訪日外国人観光客と飲食店をつなぐオンラインサービス「日本美食」が農林中金などから10.1億円調達

訪日外国人観光客に特化した飲食・旅行のオンラインサービス「日本美食」を運営する日本美食は7月23日、農林中央金庫(以下農林中金)および複数の個人投資家らを引受先として、総額10億1000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

日本美食は「和食や日本のお酒を楽しみたい」というインバウンド観光客と、訪日客をより多く迎えたい飲食店とをつなぐオンラインサービス。「お店やサービスを探せない」「予約ができない」「決済ができない」といった訪日客の悩みと、「店を見つけてもらえない」「言葉や決済に対応できない」といった店側の集客・接客に関する課題を解決するために、日本の飲食店を紹介するメディア(広告)機能、4言語対応の予約・注文機能、店頭でのスマホ決済機能を備えたアプリを提供する。

スマホのQRコード決済では、アリペイをはじめとする14種類の決済ブランドに対応。中国のほか、世界44カ国の訪日観光客に利用されているという。また、飲食店側も初期費用不要で成果報酬型の手数料でサービスを利用できることから、多くの飲食店に導入が広がっているとのことだ。

日本美食は2015年12月の設立。2017年6月には1.3億円を資金調達している。

今回の農林中金からの資金調達は、日本の農林水産業の高付加価値化、国際競争力強化を支援するために2016年に設定された500億円規模の「F&A(Food & Agri)成長産業化出資枠」によるもので、インバウンドに関するものとしては初の投資案件となる。

同社は今回の農林中金による増資を機に、日本美食のサービスを農林中金と協業で地方にも広く展開し、訪日観光客と飲食店や農泊ツアーの旅行事業者などの受け入れ側双方の課題解決を目指す。サービスを通じて訪日観光客による国産農水産物の消費拡大と地域活性化に貢献していく、としている。

訪日外国人観光客と飲食店を繋ぐグルメサービス「Japan Foodie」、運営が1.3億円の資金調達

インバウンド観光客および飲食店向けのグルメサービス「Japan Foodie」を運営する日本美食は6月20日、第三者割当増資により総額1.3億円の資金調達を実施したことを発表した。

引受先は、イノベーション研究所 代表取締役社長の西岡郁夫氏、MSキャピタル パートナーの袁小航氏、個人投資家の千葉功太郎氏、ピー・アンド・イー・ディレクションズ 代表取締役社長の島田直樹氏、ヤフー執行役員の田中祐介氏のほか、レジェンド・パートナーズだ。

訪日外国人観光客、飲食店の課題を解消するサービス

Japan Foodieは、訪日外国人観光客および飲食店向けのグルメサービス。厳選された日本国内の飲食店を紹介する「メディア機能」、予約と事前決済が行える「予約機能」、QRコード方式かつ9種類のスマホ決済に対応する「スマホ決済機能」という3つの機能を保有している。これにより、訪日外国人観光客と飲食店の双方が抱える悩みを解決するという。

両者が抱える悩みとは一体何か——日本美食 代表取締役のLu Dong(董路)氏はこう語る。

「日本には美味しい飲食店がたくさんあり、訪日外国人観光客の多くは“日本食”を食べることを楽しみにしています。しかし、どのお店に行けばいいのか、何を食べればいいのか、全然分からない。『食べログ』や『ぐるなび』など日本人向けのグルメサービスはありますが、訪日外国人観光客向けのものはなく、予約も取りにくい。また中国はキャッシュレス、カードレスの社会が進み、スマホ決済が当たり前となっていますが、日本はまだ現金主義。決済方法が非常に少ないです」(Dong氏)

Dong氏自身、日本国内の飲食店に対して課題を感じる一方、飲食店側も訪日外国人観光客の「No Show(いわゆる無断でのバックレ、連絡なしで来店しないケースだ)率」が高い、という課題を持っていた。そこで、Dong氏はこのスキームを考えた。

訪日外国人観光客に対して、東京カレンダー創刊チームが厳選した飲食店情報を提供するほか、事前にスマホ決済による予約を行えるようにする。飲食店側には事前に許可をとった上でJapan Foodieに掲載し、システムを導入してもらう。これによって、訪日外国人観光客が感じる課題を解決するだけでなく、飲食店側のNo Show率も低下させる。実際、Japan Foodie経由での予約者のNo Show率は0パーセントだという。

また、飲食店側は新規集客を行えるだけでなく、スマホ決済にも対応できるようになる。

成果報酬型の送客手数料でマネタイズ

サービス開始から約半年で、提携先も含めて日本全国8000店舗(日本美食が直接契約しているのは360店舗)以上の飲食店に利用されているJapan Foodie。飲食店をリストアップし、掲載する前に営業をかけているそうだが、なぜ、ここまで利用店舗を増やせているのか。Lu Dong氏によれば、リスクが一切ないところが好評だという。

「Japan Foodieはユーザーはもちろん無料で使えますが、飲食店側も初期費用は一切かかりません。初期費用をかけずにスマホ決済のシステムを導入することができます」(Lu Dong氏)

飲食店側は成果報酬型で送客手数料を日本美食に支払うだけでいい。この手軽さにより、飲食店側の導入も進んでいるそうだ。今後は調達した資金をもとに、新機能の開発やサービス改善、人員の増強に充てる予定だという。