ファーウェイが新型折り畳みスマートフォン「Mate X2」を中国で発表、約29.3万円から

Huawei(ファーウェイ)が最初に発売した折り畳み式スマートフォンは、遠い記憶のもののようだ。2019年2月に発表されたのだが、同時期に折り畳み式スマートフォンを発表したSamsung(サムスン)が、その革新的なフォームファクターによる独自の問題にぶつかったことが相次いで報じられたため、Huaweiも発売を延期したのだ。

Huawei初の折り畳み式スマートフォンであるMate Xは、ジャーナリストの間で評判が良かった。筆者は中国にある同社のHQで触れる機会を得て、その製造品質に感銘を受けた。しかし、さまざまな理由で中国国外では市場に出てこなかった。そして今回新たに発表された「Mate X2」が、同様の運命を辿るのではないかと思われるいくつかの理由がある。

この新型スマートフォンは、すでにSamsungの初期モデルで見たことがある特徴を備えている。正直にいって、それは間違いないことだ。このMate X2のフォームファクターは、デザインの観点から、その先代機よりも、Galaxy Fold(ギャラクシー・フォールド)との共通点がはるかに多いように思える。Samsungのモデルは波乱の幕開けとなったが、同社は公然の試行錯誤を経て、折り畳み式スマートフォンをかなりまともな製品に仕上げた最初のメーカーでもあった。

Samsung同様、Huaweiは改善されたヒンジ機構をこのモデルの大きなセールスポイントとしている。これは他のデバイスに差をつける、本モデルの重要な基幹だ。しかしヒンジは、この種のデバイスにおける主なウイークポイントの1つでもあることが証明されている。メーカーが水面下でどれだけテストしても、現実の世界における使い方をすべてカバーできるわけではない。

関連記事:ファーウェイが折り畳み型Mate Xの改良版の発売を計画中

その最も重要なポイントである折り畳み式ディスプレイは8インチで、本体外側には6.45インチのディスプレイがある。どちらもGalaxy Fold 2(それぞれ7.6と6.2インチ)より少しずつ大きい。画像で見た限りだと、フロントスクリーンは筐体のほとんど全面を占めており、細いベゼル(縁)と小さなカメラの切り欠きがあるだけだ。5Gに対応し、Huawei独自のKirin 9000チップセットと4400mAhのバッテリーが組み合わされている。

システムソフトウェアには、もちろん、かなり重要な機能が欠けている。Huaweiが米国商務省のブラックリストに載せられているためだ。同社はAndroid 10をベースにした独自UI「EMUI 11.0」をプッシュしており、おそらくOSはAndroidの代わりにHuawei独自のHarmonyOSを搭載することになるだろう。同社は近年、米中緊張の火種になる可能性が高いとの認識から、自社製OSの開発を進めてきた。

まだ我々はその完全版を見たわけではないが、12年の歴史を持つGoogleのモバイルOSと同じくらいの完成度や堅牢性を持っているとは考えにくい。Google製のさまざまなアプリを有しないのはいうまでもない。

Mate X2は2月25日に中国で発売される予定で、価格は1万7999元(約29万3000円)からとなっている。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:折り畳みスマートフォンHuawei

画像クレジット:Huawei

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

2画面スマホ「LG VELVET」は画面が曲がる先進性より、折り畳める実益を重視する方にお勧め

LGエレクトロニクス・ジャパンは、2画面スマホの第3弾となる「LG VELVET L-52A」(エルジー ベルベット)を2020年12月18日に発売した。ディスプレー折りたたみ型スマホ「Galaxy Z Fold2 5G SCG05」は税抜25万9980円と高価だが、LG VELVETは税抜8万8704円と9万円を切っている。2画面の間にベゼルが入るが、大画面を持ち歩く点ではコスパに優れた端末なのだ。

LGエレクトロニクス・ジャパン「LG VELVET L-52A」。価格は税抜8万8704円

LGエレクトロニクス・ジャパン「LG VELVET L-52A」。価格は税抜8万8704円

LG V60 ThinQ 5Gよりもさらにコスパを重視

LG VELVETはOSに「Android 10」、SoCに「Snapdragon 765G」(2.4GHz+1.8GHz、8コア)を採用。メモリー(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GBを搭載している。

ディスプレーは約6.8インチFHD+有機EL(1080×2460ドット)。「LGデュアルスクリーン」を装着することで、2画面を利用可能になる。なお従来は必ずLGデュアルスクリーンが同梱されていたが、LG VELVETは7万488円で本体のみを購入可能だ。

カメラはリアに標準(約4800万画素、F1.8、1/2.0インチ)、広角(約800万画素、F2.2、1/4.0インチ)、深度(約500万画素、F2.4)、フロントに標準(約1600万画素、F1.9、1/3.0インチ)を搭載。望遠カメラは含まれていないが、約4800万画素の高画素イメージセンサーを活かし、最大10倍のデジタルズームが可能だ。

通信機能は5G、Wi-Fi 5(11ac)、Bluetoothに対応。防水防塵性能はIPX5/IPX8、IP6Xで、FeliCa機能も搭載されている。

スペックを総括すると、ミドルレンジクラスのSoCが採用されており、前モデル「LG V60 ThinQ 5G L-51A」の下位モデルと位置づけられる。SoC、メモリー(RAM)、カメラ、Wi-Fiなどは差別化されているが、ユーザー体験を大きく左右するディスプレーは同じサイズの有機ELを採用。LG VELVETはLG V60 ThinQ 5Gよりもさらにコスパを重視したモデルといえよう。

  1. 2画面スマホ「LG VELVET」は画面が曲がる先進性より、折り畳める実益を重視する方にお勧め

LGデュアルスクリーンのフタ部分には日時や通知を確認できるサブディスプレーを装備。本体カラーはオーロラグレーとオーロラホワイトの2色が用意

LGデュアルスクリーンのフタ部分には日時や通知を確認できるサブディスプレーを装備。本体カラーはオーロラグレーとオーロラホワイトの2色が用意

右がLG VELVET本体、左がLGデュアルスクリーンの画面。LGデュアルスクリーン側にもノッチ(切り欠き)が存在する

右がLG VELVET本体、左がLGデュアルスクリーンの画面。LGデュアルスクリーン側にもノッチ(切り欠き)が存在する

LGデュアルスクリーンは360度回転させて、本体の背面に回せる。この点はGalaxy Z Fold2 5Gより優れていると言える

LGデュアルスクリーンは360度回転させて、本体の背面に回せる。この点はGalaxy Z Fold2 5Gより優れているといえる

LGデュアルスクリーン装着時、本体下部には磁力で吸着する充電コネクターと3.5mmヘッドフォンジャックを用意。LG VELVET本体にはUSB Type-C端子が装備されている

LGデュアルスクリーン装着時、本体下部には磁力で吸着する充電コネクターと3.5mmヘッドフォンジャックを用意。LG VELVET本体にはUSB Type-C端子が装備されている

本体右側面には電源ボタン、左側面にはボリュームボタンとGoogleアシスタントキーが配置されている

本体右側面には電源ボタン、左側面にはボリュームボタンとGoogleアシスタントキーが配置されている

強制的にワイドモードで表示する「WideMode for LG」は必携アプリ

LGデュアルスクリーンの使い勝手は従来モデルから変更はない。基本はふたつの画面に異なるアプリを表示して利用するが、「ワイドモード」に対応したアプリならふたつの画面をまたがって全画面表示できる。

LGデュアルスクリーンのワイドモードは「Whale」、「Chrome」、「Gmail」などの一部アプリでしか利用できないが、「WideMode for LG」をインストールすればほかのアプリでも強制的にワイドモードで表示可能となる。LGの2画面スマホユーザー必携のアプリだが、すべてのアプリで正常に動作することが保証されているわけではない点は承知しておこう。

Androidのマルチウィンドウ機能を利用すれば最大3つのアプリを表示できる

Androidのマルチウィンドウ機能を利用すれば最大3つのアプリを表示できる

一部アプリは「ワイドモード」を設定可能

一部アプリは「ワイドモード」を設定可能

ワイドモードを有効にすれば、ふたつの画面をまたがって全画面表示できる

ワイドモードを有効にすれば、ふたつの画面をまたがって全画面表示できる

ウェブページなどは横持ちすると中央ベゼルが行間に来るので閲覧しやすくなる

ウェブページなどは横持ちすると中央ベゼルが行間に来るので閲覧しやすくなる

非対応アプリでも「ワイドモード」を利用可能にするアプリが「WideMode for LG」

非対応アプリでも「ワイドモード」を利用可能にするアプリが「WideMode for LG」

「WideMode for LG」をインストールすれば、電子書籍リーダー「Kindle」でもワイドモードを利用可能となる。ただし、見開き表示には対応していない(鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)

「WideMode for LG」をインストールすれば、電子書籍リーダー「Kindle」でもワイドモードを利用可能となる。ただし、見開き表示には対応していない(鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)

AnTuTu Benchmarkの総合スコアは321161

LG VELVETのパフォーマンスをチェックするために「AnTuTu Benchmark」を実行したところ、総合スコアは321161という結果になった。1月10日時点のAnTuTu Benchmarkのランキングで「HUAWEI Mate 40 Pro」が661059だったので、LG VELVETはその約49%のパフォーマンスということになる。一般的な用途には十分なパフォーマンスだが、3Dゲームなどのためにより高い性能を発揮する2画面スマホが必要なら、Snapdragon 865を搭載するLG V60 ThinQ 5Gを選ぶことをお勧めする。

「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは321161、「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは1919、「3DMark」のWildlifeのスコアは1662

「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは321161、「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは1919、「3DMark」のWildlifeのスコアは1662

発色が濃い傾向があるが好ましいカメラ画質

カメラ画質はやや実際の色よりも発色が濃い傾向があるが、個人的には好ましく感じた。望遠カメラは搭載されていないが、約4800万画素のイメージセンサーを搭載しているおかげで、10インチ以下のディスプレーで鑑賞するなら実用レベルだと思う。

特に高く評価できるのが夜景を撮影するための「ナイトビュー」モード。夜景を撮影すると明るい看板や照明などが白飛びする端末が多いが、LG VELVETのナイトビューでは白飛びを抑えてくっきりと撮影できる。今回は試せなかったがイルミネーションの撮影などでも威力を発揮するはずだ。

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影(2倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影(2倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影(10倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影(10倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影(ナイトビュー)

標準カメラで撮影(ナイトビュー)

ディスプレーが曲がる先進性よりも、折り畳める実益を重視する方にお勧め

前述のとおりLGデュアルスクリーンを装着したLG VELVETは画面の間にベゼルが入る。未来感という点ではGalaxy Z Fold2 5Gのほうが上だ。しかし、ふたつのアプリを同時に使う場合にはまったく気にならないし、ワイドモードで全画面表示した場合でも実用上はほぼ問題にならない。ディスプレーが曲がるという先進性ではなく、折り畳める実益を重視する方にとって、LG VELVETはコスパに優れる、もってこいの端末といえる。

一方の画面をゲームコントローラーとして利用できる機能も用意されている

一方の画面をゲームコントローラーとして利用できる機能も用意されている

 

関連記事
「Galaxy Z Flip 5G」は折り畳めば5Gスマホで最もコンパクト
約3.6万円でペン&トリプルカメラ搭載!6.4型スマホ「moto g PRO」
完成度を高め使い勝手が大幅に向上した折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感も
Galaxy Note20 Ultra 5GはApple Pencil&iPadユーザーにこそぜひ1度試してほしい
「AnTuTu」60万超え、約6万1000円から購入できるゲーミングスマホ「RedMagic 5S」
サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る
モトローラの第2世代折り畳みスマホRazrは10月2日に米国発売決定、価格は約12.6万円
2画面スマホ「LG V60 ThinQ 5G」は5Gの可能性を引き出せるか?

カテゴリー:ハードウェア
タグ:LG / LGエレクトロニクス(企業)折り畳みスマートフォン / フォルダブルスマートフォン(用語)ガジェット(用語)スマートフォン(用語)レビュー(用語)

「Galaxy Z Flip 5G」は折り畳めば5Gスマホで最もコンパクト

auはディスプレイ折り畳み型Androidスマートフォン「Galaxy Z Flip 5G SCG04」を11月4日に発売した。価格は税込18万5835円。同製品は2月28日に発売された「Galaxy Z Flip SCV47」(税込17万9360円)の後継モデル。大きな進化点としては5Gへの対応が挙げられ、ボディデザインはまったく同じでマイナーチェンジモデルとして位置づけられる。そこで今回は前モデルからの進化点にスポットを当ててレビューしていこう。

auから発売された、ディスプレイ折り畳み型Androidスマートフォン「Galaxy Z Flip 5G SCG04」(税込18万5835円)

auから発売された、ディスプレイ折り畳み型Androidスマートフォン「Galaxy Z Flip 5G SCG04」(税込18万5835円)

5G、SoC、Wi-Fi、カラー以外のスペックはまったく変わらない

Galaxy Z Flip 5GはOSに「Android 10」、プロセッサー(SoC)に「Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform」(3GHz×1、2.4GHz×3、1.8GHz×4)を採用。メモリー(RAM)は8GB、ストレージ(ROM)は256GBを搭載。メモリーカードの装着は非対応だ。

通信機能は前述のとおり5G(sub6)、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0をサポート。5Gの最大通信速度は下り3.4Gbps、上り183Mbpsとされている。

ディスプレイはふたつ搭載。メインディスプレイは約6.7インチFHD+有機EL(2636×1080ドット、425ppi)、カバーディスプレイは約1.05インチ有機EL(300×112ドット)。小さなカバーディスプレイもカラー表示に対応している。

カメラは超広角(1200万画素、1.12μm、約123度、F2.2)、広角(1200万画素、1.4μm、約78度、F1.8、デュアルピクセルAF、OIS)、セルフィー(1000万画素、1.22μm、80度、F2.4)という構成。セルフィーカメラはパンチホール仕様だ。

本体サイズはオープン時で約73.6×167.3×6.9~7.2mm、クローズ時で約73.6×87.4×15.4~17.3mm、重量は約183g。実際に持ってみると非常に薄く感じられる。「iPhone 12 mini」は64.2×131.5×7.4mm/133gで5Gスマホとして世界最小・最薄・最軽量を謳っているが、折り畳んだときのフットプリントという限定条件であればGalaxy Z Flip 5Gに軍配が上がる。

バッテリーは3300mAhを内蔵しており、連続通話時間は約1350分、連続待受時間は約350時間、電池持ち時間は4G LTE/WiMAX 2+エリアで約100時間、5Gエリアで約95時間とうたわれている。防水・防塵には非対応。FeliCa(おサイフケータイなど)、NFC機能も搭載されていない。

  • メインディスプレイ:約6.7インチ Dynamic AMOLED(有機EL)
  • カバーディスプレイ:約1.05インチ Super AMOLED(有機EL)
  • プロセッサー(SoC):Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform(3.0GHz×1、2.4GHz×3、1.8GHz×4、Octa Core)
  • メモリー:8GB
  • ストレージ:256GB(外部ストレージなし)
  • 無線機能:Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0
  • 背面カメラ(超広角):約1200万画素(1.12μm、約123度、F2.2)
  • 背面カメラ(広角):約1200万画素(1.4μm、約78度、F1.8、デュアルピクセルAF、OIS)
  • 前面カメラ:約1000万画素(1.22μm、80度、F2.4)
  • サイズ(開いた状態):幅73.6×高さ167.3×厚さ6.9(最厚部7.2)mm
  • サイズ(閉じた状態):幅73.6×高さ87.4×厚さ15.4(最厚部17.4)mm
  • 重量:重量183g
  • バッテリー容量:3300mAh
  • 連続通話時間/連続待受時間:約1350分/約350時間
  • 対応通信規格:5G(sub6)、4G LTE、WiMAX 2+
  • OS:Android 10

Galaxy Z Flip 5GとGalaxy Z Flipの差分をまとめると下記のようになる。つまり、5G、プロセッサー、Wi-Fi、カラー以外のスペックはまったく変わらないわけだ。

  • Galaxy Z Flip 5G:5G、SD865+、11ax、カラー(ミスティックブロンズ)
  • Galaxy Z Flip:LTE、SD855+、11ac、カラー(ミラーパープル、ミラーブラック、Thom Browne Edition)
オープン時

オープン時

クローズ時。カバーディスプレイの情報は一定時間で消灯する

クローズ時。カバーディスプレイの情報は一定時間で消灯する

本体下面にはUSB Type-C端子を用意

本体下面にはUSB Type-C端子を用意

本体右側面にはボリュームボタンと指紋認証センサー一体型電源ボタン、左側面にはnanoSIMカードトレイが配置

本体右側面にはボリュームボタンと指紋認証センサー一体型電源ボタン、左側面にはnanoSIMカードトレイが配置

折り畳んだときのコンパクトさが「Galaxy Z Flip 5G」の真骨頂

改めてフォルダブルスマホ(折りたたみスマホ)としてのGalaxy Z Flip 5Gの魅力を挙げておくと、とにかく折り畳んだときのコンパクトさに尽きる。サイズ感的にはポロシャツやワイシャツの胸ポケットにすっぽり入り、それでいて本体を開けば約6.7インチの大型ディスプレイが現われる。縦に長めの画面比率はマルチウインドー表示に最適だ。

筆者が携帯性以外のメリットと感じているのが、ディスプレイを閉じると強制的に情報を制限できること。クローズ状態では小さなサブディスプレイにしか情報が表示されなくなる。スマホを机の上に置いているとついつい気が散ってしまうという方に、Galaxy Z Flip 5Gは絶好の端末だと思う。

横幅が73.6mmと狭いので、手が小さめの方でもしっかりと握りやすい

横幅が73.6mmと狭いので、手が小さめの方でもしっかりと握りやすい

折り畳めば誇張抜きで「手のひらサイズ」。ガラケー時代を彷彿とさせるサイズ感だ

折り畳めば誇張抜きで「手のひらサイズ」。ガラケー時代を彷彿とさせるサイズ感だ

ディスプレイは好きな角度に無段階で調整可能。三脚などがなくても自立させてタイマー撮影が可能だ

ディスプレイは好きな角度に無段階で調整可能。三脚などがなくても自立させてタイマー撮影が可能だ

AnTuTu Benchmarkのランキングで8位を獲得

処理性能については「Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform」を搭載しているだけに、定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「581533」を記録した。12月3日時点のランキングを見てみると、1位の「ROG Phone 3」のスコアは「647919」で、Galaxy Z Flip 5Gは8位にランクインしている。Galaxy Z Flip 5GのスコアはROG Phone 3の約90%に相当するが、現時点のAndroidアプリを動かしてパフォーマンスに不満を感じる局面はないはずだ。

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「581533」、CPU/Computeベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3213」、3Dベンチマーク「3DMark」のWild Lifeは「4149」

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「581533」、CPU/Computeベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3213」、3Dベンチマーク「3DMark」のWild Lifeは「4149」

Galaxyシリーズならではのカメラクオリティー

Galaxy Z Flip 5Gのカメラ画質は満足感が高い。搭載されているカメラのスペック自体は「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」や「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」とは見劣りするが、広角、超広角カメラで撮影できる写真は同等のクオリティーだ。特に優れているのが「ナイトモード」。強い光源が画面内にあっても白飛びを押さえつつ、全体を明るく撮影してくれる。ただし望遠カメラを搭載していないので、8倍デジタルズームでは塗り絵感の強い写真となってしまう。この点だけは割り切りが必要だ。

超広角カメラで撮影

超広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラ(8倍デジタルズーム)で撮影

広角カメラ(8倍デジタルズーム)で撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

フォルダブルが当たり前の選択肢になる時代が早く来てほしい

ディスプレイを折りたためること自体にはメリットしかない。コンパクトに折り畳めるiPhone、iPad mini、iPad Proなどを待ち望んでいる方も多いはずだ。そこで問題になるのは価格だが、この点は折り畳みディスプレイを大量生産すれば解決される。それでもとにかく安価な端末を求める層、ひたすら丈夫なデバイスを必要とする方、考えうる機能を詰め込みまくったスマホを要求する人はいらっしゃるだろうが、フォルダブルが当たり前の選択肢になる時代が早く到来してほしいと思う。

関連記事
約3.6万円でペン&トリプルカメラ搭載!6.4型スマホ「moto g PRO」
完成度を高め使い勝手が大幅に向上した折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感も
Galaxy Note20 Ultra 5GはApple Pencil&iPadユーザーにこそぜひ1度試してほしい
「AnTuTu」60万超え、約6万1000円から購入できるゲーミングスマホ「RedMagic 5S」
サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る
モトローラの第2世代折り畳みスマホRazrは10月2日に米国発売決定、価格は約12.6万円
カメラの性能が素晴らしい4万円台のGoogle Pixel 4a、5G対応Pixelを待つ必要なし
Surface Duoファーストインプレッション、Gmailや電子書籍リーダーは使い勝手良好、カメラは次期モデルに期待
TCLのラストモデル「BlackBerry KEY2 Last Edition」の実力は?そして物理QWERTYキースマホの系譜はこれからも続く
シャオミのコスパモンスターなミドルレンジスマホ「Redmi Note 9S」を試す
スライド式キーボード搭載スマホ「F(x)tec Pro1」は実用性より心地よさに価値がある
2画面スマホ「LG V60 ThinQ 5G」は5Gの可能性を引き出せるか?
ファーウェイが折り畳みスマホ「Mate Xs」を披露、不運な初代が堅牢に

カテゴリー:ハードウェア
タグ:折り畳みスマートフォン / フォルダブルスマートフォン(用語)Samsung / サムスン(企業)Samsung Galaxy(製品・サービス)ガジェット(用語)スマートフォン(用語)レビュー(用語)

完成度を高め使い勝手が大幅に向上した折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感も

完成度が増し使い勝手が大幅に向上した「Galaxy Z Fold2 5G」、ただし中途半端感は残る

KDDIからサムスンの「Galaxy Z Fold2 5G(SCG05)」が発売された。折り畳みスマートフォンとして2世代目として、使い勝手が大幅に向上したGalaxy Z Fold2をチェックしてみた。

画面の大型化で使いやすさアップ

Galaxy Z Fold2は、ディスプレイを内側に折り畳むことで、スマホとタブレットを切り替えられる折り畳みスマートフォン。初代の「Galaxy Fold」に対して、Galaxy Z Fold2は新たにZシリーズの一員として位置づけられた形だ。きちんとシリーズ化したことで、今後も継続してくれることが期待できそうだ。

山型に折り畳むGalaxy Z Fold2

山型に折り畳んだGalaxy Z Fold2

2世代目は、さまざまな点で機能が強化されている。

表の通り、本体サイズはやや大きく重くなっているが、何よりディスプレイが大型化した点がポイントだ。開いてタブレットモードにしたときのディスプレイは7.3インチから7.6インチと微増だが、折りたたんでスマホモードにしたときは4.6インチから6.2インチへと大幅に大型化した。

最大の進化点といってもいいのがこのカバーディスプレイの大型化。スマートフォンとして使いやすくなった

最大の進化点といってもいいのがこのカバーディスプレイの大型化。スマートフォンとして使いやすくなった

折り畳んだ際の細身のスタイルは変わらない。カメラのインパクトが大きくなった

折り畳んだ際の細身のスタイルは変わらない。カメラのインパクトが大きくなった

13.8mm(最厚部16.7mm)と、従来通り厚みはそれなりにある

13.8mm(最厚部16.7mm)と、従来通り厚みはそれなりにある

それまで、本体の中央に小窓のようにあったディスプレイが、本体全体に広がるディスプレイになったので、その差は大きい。スマートフォンとしての完成度というか、ようやく当たり前のサイズになったわけで、閉じた状態でも快適に使えるようになった。

開いてタブレットモードにすると薄型のタブレットになる

開いてタブレットモードにすると薄型のタブレットになる

タブレットモードでのディスプレイは、インカメラがシングルになり、パンチホール型になった点が大きく違う。今までは右上に大きめの切り欠きがあってそこにセンサー類やデュアルカメラを内蔵していたが、シングルカメラのパンチホール型になって、ディスプレイが全体に広がった。パンチホールも完璧な対策ではないものの、それでもタブレットがほぼ全画面になった点は使いやすさの向上につながる。

開けばタブレットとして使える

開けばタブレットとして使える。インカメラがパンチホール型になったので、ディスプレイの全画面感が増した

インカメラがパンチホール型になったので、ディスプレイの全画面感が増した

この全画面感が、使いやすさの向上につながっている

前モデルと変わらず、スマートフォンモードでは一般的なスマートフォンに比べ細身のボディとなる。ディスプレイが全画面となったことで解像度は2260×816ピクセルとなり、アスペクト比は2.77:1という独特の比率となった。前モデルは21:9と、それでもまだ理解できる比率だったが、さすがに細長い。

とはいえ、画面の大きさは正義。その細長さのおかげで、ウェブサイトやSNSなどは快適に閲覧できる。また、分割画面でふたつのアプリを起動しても、それなりに使えるレベルだ。

縦長なので2画面を並べても実用的

縦長なので2画面を並べても実用的(画面写真右)

開いたときの画面は従来と大きく変わらないので、パンチホール型で見やすくはなかったが大きな差はない。3つのアプリを並べて起動する機能も変わらない。右上の切り欠きがなくなったので、より見やすくなった印象だ。

開いたときに3画面表示。テキストなどをドラッグ&ドロップで別アプリに貼り付けることもできる

開いたときに3画面表示。テキストなどをドラッグ&ドロップで別アプリに貼り付けることもできる

画面は従来とあまり変わらずやや柔らかめ。折り畳みディスプレイにより、画面保護が最小限になっているためだろう。ちょっと傷が恐いのは確か。デフォルトでも貼り付けられているが、折り畳みにも対応した画面保護フィルムを別途手に入れて、利用するといいだろう。

ディスプレイの折り畳み角度が、ノートPCのように固定でき便利に

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックは、折り畳み角度が任意に固定できるようになった点。Galaxy Z Flipで実用化された機能がFoldにも搭載された形だ。

自由な角度で固定できるようになったのは大きなポイント

自由な角度で固定できるようになったのは大きなポイント

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックといえ、かなり使いやすさが向上している

Galaxy Z Fold2のもうひとつのトピックといえ、かなり使いやすさが向上している

前モデルの場合、閉じた状態でディスプレイを少し開くと、バネの力により半ばまで一気に開いていた。Galaxy Z Fold2はそのままでは一気に開くことはない。バネ仕掛けでなくなった分、わずかに手間が増えるものの、タブレットモードへと開ききらない状態で角度を固定できる。

この結果、ノートPCのように平面においてディスプレイを見るといった使い方ができるようになった。これが意外なほど実用的だ。

カメラの場合、三脚代わりに

折り曲げた状態で自立させた場合、ほとんどのアプリはタブレットモードで起動するが、この際カメラとYouTubeアプリなど一部アプリは特別なUIとなる。カメラの場合、上半分にライブビュー、下半分にシャッターボタンなどのカメラコントロールが表示されるので、平面において固定して撮影するといった三脚代わりの使い方ができる。

固定して撮影するといった使い方も便利

固定して撮影するといった使い方も便利

縦置きしての撮影もいい

縦置きしての撮影もいい

ディスプレイの角度を変えれば、上下方向に構図を変えることもできる。山型に固定されるので、縦置きにして固定してもいい。これも角度を変えれば構図の変更が可能と、意外に柔軟性がある。

コメントを確認しながらのYouTube動画視聴でも役立つ

YouTubeの場合、上半分で動画が再生され、下半分にはコメントなどが表示できる。タブレット表示よりもサイズは小さくなるが、コメントを確認しつつ動画を視聴するといった使い方には便利だ。

キャプチャだと分かりにくいが、YouTubeだと上部に動画、下部にコメントや情報表示になる

キャプチャだと分かりにくいが、YouTubeだと上部が動画、下部はコメントや情報表示になる

Galaxy NoteアプリがノートPCのように使える

他にはGalaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになるので、文字通りノートPCのように使える。実用性については少し微妙だが、一部スマートフォンでスライド型のハードウェアキーボードを内蔵した機種もあるが、そんな感じの使い方ができるわけだ。

このあたりは、スマートフォンでもない、タブレットでもない折り畳みスマートフォンの新たな使い方と言えそうだ。

Galaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになる

Galaxy Noteアプリでは下半分がキーボードになる

ハイエンドらしくカメラも高機能化

Galaxy Z Fold2では、カメラも高機能化している。Galaxy Note20シリーズと同じ世代という扱いで、背面のミスティックブロンズが共通しているほか、大型のカメラユニットを搭載している点も共通している。

高機能化したカメラ。トリプルカメラで性能もハイエンドらしいものとなったが、ちょっと出っ張りすぎだとは思う。カバーを付けた方がいいだろう

高機能化したカメラ。トリプルカメラで性能もハイエンドらしいものとなったが、ちょっと出っ張りすぎだとは思う。カバーを付けた方がいいだろう

カメラスペックとしてはトリプルカメラで、超広角、広角、望遠の3つを搭載する。画素数としては全て1200万画素なので、Galaxy S20/Note20世代としては高画素センサーがない分、機能は少し劣る。

また、前モデルは超広角カメラが1600万画素だったので、Galaxy Z Fold2では画素数が減ったことになる。ただし、センサーサイズが同じであれば画素数が少ない方が画質面では有利なことが多いので、問題はないだろう。

超広角で撮影。カッチリとした描写で見栄えがする

超広角で撮影。カッチリとした描写で見栄えがする

色のりもよく、シャープネスは強めだが明暗のバランスもいい

色のりもよく、シャープネスは強めだが明暗のバランスもいい

望遠側は倍率が物足りないが、あるのとないのとでは大違いで便利

望遠側は倍率が物足りないが、あるのとないのとでは大違いで便利

ポートレートモードでの背景ボケは一般的な性能という印象

ポートレートモードでの背景ボケは一般的な性能という印象

画質は、サムスンらしい色のりの良さとシャープネスの強さ

画質はサムスンらしい色のりの良さとシャープネスの強さで、カチッとした描写をする。ややわざとらしさもあるスマートフォンらしい描写だが、安定してバランスはいいだろう。手ブレ補正も強力で、三脚代わりに本体を置いて撮影すれば、夜景でも安心して撮影できる。

メインカメラでトリプル、スマートフォンモードでのインカメラ、タブレットモードでのインカメラと、全部で5つのカメラを搭載することも特徴だが、タブレットモードにしてメインカメラで自撮りできるのはGalaxy Z Fold2ならでは。これも角度を固定して自立できるようになったため、メインカメラでの自撮りがしやすくなった。

本体を開いて背面のメインカメラを自分に向ければ、カバーディスプレイをモニターにして高機能なメインカメラでの自撮りができる(写真左)。カメラの右上にある「自分撮り」ボタンをタッチすると開いた状態でカバーディスプレイがモニターになる(写真右)

本体を開いて背面のメインカメラを自分に向ければ、カバーディスプレイをモニターにして高機能なメインカメラでの自撮りが可能(写真左)。カメラの右上にある「自分撮り」ボタンをタッチすると、開いた状態でカバーディスプレイがモニターになる(写真右)

ただ、Galaxy Z Fold2は20万円を超える高額デバイスでもあり、最上位クラスのカメラを搭載して欲しかった面はある。現行だと、Note20 Ultraなどは1億画素を超えるセンサーを搭載しているが、そこまでの機能はない。

中途半端感が残るものの、完成度の高まりと新たな使い方の提案に好感

Galaxy Z Fold2は、スマートフォンとしても、タブレットとしても中途半端感が残る。スマートフォンの横幅を広げて、16:10ぐらいのタブレットになると、もう少し使いやすいようにも感じる。

折り畳みの途中で固定できるようになったことで、自立して、カメラや動画視聴などで便利になったのは見逃せない。新たな使い方ができるようになり、折り畳みスマートフォンが日常的に使えるようになったのはいい。

とはいえ、auでの販売価格は税込25万9980円。2年間の分割払いで端末を返却する場合でも実質負担金は税込15万5940円になる。その価値を見いだせるかどうかは難しい判断だ。使い勝手の向上などにより完成度が増した上、新たな使い方の提案は見られるし、個人的には楽しい端末だと思う。

サムスンはペン搭載スマートフォンのNoteシリーズを、継続して定番化した。同様に、折り畳みスマートフォンもラインナップとして定番化してほしい。「ディスプレイが折り曲がる」ことは重要ではないものの、折り畳んでコンパクトになるというのは、今後も継続してもらいたい。

関連記事
サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る
サムスンがスクリーンやヒンジを改善した新折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold 2」を発表
サムスンが折り畳みスマホGalaxy Z Fold 2イベントを日本時間9月2日深夜0時にバーチャル開催
サムスンUnpackedイベントまとめ、5G対応のNote 20やTab S7、第2世代折り畳みスマホZ Fold 2などが登場
Galaxyの最新フラッグシップと折り畳みFold後継機は2月11日発表か

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung / サムスンSamsung Galaxyガジェット折り畳みスマートフォン / フォルダブルスマートフォンレビュー

サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る

サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る

まだまだ特殊なデバイスという位置づけではあるものの、折り畳みスマートフォンが拡大している。サムスンはGalaxy Zシリーズとして折り畳みスマートフォンを複数ラインナップしており、その第1弾となった製品が「Galaxy Fold」だ。当初は「Z」が付かなかったので、シリーズ化するかどうか決まっていなかったのかもしれない。日本ではauから発売され、後継機種の「Galaxy Z Fold2」発売も目前に迫っている。

まずは第1世代「Galaxy Fold」を振り返り、どのような解決がなされたのか、後日「Galaxy Z Fold2」のレビューを掲載しよう。

欠点は多いものの、触っていてとにかく楽しい

Galaxy Foldは、メインディスプレイを内側に折り込むブックスタイルの折り畳みスマートフォン。折りたためばスマートフォン、開けばタブレットとして使えるというのが特徴だ。他社にはディスプレイを表にして山型に折り込む端末もあるし、1枚のディスプレイを折りたたむのではなく、ふたつの画面を重ね合わせるタイプもある。Foldのスタイルは、折りたたむとカバーディスプレイを一般的なスマートフォンライクに使えるようになる。このあたりはそれぞれ一長一短あるものの、Foldの場合メイン画面は内側に収めて保護する形になるため安心できるという点はメリットだろう。

閉じた状態。ちょっと画面の小さいスマートフォン

閉じた状態。ちょっと画面の小さいスマートフォン

開くとタブレットに早変わり

開くとタブレットに早変わり

スマートフォンとしては分厚い。折り畳みの宿命ではあるが、約15.7mm(最厚部17.1mm)とどうしてもスマホ2台分ぐらいの厚みになってしまう。厚みを除くと、縦160.9×62.8mmと約細身のボディは普通のスマートフォンより持ちやすく、握りしめるという感触になる。

閉じた状態だと、約15.7mm(最厚部17.1mm)と当然2倍の厚さになる

閉じた状態だと、約15.7mm(最厚部17.1mm)と当然2倍の厚さになる

細身なことも手伝って、握りしめる感じはそれほど持ちにくくない

細身なことも手伝って、握りしめる感じはそれほど持ちにくくない

ただ、スマートフォンとして使われるカバーディスプレイの画面サイズは4.6インチと小さい。本体の中心に小窓のようにあるディスプレイは、スマートフォンというよりもサブディスプレイという印象だ。

このあたりはGalaxy Foldの大きな弱点。一見コンパクトスマートフォンに見えるものの、その実態は分厚いボディとなっており、画面サイズとしては4.6インチしかないのはやはり使い勝手が悪い。

スマートフォン側でアプリを開いた状態で本体を開くと、その時開いていたアプリがタブレット側でも開いた状態になる。画面が小さいと感じた場合は、開いてタブレット状態にしてメイン画面を利用すればいいのだが、やはりそれはそれで一手間かかる。スマートフォンとして完結できるのであればそれに越したことはない。

メインディスプレイで開いていたアプリは設定をすればそのままカバーディスプレイに移行できる

メインディスプレイで開いていたアプリは設定をすればそのままカバーディスプレイに移行できる

タブレットモードになると、画面サイズは7.3インチというサイズ。タブレットというにはやや小さいが、それでもスマートフォンよりはるかに大きい大画面が楽しめる。

タブレットモードで横持ち。一般的なタブレットのように見える

タブレットモードで横持ち。一般的なタブレットのように見える

画面を開いたタブレット状態なら厚みは6.9mmと薄くなる。276gという重さもタブレットと考えれば軽量だ。2152×1536ピクセルのディスプレイの画面比率(アスペクト比)ほぼ4:3なので、動画だと上下の黒帯が大きくなるものの、画像の閲覧にはちょうどいい。電子書籍にも向いているだろう。横持ちして2画面表示していると、ちょうど文庫本やラノベ(A6判。105✕148mm)を読むぐらいの感覚だ。

タブレットにすれば一般的な厚み。側面には音量ボタン、電源ボタン、指紋センサーが並ぶ

タブレットにすれば一般的な厚み。側面には音量ボタン、電源ボタン、指紋センサーが並ぶ

背面から見たところ

背面から見たところ

ただ、インカメラをデュアルカメラにするなど、ノッチが大きめになっているのは気にかかるところ。デュアルカメラにもメリットはあるが、ディスプレイサイズを小さくしてまで搭載するのは本末転倒だろう。

やや内側に反ったデザインとなっており、中央の折り目は角度によっては目立つし、触るとへこみも感じるが、使っていて致命的な問題には感じない

やや内側に反ったデザインとなっており、中央の折り目は角度によっては目立つし、触るとへこみも感じるが、使っていて致命的な問題には感じない

とはいえ、スマートフォンサイズで持ち歩けて、タブレットの画面サイズで動画や画像などのコンテンツを楽しめるというのは得がたい体験だ。やはり持ち運びやすさというのは大きなメリットで、必要に応じて画面サイズを変えられるのもいい。

タブレットとして、複数のアプリを同時起動もできる。3つのアプリまでを並べる機能を備えているが、快適に使うにはやや画面サイズが足りない。それでも、使いようによっては便利で、必要なときにこうした使い方ができるのは折り畳みスマートフォンならでは。

  1. 3つのアプリを並べたところ。この配置は固定。縦に並んだ2つは小さいので見にくいが、通常のスマートフォンで2分割にして使うと考えれば困らない。左側の縦に長く配置できるアプリは、スマートフォンの通常の1画面と同様なので、配置を工夫すれば使いやすくなる
  2. アプリはドラッグ&ドロップで配置を入れ替えられる

「閉じる」「開く」という動作は、スマートフォン以前のフィーチャーフォンの折り畳みケータイっぽくて、なんとなく開け閉めをしてしまう。閉じた状態で爪を差し込むようにするとカパッと開き、開ききる直前に軽く力を入れるとパチッと平らになる。つい、開け閉めを繰り返したくなる感覚だ。

残念なのは、開いている途中で角度が固定できない点。ノートPCのような使い方はできない。

新たなデバイス、新たなチャレンジに踏み出せるサムスンへの期待

こうしてみると、予想通りというか、欠点は少なくない。

Galaxy Foldは、スマートフォンを使っている最中にタブレットに持ち替えるといった、2台持ち状態よりは手軽だ。ただその場合、より使いやすいスマートフォン、より大画面のタブレットを使い分けられるのに比べて、一体型はいろいろとガマンしなければならない面が多くなる。また、20万円を超える高額のデバイスは、おいそれと手が出るものでもない。

ただ、こうしたチャレンジができる点はサムスンの強みだ。曲げられるディスプレイは新たなデバイスにも生かされるだろうし、折り畳みは何より楽しい。これがスマートフォンの主力になるとは考えにくいものの、今後新たなデバイスへのチャレンジという将来性を期待させるた製品がGalaxy Foldだった。

ハードウェア的な進化が少ない昨今のスマートフォンにおいて、2世代目も登場したGalaxy Fold。Galaxy Z Fold2でも、サムスンによる新たな使い方、新たな提案に期待したい。

関連記事
サムスンがスクリーンやヒンジを改善した新折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold 2」を発表
サムスンが折り畳みスマホGalaxy Z Fold 2イベントを日本時間9月2日深夜0時にバーチャル開催
サムスンUnpackedイベントまとめ、5G対応のNote 20やTab S7、第2世代折り畳みスマホZ Fold 2などが登場
Galaxyの最新フラッグシップと折り畳みFold後継機は2月11日発表か
折り畳みスマホGalaxy Foldの販売台数が100万台を突破
折り畳みスマホGalaxy Foldが使用1日でディスプレイに問題発生、現在調査中
サムスンの折り畳みスマホGalaxy Foldは9月にリリース
サムスンのGalaxy Fold問題は解決との報道、次の一手は?
Galaxy Foldで問題を起こしたのは残念、折り畳みディスプレイ開発は続行とサムスン
サムスンがGalaxy Foldのリリースを準備中か、問題修正の報道
サムスンのGalaxy Foldはフォルダブルにとって凶兆か?
Galaxy Foldに関する評論家の苦情にサムスンが強気の応答
折り畳みスマホSamsung Galaxy Fold使用レポート(2日目)
折り畳みスマホSamsung Galaxy Fold使用レポート(1日目)
サムスンの折り畳みスマホGalaxy Foldの実物をようやく触った
サムスンが折りたためるGalaxy Foldを発表、機能も価格も超プレミアム

カテゴリー: ハードウェア
タグ: Samsung / サムスン(企業)Samsung Galaxyガジェット(用語)スマートフォン(用語)レビュー(用語)