Mantraがマンガ特化の多言語翻訳システムで小学館「マンガワン」英語版展開を支援、海賊版サイトの作品取り下げにも寄与

暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.11.8~11.14)

マンガに特化したAI翻訳技術の研究・開発を行うMantra(マントラ)は11月1日、小学館のマンガ配信サイト「マンガワン」の英語版展開を、多言語翻訳システム「Mantra Engine」で支援すると発表。共同による取り組みを開始した。


マンガワンの海外展開は、海外で広く普及している海賊版への対処でもある。Mantraが2021年に行った調査では、小学館が出版したマンガのうち、正規の手続きを踏んで翻訳された公式版に対して、海外海賊版は約5倍の量が流通していることがわかった。なかでも、「ケンガンアシュラ」と「ケンガンオメガ」のシリーズは、確認できた海外海賊版サイトだけでも閲覧回数が1億回を超えていた。

ただ、海賊版の制作者に対するアンケートでは、公式な翻訳版がないためという回答が67.7%あり、大好きなマンガを広めたいという気持ちが強い熱烈なファンによる行為であることがわかる。その証拠に、「ケンガンアシュラ」「ケンガンオメガ」の公式な翻訳版の配信予定が発表されると、海外海賊版制作グループは海賊版の制作を停止し、公開済みエピソードの配信取り下げを発表したという。

小学館では、そうした熱烈なファンの力を活用して、正規の翻訳版制作に取り組んでいる。上記の理由から、公式版の公開が急がれるが、そこでMantra Engineの能力が活かされることになる。このシステムでは、翻訳担当者に原稿データを送ることなくウェブブラウザー上で作業が行えるほか、AI技術による支援機能により安全性と効率性が両立され、制作時間が従来の約半分に短縮されるとのことだ。

翻訳を行うのは、Mantraが個別に面談し協力を依頼したマンガファン。彼らはMantra Engineで作業を行った英語版は、英語圏向けマンガ配信サービス「Comikey」から日本語版と同時に公開される。

日本初の「レーザーミニ四駆」デジタルサーキットがグランツリー武蔵小杉に11月17日オープン

おもちゃ売り場と遊び場が融合した新感覚デジタルキッズパーク「TOYLO PARK powered by リトルプラネット グランツリー武蔵小杉」が、11月17日、神奈川県川崎市にオープンするが、ここに、先日TechCrunchでもお知らせした「MINI 4WD LASER CIRCUIT」が日本で初めて登場することになった。

MINI 4WD LASER CIRCUITは、小学館の「コロコロコミック」とタミヤが展開する新世代のミニ四駆シリーズ「レーザーミニ四駆」のレースが体験できる拡張現実(AR)、プロジェクションマッピング、センサー技術を駆使したアトラクション。ミニ四駆の軌跡がカラフルな光となってコースに現れるなど、アニメの世界が現実になったような最先端のデジタルサーキットだ。

「TOYLO PARK」(トイロパーク)は、遊びが学びに変わる次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を全国9カ所に展開するプレースホルダによる、おもちゃと子ども用品のコンセプトフロア。武蔵小杉は、これは、神奈川県の「イトーヨーカドー大和鶴間店」に次ぐ全国2カ所目となる。

次世代型テーマパーク「リトルプラネット」が「レーザーミニ四駆」向けにXR技術採用したデジタルコース開発に着手

次世代型テーマパーク「リトルプラネット」が「レーザーミニ四駆」向けにXR技術採用したデジタルコース開発に着手

子どもの探究心を刺激するファミリー向け次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を展開するプレースホルダは8月30日、マンガ誌「コロコロコミック」とタミヤが展開する次世代のミニ四駆シリーズ「レーザーミニ四駆」の体験拡張コンテンツとして、XR技術を用いた最先端のデジタルコース「MINI4WD LASER CIRCUIT」を開発すると発表した。

タミヤはミニ四駆の新シリーズ「レーザーミニ四駆」を8月に発売開始し、同時に小学館の「月刊コロコロコミック」では9月号からこのレーザーミニ四駆を題材にした新連載「MINI4KING」(ミニヨンキング)が始まった。これを受けてプレースホルダは、XR技術を使って、アニメやマンガのような演出効果を見られるデジタルコース「MINI4WD LASER CIRCUIT」を開発する。

そのプロトタイプがYouTubeの「コロコロコミック』」公式チャンネル「レーザーミニ四駆第一弾!ロードスピリット発売記念生配信」で公開されているが(1:32:50あたりから登場)、このプロトタイプでは、プロジェクションマッピングとセンサー技術を駆使し、ミニ四駆が走ると光の軌跡が現れたり、コース中央に走行タイムが表示されたりする。「MINI4WD LASER CIRCUIT」は、さらにデジタル演出を加えて完成を目指すとのことだ。

2016年9月設立のプレースホルダは、2018年より「遊びが学びに変わる」をコンセプトとする次世代型テーマパークとして、リトルプラネットの運営を開始。建築士、ゲームプログラマー、元幼稚園教諭、大手テーマパーク従事者など多様なスキルを持つ人材を擁し、デジタルアトラクションの企画開発から施設設計、パーク運営までを内製している(一部パークのみライセンスパートナーとの共同運営)。

また2020年より、これまでに培った知見やノウハウを活かし店舗や商業施設、保育施設、イベント会場などで新たなキッズ・ファミリー体験を生み出すエクスペリエンスデザイン事業を本格的に開始。あらゆる空間において、デジタルとリアルが融合したこれまでにない体験を提供しているという。

リトルプラネットは、デジタル技術を駆使して子どもたちの探究心や創造力を刺激するという、新タイプのファミリー向けテーマパーク。砂遊びや紙相撲、影絵遊びといった昔ながらの遊びにテクノロジーを融合させたアトラクションを通じて、子どもたちに「未来のアソビ」を提供する。現在、首都圏のほか大阪・名古屋など全国9カ所(ショップ融合型パークを含む)に常設パークを展開している。