世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」(LINE)を手がける「わたしは」は10月2日、プレシリーズAにおいて、第三者割当増資による8400万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はDEEPCORE、DG Daiwa Ventures、個人投資家。今後は、大喜利AIに続く新AIサービス開発、またそれを用いた広告事業の開発に一層注力する。

2016年4月の創業の「わたしは」は、以来、世界で唯一の「ユーモアを扱う対話AI技術」を用いて、「大喜利AI」をコアプロダクトとして開発(LINE登録者数54万4000人。2020年9月現在)。

2020年8月には、大喜利AIの進化版としてキャラクターAI同士のトークを生成する「ペチャクチャ」と、ユーザーの画像・映像からAIが自動でMeme(ミーム)動画を作成する「ドリアン」というふたつの新しいAIサービスをリリース。両サービスとも、「わたしは」のミッション「AIが人の創造性・ユーモアをエンパワーする」を、言語的クリエイティブ・動画的クリエイティブで体現するものとして開発している。

妄想AIトーク「ペチャクチャ」

妄想AIトーク「ペチャクチャ」

 

Meme(ミーム)動画作成AI「ドリアン」

Meme(ミーム)動画作成AI「ドリアン」

また消費財メーカー・C向けサービス・エンタメなどの事業会社向けの広告プロモーションサービスとして、「ユーザーとAIが共創するコンテンツ」がSNSでユーザー主導で拡がる過程において広告・ブランド情報を含めるCGAd(Consumer Generated Ad:ユーザー生成型広告)事業をスタートさせた。

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

これは、「大喜利AIのおもしろい回答(LINEのスクリーンショット画面)をツイートする」というユーザーが自発的に始めた遊びによって、大喜利AI発の情報がTwitter上で多くのユーザーに共有されたという同社の経験を参考にしたという。そうしたツイートの拡がりは月間9000万インプレッション以上となっているとした。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:わたしは、資金調達日本

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写真左手前がわたしはで代表取締役CEOを務める竹之内大輔氏

お笑いAIを開発しているわたしは(株式会社わたしは)は、ANRIと個人投資家5名からの資金調達を発表した。調達金額は4200万円程度。具体的なメンバーは50音順で、ANRI3号投資事業有限責任組合、日下部 雅謹氏(KITERETSU代表取締役社長)、佐藤裕介氏(ヘイ代表取締役社長)、SUDAX氏(個人投資家)、松本 大氏(マネックスグループ代表執行役CEO)、三木寛文氏(個人投資家)。

わたしはは2016年4月創業で、お題、回答、ツッコミが可能な「大喜利AI」をメインプロダクトとしつつ、大企業と共同開発やAI技術の提供といった事業を進めてきた。今回の資金調達により、LINE登録者数8万1000人(2018年12月現在)を突破している前述の大喜利AIや「都市伝説ジェネレータ」などのコミュニケーションAIの機能拡張、「合成音声AI」「音楽生成AI」を応用したユーザーとAIが一緒にコンテンツを作成できるサービスの開発に注力するとのこと。

同社で代表取締役CEOを務める竹之内大輔氏は、東京工業大学の博士課程で哲学や数理論理学を研究し、複雑系科学を専門とする人物。今回の資金調達については「これまでも弊社だけが開発できる、世界唯一のAIを作ってきました。今回、そんな弊社の『一見するとふざけたアイデンティティ』に共感してくださる方々に株主になっていただけて大変心強く思います。これからは、より一層、『わたしはが作るAIだから、最高に面白いAIに違いない』と期待し続けてもらえるようなオンリーワンのAIカンパニーとして成長を加速させていきます」とコメントしている。

なぜ「お笑いAI」なのか。「大学に在籍時していたころから、どうすればコンピュータにに感情を持たせられるのかを日々考えていた」と竹之内氏。GoogleアシスタントやAmazon Echo、AppleのSiriに代表される音声コミュニケーションAIは、ジョークを言ったり歌を歌うこともあるが、的確な処理を求められるため、どうしても画一的な回答になってしまう。対応できない処理があると「すみません、わかりませんでした」などというフレーズで謝ってくる。

大喜利人工知能公式LINEアカウントもある

竹之内氏は「AI(コンピュータ)に感情を持たせるには、直球的な回答の周辺にある少し外れた受け答えなのでは?」と考え、東京工業大学の工学博士で自然言語処理を専門とする同社CTOの小橋洋平氏と、お笑いAIの開発を進めてきたという。実は同社の「大喜利AI」のポテンシャルは、NHKのBSプレミアムの番組「AI育成お笑いバトル 師匠×弟子」で実証済みだ。この番組は、千原Jr、ロッチ中岡、大久保佳代子などが師匠、大喜利AIが弟子となり、それぞれのキャラクターに合ったAIに育てていくという内容。完成したAIはボッドとして、千原Jrなどがいかにも言いそうなフレーズを返してくれる。

「番組ではお笑い芸人さんのAIですが、例えばどこかの県のAI、どこかの市のAI、さらにはママ友仲間のAIなどコミュニティの大きさにかかわらず、さまざまAIを開発できます」と竹ノ内氏。音声によるAI(コンピュータ)とのコミュニケーションの機会は今後さらに増えていく。同社が開発する感情を持ったAIが、スマートスピーカーやロボットに搭載される日を期待して待ちたい。

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