ウクライナのゼレンスキー大統領主演ドラマ「国民の僕(しもべ)」、米ネットフリックスが再放送

ウクライナのゼレンスキー大統領主演ドラマ「国民の僕(しもべ)」、米ネットフリックスが再放送―同氏を大統領に押し上げた作品

米ネットフリックスが、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が主演を努めた人気ドラマ「国民の僕(Слуга народу:Servant of the People)」の米国における再配信を開始しました。

国民の僕(しもべ)は、さえない歴史教師の政治批判が隠し撮りされ、ネットでブームになったことから、あれよあれよという間に大統領に……というストーリーから始まるコメディ・ドラマシリーズです。

このドラマのストーリーをなぞるように、ゼレンスキー氏は大統領選に出馬して当選し、現在も苦境のウクライナを率いていることは、もはやおなじみかとおもいます。

この作品はもともと、ウクライナでは2015年から2019年まで放映されていたシリーズ。アメリカのNetflixでも以前に配信が行われていました。今回は、その配信が再開されたかたちとなります。

一方でネットフリックスは、ロシアにてそのサービスを停止しています。また国民の僕はYouTubeでも視聴することが可能で、こちらでは自動翻訳による日本語字幕も利用できます(再生リストはこちら)。

コメディアンから大統領へと転身し、自ら前線に立ちウクライナを鼓舞するゼレンスキー氏の出世作となった本ドラマ、今だからこそチェックしておきたいものです。

(Source:the VergeEngadget日本版より転載)

ロシア、アップルとグーグルに対し「野党支援アプリの削除か刑務所送り」と脅迫との報道―2021年秋から抑圧の下地作り

ロシア、アップルとグーグルに対し「野党支援アプリの削除か刑務所送り」と脅迫との報道―2021年秋から抑圧への下地作り進行

Mikhail Klimentyev/TASS via Getty Images

ウクライナ侵攻が続くなか、ロシア当局のハイテク大手に対する規制も強まり、プロパガンダを抑制しようとしたFacebookやTwitterも国内でブロックされました。そうした圧力は侵攻以前からあり、アップルやGoogleにプーチン政権にとって不都合なアプリを消すよう脅迫していたことが報じられています。

これはロシアの野党指導者で投獄されているアレクセイ・ナワリヌイ氏が構想したアプリ「Smart Voting」をめぐってのことです。本アプリはロシア政府や与党「統一ロシア」に選挙で対抗するために、最も有利な候補者を支援するものでしたが、ロシア当局はアップルとGoogleにアプリストアから削除するよう要請。はじめ両社とも従いませんでしたが、結局は圧力に屈してどちらも削除しています

米The Washington Postによると、アップルとGoogleのモスクワにいる幹部らは、このプーチン大統領が嫌っているアプリに関して、9月に直接脅迫されたとのこと。それぞれの幹部の自宅に捜査官が現れ「24時間以内にアプリを削除しないと刑務所に入れるぞ」と脅したと伝えられています。

そのうちGoogleは宿泊客と警備員が近くにいればある程度は守られると考え、速やかに幹部を偽名でホテルに移したそうです。が、捜査官は部屋に現われて「まだ時間は残っている」と告げたとのこと。この人物は、秘密警察KGBの流れを汲む治安機関FSB(ロシア連邦保安庁)の職員だと見られています。

この脅迫戦術は功を奏し、アプリは数時間のうちにGoogle PlayとApp Storeから削除されたと報じられています。その後にアップルを初めとしたハイテク大手に現地オフィスを開設を命じた(各企業や従業員らがロシアの法制度や政府の要求に対してより脆弱になる)ことも合わせて、The Washington Postは「現在ロシアで進行中の、ソ連式に表現の自由を抑圧する下地となった」と分析しています。

アップルはロシア政府の要求通りに現地オフィスを開設したとの報道もありましたが、他にも様々な圧力がかけられていたとすれば、やむを得なかったのかもしれません。

(Source:The Washington Post。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)