ソフトバンクやトヨタなど出資のMONETがMaaSシステム向けAPIを提供するマーケットプレイス公開

ソフトバンクやトヨタなど出資のMONET、MaaS用API提供の「MONETマーケットプレイス」公開

ソフトバンクとトヨタ自動車などが共同出資しMaaS(Mobility as a Service)事業を展開するMONET Technologies(MONET)は9月28日、MaaSシステム開発に活用できる天気・観光・地図情報など様々なデータや決済システム向けにAPIを提供する「MONETマーケットプレイス」を正式にオープンした。2020年度内にオンデマンドバスのAPIも提供を開始する予定。

また今回の正式オープンにより、一般企業がMONETマーケットプレイスを利用できるようにするほか、MONETマーケットプレイスにAPIを提供する企業を募集する。

MONETマーケットプレイスは、企業や自治体のMaaSの実現を包括的に支援するプラットフォーム「MONETプラットフォーム」の一部として提供するもの。同プラットフォームは、車両データや移動データなどを集約するデータ基盤と、MONETマーケットプレイスで構成される。MONETは、「MONETコンソーシアム」加盟のシステム開発企業などを対象に、4月からMONETマーケットプレイスの試験利用を実施し、正式オープンに向けた準備を行ってきた。

9月28日から提供するAPI

  • 決済(MONET): SBペイメントサービスのオンライン決済サービスを利用し、クレジットカードとPayPay(オンライン決済)での決済が可能
  • チケット(MONET): 予約情報や決済情報を基に、乗車券・入場券として利用できるQRコードを発行
  • 天気予報 API(ウェザーニューズ): 全国(1kmメッシュ)の天気予報を1時間ごとに取得できるAPIと、指定場所の最寄りの観測地点における過去の観測データを、2008年までさかのぼって取得できるAPI
  • るるぶDATA API(JTBパブリッシング): 旅行情報誌「るるぶ情報版」などに掲載されている全国の観光スポット情報やイベント情報・温泉地情報、観光視点で区切った全国のエリア区分の情報を取得できるAPI
  • いつもNAVI API(ゼンリンデータコム): 多彩な地図・位置情報サービスをウェブサイトやスマホアプリなどに実装するための開発ツールがセットになった、エンタープライズ向けサービス
  • Loogia(オプティマインド): 過去の走行データを活用してラストワンマイルにおける最適な配送ルートを計算する、配送および輸送事業者向けのAPI

今後提供が決まっているAPI

  • オンデマンドバス(MONET): オンデマンドバスの運行に必要な予約や運行管理などのAPIをまとめて提供。2020年度内提供予定
  • iTrust本人確認サービスAPI(サイバートラスト): マイナンバーカードと公的個人認証サービスの活用により、犯罪収益移転防止法に対応したオンラインでの本人確認や現況確認を実現するサービス

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Hacobuの動態管理サービスが専用端末なしで日野のコネクティッドトラックで利用可能に

Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」が日野のコネクティッドトラックで利用可能に

Hacobu(ハコブ)は9月24日、動態管理サービス「MOVO Fleet」が、MOVO Fleet専用GPS端末なしで日野自動車のコネクティッドトラックにおいて利用可能になったこと、また専用プランを2020年10月1日から提供開始することを発表した。

2015年6月設立のHacobuは、物流向けアプリケーションおよびハードウェアの開発・販売、貨物利用運送事業を展開するスタートアップ。「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ企業間物流の最適化を目指しており、ロジスティクス クラウド「MOVO」(ムーボ)を提供している。

MOVO Fleetは、物流業界に特化したテレマティクスサービス。専用GPS端末を使った車両位置把握により、運行管理者の業務負担軽減や、配送業務の効率化をサポートする。

今回、MOVO Fleetが車載GPSを標準搭載している日野自動車のコネクティッドトラックへの対応を実現。同トラックを保有するユーザーは、MOVO Fleet専用GPS端末なしで、車両位置把握や自動着荷の記録保存などMOVO Fleetの機能を利用可能となった。

Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」が日野のコネクティッドトラックで利用可能に日野自動車は、2017年発売の新型大中型トラック・観光バス、2019年発売の新型小型トラックよりICTサービス用の通信端末の搭載を開始。コネクティッドトラックは2020年3月までに約10万5000台が生産されているという。

Hacobuと日野自動車は、ドライバー不足など物流にまつわる社会課題の解決を目指し、2019年9月に資本業務提携契約を締結。2020年5月にはオープンな物流情報プラットフォームの構築と具体的なソリューションの実現に向けて、MOVOに日野のトラック車載GPSの位置情報を接続した。

MOVOは、同一クラウドプラットフォーム上に構築された物流現場の課題を解決するアプリケーション群。SaaSモデルで各アプリケーションを提供しており、「低い初期投資と月額料金で利用が可能」「2週間に1度機能アップデートを実施し、システムの最新状態を維持」「他社サービスとのAPI連携で、拡張可能なサービス」といった特徴を備えている。

両社は今後さらにデータ連携を強化し、接続した車両・走行データを活用して様々なサービスを展開することでさらなる価値を創出し、社会や顧客の課題解決に貢献していくとしている。

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