージを聞き出すことはできなかったが、今回の新機能は機械学習の適用によりマップを大幅にスマート化しようとするもののようだ。

もちろん GoogleのことなのでAIを利用したユーザー別の個人化もいっそう進歩する。

新しいマップではFor youという専用タブが新設される。簡単に言えば、ユーザーに対し各種の推薦や情報の提供を行うニュースフィード的な仕組みだ。ただし「フォロー」する相手は人間ではなく、ある地域(お気に入りの町、観光地、訪問を予定して場所等々)だ。フォローしている地域で何かが起きて、Googleがそのニュースがユーザーの関心に合致すると判断すると配信されるのはソーシャルネットワークの場合と同様だ。たとえばその地域であるレストランの人気が高まっているとか、有名コーヒーショップのチェーン店がオープンしたなどという情報を教えてくれる。

Linによれば、これまで地域で何か新しいことを発見するのは運任せの面が大きかった。「たまたま道を歩いていて何かを見つけるということはある。しかしたいていの場合はそういう幸運には恵まれない。店が開いてから半年もたって気がつくということも多い。私たちは個人が発信す情報をる匿名化して処理し、ユーザーが関心を持ちそうな地域で何が起きているのかどんなトレンドなのかなのかをリアルタイムで把握できる」という。

アルゴリズムによって収集された情報は「フーディー・リスト」や「今週のトレンド」いったスタイルに整理され、ユーザーにどこに行ったらいいかを教えてくれる。Linによれば、フーディー・リストは匿名化された情報に基づくコホート分析により人々の短期的集散の状況を観察して得られるという。.ある店に新しく人が集まり始めたとすれば、、こうした動きは将来のトレンドの予兆となっていることが多い。一方、トレンド・リストはもっと長期の訪問者の増減を観察する。たとえば夏になるとアイスクリーム・パーラーを訪問する人口が増える、などだ。

Googleマップのニュースフィードではローカルニュースも分析の対象とする。

LinはFor youが目指しているのは大量の情報を集めることではなく「適切な情報をそれに興味を持つ人に適切なタイミングで配信する」ことだと強調した。

For youフィードにはAIテクノロジーをベースにした各種の高度な探索機能が実装される。たとえばマップはミシュランの星つきレストランのリストを作れる。またユーザーのいる場所、時間帯に応じて、たとえば「ファッショナブルなブランチ・スポット」を提案したりする。

新しいマップに予定されているもう一つの大きなアップデートはYour Matchだ。もしレストランその他を訪問する際に星つき口コミを調べたことがあればどの程度の情報が含まれるのか分かると思う。これに対して、新しいYour Matchは個人別の情報を加味してカスタマイズされた評価を示す。これにはユーザーの現在位置からの距離やユーザー自身の好みなどが反映される。

Googleマップにおけるユーザーの好みはマップの利用履歴の他に Googleマップの設定からマニュアルで入力もできるようになるはずだ。ただしユーザーと好みが似た人々によるある場所の評価は個別ユーザーにおけるカスタマイズには反映されないというのは興味ある点だ。

3番目の大きなアップデートではグループ・プランニングだ。デモを見た印象では、チームのツールとしてなかなかうまく作動していた。これはあるグループに対して簡単に提案や推薦ができる機能だ。グループというものの恋人とのディナーという場合でもよい。リストにある場所を長押しするとGoogleマップにチャットアプリのようなバブル形式のチャットヘッドが現れる。チャットヘッドはユーザーが他の場所を見てまわる間も表示が続く。候補先リストの作成を終えるとユーザーはリストを友達のグループなり恋人なりと共有できる。他のメンバーは自分の好みの場所を選んで投票すればよい。

Googleは新しいマップを夏の終わり頃に一般向けにリリースする予定だ。iOS版、Android版双方が準備されているが、どちらが先になるかはまだ決まっていない。当面新機能はすべてウェブ版ではなくモバイル・アプリ向けとなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+