複数デリバリーサービスからの注文を一元管理できる飲食店向けSaaS「Camel」を提供するtacomsが3億円のシリーズA調達

デリバリー注文一元管理サービスCamelを提供するtacomsが3億円のシリーズA調達、採用・マーケ・プロダクト開発強化

デリバリー注文一元管理サービス「Camel」(キャメル)を提供するtacoms(タコムス)は2月22日、シリーズAラウンドとして総額3億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はXTech Ventures、ANRI。

調達した資金は、エンジニア・セールス・カスタマーサクセスなどの採用強化、マーケティングやプロダクト開発などの事業投資にあてる。「デリバリー・テイクアウトサービス、POSシステム等など外部サービスとの連携強化」「全国の飲食店舗への認知・導入拡大のための組織拡大」「導入店舗へのサポート体制の強化」を実現する。

昨今多くの飲食店では、コロナ禍などにより数々のデリバリーサービスの導入を進めているものの、すでに飲食店の現場・厨房内では各サービスごとの注文受注用端末があふれている状況にあるという。サービスごとの管理画面にログインし、注文対応状況やメニュー更新作業が必要などその管理が非常に煩雑となっているそうだ。

これに対してtacoms提供のCamelでは、連携する全デリバリー・テイクアウトサービスからの注文を1台のタブレット端末で一括で受注可能となっており、デリバリー業務に必要な店舗側の一連のオペレーションを簡潔化できる。新しくデリバリーサービスに出店する際もオペレーションが煩雑化することなく、管理コストの削減・売り上げの最大化を狙えるとしている。2021年5月の正式リリース以降、累計導入店舗は全国5500店舗を突破したという。デリバリー注文一元管理サービスCamelを提供するtacomsが3億円のシリーズA調達、採用・マーケ・プロダクト開発強化

また、店舗のPOSおよびOESとの連携により、デリバリーの注文が入ると自動的に注文のPOSプリンターから調理伝票が出力され、ハンディ端末への注文情報の再入力コストのカットも実現できる。デリバリー注文一元管理サービスCamelを提供するtacomsが3億円のシリーズA調達、採用・マーケ・プロダクト開発強化

折りたたみ電動バイクのシェアリングサービスShaeroが3億円調達、2022年夏に200ステーション開設を目指す

折りたたみ電動バイクのシェアリングサービスShaeroが3億円調達、2022年夏に200ステーション開設を目指す

折りたたみ電動バイクのシェアリングサービス「Shaero」(シェアロ。Android版iOS版)を運営するシェアード・モビリティ・ネットワークスは2月21日、第三者割当増資による総額3億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は国内投資家。累計調達額は6億円となった。調達した資金により、2022年夏に200ステーション、2023年夏には600ステーション開設を目指す。

今後は、東京を中心とした関東エリアで拡大するとともに、地方都市へのシェアロの展開や、より幅広い年齢層の方が乗れる小型EVによるシェアリングサービスの開発を行っていく予定という。

Shaeroは、2021年9月にサービスを開始。2022年2月16日時点で、東京23区を中心に65ステーション設置が完了している。利用したい際には、専用アプリをダウンロードし、まずは無料の会員登録を行う(利用には原動機付自転車の運転免許証が必要)。アプリから貸出可能なバイクのある最寄りのステーションを検索してその場で予約、あとは15分以内に乗りに行けばいい。返却は、目的地周辺の返却可能なステーションを予約して、バイクを戻せば完了。起動の方法や折りたたみ方法、充電方法などの細かい手順は、アプリを見ながらワンステップずつ確認できる。

2019年7月設立のシェアード・モビリティ・ネットワークスは、環境負荷の少ない電動⾞両(EV)を⽤いて、都市部を中⼼にシェアリングサービスのネットワークを構築することで、都市部のラストワンマイルの移動⼿段として新しい選択肢を提供することを⽬的としているという。都市部の混雑する移動の緩和に加え、将来的には地方での生活の足となるような新たな交通手段として利用してもらえるよう考えているそうだ。移動手段を変化させることで、個々のライフスタイルをより自由に、環境的にもより持続可能な暮らしを実現させるとしている。

HIKKY、5年以内に世界100都市をメタバース化する「パラリアルワールドプロジェクト」発足

大規模VRイベント「バーチャルマーケット」をはじめVRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは2月17日、5年以内に世界100都市をメタバース化しオープンメタバース上で提供する「パラリアルワールドプロジェクト」の発足を発表した。実在する都市のメタバース化・パラリアル化を通じて、人々の創造力がより一層発揮される社会の実現を目指す。

HIKKYが提唱するパラリアルとは、「パラレルワールド」(並行世界)と「リアル」(現実世界)を合わせた造語で、リアルとメタバースに並行して存在することを指すという。パラリアルワールドプロジェクトでは、現実世界に実在する都市をメタバース上の都市として解釈し直すことで、現実の良さとメタバースならではの表現を両立させ、新たな都市をデザインする。

HIKKYは2021年、渋谷と秋葉原をVRイベント「バーチャルマーケット2021」においてメタバース上で再現した。ここで使われたパラリアル渋谷とパラリアル秋葉原の常設化を皮切りに、2022年度中には大阪とニューヨークをメターバス化してパラリアルの都市として再現する。その後5年以内に世界100都市をメタバース化し「誰もが自由に解釈し、自由に利用できるパラリアル都市」をオープンメタバースの場で提供することを目指す。


メタバース空間への出店、メタバース都市のイベント・広告ジャック

パラリアルワールドでは、パラリアル都市にメタバース店舗を設けることが可能。出店する店舗は、実在の店舗を模したデザイン以外にも、物理法則を無視したメタバースならではのデザインも採用できる。また、都市全体を丸ごとジャックするような超大型イベントについても、機材や時間、人員といった要因にとらわれずに開催可能。

VR法人HIKKY、5年以内に世界100都市をメタバース化する「パラリアルワールドプロジェクト」発足

メタバース観光地とメタバース旅行

物理的な距離の影響を受けないメタバースでは、家から出ずに遠く離れた観光地を訪れることも可能。パンデミックや震災の影響を受けやすい観光業界の支援を目的としているという。

パラリアルワールドの未来

同社は、パラリアルワールドの未来として、メタバース空間上行政手続きを行えるようにすることで移動・行列などから高齢者層など人々を開放することや、どこからでもアクセス可能なメタバースの特徴を活かし教育の地域格差やパンデミック時に失われる教育機会の補填といった教育問題の課題解決を挙げている。

 

コントレアが動画によるインフォームド・コンセント支援クラウドMediOSに麻酔科向けサービスを追加、麻酔説明を半自動化

動画を活用したインフォームド・コンセント支援クラウド「MediOS」(メディオス)を提供するContrea(コントレア)は2月18日、新たな疾患領域に対する展開として麻酔科向けサービスのリリースを発表した。内容としては、MediOSおよび麻酔科向け動画コンテンツとなっており、2月18日から提供を開始する。2024年4月、働き方改革に関する法律により医師の時間外労働に上限が設けられ、医療業界では医療現場の効率化が急務となっている。MediOSは、患者の理解度向上と医師の働き方改革を両立させるとしている。

日本病院会によると、安全な手術には麻酔科医による麻酔管理が重要だが、全診療科の中で麻酔医が最も不足しているという(「2019年度 勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査 報告書」)。そうした不足をカバーするため、大学病院では40%、一般病院では60%もの施設が外部に麻酔科医の派遣を定期的に要請している(麻酔学会「麻酔科医のマンパワーに関する調査」)。

これは手術件数が急増し需要が拡大していることや、麻酔業務以外に集中治療・救急医療・ペインクリニックなど担当範囲が拡大している点が理由として挙げられる。そうした業務量の拡大に加えて、術前の麻酔説明に多くの時間が取られることも麻酔業務を多忙にする要因となっている。

ただ、現場における麻酔説明は多くの時間がかかるものの、その内容は麻酔の概要や合併症といった定型的な内容が多くを占めているという。そこでMediOSの麻酔説明動画コンテンツでは、入院までの準備や各種麻酔方法と合併症、術後の覚醒、PCAポンプの使い方など約50分の内容を用意。またこれら動画は、京都府立医科大学の佐和貞治先生と柴﨑雅志先生、京都大学の松村由美先生・加藤果林先生による監修の元で制作したそうだ。

この麻酔科向けのサービスにより、麻酔科医の不足という課題を解決し、患者理解度や質問を事前に取得するクラークの役目を担うことまでできるという。システムは動画の準備から管理、患者への動画共有、視聴データ解析まで一気通貫で運用可能。定型的な部分を効率化することで、麻酔科医は患者個別性の高い説明やハイリスクな患者への事前準備、手術の麻酔管理など本質的な業務に集中でき、手術の安全性向上にもつながるとしている。

MediOSとは、インフォームド・コンセント(医療従事者が患者に診療目的・内容を説明し患者の同意を得ること)における定型的な内容をアニメーション動画にし、事前に患者が説明を受ける機会を提供するサービス。大学病院をはじめ200~700床の病院で導入されており、医師の説明時間が患者1人あたり33%短縮されたそうだ。また患者側の平均理解度が5段階中4.6を取得といった効果も得ているという。

大阪大学レーザー研究所、核融合に不可欠な固体トリチウムの新しい物性値を60年ぶりに解明

大阪大学レーザー研究所、核融合に不可欠な固体トリチウムの新しい物性値を60年ぶりに解明

大阪大学レーザー研究所(山ノ井航平助教ら研究グループ)は2月14日、固体状態の重水素トリチウム(D-T)混合体の屈折率の測定に、世界で初めて成功したと発表した。核融合発電の注入燃料として利用される予定の重水素とトリチウムの混合体だが、トリチウムが放射性物質であることから取り扱いが難しく、その物性値は60年にわたり測定されてこなかった。

固体の重水素とトリチウムの混合体は、効率的な核融合発電を行うためには、その形状と組成のコントロールが必要になる。光を用いて分析を行えば、形状と組成を一度に知ることができるのだが、もっとも基礎的なデータである屈折率の測定が困難だった。そのため、軽水素などの値から推測された経験式から得られるデータで代用するしかなかった。

レーザー研究所では、約4テラベクレル(TBq)のトリチウムと重水を1対1の割合で混合し、密封セル内でマイナス255度以下に冷やして固化し、その屈折率を測定した。さらに温度を下げることで、屈折率の温度依存性も明らかにした。これができたのは、同研究所が蓄積してきた高度なトリチウムの取り扱い技術と、レーザー測定の技術と知識のおかげだ。

この研究成果により、将来の核融合における固体重水素トリチウム燃料の検査手法が確立され、核融合炉の設計が進むことが期待されるという。また、高い安全性を確保した上での「大容量のトリチウムを取り扱った技術的知見が得られた」ことで、今後の放射性物質を使った研究開発に貢献できると研究所は話している。

ロボット遠隔制御サービスHATSを開発するキビテクが1.5億円調達、システム開発や実証実験推進・エンジニア採用強化

ロボット遠隔制御サービス「HATS」などを開発しているキビテクは2月16日、第三者割当増資による1億5000万円の資金調達を2022年1月に行ったと明らかにした。引受先は、リード投資家のSpiral Capital Japan Fund 2号投資事業有限責任組合、また九州オープンイノベーション1号投資事業有限責任組合。

調達した資金は、システムの開発推進とともに、エンジニア採用の強化と実証実験にあて、さらなる事業の加速化を図る。コロナ禍により、非対面・非接触や遠隔操作での搬送ニーズの需要が高まっていることから、ロボット導入DX化の課題解決、ロボットのマーケット拡大に貢献するという。

キビテクが開発中のHATS(Highly Autonomous Teleoperation Service)は、様々なロボットにアドオンすることで遠隔制御を実現するサービス。各ロボットにキビテクが開発した装置をアドオンしたうえでシステムに接続することで、遠隔オペレーターがロボットを制御可能となる。

自律ロボットの場合、予想外の出来事に対応できず、頻繁な停止で作業効率が低下するなどの課題があることから、ロボット導入に踏み切ることができない現場や、導入後のロボット運用に課題を感じている現場に役立つサービスを目指すという。

またHATSの場合、現場ごとに違う様々な課題・状況に応じて人がロボットを補完する半自動化が実現でき、現場フローに沿った柔軟な対応が行える。人ならではとされていた、ロボットでは難しい作業や業界の解決に取り組むとしている。

知能ロボットの開発を行うスタートアップ「キビテク」は、東京大学の人型ロボット研究室JSK(情報システム工学研究室)出身者が主となり、2011年11月に設立。ロボット遠隔制御システムの開発・販売やロボットシステム受注開発を事業として手がけている。また、ロボティクス技術の活用とロボット遠隔オペレーターという新しいリモートでの働き方を提案し、社会課題の解決とともに、現場の人手不足といった課題の解決を目指している。

駐車場管理アプリakippeが特定利用者のみに空き駐車場を貸し出せるakippe private機能追加、3月1日スタート

駐車場予約アプリ「akippa」(Android版iOS版)を運営するakippaは2月16日、駐車場のオーナーがマンション・寮など特定の住人のみに貸し出せる新機能「akippa private」(アキッパ・プライベート)の提供開始を発表した。3月1日より利用可能。マンション・アパート・学生寮などの入居者専用駐車場、公団での介護者専用駐車場、オフィスビル・商業施設の関係者専用駐車場などに活用できるという。

akippaは、駐車場のシェアリングサービス。契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設などの空きスペースを、ウェブかアプリから事前予約・決済して安く利用できるというもの。空きスペースを持っている人ならば誰でも登録・貸出が行えるので、費用をかけることなく副収入を得られる。2022年2月現在で会員数は累計250万人(貸主を含まない)となっているそうだ。

akippaの新機能akippa privateは、マンション入居者など駐車場オーナーが指定したユーザーのみが予約・利用できる機能。一般のakippa会員は、駐車場詳細ページの閲覧や予約を行うことはできない。そのため外部収益とはみなされずに分譲駐車場の空き駐車場をシェアすることが可能になるという。

akippa privateの活用イメージ例

  • 分譲マンションでの入居者専用駐車場
  • 賃貸マンション・アパート・学生寮などでの入居者・来客専用駐車場
  • 公社などの団地での介護事業者専用駐車場
  • オフィスビルや商業施設の関係者専用駐車場
  • バスや搬入車両など大型車両専用駐車場
  • akippaマルシェ専用駐車場

akippaによると、近年都心部のマンションなどでは、住民の車離れにより付帯駐車場に空きが出てしまう物件が増えており、課題となっているという。

分譲マンションの駐車場を住民以外に貸し出した場合、その駐車場売上は「外部収益」とみなされ各種税金や税務申告の義務が生じるため、手続きなどで新たなコストが発生する。そのため多くの収益が見込めない場合は、マンション理事会の承認などの手続きが煩雑なこともあり駐車場シェアの導入は難しい。

これに対してakippa privateは、特定ユーザーのみが予約・利用可能とすることで、外部収益とはみなされずに空き駐車情のシェアが可能となる。現在は個人宅には対応していないが、将来的には対象駐車場の拡大も見込んでいるとのこと。

また予約対象者を絞れることから、住民と関係ない第三者がマンション・学生寮などセキュリティの整った場所に立ち入ることを防止可能。このほか、akippaの予約システムを活用し利用料金を徴収するため、クレジットカード、キャリア決済(docomo、au)、PayPay決済によるキャッシュレス決済が行える。管理会社は窓口業務の管理工数を削減できるほか、現金取り扱いリスクを回避できる。

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功

展開した膜型ダストセンサーをオンボードカメラで撮影した自撮り画像。センサーが固定されたパドル面には、千葉 工業大学の校章とPERCのロゴが印字されている

展開した膜型ダストセンサーをオンボードカメラで撮影した自撮り画像。センサーが固定されたパドル面には、千葉
工業大学の校章とPERCのロゴが印字されている

千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)は2月15日、宇宙塵探査実証衛星「ASTARISC」(アスタリスク)がJAXAのイプシロンロケット5号機で高度約570kmの地球周回軌道に打ち上げられ、初期運用に移行したことを発表した。

ASTARISCは、宇宙塵や微小なスペースデブリを観測するための、サイズが30×10×10cmというU3超小型衛星。世界初の方式による、展開すると30×30cmになる膜状の粒子観測装置(ダストセンサー)を搭載している。ダストセンサーは、ポリイミド製の膜に圧電素子を接着したもの。この膜に宇宙塵やスペースデブリが衝突すると、そのとき発生する弾性波を電気信号としてとらえ、独自の信号処理によりリアルタイムで粒子を観測できる。粒子が膜に衝突しさえすれば検出できるので「膜の面積を大きくするだけで大面積のセンサーを容易に実現できる画期的な技術」とのことだ。

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功

ASTERISC外観写真。写真左は、展開前の衛星外観。写真右は、30×30cmの膜型ダストセンサー(左方向に広げられたオレンジ色の膜)展開後の衛星外観。膜型ダストセンサーの膜面には、受信用の8個の圧電素子と2個の試験信号用の圧電素子が接着されている

 

千葉工業大学の宇宙塵探査衛星ASTARISC、大面積膜型ダストセンサーを展開し軌道上実証に成功ダストセンサーは、センサーの健全性と展開実施の要件を確認したあと、ニュージーランド上空付近で展開された。タイマーコマンドにより自律的に展開されたが、オンボードカメラの映像などによって、設計通りの形状で展開されたことが確認できた。すでに「真の粒子観測イベント」と判定できるデータが得られているとのこと。観測された粒子は、0.1〜1μm(マイクロメートル)程度のサイズと推定され、センサーが設計通りの感度を有していることも実証された。今後は、長期的な観測により、軌道上の粒子の量・飛来方向・運動量などを明らかにできるとしている。

宇宙塵は、太陽系の形成に大きく関わる重要な微粒子で、原始の地球に降り注いだ宇宙塵由来の有機物が生命の起源ともいわれている。また、スペースデブリの定量的な観測と評価も、今後の宇宙開発において重要な意味を持つ。しかし、宇宙塵や微小なスペースデブリを地上から観察することはきわめて難しく、その分布や量などの特性を調べるには、直接宇宙で観測しなければならない。

ただ、宇宙空間での宇宙塵や微小スペースデブリは存在が大変に希薄であるため、それらを観測するには大きな検出面積を持つダストセンサーが必要となるが、これまでの方式ではコストの面などで大型化が困難だった。そこで惑星探査研究センターは、容易に大面積化できるこのダストセンサーを開発した。

ASTARISCは、惑星探査研究センターと東北大学が共同で開発したもの。今回は同時に、将来のミッションを視野に入れた国産の衛星バス技術(電源系、通信系、データ処理制御系、姿勢系)の軌道実証も行い、成功している。

デジタルツインの社会実装を目指すDataLabsが1.3億円のシード調達、点群データの自動3次元モデリングツールを3月末公開

デジタルツインの社会実装目指すDataLabsが1.3億円のシード調達、点群データの自動3次元モデリングツール公開に向け体制強化

DataLabsは2月16日、シードラウンドとして、第三者割当増資による総額1億3000万円の資金調達の実施を発表した。引受先は、東京大学協創プラットフォーム開発、ディープコア。調達した資金は、点群データの有効活用に向けたプロダクト開発および機能の拡張、それらの開発に適したリサーチエンジニア・ウェブエンジニアなどの人材採用にあてる。

また同社は、点群データの「自動モデリングツール」、三次元データや二次元CAD図面の「クラウド型共有・可視化ツール」の2プロダクトのリリースを近日予定しているという。

まず2月末には、点群データ・三次元モデル・二次元CAD図面などを、誰でも閲覧・共有できる「点群三次元モデル可視化・共有ツール「Linked Viewer」を公開予定。URLの共有のみでブラウザー上で閲覧可能としており、生データをダウンロードすることもできる。デジタルツインの社会実装目指すDataLabsが1.3億円のシード調達、点群データの自動3次元モデリングツール公開に向け体制強化

 

もう1点は、3月末にリリース予定の「点群データの自動モデリングツール「Modely」(モデリー)。計測した点群データをDataLabsのプラットフォームにアップロードすると、クラウド上で自動解析するというもの。対象を画面上でクリックするだけで、自動で寸法精度100%(パラメトリックモデリングを採用した場合)の三次元モデルが完成する。

なお現在、Modelyの要素技術を用いて、現場での配筋状況の自動モデル化による検査の効率化などを目指した実証実験を東日本旅客鉄道と進めているそうだ。鉄道をはじめ、あらゆる施工現場における配筋検査等の効率化のため、全国の建設業界の企業などに向けてサービス展開も図るとしている。

2020年7月設立のDataLabsは、「デジタルツインの社会実装」を通じ最適化された社会の実現に資することをミッションとするスタートアップ。三次元計測のほか、点群データの自動三次元モデリング(BIM/CIM化など)、熱流体や気流、構造解析などの各種シミュレーション(CAE解析)機能をSaaSで展開。UI・UXを充実させ、デジタルツイン実現のハードルを極限まで低減するという。

船の自律航行技術開発を行うエイトノットが1億円調達、2025年までの社会実装目指す

船の自律航行技術開発を行うエイトノットがシードラウンドファーストクローズとして1億円調達、2025年までの社会実装目指す

船の自動運転技術開発スタートアップ「エイトノット」は2月15日、シードラウンドのファーストクローズとして、J-KISS型新株予約権方式による1億円の資金調達実施を発表した。引受先は、DRONE FUND、15th Rock Ventures、リアルテックファンド。累計資金調達額は1億5000万円となった。

2021年3月設立のエイトノットは、「ロボティクスとAIであらゆる水上モビリティを自律化する」をミッションに掲げる、自律航行技術開発スタートアップ。ロボティクス専門家集団による開発チームを擁し、実用的な技術を現実的なコストで、かつスピーディに開発可能としており、創業から半年で小型船舶向けの自律航行技術の開発と実証実験を成功させている。同社は、2025年の自律航行無人船の社会実装を目指し、事業活動を加速させるという。

調達した資金は、「ロボティクスおよびAIに精通したエンジニアリングチームの強化」「EVロボティックボートを活用した事業開発チームの強化」などにあてる。

調達した資金の主な用途

  • ロボティクスおよびAIに精通したエンジニアリングチームの強化
  • EVロボティックボートを活用した事業開発チームの強化
  • 自律航行機能を備えた小型船舶の開発
  • 遠隔監視システムの開発
  • 事業化を見据えた実証フィールドでの航行試験

昨今、陸の自動運転・空のドローンなど、モビリティの自律化・自動化技術は隆盛著しく、その動きは船舶など水上モビリティにも及んでいる。水上モビリティにおいても自律化による安全性・利便性・経済合理性の向上が見込め、とりわけ四方を海に囲まれた日本では、旅客・物流において新たな移動・輸送手段となることが期待されているためという。災害時に代替輸送手段として活用することも期待されている。

またグローバル市場、特に新興国の場合、都市部の交通渋滞が深刻な社会課題となっていることから、船運は重要な交通・輸送手段として活用が推進されている。

これら状況においてエイトノットは、ロボティクス・AIなど先端技術を活用した「水上モビリティのロボット化」をコンセプトとし、環境に配慮したEVロボティクスボートによるオンデマンド型水上交通を実現することで、課題解決に貢献するという。

飲食店向けの予約・注文・顧客管理システムなどのトレタが総額20.3億円調達、プロダクト開発・人材採用を強化

飲食店向けの予約・注文・顧客管理システムなどのトレタが総額20.3億円調達、プロダクト開発・人材採用を強化

飲食店向けの予約・注文・顧客管理システムなどを手がけるトレタは2月16日、第三者割当増資および金融機関からの融資により総額20億3000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、凸版印刷、HR Tech Fund、Image Frame Investment(HK) Limited(Tencent Holdings Limitedの完全子会社CVC)、岡三キャピタルパートナーズ、ジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合。

調達した資金は、プロダクトの開発推進および人材採用にあてる。また、投資家とのパートナーシップの向上、協業事業の推進を通じた事業拡大を図り、飲食店が外食DXに取り組みやすい環境を作ることで外食業界へのさらなる貢献を目指したいという。

トレタは、飲食店向け予約・顧客台帳サービスの「トレタ」、注文から会計までをスマホで完結する店内モバイルオーダーの「トレタO/X」、飲食店の電話予約をAIで自動受付する「トレタ予約番」など、飲食店経営の構造を見直し、再構築するための様々なサービスを手がける。POSレジ開発によりチェーン展開する飲食店が急増した1970年代以降、人手に負荷をかけて発展・維持してきた外食業界の問題点や、コロナ禍を背景とする飲食店経営の効率化・生産性向上といった課題に対して、その解決には外食DXが不可欠であると同社は考え、サービスの開発を進めている。

韓国大手NAVER、可能性に満ちた日本と韓国の大手eコマース販売業者の成長を加速するNew Vesselに投資

eMarketerの推定によれば、2021年の日本のeコマース市場は1440億ドル(約16兆5600億円)、韓国は1210億ドル(約13兆円9200億円)だ。市場規模の大きさにもかかわらず、両国のeコマースアグリゲーターの数は、より市場規模が小さい他の国よりも少ないと、韓国のeコマースアグリゲーターであるNew Vessel(ニューベッセル)は述べている。

同社は現地時間2月15日、韓国と日本での市場獲得をにらみ、非公開のシードラウンドで資金を調達したと発表した。韓国のインターネット大手NAVER(ネイバー)、CKD Venture Capital、Wooshin Venture Investmentが共同でラウンドをリードし、Lighthouse Combined InvestmentとS&C Networksが参加した。

New VesselのCEO、Jaebin Lee(イ・ジェビン)氏はTechCrunchに対し、新たな資金は韓国と日本でのeコマースブランドの買収と、ブランド管理、マーケティング、サプライチェーン管理の専門家の追加採用に充てると語った。同社は現在、年間売上高が少なくとも100万ドル(約1億1500万円)、利益率が15〜30%のブランドを求めており、買収案件の規模は100万〜200万ドル(約1億1500万〜2億3000万円)になるだろうと同氏は付け加えた。同社は2022年上半期に買収を完了した後、6月にシリーズA資金を調達する予定だと同氏は指摘した。

画像クレジット:eMarketer(スクリーンショット).

New Vesselは、弁護士や投資家として10年以上のM&A経験を持つイ氏と、日本のEC「楽天」や韓国のEC「Coupang(クーパン)」で活躍したKyuyong Lee(イ・キュヨン)氏が2021年9月に創業した企業だ。

ここ数年、共同創業者の2人は、ThrasioやPerchなどグローバルなアグリゲーター大手の成長を目の当たりにしてきた。だが、韓国と日本におけるeコマース市場は世界でもトップクラスにあるにもかかわらず、eコマースアグリゲーター業界はまだ始まったばかりであることに気づいた。このことは、両国を拠点とするアグリゲーターにとって大きな可能性だとイ氏は話す。

「単に時間の問題です。韓国と日本のeコマースアグリゲーター市場は、未開拓の可能性に満ちています」と同氏はいう。

New Vesselは、韓国と日本の大手eコマースの販売業者の成長を加速するために彼らと提携し、実績に裏打ちされた最適化戦略と売上拡大戦術を提供するという。同社が目指すのは、米国拠点の販売業者が韓国と日本で事業を拡大するのを支援することと、逆に、韓国と日本のブランドが米国市場へ参入できるようにすることだとイ氏は述べた。同社は最近、米国と韓国に拠点を置く携帯電話アクセサリーメーカー、Spigen(シュピゲン)と戦略的提携関係を結び、オペレーションにおける強みをさらに高めた。

「韓国のオンラインブランド販売業者の大半は、自分のブランドを売り込むことが可能であることさえ認識していません。ブランドオーナーとの提携により、すばらしい製品を手頃な価格で市場に広げ、販売者だけでなく消費者全体にも価値を提供できると信じています」。

一方、グローバルなeコマースアグリゲーターのThrasioは、日本のeコマースブランドを買収するため、2021年3月に日本に事務所を設立し、アジアに進出している。

画像クレジット:Blue Planet Studio / Getty Images

原文へ

(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

Web3のパワープレイヤー「アニモカブランズ」が日本進出、戦略的子会社「Animoca Brands株式会社」が11億円のシード調達

Web3のパワープレイヤー「アニモカブランズ」が日本進出、戦略的子会社「Animoca Brands株式会社」が約11億円のシード調達

香港拠点のAnimoca Brands(アニモカブランズ)は2月15日、日本における戦略的子会社「Animoca Brands株式会社」(Animoca Brands KK)の2021年10月25日設立を発表した。またAnimoca Brands KKは、シードラウンドとして約11億円の資金調達を2022年1月に完了したと明らかにした。引受先は、IPX1号ファンド(MCP アセット・マネジメント)、Animoca Brands。シードラウンド完了を経て、今後東京都港区を拠点に日本における事業拡大に取り組む。

Animoca Brands KKは、大手出版社、ブランド、教育、スポーツ競技団体、アスリート、アーティスト、ゲーム会社といった、日本の知財やコンテンツ(IP)ホルダーがグローバルで直接コミュニティを作るとともにファンを獲得し、トラフィックを創生することを支援する目的で設立。具体的には、ブロックチェーン技術を活用したプラットフォームを構築・提供し、日本の知財・IP ホルダーがWeb3のエコシステムの中で自らNFTやトークンを発行できる仕組みを提供。これにより、ファンとのコミュニティの構築・成熟化を支援するという。

  1. Web3のパワープレイヤー「アニモカブランズ」が日本進出、戦略的子会社「Animoca Brands株式会社」が約11億円のシード調達

ANAとJoby Aviationが提携、日本でもエアタクシーサービスを開始へ

Joby Aviationは、日本の航空会社ANAと提携し、航空ライドシェアサービスを日本に提供する。トヨタ自動車も両社と提携し、エアタクシーと地上の交通機関を接続する方法を模索する予定だ。

Joby Aviationが日本で事業を開始する意向を明らかにしたのは、同社が韓国のSK Telecomと提携し同国で航空タクシーサービスを開始する計画を発表した1週間後のこととなる。JobyはSK Telecomのスピンオフ企業であるT Map Mobilityプラットフォームと協力して、エアタクシーをT Mapのサブスクリプションベースのmobility-as-a-serviceプラットフォームに統合する予定だ。

関連記事:韓国でJoby Aviationがエアタクシーサービス開始へ

両社は、Jobyの航空機の操縦開始時期、日本での商用サービス開始予定時期、ANAとJobyのどちらが運営するのか、顧客がどのように利用するのかなど、サービスの具体的な内容は明らかにしなかった。Joby Aviationの広報担当者は、Joby、ANA、トヨタの3社は現在、インフラ整備、パイロット養成、飛行運用、規制要件、一般の受け入れ、航空輸送をより大きな交通エコシステムに接続する方法などを検討しており、計画段階にあるという。

トヨタは、この未来のサービスにおけるパートナーであるだけでなく、JOBYの戦略的投資家でもある。トヨタは2020年にJobyの5億9000万ドル(約681億円)のシリーズCラウンドを主導し、同社と電動化技術や製造、品質、コスト管理に関する専門知識を共有しているとJoby Aviationの広報担当者は述べている。

「本日の発表は、日本における未来のエアタクシーサービスのあり方を定義するための第一歩です」と、広報担当者は語る。「両社は今後、ルートの候補も含めて、この画期的な新しい交通手段を確立するためのあらゆる側面で協力することになります」。

Jobyの航空機は、最大航続距離150マイル(約270km)、最高速度時速200マイル(約320km/h)だ。クルマで1時間かかる関西国際空港から大阪駅までの移動は、同社のサービスを使えば15分以内で行けると試算している。

電動垂直離着陸機(eVTOL)は4人乗りであり、少なくとも最初の用途では、商業サービスは限定的なものになるだろう。Jobyが現在のモデルを大量生産するか、より大きなeVTOLを作るまでは、エアタクシーが一般的になるのは数年先だろう。さらにeVTOLの製造に時間と費用が必要であるだけでなく、規制上の障害がある可能性のためだ。しかし、先に米運輸省の連邦航空局とG-1(第4段階)の認証基準を締結し、一歩前進した。これにより、同社は米国での適合性試験を開始し「実施段階」に入ることができるようになった。これは基本的にJobyは、航空機の複合材部品の設計と製造に承認を得たことを意味する。

日本における空のライドシェアの採用を加速させたい学者、研究者、航空会社、スタートアップ、公的機関が集まった「空の移動革命に向けた官民協議会」では、日本でのeVTOLの認証が検討されている(Joby Aviation、トヨタ、ANAはすべてこのグループのメンバーだ)。最終的な認定は、国土交通省航空局が行う予定だ。

画像クレジット:Joby Aviation

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Katsuyuki Yasui)

動画により1対多のOJTを実現するマネジメント支援サービスClipLineがシリーズEセカンドクローズとして4.5億円調達

動画により1対多のOJTを実現するマネジメント支援サービスClipLineがシリーズEセカンドクローズとして4.5億円調達

動画で組織実行力を高めるマネジメント支援サービス「ClipLine」を提供するClipLineは2月15日、シリーズEラウンドセカンドクローズとして、第三者割当増資による総額4億5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、あいざわアセットマネジメント、DG Daiwa Ventures、SMBCベンチャーキャピタル、山口キャピタル。シリーズEラウンドとしては総額10億5000万円の資金調達を実施したことになる。また累計調達額は25億5000万円となった。引き続きエクステンションラウンドの実施を予定しているという。

調達した資金により、ClipLineの機能を拡張し、より経営に寄り添うサービスへ進化させる。特に現場マネジメントの柱となる「店長・ミドルマネジャー支援」機能の強化および導入促進に注力する。

・店舗運営に必要な情報をスコア化するダッシュボード機能の実装
・店長・ミドルマネジャーの利用シーンに即したマルチデバイスの開発
・その他の使途として、人材獲得による組織体制の強化に引き続き注力

ClipLineは、動画とクラウドで多店舗展開ビジネスの生産性を改善するサービス。OJTを1対1ではなく、1対多人数へ拡張し、24時間いつでもどこでも新人が1人でトレーニングできる環境を構築し、指導者の拘束時間を削減するという。また、マネジメントをリモート化し、ミドルマネージャーの負荷削減を通じた販売管理費の抑制や、暗黙知の形式知化による店舗間での理念体現・ノウハウ共有などの実績があるそうだ。

GVA TECHがAI契約審査クラウドGVA assistの条文検索機能リニューアル、結果表示高速化・ファイル名での条文検索に対応

リーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECHは2月9日、AI契約審査クラウド「GVA assist」(ジーヴァアシスト)において、条文検索機能の高速化やファイル名での条文検索が行えるようリニューアルしたことを発表した。契約審査において法務担当者が煩わしさを覚えていた作業を従来以上にスピーディに行え、審査業務全体の効率化に貢献できるとのこと。

GVA assistは、契約審査に関するノウハウを集約した「プレイブック」を基に契約書審査作業の補助するクラウドサービス。このプレイブックは、GVA TECH所属弁護士が作成・監修した200種類以上の「GVAプレイブック」と、ユーザー独自の契約審査ノウハウをまとめた「自社プレイブック」で構成されている。

これらプレイブックを通じたリスク把握・修正例・譲歩案などの活用をはじめ、条番号ずれ・表記揺れを一括修正する「形式チェック機能」、400種類以上の契約書ひな形をダウンロードできる「ドラフト機能」を利用可能。「○○社と締結した契約書の条文が欲しい」「△△のような参考条文がほしい」といった条文のキーワードを元にフリーワードで参考条文を探せる「条文検索機能」も採用している。契約書のドラフト作成からレビュー業務の効率化をアシストしてくれる。

ただ、従来の条文検索機能では「ファイル名に含まれている契約類型名や社名、案件番号で検索ができない」「検索結果が多く表示されすぎて該当の条文が見つけづらい」といった声が上がっていたという。今回のリニューアルでは、これら課題を解消した。

具体的なリニューアル内容

  • ファイル名に含まれている契約類型名や社名、案件番号も検索の対象に
  • 同じ内容の条文が複数表示されなくなり、欲しい条文が見つけやすくなった
  • 検索対象として、条文のみ検索・貯えた独自のノウハウを含めた検索を選択できる
  • 検索結果の表示速度が高速化(どのようなキーワードでもおよそ1秒以内)

2017年1月設立のGVA TECHは、法律とIT技術を組み合わせた事業を手がけるリーガルテック領域のスタートアップ。企業法務担当者や弁護士の支援のため、GVA assistはじめ「GVA法人登記」や「GVA登記簿取得」といったサービスを展開している。

スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを展開するリバースラボが約2億円調達、新規商品を開発・既存商品改良

スキンケアD2C「sirobari」とコスメティックD2C「sirocos」を展開しているリバースラボは2月10日、第三者割当増資による総額約2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ダイヤモンドファンタジーおよび複数のエンジェル投資家。2019年11月設立以来初のエクイティファイナンスとなる。調達した資金は、新規商品の開発と既存商品の改良、プロモーション活動にあてる。

スキンケアやコスメティックといった化粧品の多くは、店頭などオフライン販売が主流となっている。これにより大資本による絞り込まれたラインナップの商品が安価に購入できるものの、ニッチな悩みやコンプレックスを解消するための商品は販売チャネルが限られ高価格帯になってしまうという。リバースラボは、「ニッチな悩みやコンプレックスに寄り添ったラインナップの構築」「機能性重視の商品開発」「ポジティブでスタイリッシュな商品パッケージの開発」「継続しやすい価格とサービスの提供」などにより、顧客の心理的・物理的なハードルを抑えたプラットフォームを提供し、共に解決できる企業を目指し、資金調達を実施したという。

2019年11月設立のリバースラボは、「ー戻ることは罪じゃないー RETURN TO INNOCENCE」をコンセプトに、スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを運営するほか、他社D2Cブランドの立ち上げ支援コンサルティングを提供。sirobariは発売から1年半経過しており、累計販売数30万枚を超えるという。

記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerが数式回答形式を強化、複雑な計算の学習時などに手書きメモを残せるように

記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerが数式回答形式を強化、複雑な計算の学習時などに手書きメモを残せるように

モノグサは2月10日、記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」(モノグサ。Android版iOS版)において、数式回答形式をアップデートしたと発表した。複雑な計算の学習時などに途中計算の手書きのメモが残せる。

また、Monoxer上でテストが実施できる「小テスト機能」において、別解の登録と選択問題形式の対応が可能になった。これまでの小テスト機能における数式の回答形式では、単一回答の登録となっていたという。今回のアップデートによって別解登録が可能となり、0.5と1/2など複数の正解が存在するケースにも対応できるようにした。数学や物理の複雑な計算問題の学習でもMonoxerを活用可能となった。また、センター試験のような選択問題形式のテスト対策にも活用できるとしている。

記憶定着のための学習プラットフォームMonoxerが数式回答形式を強化、複雑な計算の学習時などに手書きメモを残せるように

 

建設現場の省人化・省力化を実現するロボットソリューションを手がける建ロボテックが2.7億円のシリーズA調達

建設現場の省人化・省力化を実現するロボットソリューションを手がける建ロボテックが2.7億円のシリーズA調達

「世界一ひとにやさしい現場を創る」をミッションに、建設現場の省人化・省力化を実現するロボットソリューションを提供する建ロボテックは2月14日、シリーズAラウンドとして、第三者割当増資による総額2億7000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リード投資家のリアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(リアルテックジャパン)、またMICイノベーション5号投資事業有限責任組合(モバイル・インターネットキャピタル)、いよベンチャーファンド6号投資事業有限責任組合(いよぎんキャピタル)、ちゅうぎんインフィニティファンド1号投資事業有限責任組合(中銀リース)、エンジェル投資家3名。

調達した資金により、鉄筋結束作業領域以外のロボットの新規開発・製造を加速させる。より多くの建設現場で働く方の安全向上と負担軽減を図り、建設現場の生産性向上と建設業界のDX化に貢献することを目的とした開発費用とその製造や販売、コンサルティングを担う人材採用等に充当する計画。

建ロボテックは、建設現場出身の創業者が2013年に設立したスタートアップ企業で、建設現場の状況やニーズに則した、「実践的な省力化・省人化ソリューション」を独自開発している。人とともに働く協働型ロボット「トモロボ」、鉄筋工事の省力化製品「速鉄」など、建設現場の 「生産性向上」と作業者の「安全確保と負担軽減」を促すソリューションを通じて、建設産業の健全な進化・発展に貢献するとしている。建設現場の省人化・省力化を実現するロボットソリューションを手がける建ロボテックが2.7億円のシリーズA調達

 

不動産売却プラットフォーム「いえうり」のNon Brokersが仲介手数料無料で家が買える「チョク買い」サービス開始

不動産売却プラットフォーム「いえうり」を運営するNon Brokersは2月10日、仲介手数料無料の不動産購入ポータルサイト「チョク買い」をローンチしたことを発表した。不動産の売却と購入が連携したプラットフォームを構築することで、家を売りたい人と買いたい人が直接マッチングできる不動産売買の新たなエコシステムの実現を目指す。

現在、不動産の購入希望者の9割以上が不動産ポータルサイトを活用するとされる。ただし、ポータルサイトは物件数が多いというメリットがあるものの、例えば「現状渡し(仲介物件)」と「リフォーム済み(買い取り再販物件)」が混在していたり、「仲介手数料3%」と「仲介手数料ゼロ」の物件が混在していたりといった状況が多々ある。また、同じ物件を複数社が掲載(一般介在契約)している場合もあり、不動産購入経験がない人にとって混乱する要素が多いという課題がある。

売り手側である不動産会社側も、物件を掲載しても多々ある物件情報に埋もれる、限られた項目・情報量の中でポイントをまとめる必要があるなど、情報を伝えきれないケースも少なくないそうだ。

これに対して「チョク買い」では、不動産会社が売主となっている物件に特化し掲載する不動産購入ポートルサイトとすることで課題を解消している。全国の不動産会社が売主となっており、仲介会社を介さないことから、購入者は仲介手数料無料で物件を購入可能という。

また不動産会社が売主であるため、売却した不動産に問題があった際に売主が買主に対して負う瑕疵担保責任も充実。個人売主では2~3カ月程度が一般的なところ、中古物件で2年、新築物件では10年となっている。取り扱い物件は、中古・新築のマンション、中古・新築の戸建て、土地で、住み替えサポートも充実しているそうだ。購入検討者に対して新着物件をレコメンドする「チョク買いロボ通知」といった機能も採用している。

Non Brokersは、「いえうり」に加えて「チョク買い」の提供を開始することで、さらなる不動産売買の合理化を実現するという。

まず「いえうり」の役割としては、売主を集客し売却活動が成功するよう、最適な不動産会社とマッチングを⾏う。ここでは、仲介会社は媒介獲得を⽬的とし、買取会社は直接買い取ることを可能とする。また「チョク買い」の役割は、リフォーム住宅に興味を持つ買主候補を集客し、買取会社が買い取った物件にマッチングする。

さらに「チョク買い」では、チョク買いロボにより多数の買主データベースを蓄積できるため、「いえうり」で媒介を獲得した仲介会社に対し、条件が⼀致した場合の紹介が可能となり、仲介でも早く売れる世界観を作れると考えているそうだ。

Non Brokersは、不動産を売却したい人は買主が見つかるまで待つしかなかった世界から、売却したい人と購入したい人をマッチングするプラットフォームを構築し、不動産売買における「仲介と買取」「売却と購⼊」のベストプラクティスを提供するとしている。