コカ・コーラ系自販機がNFC Type A/Bに対応、VISAやMastercardでキャッシュレス決済

ビザ・ワールドワイド・ジャパン、Mastercard、JCB、アメリカンエキスプレスのカードブランド4社は4月13日、日本コカ・コーラが国内に設置している約17万台の「マルチマネー対応自動販売機」で、各ブランドのクレジットカードによるタッチ決済(コンタクトレス決済)が可能になることを発表した。

マルチマネー対応自動販売機とは、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーはもちろん、WAONやnanaco、iDなどの電子マネーに対応した自販機。購入したい商品のボタンを押したあとに自販機のカード読み取り部分に各種カードをかざすことで、キャッシュレスでの購入が可能になる。暗証番号やサインの入力はもちろん不要だ。なおコカ・コーラでは、2020年内にさらに1万台のマルチマネー対応自動販売機の設置を計画している。

コカコーラでは、スマートフォンアプリの「Coke On」とCoke On Pay対応自販機でのキャッシュレス決済も進めてきた。こちらは各種クレジットカード(VISA、Mastercard、JCB、 AMEX、ダイナースクラブ)、各種電子マネー(交通系、nanaco、WAON、Edy)、各種コード決済(PayPay、LINE Pay、楽天ペイ)をCoke Onアプリに事前登録しておけばキャッシュレス決済が可能だ。しかも商品を購入するたびにスタンプが1個以上付与され、スタンプが15個貯まると1本無料というサービスもある。一方で、アプリのダウンロードや支払い方法の事前設定、(一瞬で終わるが)Bluetoothによる自販機のペアリングなど一般ユーザーにとっては少しハードルが高いのが難点だった。

今回、オフィスや商業施設などで普及しているマルチマネー対応自動販売機でのNFC A/B対応により、SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーと同様に事前設定やアプリは不要で自販機にカード本体や対応するiPhoneやAndroid端末をかざすだけで決済が可能なる点で、より多くの人の利用が期待できる。クレジットカードの明細を家計簿代わりにしている人にとっては、日々の細々した出費をクレジットカードに集約できる点でもメリットだろう。

コカ・コーラ自販機でLINE PayのBluetooth決済が可能に、Coke ON Pay対応を発表

日本コカ・コーラは6月17日、同社が展開しているCoke ON Pay対応自販機でLINE Payが利用可能になったことを発表した。

飲料ごとに独自スタンプが用意されており、これを集めるのも楽しい

Coke ONとは、日本コカ・コーラが無償配布しているスマホ専用アプリ。このアプリを起動してCoke ON対応自販機にかざしてとBluetoothでのペアリングが完了後、現金や交通系電子マネーで飲料を購入すれば、購入価格に関係なく1本につき1スタンプがもらえる。

Coke ON Payに対応している自販機の位置はアプリで調べられる。白抜きで赤字のPayの文字が入っているのが対応自販機だ。日本コカ・コーラによると2018年10月以降に既存のCoke ON自販機を順次Pay対応に変えていくとのことだが、すべてのCoke ON対応自販機がPay対応になるわけではない

キャンペーンや新製品などで1本につき2スタンプがもらえることもある。期間によって異なるが、月曜の朝8時まで、もしくは12時まで購入するとスタンプが2個もらえるキャンペーンが開催されることもある。

一定歩数を歩くとスタンプが1枚もらえるので、歩けば歩くほどドリンク1本無料チケット獲得に近づく

さらに、スマホ内蔵の加速度センサーと連動しており一定歩数をクリアするともらえるスタンプもある。これらのスタンプが15個貯まると、飲料1本を無料でもらえるのがメリットだ。

Coke ON Pay対応自販機。写真中央の黒い部分にスマホをかざしてBluetoothでペアリングする

Coke ON Payは、このCoke ON対応自販機に決済機能を持たせたもの。通常は飲料の購入に現金の投入や交通系電子マネーをかざす操作が必要だが、Coke ON Pay対応自販機であれば、スマホのCoke ONアプリで商品選びから決済までが可能になる。

Coke ON Payで決済する場合、購入する商品を選んで矢印方向にスワイプするだけで、取り出し口に商品が落ちてくる。なお、15枚のスタンプが貯まった際に付与される1本無料のドリンクチケットを使う場合の操作も同じだ

具体的には、スマホの画面で決済方法を選ぶと、自販機のメニュー画面に切り替わるの商品を選んでスワイプするだけでOK。自販機側のボタンを操作する必要はまったくない。

日本コカ・コーラではこれまでも、クレジットカードや交通系電子マネーで経由のCoke ON Pay決済に対応していたが、今回新たにLINE Payが選べるようになったわけだ。

Coke ON Payは、クレジットカードや交通系電子マネーでの決済にも対応している。6月30日までは、電子マネーで購入すると1本無料のドリンクチケットが1枚もらえる。また、MasterCardのクレジットカードを登録して9月30日までに使うとオリジナルスタンプが2枚もらえる

なお、LINE Pay対応を記念して、6月30日までは初回購入時に50円相当のLINEボーナスが付与されるほか、2回目の購入時にオリジナルデザインCoke ON スタンプ2個もらえるキャンペーンを実施中だ。

キリンビバレッジの一部の自販機ではLINE Payが使える。料金表示部分ではなく、ステッカー部分にスマホかざす必要があるなど、操作方法が少々わかりづらい

LINE Payではこれまでキリンビバレッジの一部の自販機でLINE Pay決済に対応していた。しかし、Coke ON Payとは異なりスマホ側ですべての操作を制御できず、スマホを自販機にかざした状態で、もう1つの手で自販機のボタンを押す必要があった。

キリンビバレッジのLINE Pay対応自販機では、LINEアプリ上で決済を選んだあと、自販機側のボタンで商品を選ぶ必要がある

この操作方法だと、片手が荷物などで塞がっていたり、使えない場合は操作の難易度が高かった。一方、Coke ON Pay自販機では、商品選びから決済までをスマホアプリだけで済ませられる。

電子マネー対応自販機とは異なり、Coke ON Pay自販機はNFCリーダーなどを別途追加する必要がないため、比較的に安価に設置できるのもメリット。全国各地にあるコカ・コーラ自販機でLINE Payが使えるようになることで、キャッシュレスが進みそうだ。