紙の帳票のデジタル化に今でも使われているOCRをやや賢くするAmazon Textract

ほとんどの企業が困ってることのひとつが、各種の伝票をはじめ、いろんな書式(フォーム, form)をデジタル情報に変えて、保存したりソフトウェアで処理したりすることだ。よくあるやり方は、人間の事務職員がコンピューターにデータ入力すること。最新技術を使う方法としては、OCRに書式を自動的に読ませるやり方がある。

しかしAWSのCEO Andy Jassyに言わせると、OCRは要するに無能な読み取り機にすぎない。それはテキストのタイプなどを認識しない。それを変えたいAmazonは今日(米国時間11/28)、Amazon Textractという、ややお利口なOCRツールを発表した。これなら書式上のデータを、もっと使いやすい形でデジタル化してくれそうだ。

Jassyが例として見せたのは、表のある書式だ。通常のOCRは表を認識しないから、表の各欄の枠を超えて、ひとつのテキストとして読み出す。Textractは、表などの、よく使われる成分を認識して、妥当な形でデータを取り出す。

Jassyによると、書式はよく形が変わるので、OCRの無能を補うためにテンプレートを使っていても、形が変わるとテンプレートは役に立たない。一方Textractは、よく使われるデータタイプ、たとえば社会保障番号、誕生日、住所などなどを知っているので、それらがどんな形で収まっていても正しく解釈できる。

“Textractには、この形の文字集合なら誕生日、これなら社会保障番号、等々と教えてあるので、書式が変わってもそれらを見逃さない”、とJassyは説明した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Dropboxが電子署名機能を追加しようとしている?ユーザー調査が示唆

Dropboxによって最近送られたユーザー調査は、同社がDropbox Professional製品に電子署名機能を追加することを検討していることを明らかにした。その機能は単に“E-Signature from Dropbox”という名前で参照されている。調査のポイントは、ユーザーはそのような製品を使いたいのか、どれ位の頻度でそう思うのか、そして他のものに比べて、それはDropbox体験に価値を付け加えると思うかどうか、といった点に対するフィードバックを得ようとしたものだ。

調査だけではその機能が実際に動作しているかどうかは確認できないが、Dropboxがそのプロフェッショナル製品について、どのように考えているかは示している。

同社のE-Signatureに関する説明によると、この機能は「あなたとあなたのクライアントにとってシンプルで直感的な電子署名体験」を提供し、「わずか数回のクリック」で署名をして貰うために文書を送ることができるという。

この場合、文書を受け取り署名をするクライアントは、Dropboxユーザーである必要はないと調査票は説明している。そして製品は署名ワークフローの全てのステップにおける更新状況を提供する。例えば、文書が開かれたことの通知や警告、クライアントが疑問を持っているかどうか、そしていつ文書が署名されたかなどだ。署名された文書が返信された後は、ユーザーは署名済の文書へのアクセスが簡単にできるように、自分のDropboxのアカウントへ受信する、と同社は説明している。

Dropboxは、製品に関する一般的なフィードバックを求めることに加えて、調査回答者たちに、Adobe e-Sign、DocuSign、HelloSign、そしてPandaDocなどについても質問し、同時に直接対面や郵便による文書の送付などの従来型の手法の利用についても尋ねている。

今日市場に多数の選択肢があることを考えると、Dropboxがそのような製品の開発をさらに進めて、実際に開始することを選択するかどうかは不明瞭である。しかし、もし本当にそうした場合には、独自のE-Signatureサービスを持つ利点は、その機能がDropbox全体の製品体験に、より緊密に組み込まれるということだ。また、より多くのビジネスユーザーに対して、基本消費者アカウントからProfessional層へのアップグレードを促す可能性もあるだろう。

この種の直接統合は、Dropboxのビジネス・ワークフローのコンテキストで意味を発揮するものだ。例えば、ある企業が契約ワークフローを進めている場合、コンテキストを変更することなく署名フェーズに移行できる(あるいはDropboxを使用しないユーザーと共有できる)ならば、単に文書を保存できるだけよりも、遥かに素晴らしい価値が加わることになる。

Dropboxのような企業は、純粋なストレージ提供を超えて、特に顧客が仕事を完了するためにアプリケーションを離れることなく、共同作業を行いコンテンツを共有する能力を提供する手段を探し続けてきた。タスク切り替えなしで仕事をできるこうした機能は、DropboxがDropbox Paperで取り組んできたものだ。

彼らがこのようなソリューションをどのように実装するのかはまだわからないが、既存のベンダーと提携するか、小さな企業を買収することの方が、機能をゼロから構築するよりは合理的な例かもしれない。まあひとつの簡単な調査だけでは、彼らの現時点での究極の目標ははっきりしないのだが。

Dropboxはコメントに対するリクエストにはまだ応答していない。

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(翻訳:sako)

テクノロジーの利用による効率化が遅れている大企業の財務や法務にコラボレーションを持ち込むClauseMatch

ClauseMatchのCEO Evgeny Likhodedは、契約交渉というものがどんなものだったか、よくおぼえている。彼がMorgan StanleyやGazpromにいたときは、各種金融製品や商品取引をめぐって契約や合意を交渉するチームに配属されていた。

エンタープライズの多くの部分でテクノロジーが進化したが、Likhodedによると、財務や法務、保険関連などコンプライアンスが厳しい部門では、圧倒的にMicrosoft Wordに依存して文書の作成や編集を行い、それらの変更や承認を行う部署への配布には、圧倒的にメールが使われていた。

“大企業の、とくに法務の連中の仕事は、そこに何らかの文書が絡んでくるといつでも、何人かの利害関係者たちが意見を述べ、変更を加え、その文書を承認していた。文書を10か20の部署に送ると、それぞれ異なる10通が返ってきて、それらをすべて原本に取り入れなければならない”、とLikhodedは往時を語る。

関連部署が増えるとさらに複雑になる。80から100名ぐらいからの入力や承認が必要になると、Likhodedによれば、人びとは原始的な変更追跡とバージョンコントロールのフォームとしてスプレッドシートを作った。そして多くの場合、監督部門は文書の作成過程を理解するために監査証跡〔完全詳細な変更・編集履歴〕を見たがるので、問題はさらにややこしくなった。

これらすべてを踏まえてLikhodedは、ClauseMatchの構築に取り組んだ。財務や法務関連のチームがリアルタイムでコラボレーションしながら文書を作成編集し、変更を記録追跡し、承認のシルシを付け、そしてサインをもらうソフトウェアだ。

単純にすべてのアップデートをインデクシングして、すべての文書に完全な監査証跡が備わるようにする。文書がどう変化・進化してきたかよく分かり、誰がいつどこをどう変えたかも分かるから、機密情報も管理しやすい。

2016年の初めにソフトローンチしたClauseMatchは、バークレーズ(Barclays)に採用されて、同社のポリシー管理の合理化に貢献している。概念実証の段階で採用した数社は、近く完全なデプロイメントへ移行する予定だ。

その結果ClauseMatchは、Speedinvestがリードするラウンドで160万ドルのシード資金を獲得でき、それには既存の投資家SparkLabs Global VenturesとTechstars、元Thomson ReutersのCEO Tom Glocer、元SunGardのCEO Cristobal Condeらが参加した。

新たに資金を得たClauseMatchは、すでに成長しているチームをさらに大きくしたいと考えている。社員数は、1年前の6名から20名に増えた。今後はプロダクトチームを増員するとともに、営業とマーケティングを本格的に展開したい意向だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビジネス向けビデオ共有サービスMicrosoft Streamが提供開始

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本日(7月18日)マイクロソフトは、YouTubeが消費者に提供しているものと同様の柔軟性を備えた組織内向けビデオ共有サービス「Stream」の提供を開始した。企業が文書管理システムに期待するセキュリティツールが加えられていることが利点である。サービスは現在無償プレビューとして利用できる。

マイクロソフトのビジネス・インテリジェンス・プロダクツ・グループ副社長のJames Phillipsが、Streamを始めるのに必要なのはメールアドレスだけだと教えてくれた。Streamのユーザー体験はVimeoやYouTubeなどの消費者サービスからヒントを得ていて、更にいいね!やコメント、レコメンデーションなどのソーシャル機能も取り込まれている。

「私たちは皆、美しく多機能のソフトウェアツールがどのようなものかの理解を、消費者として訓練されてきたのです」とPhillips。「そして今度は私たちが、ビジネスソフトウェアでそれらの経験を提供します」。

会社内のビデオ利用の基本的なユースケース(利用例)の中には、トレーニングや従業員同士のコミュニケーションが含まれる。

steam_connect_blahマイクロソフトはすでにOffice 365 Videoとしてビジネスビデオサービスを既に提供していることに注目したい。「Microsoft Streamは、Office 365 Videoの成功体験の上に構築されました、徐々に2つのサービスはOffice 365の内外に一貫性のある経験をもたらすものとしてシームレスに統合されていくことでしょう」と、Phillipsは本日の公式アナウンスに記していて、更に現行のOffice 365 Video利用者は今のところサービスに何の変化も見ることはないと補足した。

Office 365 Videoと比較すると、Microsoft Streamはより多くの消費者指向体験を提供するために、Microsoftの既存の技術の多くを活用することになる。Phillipsは、担当チームはマイクロソフトリサーチの中で現在行なわれている研究やAzure 機械学習チームの成果 − 例えば音声文書変換、自動翻訳、そして将来のバージョンの Stream のための顔認識技術など − に関心を寄せていると語った。Phillipsは、チームが将来的にライブストリーミングのサポートを追加することを検討していることも話してくれた。

しかし企業とそのIT管理部門の視点から更に重要なことは、Streamがビデオを他の企業文書と同様に扱うということだ。彼らにとってビデオは、企業内の他のデジタル資産と同様である。ビデオへのアクセス権を割り当てたり、アクセスグループを設定したり、権限を剥奪すること、そして企業外へ動画が共有されないようにすることも可能だ。

また開発者は、Microsoft StreamのAPIを使って新しいアプリケーションをその上に構築することも可能である。第一段階では、ビデオが埋め込み可能になる程度だが、徐々により多くの機能がAPIに追加されていくことになるだろう。

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(翻訳:Sako)