AIが金融理論に基づく株式ポートフォリオを自動提案、HEROZがSMBC日興証券と新サービス

AI開発のHEROZは3月25日、SMBC日興証券と共同で開発した投資情報サービス「AI株式ポートフォリオ診断」をSMBC日興証券のユーザー向けに3月29日より提供開始すると発表した。

AI株式ポートフォリオ診断は資産運用を始めたばかりのユーザーをターゲットにしたもので、AIを活用することにより現代ポートフォリオ理論と呼ばれる投資理論を初心者でも実践できるようにしたサービスだ。

同サービスの主な機能は2つある。1つ目はAIによるユーザーへのポートフォリオ提案だ。ユーザーが新規でポートフォリオを組む場合、ユーザーが投資金額と銘柄を1つ選択するだけで、AIが自動で効率的なポートフォリオを提案する。選択した銘柄と相性のいい銘柄を組み合わせていき、入力した投資金額内で購入可能なポートフォリオを提案するという仕組みだ。また、既存のポートフォリオのリバランス(銘柄の入れ替えや構成比率の調整)提案も行う。

2つ目は、ディープラーニングを利用したHEROZの「株価予測AI」によって銘柄の期待収益性をスコア化する機能だ。AIが決算データや株価データを学習することで、株式の1ヶ月先の期待収益性を予測し、スコア化するという。

HEROZはプレスリリースのなかで、「SMBC日興証券とHEROZは、昨年10月より実用化に向けた取組みに着手し、2019年度上期のサービス提供に向け準備中の「AI株価見守りサービス」をはじめ、今後も最新のAIの技術を用いた様々なサービスを提供いく予定」だとしている。

スマホ証券One Tap BUYが新たに15億円を調達、みずほ証券も出資

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3タップで株取引ができるアプリを開発するOne Tap BUYは、本日総額15億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。引受先には既存投資家のみずほキャピタル、 モバイル・インターネットキャピタル、ソフトバンク、そして新たにみずほ証券が加わった。

One Tap BUYは有名ブランドや優良企業の株式を1000円単位で簡単に取引できるアプリだ。One Tap BUYは2015年のTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルに出場し、審査員特別賞とAWS賞を獲得している。クローズドベータ期間を経て、2016年6月に正式ローンチした。現在までのアプリダウンロード数は15 万件を超えたそうだ。20代から30代の年齢層が多く、全利用者の7割が投資未経験者という。

One Tap BUYは2013年10月に設立し、2016年7月にソフトバンクから10億円の調達を実施している。今回の調達を合わせると累計調達額は25億円以上となる。金額まで確認できなかったが、サイトの出資先を見るとDBJキャピタル、三生キャピタルなどの名前も並んでいるので、実際はもう少し調達しているだろう。

ローンチ当初は米国株のみの取り扱いだったが、今年2月からは3つの日本株ETFの取り扱いを始めている。One Tap BUYは今回の調達資金は、「新サービスに向けたシステム開発や、One Tap BUYの認知拡大に向けたマーケティング活動を推進する予定です」とリリースに記している。今回の調達ラウンドにみずほ証券が加わったということは、One Tap BUYがみずほ証券と連携し、日本株ETFのみならず個別株まで取り扱うことを検討しているということなのかもしれない。