人気コメディアンのピート・デヴィッドソン氏が3月23日にブルーオリジンのロケットで宇宙旅行へ

Blue Origin(ブルーオリジン)は、New Shepard(ニューシェパード)の亜軌道宇宙への飛行に向けた次のメンバーを発表した。「Saturday Night Live(SNL、サタデー・ナイト・ライブ)」レギュラーのPete Davidson(ピート・デヴィッドソン)氏をはじめ、エンジェル投資家のMarty Allen(マーティ・アレン)氏、非営利団体SpaceKids Globalの創設者Sharon Hagle(シャロン・ヘーグル)氏、彼女の夫でTricorのCEOであるMarc Hagle(マーク・ヘーグル)氏、起業家のJim Kitchen(ジム・キッチン)氏、Commercial Space Technologies創設者のGeorge Nield(ジョージ・ニールド)博士が含まれている。

ピート・デヴィッドソン氏は、2021年、William Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏が商業宇宙企業である同社の宇宙飛行に搭乗したのに続き、Blue Originにとって2人目のスター乗客となる。デイヴィッドソン氏は3月初め、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が所有する同社と宇宙へ行くための話し合いを行っていると報じられていた。彼にとって10分間の旅は少なくとも、キムやカニエとのひっきりなしのドラマから解放されるつかの間の休息となるだろう。

今回デイヴィッドソン氏とともに搭乗するクルーは、より伝統的な富裕層や、STEAM・宇宙教育につながりのある慈善家たちだ。ニールド博士は以前、商業宇宙飛行の認可と規制を担当するFAAの部署に勤務していたこともあり、個人的にかつての仕事の成果を体験する興味深い機会でもある。

Blue Originの打ち上げは米国時間3月23日。暫定的な離陸時間は米国中央部夏時間の午前8時30分(東部夏時間午前9時30分)で、テキサス州西部にある同社の発射場から行われる予定だ。

画像クレジット:Blue Origin

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Den Nakano)

スペースX、初の商業宇宙遊泳を年内に計画

SpaceX(スペースX)は、初の民間人のみによる宇宙飛行を開始するだけでなく、近い将来、本格的な民間宇宙プログラムの本拠地となる見込みだ。The Washington Postによると、Shift4(シフト4ペイメンツ)の創業者でInspiration4ミッションのリーダーを務めたJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は、SpaceXによる「最大3回」の有人飛行を含むPolaris Program(ポラリスプログラム)の構想を発表した。最初のフライトである「Polaris Dawn(ポラリスの夜明け)」は2022年の第4四半期に予定されており、初の商業宇宙遊泳が含まれるはずだ。この取り組みは理想的には、人間が乗った最初のStarship(スターシップ)の飛行で終わる。月旅行を期待していた方たちには申し訳ない。

Polaris Dawnチームは、史上最高の地球周回軌道を目指し、健康研究を行い、レーザーを使ったStarlink(スターリンク)通信のテストも実施する予定だ。アイザックマン氏はミッションコマンダーとして復帰し、Inspiration4のミッションディレクターで空軍経験者のScott Poteet(スコット・ポティート)氏がパイロットを務める。また、SpaceXのリードオペレーションエンジニアであるAnna Menon(アナ・メノン)氏とSarah Gillis(サラ・ギリス)氏の2名も搭乗する。メノン氏の役割は、昨今の民間宇宙飛行へのシフトを象徴している。彼女の夫であるAnil Menon(アニル・メノン)米空軍中佐はNASAの宇宙飛行士に選ばれているが、彼女はその配偶者よりも先に宇宙に到達する可能性が高いのだ。

このプログラムの実現は、SpaceXとパートナー企業がいくつかの問題を解決することにかかっている。SpaceXは宇宙遊泳に必要な宇宙服を開発中であり、アイザックマン氏のグループはクルーのうち何人が宇宙船の外に出るかをまだ決めていない。また、Starshipには不確定要素もある。十分なテストが行われ、多くの進歩を遂げているが、この次世代ロケットシステムの開発は必ずしも計画通りには進んでいない。Polaris Programは、比較的緩やかなスケジュールで、場合によってはいくつかの挫折を経験することになるだろう。

それにしても、これは民間宇宙飛行の常態化を意味する。Polaris Programは、億万長者が率いる民間宇宙飛行の最近の「慣習」を引き継ぐものだが(アイザックマン氏も例外ではない)、宇宙遊泳や新しい宇宙船のテストなど、これまで政府の宇宙飛行士だけが行っていたことが商業化されることも見込まれる(SpaceXのDemo-2は、NASAの宇宙飛行士が操縦した)。近い将来、民間宇宙飛行士が他の役割を果たすようになっても不思議ではない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Jon Fingas(ジョン・フィンガス)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Polaris Program / John Kraus

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(文:Jon Fingas、翻訳:Aya Nakazato)

ISSに宇宙初の映画スタジオを2024年までに接続する計画を米エンターテインメント会社が発表

国際宇宙ステーションに、映画スタジオやスポーツアリーナを備えたモジュールが、2024年12月までに接続される可能性が出てきた。このプロジェクトは、宇宙で一部撮影を行うTom Cruise(トム・クルーズ)の映画を共同制作しているSpace Entertainment Enterprise(スペース・エンターテインメント・エンタープライズ、SEE)が発表したものだ。Variety(バラエティ)によると、このSEE-1と呼ばれるモジュールが稼働すれば、テレビや映画の制作だけでなく、音楽イベントやある種のスポーツなどを開催し、それらを撮影したりライブ配信することができるようになる計画だという。

関連記事:NASAがトム・クルーズの映画に協力、ISS宇宙ステーションで撮影

実際にこのモジュールを建造するのは、2年前にNASAからISS初の商用モジュールの建造を受注したAxiom Space(アクシオム・スペース)が担当することになっている。すべてが順調に進めば、SEE-1はISSのAxiom Spaceが建造したアームに接続される。Axiom社のステーションは、SEE-1を取り付けたまま、2028年にISSから分離する予定だ。

関連記事:国際宇宙ステーションの商用化に向けてNASAが居住モジュールの設計をAxiom Spaceに発注

SEEとAxiomがこの計画を実行できるかどうかはまだわからない。なぜなら、SEEは施設の建造費用を明らかにしておらず、現在はその資金調達を計画している段階だからだ。

2021年、ロシアのクルーが初めて宇宙で長編フィクション映画を撮影し、トム・クルーズやDoug Liman(ダグ・ライマン)監督を出し抜いた。その映画「The Challenge(ザ・チャレンジ)」は2022年中に公開が予定されている。一方、クルーズとライマン監督は、2022年後半にISSで映画の撮影を行う予定だ。

関連記事:ロシアの映画監督と女優がISSに到着、12日間滞在し軌道上での映画撮影に挑戦

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のKris Holtは、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Space Entertainment Enterprise

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【Max Q】SpaceXが初めて1日に2回Falcon 9を打ち上げ

TechCrunchは、Space 2021イベントを終えたばかりが、宇宙ビジネスに限っては、年末だからといってニュースのペースが落ちることはない。

SpaceXがロケット再利用の新記録を達成、初の1日に2回の打ち上げ

SpaceX(スペースエックス)は、同社のStarlink(スターリンク)衛星の新たな一群を、ヴァンデンバーグ空軍基地の発射施設から米国時間12月18日に打ち上げ、続いてその日の夜遅くにトルコの通信衛星をフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げた。これはSpaceXが1日に2回の打ち上げを行った初めての事例だ。また、このStarlinkミッションでは打ち上げロケットのFalcon 9を11回にわたって発射・回収し、SpaceXの打ち上げシステム再利用記録を更新した。

それだけでも十分目覚ましいが、現在SpaceXは、同社の商業再補給サービス(CRS)ミッションの一環として国際宇宙ステーション(ISS)に補給品と実験材料を届けることになっている。予定では米国時間12月21日午前にケープカナベラルから飛び立つ。

画像クレジット:SpaceX

2021年を宇宙投資家の目で振り返る

上に書いたように、我々はTC Sessions:Space 2021イベントを終えたところだが、その中でもスタートアップコミュニティにとって特に興味深かったに違いない話題が、宇宙分野に関心のあるアーリーステージ投資家のパネルとTechCrunchが行ったディスカッションだろう。たとえばSpace Capital(スペース・キャピタル)のファウンダーであるChad Anderson(チャド・アンダーソン)氏は、長年スタートアップに早期投資する中で、宇宙産業が著しく進化してきたことについて語り、現在業界で起きている大きな転換に言及した。Assembly Ventures(アセンブリー・ベンチャーズ)のJessica Robinson(ジェシカ・ロビンソン)氏は、スペーステック(宇宙技術)が他のあらゆる分野に影響を与えその逆も起きていることについて話した。

ディスカッションはTC+サブスクライバー専用サイトでその他の会話とともに公開されている。

画像クレジット:Axiom Space

その他のニュース

Voyager Space(ボイジャー・スペース)はBlue Origin(ブルー・オリジン)のグローバル販売担当VPを新たな最高収益責任者(CRO)として雇った。Clay Mowry(クレイ・モーリー)氏はBlue Originチームのかなり有力なメンバーであり、その以前はArianespace(アリアンスペース)の会長兼社長を務めていた。

NASA(米国航空宇宙局)と各国の提携機関は、民間有人宇宙飛行計画、Axiom(アクシオム)Mission 1の国際宇宙ステーションへの飛行を承認し、2022年2月28日に実施されることが決まった。

ジョージア州カムデン郡のSpaceport Camden(スペースポート・カムデン)は、FAAから正式な打ち上げ許可を受けた。運用に入るまでにはまだいくつかハードルが残っているが、民間打ち上げ会社の新たな打ち上げ場所の選択肢としての役割が期待される。

Rocket Lab(ロケットラボ)は太陽電池、ソーラーパネルその他の宇宙拠点インフラの構成要素のメーカー、SolAero Holdings(ソロエアロ・ホールディングス)を買収する。TechCrunchは先にRocket LabのPeter Beck(ピーター・ベック)氏と、同社の最近の買収ラッシュについて話した(要サブスクリプション)。

The U.S. Space Force(米国宇宙軍)が2歳に!よちよち歩きの武官組織になった。

NASAはJames Web(ジェームズ・ウェッブ)宇宙望遠鏡を米国時間12月24日に打ち上げる予定で、目標打ち上げ時刻は東海岸標準時午前7時20分(日本時間12月24日午後9時20分)だ。フランス領ギアナ、クールーにある宇宙センターから発射され、Arianespaceのロケット、Ariane 5をESA(欧州宇宙機関)との提携で搭載する。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「カーク船長」ことウィリアム・シャトナー氏の宇宙旅行がAmazonプライムのドキュメンタリーに

2021年10月、William Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏は、史上最高齢で宇宙に飛び立った人物となった。その彼の旅が、Amazonプライムのドキュメンタリー番組「Shatner in Space」になることが決まった。「スタートレック」の俳優として知られる同氏が、ポップカルチャーカンファレンス「CCXP Worlds」のバーチャルパネルで自らこのニュースを明らかにしたと、Deadlineが報じた。

「The Shat」というニックネームも持つ同氏は、Blue Origin(ブルーオリジン)の2回目の有人飛行ミッションであるNS-18の4人のクルーの1人で、New Shepard(ニューシェパード)に乗って高度66マイル(約106.22km)まで飛行し、いわゆるカルマンラインを越えて宇宙に到達した(ただし、地球を周回してはいない)。90歳の彼の参加は、その数カ月前に宇宙飛行の最高齢記録を樹立した82歳のWally Funk(ウォーリー・ファンク)氏を超える快挙だった。

このドキュメンタリーでは、旅行前、旅行中、旅行後に何が起こったか見ることができる。同フライトには、Blue Originの副社長であるAudrey Powers(オードリー・パワーズ)氏、Planet Labs(プラネット・ラボ)の共同設立者であるChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)博士、臨床試験ソフトウェア企業Medidata Solutionsの共同設立者であった故Glen de Vries(グレン・デブリース)氏も参加した。これは、Blue Originが2021年に計画している3回の有人ミッションのうちの2回目で、3回目(NS-19)は12月9日に予定されている。そのフライトには、マーキュリー・セブンの1人として米国初の宇宙飛行に成功したAlan Shepard(アラン・シェパード)氏の娘にあたるLaura Shepard Churchley(ローラ・シェパード・チャーチリー)氏と報道・情報番組「グッド・モーニング・アメリカ(GMA)」の共同アンカーであるMichael Strahan(マイケル・ストレイハン)氏の他、4人の有料顧客が参加する予定だ。

シャトナー氏は、Deadlineに次のように語った。「私の宇宙滞在は、想像を絶するほどの最も忘れ難い経験でした。私の旅を記録したこの特別番組は、その経験をドラマチックに紹介しています。私の願いは、地球を救うためには宇宙に行かなければならないということを、世界に向けて発信することです」。このドキュメンタリーは、米国、カナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランドでは12月15日にAmazonプライムで放送され、その他の地域では2022年に放送される。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏はEngadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Blue Origin

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

宇宙ステーションの運用ギャップ回避のためにNASAがBlue Origin、Nanoracks、Northrop Grummanと450億円以上の契約を締結

NASAは、2030年までに国際宇宙ステーション(ISS)を商用ステーションに置き換える予定であることを公式に(かつ静かに)認めてからわずか2日後に、今度は民間ステーションの計画のさらなる推進のために、3社と4億ドル(約450億円)以上の契約を結んだ。

NASAと商用低軌道(LEO)目的地プログラムの下で契約を結んだ3社は以下のとおりだ。

  • Nanoracks(ナノラックス)、1億6000万ドル(約180億5000万円)
  • Blue Origin(ブルーオリジン)、1億3000万ドル(約146億7000万円)
  • Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)、1億2560万ドル(約141億7000万円)

NASA商用宇宙飛行のディレクターであるPhil McAlister(フィル・マカリスター)氏は米国時間12月2日に、NASAは合計11件の提案書を受けとったと語った。彼は、選択された3つの提案には、多様な技術的概念と、ロジスティックならびに打ち上げロケットのオプションが提供されていると付け加えた。「この多様性は、NASAの戦略の成功の可能性を高めるだけでなく、高度なイノベーションにもつながります。それは、宇宙に対するほとんどの商用の取り組みの中で重要なのです」と彼はいう。

3社はすでに、提案に関わるいくつかの詳細を発表している。Blue Originは、そのステーションコンセプトを「Orbital Reef(オービタル・リーフ)」と呼び、Boeing(ボーイング)やSierra Space(シエラ・スペース)、その他と共同で設計している。チームは、2027年にステーションを打ち上げたいと述べている。一方Nanoracksは、親会社のVoyager Space(ボイジャースペース)ならびに航空宇宙業界の雄Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)と共同で開発中のステーションを「Starlab(スターラボ)」と呼んでいる。Northropはステーションの提案に派手な名前を付けていなかったが、Dynetics(ダイネティクス)と協力して、Cygnus(シグナス)宇宙船をベースにしたモジュラー設計を提供しようとしている。

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NASAがISSの廃止と新しいステーションの導入の間にギャップがないようにしようとしている中で、今回の重要な契約は2フェーズプロセスの最初のフェーズに相当する。NASAは、議会ならびに最近の監察総監室の報告書の両方で、LEOにおける経済的繁栄の全体的な成功は、このギャップを回避することにかかっていると繰り返し強調してきた。

関連記事:NASA、2030年までに国際宇宙ステーションを民間に置き換える意図を詳述

画像クレジット:Blue Origin

NASAは報告書の中で「ISSが廃止された後に、低軌道(LEO)に居住可能な商用目的地がない場合、NASAは、月と火星への長期にわたる人間の探査ミッションに必要な、微小重力健康研究と技術実証を実施できなくなり、それらのミッションのリスクが高まったり遅延したりするだろう」と述べている。

この潜在的なシナリオを回避するために、NASAは、1つ以上の商用LEO「目的地」(ステーションと呼ばれることもある)を2028年までに運用可能にすることを提案した。これによって2030年に引退する予定のISSと2年間の並行運用期間が生じる。その報告書はそのタイムラインを達成できる可能性についての疑問は投げかけているものの、今回の3社とNASAの幹部はそれぞれ、ステーションの運用ギャップを回避できることに自信を持っていた。

「商用貨物便が打ち上げられてから10年経った今でも、人びとは商用航路の堅牢性とアイデアと柔軟性に疑問を抱いています」とNanoracks CEOのJeffrey Manber(ジェフリー・マンバー)氏は述べている。「確かに、今後の課題は残っています、【略】しかし私たちには堅牢性があり、一緒に取り組んでいるプロバイダーが多数います。これは、リスクの軽減を進め、商用航路に複数のプロバイダーを配置するためのまさに正しい方法なのです」。

この最初の一連の契約は、2025年まで続くと予想される設計や作業を各企業が遂行するのに役立つだろう。

NASAは、2026年の開始を目標とするプログラムの第2フェーズでは、このグループの企業または他の参加企業から人間が使用するステーションを1つ以上認定し、最終的には軌道上サービスを購入しステーションを利用する多くの顧客の1つになる予定だ。NASAは声明の中で、これにより、人間を再び月に送り、最終的には有人宇宙飛行を火星に送り込むことを目的とするArtemis(アルテミス)計画に集中できるようになると述べている。

今回のフェーズにいないことで目立っているのはAxiom Space(アキソム・スペース)だ、同社はISSに取り付けるためのモジュール(自社のステーションとして自己軌道を回り分離する)を打ち上げるための別契約を獲得しているが、今回のプログラムには参加しなかったことを明かしている。

もちろん、大きな問題は、これらのステーションの最終コストがどれだけになるか、そしてNASAが最終的に全体のコストのどれ位を支払うかということだ。マカリスター氏は、NASAが「入札の方々がこれらの活動への財政的貢献を最大化することを奨励しています」と述べ、現在NASA以外の投資が約60%を占め、NASAの貢献は40%未満であると述べた。しかし、3社とNASAは、ステーションの設計、立ち上げ、運用にどれだけの資本の投下が必要なのかと予想しているのかという点はあまり語ろうとしなかった。

画像クレジット:Nanoracks

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(文: Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

ブルーオリジン、初の親子を含む乗客6人の宇宙飛行を12月9日に設定

Blue Origin(ブルーオリジン)は、次の有人宇宙飛行を発表した。米国時間12月9日に6人を乗せて実施する。同社が再使用可能なロケットNew Shepardとカプセルに最大定員となる乗客6人を乗せて飛行するのは今回が初めてだ。搭乗するのは、「Good Morning America(グッドモーニング・アメリカ)」の共同司会者であるMichael Strahan(マイケル・ストレイハン)氏、ロケットの名前の由来であるAlan Shepard(アラン・シェパード)氏の娘Laura Shepard Churchley(ローラ・シェパード・チャーチリー)氏、Voyager SpaceのCEOであるDylan Taylor(ディラン・テイラー)氏、Dick Holdingsの業務執行社員Evan Dick(エバン・ディック)氏、そして父子であるLane Bess(レイン・ベス)氏とCameron Bess(キャメロン・ベス)氏だ。

Blue Originは、有人宇宙飛行ミッションで歴史的な「初」体験を好む傾向にあるが、今回は親子が一緒に宇宙に行くのは初となる。Bess Venturesのプリンシパルで創業者のレイン・ベス氏と、コンテンツクリエイターでソフトウェア開発者であるキャメロン・ベス氏がともに搭乗する。

上段左から右へ、レイン・ベス氏、 キャメロン・ベス氏、エバン・ディック氏。下段左から右へ、ディラン・テイラー氏、ローラ・シェパード・チャーチリー氏、マイケル・ストレイハン氏

今回の有人宇宙飛行は、Blue Originにとって3回目であり、また2021年3回目のものでもある。New Shepardはこれまでに、各回とも4人が乗り込んだ有人宇宙飛行を2回実施した。最初の打ち上げにはBlue OriginとAmazonの創業者であるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏も搭乗し、10月にはWilliam Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏をはじめ、Blue OriginのAudrey Powers(オードリー・パワーズ)氏、DCVCのパートナーであるChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)氏、Medidata共同創業者であるGlen de Vries(グレン・デ・ヴリーズ)氏を宇宙に送った。デ・ヴリーズ氏は宇宙飛行の数週間後に飛行機事故で悲劇的に亡くなった。

Blue Originがこうしたペースで打ち上げを行っていることは、特に搭乗券が高価なことを考えると、ものすごいことだ。6人の搭乗となったことで、Blue Originはおそらく利益率を向上させ、その結果、この後に続く人たちにはもう少し手頃価格の座席が提供されるかもしれないが、それでも非常に贅沢なものであることは間違いない。

Blue OriginのNew Shepardは、乗客を宇宙の端まで連れて行き、準軌道上の滞在となるが、数分間の無重力状態と比類のない地球の眺めを提供する。その後、カプセルはパラシュートで減速して西テキサスの砂漠に着陸する。

画像クレジット:Blue Origin

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグラーが宇宙をマネタイズ、Axiom Spaceの民間宇宙ステーションが提供するさまざまなサービス

次期国際宇宙ステーションを建設するAxiom Space(アクシオム・スペース)は、2021年初めに10億ドル(約1148億6000万円)規模の評価を受けた後、Google(グーグル)出身のTejpaul Bhatia(テジポール・バティア)氏を同社初のCRO(最高収益責任者)に採用した。同氏は宇宙エコシステムの成長と収益化を担うことになる。

2017年、バティア氏はCiti Ventures(シティ・ベンチャーズ)でエグゼクティブ・イン・レジデンスを務めていた際にAxiomを紹介され、同社がNASAとの1億4000万ドル(約159億円)の契約を獲得した後の2020年にエンジェル投資家として投資。その後7月、リーダーシップチームの一員として参加することになった。

Axiom SpaceのCRO(最高収益責任者)であるTejpaul Bhatia(テジポール・バティア)氏(画像クレジット:Axiom Space)

しかし、宇宙分野におけるパイオニアはAxiomだけではない。NASAとの契約金4億ドル(約454億円)をめぐって、宇宙空間に進出しようと目論む宇宙ベンチャー企業のゴールドラッシュは始まっている。

十数社のコントラクターがこの競争への参加を表明しており、2021年10月には2社が発表された。10月22日には、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)がVoyager Space(ボイジャー・スペース)およびNanoracks(ナノラックス)と提携して2027年までに宇宙ステーション「Starlab」を打ち上げるという入札を行っており、また10月25日には、Blue Origin(ブルーオリジン)がSierra Space(シエラ・スペース)およびBoeing(ボーイング)と提携して、2025年から2030年の間に宇宙ステーション「Orbital Reef」を打ち上げるという計画をJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が発表している。

Axiomの役割はというと、2028年に退役する予定のISSからシームレスに移行するために、ISSに増築を行いながら段階的にAxiom Stationを建設するという計画をNASAが承認している。

最初のモジュールである「Hub 1」は2024年にドッキングする予定で、研究施設と4人のクルーのための居住区があり、タッチスクリーンの通信パネルと大きな窓が設置される予定だ。2025年には同様の設備を備えた2番目のモジュール「Hub 2」が計画されている。2026年には微小重力実験室の建設が続くという。そして2027年には、太陽電池アレイを搭載したパワータワーが3つのモジュールに取り付けられ、ISSのキャパシティを2倍にするAxiom Stationが形成される。2028年にはAxiom Stationが切り離され、自己軌道に乗り始めるという計画である。

WeWorkの地球外リトリート施設や研究機関の研究ハブとして機能するだけでなく、小国が独自の宇宙プログラムを立ち上げるための手段になる巨大な工業施設を今後7~10年の間に地球低軌道上に建設するという野望について、TechCrunchはバティア氏に話を伺った。

これが同氏の考える、Googleの戦略を見習った最後のフロンティアをマネタイズする方法だ。

Axiom Stationのタイムライン(画像クレジット:Axiom Space)

究極の旅を予約

Axiom Spaceは、国際宇宙ステーションの元マネージャーであるMichael Suffredini(マイケル・スフレディーニ)氏とIntuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)の共同創業者であるKam Ghaffarian(カム・ガファリアン)氏によって2016年に設立された。2月にはC5 Capital(C5キャピタル)が主導する1億3000万ドル(約147億7000万円)のシリーズBラウンドをクローズし、リードインベスターであるBlue Originの元社長Rob Meyerson(ロブ・マイヤーソン)氏が取締役に就任。これまでに総額1億5000万ドル(約170億4000万円)を調達している。同社はヒューストンに本社を置き、300人以上の従業員を擁している。

Axiomの主な収入源は、ISSでの短期滞在向けのエンド・ツー・エンドのミッションプロバイダーとなることによるものだ。つまり宇宙飛行士訓練とSpaceX(スペースエックス)による往復輸送(食料、水、酸素、通信、データ、電源などの必需品を含む)をパッケージ化し、7~10日間のオールインクルーシブ滞在を民間に販売するというわけだ。また、ISSの微小重力実験室で行う実験のためのリサーチミッションを販売する他、コンテンツやメディアのスポンサーシップの販売にいたってはすでに開始されている。

2022年には2つのミッションが予定されている。NASAの元宇宙飛行士でAxiomの副社長であるMichael López-Alegria(マイケル・ロペス=アレグリア)氏が、2月21日に予定されている最初のミッション「Ax1」を指揮し、投資家のLarry Connor(ラリー・コナー)氏、Mark Pathy(マーク・パシー)氏、Eytan Stibbe(エイタン・スティッベ)氏がクルーを務めるという。ワシントン・ポスト紙は、チケット価格を乗客1人当たり5500万ドル(約62億5000万円)と報じている。

2つ目のミッション「Ax2」は2022年後半に計画されており、宇宙滞在時間の米国最長記録を持つNASAの引退宇宙飛行士Peggy Whitson(ペギー・ウィットソン)氏と、米国の投資家でレーシングカーのドライバーおよびパイロットでもあるJohn Shoffner(ジョン・ショフナー)氏が参加する予定だ。まだ2つの席が空いているはずだが、Elon Musk(イーロン・マスク)氏とともに2億ドル(約227億1000万円)のユニバーサル映画を製作中で、NASAからも飛行すると噂されているTom Cruise(トム・クルーズ)氏がこのフライトに参加するのか否かは、Axiomは明らかにしていない。

3回目と4回目のミッションは2023年に計画されており、いずれかのミッションにはDiscovery Channel(ディスカバリーチャンネル)の競争型リアリティテレビ番組「Who Wants To Be An Astronaut?」の優勝者が参加する予定だ。

この分野におけるAxiomの競合他社には、1998年にBOLD Capital(ボールドキャピタル)のPeter Diamandis(ピーター・ディアマンディス)氏が共同設立したSpace Adventures(スペース・アドベンチャーズ)がある。同社はこれまでに、Cirque du Soleil(シルク・ドゥ・ソレイユ)の共同創設者であるGuy Laliberté(ギー・ラリベルテ)氏を含む7人の民間人を、ロシアの宇宙機関Roscosmos(ロスコスモス)を通じてISSに輸送してきた。2023年に予定されている同社2回目のISSへのミッションは宇宙遊泳だ。SpaceNews(スペースニュース)によると、同社は2021年後半にSpaceXによる軌道旅行を計画していたものの、需要の少なさのためにキャンセルされている。

億万長者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏、Elon Musk(イーロン・マスク)氏が、スタートレックのWilliam Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏などの民間人を宇宙の果てまで連れて行くという話がここ数カ月湧いていたが、実際市場はチケット代を払える人に限られている。

幸いなことに、億万長者らはAxiomのターゲットではない。

  1. Render-Axiom-Station

    画像クレジット:Axiom Space
  2. Axiom-Station-rendering-2

    画像クレジット:Axiom Space
  3. Axiom-Station-rendering

    画像クレジット:Axiom Space
  4. Axiom-featured

    画像クレジット:Axiom Space

 

 

スカイシティへようこそ

ネオン輝く天空のビルの周りをスペースカーが疾走するThe Jetsons(宇宙家族ジェットソン)のようにはいかないかもしれないが、2024年にAxiomが最初の居住施設をISSにドッキングさせるとき、事態はかなりおもしろくなるだろう。

バティア氏によるとAxiomは今後ISSの容量制限を受けなくなるため、さらに多くの部屋や研究施設を建設することができ、より多くのミッションを提供できるようになるという。Axiomは需要に応じて、BoeingのStarlinerを含む、SpaceXのような他のロケットプロバイダーとの協力も承認さえおりれば考慮したいと考えている。

バティア氏は2024年が収益成長の重要な変曲点になると考えている。

「Axiomステーションが稼働し始めれば、企業や機関、政府が物理的スぺースやデジタルスペースをカスタムメイドで構築、購入、リースできるハイブリッドモデルになるでしょう」と同氏。

「私たちの物理的スペースのクールな点は、ラボ、データセンター、居住スペースなどのモジュールが、レゴのように切り離され飛び回り、再構築できるということです」。

しかしバティア氏は、アプリで部屋を予約できるような宇宙ホテルなどとは決して呼ばれたくないようだ。Axiom Stationは独自の宇宙プログラムを構築しようとしている政府から、微小重力実験室やコロケーション製造施設を必要としている企業や機関まで、さまざまな顧客を想定した巨大な産業用宇宙施設であると同氏は考えている。

「私たちは食料、水、酸素、生命維持システム、帯域幅、データ、インサイト、エッジコンピューティング、通信、電力など、あらゆる企業、機関、政府が軌道上で運営するために必要なものが完備された物理的スペースを提供します」と同氏。

「さらにエキサイティングなことに、iPhoneのセンサーを使ってアプリケーションを開発するのと同じように、開発者が船上のセンサーやその他の機器を使ってビジネスを構築することができる、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービスとして販売するデジタルプラットフォームを提供することもできます」。

Axiomのクルーステーション・クォーターのレンダリング画像(画像クレジット:Axiom Space)

Axiom StationのOSをサードパーティが開発できるようなソフトウェア開発キットを実際に制作するかどうかは不明だが、バティア氏はAxiom Stationのセンサーの用途として、スペースデブリや地球の気候のモニタリングが考えられると話している。

またバティア氏は、宇宙開発の予算がある国とまだ予算がない国の両方の市場を想定している。

「私たちの目標は、ISSが寿命を迎えたときに、すべての人のための完全なサービスと機能を備えたプライベートステーションを提供してギャップが生じないようにすることです。ある国の予算が数十億ドルであろうと、その数分の一であろうと、私たちはその国のニーズに合ったソリューションを作ることができるでしょう」。

NASA、ESA(欧州宇宙機関)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、Canadian Space Agency(カナダ宇宙庁)、Roscosmosが、ISSの後継機として年間20億ドル(約2256億7000万円)から30億ドル(約3385億5000万円)の収益をAxiom Stationに移すことをバティア氏は期待している。Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)のレポートによると、商業宇宙部門は2020年に3500億ドル(約39兆4683億円)、2040年には1兆ドル(約112兆7370億円)になると予想されており、Axiomとしては長期的にこの数千億ドル規模の市場にサービスを提供できるようになりたいと考えている。

グーグラーの出番

シリアルアントレプレナー、投資家、そしてGoogle Cloud(グーグルクラウド)のスタートアップエコシステムの構築に貢献した技術者として、バティア氏は宇宙経済にはベンチャーキャピタルの考え方が必要だと伝えている。

「最高収益責任者である私の使命は、今後7年から10年の間にビジネス、産業、市場が飛躍的に成長するための発射台となる超成長ビジネスプラットフォームを構築することです。これは、政府の税金で運営されてきたこれまでの宇宙産業とはまったく異なるモデルであり、民間企業の方がこれを達成するのにはるかに適しています」。

バティア氏はStarlabやOrbital Reefとの競争を歓迎すると同時に、Axiomがこれらの数年先を行っていると同氏は確信を持っている。

イタリア、トリノのThales Alenia(TASI)の工場でAxiom Hub 1を製作中(画像クレジット:Axiom Space)

「仕事を始めて100日ちょっとですが、このプロジェクトが理屈上の話だけではないことがわかりました。金属が曲げられ、人々が集まり、契約が結ばれています。最初のモジュールはすでにイタリアのThales Alenia(タレス・アレーニア)の工場で建設中です。これはサイエンスフィクションではなく、実際に起こっていることなのです」。

また当分の間、収益性については心配する必要がないという。

「資金調達は非常に重要です。私たちは世界で最も価値のある5つの企業(Facebook、Apple、Amazon、Microsoft、Google)が創業時に赤字で運営していたことをモデルにしています。できるだけ多くの株主価値を創造し、必要不可欠なインフラを構築するために資本を得て、安全性に焦点を当てながらスピード感を持って革新していくというのが計画です」。

編集部注:本記事の執筆者Martine Paris(マルティーヌ・パリ)氏はフリーランスの技術レポーターとして、宇宙、電気自動車、気候変動対策、ロボット、AI、コンシューマーテック、eコマース、ストリーミング、ゲーム、ベンチャーキャピタル、スタートアップカルチャーなどを取材している。

画像クレジット:Axiom Space

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(文:Martine Paris、翻訳:Dragonfly)

【コラム】持続的な宇宙開発のために、宇宙ゴミ問題に今すぐ取り組まなければならない

英国宇宙庁が不要な衛星2機の除去プログラムに軌道上サービスに取り組むアストロスケールを選定

億万長者を宇宙に送り込む競争は、ブランソン対ベゾス、ロケット対ロケットだった。

Blue Origin(ブルーオリジン)は6月7日に、7月20日に予定されている同社初の有人飛行に、創業者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)が搭乗することを発表した。同日、Parabolic Arcは、Virgin Galacticが7月11日にRichard Branson(リチャード・ブランソン)を弾道飛行に送る予定であると報じた。そしてどちらも、宇宙飛行を行う3人目の億万長者であるElon Musk(イーロン・マスク)を打ち負かすことを目指していた。

アポロ11号の月面着陸から半世紀以上が経過し、宇宙開発は明らかに再び盛り上がりを見せている。しかし、今日のミッションには、億万長者の野望以上のものが反映されている。たとえ、マスク、ベゾス、ブランソンが個人的な宇宙計画で最も大きな見出しを躍らせていたとしてもだ。

真の宇宙経済が出現している。この新しい分野は指数関数的な成長段階にあり、現在の商業プロジェクトに共通しているのは、新しい技術とインフラへの投資の到来だ。

今日の探検家たちは、他の惑星への旅行や火星の植民地化といった私たちの想像力の限界を超えた拡張計画に始まり、何千もの通信衛星、全地球航法衛星システム、地球観測衛星の打ち上げに至るまで、巨額の投資を行っている。

衛星サービスと地上設備、政府の宇宙予算、全球測位衛星システムの設備を合わせた世界の宇宙経済の規模は、約3450億ドル(約39兆4250億4700万円)と推定されている。2019年のスタートアップの宇宙ベンチャー企業の収益は57億ドル(約6513億5600万円)で、2018年の35億ドル(約4000億3075万円)の記録を簡単に更新した。2040年までに、世界の宇宙産業は1兆ドル(約114兆3575億円)以上の収益を上げることができるとモルガン・スタンレーは推定する。

つまり、宇宙でのゴールド・ラッシュが始まっているのだが、ゴールドラッシュにおける環境の持続的な発展という点では、これまであまり目立った実績は見受けられない。

宇宙空間での壊滅的な衝突の脅威が高まっている

私たちは、宇宙における新たなビジネスチャンスを安全かつ持続的に発展させるための重要な転換点に立っている。これらの活動の多くは、地球の軌道と同じ領域を利用しており、これは無限の空間ではない。NASAによれば、約1mm以上の宇宙ゴミ(デブリ)が1億個以上、国防総省のグローバルな宇宙監視ネットワーク(SSN)のセンサーによって追跡されている。地球近傍の宇宙環境には、小さすぎて追跡できないものの、有人宇宙飛行やロボットミッションを脅かすほどの大きさの宇宙ゴミがもっとたくさん存在している。

地球低軌道上では、宇宙ゴミと宇宙船の両方が時速約25,266kmを超える速度で移動しているため、たとえ5mmのナッツでも太陽電池パネルを紙のように切り刻むことができる。実際、NASAの報告によると、地球低軌道で運用されているほとんどの宇宙ロボットにとって、ミリサイズの宇宙ゴミはミッション終了に対する最も高いリスクとなっている。宇宙空間がますます混雑していく中で、誰か1人でも安全でない、あるいは無責任な行動をとれば、壊滅的な結果を招く可能性がある。

再利用可能なロケットの開発により、1kgの衛星を軌道に乗せるためのコストが下がったことや、人工衛星の小型化が進んだことで、地球の軌道上に渋滞が発生する恐れが出てきた。現在、地球上の軌道上には約3000個の能動衛星があるが、この数は今後数年間で急増すると考えられている。MarketWatchによると、2025年までに年間の衛星打ち上げ数は230%増加すると予想されており、現在2万4000機の衛星打ち上げが計画されている。しかもこの数字には、SpaceXやOneWeb、Kuiperによる打ち上げは含まれていない。SpaceXのStarlinkだけでも4万個の衛星の打ち上げを申請している。

再使用型ロケットのおかげで、地球低軌道に22トンの衛星を打ち上げるコストは、2億ドル(約228億7200万円)から約6千万ドル(約68億6100万円)に下がった。かつては数億ドル(数百億円)のコストがかかる巨大な高性能衛星を1機必要とした衛星アプリケーションも、今では100万ドル(約1億1400万円)の安価・小型の低性能衛星コンステレーションが登場し、グローバルなサービスを提供できるようになった。

小型の衛星1基では、大型の衛星1基に比べると性能が劣るが、複数の衛星のデータを利用することで同等の結果が得られることが多い。さらに、衛星コンステレーションのアーキテクチャは拡張性が高いため、新しい世代の衛星が打ち上げられるようになれば、インフラ全体のパフォーマンスが飛躍的に向上する。

持続可能な開発には、新しい技術とより良いガバナンスが必要

持続的な経済発展のためには、ミッションの要件を慎重に分析するところから寿命が尽きるまでの宇宙ミッションのライフサイクルの間中、従来の顧客と新しい顧客をサポートできる革新的なソリューションが必要となる。

これらのソリューションの中には、打ち上げ、運用、廃棄を効率化できるようなまったく新しい宇宙ベースのインフラが必要になるものもある。例えば、D-OrbitのION Satellite Carrierは、複数の衛星を搭載して軌道上まで輸送し、それぞれの衛星を別々の軌道に投入することができる宇宙輸送機だ。この展開サービスは、最も戦略的な軌道のみを対象とする打上げ業者が提供するサービスを補完するもので、衛星運用事業者はラストマイルを大幅に短縮し、宇宙船のあらゆるリソースを活用してミッション自体の期間を延長することができる。

これは、宇宙船をある軌道から別の軌道に移動させたり、古い機体の寿命を延ばしたり、修理を行ったり、難破した衛星や残骸などを回収したりできる恒久的な宇宙物流インフラの構築に向けた第一歩だ。

宇宙経済の持続的な成長をめぐる問題は、一企業や一国に任せておくにはあまりにも重要・重大なものだ。

国際協力を強化し、基本的なルールを確立するためには、各国の合意に基づき、共通の基準を持つ新しい宇宙統治モデルが必要だ。例えば、デブリを捕獲する宇宙船の技術はすでに実現しているが、ある国に拠点を置く事業者が、他の国が打ち上げた宇宙物体に接近・捕獲して除去することを認めるには法的な課題がある。このような運用に対応するためのグローバルな規制の策定は、新しい市場とビジネスチャンスを開くために不可欠なステップだ。

D-Orbitを含む48の団体およびその他の政府や業界の関係者は、2019年にSpace Safety Coalition(宇宙安全連合、SSC)を結成し、宇宙事業の長期的な持続可能性のためのベストプラクティスを積極的に推進している。SSCは、宇宙事業全体の長期的な持続可能性のためのベストプラクティスとして、打ち上げ時や軌道上での衝突の回避、宇宙船やデブリの再突入による人的被害の最小化、無線周波数妨害(RFI)イベントの影響の最小化などのガイドラインを策定した。

この業界主導の持続可能性への取り組みは、すべての宇宙関係者が採用する必要がある。宇宙経済の発展や規制の方法は、長期的な影響を及ぼすことになり、失敗を避けるためのタイムリミットは急速に迫っている。

人類の宇宙での活動能力を向上させ、私たち全員にまだ想像もつかない機会をもたらすためには、インフラ、ベストプラクティス、ガバナンスの整備を早急に進める必要がある。

編集部注:本稿の執筆者Luca Rossettini(ルカ・ロッセッティーニ)氏は、D-Orbitの創業者兼CEO。

画像クレジット:Bernt Ove Moss / EyeEm / Getty Images

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(文:Luca Rossettini、翻訳:Dragonfly)

東京の宇宙ベンチャーGITAIが国際宇宙ステーション内で自律型ロボットアームの技術実証に成功

東京の宇宙ベンチャー企業であるGITAI Japan(ギタイジャパン)は、日本時間の2021年10月13日から10月17日にかけて、国際宇宙ステーション(ISS)内で行われた自律型ロボットアームの技術実証に成功した。これは、同社が宇宙でサービスとしてのロボット技術を提供する準備に向けた重要なマイルストーンとなる。

「GITAI宇宙用自律ロボットS1」と呼ばれるこのロボットアームは今回、ケーブルやスイッチの操作と、構造物やパネルの組み立てという2つの作業を行った。これらの作業は、一般的にクルーが行う作業だが、宇宙におけるさまざまな活動で汎用的に使用することができる。今回の実証が成功したことで、NASAはGITAIロボットの「技術成熟度(Technology readiness levels、TRL)」をTRL7に引き上げた。TRLは全部で9段階まであり、GITAIがロボットを商業化するには、すべてのTRLを満たすことが重要になる。

この技術実証は、宇宙企業であるNanoracks(ナノラックス)の「Bishop(ビショップ)」エアロック内で行われた。Bishopエアロックは、ステーションの外装に取り付けられた世界初(かつ唯一)の商用エアロック・モジュールだ。Nanoracksは今回、打ち上げ機会の提供、軌道上での運用管理、データのダウンリンクも担当。同社は先週、Voyager Space(ボイジャー・スペース)およびLockheed Martin(ロッキード・マーティン)と共同で完全民間の商業宇宙ステーションを起ち上げる計画を発表している。

関連記事:民間宇宙ステーション「Starlab」は地球低軌道経済の到来を予感させる

GITAI宇宙用自律ロボットS1は、8月末に実施された23回目の商業補給サービスミッションで、SpaceX(スペースX)の「Cargo Dragon(カーゴ・ドラゴン)」カプセルに搭載されて軌道へ輸送された。日本のスタートアップ企業であるGITAIは、軌道上での宇宙船の整備や建設・製造作業など、宇宙における一般的な作業を行うためのロボットを開発している。次のステップは、ISSの外で、GITAIロボットの試験を行うことだ。

「今回の実証の成功は、GITAIロボットが、汎用性があり、器用で、比較的安全(人間の生命を脅かすリスクが少ない)で、安価な労働力を求める宇宙機関や商業宇宙企業のソリューションになり得ることを証明するものです」と、NASAは技術実証の最新情報を更新し「このオプションの提供は、宇宙の商業化という目標達成を促進させることになります」と述べている。

しかし、GITAIは単にロボットアームを作ることだけを目指しているわけではない。同社の長期的なビジョンでは、ロボットは月や火星の表面にスペースコロニーを建設するための重要なツールになると考えている。このようなロボットによる労働力は、地球外の環境で人間が生存できるようになるのを加速させるために役立つ可能性が高い。2021年3月、同社は総額18億円のシリーズB資金調達を完了し、2023年に予定されている軌道上船外技術実証に向け、人件費と開発費に投じている。

先週行われた技術実証の映像はこちら

画像クレジット:Gitai

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

民間宇宙ステーション「Starlab」は地球低軌道経済の到来を予感させる

民間宇宙ステーションの時代が正式に到来する。Nanoracks(ナノラックス)、Voyager Space(ボイジャー・スペース)、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)の3社は先日、2027年に商用ステーションを起ち上げる計画を発表した。しかし、これは新しい宇宙経済を発展させるための次の論理的ステップに過ぎないと、各社は述べている。

関連記事:Nanoracksなど民間3社が2027年までの商業宇宙ステーション立ち上げを計画

「過去10年間は宇宙へのアクセスを構築する時代でしたが、次の10年は宇宙に行き先を構築する時代になります。それが、この業界における我々の重要な命題の1つです」と、VoyagerのDylan Taylor(ディラン・テイラー)CEOは述べている。

米国が初めて打ち上げた宇宙ステーション「Skylab(スカイラブ)」に敬意を表して「Starlab(スターラブ)」と名付けられたこの新しい宇宙ステーションは、膨張式の居住モジュール、ドッキングノード、ロボットアームを備えたものになる。3社は官公庁と民間企業の両方からの強い需要を見込んでいるものの、NanoracksのJeffrey Manber(ジェフリー・マンバー)CEOは「Starlabの中核は科学です」と強調した。

Starlabは最終的には観光客も受け入れることができるが、観光を第一に考えたプロジェクトではないと、マンバー氏は付け加えた。「宇宙観光旅行は話題になりますが、持続可能なビジネスモデルを構築するためには、それ以上のものが必要です」と、同氏はいう。

3社は、NASAの「Commercial Low Earth Orbit Destinations(商業的地球低軌道目的地開発)」プロジェクトへの入札として、Starlabを同宇宙局に提出した。このプロジェクトでは、宇宙ステーションを開発する民間企業に最大で4億ドル(約454億円)の契約が割り当てられる。

このようなプロジェクトには莫大な公共投資が必要となるものだが、この資金提供は、特に国際宇宙ステーションの離脱が間近に迫っていることを考慮すると、NASAが地球低軌道における存在感を維持することに関心があると世界に示す意味でも重要であると、テイラー氏は述べている。

マンバー氏も同様の意見を述べている。「私たちは宇宙ステーションの空白期間を作りたくありません」と語る同氏は「業界や社会の誰もが、米国が低軌道に宇宙ステーションを持たない期間があってはならないことを理解しています」と続けた。

しかしながら、全体的には民間の資金が鍵となる。そこでVoyager社の出番だ。2021年、Nanoracksの過半数の株式を取得した同社は、プロジェクトの資金調達と資本配分を監督することになる。

「現実的には、米国議会から十分な資金を得ることはできません」と、マンバー氏はいう。「そんな時代は終わりました。これは商業的なプロジェクトです」。

LEO(地球低軌道)経済の将来については、企業や公的機関が設計の標準化と競争力の維持をどのように両立させるかなど、未だ不明な点が多い。

テイラー氏は、いくつかの重要な技術を標準化するには、コンソーシアムを起ち上げる方法が有効であると提案している。NASAからの投資も居住システムの共通化に役立つだろうと、Lockheed Martinの民間宇宙部門VPであるLisa Callahan(リサ・キャラハン)氏は、TechCrunchによるインタビューの中で語っている。

「NASAは顧客として、宇宙輸送におけるこの並外れた革命を解き放ちました」と、マンバー氏は語る。「NASAがカーゴで成功したように、商用クルーで成功したように、宇宙に興味を持つ市場があれば、小規模な民間宇宙ステーションにも同じようなことが起こると予想できます」。

画像クレジット:Nanoracks

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Nanoracksなど民間3社が2027年までの商業宇宙ステーション立ち上げを計画

NASA(米航空宇宙局)は以前から、老朽化した国際宇宙ステーション(ISS)に代わる商業運用の後継ステーションを民間企業に奨励してきた。Axiom Space(アクスアム・スペース)はすでにその意向を表明しているが、Nanoracks(ナノラックス)、Voyager Space(ボイジャー・スペース)、Lockheed Martin(ロッキード・マーチン)で構成される新たなコンソーシアムは「史上初の自由飛行の商業宇宙ステーション」を建設し、2027年に運用を開始する予定だと発表した。

関連記事:民間商業宇宙ステーションの実現を目指すAxiom Spaceが約138億円を調達

この新しい宇宙ステーションは、米国で3番目に建設された宇宙ステーション「Skylab(スカイラブ)」にちなんで「Starlab(スターラブ)」と名づけられる予定だ。Starlabには4人の宇宙飛行士が滞在する。その規模は国際宇宙ステーションよりもはるかに小さく、人間が居住できる加圧空間は国際宇宙ステーションの3分の1程度だ。そのため、ISSや中国の宇宙ステーションのように分割して軌道に乗せるのではなく、1回の打ち上げで軌道に乗せられると期待されている。

Voyagerが株式の過半数を保有するNanoracksは、現在ISSで使用されている多くの部品を設計・製造しており、この3社のチームは宇宙での運用においては豊富な経験を持つ。Voyagerはこのプロジェクトに戦略的指導と資本投資を行い、Lockheed MartinはStarlabの主要メーカーであると同時に、さまざまなテクニカル部品をつなげるインテグレーターでもある。

宇宙ステーションの主な構成要素は、Lockheedが製作した膨張式の居住モジュールで、貨物や乗組員を運ぶ宇宙船のドッキングカ所や、ステーションの外で貨物やペイロードを操作するための宇宙ステーションにあるようなロボットアームを備えている。

クルーとして想定されるのは、官民の研究者、メーカー、科学者で、宇宙旅行者などの商業的な顧客も含まれるという。NASAが民間ステーションを導入する意図は、公的資金を最大限に活用しながら、NASAにとって継続的な宇宙空間の占有をより持続可能なものにするために、多くの顧客の中の1人になることだ。

画像クレジット:Nanoracks

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

Space Perspectiveが気球による成層圏への旅行を計画、費用は1人約1430万円

Blue Origin(ブルー・オリジン)、SpaceX(スペースX)、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)が商業打ち上げに成功したことで、正式に宇宙旅行の新時代が到来した。しかし、ロケットスペースプレーンを使って人々を宇宙に連れて行くことを計画しているこれらの企業とは異なり、2年前に設立されたSpace Perspective(スペース・パースペクティブ)という企業は、別の方法を採っている。

開発に莫大な費用がかかり、すべての顧客が受け入れられるとは限らないロケットで宇宙に行く代わりに、このスタートアップ企業は、大きな気球に取り付けられたカプセルを使って成層圏に行く旅行の提供を計画している。この計画は投資家の関心を集めており、同社は米国時間10月14日、2024年後半に予定されている最初の商業飛行に向けて、4000万ドル(約45億6000万円)のシリーズA資金調達を実施したと発表した。

Space Perspectiveは、すでに475件の予約を集めており、顧客は1万ドル(約114万円)から2万5千ドル(約285万円)の保証金(搭乗を希望する時期がどれだけ早いかによって異なる)を支払うことでその予約を確保している。最終的に支払う費用の総額は、1人当たり12万5000ドル(約1430万円)となる予定だ。

ロケットに乗らないということは、それによるトレードオフがある。気球に乗る方がはるかに安く、リスクを避けたい顧客には魅力的かもしれない。しかし、大気圏のそれほど高い位置まで行くことはできず、無重力も体験できない。国際的に認知されてはいるが実際には目に見えない「宇宙」の境界線であるカルマンライン(海抜高度100キロメートル)を超えることはなく、同社の成層圏気球では地球上の約30キロメートルの高さまでしか行くことはできない(とはいえ、せいぜい高度1万2000メートルほどにしか達しない民間航空機と比べたらはるかに高いが)。

それでもSpace Perspectiveは、同社の提供する6時間の飛行で、特に地球の丸さや宇宙の黒さなど、すばらしい景色を楽しむことができると約束している。計画では、スペースバルーンは時速20キロメートルほどの速さで2時間かけて徐々に上昇した後、2時間かけて遠地点を滑空し、最後の数時間で徐々に下降していく。カプセルは海に着水し、8人の乗客と1人のパイロットは船で回収される。これは、NASAやSpaceXが乗員用カプセルを回収する方法と同じだ。

それほど高い場所に行かない代わりに、他の利点がある。同社の説明によると、Space Perspectiveの気球に乗ることは、宇宙飛行士の打ち上げというよりも、大手航空会社のファーストクラスのフライトに近い感覚で楽しめるという。乗客はカプセルの中で、Wi-Fiやバーさえも利用できるようだ。事前に特別なトレーニングも必要ない。同社の広報担当者の話では、飛行前の安全に関する説明は、現在の民間航空会社で客室乗務員が行っているものと変わらないという。

この会社はすでに重要なマイルストーンに達している。6月にはフロリダ州のスペースコースト宇宙港から、無人の加圧されていない実物大カプセルシミュレーターを、目標高度まで打ち上げることに成功した。次の一連のテストフライトも無人で行った後、2023年に最初のパイロット搭乗テストフライトが行われる予定だ。

Space Perspectiveは、夫婦で共同CEOを務めるJane Poynter(ジェーン・ポインター)氏とTaber MacCallum(テーバー・マッカラム)氏によって設立された。2人は、閉鎖空間で地球の状態を再現するという野心的で風変わりなプロジェクト「Biosphere 2(バイオスフィア2)」のクルーだった。その後、彼らは宇宙飛行士の生命維持装置を開発するParagon Space Development Corporation(パラゴン・スペース・ディベロップメント・コーポレーション)と、リモートセンシング用の成層圏気球を開発するWorld View Enterprises(ワールド・ヴュー・エンタープライゼス)を設立した。2021年10月初めには、World Viewも、2024年までに成層圏へ気球で行く旅を提供すると発表した。こちらの料金は5万ドル(約570万円)とさらにお手頃だ。

今回実施されたSpace PerspectiveのシリーズA資金調達は、Prime Movers Lab(プライム・ムーバーズ・ラボ)が主導し、新たな投資家としてLightShed Ventures(ライトシェド・ベンチャーズ)、Explorer 1 Fund(エクスプローラー・ワン・ファンド)、Yamauchi no.10 Family Office(ヤマウチ・ナンバー10ファミリー・オフィス)が参加。他にもTony Robbins(トニー・ロビンズ)氏や、VC企業のE2MCとSpaceFund(スペースファンド)、Kirenaga Partners(キレナガ・パートナーズ)、Base Ventures(ベース・ベンチャーズ)、1517 Fund(1517ファンド)などが出資している。

画像クレジット:Space Perspective

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ベゾス氏のBlue Originが最高齢記録90歳「カーク船長」を含む2度目の有人宇宙飛行に成功

Blue Origin(ブルーオリジン)は米国時間10月13日、俳優のWilliam Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏を含む4名のクルーを、テキサス州西部にある同社の施設から宇宙へ送り出し、無事に帰還させた。これで同社は2回中2回、有人飛行に成功したことになる。

NS-18と名付けられたこのミッションは、Blue Originにとって2021年5回目のロケット打ち上げであり、ロケット全体では18回目の打ち上げとなる。

今回のクルーには「スタートレック」のジェームズ・T・カーク船長を演じたことで最もよく知られているシャトナー氏、Blue Originの社員で同社のNew Shepard(ニューシェパード)ミッション&フライトオペレーション担当副社長を務めるAudrey Powers(オードリー・パワーズ)氏、Planet Labs(プラネット・ラボ)の共同設立者で現在はベンチャーキャピタルDCVCのパートナーであるChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)博士、臨床試験ソフトウェア企業Medidata Solutionsの共同設立者であるGlen de Vries(グレン・デフリース)氏が含まれていた。

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90歳のシャトナー氏は、これまで82歳のWally Funk(ウォーリー・ファンク)氏(7月に行われた同社の前回の打ち上げで搭乗)が持っていた、最高齢宇宙飛行記録を更新した。

打ち上げは米国東部時間午前10時50分頃に開始され、ロケットは国際的に宇宙の境界線として認められているカルマンラインを通過した。この頃、クルーは数分間の無重力状態を経験した。クルーカプセルは約11分後、パラシュートを使って自律的に発射施設に着地した。ブースターも自律的に発射台付近に着陸した。

この打ち上げの成功は、急成長中の宇宙旅行業界で主導的な地位を確立したいと考えているBlue Originにとって大きなニュースだ。しかし、ビリオネアのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が2000年に設立した同社にとって、この数週間は完全に順調と言えるものではなかった。9月末、21人の現役・元従業員が共同で、同社の職場はセクハラや安全への配慮が欠けていたと主張する書簡を公開したのである。

この文書は米連邦航空局(FAA)の目に留まったようで、FAAはTechCrunchに対し「FAAはあらゆる安全性に関する申し立てを真摯に受け止めており、現在情報を検討している」と述べた。

Blue Originは宇宙旅行市場において、今夏に独自の有人飛行を成功させたRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏のVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の他、9月にInspiration4のクルーを3日間の旅で宇宙に運んだSpaceX(スペースX)などの競合他社との競争に直面している。

打ち上げの様子はこちらからご覧いただける。

画像クレジット:Blue Origin

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

ブルーオリジンがカーク船長ら4人を宇宙に送り出す様子をライブで観よう、日本時間10月13日19時30分から

Blue Origin(ブルーオリジン)は、初の有人ロケットを軌道に乗せることに成功してからわずか3カ月、米国時間10月13日に再び打ち上げを行う準備を整えた。今回は、Blue Originの創業者兼CEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏の代わりに、最高齢での宇宙飛行を目指す90歳のWilliam Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏が搭乗する予定だ。

NS-18ミッションは、テキサス州西部のバン・ホーン近郊にある同社の広大な発射施設「Launch Site One(ローンチ・サイト・ワン)」から離陸する予定だ。クルーは、同社のNew Shepardロケットに搭乗する。当初、打ち上げは米国時間10月12日に予定されていたが、米国時間10月10日、強風が予想されることからBlue Originのミッションオペレーションは、1日延期することを決定している。

NS-18ミッションのクルーを紹介しよう。

  • William Shatner(ウィリアム・シャトナー):「Star Trek(スタートレック)」のジェームズ・T・カーク船長を演じたことで知られる俳優
  • Audrey Powers(オードリー・パワーズ):New Shepardミッション&フライトオペレーション担当のBlue Origin副社長。2013年に入社し、同社の副顧問を務めた後、チームを離れていた
  • Chris Boshuize(クリス・ボシュウイズ):Planet Labsの共同設立者で、現在はベンチャーキャピタルDCVCのパートナー
  • Glen de Vries(グレン・デ・ヴリーズ):臨床試験ソフトウェア企業「Medidata Solutions」の共同創業者。2019年にMedidataを買収したフランスのソフトウェア会社「Dassault Systèmes」のライフサイエンスヘルスケア担当副会長でもある

打ち上げライブ配信は米国太平洋時間10月13日午前5時30分(日本時間10月13日午後19時30分)頃に始まり、その約1時間後に打ち上げが行われる予定だ。

クルーのボシュウイズ氏は、2020年のTCセッションにも参加してくれた。次のイベントは12月に開催されるので、ぜひご参加ください

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画像クレジット:Blue Origin

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Katsuyuki Yasui)

「スタートレック」のカーク船長が10月12日にBlue Originの宇宙飛行に参加、史上最高齢90歳で

Blue Origin(ブルーオリジン)の次の搭乗者リストには、テレビや映画の中での宇宙探検のベテラン、William Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏と、Blue OriginのNew Shepard(ニューシェパード)ミッション&フライトオペレーション担当副社長を務めるAudrey Powers(オードリー・パワーズ)氏が含まれる。すでに発表されていたChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)博士とGlen de Vries(グレン・デフリース)氏にこの2人が加わることで、10月12日に予定されている打ち上げの4人のクルーが出そろった。

「スタートレック」でジェームズ・T・カーク船長を演じたことで知られるシャトナー氏は、このミッションが実現すれば、7月20日に行われたBlue Originの初の有人宇宙飛行にJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏とともに搭乗した、航空宇宙のパイオニアである現在の記録保持者Wally Funk(ウォーリー・ファンク)氏を僅差で追い抜き、史上最高齢の宇宙飛行経験者となる。シャトナー氏は90歳、一方のファンク氏は82歳だ。

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ベゾス氏自身を除けば、オードリー・パワーズ氏は、Blue Originの社員としては初めて同社の宇宙船でサブオービタル飛行の旅をすることになる。彼女は2013年からBlue Originのチームに参加しており、New Shepardミッション&フライトオペレーションチームを率いる前は、同社の副顧問兼法務・コンプライアンス担当副社長を務めていた。

すでに明らかになっていた他の搭乗者であるボシュイゼン博士とデフリース氏は、先週発表された。ボシュイゼン博士はPlanet Labs(プラネット・ラボ)の共同設立者で、現在はVCであるDCVCのパートナーを務めている。デフリース氏は、Dassault Systemsに買収された医療用ソフトウェアのスタートアップMedidata Solutions(メディデータ・ソリューションズ)の共同設立者だ。

Blue Originは、元社員のAlexandra Abrams(アレクサンドラ・エイブラムス)氏が他の現役・元社員20名と共著で、安全性への懸念やセクシャルハラスメントの歴史を告発する文書を公開したことで、現在、追及と批判にさらされている。この件による同社の打ち上げスケジュールへの影響はないようだが、FAA(連邦航空局)はエイブラムス氏の手紙で明らかになった安全上の懸念を検討していると言われている。

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画像クレジット:SOPA Images / Contributor / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

Planet Labs共同創業者が10月打ち上げのBlue Origin2回目の有人宇宙飛行に搭乗へ

Blue Origin(ブルーオリジン)の2回目の有人宇宙飛行は宇宙産業ベテランで同産業を専門とする投資家が搭乗することになりそうだ。その人物とは、Planet Labs(プラネット・ラボ)の共同創業者で現在はベンチャーキャピタル会社DCVCでパートナーを務めているChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)博士だ。ボシュイゼン氏は、完全再利用可能な準軌道宇宙船New Shepardを使うBlue Originの次の打ち上げで、提供される4座席のうちの1つに乗り込む。7月の第1回目の有人飛行にはJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が搭乗した

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更新:Blue Originはまた、臨床試験ソフトウェア会社Medidata Solutions(メディアデータ・ソリューションズ)の共同創業者であるGlen de Vries(グレン・デ・フリーズ)氏も搭乗すると発表した。フリーズ氏は2019年にMedidataを買収したフランスのソフトウェア会社Dassault Systèmes(ダッソー・システムズ)のライフサイエンス・ヘルスケア部門副会長も務めている。

ボシュイゼン氏はシドニー大学で物理学の博士号を取得し、Planet Labsに入社して最初の5年間CTO職を担う前に、カリフォルニアにあるエイムズ研究センターで4年にわたってNASAスペースミッション建築家を務めた。同氏は元々、客員起業家としてDCVCに加わり、その後オペレーションパートナーに、そして2021年初めフルタイムのパートナーになった。

ボシュイゼン氏は宇宙産業で全キャリアを築いたが、宇宙に行くという野心はキャリア以前から持っていた、と話す。弱冠17歳のときにオーストラリア国防大学のパイロット養成校に申し込んだが、テストで部分的な色覚異常がわかり、失格となった。

現在の小型衛星とキューブ衛星のブームの多くは、実際のところボシュイゼン氏の貢献も大きい。NASA時代には、スマートフォンを改造して軌道衛星を作った「Phonesat」の開発にも携わっている。超小型衛星がこれほど多く存在するのは、スマートフォンの登場によってハイテク部品が小型化し、小型で高性能な衛星を比較的安価に製造・打ち上げられるようになったことが大きい。

フライトは米国東部時間10月12日火曜日午前9時半にテキサス州バン・ホーン郊外にあるBlue Originの広大なサイトから打ち上げられる予定だ。同社は残りのクルー2人の詳細は明らかにしていない。

ボシュイゼン氏は2020年のTCセッション宇宙部門に参加した。次のイベントは12月に開催され、まだチケットを入手する時間はたっぷりある。

画像クレジット:Blue Origin

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(文:Darrell Etherington、Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

【コラム】宇宙探査には助成金の支給と規制が必要だ

1989年、Tim Berners-Lee(ティム・バーナーズ=リー)氏は今日のインターネットが普及を促進したWorld Wide Webを発明した。しかし彼は、多くの人々がこの技術によるメリットを享受することを望んだために、この技術を保護することをよしとしなかった。30年後、インターネットのほとんどの力と多大な利益は、少数のテックビリオネアに独占され、インターネットが生まれた当初約束されていたことのほとんどは実現されていない。

宇宙に関して同じ轍を踏まないためにも、私たちは競争を生み出し、コストの削減を実現するために新規参入者に助成金を支給すべきである。また、宇宙への旅を安全なものにするための規制も必要である。

宇宙は重要である。宇宙は数え切れないほどの仕事と燃料経済を生み出し、また気候変動に対する解決策をもたらす可能性さえある。投資家たちはすでにこの可能性に目を付けている。宇宙産業は、2030年までに 1.4兆ドル(約154兆円)の市場価値を生み出す可能性があるとされているが、彼らはこの宇宙業界の企業に何億ドルもの資金を注ぎ込んでいるのだ。

宇宙は広大で、とても少数のテックビリオネアに独占されるとは思えない。しかし、1989年にはインターネットもそのように考えられていたのだ。私たちはこれをしっかり理解する必要がある。宇宙産業は機械工から宇宙航空エンジニア、マーケティング、情報、物流の労働者まで、世界規模で雇用を生み出し、経済成長を促進する可能性があるためだ。

そのためには競争が必要である。しかし現在は、少数の企業が、世界のためというよりは、その企業の創設者の利益のために事業活動しているという状況だ。

私たちはインターネットで犯した過ちを繰り返してはならないし、介入が必要なほどテクノロジーが乱用されるようになるのを座して待っていてはならない。例えば、ケンブリッジアナリティカのスキャンダルでは、民間のテクノロジー企業が、社会に害を与えること(これは規制当局が保護すべき分野である)をいとわずに自らの利益(これは彼らの株主に対する義務である)のために、非常に危険なソーシャルメディア操作を行った。

宇宙では利害はさらに大きくなるだろう。またそれらは少数の国というのではなく、人類全体に影響を及ぼす。環境に関わる危険があるし(私たちが徹底的な調査を行っているのは「地球」での飛行による二酸化炭素の負荷であって、宇宙飛行ではない)、また宇宙での事故は人命が奪われると同時に、危険な破片が地上に降ってくることにもつながる。

これらの危険は予期できないものではない。Virgin Galacticが初めて死者を出したのは2014年のことだった。Space X の発射は約300人の乗客を乗せた飛行機が 大西洋を横断するのに相当する 二酸化炭素を排出しる。また、2021年始め、中国のロケットからのスペースデブリが無制御の状態でモルジブに 落下したこともあった。

私たちは、こうした事故が、より大規模な形で再び引き起こされる前に行動を開始しなければならない。

宇宙旅行は、1%のごく限られた人々にインスタ映えする瞬間を与えたり、サービスを提供するビリオネアの富を増やす以上のものであることが可能であるし、またそうでなければなるまい。

宇宙産業は、最良のものを最大限の人々に届けられるよう運営されるべきである。これは助成金の支給から始まる。

つまり、私たちは宇宙旅行を他の交通手段と同じように取り扱うべきなのだ。宇宙旅行を経済的に持続可能なものにするには、政府によるある種の介入がほぼ絶対的に必要である。

こうした状況は以前にもあった。飛行機による旅行や高速道路の発達、人件費の上昇で米国の2大鉄道会社が破産に至った時、ニクソン政権が介入しアムトラックを発足させたのだ。

これは、思想的な側面から推進されたものではなく(それとは正反対である)、米国が州間移動による経済的恩恵を得るための決定だった。創設から50年たってもアムトラックは採算が取れていない状態が続くが、それでも他の多くの産業や何百万もの個人や家族が依存する重要な経済的インフラの一部である。

これと同様のやり方を宇宙旅行にも適用する必要がある。Virgin Galacticのチケットは25万ドル(約2750万円)と予測されており、このような超豪華な旅行市場から恩恵を得る個人はほとんどいないだろう(これはごく初歩的な宇宙旅行商品の値段で、Virginの競合他社はこの額の数倍の値段を付けている)。

今宇宙産業に助成金を支給したなら、宇宙産業における競争を促進しながら、宇宙産業の広範な利益をすべて実現することのできるクリティカルマスに到達することができるだろう。

今のうちにこの問題に取り組めば、寡占企業が出現してからなんとかしようと戦うより(これは今米国連邦取引委員会が何十年も遅れてビックテックに行おうとしていることである)ずっと楽に物事が進むだろう

宇宙旅行はビリオネアだけの興奮剤やおもちゃではない。これは物理的にも経済的にも私たちにとって最後のフロンティアなのだ。

これを成功させたいなら、地球上での成功や失敗から学び、それらを宇宙に適用しなければならない。

それは、助成金、支援、規制と安全を意味する。これらは地球上でも重要だが、宇宙では絶対に不可欠なものなのである。

編集部注:執筆者のJoshua Jahani(ジョシュア・ジャハニ)氏は、コーネル大学およびニューヨーク大学の講師。中東・アフリカを専門とする投資銀行ahani and Associatesのボードアドバイザー。

画像クレジット:Vertigo3d / Getty Images

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(文:Joshua Jahani、翻訳:Dragonfly)

初の民間人だけの宇宙ミッション成功、Inspiration4の着水はSpaceXにとって始まりにすぎない

いとも簡単に彼らは帰還した。

Inspiration4のクルーが米国時間9月18日夜にフロリダの東海岸に着水し、晴々しく帰還した。ほぼ完全に民間人だけの初の宇宙ミッションとなった。着水から1時間弱してSpaceX(スペースエックス)のGo Searcher回収船がResilienceと命名されたCrew Dragonカプセルを曳航した。その後クルーはヘリコプターでNASA(米航空宇宙局)のケネディ宇宙センターに移送され、そこで標準的なメディカルチェックを受けた。

ミッションの成功はElon Musk(イーロン・マスク)氏、全ミッションを遂行したSpaceX(そして広範にとらえると技術開発の資金を提供したNASA)にとって重要な勝利だ。そしておそらく、はっきりと宇宙旅行時代の幕開けを告げるものだ。

SpaceXの有人宇宙プログラム担当シニアディレクター、Benji Reed(ベンジ・リード)氏は、潜在顧客からのプライベートミッションについての問い合わせが増えている、と報道陣に語った。「年に少なくとも3〜6回ミッションを実施できる」とも述べた。

もちろん、今回のミッション司令官のJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は宇宙に行った初の富豪ではない。2021年夏、 Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏とJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏もそれぞれが所有するVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)とBlue Origin(ブルーオリジン)が開発した宇宙船で宇宙飛行を楽しんだ。しかしその宇宙飛行はかなり短いものだった。ベゾス氏と同乗者3人は宇宙に行き、15分もせずに地球に帰還した。必然的に放射線アーチを描く移動だった。

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それとは対照的に、Inspiration4のクルーは最高高度590キロメートルで地球を周回しながら3日間を過ごした。この高度は国際宇宙ステーションよりも高く、宇宙にいる人間の中で最も「外側」にいたことを意味する。ミッションの間、クルーは1日あたり平均15回地球を周った。

軌道にいる間、クルーはいくつかの科学実験を行った。その大半は宇宙旅行が人体に及ぼす影響を理解することを目的とする自身のデータ収集だ。クルーはまた、SpaceXが「キューポラ」と呼ぶ大きなドーム型の窓で宇宙の写真を撮ったりして過ごした。

決済処理会社Shift4 paymentsで財を成したアイザックマン氏以外のクルーは、医師助手で子どもの頃にがんを患って克服したHayley Arceneaux(ヘイリー・アルセノー)氏、地球科学者のSian Proctor(シアン・プロクター)氏、ロッキード・マーティンのエンジニアであるChris Sembroski(クリス・センブロスキー)氏だ。クルーの中でアルセノー氏が宇宙に行った最も若い米国人で、かつ義足をつけて宇宙に行った初の人間であり、プロクター氏は宇宙ミッションを行った初の黒人女性だ。

この歴史的なミッションの費用はすべてアイザックマン氏によるものだが、同氏とSpaceXはどちらも費用が合計でいくらだったのかについては口を閉ざしている。このミッションはセント・ジュード研究病院のための2億ドル(約218億円)の募金活動として行われ、ここにアイザックマン氏が1億ドル(約109億円)、マスク氏が5000万ドル(約55億円)を寄付した。さらに募金活動には市民から6020万ドル(約65億円)が寄せられた。

Resilienceが安全に人を宇宙に運び、そして連れ帰ってきたのは今回が2回目だ。2021年5月の最初のミッションCrew-1では宇宙飛行士4人(NASAの3人、日本の宇宙航空研究開発機構の1人)を国際宇宙ステーションへと運び、そして宇宙飛行士を地球に連れて帰った。SpaceXは今後6カ月でいくつかの有人ミッションを実施する予定で、ここにはNASAと欧州宇宙機関の代わりに行う国際宇宙ステーションへのミッション、Axiom Spaceの依頼で行うプライベートAX-1ミッションが含まれる。

関連記事:NASAとAxiom Spaceが初の民間人のみによる国際宇宙ステーションへの宇宙飛行について発表

「SpaceXにとても感謝しています。すばらしいフライトでした」とアイザックマン氏はカプセルが帰還した後に述べた。「まだ始まったばかりです」。

着水の一部始終は下の動画で閲覧できる。

画像クレジット:SpaceX

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

月軌道へのペイロード輸送を2022年第4四半期に行うとSpaceflightが発表

衛星ライドシェアサービスを提供するSpaceflight Inc.(スペースフライト)は、企業が月軌道やそれ以上の軌道に簡単にアクセスできるようにするという長期的なビジョンの一環として、2022年に月フライバイ・ミッションで顧客の荷物を送り届ける。

シアトルに本社を置くSpaceflightは、過去数年間にわたってテストを行ってきた軌道遷移機(OTV)「Sherpa(シェルパ)」の最新版である推進型OTV「Sherpa EScape(シェルパ・エスケープ、略称Sherpa ES)」を使用してペイロードを輸送する予定だ。このSherpaは、ロケットで宇宙空間に到達した後、顧客の希望する軌道にペイロードを展開するための、宇宙におけるラストマイル輸送を担当する役割を果たす。

Spaceflightの電気推進型OTV「Sherpa-LTE」は、2021年6月にSpaceX(スペースX)のTransporter-2(トランスポーター2)ミッションで打ち上げられ、その電気推進器の稼働に成功している。さらに2021年12月には、化学推進型の「Sherpa-LTC」が、SpaceXのTransporter-3で打ち上げられる予定だ。同社はこれまでにSherpa OTVで50基の顧客の宇宙機を展開することに成功している。

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Sherpa-ESは、2つの主要な航空宇宙プライムから1000万ドル(約11億円)の資金調達を終えたばかりの軌道上給油会社Orbit Fabと(オービット・ファブ)と、新会社GeoJump(ジオジャンプ)のペイロードを運ぶ予定だ。GeoJumpもライドシェアリング事業に参入しようとしている会社らしく、同社のウェブサイトでは、小型衛星に「静止軌道への新しいルート」を提供すると謳っている。このミッションでは、SpaceXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットによる打ち上げが予定されている。

画像クレジット:Spaceflight

このライドシェアは、NASAのCommercial Lunar Payload Services(商業月面輸送サービス)プログラムに選ばれた数少ない企業の1つであるIntuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)が実施するロボットによる月面着陸ミッションの一部だ。Intuitive Machinesは、まずは2022年前半に予定されている14日間のミッションで、重量約2000キログラムの「Nova-C(ノヴァC)」着陸機を月面に送ることになっている。この着陸機は約130kgのペイロードを輸送する。

Intuitive Machinesは、2022年第4四半期に予定されているこの着陸機の2回目のミッションもSpaceXに依頼した。この着陸機は月の南極に着陸する最初の物体で、月の氷を掘削する最初の物体になると、同社は述べている。

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画像クレジット:Spaceflight

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)