「Ready, Set, Raise」は女性起業家のためのY Combinator

今年Y Combinator(ワイ・コンビネーター)この夏バッチに参加したスタートアップの4分の1に女性の起業家がいた。PitchBookによると、2019年に米国で、女性起業家が1人以上いる会社が獲得したベンチャー資金が全体の約11%に過ぎないことを考えると、悪くない数字だ。起業家が女性のみの会社が獲得した資金はわずか3%だった。

しかし、まだまだ改善の余地はある。

こうした資金格差を埋めるべく、いくつかの女性起業家向けに考えられたプログラムは、事前に助言を与え育てることで、ベンチャーキャピタリストを印象づけようとしている。「Ready, Set, Raise」は、女性のための女性によるアクセラレーターで、女性やノンバイナリー(女性でも男性でもない第三の性別)の起業家がさらに多くの資金を調達したり、少なくとも投資家との関係を構築したりするのを手助けするプログラムだ。

シアトル拠点の起業家と投資家のネットワーク「Female Founders Alliance」(FFA)が作ったアクセラレータープログラムは、第2回目のバッチに参加したスタートアップを発表した。セックステックポッドキャスター向けのAIベースツール、工事現場や工場で働く女性向けに作られた作業服などさまざまなビジネスがある。

Ready, Set, Raiseは、Microsoft for Startupと提携して、起業家に12万ドル(約1300万円)のAzureクレジットを提供するとともに、米国レドモンド拠点のソフトウェアの巨人の幹部が技術、ビジネスに関してアドバイスをする。他のパートナーには、Brex、Cartaという、いずれも豊富な資金を調達した会社がいて、スタートアップの財務、企業評価、資金調達条件など関して幹部が起業家に助言する計画だ。

「FFAとMicrosoftは、女性やノンバイナリーの起業家に与えられた機会はまだまだ少ないことを認識している」とMicrosoft for StartupsのマネージングディレクターであるIan Bergman(イワン・ベルイマン)氏が声明に書いた。「VC世界が必要としているこうした変化を協力して推進することを楽しみにしている」。

FFAの創業者/CEOで2017年に組織を立ち上げたLeslie Feinzaig(レスリー・フェインザイグ)氏は、起業家とベンチャーキャピタルの多様化について率直に語る擁護派であり、親でもある起業家たちに自覚とリソースを与える。

「私の資金調達の経験は、自分が女であり、新米ママでもはあっことによるところが大きい」と、かつて教育技術のスタートアップを創業したフェインザイグ氏がSeattle Business Magazineで語った。「1年後、投げ出す寸前だった。それでも私はFacebookグループを立ち上げ、知っている起業家やテクノロジー系スタートアップのリーダーたちを呼び寄せた。それこそが私の必要としていたグループで、私のつらい経験をよく理解してくれる人たちが集まっていた。そうやってFemale Founders Allianceは生まれた」。

RSR Cohort 2 Twitter

Ready, Set, Raiseは、6週間のプログラム期間中参加企業に児童保育を提供する。企業は10月16日に行われるデモデーを目指して、経験あるコーチ陣から1対1で訓練を受ける。

Ready Set, Raiseの第2バッチのスタートアップは以下のとおり。

  • Echo EchoAIベースのポッドキャスター向けツール
  • Give InKind生涯の主要なイベントを支援する
  • Honistly自動車の保証期間を延長をして短期の出費を抑える
  • Juicebox Itチャットボットを使って性生活のアドバイスを行う
  • Panty DropXS~6XLサイズまでの女性用下着通販
  • >The Labzクリエイティブコンテンツ開発をリアルタイムで保護、記録するプラットフォーム
  • Tougher機能的で着心地のよい女性熟練工向け作業着の販売

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2018年が女性にとっての転換点になるかもしれないことを示唆する、50人の創業者とVCたち(その2)

火曜日に私たちは、素晴らしい2018年を迎えた25人の女性創業者とVCを取り上げた。本記事はその続編だ。今年の前半に、称賛に値する業績を成し遂げたさらなる25人をご紹介する。このリストは注目すべき興味深い企業やベンチャーファームでの、女性の増加にスポットライトを当てることが目的なので、(自覚はあるものの)どうしても長いものになってしまう。もし2018年に一定のマイルストーンを達成し、これから注目され女性リーダーとして取り上げられるべき他の女性をご存知なら、所属組織の情報と共に、twitterや元記事のコメント欄で情報を寄せて欲しい。

Shan-Lyn Ma:Zolaの創業者兼CEO

Shan-Lyn Maは、彼女自身が創業したウェディングレジストリスタートアップZolaに大きな野望を抱いていて、投資家たちも明らかに彼女の直感を信頼している。私たちにもその理由は理解できる。eコマース企業であるGilt GroupeならびにChloe + Isabelの元幹部であるMaは、もともと伝統的なレジストリープロセスを再発明しようという目論見でZolaを立ち上げた。だが今は、Maはそれにとどまらず、最終的には若いカップルが必要とするものすべてにアプローチする機会を狙っている。例えばケータリングからフードプロセッサ、果ては(おそらく)家のローンに至るまで。(訳注:ウェディングレジストリとは、カップルが結婚する際に、「ほしい物リスト」を公開し、友人たちや親戚たちにその中から贈り物を選んでプレゼントして貰う習慣である)。

それは順調に進んでおり、これまでに婚約したカップルたちを、600のブランドと6万の製品に結びつけた。先月ZolaはシリーズDで1億ドルの資金調達を行ったが、その資金によってその技術はより効率的になり、より広がることになる。「現在は、成長のために投資していますが、私たちが目指しているゴールは、ウェディングの全プロセスに関わる企業の皆さまのビジネスをサポートする巨大企業になることです。絶対に」と彼女は私達に語る。

Heather Mirjahangir Fernandez:Solvの共同創業者兼CEO

スタンフォードMBAであるHeather Mirjahangir Fernandezは、9年にわたりTruliaで、商品広告、マーケティング、そして販売戦略をリードしてきた。Truliaは不動産業者のためのツールを開発したりサブスクリプションサービスを販売している会社だ。しかし、TruliaがZillowに買収されたとき、Fernandezは自身が創業者になるための準備は十分に整っていると決心し、ヘルスケアスタートアップのSolvを共同創業した。この会社はForbesによれば「透明な価格設定と簡単な予約手段を業界に持ち込むことで、OpenTableがレストランに行っていることと同じことを、緊急ケアに対して行おうとしている」というものだ。(訳注:Solvは住所と自覚症状を入力することで、近隣の適切と思われる病院をリストアップする、予約もそのまま行うことできる)。

「現在ヘルスケアの世界には動きが見られますが、それが起きているのはコンビニエントケアというカテゴリです」とCEOのFernandezは語る。投資家たちは、Solvはそのプロダクトを使った緊急ケアのための予約に、特に強みを持っていると考えていて、この5月に調達が行われた1680万ドルを含み、既に2100万ドルが投資されている。

Amanda JohnsonとKJ Miller:Mented Cosmeticsの共同創業者たち

Amanda JohnsonとKJ Millerは、ハーバード・ビジネススクールのクラスメートとして出会った。現在彼らはMentedの創業者である。有色人種の女性(women of color:比較的政治的色合いの強い「有色人種の女性」を表す表現)たちのための化粧品会社であり、そのメッセージとプロダクト(有色人種の肌の色に似合うリップスティックなど)は強い主張を行っている。Millerが昨年の秋にForbesに語ったように、「女の子たちは友達を投稿にタグ付けしてきたけれど…有色人種の女性たちが後回しにされることは普通のことでした。優先されることは少ないのです」。

同社は確かに投資家たちの関心の的となっているようだ。昨年100万ドルのシード資金を調達したあと、先月にはまた別の300万ドルの資金調達を行った。その資金を使ってJohnsonとMillerはMentedのプロダクトのラインナップを拡大しようとしている。現在のラインナップは、リップグロス、アイシャドウ、ネイルポリッシュ、そしてMentedの名前を広めることを助けるアクセサリーなどだ。

Jen RubioとSteph Korey:Awayの共同創業者たち

Jen RubioとSteph Koreyは眼鏡販売業者であるWarby Parkerで働いていた時に出会った。そのとき彼らは、うっかりするとバラバラになりそうなほどひどい旅行カバンと、普通に給料を得ているミレニアル世代にとってさえ高すぎる旅行用スーツケースの間にある、市場の隙間に気が付いた。

彼らのソリューションが「ファーストクラスのスーツケースをエコノミークラスの価格で」提供するAwayだ。中間マージンをとるサードパーティを廃し、直接消費者に売ることでそれが可能になるとRubioとKoreyは言う。価格からは想像できないような優れた側面も持っている:Awayのポリカーボネートバッグは100もの部品で構成されているが、その中にはハンドルの下に装着されるリチウムイオン電池も含まれている。これは預け入れの際に航空会社の規則に従うために旅行者自身が簡単に取り外すことができる。こうしたことも投資家が好感を感じている点だ。まさに先週、初期からの投資家であるForerunner Ventures、Global Founders Capital、そしてComcast Venturesらの主導により、5000万ドルの新規資金調達が行われた。Awayの調達額は現在、合計8100万ドルに達した。

Lea von Bidder:Avaの共同創業者兼CEO

Lea von Bidderは、自分が起業家になりたいことに気が付いていた。その訓練を受けるために、彼女は、浙江大学、パデュー大学、EMLYON経営大学院で起業に関わる学位を取得し、さらにP&Gのマーケティングならびに、パリのEstrin & Co.の戦略コンサルティングを通して彼女の経営スキルを磨いた。

この全てがAvaへとつながった。Avaは別名妊活のためのFitbitと呼ばれるメディカル技術スタートアップだ。そのトラッキングブレスレットは9つの生理的パラメータをモニターして、呼吸数、心拍数、そして体温などからユーザーの妊娠しやすい期間を検出する支援を行う。

数多い他の排卵トラッカーたちとの競争にもかかわらず、投資家たちはAvaには何かがあると考えて、先月の終わりにはシリーズBで3000万ドルを投資した。Avaの新しい調達資金の大部分は、初期の投資家からのもので、著名な欧州のVCファームであるbtovとSVCもラウンドに参加した。

Afton VecheryとCarly Leahy:Modern Fertilityの共同創業者たち

サンフランシスコを拠点とするスタートアップのModern Fertilityは、女性に対して生殖に対する知識を人生の早い段階で教育したいと考えている。そうすることによって、女性たちが受け身ではなく「能動的に」なれるようにするのだ。こう語るのは共同創業者兼CEOのAfton Vecheryである。彼女は遺伝子検査会社23andMeの元プロダクトマネージャーであり、その前はヘルスケアに焦点を当てた未公開株式投資会社のアナリストだった。その2つの仕事を通してVecheryは、顧客に対して自身の体の情報を与える会社の数が増えていることに気が付いた。特に23andMeで、その情報を手頃な価格で提供することの大切さに気がつくこともできた。実際、自分自身の生殖機能に関する健康状態をより良く把握するために、生殖内分泌専門医の実施する1500ドルのテストに大金を払ったあと、Vecheryと友人と、創造的戦略家の共同創業者であるCarly Leahyは、大富豪でなくても注文できる類似のテストの開発に着手した。

彼らが開発したプロダクト ―― 家庭で指先を針で刺すことで行う199ドルのホルモンテスト ―― は、投資家たちの支援を受けてこれから伸びようとしている。テストが初めて顧客に提供された5月の末、Modern Fertilityは、MaveronとUnion Square Venturesが共同で主導したラウンドでの600万ドルの調達も発表した。

Sarah Smith:Bain Capital Venturesのパートナー

Sarah Smithは、QAサイトであるQuoraで広告販売と運用担当副社長を約5年務める前は、Facebookでおよそ5年にわたって、さまざまな役割を果たしていた。運用の専門知識を得る一方で、かつては音楽を専攻したこともあるSmithは、ベンチャーキャピタルの世界に参入したいという希望も抱いていた。その取組の一環にはVillage Globalの支援が挙げられる。これは起業家と投資家たちのネットワーク上でスカウトを行う若いベンチャーファームだ。Reid HoffmanやBill Gatesのようなビッグネームたちからも支援を受けている。Smithはまた、3年の間Graph Venturesのパートナーとして働いた。これは創立7年のアーリーステージ投資グループであり、彼女はそこで20の取引を扱った、その中には前回の記事で取り上げたWinnieも含まれている。Smithは最近、Forbesに次のように語っている「キャリアの次のステップを考えた時、ベンチャーキャピタルが複数の企業と仕事をする最良の方法だと思えたのです」。

最終的にSmithは、仕事を行う最善の場所をBain Capital Venturesと定めた。同ファームは5月の末にSmithを初の女性投資パートナーとして採用した。このファームが創立17年であることを考えると、大きな出来事だ。Smithにとっては、この機会は単に、BCVに考え方を変えさせ、(望むらくは)より多くの女性創業者たちを引きつけるようにする手助けをするだけのものではない。彼女自身にとってもスタートアップに対してより巨額の資金提供をするチャンスが与えられるのだ、現在BCVは6億ドルのファンドから投資を行っている(そしてまた別の大きな投資案件がそれほど遠くない未来に行われる可能性が高い)。

Preethi Kasireddy:TruStoryの創業者兼CEO

ICO(initial coin offerings)への投資は地雷原を行くようなものだ。これは、技術的な背景が全くない人だけに当てはまる話ではなく、技術に精通しながらも多くのプロジェクトのホワイトペーパーを理解することに苦労している多くの投資家たちにも当てはまる。そこでロスアンゼルスを拠点とするTruStoryの登場だ。人びとがブログ、ホワイトペーパー、ウェブサイト、そしてソーシャルメディアなどで行っているオンラインの主張を、調査し検証するユーザーのためのプラットホームだ。この若い会社の目的は「デジタルと分散の世界に確実性を取り戻す」ことだ。

少なくとも開発ができればそれは実現される筈だ。現時点で投資家たちは、TruStoryの創業者であるPreethi Kasireddyの才能に全面的に賭けている。ゴールドマン・サックスでバンキングアナリストの職を得る前は、彼女はUSCの大学院で産業ならびにシステムズエンジニアリングを学んでいた。またゴールドマン・サックスの後はAndreessen Horowitzの取引グループで仕事を行っていた。第3の仕事として、暗号通貨取引のCoinbaseで働いたことで、彼女はソフトウェアエンジニアリングを身につけた。このことで彼女は、Coinbaseの仲介プラットフォームとEthereumの統合に必要なフロントエンドインターフェイスとAPIのアーキテクチャ設計と実装を行うことができた。Kasireddyの物事を成し遂げる力を考えれば、Coinbaseの共同創業者であるFred Ehrsamを含む投資家たちが、TruStoryに今年300万ドルの投資を行ったことは不思議ではない。

Nicky Goulimis:Nova Creditの共同創業者兼COO

米国とカナダには5000万人以上の移民がいて、世界には2億4000万人以上の移民がいる。実際、移民は世界で最も急速に成長している人口集団(デモグラフィック)の1つであり、先進国の人口増の80%以上を占めることになると予測されている。しかし彼らが米国に、学生として、あるいは仕事のために到着した時点では、基本的には信用記録は皆無である。サンフランシスコに拠点創立3年のスタートアップNova Creditはこの問題に取り組む企業だ。すなわち貸し手、不動産管理者、その他の企業に、世界中の移民消費者を獲得するための、リアルタイムの国際信用調査報告を提供するのである。

同社の創業者のNicky Goulimisは、ギリシャ人として生まれイギリスで育った。会社のアイデアが浮かんだのはスタンフォードの大学院に通っているときで、彼女はすぐに自分の直面している問題に気が付いた。その中には、米国の信用記録なしにアパートを借りること(数ヶ月分の家賃の前払いをせざるを得なかった)、クレジットカードを取得すること(きわめて限度額の低いカードから始めざるを得ず、それを支払うことで、漸次限度額が高くなっていく)といったものも含まれていたが、何年もの間米国に移り住もうとする国際人全てにとって、問題となっていたのである。実際、彼女の2人の共同創業者の、Misha Esipov(両親がロシアから米国に移住)とLoek Janssen(オランダからスタンフォード大学へ留学)も、同じことを経験したのだ。

良いニュースは、投資家たちがこの問題への取組にチャンスが有るとみなしたことだ。今年の初めには、General CatalystとIndex Venturesが主導して、Nova Creditのための1600万ドルのシリーズAラウンドを行った。First Round CapitalとNyca、そしてY Combinatorも参加した。

Casey Lynch:Cortexymeの共同創業者兼CEO

サウスサンフランシスコを拠点とする設立5年のCortexymeはアルツハイマー病の治療薬を開発している。先月の末にシリーズBで7600万ドルの調達を行った。ラウンドに参加したのはSequoia Capital、Vulcan Capital、そしてAlphabetの子会社Verily Life Sciencesである。

同社のCEOはどのような人物なのか?Casey Lynchは、UCSFとスタンフォード大学でアルツハイマーの研究をしたバックグラウンドをもつ連続起業家である。彼女の最大の懸念は、私たちの身体はこれまで以上に長生きをするようになったのに、脳がしっかり働く期間は長くならないままだということだ。彼女はそれに対しても何かしようとしているのだ。具体的には、Cortexymeは、毒性のある細菌性タンパク質が、脳細胞を消化する酵素を分泌させニューロンが崩壊すると考えている。その目的を達成するために、Lynchの会社は何十人ものアルツハイマー患者の脳を観察して、そのタンパク質が問題と単に相関しているだけではなく、実際に問題を起こしていることを確認した。これらのタンパク質を取り除くために、Cortexymeが開発している狭域抗生物質がうまく働くかどうかはまだはっきりしていないが、明らかに投資家たち ―― 例えばPeter Thielがアンカー投資家として名を連ねる、初期投資家のBreakout Venturesなど ―― は、それが上手く行くと考えている。

Stephanie AlsbrookとGeorgine Muntz:defi SOLUTIONSの共同創業者たち

シリコンバレー界の人々はStephanie AlsbrooksあるいはGeorgine Muntzを知らないが、その5歳になるテキサス州に本社を置くdefi SOLUTIONSは、確かにBain Capital Venturesの注意を引きつけたに違いない。同ファームは先の1月、同社に対して5500万ドルの投資を行った。

何が魅力なのだろうか?まず、AlsbrooksとMuntzは、2人合わせると過去14年間を自動車金融の世界で過ごしてきた。この経験は彼らを自動車ローン業界に向けたSaaS(software-as-a-service)ビジネスを運営する上で、有利なポジションを与えている。それはまた巨大な業界だ。2016年には、米国における自動車ローン残高合計は1兆2000億ドルに達している。

Bainはまた、defiは借り手に対してはるかに大きな管理と設定の権限を与え、それによって借り手がローン全体のライフサイクルを、高価で時代遅れなプロフェッショナルサービス抜きに管理できるようにするのだと強調した。それは特に顧客が苦痛だと思う点に関して洞察を欠くと思われている世界では、重要なことである。

Alexandra Zatarain:Eightの共同創業者兼CMO

Alexandra Zatarainはサンディエゴで生まれ、ニューヨークに移住し広報活動に携わる前は、ほとんどの家族が住むメキシコのティファナで育った。もし彼女の父親が、末期がんに襲われ、多くのがん患者を苦しめる強さの喪失と体温低下に悩まなければ、彼女はまだPRを続けていたかもしれない。このことが、4400マイル(7081キロ)離れた父親を心配するZatarainに、彼を遠隔でモニタできるだけでなく同時により快適にできるようなプロダクトはどのようなものだろうかと考えさせた。

そこで登場したのがEightである。Zatarainが3人の共同創業者たちと4年前に設立したオンラインマットレス会社であり、そのベッドはユーザーの睡眠をトラックし、ベッドの両側に理想的な温度を設定し、「スマートアラーム」をセットすることも可能だ。既に699ドルから1299ドルの価格の3つのモデルのマットレスを販売しているスタートアップは、確かに投資家たちにとって安心できる対象だ。今年の初めにEightは、Khosla Venturesに主導されたシリーズBで1400万ドルの資金を調達した。Y CombinatorとYunqi Partnersもラウンドには参加している。同社は現在、総額で2700万ドルを調達している。

Marcela SaponeとJessica Beck:Hello Alfredの共同創業者たち

もともとMarcela SaponeとJessica Beckは、一度に1つのto-doアイテムを片付ける、雑用請負スタートアップを始めるつもりはなかった。ハーバードビジネススクールで会った2人は、自分たちの洗濯と食料品の買い物を支援するためにCraigslistの助けを借りてコストを分けあっているうちに、知り合いたちの注目を集めるようになったことで、そのアイデアをより深く掘り下げてみることにしたのだ。「それはちょっとした偶然の賜物でした」とSaponeは以前Business Insiderに語った。「私たちは自分たちのためにプロダクトを作ったのです、そして時間が経つにつれて、私たちのアパートにすむ人たちが『ねえ私も仲間に入れるかな?』と言ってくるようになったのです」。

時は経ち、創業4年を迎えたニューヨークを拠点とする彼らの会社Hello Alfredは、現在増えつつある訓練された家庭ヘルパーに頼っている。同社のヘルパーたちは週に1度のペースで顧客のあらゆる雑用を引き受け、会社は毎月のサブスクリプションフィーを顧客に請求している。これは投資家にとって安心材料となる。実際、ちょうど数週間前にHello Alfredは、不動産開発者のDivco WestとInvescoが率いる4000万ドルの新規資金調達を行った。Spark CapitalとNew Enterprise Associatesもそれに参加した。同社は現在、合計5200万ドル以上を調達している。

Alex FriedmanとJordana Kier:LOLAの共同創業者たち

2015年に設立されたLOLAの創業者であるAlex FriedmanとJordana Kierが、会社を設立した理由は、業界大手のTampaxとPlaytexに100%有機的な女性向け製品で挑戦できるチャンスがあると考えたからだ。Kierが数週間前にTechCrunchに語ったことによれば「私たちがLOLAを創業した理由は、シンプルで明らかなアイデアによるものです。女性として私たちは自分たちの生殖機能にかかわる健康に関して妥協する必要はないからです」。Kierは続けた。「ほとんどの女性たちと同様に、私たちも10代から同じ女性用ケア製品を使用していました。しかし、私たちが何年にもわたって使い続けてきたものも含むブランドたちが、その製品に何が含まれているのかを、正確に開示する必要がないということを知ったとき、そのことが私たちに疑問を抱かせました:私たちのタンポンには何が入っているの?」

同社が堅調な成長を続けているところを見ると、それはKierとFriedmanだけによって問いかけられたスマートな質問だったようだ。消費者たちへ直接届けるサブスクリプションアプローチも投資家にアピールしている。彼らはオーガニックコットンのみで作られ、香料や染料を含まないタンポン、パッド、そしてライナーを出荷している。今月初めにAlliance Consumer Growthが率いるシリーズBで、同社は2400万ドルを調達した。ラウンドにはSpark Capital、Lerer Hippeau、そしてBrand Foundry Venturesも参加している。同社は現在、3500万ドルを上回る額を調達している。

Alyssa Ravasio:Hipcampの創業者者兼CEO

Alyssa Ravasioはいつでもアウトドアを愛してきた。最近のForbesのプロフィールによれば、州立ならびに国立のキャンプ場に関して、キャンパーが知りたい全ての事(例えば近くにある面白そうなサーフィン可能な場所とかも含む)が掲載されたサイトを作りたいというアイデアを得て、彼女は開発者向けブートキャンプに参加した。それ以上の洞察がさらに得られた。それは私有地のオーナーたちを提携することによって、キャンパーたちに混雑したキャンプ場では味わえない種類の体験をするチャンスを提供するというものだ。

サンフランシスコを拠点とする設立5年の5Hipcampはこうして誕生した。旅行者がキャンプ体験を検索し予約するためのサイトを運営している。先月にはBenchmarkが率いるシリーズAで950万ドルを調達した。それは同社にとって、大きな出来事であり、より新しいニューヨーク発のライバルTentrrと戦う弾薬を与えることになる。Tentrrは今年の初めにシリーズAで800万ドルを調達し、この夏にも西部へと進出する予定である。

Ruzwana Bashir:Peekの創業者兼CEO

パキスタンからの移民の両親の元で、英国に生まれたRuzwana Bashirは、いつでも探検家だったのだと言う。それはオックスフォード大学で学んでいるときでも、ゴールドマン・サックスやブラックストーンのような投資銀行や未公開株式投資会社で働いているときでも、そして起業家になる前にGilt GroupeとArt.syでスタートアップの世界に飛び込んだ時でも同じだった。

なぜ起業に踏み切ったのだろう?イスタンブールでの友人の誕生パーティの計画に、20時間を費やしたBashirはその後、ユーザーが旅行で何ができるか、そしてどの業者を使うべきかの選択を、ワンストップで助けてくれる場所があればどんなに便利だろうと考えるようになった。

そこで始まったのがサンフランシスコを拠点とする創立6年目のPeekである。Bashirの表現{/1)を借りれば、それは「1000億ドルのアクティビティマーケットのためのOpenTable」ということになる。現在アメリカ、メキシコ、そしてヨーロッパの無数の都市で1万の体験を提供していると同社は言う。そのビジョンは投資家の琴線にも触れた。ちょうど2週間前、同社はCathay Innovationが率いるシリーズBで2300万ドルを調達した。このラウンドには多数の個人投資家が参加している。同社は現在、総額で4000万ドルを調達している。

Lisa Shields:Hyperwalletの創業者

6月中旬にPayPalは、創業18年のベイエリアを拠点とする企業Hyperwalletに対して、現金で4億ドルを支払うことを発表した。Hyperwalletは個人や零細企業がその販売するプロダクトやサービスに対する支払いを受け取る支援を行う企業だ。利用している企業には空室レンタルプラットフォームのHomeAwayや、スキンケアマーケティング企業のRodan&Fieldsなども含まれている。その魅力は何だろう?実はHyperwalletは現金ネットワーク、カードスキーム、そしてモバイルマネーサービスを、世界中のドメスティックなACH(自動小口決済システム)ネットワークと相互接続し、同社が「破壊的価格」と特徴付け、きわめて使いやすい大量の支払いを可能にしたものだ。

もしこの企業のことを目立たない企業だと思っているのなら、創業者であり元CEOのLisa Shieldsのことも、真の起業家であるにもかかわらずさらに目立たない人物にみえるだろう。もともとはバンクーバーでHyperwalletを創業した、MITで訓練を受けたエンジニアのShieldsは、昨年FI.SPANという名の2つ目の会社を創業した。これは銀行が新しいビジネスバンキング製品を素早く普及させることを可能にするAPIマネジメントプラットフォームだ。とはいえ、ステージを切り替える前に彼女は、EY in 2015においてEntrepreneur of the Year(今年の起業家)として表彰されている。そのとき彼女は「大変名誉なことで恐縮しています、もちろん大変驚いています」と語っている。

Cindy Mi:VIPKidの創業者兼CEO

Cindy Miは世界規模の教育マーケットプレイスの構築を、そのオンライン教育企業であるVIPKidの設立と同時に開始した。この企業は中国の生徒を北米の教師とマッチングするサービスを提供する。その理由を彼女は次のように述べている。彼女は15歳のときに小さな子供たちに英語を教え始めた。その時既に彼女が感じていたことは、世界が徐々につながっていく未来に向かって、こうした子供たちが力を得る手助けをしているということだった。

その努力を拡大するという彼女の夢は、Miに、教師たちに、そして生徒たちに、確かに良い効果をもたらしている。VIPKidによれば、同社は既に3万人以上の北米の教師たちと、20万人以上の中国人を中心とした生徒たちを、1対1の英語セッションでマッチングしており、教師たちには追加の収入と、都合の良い時間に教えるという柔軟性を与えている。このプラットフォームはまた、親たちに対して、身近な場所では得られないような教育を子供たちに与える機会を与える。VIPKidについて言えば、昨年の収益は7億6000万ドルだったと言われている。これは2016年に獲得した金額の倍以上だ。こうしたことから、6月にMiの会社が30億ドルという巨額の評価額の下に、新たに5億ドルを調達したことには不思議はない。

Carmen Chang:New Enterprise Associatesのゼネラルパートナー兼アジア地区責任者

Carmen Changは中国のスタートアップ事情の裏表を誰よりもよく知っている。以前はWilson Sonsini Goodrich & Rosatiの会社法ならびに有価証券法の専門家として、中国国内での業務を率いていたが、重量級ベンチャーキャピタルであるNew Enterprise Associates(NEA)によって引き抜かれ、それ以降5年にわたって同社の中国国内での業務を率いている。
もしNEAの5月末の発表の中に驚きがあるとすれば、その筆頭はChangが同社のゼネラルパートナーに昇進したことだろう。NEAの39年の歴史の中で、その最も重責の地位に初めて女性が就いたのだ。だがスタンフォード大学で法学を修め、10の会社の取締役会にベンチャーファームの代表として加わっているChangが、まだその地位に就いていなかったとは。

[原文へ]
(翻訳:sako)

2018年が女性にとっての転換点になるかもしれないことを示唆する、50人の創業者とVCたち(その1)

この数年間というもの、私たちは年末になると女性の創業者ならびに投資家たちのプロフィールをまとめてきた。彼らが巨額の資金を調達し、そうでなくても注目すべきマイルストーンを達成したからだ。

だが今年は12月を待つことはしない。私たちが目撃している進展にとても興奮しているからだ。女性の率いるスタートアップたちが、シード資金を得たり、シリーズAやそれ以降の調達を毎週のように行っている。一方トップベンチャーファームたちは、女性をもっとも重要なランクに登用しようとしている。女性のVCたちは手を携えて女性起業家に資金提供を行い、また独自のファンドを立ち上げる女性たちもいる。

このリストが包括的なものとはほど遠いと思う読者もいるだろう、その意見には素直に同意する。しかし私たちは、最後の1人まで余さずに取り込もうと時間を果てしなく使うよりは、注目に値する幾人かの女性たちの成果を祝う方が望ましいと考える。

この記事では、今年これまでに活躍してきた25人の創業者と投資家たちを取り上げる。続編のリストも近日中に登場するのでお楽しみに。

Brynn Putnam:Mirrorの創業者兼CEO

Harvardを卒業したBrynn Putnamは、かつてプロのバレエダンサーだったが、この先連続起業家としてより有名になるかもしれない。2008年にモントリオールのバレエ団で最後のパフォーマンスをしてから2年後、PutnamはニューヨークにブティックフィットネススタジオであるRefine Methodを立ち上げた。これは高度なインターバルワークアウトを目指したものだ。それは後にニューヨークで3つのスタジオとして広がり、ケリー・リパやイヴァナ・トランプといった有名人たちを引きつけた。

現在、Putnamはその資金を用いてMirrorという名の新たなビジネスを立ち上げようとしている、ジム利用者にさらに熱心に運動に励んでもらうことが目的だ。自宅に置かれた鏡のように見えるデバイスを使うものだが、それを通してユーザーはピラティスのようなフィットネスクラスの、インストラクターやクラスメートたちを見ることができる。Mirrorはまだ購入することはできないが、投資は既に行われていて、今年の始めの時点で同社は、あらゆる場所のフィットネス愛好家に対してその製品を届けることができるように、1300万ドルの資金調達を行った。

Ritu Narayan:Zūmの共同創業者兼CEO

Ritu Narayanは、YahooやeBayといった筋金入りのテック起業でプロダクトマネジメントを指揮したが、最終的にその最大の挑戦となったのは、彼女が働いている間に子どもたちを必要な場所に確実に送り届けるにはどうすれば良いかという問題だった。彼女は困っているのは自分だけではないことを知っていた。米国には18歳未満の子供がおよそ7300万人いて、その多くが毎日忙しい必死の両親たちに車で送り迎えされている。

そこでZūmの出番だ。創業3年半の同社は、5歳以上の子どもたちに対して、信頼できる送迎と保育を約束する。Zūmが子どもたちのためのUberの先駆けというわけではない。実際、競合相手のShuddleは1200万ドル以上の資金を使った挙げ句に2016年には閉鎖した。だがNarayanの会社は、どうやら上手く運営できているようだ。今年の初めに、ZūmはシリーズB調達で1900万ドルを調達したが、その中には数字を厳しく見ることで有名なSequoia Capitalも、初期からの投資家として参加している。

現在の同社の調達額は2680万ドルに達している。

Daniela Perdomo:goTennaの共同創業者兼CEO

ハリケーンサンディーが2012年秋にニューヨーク市周辺の電力を遮断したとき、 Daniela Perdomoと彼女の兄弟Jorgeは、Wi-Fiや携帯電話の電波がなくても、人びとが通話したりテキストメッセージを送り合うことのできるネットワークの必要性を痛感した。現在ではその会社はgoTennaという名で運営されている。初期の製品はラジオの周波数を用い、さらにBluetoothを経由してスマートフォン間でメッセージを送ることを可能にしていたが、最近のバージョンではそれに加えてデバイス間の一種のメッシュネットワークの構成を可能にしている。

これまで同社は10万台以上のデバイスを販売している。VCからの調達額は約1700万ドルに達している。この5月にはSamurai Walletと提携してAndroidアプリを提供する。このアプリを使えば、この夏以降インターネット接続なしでビットコインの支払いを行うことができる。この動きは、特に災害地域において、一部の顧客には重要なものとなるかもしれない。

Chloe Alpert:Medinas HealthのCEO兼共同創業者

Medinas Healthの創業者であるChloe Alpertによれば、数百億ドル分に達する余剰医療用品が毎年廃棄されているという。同社はカリフォリニア州バークレーを拠点とするスタートアップだが、在庫データとマッチングソフトウェアを用いて、大規模な病院が余剰機器を小さな診療所や療養施設に売ることを支援する。

Alpertは、Medinasが迅速で信頼性のあるシステムを構築し、医療機器の分解、搬出搬入、再組み立てを行うことのできるサードパーティと協業することによって、売り手と買い手の双方のコストの節約を実現することができると考えている。

投資家たちは、彼女の余剰マーケットにはチャンスがあると信じている。設立10ヶ月の彼女の会社は、Sound Ventures、Rough Draft Ventures、Precursor Ventures、そしてTrammell Venturesなどから、今年初めに100万ドルの資金調達を行った。

Phaedra Ellis-Lamkins:Promiseの共同創業者

Phaedra Ellis-Lamkinsは、シングルマザーによって育てられた。組合の仕事のおかげで福祉の手を離れることができるようになるまでは、母親は2人の娘たちに時折フードスタンプで食事を与えていた。しかし、その成長過程での経験はずっと残る影響を与えた。実際に大学を卒業した後、Ellis-Lamkinsは、低賃金家庭のケアを支援する組合で働いた。26歳になるまでは、彼女はサンノゼに拠点が置かれたSouth Bay労働協議会の責任者だった。

Ellis-Lamkinsの仕事は、恵まれない家庭がただ繁栄するようにするというものに留まらない。彼女の最新のプロジェクトは、政府と連携しながら、彼女の会社Promiseで働くという条件の下に、監獄から囚人を釈放するというものだ。大きな構想としては:Promiseは刑事司法制度で逮捕された人びとに支援を提供し、保釈金を支払うことができないために勾留され続けるのではなく、訴訟が解決されるまで仕事や家族に戻ることができるようにするというものだ。保釈金が払えないというシナリオがあまりにも多いということに、VCたちも同意する。その目的に向けて、今年の初めには、First Round Capital、Jay-Z’s Roc Nation、8VCそしてKapor Capitalを含む何社かが、Promiseに300万ドルを提供した。

Jesse Genet:Lumiの創業者兼CEO

2014年にJesse Genetは、”Shark Tank”の投資家パネルメンバーたちに、彼女の会社の株式の5%に対して25万ドルの小切手を切らせようとした(”Shark Tank”はアメリカのTV番組で、居並ぶ投資家”Shark”たちを前にビジネスプレゼンテーションを行い、投資を引き出すことが目的)。そのときにはオンラインで写真印刷キットを売っていた。そのときのGenetは、資金を調達することができなかったが、彼女は諦めず、彼女の会社Lumiを、多くの消費者を直接相手にするトップeコマース企業向けの、美しいパッケージのデザインと供給を行う会社へと方向転換した。また今年はじめには、Spark Capitalが主導し、Forerunner Venturesや初期投資を行ったHomebrewが参加した資金調達で、900万ドルを手に入れた。

これはひと仕事ではあったが、Geneはそうなることを予見していたようだ。2015年にはBusiness Insiderに対して以下のように語っている。「ひとつ大切なことは、自分のビジネスを急がないことです…たとえ大金は稼いでいないとしても、会社を日々運営し、フィードバックと経験を得ることは、なにものにも替えがたいものなのです」。

Sarah Guo: Greylock Partnersのゼネラルパートナー

Sarah Guoは必ずしもベンチャーキャピタリストになるつもりはなかった。そして明らかに彼女は、自身が国内で最も古いベンチャーファームの1つのシニア投資家になるとも想像していなかった。しかし、Guoはこの両者を兼ねることになった。先月昇進した結果、創業53年を誇るGreylock Partnersゼネラルパートナーになったのだ。プリンシパルとして同ファームに加わってから5年が経っていた。

Guoにとってこの任命は、これまでスタートアップの世界で過ごしてきた人生を総括するものである。Greylockに加わる前は、彼女はGoldman Sachsのアナリストとして働いていた。そこでは、銀行の関わるB2B企業の多くをカバーし、Twitter、Netflix、Zynga、Nvidiaといった一般顧客に対するアドバイスも行っていた。

ペンシルバニア大学の卒業生(学士号とMBAの両方)であるGuoは、ケーブルテレビやモバイルサービスプロバイダー向けのソフトウェア中心のネットワーキングプラットフォームを開発している創業15年のテック企業Casa Systems社でも以前働いていた(その会社は彼女の両親によって創業されたものだ)。

Charlotte Fudge,:CentralReachの創業者兼CEO

CentralReachは、研究と実践の両方に焦点を当てながら、発達障害セクター向けの訓練管理ソフトウェアを開発している。世間で話題になるような種類の会社ではないが、フロリダ州ポンパノビーチを拠点とするこの創業5年の会社は、強力なファームであるInsight Venture Partnersの注意を引きつけることになんとか成功した。Insightは、今年の初めに同社に対して資金を投入した(金額は未公開)。その一部を使ってCentralReachは既に、行動変化分析ソフトウェアを開発するスタートアップのChartlyticsを買収した

CentralReachを創業しCEOを務める看護師のCharlotte Fudgeにとって、開発はエキサイティングなものでなければならない。彼女は、自閉症や関連する障害を持つ人々に焦点を当てたキャリアを過ごしてきた。投資家による十分な資金の支援を得ることで、彼女の会社はより多くの人びとに届くことになるだろう。

Emily Weiss:Glossierの創業者兼CEO

Emily Weissは、「ミレニアル世代のエスティローダー」と呼ばれている。 彼女がそこにたどり着くのに、それほど時間はかからなかった。実際3年と少し前の時点ではまだ、Weissはとても人気のあったブログInto the Glossを監修していたが、Forerunner VenturesのKirsten Greenとの出会いが、Weissを新しい方向へと振り向かせた。これまでのブランドが売られていた価格に比べて遥かに安い美容製品を販売し、あらゆる面で値下げを行ったのだ。

顧客たちは同社に対して熱狂し、そのInstagramは120万人のフォロワーを数える。投資家たちもこの会社の虜だ。2月にGlossierはシリーズCの資金調達で5200万ドルを調達したが、申込みが殺到して話題になった。同社は現在、総額で8600万ドルを調達している。

Anne Boden:Starling Bankの創業者兼CEO

パワフルな女性は銀行にもいるし、テクノロジー業界にもいる。Anne Bodenは、両方の世界にまたがる、数は少ないが増えつつあるパワフルな女性の1人だ。そして彼女の影響力は毎月拡大しているように見える。彼女はAllied Irish Banksの前COOであり、それ以前はRBSとABN AMROで最高経営責任者を務めた。現在BodenはStarling Bankの創業者兼CEOである。これはスマートフォンに特化した貸付を行うデジタル専門企業であり、英国でのライセンスは2016年に取得していて、ヨーロッパの大部分へと拡大する野望を持っている。

確かに、ライバルの銀行であるRevolutが米国に注目する中で、既にヘッジファンドマネージャーのHarald McPikeから4800万ポンドを調達したと言われているStarlingは、さらに8000万ポンドの新しい資本を得るために、おそらく英国外も視野にいれながら投資家を探している。同社はまた国際的な支払い能力を提供するために昨年パートナーとなっていた、フィンテックユニコーンのTransferWiseとの提携を、静かに解消している。先月TechCrunchにBodenが語ったように、Starlingは「自分でやることによって、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できる」ことがわかったのだという。

Shruti Merchant:HubHausの共同創業者兼CEO

Shruti Merchantが、40マイル離れたサンフランシスコに引っ越すために、カリフォルニア州コンコードにあるメディカルスクールのプログラムからドロップアウトしたとき、彼女はまだ誰とも知り合いではなかった。彼女とその他の6人はCraigslist上でお互いを知り、共同で大きな家を借りて…そして彼らは素晴らしい友人になった。Merchantは既に起業を考えていたが、この体験は彼女にこうした共同生活を管理させるという大きなアイデアを考えさせることになった。そこで彼女はそれを実現するためにHubHausを共同創業した。

これまでのところは、まずまずのようだ。HubHausは大型住宅を借り入れ、ベッドルームをサブリースする。その過程で住居コミュニティを作り出す。いまやロスアンジェルスとサンフランシスコで、数十のプロパティを管理している。またSocial Capitalが今年の初めに主導したシリーズAで、1000万ドルを調達した。

Kathy Hannun:Dandelionの共同創業者兼CEO

大学を卒業して、ほぼそのまますぐにKathy HannunはAlphabetのXグループの評価チームに加わった。このチームは会社による、次の「ムーンショット」(きわめて困難な目標)を考え出すことが使命だ。最終的に、彼女と何人かの同僚たちは、単独で追求しないのはあまりにも勿体無いチャンスに出会った。その結果生まれたのがDandelion Energyだ。同社によれば「地熱暖房と空調をとても効率的にして、それだけでもとがとれる」ものということだ。

投資家たちはDandelionへの投資をためらっていない。New Enterprise AssociatesやBoxGroupなどが、この創業1年のブルックリンの会社に今年初めに450万ドルを提供した。これにより総調達額は650万ドルに達した。新ラウンドが終わった翌日、Hannunは赤ん坊を出産した

Ran Ma:Sirenの共同創業者兼CEO

Ran Maはノースウェスタン大学の生物医学エンジニアとして何年かを過ごし、その前は、ジョン・ホプキンス病院の研究助手として腎臓病関連の仕事をしていた。そうした役割の中で、Maは多くのことを学んだが、その中には腎臓病が最大40%の糖尿病患者に影響を与え、その糖尿病がおよそ4億人の人びとを苦しめていることなども含まれていた。その多くの患者が潰瘍や壊疽による痛みを感じることができず、そのことによって足の切断などを招いているのだ。

コペンハーゲンとサンフランシスコに本拠を置く設立3年のSirenを彼女に始めさせたのは、そうした種類の統計だった。同社は着用者を助ける繊維製品を製造している。まずは洗濯機と乾燥機に入れても大丈夫なソックスが提供されているが、これは着用者の足の温度を計測することができて、接続したアプリを通して着用者に何が起きているかを知らせる(例えばヒートスポットは、急速に広がる感染症を示している可能性がある)。もちろん投資家たちは、糖尿病患者たちが衰弱してしまう前に、潜在的な傷を発見する手助けをする、というアプローチを気に入っている。彼らは、今年の初めに同社に対して340万ドルの資金を提供した。そうした投資家たちには、DCM、Khosla Ventures、そしてFounders Fundなどが含まれている。

Nicki Ramsay:CardUpの創業者兼CEO

アメリカンエキスプレスで約8年を過ごし様々な役割を果たしたところで、Nicki Ramsayはまだ満たされていない需要があることに気が付いた。具体的に言えば、AmExの顧客はクレジットカードを使用して、特に賃貸料や税金などを払うことができないということだ。彼女のソリューションがCardUpだ。ユーザーが自分のクレジットカードを用いて定期的な支払いをできるようにする会社である。Citi、Visa、MasterCard、その他のカードから、家賃、車のローン、保険、もし小規模ビジネスオーナーなら従業員の給与に至るまでの支払いに利用することができる。支払いを行うことで報酬も手にすることができる(家賃を払って同時に7万マイルの飛行機のマイルが貰える時に、単に家賃だけを払う人はいないだろう)。

投資家たちは明らかに、ユーザーたちにそのクレジットカードを、ファイナンスツールとして利用させるインセンティブを与えるアイデアを気に入っている。3月には、Sequoia IndiaとシードステージベンチャーファームのSeedPlusが、シンガポールに本拠を置くCardUpに、170万ドルのシード資金を提供した。資金はスタッフの拡充と、小規模から中規模の企業が増えているマーケットそのものに対して用いられる。

Gwyneth Paltrow:Goopの創業者兼CEO

Goopは、10年前に女優のグウィネス・パルトローによって創業された健康関連のニュースレターならびにeコマース企業である。同社は非科学的な医療情報(膣内を蒸気で蒸すと健康に良いとか、ブラジャーをすると発がんの危険性が高まるとか)でしばしば非難を受けてきた。おそらく最も有名なのは、性的エネルギーを育むために、フォロワーたちに対して膣内に入れるための卵型のヒスイを売り込んだことである。

大多数の人たちにとっては笑いの種だが、最後に笑うのはパルトローかもしれない。3月に彼女の従業員150人の会社は、シリーズCの資金調達で5000万ドルを調達した。新旧の投資家たちが出資し、その中にはNew Enterprise Associates、Lightspeed Venture Partners、そしてFidelityなどが含まれている。Groopはこの資金を国際的な拡大に使う予定だが、体験型販売、「イメージイベント」、そして従来どおりのマーケティングなどが予定されている。

Naomi HirabayashiとMarah Lidey:Shineの共同創業者たち

Naomi HirabayashiとMarah Lideyが、ニューヨークの非営利団体で一緒に働いていたときに、彼らはお互いや親しい友人たちとの間に個人的な支援システムを構築していた。彼らは似たようなことを、他の人たちにも広げたいと考えている。すでに多くのセルフケアアプリが存在していたが、有色人種の女性としての彼らの経験に対応してくれるようなものはなかった。Hirabayashiは今年の初めにTechCrunchに以下のように語っている「私たちは市場に欠けているものに気が付いています、なぜなら心身健康企業(well-being companies)の目は私たちに届かなかいからです、彼らは私たちに語りかけません。彼らは私たちのような人たちを見ることはないのです。彼らがコンテンツを共有するやりかたは、私たちが人生の中の異なる心身健康課題について語るやりかたにはそぐわない気がしました」。

彼らが生み出した製品はShineとなった。これはユーザーたちに、一日を過ごすための、自信、日々の幸せ、そしてメンタルヘルスならびにプロダクティビティに関係した、実践的なヒントを、テキストに添えて毎日送るスタートアップだ。投資家たちもShineに対して、気分の良さを感じているようだ。シード資金を調達してから2年が経ち、同社はこの4月に初期の投資家であるComcast Venturesが主導するシリーズAの資金調達で500万ドルを調達した。他にも多くの団体が投資に参加したが、その中にはニューヨークタイムズも含まれている。

Ankiti Bose:Zilingoの共同創業者兼CEO

Ankiti Boseはアジアのスタートアップシーンでは見ることが少ない女性創業者だが、そんな事実は彼女の会社のスピードを緩めさせたりしない。それどころか、東南アジアのバザーへの訪問体験を、オンラインで再現するeコマーススタートアップであるZilingoは、この4月に5400万ドルの資金を調達し、総調達額は8200万ドルになった。

投資家たちはなぜそんなに熱心なのだろうか?Boseのバックグラウンドは確実に役立っているだろう。彼女はムンバイのMcKinseyのアナリストとして働いたあと、バンガロールのSequoia Capitalの投資アナリストとして働いていた。しかし、彼女が追いかけている市場もまた有望なのだ。独立した商人たちに対して、オンラインストアの店頭を提供することで、Zilingoは2025年までに880億ドル規模になると期待されている市場の中で、Amazonのような企業たちと互角に競い合っている。

Aditi Avasthi:Embibeの創業者兼CEO

5年前Aditi Avasthiは、彼女がシカゴ大学で経済学について学んだことと、その後Barclaysで2年間学んだことを、母国であるインドの学生たちを助けるために活かすことを決心した。その結果生まれたのがEmbibeである。インドのバンガロールを拠点とするこのオンラインコーチングスタートアップは、単なるアクセスを行わせるだけではなく、成績が伸びない場合には、学生がオンラインで行うこと全てに対して討論的アプローチをとり、彼らが最も助けを必要とする時と場所で彼らに手を差し伸べようとする。基本的なアイデアは、同時にはより少数の教師を使いながら、より正確なフィードバックを提供することだ。

Avasthiはそれについて良く知っていたに違いない。今年の初め、インドの複合企業Relianceは、同社に対して事業(その一部はEmbibeの初期の投資家たちからのものだ)の73%と引き換えに、1億8000万ドルを支払った。初期投資者たちであるKalaari CapitalやLightboxにとって、これは大いなる成功だった。彼らがこれまでEmbibeに提供していたのはわずか400万ドルだったのだ。もちろん、創始者としてのAvasthiにとっても悪い結果ではない。

Katie Haun:Andreessen Horowitzのゼネラルパートナー

今週初め、創立9年のAndreessen Horowitz(a16z)は、初めての女性ゼネラルパートナーとして、Katie Haunの名前を発表した。その名は過去数年間ベイエリアでは静かに知られるようになってきていた。Andreessenの新しい3億ドルの暗号通貨ファンドを、ゼネラルパートナーのChris Dixonと共に率いるHaunは大人物である。このためa16zが彼女をしっかりと捕まえたことには驚きはない。

他の多くの業績の中でも特に目立つのは、Haunは米国司法省の連邦検察官として10年以上を過ごし、SECやFBI、そして財務省と一緒に、詐欺、サイバー犯罪、法人向けコンプライアンスに焦点を当てた活動をしていたことだ。Haunのバイオグラフィによれば、彼女はまた司法省の初のデジタル資産コーディネーターであり、Mt. Goxハッキングの調査や、オンラインドラッグ市場のSilk Roadの調査と閉鎖に携わったタスクフォースの指揮も執った。Haunはスタンフォードビジネススクールの講師でもあり、a16zが早期に投資を行ったデジタル交換所であるCoinbaseのボードメンバーである。

Sara MauskopfとAnne Halsall:Winnieの共同創業者たち

Sara MauskopfとAnne Halsallはプロダクトの作り方を知っている。Mauskopfは過去10年間、Twitter、Postmates、YouTube、そしてGoogleのプロダクトに関わり、HalsallはPostmates、Quora、そしてGoogleでほとんど同じことをしていた。2人が一緒にWinnieを作ることになったのに不思議はない。このモバイルアプリは親たちに、近隣の子供向けの場所に関する情報を提供する。家族向けのどのような施設がその場所にはあるのかといった情報だ。そして最近は親たちが質問したり議論に参できるオンラインコミュニティも提供されている。投資家たちは注目し、同社に対して2年前に225万ドルを投資している。

投資家たちは興味を失うどころか、いまでは100万人以上のユーザーを抱えているという2歳半のアプリは、Reach Capitalの主導により、今週新たに400万ドルのシード資金を調達した。Winnieの調達額は現在650万ドルに達している。

Falon Fatemi:Nodeの創業者

Falon Fatemiは、かつて19歳でGoogleの最少年従業員になったことを誇りにしていた。しかし、検索の巨人で4年間、YouTubeでさらに2年を過ごした後、FatemiはNodeを設立して、自分の足跡を残すことにした。現在創業4年目の彼女のスタートアップをずっと成長させていくつもりだ。

この4月には、同社は新たに500万ドルの資金をRecruit Strategic PartnersとJeffrey Katzenberg’s WndrCoから得たばかりだ。同社はAI駆動の検索ツールを開発しており、ユーザーが自身のプロフェッショナルネットワーク上で、その時点で最も仕事を頼むのに適切な人物が誰かを、理由と共に教えてくれる。このラウンドにより、Nodeの総調達資金は2100万ドルになった。

Renee Wang:Castboxの創業者兼CEO

Renee Wangは中国で生まれ、北京郊外の農村の田園地帯の寄宿学校に通っていたと伝えられている。そこで彼女は、自分でもコードの勉強をする傍ら、友人たちに対しても個別指導を行っていた。実際、北京大学で2つの専攻を修めて卒業したあと、WangはGoogleに入社し、東京オフィスで4年以上働いていた。彼女がポッドキャストのコンテンツに対する沢山の検索が行われる様子に気が付いたのは、検索の巨人の運営の内側から見たことによる。そして彼女はこの領域に、これから作るアプリが支配的な地位を占める余地があると考えたのだ。

そして作られたのがCastboxだ。このアプリは自然言語処理と機械学習技法を用いて、そのユニークな機能を実現している、例えばパーソナライズされたレコメンデーションや、オーディオ内検索機能などだ。このアプリは、ユーザーの事前の聴取行動に基づいて、次に聞くべきものを提案することもでき、そのオーディオ内検索機能は、実際にポッドキャスト内のオーディオコンテンツを文字にして、索引付けし、検索可能にする。これほど多くのことが行われる中で、投資家たちが耳を傾けていることも不思議ではない。4月には、彼らはシリーズBの資金調達ラウンドで1350万ドルを、Castboxに提供した。合計で、それは2950万ドルを調達している。

Laura Deming:Longevity Fundのパートナー

写真:Maarten de Boer/Getty Images

24歳のLaura Demingは、彼女のベンチャーキャピタルの多くの同僚たちよりも若い。だが彼女はそうしたことは気にせず真剣に取り組んでいる、それは別に不思議な事ではない。ニュージーランド出身者の彼女は、家庭で教育を受け、成長の過程で老化の生物学に情熱を感じるようになった。実際、以前彼女はまだ10代の若者だったときに、老化の遺伝学を研究する有名な分子生物学者のCynthia Kenyonの研究室で働いていた。14歳までに、DemingはMITの学生となり、16歳までには大学を退学し、ピーター・ティールのThiel Fellowshipプログラム(2年間)に参加していた。このプログラムは「新しいものを作りたい」若者に10万ドルを提供するというものである。

もの作りを彼女はやりとげた。昨年Demingは、2番目のベンチャーキャピタルファンドを、2200万ドルで設立した。また今年の初めにはDemingは、著名な投資家であるMarc Andreessen、アーリーステージベンチャーファームのFelicis Ventures、その他無名の投資家たちの後援を受けて、アクセラレータープログラムも設立した。ここでのアイデアは、スタートアップの支援、特に立ち上がりの遅いスタートアップに焦点を当てて、4ヶ月以内に「価値が感染し始める段階」に到達させる支援を行うというものだ。それがプログラムの適用期間である。

[原文へ]
(翻訳:sako)

画像クレジット: Daniel Grizelj / Getty Images

2017年のテクノロジー業界で、圧倒的存在感を示した42人の女性たち

あらゆる場所で働く女性たちにとって、挑戦的で爽快な1年だった。1月にワシントンで行われた「ウィメンズ・マーチ」から元UberエンジニアのSusan Fowlerによる、今や有名になった驚くべきブログポスト、そして#metooムーブメントまで。それらは国全体を覆い、その過程で数多くの性的捕食者たちを、その高い地位から引きずり下ろして行った。

その間にも、ハイテク企業の女性たちは、自分たちの会社を新しいレベルの成功へと導き、難しいプロダクト開発のマイルストーンを乗り切り、多くの場合に意義ある資金調達を果たしてきた。

皆が口を揃えるように、それは必ずしも簡単な仕事ではない。2016年の時点ではCrunchbaseによれば、少なくとも1人の女性創業者を持つ企業が、シード資金調達をした比率は全企業の19%であり、アーリーステージベンチャーからの資金調達を行った比率は14%、そして、レイトステージベンチャーからの調達を行った比率は、わずか8%に過ぎない。

ともあれ、以下にご紹介するのが、今年活躍した数多くの女性たちの中から取り上げた、2018年も引き続きやる気満々の42人だ。

1/39 :Stacy Epstein

Stacey Epsteinはエンタープライズソフトウェアを熟知している。彼女は、人事ソフトウェア会社のSuccessFactorsが、2007年にIPOを行ったとき、グローバルマーケティングを担当していた。その後ServiceMaxのCMOに就任した。ServiceMaxはフィールドサービスワーカー向けのソフトウェアを開発していたが、後にGEによって9億1500万ドルで買収された。現在Epsteinはその経験を活かして、デスクレスワーカーのためのモバイルコミュニケーションプラットフォームを提供するZincを、CEOとして率いている。

投資家たちは、彼女が顧客を熟知していると信じている。Zincは今年の初めにGE Venturesの主導による第2ラウンドの資金調達で1100万ドルを調達した(これまでに合計1600万ドルを調達している)。その一方で9月には、EpsteinはY Combinatorのボードアドバイザーにも就任した。Zincは今年Y Combinatorのアクセラレータープログラムを卒業している。

2/39 :Jini Kim

Jini Kimには自閉症の弟がいて、ずっとMedicaid(医療保険に加入できない低所得者/身体障害者に対して用意された米国の公的医療制度)の支援を受け続けて来ている。彼女がこの制度の限界を理解していたとしても不思議ではない。実際、2010年には、彼女は健康分析会社Nunaを立ち上げた。これは、現在ではMedicaidが、全ての患者集団をどれほど効果的に治療しているかを知るための手助けとなっている。

Google Health(彼女が去ってから程なく、短い運用が終了した)のプロダクトマネージャーであったKimの経歴にもかかわらず、投資家たちにとっては判断は簡単ではなかった。しかし、2013年にKimがHealthcare.govの支援のためにホワイトハウスに招聘されると、投資家たちの興味が集まった(彼女はほどなくTimeの表紙に登場している)。Nunaは2014年に最初の資金調達ラウンドを行っている。今年の初めにはKleiner Perkins Caufield&Byersが主導するラウンドで、さらに9000万ドルの資金を調達した

3/39 :Steph KoreyとJen Rubio

Warby Parkerでコンシューマーマーケティングを務め、元同僚同士であるSteph Korey(写真左)とJen Rubioは、自分たちをそれぞれ「完璧に左脳と右脳です」と表現する。しかしそんな2人の個性が合わさって、勢いが生まれ、設立して2年になるニューヨークの旅行商品ブランドAwayへとつながった。 同社から消費者に直販される、ポリカーボネート製のスーツケースは、耐久性と洗練を期待する旅行者たちの間で好評を博している。しかもバッテリーパック内蔵だ。

今年の初めには、この2人は2000万ドルのシリーズBファンドを成功させた。これによってAwayに集まったベンチャー資金は合計3100万ドルとなった。彼らはその資金の一部を使って、子供向けのキャリーオンラゲッジやその他の製品を発売した。その中には旅行関連アクセサリー、デザイナーコラボレーション、そして季刊の旅行雑誌Hereの刊行などが含まれている。

4/39 :Marissa Alden Evans

Marissa Alden Evansは、会員たちが自分の服装に関するアドバイスを得ることのできる、写真共有アプリを立ち上げたことがある。あるとき、とある結婚式で彼女に出会ったある男性が、式の後で彼自身の写真をアップロードしていることに気が付いた。

写真共有アプリはうまくいかなかったが、この2人は現在結婚している。しかしその後EvansはSawyerという新しい会社を共同創業した。新しい会社のアプリは、親たちが子どもたちのために最高のアクティビティを探す手伝いをするものだ。このハーバード大学出身のMBAは、会社の資金調達のためにさらに2つの資金調達ラウンドを行った。現在はキャンプから課外プログラムまでを含む、米国内の団体が利用するアプリ(サブスクリプションベース)の開発に余念がない。その支援者の中にはChan Zuckerberg Initiativeも名を連ねている。

5/39 :Rashmi Melgiri

Rashmi Melgiriは、保険選びに苦労する友人の姿を見たことで、小規模ビジネスオーナーたちが保険プランを比較して選択できるサイト、CoverWalletを開始したのだと言う。同社はLiberty MutualやProgressiveといったキャリアパートナーたちとも、良い関係を築いている。実際、このMITの卒業生は、既にビジネスのために3000万ドル以上を確保していて、その中には10月に行われた1850万ドルのラウンドも含まれている。会社の目標は、簡単で、迅速で、そして透明性を高めることだ。

これは、昨年の第1四半期にわずか200万ドルのシード資金で始まった会社にしては、悪くない状況だ(現在80人以上を雇用している)。

6/39 :Elizabeth Iorns

元乳癌研究者のElizabeth Iornsが、彼女の会社Science Exchangeを創業した理由の一部は、彼女がマイアミ大学で勤務している際に、遠隔地の協力者と一緒に働こうとして感じたフラストレーションを解決しようと考えたことだ。科学実験をアウトソーシングするためのオンラインマーケットを提供する、この6歳の会社は、多くの研究者たちからの共感も得ている。今年、いまや1000社以上と提携するScience Exchangeは、2800万ドルの資金調達ラウンドを行い、これまでの調達額の合計は5850万ドルとなった。

社長、議長、そしてCEOを兼務するIronsは、激務の合間を縫ってY Combinatorのパートタイムパートナーとしても働いている。実際、Science ExchangeはY Combinatorと提携しているので、アクセラレーターのポートフォリオに属する企業たちは、今や実験サービスを、Science Exchangeが擁する2万5000以上の科学サービスプロバイダーにたいして発注することが可能である。

7/39 :Leslie Trigg

Leslie Triggは、4年前にグローバル透析会社のOutset MedicalにCEOとして入社する前にも、多数の重役ポジションを歴任していた。Outsetにとって、彼女を確保できたことは幸いだった。同社はもともと在宅透析に革命を起こすことを狙っていたが、Triggは違透析クリニックを置き換えることよりも、さらに大きな異なる可能性を見ていた。それは透析クリニックに対しては、人手が軽減され、インフラコストが少なくなるOutsetの製品を供給し、同時にクリニックの患者たちも、自宅での対応が簡単になるようにするということだった。

Triggは、米国の透析市場の大半を支配する2つの企業に、自分たちの技術を使用させることを納得させる必要があるが、投資家たちは彼女がそれを成し遂げる方に賭けている。その証拠に、5月のシリーズCではOutsetは7650万ドルを調達できたのだ。

8/39 :Julie Shoenfeld

もしGMが、あなたが想像していたよりも早く自動運転車を提供したとしたら、それはJulie Schoenfeldのおかげだ。3年前、このベテランの起業家兼エンジニアは、それまで社長兼CEOを務めていたOEwavesから、新しい会社であるStrobeを分社した。OEwavesは現在でもレーダーと通信に特化した製品を製造している。

10月に、GMはStrobeを買収した。Strobeがライダーセンサーをシングルチップ化する技術と、物体の幅、距離、そして速度を測定する技術を持っているからだ。これはまさに、現在GMの自動運転子会社であるCruise Automationが、自社のために探し求めていたテクノロジーと専門知識だったのだ、とCruiseの創業者Kyle Vogtは語る。おそらくこれこそが、最近GMの社長であるDan Ammannが、GMが自動運転車を提供することができるのは「数年ではなく、数四半期のうちだ」と述べている理由だろう。

9/39 :Laura Behrens Wu

ビジネスショッピングプラットフォームShippoが、もともと生まれた理由は、共同創業者でCEOのLaura Behrens Wuが、欲求不満を感じたことにある。Wuはドイツ、中国、エクアドル、そしてカイロで育ち、物品を送るのにかかる時間と手間に悩まされていた。

これに対してShippoがより良い代替手段を発見したことに対して、資本家たちが今年の初めにシリーズBで2000万ドルの投資を行ったと言えば十分だろう。調達した資金総額は合計でおよそ3000万ドルとなった。その魅力は何だろう?中小企業が出荷を追跡したり注文を行うことを手助けすることで、彼らがAmazonなどの巨大企業に対して、より強固な立場で競争できるようになることだ。

Shippoを起動する前に短期間スタートアップのLendUpで働いていたWuは、この猫の飼い主でもある。

10/39 :Julie Wainwright

Julie Wainwrightは、自身が経営していたドットコム時代会社、Pets.comを閉鎖した後、「一種の嫌われ者になってしまいました」と言う。しかし、現在The RealRealの共同創業者でCEOを務める彼女が、除け者ということはあり得ない。The RealRealは、新品同様の中古の贅沢品を、オリジナルの価格に比べて破格に安く販売するオンライン委託販売ビジネスだ。

同社は現在950人を雇用しており、今年は5億ドル以上の収入を見込むことができるとしている。その間に、Wainwrigtは成長を助けるために多額の資金調達を行った。これまでの総額は1億7300万ドルである、その中には6月に行われた5000万ドルのラウンドも含まれているが、その一部は、ニューヨークに、The TralRealの初の実店舗を開くために使われた。

11/39 :Sallie Krawcheck

Citigroupの資産管理部門を率いていたSallie Krawcheckが、その地位を追われたときは、彼女はウォールストリートで最も強力なエグゼクティブの1人だった。彼女は、Ellevest社のスタートアップ創業者として、大きな復活を果たした。同社は女性投資家のニーズ(節税商品から、起業、そして出産に至るまで)に焦点を当てた、オンライン投資プラットフォームを提供する(追加料金を払えば、Ellevestはエグゼクティブビジネスコーチングや個人指導を、エグゼクティブリクルーターや認定金融プランナーから受けることができる)。

投資家たちはKrawcheckが何かを成し遂げると考えている。昨年、彼らはEllevestに1000万ドルを投資し、この秋には、彼らはまた別の3460万ドルを投資した。

12/39 :Maria Bennett

Maria Bennettの名は、世間では知られていないかもしれないが、この訓練された生物医学技術者は、SPR TherapeuticsのCEO、社長、創業者としての重要な役割を果たしている。創業8年でオハイオ州クリーブランドを拠点とする同社は、慢性ならびに急性の痛みのために用いられる神経刺激技術を開発したのだ。注目すべきは麻薬を使わないということである(治療は、皮膚を貫通して配置された糸状のワイヤーを使用し、身体に装着可能な刺激装置に接続して、標的となる神経線維を刺激する)。

同社は、そのシステムがFDAの認可を得た今年、無名のファミリーオフィスとFrontcourt Venturesの主導によるシリーズCで、2500万ドルを調達した。Bennettは現在、この資金を使って、追加研究を行い、SPRが既に開発したものの商品化を行っている。

13/39 :Julia Collins

Julia Collinsが、Zume Pizzaを共同創業したのは、おそらく運命だったのだ。同社は健康的な食品を素早く誰でも手に入れることができるようにすることを目指す企業だ。このスタンフォードMBAは、Danny MeyerのUnion Square Hospitality Groupで働いてきた。2010年には、東海岸に4つ店舗を抱える、タコスとテキーラのレストランMexicueの開業にも協力している。以前彼女が、実業家Richard Parsonsの率いる、Harlem Jazz Enterprisesの元COOだったことは既に言っただろうか?(特にHarlemにあるレストラン、The Cecilを所有している)。

確かに、Collinsと共同創業者のAlex Gardenは多くの資金を調達してきている。Zumeが発表することはなかったが、SECの記録によれば、同社とその半自動ピザ製造会社は、この秋にシリーズBラウンドによって4800万ドルを調達している。

14/39 :Tyler Haney

今月初めに、設立4年のアスリージャー(運動着と普段着を兼ねた服装)ブランドOutdoor Voicesは、新しい店舗をサンフランシスコにオープンした。ロサンゼルス、オースチン、そしてニューヨークに続いての開店だ。それでも、伝説の商売人Mickey Drexlerが主導した8月のラウンドで900万ドルを調達し、今や合計2250万ドルを調達した同社は、ある意味始まったばかりとも言える。

その活動の中心にいるのは創業者の(そしてパーソンズ校卒業者の)Tyler Haney だ。彼女のビジョンは、エクササイズは重要だがそれが全てではないと考える買い物客たちと共鳴しているようだ(それはシンプルなデザインと、自然な色合いにも表れている)。彼女は最近メディアにこう語っている「ステフン・カリー(NBAの選手)とか誰か他の人のことを気にする必要はないのです、大事なのは自分の個性なのです」。

15/39 :Kathryn Petralia

Kathryn Petraliaは、融資ビジネスのKabbageを共同創業する前に、クレジット、ペイメント、そしてeコマースに特化した大小の企業で10年以上働いてきた。その職歴の中には、クレジットカードスタートアップのRevolution Money(後にAmexが買収)での戦略担当や、上場取り立て企業であるCompuCredit(現在はAtlanticus Holdingsと呼ばれている)との共同開発などが含まれている。

こうした役割は、現在のPetraliaからみると奇妙なものに映るかもしれない。その融資サイトは、金融危機の最中に開始され、11万5000以上の小規模ビジネスや個人に対して様々なデータに基づいて融資を行ってきた。そして勢いは増すばかりなのだ。実際8月には、KabbageはSoftBankから、新しい市場の開拓と製品の拡大に向けて、2億5000万ドルの新たな調達を行った。11月には、同社はまた別の大規模な資金注入を発表した。現在はリボルビング払いをローンにも使用している、Credit Suisseから2億ドルを調達したのだ。

16/39 :Amy Errett

米国女性の4分の3が髪を染めている。現在ではその規模はL’OréalやClairolといったブランドたちに対して180億ドルにも及ぶ機会を与えている。その中で、Amy Errettによって4年前に設立された、お手頃価格の「プレステージ」(高級)ヘアプロダクトのメーカーMadison Reedも、徐々に売上を伸ばしている。

10月に2500万ドルの新規資金を提供した投資家たちの目から見れば、Errettはだれでも乗ることのできる安全な賭けである。彼女は「連続CEO」であり、これまでに旅行会社のOliviaを含む、多くの企業を率いてきた経験を持つ。Errettは、Maveronの元ゼネラルパートナーとしてVCにも精通しており、過去数年の間、True Venturesの特別顧問を務めている。実際、日々の仕事で忙しい中でもなお、ErretはTrueの名で小切手を書くこともしている。

17/39 :Audrey Gelman

Audrey GelmanはPRの世界で働いていた。2008年には、後に大統領候補となったヒラリー・クリントンの報道補佐官として働き、そして最近では代理店であるSKDKnickerbockerの仕事をしていた。この間ずっと、Gelmanはそのスタイルとユーモアセンスのために、ファッション記者たちから注目を集めていた(Gelmanはまた、有名な作家/女優のレナ・ダナムの親友でもある。実際、Gelmanはダナムの長期間にわたる舞台”Girls”の、登場人物Marnieのモデルと言われている)。

そして昨年、Gelmanは彼女のキャリアを、本気でオーバードライブポジションに切り替えた。女性専用のコワーキングスペースとソーシャルクラブであるThe Wingを共同創業したのだ。現在、ニューヨークには2つの拠点があるが、ほどなくワシントンと西海岸のクラブが続く、これはWeWorkが主導した先月の資金調達ラウンドによる3200万ドルのおかげだ。

18/39 :Jennifer Hyman

Jennifer Hymanは、10年以上前に、主要な傾向のいくつかに気が付いた。ソーシャルメディアの発展(その上では皆が自分を良く見せたいと思う)と、プロフェッショナルたちが「物」を介した経験を重視しはじめたということだ。その気付きは最終的彼女をハーバードビジネススクールへと導き、そしてRent the Runwayの共同創業へと結びついた。この会社は現在800万人以上の顧客を抱え、高級なドレスをレンタルするというアイデアを普通のものにした。

これはささやかな業績ではない。実際、初期の投資家たちは、その資産を倍増させることができた。Rent the Runwayはずっと黒字運営を続け、成長企業には2億ドル以上の資金が集まった。Hymanは現在、女性たちにハイエンドの仕事服をレンタルして貰おうとしている。

19/39 :Whitney Wolfe Herd

3年前Whitney Wolfe Herdは、自らが共同創業しマーケティング担当副社長を務めていたTinder社を相手取り、セクシャルハラスメントと差別を受けていたという訴えを起こしたことでよく知られていた。

そして現在、Wolfe Herdは、Tinderのユーザーの多くや、それ以上に多くの人びとを彼女の新しい会社Bumbleに惹き付けることで、ある意味最高の復讐を成し遂げた。実際、今年は2200万人以上の登録ユーザーと1億ドル以上の売上を見込んでいて、さらにはLinkedInの領域まで進出しようといる。すなわち、先月同社は、顧客たちに将来のメンターや同僚の検索も行うことを促し始めたのだ。

20/39 :Melonee Wise

8歳のときのMelonee Wiseは、他の8歳児たちと同様に、レゴブロックで遊ぶことを楽しんでいた。多くの8歳児たちと異なっていた点は、Wiseは機械工学の学位を取得し、先駆的なロボット会社Willow Garageでロボットオペレーティングシステムを開発し、現在は急速に成長している会社を経営しているということだ。実際、Tetch Robotics、のロボットは、狭い場所でも棚から物を掴み出し、必要な場所へ移動することができる。今月シリーズBで2500万ドルを調達し、Fetchの資金調達額の合計は4800万ドルとなった。eコマースが成長を続ける中で、物流企業はこれまで以上に人手が必要とされている。今回の調達がこのスタートアップの最後の調達ではないことは請け合いだ。

21/39 :Edith Harbaugh

Edith Harbaughの最初の仕事は、エンタープライズスタートアップでのエンジニアリングだったが、6ヶ月から9ヶ月のサイクルで回るエンジニアリングに、欲求不満が溜まったために、彼女は「製品の人」になったのだという。エンジニアリングチームがリリースを祝う一方で、エンドユーザーたちはいつもそれほど熱狂的な様子を見せているわけではない。それが時間を無駄にしたくないウルトラランナー(ウルトラマラソンの選手)のHarbaugh’sを悩ませたのだ。実際、3年前に立ち上げたスタートアップLaunchDarklyは、誰も使わないようなものをエンジニアが作らされることのないようにするために設立された会社だ。

投資家たちは彼女の思考が好きだ。その結果現在3歳の会社が生まれた。同社のプラットフォームは、企業たちが選択した利用者グループごとに、機能を絞り込んでテストすることを可能にする。同社は今月初めのシリーズBで2100万ドルを調達した。

22/39 :Shanna Tellerman

Shanna Tellermanは、大学から直接起業を行った人物だ。彼女の母校、カーネギーメロンから、3Dゲームの開発を民主化することに焦点を当ててスピンアウトした会社だった(Autodeskはそれを2010年に買収した)。

実際、Autodeskで数年を過ごし、2年に満たない期間をGVのベンチャーキャピタリストとして過ごした後、Tellermanはデザイン、3D、そしてコマースに対する彼女の情熱をひとつに組み合わせて、Modsyを共同創業した。これはユーザーが家具を買う前に、自分で試すことのできるホームデザインツールである(顧客が送信した画像と寸法に基づいて部屋の3Dモデルを作成する)。会社は立ち上がり、投資家たちの興味を集めている。今ではWest ElmやDesign Within Reachといった、小売業のパートナーたちも投資を行っているし、今月初めにはシリーズBの資金調達で2300万ドルを獲得した。

23/39 :Cindy Mi

Cindy Miは、中国の農村部の若い学生としては、オーディオカセットや雑誌に多くのお金を使ったと語る。その理由:英語を身に付けるためだ(彼女が最初に学んだ英語の歌はカーペンターズの「イエスタディ・ワンス・モア」だったという話だ)。

こうして生まれたのがVIPKIDだ。同社はMiが4年前に起業し、現在は32以上の国の20万人以上の初等教育年齢の生徒たちを、2万人以上のネイティブ英語スピーカーとマッチングさせていると言う。学習内容は子供に応じて調整される。急成長を遂げている同社は、その将来を信じる投資家たちから既に3億2500万ドルを調達している。おそらく、彼らはVIPKIDが今年見込んでいる7億5000万ドルの収益も気に入ることだろう。

24/39 :Laura Weidman Powers

ほぼ6年前、スタンフォードのMBAであるLaura Weidman Powersは、Code2040を設立した。この非営利団体は10週間に渡るプログラム(特に大学生や大学院生たちを憧れのハイテク企業のインターンとして送り込むことなど)を通して、マイノリティたちに対して教育で、職業で、そして起業場での成功に続く道を提供することが目的だ。

それは明らかに目的を達することができている。組織は昨年オバマ政権の注意を引き、Weidman Powersに対して、当時の米国のCTO であるMegan Smithの上級顧問として6ヶ月の任期を務めるように求めた。先月、Code2040は、The Knight Foundation、The Sara and Evan Williams Foundation、その他からさらに560万ドルを調達した。これによって調達額の合計は700万ドル以上になった。

25/39 :Joyce Kim

コロンビア大学で訓練を受けた弁護士のJoyce Kimは、数年前、非営利のオープンソース決済ネットワークStellarを創業した。行政のサービスが行き届いていない層に対して、より簡便な送金手段を提供するためだ。Freestyle Capitalの顧問としても短期間働いていたKimは、SparkChain Capitalによってさらに大胆な行動を起こした。これはブロックチェーンや暗号通貨(通貨の取引)に関連する製品やサービスを開発する企業に対して、資金提供を行うベンチャーファンドだ。それを行うために1億ドルの資金調達を計画している。

彼女がこんなに忙しい理由は、Kimが10月にTCに語っている「私はシリコンバレー、アジア、そしてアフリカで働いています。そして、金融取引を行う際に個人が直面する本当にたくさんの課題を目撃して来ました。チャンスは本当に無限です」。

26/39 :Katrina Lake

Katrina Lakeは、何年も前に季節ごとの野菜が届けられるサービスに感銘を受けたと語る。このため、顧客宅に厳選した商品が届くサービスには可能性があると気付いたのだ。

彼女がそのアイデアを、データを活用したオンライン・スタイリング/小売会社のStitch Fixとして実現したのは2011年のことだった(毎月利用者の好みだと思われるものが送られて来て、気に入ったものを購入し、残りのものは無料で送り返すビジネスモデル)。そのときはまだハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の学生だったが、会社は設立以来順調に成長している。実際、今年ハイテク企業たちが公共市場で投資家たちから受けた不公平な評価にも関わらず、彼女はなんとか同社の上場を果たした。その株価は驚くようなものではないが、会社は成長を続けている。この四半期での収益は2億9500万ドルとなり、これは1年前と比べると25%高い数字だ。Stitch Fixはまた、現時点で5000人以上を雇用していることでも注目に値する。

27/39 :Stacy Brown-Philpot

2016年に、Stacy Brown-Philpotは、オンライン「タスク」マーケットプレイスTaskRabbitのCEOに任命された(それまで3年間COOとして勤務していた)、それ以前はGoogleで、7年間に渡り様々な役職を果たしていた。

このスタンフォード大学MBAは、この秋に同社をエグジットへと導いた。独立した会社で9年間営業する中でおよそ5000万ドル以上を調達した会社を、スウェーデンの家庭用品の巨人IKEAグループに売却したのだ(条件などは公表されていない)。

これはしっかりとしたマッチングに見える。IKEAは、徐々にホームサービスを拡大するアマゾンなどのライバルと競争するために、カスタマーサービスを強化する必要に迫られていた。とはいえ、TaskRabbitは独立した子会社としてBrown-Philpotの下で営業を続ける。彼女はHPとNordstromの取締役会にも名前を連ねている。

28/39 :Wang Xiaoyu

Wang Xiaoyuは北京大学で学び、CastBoxを起業するために2015年に退職するまではGoogleで働いていた。CastBoxはTED talksのような教育的ポッドキャストから人気のあるポッドキャストに至る、様々なオーディオコンテンツを提供するモバイルアプリである。リリースから数時間の内に聴くことができるようになる。

このサービスはヨーロッパと米国で特に人気がある。実際、AppleやXiaoyuの以前の雇用者であるGoogleからによるよる激しい競争にも関わらず、CastBoxは現在米国で10番目に人気のあるニュース&雑誌アプリだ(分析会社AppAnnie調べ)。現在までに、IDGキャピタルやGSRベンチャーなどから、1600万ドルの資金調達を行っている。リスナーと広告主の両方からのコンテンツの需要が高まるにつれて、より多くの投資家たちが集まって来るだろう。

29/39 :Elizabeth Stark

おそらくElizabeth Starkの名前を聞いたことがない人の方が多いだろう。しかし徐々にその名前を目にすることになるだろう。ハーバード大学で法学の学位を取得したStarkは、Bitcoinのような若いプロトコルであるLightning Labsの、共同創業者兼CEOである。同社はまだ資金調達を発表していない(シードラウンドは静かに行った)が、Starkは、例えば2012年のオンライン海賊行為防止法案反対運動の、初期の組織者といった顔を持つ、影響力のある人物だ。またオンライン動画での表現の自由を守る組織Open Video Allianceの共同創設者であり、スタンフォードのStart Xの元起業家メンバーであり、イェール大学のコンピュータ・サイエンスの元講師でもある。

30/39 :Anne Boden

Anne Bodenは、COOとして働いていたアイルランド最大の金融機関であるAllied Irish Bankを退職した直後の2014年に、モバイル専用銀行Starlingを設立した(彼女はまた、Royal Bank of Scotland、ABN Ambro、そしてAon Corpの役職も歴任している)。

3年後、物理的な店舗を持たないこの銀行は、100人余りの人員を雇用している、おそらくこれは、Starlingが銀行を経営するコストを下げ、顧客の資産を保全するためには程よい規模なのだ。

Bodenは、資金調達についても、できるだけシンプルにしている。これまでのところ、データを駆使する投資家Harald McPikeただ1人から、7000万ドルを調達しているだけだ。

31/39 :Abby Kearns

Abby Kearnsは、昨年末に非営利団体Cloud Foundry Foundationのエグゼクティブディレクターに就任した。そして事情を知る者たちによれば、今日のオープンソース界の最高の人物の1人である。

しかしそれは、Kearnsの昔のキャリアを知っている者たちを驚かせることはないだろう。Kearnsによれば、彼女はいつでも数学を楽しんでいて、高校生のときには学校のコンピュータの周りを離れず、大学でもコンピュータサイエンスを専攻したとのことだ。テクノロジー企業に勤めて、サポート業務から開始し、後にeコマースプラットフォームを立ち上げる前にはデータセンターの設計を行い、長期間にわたってVerizonのプロダクトマネジメント責任者を務めた。

最近のインタビューでは、Kearnsは以下のように語っている 「沢山の技術が、過去20年間で変化したり進化したりしてきましたが、変化していないものも沢山あります。そしてそれら全てが現在の私たちに関係しているのです」。

32/39 :Jean Liu

Jean Liuはゴールドマンサックスで12年間を過ごし、ついに2012年にはマネージングディレクターに就任した。しかし、彼女の最大の役割は、LiuがCOOとして2014年に加わった、Uberのライバル、Didi Chuxingでのものだ。現在Didiの社長を務めるLiuはUberを中国から追い出しただけでなく、会社の巨大な成長を指揮し、資金調達も行ってきた。

Didiは今週、新しい資金調達で40億ドルを獲得した。これには日本のソフトバンク、アブダビのMubadalaファンドが参加したと言われている。この取引ではDidiは560億ドルと評価されたとニューヨーク・タイムズ紙が報じている。

Apple、Alibaba Group、Tencent Holdingsのような他の支持者たちがすでに投資を行っている。新しいマーケットへの参入の野望を胸に、LiuはUber CEOの、Dara Khosrowshahiの動向を見張っているに違いない。

33/39 :Ankiti Bose

Ankiti Boseはそれを上手くやり遂げたのだろう。彼女はMcKinseyの経営コンサルタントとして2年を過ごした後、Sequoia Indiaのアナリストになった。しかしBoseは自身の起業家精神で挑戦をしたくなり、タイ、シンガポールそしてインドネシアで、ファッションセラーたちのためのマーケットプレースZilingoを共同創業した。これまではファッションを小さな店舗でオフラインで買うしかなかった人びとに、普及の進むスマートフォンでアクセスを行わせるという賭けに出てみたいと考えたのだ。

その賭けには勝てたようだ。ビジネスを急加速させたいストアオーナーたちが、Zilingoを利用する数の増加という意味でも、Bose自身にとっても。9月に行われたシリーズBの1800万ドルも含んで、Zilingoのこれまでの調達額は2800万ドルに達している。

34/39 :Radhika Ghai Aggarwal

Radhika Ghai Aggarwalは、6年前にインドのGurgaonで、オンライン電子商取引市場ShopCluesを共同創業した。同社のチーフビジネスオフィサーとして、彼女は今、遥かに多額の資金を調達しているFlipkartのようなインドのライバルに先んじて、上場を果たそうとしている(CrunchBaseによると、ShopCluesは約1億3900万ドルの資金調達を行っているが、Flipkartは40億ドル以上を調達している)。

彼女の会社は、こうした他の巨大企業たちに対抗して、どのように成長してきたのだろうか?近隣の地域ブランドに注目することによってだ。Aggarwalが、かつてインドのBusiness Timesに説明したように、ShopClueの大部分のビジネスは、収益も少ない小さな街から得られている。そうした地域では有名な名前かどうかということはあまり影響がないのだ。

「私たちが注力しているのは、マッキンゼーの中産階級ではなく、インドの中産階級なのです」と彼女は語った。

35/39 :Natalya Bailey

Natalya Baileyは、MITの宇宙推進研究所(Space Propulsion Laboratory)で博士号を取得したときには、自分はやがて教授になると考えていた。だがその代わりに、学校でのとあるプロジェクトが、Baileyを研究室仲間のLouis Pernaとパートナーを組ませ、小さな人工衛星のための推進システムを作る道へと導いた。その10セント硬貨ほどの大きさのロケットエンジンのために設立された会社、Accion Systemsは、Shasta Venturesを含む投資家たちから、1250万ドルの資金を調達している。

設立5年のこの会社は、今後も順調に進んでいけそうだ。世界は、防衛と商用アプリケーションのために、世界を70年にわたって利用して来たが、そうして最初に打ち上げられた巨大な衛星たちは、現在は遺物となっている。今日作られている、遥かに小さな人工衛星たちのことを思えば(数年のうちには毎年宇宙へ、数十万個も打ち上げられることになる)、その製造業者たちは安価で、信頼性が高く、そして丁度よいサイズのエンジンが必要になるのだ。

36/39 :Niniane Wang

今年は多くの女性たちが、セクシャルハラスメントについて発言をしてきた。しかしEvertoonの創業者兼CEOのNiniane Wangが、投資家Justin Caldbeckによってつきまとわれれ続けた話を公表することがなければ、他の発言たちもこんなに迅速に浮上して来なかったかもしれない(彼女の語ったところによれば、その話を公表しようと決心したことで、100時間にも及ぶ作業が必要になったということだ。そのなかには証拠集めから、タイムラインの構成、そしてCaldbeckのベンチャーファームに投資したリミテッドパートナーたちへの連絡作業などが含まれている)。

彼女の話はすぐにCaldbeckを止めただけでなく(彼はすぐにその職を辞した)、スタートアップにはびこる他の悪い輩(やから)を止めるために、他の人びとにも自分自身の話をすることを促した。

追加のボーナスとして、先月Wangは、携帯ゲームPokémon Goを開発するNianticに、彼女の5人の会社を委ねることにした。Ninanticが彼女のチームを将来のプロダクト開発のために、非公開の条件で買収したのだ。

37/39 :Sophie HersanとFanny Moizant

2009年にパリで創業されたVestiaire Collectiveは、ヨーロッパの代表的オンラインマーケットプレイスである。シャネル、セリーヌ、エルメスといったデザイナーブランドの、中古の服やアクセサリーの売買を通して、消費者たちに安いブランドの代替手段を与えている。

その背後には6人の創業者がいる。その中の1人Fanny Moizant(写真右)は以前ジョン・ガリアーノに勤務しており、もう1人のSophie Hersanは現在同社のアートディレクターを務めている(Hersenはこの春に女優のクロエ・セヴィニーを誘い、セヴィニーのお気に入りヴィンテージ部門を立ち上げた)。

投資家たちは彼らのビジョンに好感を抱いている。もちろん服やアクセサリーを売買する500万人の会員をVestiareが抱えていることを信頼しているのは言うまでもない。Vestiaireは先の1月に行われた、シリーズEでの6200万ドルの巨額の資金を含み、これまでに1億3000万ドルを投資家たちから調達している。

38/39 :Emmanuelle CharpentierとJennifer Doudna

2012年初めの頃、当時ほとんど知られていなかったフランスの微生物学者であったEmmanuelle Charpentier(写真左)は、卓越した生物学者であるカリフォルニア大学のJennifer Doudnaと、生物学上の巨大な発見についての共同研究を行っていた。任意の生物のDNAを変更(あるいは編集)する比較的簡単な方法についてだ。

引き伸ばされたDNAがスライスされ、ある塊へと刻むことができることを見出したのは、彼らだけではなかった。実際、彼らはまもなく、ハーバード大学やブロード研究所の、他の科学者たちとの激しい競争に晒されたのだ。

CRISPRという名前で知られるこの技術を巡って、それから様々な組織が関連した会社を起業してきた、その中にはDoudnaとCharpentierも含まれている。彼らはまだ友人だが、それぞれ競合する組織を経営している。それでも両者は依然として、いわゆるCRISPR技術とその進展に大きな責任を持ち、前進を続けている。例えば、Charpentierの会社であるCrispr Therapeuticsは、現在βサラセミア病の治療のための、最初の治験を計画している。

39/39 :Susan Fowler

Uberのセクシャルハラスメント問題を公表したソフトウェアエンジニアSusan Fowlerのストーリーは、圧倒的な力をはね退けただけではなく、スタートアップ業界全体に衝撃波を送った。もうすぐ映画化もされる。バーン!。

[原文へ]

(翻訳:sako)