本はまだ死んでいない―、ウェブメディアが出版業をはじめた理由

【編集部注】執筆者のChris Lavergneは、Thought.isのCEOでThought Catalogの創設者でもある。

2012年に私たちはThought Catalog Booksをローンチした。それ以前に、Thought Catalogと名付けられたウェブサイトを通して、ウェブ用の短い文章に関する技術をマスターした私達には、新たな挑戦が必要だったのだ。本を出版することで、デジタル出版という時流に乗ったThought Catalogブランドの対極にある、もっと観想的なブランドを構築しようというのが、Thought Catalog Books設立の狙いだった。

私たちはスタートアップを設立することで、あるふたつの問いに対する答えを見つけようとしていた。そのうちのひとつが、アルゴリズムとソーシャルメディアの時代に、クリエイティビティや知性の高さが重要視されるような世界を創り出すことができるか。そしてもうひとつが、広告主ではなく読者に焦点を当てた出版モデルを構築できるか、というものだ。

Thought Catalog Booksのことは、ウェブサイト(Thought Catalog)との関係性の中で捉えなければいけない。というのも2010年のローンチ当時、同ウェブサイトは、バイラルパブリッシャーではなかったからだ。”Thought Catalog”という名前からも、バイラルメディアというトレンドへの展望を持っていなかったことがハッキリわかるだろう。つまりThought Catalogは、”実験的なカルチュラルマガジン”として作られたのだ。

しかし、ジャーナリスティックな文章を使った実験的な試みは、悲惨な結果を生むことになった。ミュージシャンの特集書評カルチュラル・スタディーズといった内容の長い文章ではお金にならないため、私たちは方向転換を余儀なくされたのだ。すると、Facebookのデータを基にした読者層に関する情報が私たちにとっての出版社となり、Googleのデータがエディター・イン・チーフ、Twitterがマネージング・エディターに取って代わることとなった。その結果、Thought Catalogはソーシャルメディアの情報の上に成り立つウェブマガジンの先駆けとなり、BuzzFeedやその他のメディアと共に、デジタルパブリッシング初のゴールドラッシュを迎えた

しかし、お金だけが目的だったわけではない。どんな企業にとっても資本は重要だが、私たちはもっと崇高なゴールも持っていた。(ただの訪問者ではない)読者、芸術的な評価、ソーシャルメディア上のLike以外のものを私たちは求めていたのだ。このような欲求こそが、コンテンツ企業をメディア企業と区別するものであり、私たちは自分たちのことを後者として捉えていた。資金豊富なメディア企業は、”重要な文章”とされているものを、赤字覚悟の客寄せパンダとして使ってこの問題に対処しているが、自己資金で運営を賄っている私たちには、赤字を垂れ流す余裕はなかった。そこで、以下のふたつの理由から、本の出版を行おうと決めたのだ。

  • 本の出版には、長い文章の方が適している。5000ワードのウェブ記事の執筆を、1ワードあたり1ドルで外注した場合、広告を最適化したとしても、費用を回収するために約100万PV必要になる。バイラル化を目的としたリスト記事でも、なかなか100万PVに到達することはなく、調査報道や綿密につくり上げられた創作物であれば、なおさらそれは難しい。一方、本の出版であれば、4.99ドルの電子書籍を2000冊売るだけで投資分を回収できるのだ。
  • 書籍の形をとることで、ビジュアル面にもお金をかけることができる。ウェブ出版は執筆周りのコストを削減するだけでなく、文章に彩りを添える複雑なビジュアルの必要性さえ縮小させたのだ。現代のビジュアル界では、携帯電話上で作られたミームが、素晴らしいアーティストによって描かれた美しいイラストよりも多くのビュー数と利益を生み出すということがよくある。ウェブ上の経済がこのような状態を作り出したのだが、本のカバーやパッケージに関しては、目を引くようなビジュアルのためであれば予算を割くことができる。使い古された言葉だが、本当に人はカバーから本を判断するものなのだ。

上記から、本が私たちにとって最適なプラットフォームだと判断した。本の出版は、シンプルなお金の流れ、ビジュアルや文章のあり方への影響力、マーケットフィットを兼ね備えている。これこそ、私たちが過去5年間に業界全体に関して学んだ教訓だ。

メッセージとしての媒体

紙の本と電子書籍が、それぞれに独自のオペレーションモデルを持った、ほぼ別領域のビジネスであると知ったとき、私たちは驚いた。消費者に届けられるコンテンツは同じだが、両者はそれぞれのフォーマットを反映した正反対の性質を持っている。高級品としての書籍と実用品としての電子書籍。この性質の違いが、マーケティングや製造面における戦略・ワークフローに大きな違いをもたらしているのだ。

以下が、私たちの考える両媒体の違いだ。


この性質の違いは、消費者行動からも見て取れる。安価で即座にアクセスできる電子書籍は、一般的に紙の本に比べて6倍近い数が売れると言われている。その一方で、販売額に関して言えば、物理的な本は電子書籍の7倍だ。電子書籍から大きな売上を上げるのは難しい。というのも電子書籍の目的は、早く・安くコンテンツを提供することだからだ。逆にデジタル時代における紙の本は、紙の方が読みやすいという人や、ページをめくる感覚が好きだといった人を対象とした高級品として存在している。

そういった意味では、紙の本については今以上の実用性はそこまで望めないが、その分高級品としての機能でカバーできる。 恐らくこの考え方は、Thought Catalog Booksの成長を支えてきた重要な要素のひとつだ。つまり、紙の本を出版する主体は、高級品を販売している企業と同じように運営されなければならない一方で、電子書籍を扱う主体はテック企業のようなスタイルをとるべきなのだ。コンテンツは同じでも、媒体によってビジネスモデルは全く違うということだ。

書籍出版の驚くべき経済的メリット

思慮深い広告主は紙の本を気に入っているようで、Thought Catalog BooksはThought Catalogの営業部隊にとって、重要なツールになっている。ウェブ上のネイティブコンテンツは、短い物語を伝えるのには効果的だが、もっと深い物語を伝えようとしている企業にとっては、紙の本こそ完璧な媒体なのだ。ネイティブコンテンツやスポンサードコンテンツだと、読者(もしくは訪問者)がコンテンツに触れ合う時間は数分間程度しかない。しかし紙の本という、時代を超えて愛されているストーリーテリングの手段を利用することで、広告主はもっと深いところでブランドを構築できる可能性がある。実際に紙の本の読者は、一冊の本を読むことに何日とは言わずとも、何時間かを費やし、本自体は持ち主の本棚に一生残る可能性もある。

スポンサー付の本の販売だけでなく、私たちは現在爆発的に広まっているオーディオブックにも大きな売上のチャンスが眠っていると考えている。さらに、昔から存在する書籍の映画化にもまだまだ可能性がある。

書籍出版の世界にも存在する赤字覚悟の作品

商業的な成功と芸術を貫き通すという精神というのは、なかなか両立が難しいものだ。確かにホメーロスやシェイクスピタ、ヴァージニア・ウルフ、ジョナサン・フランゼンを含め、傑作は発表直後から”売れる”というのは間違いない。特にフィクション作品に関して言えば、傑作は発表直後から傑作として扱われることが多い。

そうは言っても、売上という側面ではフィクション作品に劣る、哲学やジャーナリズム、伝記といったジャンルの作品も、社会的には大きな意味を持っている。このような作品は、洗練された数学の問題のようなもので、ほとんどの人には関係がなくとも、アプローチの方法を知っている人にとっては大変有用なものなのだ。

そのような作品の例となる、Elizabeth Wurtzelが書いたメディア論の傑作Creatocracyや、自殺に関する悲痛な調査をまとめたSimon CritchleyのSuicide、ニューヨークのクイーンズにある悪名高いCreedmoor精神病院を描いたSabine HeinleinのThe Orphan Zooなどは、たとえポップカルチャーや市場の大部分が求めるものには合致していなくとも、お金には代え難い価値を持っている。本を出版することで、このような作品を世に送り出す手助けができ、著者にしっかりとお金を払い、恐らく利益は出せずとも、作品を求める人のところに届け、一冊の本というきちんとした形に残すことができるのだ。

Amazonも恐るるに足らず

Amazonは出版ビジネスのあらゆる側面に深く関わっているため、独占企業であるかのように感じられる。しかしAmazonの力も、以下の3つの重要な点において無限ではないと言える。

電子書籍市場における、Amazonにとっての本当の競合サービスはiBooksだ。Publishing Technologyが2014年に発表した調査では、iBooksが電子書籍市場の31%を占めるとされている。この数字は、電子書籍売上の33%がiBooks経由という、私たちの2016年のデータとほぼ一致する。さらに、消費者が従来の電子書籍リーダーを離れ、携帯電話やパソコンで本を読むようになっている中、この分野ではAmazonに大きく水をあけているAppleのiBooksが、さらに成長を続ける可能性が高い。

また、四大出版社のことも無視できない。Amazonは常に出版社という”門番”を取り除いて、著者と読者を直接結びつけることを夢見てきた。しかし、誰かにお気に入りの本は何かと尋ねたとき、その本が自費出版されたものである確率は、誰かのお気に入りのテレビシリーズがYouTubeシリーズである確率と同じくらいだ。現実として大手出版社は、映画やテレビ業界のように、クリエイティビティと資金のどちらの面においても、業界の中での重要な役割を担っているのだ。その役割は今後も変わることはないだろう。

そして電子書籍の人気が高まる中、Amazon上で紙の本を販売することの意味が薄れてきているのかもしれない。Thought Catalog Booksが製作する電子書籍や一部の紙の本に関して言えば、Amazonは夢のような流通パートナーだ。その一方で、高品質な書籍に関しては、私たちがAmazonと手を組む意味はあまりない。自前のサイトやインディペンデントな書店を通して書籍を販売した方が、私たち独自の色を演出することができるからだ。書籍が本当の意味での高級品だとすれば、ハイブランドがAmazon上で商品を販売しないように、スペシャルティ出版社としての私たちも、自社の商品をAmazonでは販売したくないと考えている。大手出版社もいつかはこのような動きをとり、少なくともAmazon上での販売数を制限するような施策に打って出るかもしれない。

本の明るい未来

Richard Nashは『What is the Business of Literature』の中で、「映像や音声がないというのは、本の機能であり、欠陥ではない」と記している。これこそまさに、Thought Catalogの出版に対する考え方だ。本は古びれたテクノロジーではなく、むしろ最先端のテクノロジーだ。実際のところ、本は現在世にでているものの中でも最高のVRマシンなのだ。Oculus RiftのようなVRデバイスが、ユーザーの脳を包みこんで別の世界を映し出す一方、本は読者の脳を働かせ、彼らと本の創造的なやりとりを通して、違う世界を映し出している。

書籍の存続というのは、出版社にとっては良い知らせとなるだろうが、私たちのような企業がFacebookや従来のテック企業のように驚くべきスピードで成長することはない。短期間での急激な成長というのがテック企業の魅力である一方、出版の世界では、深い関わり合いこそが重要なのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

日本人起業家がアジアで挑む広告プラットフォーム「AdAsia」が約13.6億円を調達

AdAsiaはシンガポールに拠点を置く、創業1年のスタートアップだ。AdAsiaはシリーズAラウンドでJAFCOから総額1200万ドル(約13.6億円)を調達した。

AdAsiaは2016年4月にCEOの十河宏輔氏が創業した会社だ。十河氏は、アドプラットフォーム事業などを展開するマイクロアドでAPACのマネージングディレクターを務めた経験がある。また、COOの小堤音彦氏もマイクロアドのベトナム事業に携わっていた。AdAsiaではリアルタイム広告取引、ソーシャルターゲティングの他、Adwords、DoubleClick、Facebook広告といった大型の広告取引といった機能を一括で管理できる広告プラットフォームを提供している。また、動画やモバイル向けのソリューションやインフルエンサー・マーケティング・プログラムも用意している。

事業を開始してから1年ほどだが、十河氏はAdAsiaはすでに利益を出しているとTechCrunchの取材に話した。2016年4月から12月の売上高は1200万ドルを達成し、毎月20%から30%のスピードで伸びているという。今年は年間売上3000万ドルを目指していて、現在300社のクライアントを抱えている。

AdAsiaはシンガポールに本社を構え、台湾、カンボジア、ベトナム(2カ所)、インドネシア、タイにオフィスを開設している。今回調達した資金は、中国(上海)、香港、フィリピン、マレージア、日本で事業を展開するために充てる。現在、合計で80名のスタッフを抱え、今年30歳になる十河氏は、来年末までにスタッフの人数を400人規模にしたいと話す。

シリーズAで調達した資金は、AdAsiaの既存の広告商品と将来提供予定の商品における機械学習と人工知能(AI)の機能を改善することにも充てる計画だ。そのためにベトナムに開発センターを開設するという。

「アジアで最大級の広告テクノロジー企業になるためにマーケットシェアを拡大していきたいと考えています。それを進めていくための調達です」と十河氏は言う。

東南アジアではデジタル広告というコンセプト自体まだ根付き始めたばかりであり、AdAsiaはそこでマーケットシェアを拡大したい考えだ。一方で、中国のデジタル広告市場はすでに飽和しつつあり、そこでマーケットシェアを獲得するハードルは高いかもしれない。十河氏は、中国市場でマーケットシェアを大幅に得るのは難しいと認めつつも、例えばTencentといった大手プレイヤーと連携することで「多少はマーケットシェアを獲得し、収益を得られるだろう」と話す。

この野心的な企業はすでにエグジットの選択肢も検討しているようだ。 十河氏は2019年、早ければ来年にも香港、あるいは日本でのIPOを視野に入れている。アメリカで上場する可能性については否定しなかったのも、それに関しては「考える必要があります」とTechCrunchに話した。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Facebook Collectionは4種類のアイテムを表示―ショーウィンドウ的モバイル広告が登場

Facebookは広告主が販売したい商品4種をまとめて掲出できる新しい広告フォーマット、コレクション(Collection)を導入した。

広告形式に関する前回の大きなアップデートは昨年のキャンバス広告の追加だった。これは高速でロードできるリッチメディアが利用できるフルスクリーン広告だ。キャンバスと同様、コレクションもモバイル専用フォーマットで、ユーザーが商品を見るために広告主のサイトに移動してFacebookアプリから出てしまうのを防ぐのが狙いだ。

Facebookの収益化のディレクター、Maz Sharafiは私の取材に対して「コレクションはユーザーにとっては新しいショッピング体験を、広告主にとっては商品の発見と販売のチャンスを提供するすばらしいツールだ」と述べた。コレクションはまた広告主自身が簡単に設定できるようデザインされている。つまり広告主が多数のアイテムを販売している場合でも、どれを選んだよいかという面倒な作業をFacebookが肩代わりしてくれる。

Sharafiによるとコレクション広告はいくつも大きなトレンドに従ったものだという。まずショッピングが急速にモバイル化しており、しかもビデオや反応時間の短縮がますます重要となりつつある。

コレクション広告はニュースフィード中に表示される。ビデオないし写真の下に4種類のアイテムが広告される。ユーザーが広告をタップすると最大50種類までのアイテムを含むカタログ・ページにジャンプする。さらにアイテムの一つをタップすると広告主のサイトまたは専用アプリに遷移し、購入手続きに移れる。

Sharafiによれば広告主はトップに表示される4種類のアイテムを自分で選ぶ必要があるが、カタログに表示されるアイテムはFacebookのシステムが自動的に選択するという。この選択は広告主側のポリシーやユーザー・ターゲティングをベースに「消費者にとってもっとも価値が高いような品目が選ばれる」という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeが悪質なビデオにも広告を流すことに怒って今度はAT&TとVerizonがGoogleへの広告出稿をボイコット

YouTubeがテロやヘイトスピーチを称揚するビデオに今でもまだ広告を平気で流しているとして、Googleからディスプレイ広告を引き上げる闘争に、今度はAT&TとVerizonが参戦してきた。

この二つの通信大手は水曜日(米国時間3/22)に発表した声明で、広告が良からぬコンテンツの前に流されることはない、と確信できるまでは、YouTubeとGoogleのディスプレイネットワーク上の広告を停止する、と述べている。

問題が表沙汰になったのは、先週のThe Timesの記事が契機だ。その記事は、Googleの、プログラムで動いている広告ツールが、テロリストやヘイトグループのビデオの前に広告が出ることを防いでいない、と批判している。

それに応じてGoogleは、広告がどこに出るかを広告主である企業がコントロールできるようにし、また良からぬ場所に広告が出たら警報が来るようにする、と約束した。

Googleのスポークスパーソンは本誌にこう述べた: “個々の顧客についてコメントはしないが、前に発表したとおり私共は今、弊社の広告ポリシーを全面的に見直し始めており、また、企業が広告の出現場所をコントロールできるようにすることに、弊社企業の公共的義務として取り組んでいる。また私共の広告ポリシーをより厳格にして、広告主とそのブランドの安全性をより高めていきたい”。

しかし、AT&TとVerizonが広告ボイコットに加わったことが示しているように、アドバタイザーズはまだGoogleの取り組みに満足していない。これによりGoogleの広告収入の減収もありえるだろう。Bloombergが引用しているKantar Mediaのデータによると、VerizonとAT&Tはそれぞれ、アメリカで三番目と四番目に大きい広告出稿者であり、AT&T一社で昨年は、9億4196万ドルを広告に支出している。

さまざまな企業や団体がすでにGoogleの広告をボイコットしており、それらにはイギリス政府、Havas SA(広告/マーケティング代理店), Sainbury’s, Toyota Motor, Volkswagen, GlaxoSmithKline, 放送のBBC, 新聞のGuardianなども含まれている。

AT&Tはメディア上に発表した声明で、こう述べている: “弊社の広告がテロや憎悪を称揚するYouTubeコンテンツに表示されたかもしれないことを、深く懸念している。それが二度と起きないとGoogleが確約するまでは、Googleの検索以外のプラットホームから広告を取り去る所存である”。

Verizonの声明はこうだ: “弊社は弊社のブランドイメージが毀損されないよう、細心の注意を払っている。弊社の広告が、罰せられるべきWebサイトに出現したことを告げられたとき、弊社は敏速に反応してそれらへの広告掲載を中断し、調査を開始した。今弊社はデジタル広告のパートナー全員と協力して弱いリンクを突き止め、このようなことが今後二度と起きないよう努力している”。

情報開示: TechCrunchはAOLが保有し, AOLはVerizonの企業である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AdobeのAdvertising Cloudで多様なネットメディアへの広告費支出を総合的に管理し最適化できる

ここ数年Adobeは、インターネット上の広告の効果測定や管理を改善する方法を模索していた。今日(米国時間3/20)同社は、ラスベガスで行われたAdobe Summitで、企業やアドバタイザーズがさまざまなチャネルに広告を掲載していく場合の費用を最適化するための、Advertising Cloudと名付けたプラットホームを立ち上げた。

AdobeはAdvertising Cloudの前段階として、Marketing Cloudをローンチしている。2009年のOmnitureの買収を契機として、同社は製品ラインに、数々のアナリティクスやメディア最適化、コンテンツ管理、などの機能を加えてきた。

さらに数か月前には、Adobeはビデオ広告のTubeMogulを買収した。この買い物で同社には、ビデオ広告や、あるいはリニアTV(の広告)すら、管理できるようになった。

Advertising Cloudの主な中身は、これらの機能をまとめたもので、アドバタイザーズや企業が単一のダッシュボードから、検索広告やディスプレイ広告、ソーシャルチャネルやビデオチャネル等への広告費支出を、管理し最適化できるようになる。

広告の世界はますます断片化しているから、広告キャンペーンの効果などを正しく評価できるためには統一的総合的な視野が必要だ。Adobeは、これまでなかった、そんな視野を提供しようとしている。いろんなマーケティングチャネルの多点観測ではなく、複数のチャネルにまたがるクロスチャネルなサポートを、Adobeは提供しようとしているのだ。

TubemogulのCEOで今ではAdobe Advertising Cloud担当VP兼ゼネラルマネージャーのBrett Wilsonによると、クロスチャネルなサポートによりアドバタイザーズは、Google, Facebook, Twitter, Snapのビデオ広告、リニアTVなどなどのスペースを総合的にまとめて一度に買えるようになる。

また、複数のチャネルにまたがる支出を最適化できるだけでなく、広告そのものの最適化もできる、とAdobeは考えている。具体的には、同社のCreative Cloudの動的なクリエイティブ最適化プロダクトにより、個人化された広告を作れる、と言うのだ。

すでにAllstate, Ford, Liberty Mutual, MGM, Southwest Airlinesなどの企業が、このプラットホームを利用して年間35億ドルの広告費支出を管理している。しかしテレビ広告が加わったことによって、さらに大きな機会が前方に見えてきた、と言える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

お金を払って新聞を読む人が増えている

Newsboy wearing flat hat holding newspaper and shouting to sell.Megaphone in right hand, and newspapers in left hand.Model is wearing red suspenders.The image was shot with Hasselblad H4D

これからは「新聞業界は死んだ」とは言えないだろう。Nielsen Scarboroughによる最近の調査によれば、アメリカでは1億6900万人の成人が毎月、紙媒体、オンライン、そしてモバイルで新聞を購読しているという。これは全人口の約70%もの数字だ。

昨年11月、新たに13万人がThe New York Timesを購読し始めた ― 月ごとの購読者の伸び率で比べると、これまでの10倍の数字にもなる。The Wall Street Journalの購読者数は300%上昇、LA Timesでは61%、そしてVanity Fairは1日で1万3000人の購読者を獲得している。非営利のWashington Postは新たに60人のライターを雇い入れた。そしてNPRは先日、「Big Newspapers Are Booming(大手新聞社が大いに好調)」と報じていた。

もちろん、これらの新聞社に新たに加わった事業責任者たちの功績は大きい。しかし、何も政治的な要因だけが理由なのではない。あらゆる分野で、読者に支えられたパブリッシャーたちが復活の兆しを見せているのだ。

例えば、テクノロジー業界ではJessica Lessin氏が立ち上げた新進気鋭のThe Informationの好調さが目立つ(The Informationは会員限定のサービスだ)。そして彼らはいま、シリコンバレーで第2の規模のテックレポーター・チームを抱えている。また、毎年100ドルを払ってでもBen Thompson氏のニュースレター、Stratecheryを読みたいと思っている人が何千人もいる。

読者たち、そしてパブリッシャーたちは、なぜ広告ベースのビジネスモデルよりも有料会員制のモデルを好むのだろうか?その理由として挙げられるのはいくつかあるが、オンライン広告業界に漂う不穏な空気がその中でも大きな理由だ。

人間は広告が大嫌いな生き物だ。今年、アメリカでは8000万人以上の人々が広告ブロック機能を使用するといわれ、それによってメディア企業は約1000万ドルの収益を失う見込みだ。「ネイティブ・アド」という言葉を頻繁に聞くようになったが、それでもなおポップアップ広告の勢力は衰えていない。

広告に関しては、メディアが「完全に不干渉」でいることこそが購読者を増やす道だと主張する人々は多い。Googleでさえ、それを実践している ― YouTube Redを例にしてみると、同サイトの広告には狡猾とも言える手口が大いに利用されている。まるで、コンテンツのプロバイダーがクリック製造業者のように感じるほどだ。Ex-politicoのプレジデント、Jim VandeHei氏はそれを「Crap Trap(場当たり的なトラップ)」と呼ぶ。

MediumのEv Williams氏は、同社が社内の人事政策を発表したプログポストでこの問題について触れている:「私たちはこれまで、プロダクトの販売推進とサポート拡充のためにチームを強化してきました。しかし、そのプロダクトとは、良く言っても従来の広告型モデルが少し改善したくらいなもので、私たちが目指す革新的なプロダクトからは程遠いものでした。このモデルをこれ以上推進すれば、私たちは壊れたシステムを拡大するという失敗を犯してしまう可能性があります。たとえ、それがビジネス的には上手くいっていたとしてもです」。当然と言えば当然ではあるが、彼はこの後にサブスクリプション型のプロダクトをこの夏にローンチすると発表している。

広告はヒドいものだ、そして、広告収入は一定しないことで有名だというのは分かった。でも、それ以外に何がこの業界で起こっているのだろうか?

壊れた広告システムにパブリッシャーたちが厳しい目を向け始めたのと同じ頃、有料の会員制サービスに喜んでお金を支払うという新しいタイプの消費者が増えてきた ― SpotifyやNetflix、飲食品の宅配サービスやプロダクティビティ・アプリに料金を支払う消費者がその例だ。サービス内容がタイムリーかつ有益で、消費者に寄り添ったものでありさえすれば、彼らは進んでその対価を支払う。今では、ミレニアル世代の4分の1が毎日のように新聞を購読していると言われている。

「インターネットへのアクセスをもつ人々の数は膨大です。また、多くの少数派の人々が満足のいくサービスを受けていないという現状もあります。アドバタイザーにとって、それらのニッチ市場は小さすぎるからです」とBen Thompson氏は語る。

Adobe、Dollar Shave Club、Weekly Standardなど、会員制のサービスは収益予測をたてやすい。その特色を利用することで、彼らはオーディエンスに寄り添ったサービスや個性的な新機能を生み出している(The New York Timesは、クロスワードパズルのアプリだけで一定の収益をあげている)。また、それにより彼らは「Crap Trap」を避けることもできる。

Jessica Lessin氏がこう語る:「私は今でも、広告に頼らないビジネスを構築するほうがずっと安全だと信じています。そうすることで、読者に提供するバリューに100%集中することができるからです。それこそが、読者に過去よりもよりスマートで、かつ有益な情報を届けることができる唯一の方法なのです」。

もちろん、広告それ自体が無くなることはない。しかし、今後サブスクリプション型のモデルがより普及するにつれて、読者とパブリッシャーとの関係はその双方にメリットを与えることになるだろう。パブリッシャーは会員たちの行動により注目するようになり、スライドショーのようにページを表示することで稼ぐPV数などではなく、例えばユーザーの滞在時間など、より意味のある評価指標を重視するようになるだろう。

「広告は以前としてビジネスには欠かせないものではあるものの、それに対する依存度を下げることはパブリッシャーにとって重要な戦略的目標です」とNewsonomicsのKen Doctor氏は話す。「ハイクオリティなコンテンツやプロダクトを提供することによって読者から得られる収益は、広告収入よりもずっと安定した収益源なのです」。

もちろん、紙媒体の広告で収益を得る時代からデジタルな時代へと移り変わるなか、新聞業界には今も向かい風が吹いている。しかし、スマートなサービスには対価を払う消費者も徐々に増えてきているのも事実だ。健全で、かつ独立したパブリッシャーたちにとって、それは良いニュースなのだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

今や無視率の高いネット広告、フィジカルな郵便物を併用して消費者のエンゲージを高めるPebblePostがシリーズBで$15Mを調達する好成績

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PebblePostは、印刷物のはがきやカタログにマーケティングの大きな機会がある、と信じている。

しかも同社は今日(米国時間2/27)、シリーズBで1500万ドルを調達した。このラウンドはRRE Venturesがリードし、Greycroft PartnersとTribeca Venturesが参加した。RREのJim Robinsonが、PebblePostの取締役会に加わる。

PebblePostは自分たちのサービスを、“プログラミングされたダイレクトメール(DM)”と呼ぶ。見込み客のネット上のアクティビティに基づいて特製されたフォローアップを送るのだ。たとえばあなたがどこかのお店のWebサイトを見ていたら、数日後にはそこの商品を紹介するはがきが来る。たぶんディスカウントもあるだろう。

CEOのLewis Gershは以前、シード投資専門のVC Metamorphic Ventures(今の名はCompound)のファウンダーだった。彼によるとそこでは、ターゲティング広告のこの国最大のポートフォリオを作った。つまりユーザーのネット上のビヘイビアを使って広告のターゲティングを行う企業だ。広告企業はiSocket, Mass Relevance, Movable Inkなどに投資していた。でも彼が悟ったのは、デジタル広告が今では“ジャンクメールの一種”になっていることだ。マーケターたちの競争激化で、広告が多すぎるのだ。

PebblePost

Gershが気づいた問題点は、“今はそれどころじゃない”という状況の人たちにも勝手に広告が表示されることだ。当然、それらは無視される。一方、フィジカルな郵便物は、どこかに重ねておいて、ひまなときに見る、というアクセスをされる。すなわち、意思が見る人の側にある。だから、ブランドのメッセージに目を留めて、実際に買い物をする確率も高い。勝手で一方的なネット広告よりは、断然良いメディアだ。

ただし、ユーザーがネットで見ていた品目を、はがきでまた念押しする必要はない。むしろ関連商品を紹介した方が、好感を持たれる。フィジカルな郵便物でも、しつこいのは嫌われる。同じ品目が来ると、気味悪いと思う人もいる。

Gershは曰く、“ユーザーが製品に関心を持ってくれたら、そこは到達点ではなくてむしろ、そこから対話が始まる。PebblePostでは、ブランドが消費者とのそういう対話を継続することができる”。

また印刷物の郵便物には、ネットで問題になる詐欺などのトラブルがない。郵便物はネット広告と違って誰もが一応見てチェックするし、ボットが郵便受けに侵入することはない。そう、彼は主張する。

PebblePostのフィジカルな郵便物はその7〜10%が購買に結びついているそうだから、たいへん好成績だ(上で述べたように、品目の選定が重要だが)。同社はこの前800万ドルを調達し、また顧客はBoxed, Saatchi Art, ModClothなどのショッピングサイトが主だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookが動画内に挿入できる広告ブレークを導入へ―、広告収益の55%がクリエイターのもとに

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Facebookは本日(米国時間2月23日)、数社のパートナー企業を対象に、動画の最中に表示される広告ブレークのテストを開始したと発表した。広告収益のうち55%はビデオを提供している企業が受け取り、残りの45%がFacebookのポケットに入ることになる。広告ブレークの導入により、Facebook向けコンテンツをつくる人が増える可能性があると共に、ユーザーに広告を最後まで見せるため、今後動画の構成が変わっていくかもしれない。

動画をアップする企業や個人は、どこに広告を挿入するか選ぶことができるが、少なくとも20秒の尺をとって各広告の間隔は2分以上空いていなければいけない。ちなみに広告ブレークの導入については、先月Recodeが報じていた。

サードパーティーアプリで広告を表示するためのAudience Networkでも、昨年から今年にかけて行われたテストが終わり、利用者は動画内広告を使えるようになった。

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動画内広告の例(Matt Navarraのツイートより引用)

さらにFacebookは、昨年8月に発表した通り、現在行っている広告ブレークのテスト範囲をライブ動画にも広げていく。現在のところは、アメリカ国内のFacebookページや個人のアカウントの中で、フォロワー数2000人以上かつ最近のライブ動画配信で同時視聴者数が300人を超えたものについては、広告ブレークを使えるようになった。

同時視聴者数が300人を超えた状態で4分以上動画を配信していると、「広告ブレークを挿入できます」というお金のマークがついたアラートが、視聴者からのリアルタイムコメントと並んで表示される。メッセージをタップすると、最大20秒間の広告が表示され、さらにそれから5分以上経つと新しい広告が表示できるようになる。

広告ブレークの導入によって、ライブ動画を配信する人も、予め準備した動画をアップする人も視聴数に応じて広告収益をあげられるようになる。その結果、Facebookはオープンな広告収益プラットフォームとしても機能するようになり、クリエイターをFacebook Liveにひきつけることができるかもしれない。

収益面に限らず、広告ブレークはライブ動画を配信する側にとって便利な機能だ。というのも、動画配信中にちょっと一息ついたり、髪型をなおしたり、セッティングを変えたりしたいと思ったら、彼らは広告ブレークを使って、カメラから離れることができる。さらに広告ブレークは縦向き動画にも対応しており、FacebookがSnapchatの陣地へさらに攻め込もうとしているのがわかる。

また、Facebookが広告営業や集金を行ってくれるので、動画配信者はマネタイズに関して何か特別なことをする必要がない。大手報道機関やエンターテイメント企業を除くと、ウェブ上の有名動画クリエイターの多くは自分の部屋で動画を撮っているティーンやヤングアダルト層にあたり、彼らは必死に自分たちの趣味を仕事にしようとしている。

だからこそ、彼らに広告収益をもたらしているYouTubeが、若いビデオグラファーの拠点になっているのだ。しかしFacebookの広告ブレーク導入により、たとえYouTube上のコンテンツと共食いすることになるとは言え、彼らには動画を拡散させる以外の目的でFacebookに動画を投稿するインセンティブが生まれた。そしてライブ動画へも広告が挿入できるようになった結果、まだ有名人との大型スポンサー契約をはじめたばかりのPeriscopeから、Facebookはライブ配信者を奪うことができるかもしれない。Facebookも、大手エンターテイメント企業にライブ動画機能を使ってもらうための単発の取引を過去に行っていたが、同社の新しい広告システムは、もっと広い範囲の人々を対象にしている。

広告ブレークによって動画の数が増えると共に中身が変わる

これまで、Facebook上の動画広告は、ユーザーが自分で選んで見た動画が終わった後に関連動画として表示されるか、フィード上に単独で表示されていた。しかし今後Facebookは、1日合計1億時間も視聴されているという動画コンテンツから、直接広告収益をあげられるようになる。しかもこの1億時間という数字は1年前のもので、そのときFacebookはまだ有力なビデオプラットフォームとして認知されていなかった。さらに同社は、ストリーミングボックス用アプリ(今のところ広告表示は予定されていない)のローンチによって、これまで主戦場としていたモバイル端末を超えて、動画の視聴数を伸ばすことができる可能性もある。

live-ad-break一方で心配なのは、動画をつくる人が盛り上がりどころを広告ブレークの後に持ってきてしまい、そもそも動画の視聴数が減ってしまうということだ。これまで動画クリエイターは、視聴者が求める面白い部分を最初の数秒に詰め込むことで、フィードをスクロールしていくユーザーの目を引こうとしていた。

今後彼らは、最初の20秒間で緊張感を高めてから広告ブレークを入れ、収益を確保した後に、動画の面白い部分をおくようになるかもしれない。そして自動再生時のデフォルト音声設定がオフからオンに切り替わったように、Facebook向け動画作成のルールは大きく変わっていくだろう。

Facebookでパートナーシップ担当VPを務めるNick Grudinは「Facebook向けであろうが他のプラットフォーム向けであろうが、私たちはパートナー企業と強力して、デジタル動画用の新しいマネタイズ方法や広告商品の開発に力を入れています。まだこの分野でのビジネスをはじめたばかりですが、本日のアップデートによって、一歩ゴールに近づけました」と話す。

諸々の施策によって、Facebookはニュースフィードのスペースはそのままにして、売上を拡大できるかもしれない。彼らが優秀なクリエイターを集めることができれば、ユーザーはこれまで目もくれることのなかった写真広告よりも収益性の高い動画広告を最後まで見るようになるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

コンテンツ・リコメンデーションのRevcontentがパーソナライゼーションのRoverを買収してサービスの質をアップへ

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自己資金のみでやっているRevcontentは、ForbesやThe Atlanticなどの一流パブリッシャーに、コンテンツ・リコメンデーション・サービスを提供している。同社はこのほど、Roverを買収した。

ペットシッターを紹介するRoverではなくて、コンテンツ発見アプリケーションで、前はFliporaやInfoaxeという名前だった。RevcontentのCEO John Lempによると、Revcontentがこの買収の代価として支払ったのは“3000万ドル強”のキャッシュと、株だ。彼によるとそれは、もっと良いコンテンツ・リコメンデーションになるための投資だ。

Roverはパブリッシャーに、Facebookのような個人化機能を提供するが、その粒度はFacebookの3倍も細かい、という。ユーザーの関心対象を最大3000項目も見る、という意味だ。

Lempは曰く、“コンテンツの提供者と、その本当のユーザーを、Web上で結び付けたいからね。そのために均質でむらのない“パーソナルWeb”を作り、メディアがオーナー企業ではなくユーザー/読者に奉仕するようにしたい”。

コンテンツ・リコメンデーション・サービスといえば、TaboolaやOutbrainなどのサービスは、高品質なジャーナリズムをリコメンドしているとはとても言えないが、Lempによると、テクノロジーの力でこの業界をもっと良くしていける、という。“今はまだ、浅っぺらなユーザー体験や、破綻しているユーザー体験が少なくないけど、テクノロジーをうまく使いこなせば、もっと良いユーザー体験を作れるはずだ”。

RoverのCEO Jonathan Siddharthは、彼の会社の技術とRevcontentのデータ、という組み合わせがおもしろい、と言う。Revcontentは毎月2500億件のコンテンツ・リコメンデーションを配布している、と主張している。またSiddharthの協同ファウンダーVijay Krishnanによると、RevcontentとRoverのシナジー効果で、とくにeCPMSWikipedia)が改善され、売上も増えるだろう、という。

Lempと同様にSiddharthとKrishnanも、オンラインジャーナリズムの有効なビジネスモデルが成り立つためにはコンテンツ・リコメンデーションが鍵だ、と主張する。それはトラフィックや売上に関してだけでなく、ユーザーの反応に関する有意義なデータも得られるからだ、と。

“民主主義が有効に機能するためには、言論の自由を法が保証しているだけでなく、自由な言論が商業的にも成り立たないとだめだ”、とKrishnanは語る。

買収により、Roverのチームは全員がRevcontentに加わる。Roverはこれまでに700万ドル近くを、Founders FundのStephen OskouiやGokul Rajaram, Barney Pell, Ilya Fushman, Mayank Bawa, Draper Fisher Jurvetson, Amidzad Venturesなどから調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アプリのロールアップをビジネスとするMaple Mediaのやり方は過剰アプリの窮状を救うだろうか

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昨年良かったことといえば、識者たちがアプリ死滅について書くようになったことだ。

一時は消費者向けソフトウェア産業の救世主と目されたアプリも、今では飽和し、インパクトを失い、過少利用になり、過小評価になり、そして退屈なものになった。

そこに登場したのが、ロサンゼルスのMaple Mediaだ。同社がやろうとしているのは、アプリの整理統合〔ロールアップ、仮想バンドル化〕、市場のベストアプリを一体的にまとめて、それに対して強力なマーケティングとビジネス開発努力を注ぎ込む、という取り組みだ。

Maple MediaのファウンダーはMichael RitterとClark Landry、Ritterはロサンゼルスの中堅ゲームデベロッパーJam Cityの役員として長年、ビジネス開発を手がけてきた。Landryは、ロサンゼルスのスタートアップシーンで長年活躍してきたエンジェルだ。

Maple MediaはWalt Disney家の投資ファンドShamrock Capitalから3000万ドルを調達し、良質なゲームアプリや生産性アプリ、エンターテインメントアプリなどを探して買い上げている。

Landryによると、アプリは1本を、5桁から8桁の半ばという価額で買い上げる。〔数万ドル〜数千万ドル〕

目的は、いくつかのブランドを立ち上げること。そして、それを軸にパートナーシップを築き、そのアプリケーションのネットワーク全体に亙るまとまった広告収入で稼ぐ。ターゲットは国籍を問わないが、当面はヨーロッパからの英語化されたアプリをねらう。

Ritterによると、Maple Mediaはアプリデベロッパーの市場や業界をコントロールする位置に立ちたいわけではない。同社とアプリデベロッパーのパートナーシップの形は、売上分有(マージン)や少数株主権方式(マイノリティ投資)が主だ。

重要なのは、支配被支配の関係ではなく、ネットワークを築くこと。同社のプレスリリースによると、同社のプラットホーム上にはすでに150本のアプリケーションがあり、モバイル広告の月間インプレッション(到達)数は10億を超えている。同社はすでに、黒字だ。

“すばらしい才能のあるデベロッパーはたくさんいるけど、ビジネス開発のスキルはそれとは全然次元が違うからね”、とRitterは語る。“事業としての毎日の経営努力や、アプリの収益化努力などは、全然別のスキルだし、フルタイムの取り組みが必要なんだよ”。

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Maple Mediaの協同ファウンダーClark LandryとMichael Ritter

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アドテック企業のVungle、ランレートが3億ドルに到達

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アドテック企業の場合、年間収益が1億ドルを突破したタイミングで発表を出すことが多い。しかし、アプリ内の動画広告にフォーカスするVungleは、それよりも良い数字を叩きだした。Vungleは現地時間15日、同社のランレートが3億ドルに達すると発表したのだ。

また、広告業界では毎年10月から12月が稼ぎ時と言われるが、CEOのZain jaffer氏によれば、このランレートは今月1月の収益を元に算出されたものだという ― 実際、彼の見通しでは、2017年第1四半期の収益は2016年第4四半期のそれを越えるだろうということだ。

「Vungleは、これから急速に拡大するであろうアドテクノロジー分野の一部であると考えています」とJaffer氏は話す。

特にモバイル領域の広告主はパフォーマンスを重視する姿勢が目立つと彼はいう。彼らが参考にする指標はクリック数やアプリのインストール回数だけではない ― Jeffer氏は、Vungleにとって「最も重大なシフト」はインストール後のデータにアクセスできるようになったことだと話している。つまり、Vungleでは広告の効果によって実際にアプリを開いたり、購買行動をするまでに至ったユーザーを獲得できたかどうかを把握することができるのだ。

Vungleの競合企業の1つであるAppLovinは先日、中国の非公開企業に発行済株式の大半を14億ドルで売却している。Jeffer氏によれば、この買収によって「この分野全体に値段がついたようなもの」だという。

「モバイル収益の本当の源泉は何なのか。それをアナリストがしっかりと理解すべき時代が来ました」と彼は語る。「これまでテレビ業界に投下されていたお金がモバイルに流れ込んでいるという主張をし続ける人がいますが、これは単なるフォーマットに関する問題ではありません。ビジネスモデルの問題です」 ― Vungleのような企業が「文字通りユーザーの行動を把握する」ことによって解決される問題である。

取材の中で、私はオンライン広告業界におけるFacebookとGoogleの独占的立場について触れた。彼らは今後も市場のパイを獲得し続けるのだろうか?Jaffer氏はこの質問に対して、Vungleは「考えうるすべての競合関係を想定している」とした上で、同社は「企業に高い価値をもたらすユーザー」にフォーカスしているという点で他社との差別化を図っていると答えた。

「これほどまでにフォーカスをしていれば、業界のトップになれる可能性もあるでしょう」と彼は話す。

Vungleは特にアジア・パシフィック地域で成長を遂げているようだ。この地域における収益は2015年よりも400%上昇している。モバイルアプリへの導入実績は4万件だ。また、同社は先日、モバイル広告のトレンドについてまとめたレポートを発表している。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

GoogleがAMP広告の改良でCloudflareやTripleLiftとパートナー、モバイル広告の高速ロードをねらう

Mobile devices can make people vulnerable to online piracy through privacy settings, Bydgoszcz, Poland, on August 7, 2016. (Photo by Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images)

Googleが今日(米国時間1/30)、広告パートナーたち向けに、Accelerated Mobile Pages(AMP)形式に関する発表を行った。AMPはモバイルWebのユーザー体験を高速化することがねらいで、とくに広告が、モバイルでもデスクトップでも、ページのロードを遅くする犯人であることは、よく知られている。そこでAMP形式の広告によりGoogleとそのパートナーたちは、広告のロードを前のように速くしようとしている。

今日発表されたGoogleの新しいパートナーは、ネイティブの広告ネットワークTripleLiftとパフォーマンスとセキュリティの企業Cloudflareだ。

TripleLiftのようなネィティブ広告のネットワークにとって、AMPのサポートを加えることはおそらく容易であり、同社は今それを、Time Inc.と共に試行している。同社によると、AMPの広告は通常の広告に比べてロード時間が6倍速く、そして3倍軽い。Time Inc. のデジタル担当VP Kavata Mbondoはこう語る: “AMP広告はWeb上のユーザー体験の重要な問題を解決する。TripLiftとのテストでは、広告の視聴率はAMPページ上のふつうの広告より13%アップした。CTR(clickthrough rate)やCPM(cost per impression)においても、同様の改良が見られた”。

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セキュリティ企業のCloudflareは、AMP広告に別の方向からアプローチしている。同社が今日(米国時間1/30)ローンチしたFireboltは、広告の検証と最適化を行うサービスだ。AMP広告は、ふつうの広告と違って、それらがAMPページに載るためには、公認署名サービスによる検証が必要である。そこでCloudflareはこのたび、自らが検証サービスのひとつになったのだ。広告はCloudflareのAMPキャッシュを使って、より高速な配布を実現する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleがYouTube広告主のためのツールを強化

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視聴者に対する大きな成功にもかかわらず、Googleは広告主たちに対して、そのビデオプラットフォームが、ターゲットユーザーに到達するための最高の場所であると説得することに、ずっと苦労を重ねてきた。このたびGoogleは、広告主と代理店に対して、より良いツールを提供することを約束した。リーチを計測し、特定の視聴者に対しての絞り込みを行うためのツールだ。モバイルに力点が置かれる。

Googleが本日(米国時間20日)の発表で指摘したように、YouTube再生の50パーセントは、現在モバイルから行われている。広告主からすれば、これはデスクトップでは役に立っていた多くのトラッキング技術が、モバイルに移行することで役に立たなくなるということを意味している(とはいえ、あなたがこうした追跡を好まないユーザーならば、これはむしろ喜ばしいことだが)。今年以降、GoogleはYouTubeにおけるクッキーとピクセル(どちらもユーザー追跡技術である)の利用を制限していく計画だ。

「ピクセルやクッキーなどの技術は、広いエコシステムではまだ意味を持っているのですが、ほどんどが単一スクリーンのために作られたものです。ピクセルも匿名クッキーも、ユーザーがますますコンテンツをモバイルやリビングでYouTubeでみるようになることを想定して作られていません」と、YouTubeのプロダクトマネジメント担当ディレクターである Diya Jollyは書いている。「これは一貫性のない計測となって、スクリーンに関連度の低い広告が表示される可能性があります。人びとにかつて見ていたような広告やデータを表示することがより難しくなるのです」。

Googleはまた「広告主に洞察を与え、GoogleとYouTube全体のプライバシーとセキュリティを向上させる最先端の技術となる」新たな測定ソリューションを開発していると述べている。このソリューションもまた、ユーザーがキャンペーンのどこを見ているのか、そしてより重要なことだが、そのキャンペーンがどのような効果を挙げているのかを、広告主にとってわかりやすく示すことに焦点を当てている。Googleはこの新しいソリューションの開発に際しては、comScore、DoubleVerify、IAS、MOAT、そしてNielsenなどと協力する予定だと述べている。

Googleはまた、新技術は広告主たちが適切な視聴者にリーチすることをより容易にすると述べている。これは「利用者自身のGoogleアカウントに関連している(デモグラフィック情報や過去の検索履歴などの)アクティビティ情報が、YouTubeの上で見る広告に影響を与える」からだ。もしあなたが広告主であるならば、これは良い知らせだ。特にGoogleはもうすぐ小売業者たちに、Googleが持つ顧客情報の利用を許すようになる予定だからだ。これによりYouTube上で「価値ある購買者」をターゲットにすることができる。Googleはこれらの新サービスは、ユーザーのプライバシーを保護するとしているが、これはプライバシー擁護派たちが、いち早く食いつくネタになりそうである。

Googleはユーザーに対して、クロスプラットフォーム広告の見え方に対する、ある程度のコントロールを許すようにする。例えば、全プラットフォームを通して、特定の広告主が表示されないようにするといったものだ(例えば、特定の製品をもう買ったにも関わらず、ウェブの上を変わらず同じ広告で追い回されるようなときに有効だ、特に広告ブロッカーを使っていなかったような場合には)。

おそらく、大部分のユーザーがこのオプションについて知ることはないだろう。なお個人的には、広告を避けるためにYouTube Redのサブスクリプションを始めたばかりだ (どうでもよいボーナスコンテンツのためではない)。

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(翻訳:Sako)

新しい広告でAppleはiPhone 7 Plusのポートレートモードを紹介

まるで日曜日のゴールデングローブ賞に間に合わせたかのように、AppleはiPhone 7 Plusとその2台のカメラを使って実現されるポートレートモードを紹介する新しい広告をリリースした。ボーナスとして、広告はギリシャで撮影されたものだが、今私はギリシャに行きたいと思っている。

広告の始まりは、何よりも映画の一部のように見える。いくつかの雰囲気のあるショットで始まり、そして孫娘を抱きしめる祖母が登場する。黄色い字幕がまた、映画を見ているような気持ちにさせるのではないかと思う。

iPhoneがクローズアップされることで、iPhoneの広告を見ていたことと、カメラの話をしていたことを思い出す。そしてその後、冒頭の若い女性がギリシャ中で沢山の写真を撮るのを見ることになる。もちろん、それら全ての写真が素晴らしい。なにしろAppleはポートレートモードが素晴らしいとあなたに吹き込もうとしているのだ。

ポートレートモードは、iPhone 7 Plusにあとから加えられたものだ。Appleは9月の時点で機能を発表していたものの、iOS 10.1のベータ機能としてリリースされたのは10月24日だった。それは幾分複雑なソフトウェアの計算を必要とするため、Appleはいまだに機能を改善し続けている。

ポートレートモードはiPhone 7 Plusだけで実現されている、なぜなら9レベルの深さを検出するために2台のカメラを活用しているからだ。そして、電話機は背景のレイヤーにソフトウェアによるボカシを追加する。

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(翻訳:Sako)

ビデオに広告を挿入する最良の場所を見つけたUru、これなら視聴者を不快にしない

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ニューヨークのUruは、ビデオのパブリッシャーに新しい収益源を提供する。一見ふつうに見えるビデオの画面中の、何かの表面(たとえば料理ビデオではキッチンの背後のキャビネット)に、スポンサーのロゴや宣伝のためのアートが貼り付いている。

そんなのいやだわ、と言う人もいると思うけど、ビデオがコマーシャルで頻繁に寸断されるのと、どっちがいいかな。Uruの協同ファウンダーでCEOのBill Marinoは、通常のコマーシャルよりはビデオとの相性が良い、と主張する。とくにこれから普及していく拡張現実や仮想現実で本領を発揮するだろう、従来のどんな形の広告よりも良い、と。

“ARやVRの普及とともに、これからはますます、没入的なメディアの時代になるから、それらをコマーシャルで中断する広告形式が本当に良い方法か、企業は真剣に考えてみる必要がある。コンテンツを妨害せず、むしろコンテンツとよくなじみ、よく調和する広告形式が良いに決まっているではないか”、とMarinoは主張する。

最初からスポンサー付きで作られたビデオ作品には、広告とコンテンツの自然な融合が最近はときどき見られるが、Marinoに言わせると、そんな個別的なやり方にはスケーラビリティがない。クリエイターは毎回アドバタイザーと広告の方式について直接協議し、ひとつひとつ新しいビデオを制作しなければならない。

Uruによると、ニューヨーク大学の経営学大学院の行動研究センター(Center for Behavioral Research)が行った調査では、彼らの新しい広告形式の方が、従来的なビデオ広告の形式に比べて、ブランド想起率(思い出す率)が80%高かった。

同社は最近、“シード前資金”として70万ドルを、Notation Capitalがリードするラウンドで獲得した。Betaworks, PJC, Rough Draft, Thatcher Bell, BWMiのChristian Noske, GiphyのCEO Alex Chung, C2 VenturesのChris Cunningham, そしてUndertoneのEric Franchiらが、このラウンドに参加した。

Marinoと彼の協同ファウンダーでCTOのBrunno Attorreは、コーネル大学のTech Startup Studioで出会った。彼らはそこで、Startup Awardを受賞した。この賞の受賞者がVCからの本格的な投資を調達するのは、彼らが初めてだそうだ。

Marinoによると、ビデオ中のさまざまな“面”は、ロゴを表示するだけでなく、多様なコンテンツを多様な形で視聴者に提示する。“面”は必ずしも、平面でなくてもよい。

“われわれの技術は、ビデオ中にいろんなオブジェクトを見つけるし、いろんなコンセプトやテーマや状況も見つける”、と彼は語る。“それが何よりも重要だ。誰も、CoorsビールのロゴをDavid Lynchのホラー映画で見たいとは思わないからね”。

これはつまり、Uruの広告形式が多様だ、ということ。Marinoによると、ここはむしろお休みがある方が自然だな、という箇所がビデオにあったら、そこには従来的なコマーシャルを入れる。

まだ顧客(アドバタイザーやパブリッシャー)は多くないが、アドテック企業のAppNexusが関心を示し、今両社はパートナーシップについて協議している。Uruによると、AppNexusのテクノロジー担当SVP Eric Hoffertはこう言ったそうだ: “ビデオ広告がコンテンツと一体化し、広告がユーザー体験を損なうことのない、Uruの斬新なやり方は本当に素晴らしい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

今年のAppleのホリデイ広告はインクルージョン(差別の壁を壊す)を強く訴える

毎年Appleは、ホリデイシーズンの広告を感謝祭に初お目見えする。そしてその広告だけは通常の製品広告とは違って、つねに、“新しい価値観”を訴える広告になっている。今年のAppleは、家族や友だちだけでなく、誰もが自分のまわりのすべての人に優しくしよう、と訴えたいようだ。

監督は2013年のホリデースポットで、エミー賞の最優秀広告賞を取った人。フランケンシュタインを主人公とする、みごとな短編だ。

フランケンシュタインは山の上の一軒家に住んでいる。暖炉のある快適そうな家で、最初の短いショットでは彼はコーヒーか紅茶を飲む。自分のiPhoneを使って、オルゴールを録音する(ぼくもオルゴールは好きだ)。

でも、なにか物足らない。なにか、いまいち、がんばる必要がありそうだ。めったに外出しない彼は、意を決して帽子にたまった埃をはらう。もう何日も、かぶってない帽子だ。

外に出て、やっと彼の顔が映る。それまで視聴者には、彼が室内で鼻歌を歌ってる老人であることしか分からない。しかし実は彼は、片足を引きずりながら歩くモンスターだった。

彼は村の広場へ行き、怖がっている群衆の前で歌う。彼は自分に自信がなく、ためらい、そして途中でギブアップしようとする。しかし一人の少女が彼に手を伸ばして、耳につけたライトを直してあげると、群衆は彼と一緒に歌い始める。

これだけでは分かりにくいか、と思ったAppleは、最後に“Open your heart to everyone”(誰にでも心を開きましょう)というテキストを表示する。ホリデイシーズンは家族や友だちと時を過ごす良い機会だが、同社は、さらにその外を見よう、と言う。

大統領選挙で生じた分裂も、この広告の制作動機の一つだっただろう。みんなが、同じ不安と、同じスマートフォンと、そして同じためらいを共有している。だから、お互いに、優しくなろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookには広告主の信頼を取り戻すための説明責任がある

Man standing with fingers crossed behind back

【本稿の執筆者、James G. Brooks, Jr.はソーシャルビデオ配信会社、 GlassViewのファウンダー・CEO。】

9月にFacebookのデータに「相違」がありユーザーの平均ビデオ視聴時間を過大に報告していたことを同社が認めたとき、広告業界全体が不満に包まれた。

誤差は膨大であり ― 数値は2年間にわたり最大60~80%水増しされていた ― Facebookに有利なものだったため、邪悪な動機を指摘する向きもあった。少なくともそれは、メディア会社が提供する自社データを信じる愚かさを浮き彫りにする出来事だった。

「FacebookやGoogleのようなメディアオーナーがなすべき努力を怠り、comScoreにデータを渡して独立した評価を可能にしていないことも、長年指摘してきた」と、大手広告会社、WPPの最高責任者、Martin SorrellがBloombergに語った。「審判と選手は同一人物であってはならない」(ちなみにWPPはcomScoreの調査に多大な投資をしている)。

広告主はFacebookビデオをビュー単価で購入し、3秒以上見られたものがカウントされる。しかし問題のデータは、Facebookビデオが実際以上に効果的である印象を与え、マーケターに予定より多くの出費を強いる結果になった。

マーケターにとっては、またもやFacebookとGoogleの独占状態を実感する出来事だった。Microsoftのような政府の介入がない中、今はFaceGoogleの世界であり、誰もがそれを受け入るしかない。しかし、Facebookが市場に善意をもたらす気持ちを持っているのであれば、事態を改善するべくマーケターにできることが5つある。

  • 内部監査を要求する:理想的には、Facebookが第三者機関に依頼して内部監査を実施し、今回何が間違っていたかを明らかにし、二度と同じことが起きないよう安全対策がなされたことを確認する。これがマーケターの信頼を取り戻すための第一歩だ。
  • Facebookに第三者による検証を義務づける:ANA(全米広告協会)はすでに、Facebookがメディア評価協議会(MRC)に依頼して、独立の第三者による検証を実施すべきであると提言している。「ANAは、メディア企業が認定機関や監査の基準を遵守しなくてもよい実利的理由などないと信じている」とANAのCEO Bob Liodiceは9月末のブログ記事に書いている。これまでのところFacebookはMRCの利用についてコメントを拒んでいる。
  • 将来に向けた透明性を要求する:Facebookは塀に囲まれた庭園であり、マーケターは中で起きていることをほとんど見ることができない。Facebookの水増し疑惑が尾を引く理由の一つは、同社の性能ダッシュボードに一部のデータや方式の説明が欠けていることだ。Facebookのビュー回数の基準は、ビデオの総視聴時間を視聴者数で割ることで算出すべきだった。実際には「ビュー」(3秒以上の再生)の回数で割っていた。もしFacebookがビュー回数と視聴者数を分けて表示していれば、こうした不作為の誤りは避けられたはずだ。
  • 小規模な業者とつきあう:独立のアドテック会社は、 利用できる限りの第三者機関データを使って自らのROI事例をマーケターに提示する。ブランドが独自の基準を使いたければそれも可能だ。大会社は利用できるデータがはるかに多いので、都合のよいものを選んで「宿題を自己採点」できる。
  • 当局に圧力をかけて介入させる:1990年代にMicrosoftがデスクトップPCを独占していたとき、米国司法省は同社を訴え、最終的に合意に致った。懲罰は軽微なものだったが、Microsoftは悪評の集中砲火を浴びブランドは永久に傷ついた。この種の対立は今はまだ起きていないかもしれないが、以前Facebookがデータプライバシーに関してユーザーに嘘をついたことが発覚したとき FTCの介入があった。企業に対する嘘も(それが事実であれば)同様の介入の理由になる。

現実はといえば、果たしてFacebookに悪意があったのか、単にずさんだったのかは誰にもわからない。どちらであれ、多くのブランドは自分の広告が実際より効果を上げていたかのように欺かれた。決して起きてはならないことだ。誰が真実を言い、誰が不正を働いているかを知ろうとすること以外にも、マーケターには心配の種が山ほどある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerに続きViberが法人向けサービスPublic Accountsをローンチ

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楽天の子会社で8億人のユーザー数を誇るViberは、プラットフォーム拡大に向けた次のステップをとろうとしている。ユーザーのだめだけではなく、売上増大のためにもFacebook MessengerやWhatsAppに攻撃を仕掛けようとしている同社は、本日法人向けの新しいタイプのアカウントPublic Accountsをローンチした。この新しいアカウントを使えば、企業やブランドはユーザーのコンタクトリストに登録されていなくても、マーケティングやカスタマーサービスに関連したやりとりを行うことができる。

img_7167ローンチ時点で、The Huffington PostやYandex、The Weather Channelを含む、約1000件のPublic Accountsが登録されており、ユーザーは彼らのアカウントにサブスクライブすれば、アップデートやその他の情報を受け取ることができる。

カスタマーサービス機能も近日中に追加される予定だ。ViberでCOOを務めるMichael Shmilovは、11月中にも10〜15種類の人気CRMパッケージにViberがAPI連携する予定だと、インタビュー中に語った。この準備が整えば、登録企業はソーシャルメディアやメール、メッセージといった既存のコミュニケーション手段と一緒に、Viberメッセージを送受信できるようになる。

さらにPublic Accountsの登場によって、Viber上で動くボットへの道も開けたが、ShmilovはViberがインハウスでボットを開発するつもりはないと話している。

「私たちは、拡張性のあるAPIを利用して最高のチャットサービスを開発することに注力しているため、自分たちでボットをつくるつもりはありません。しかし、ボットのディベロッパーに対しては(彼らがViberボットを作れるように)ツールを提供しています」と彼は語る。

本日リスボンで行われたWeb Summit内で、Shmilovが正式に発表したPublic Accountsは、”Public Chats”と呼ばれる2014年に追加された機能をもとに開発された。これは著名人(もしくは誰でも)が一般の人々と会話するための機能だが、その著名人をコンタクトリストに登録している人しか実際にやりとりをすることはできない。

Shmilovが強調するように、Public Accountsでは相手をコンタクトリストに登録していなくても、ユーザー(と企業)がやりとりをできるようになっている。これはViberでは初めてのことだ。

Public Accountsの登場によって今後Viberは、ユーザーに”話しかけられる”機能で既に法人ユーザーの獲得を狙いはじめている、他の消費者向けメッセージアプリと戦っていくことになる。

主要な競合相手となるWeChatLineは、それぞれ2014年と2015年から法人向けアカウントのサービスを開始している。Facebook Messengerは法人向けアカウントに関して少し遅れをとっていたものの、ボットやその他の機能で急速にサービスを拡大・アップデートしていき、最近でいえば昨日プラットフォームのアップデートが行われたばかりだ。

全体的なトレンドとして、ソーシャルメディアプラットフォームの運営企業は、インストリーム広告やディスプレイ広告以外の収入源を確保するため、ユーザーや彼らに関するデータを利用し、もっと消費者と距離の近いサービスを法人顧客に提供しようとしている。その証拠に、Twitterも現在カスタマーサービス機能を開発中だ。

しかし、もしもこのトレンドが本当だとすれば、まだその流れに乗っていないメッセージアプリも存在する。WhatsAppは今年の1月に、法人向けサービスを開始する予定だと話していたが、まだそのサービスは実際にはアナウンスされていない(遅くとも今年中には発表されるようだ)。

興味深いことに、他の全てのメッセージアプリが法人向けサービスを提供しようとしている現状を、Shmilovは、道理にかなっているだけではなく、良いことだとさえ考えている。Viber全体の登録ユーザー8億人のうち、約2億6600万人がアクティブユーザーにあたることもあり、ShmilovはViberのCRM機能が単に他社のサービスを補完し、全てのメッセージアプリが新たなコミュニケーション・チャネルとして認められるようになるためのフレームワークを構築するようになると見ているのだ。

「ユーザーが利用している数少ないアプリのひとつにViberが含まれているならば、私たちは企業とのコミュニケーションもViber上で行えるようにしたいと考えています」とShmilovは話す。

企業がメッセージアプリに興味を持っている理由は明らかだ。誰かと直接テキストベースのやりとりをする際の主な手段として、メッセージアプリ利用者の多くは、(完全にではなくとも)メールの代わりにメッセージアプリを使っているほか、中にはFacebookやTwitterといったオープンなプラットフォームの代わりに、メッセージアプリというクローズドなサービスを使っているという人もいる。いずれにしろ、メッセージアプリ上のやり取りはリアルタイムで行われ、これは(企業が渇望している)エンゲージメントを高める上で重要な点だ。

さらに、モバイルフレンドリーなメッセージングプラットフォームは、万能な多機能プラットフォームへと進化しようとしており、今ではステッカーのようなメディアを送付する機能のほかにも、通話機能や、オススメのレストランなどのさまざまな情報を備えた対話形式のボットなどが搭載されている。

そのため、まとまった数のユーザーと直接会話をしたい、またはカスタマサービスを提供する際に直接彼らとやりとりをしたい、もしくはその必要があると考えている企業やブランドが、メッセージングプラットフォームを利用しようとするのには納得がいく。2億6600万人というアクティブユーザー数を誇るViberは、そういった意味で、企業にとって魅力的な存在なのだ。

しかし同時に、法人向けサービスの拡大を嬉しく思っていないユーザーがいるのも確かだ。

先日の記事にも書いた通り、メッセージングプラットフォームは、Facebookのようなオープンなプラットフォームと張り合うくらいにまで成長した。FacebookやTwitter上では何でも公開されている一方で、メッセージングプラットフォームではユーザーが話しかけたい相手を選ぶようになっている。そのような環境に企業が入り込んで情報を発信しだすと、使い方によっては、ユーザーエクスペリエンスが低下する恐れがあるのだ。

Public Accountsの料金体系についてShmilovはハッキリと答えなかったが、どうやらViberはフリーミアムモデルを採用し、アカウント作成自体は無料で、法人ユーザーが機能を追加したときや、情報発信する際に課金する仕組みを導入するようだ。

「既に企業やブランドは、Public Chatsを使ってViber上でコンテンツを発信できるようになっていて、私たちはスポンサードステッカーやその他の販促サービスから売上を立てています」と彼は話し、Public Accountsがまずどのあたりから収益をあげていく可能性が高いかについて説明した。「Public Accountsのそれ以外の機能については、現状無料で利用できます」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Facebook、Messenger最新版で広告メッセージの利用を一般企業に公開

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本体であるソーシャル・ネットワークのFacebookとは独立にリアルタイムのコミュニケーション・チャンネルとしてMessengerが着実にユーザーを増やしている。今日(米国時間11/8)、FacebookはMessengerの新バージョンを発表した。これによりデベロッパーにとってMessengerを利用してコンテンツを拡散するためのツールが増えた。同時にFacebookとしてはMessengerに対して広告主からのトラフィックが増えることを期待しているようだ。

Facebookによれば、今日のアップデートで発表されたMessenger v1.3では、「スポンサー・メッセージ」が利用可能になるという。ほとんどすべてのFacebook広告主はMessengerプラットフォームを通じてユーザーに広告メッセージを送信できるようになる。TechCrunchでは6ヶ月前の記事でFacebookが一部のブランドとユーザーを対象にMessenger広告のテストを始めたことを紹介した。

今回のニュースは、ポルトガルのリスボンで開催中のWeb SummitカンファレンスでMessengerのプロダクト担当副社長, David Marcusがステージ上で発表したものだ。これは興味あるタイミングだった。直前にFacebook本体と傘下のサービスであるWhatsApp間でデータを共有する計画を当面停止することが発表されたばかりだった。Facookがこのような決定を行ったのはイギリスとデータ保護団体、ICOからの要請があったためだという。

WhatsAppとFacebook間のデータ共有についてはEUレベルでも批判がある。また多くのユーザーも不満を募らせている。というのもFacebookがWhatsAppを190億ドルで買収したときに、双方のサービスのユーザーを安心させるべく、両社はまったく独立した事業体として運営されると繰り返し約束していたからだ。

しかしこれは話が脱線したようだ。今年4月にFacebookの広告メッセージの実験について書いたとき、われわれはMessengerのユーザーは(通例)特定の友達からのメッセージのみ受信することを予期しているのに、未承諾で広告メッセージが送りつけられるようなことがあればユーザー体験を低下させる危険性があると指摘した。

Facebookではこの危険を避けるためユーザーにある程度の「オプション」を与えるようだ。当面、企業はユーザーに無差別にメッセージを送ることはできない。すでに企業の運営するスレッド内にいる相手にしか送信できない。ユーザーが過去に企業スレッド内に入ったことがあり、そのことを忘れているのに企業側から突然広告メッセージが送りつけられるというような場合も考えられる。こういうときユーザーはそのメッセージないし送り主をブロックすることができる。私はこのブロックの有効期間などの詳細をFacebookに問い合わせているので、情報が得られたらこの記事をアップデートするつもりだ。

さて企業はそもそもこの新ツールをどのように利用できるのだろうか? これにはいくつかの方法がある。企業が提供するボットをユーザーが利用した場合、ユーザーがすでに何らかのサブスクリプション契約に加入していた場合のアップデート、あるいはユーザーがニュースフィード広告になんらかの反応を示した場合などが考えられる。これにはユーザーがクリックすると企業にメッセージが送られる各種の場合が含まれる。こうした機能は広告のボス、Andrew “Boz” Bosworthが昨年9月のTechCrunch Disruptで紹介したものだ。今日、Marcusはこの仕組が一般広告主からも利用できるようになったことを明かした。Facebookによれば、ベータテスターにはAbsolut
Vodka、Tommy Hilfiger、Activisionなどの各社が含まれるという。

ニュースフィード広告をクリックないしタップしたときにMessengerにリンクさせることができるというのは興味ある仕組みだ。ユーザーがニュースフィード広告に関心を持ったとき、ユーザーはFacebookを離れて企業サイトにジャンプするのではなく、Facebook内に留まったままMessengerで企業との会話を続けることができるわけだ。このとき企業側で対応するのは人工知能を利用した何らかのボットになる場合が多いだろう。

今日、Facebookはこの他に、v1.3プラットフォームのボット関係のいくつかのアップデートを発表した【原文参照】。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アドブロッカーをブロックしたFacebookはデスクトップの広告収入が18%も増加した

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Facebookは最近、Adblock Plusなどのアドブロッカーを回避して、早くもその成果を上げている。今日の同社の、どでかい第三四半期決算報告によると、デスクトップの広告収入は前年同期比で18%増加し、これまでの各四半期のほぼ9%の成長率から一挙に躍進した。その大きな原因が、アドブロッカーの阻止にある、とされている。

Adblock Plusはその禁圧を迂回すると宣言し、一時的に成功したが、Facebookは彼らの対策を無効化して、広告がAdblock Plusを通過できるようにした。Facebookの言い分は、広告はサービスの運用費用に充てられるから、極端に邪魔でないかぎり、ユーザーに広告を見せるのは理にかなっている、という論理だ。Adblock Plusや一部のユーザーは、Facebookの広告はフィードに混ぜ込まれている場合でも邪魔である、と反論する。また、広告にはユーザーの所在などを調べてプライバシーを侵す危険性があり、アドブロッカーはそれを防ぐ、と彼らは主張している。

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Facebookの今四半期のデスクトップの売上は11億ドルに達し、前四半期の9億9800万ドルから増加した。Facebookの広告収入の84%はモバイルからだが、Q3の総売上70億1000万ドルの中でのデスクトップ11億ドルは、些細とは言えない額である。アドブロッカーのユーザーたちから広告収入を取り戻し、大きな広告収入を達成したために、これまでの売上成長率の鈍化を埋め合わせることができた、と言えよう。

決算報告においてFacebookのCFO David Wehnerはこう述べた: “今四半期のデスクトップの売上成長率は18%に達したが、最近の各四半期はこれの半分ぐらいの前年同期比成長率だった。デスクトップの売上のこのような急成長は、広告妨害の影響を減らすわれわれの努力によるところが大きい、と思われる。すなわち、デスクトップの売上成長の加速は、主にそれによるものである”。彼は、これはあくまでもデスクトップの広告収入にかぎっての話だ、と念を押した。

Facebookのエリート技術者部隊がアドブロッカーソフトと、それらへのオープンソース寄与貢献者軍団に勝ち続けるかぎり、Facebookは今でも残存するデスクトップユーザーからさらに多くの広告収入を絞りとることができるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))