女性起業家のための新しいファンドJane.VCは、起業家たちが紹介者なしで電子メールを送ることを望んでいる

ベンチャーキャピタリストにプレゼンテーションをしたいだろうか?まず「有力な紹介者」が必要だ。少なくともほとんどのビジネスがそうしたアドバイスを受ける筈だ。

そうするには、あなたが興味を持っているVCにかつて投資をさせた人物 ―― 典型的には男性だが ―― を見つけて、彼らにあなたを紹介させなさい。何故か?VCは彼らにお金を稼がせてくれた人を愛しているからだ。当然ながらあなたの側に少なくともそうした人が1人でもついていたならば、彼らはあなたの話を喜んで聞いてくれるだろう。

だがそのサイクルには大きな問題がある。全ての起業家が億万長者と仲が良いわけではなく、また特にシリコンバレーの外に拠点を置いていたり、あまり目立った背景を持たない起業家は、彼らに望ましい紹介を行ってくれるネットワークを持っていない場合が多い。

クリーブランドとロンドンに拠点を置く新しいベンチャーファンドであるJane.VCは、女性起業家たちに紹介者なしに直接電子メールを送ることを促している。彼らに直接ピッチを送ろう。裕福で成功した紹介者は不要だ。ファンドはこれまでに、産業分野を問わずアーリーステージの女性起業家の企業に、2万5000ドルから15万ドルの投資をするために、200万ドルを調達している。このファンドは、これまで女性にとって望ましいとは言えなかった、VCの不透明でアクセスできないモデルを捨て去っている。

「私たちはJane.VCを、全ての女性のためのVCと呼びたいと思っています」とTechCrunchに語るのは、ファンドの共同創業者であるJennifer Neundorferだ。

21世紀センチュリーフォックスとYouTubeに勤めた後、中西部のスタートアップのためのアクセラレーターであるFlashstartsを、創業し率いていたNeundorferは、スタンフォードビジネススクールの同級生のMaren Bannon(LittleLaneの元CEO兼共同創業者)とパートナーを組んだ。これまでのところ、彼らは保険テクノロジー企業であるProformexと、企業がモバイルならびにウェブアプリを作成配布することを簡単にする、企業向けソフトウェアのスタートアップであるHatch Appsを支援してきた。

「私たちはまっすぐにアプローチします」

次世代ベンチャーキャピタルファンドの多くの仲間たちと同様に、Jane.VCは、最高の創業者たちがシリコンバレーの中だけで見つかるという考えには強く反対している。その代わりに、同社は世界的に展開しており、根本的な透明性と正直なシステムが最終的には報われるという哲学の下で活動している。

「起業家の時間を大切にしましょう。そしてもし見込みがなければ素直にNOと言いましょう」とNeundorferは語る。「私はそうしたやりかたの対極の位置にいたのです。多くの起業家は、実際には興味を持ってくれていないVCに対して無駄な時間を使っています。起業家の時間はとても貴重なので、私たちはそれを大切にしたいのです。私たちはまっすぐにアプローチします」。

Jane.VCは世界中での投資を計画しているが、ベイエリアの創業者たちに背を向けているいるわけではない。NeundorferとBannonは、シリコンバレーのネットワークを活用して、米国全体に広がる9人の女性からなる投資委員会と協力して、取引相手を見つける。

「私たちは極めて男性偏重のこの世界で、資金を調達し、その中で多くの浮き沈みを経験してきた女性なのです」とNeundorferは付け加えた。「女性に投資することは正しいだけではなく、そのことで多くのお金を稼ぐこともできると信じています」。

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(翻訳:sako)

画像クレジット:Getty Images

インテリアやアクセサリーの自作レシピを共有できる「Creon」のβ版がリリース

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日本のWondershakeが開発した、女性向けDIYレシピ共有サービス「Creon(クレオン)」のβ版が本日よりリリースされる。既存サービスである女性向けライフスタイル・メディア「Locari」との相乗効果にも期待ができ、来年3月予定の公式リリースまでに、月間10万人のアクティブユーザーの獲得を目指す。

DIY版クックパッド

本日Wondershakeがβ版をリリースしたCreonは、「DIY版のクックパッド」とも言えるサービスだ。インテリアやアクセサリー、コスメ、ガーデニングなど、幅広いジャンルのDIYレシピをユーザー同士が共有することができる。利用は完全無料で、メインターゲットは25歳から39歳の女性だ。

同社はすでに女性向けのライフスタイル提案メディアである「Locari(ロカリ)」を運営しており、同メディアのMAUは1000万人とのこと。同じ女性向け、そしてライフスタイル関連のサービスであるLocariとCreonの相乗効果にも期待ができそうだ。

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既存サービスのLocari

女性向けDIY市場

「DIY」とは、自分で何かを作ったり、修理をすることを指した言葉だ。ここ数年でよく耳にするようになったという読者も多いことだろう。だが意外にもその歴史は長く、第2次世界大戦によって破壊されたロンドンの街を市民の力で復興させようというスローガン、「Do it Yourself」がその起原だという。

海外に目を向けてみると、DIYのレシピをブログのような形で共有できるinstructableや、ハウツーガイドアプリのSnapguideなどがある。2015年1月にはinstructableのユニークユーザー数が3000万人を突破しており、DIYレシピというものに一定のニーズがあることがうかがえる。

特に日本では「女性向けのDIY」というコンセプトが定着しつつあり、女性誌でDIYが特集されたり、通信カタログのフェリシモが女性向けDIYの専門サイト、「女子DIY部」を立ち上げるなどしている。

今回取材をした、Creon事業責任者の山田光氏によれば、Wondershakeが女性向けDIYについての市場調査を行ったところ、「調査対象430名のうち、70%が興味があると答え、35%がDIYの経験があると答えた」そうだ。

女性がDIYにチャレンジするきっかけを提供する

しかし、DIYに興味はあるが「どこで材料を買っていいか分からない。とっつきにくい」という女性がいることも事実だ。

そこで、DIY経験者が自分のレシピを簡単に共有することができ、フィードバックも受け取れるというプラットフォームを提供することで、女性とDIYとのあいだにある壁を取り除くというのがCreonのコンセプトだ。

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Creon事業責任者の山田 光氏

材料の揃え方が分からないという意見を踏まえ、山田氏は「将来的には広告モデルはもちろん、Creonで直接パーツを変えるような仕組みをつくったり、クラフトキットを販売したりというマネタイズの方法を考えている」と話す。ただ、「当分の間はユーザー獲得に専念する」とのこと。

そのために、SNSやメディア媒体でDIY作業中の動画などを流していくことで、「女性向けDIY」というコンセプトの浸透を図っていく。

フェリシモの女子DIY部などのように、メディア提案型のDIY関連サービスはすでに存在する一方で、ユーザー参加型のサービスは今のところ見当たらない。考えられる競合として山田氏は、「インテリアの実例写真を共有できるルームクリップなどが間接的な競合」だと話している

2011年創業のWondershakeの社名には「驚きで世界、そして人の心を揺らしたい」という想いが込められているそうだ。

Creonのβ版リリースは本日11月15日、公式リリースは3月を予定している。震源地はここ、日本だ。