リクルーターが直接投稿した求人と求人サイトの広告を集約、既存サービスと対抗する求人情報ポータルTalent.comが約141億調達

オンライン採用は、第一次インターネットブームの初期の大ヒット商品の1つだった。しかし、より多くのビジネスプロセスがオンラインに移行する中、オンライン求人検索はただ与え続け贈り物のような存在だ。そこで米国時間3月16日、この分野の別のポータルが、より革新的で確かな技術でこの分野の既存企業に対抗するために、大規模な資金調達を行ったというニュースが飛び込んできた。リクルーターが直接投稿した求人広告と、サードパーティの求人サイトの広告の両方を集約するポータルサイトのTalent.com(タレントドットコム)は、シリーズ Bラウンドの1億2000 万ドル(約141億9800万円)を調達した。同社はこの資金を、国際展開を続け、このプログラム検索プラットフォームにさらに投資し、ユーザー向けの新しい製品とサービスを導入するために使用する予定である。

Talent.comはかなり国際的なプロフィールを持っている。現在、78カ国、29言語にわたって100万社の約3000万件の求人情報を掲載し、その範囲内で毎月2800万人以上のアクティブな訪問者があるのだ。しかし、このスタートアップ自体はモントリオールを拠点とし、今回のラウンドではカナダのVC、Inovia Capital(イノヴィア・キャピタル)がリードし、以前の支援者 Caisse de depôt et placement du Québec (ケベック州金融公社/CDPQ) と新しい投資者 Investissement Québec(インベストメント・ケベック)、Climb Ventures(クライム・ベンチャーズ)、BDC Capital(ビーディーシー・キャピタル)、Fondaction(フォンダクション)およびHarbourVest Partners(ハーバーべスト・パートナー)も参加している。この1億2000万ドル(約141億9800万円)の株式と同時に、BMO Financial Group(ビーエムオー・ファイナンシャル・グループ)のTechnology & Innovation Banking Group(テクノロジー&イノベーション・バンキング・グループ)から新たに3000万ドル(約35億5000万円)の負債性資金も調達している。

Talent.comの共同創業者で共同CEOのLucas Martínez(ルーカス・マルティネス)氏は、Maxime Droux(マキシム・ドルー)氏、Benjamin Philion(ベンジャミン・フィリオン)氏と共同で同社を設立した。同士はインタビューの中で、この資金を使って、消費者が探しているものにもっと関連した結果を見るための技術をさらに構築し、広告の反応性を測定するツールやクリックされた人に応じて料金を請求するツールを使って、雇用主にとってより魅力あるプラットフォームとすることが目的だと語っている。

(コンテンツに興味を持ってもらうためには、適切な表現が必要であることを、同社自身が身をもって知っている。同社は以前、フィンランド語で「アドバイス」を意味するNeuvooという社名だったのだが、収益性は高かったものの、その単語の発音につまずく人が多く、またその意味が大衆市場とは特に関係がないこともあり、あまり急成長しなかった。そこでNeuvooは2019年に社名を見直すことを決め、Talent.comが売りに出されているのを見ると、それに飛びつき、ブランドを変更したのだ。このドメインには130万ドル[約1億5000万円]を支払ったが、不思議なことに残りの詳細は3年間NDAの対象であり、誰が売却を行ったのかは不明である。マルティネス氏は「Google?」と私が聞くと、笑って「違う」と答えたが、それ以上詳しくは語らなかった)

また、同社はこの資金をさらなる国際展開のために投資している。マルティネス氏は、同社が欧州の新たなハブ拠点を設立しているバルセロナから取材に応じた。

現在、この市場には、Indeed.com(時価総額660億ドル[約7兆8090億円]、SimplyHiredなどのブランドを所有する日本の人材大手Recruit Holdingsが所有)や、2021年上場したZipRecruiter(ジップリクルーター)、LinkedIn(リンクトイン)、検索大手Google(グーグル)などのビッグプレイヤーがいる。しかし、今日、新しいテクノロジーと市場からの期待の変化を活用して、新たな競争戦線を導入し、これらの老舗企業に真っ向から立ち向かうスタートアップが数多く存在する。

Deel(ディール)Remote(リモート)のように、自らをリモート従業員の雇用を支援するプラットフォームと位置づける企業もあれば、Turing(テューリング)のように、リモートという概念を取り入れ、エンジニアという特定の人材プールに焦点を絞っている企業もある。SmartRecruiters(スマートリクルーターズ)は、人材紹介の「Salesforce(セールスフォース)」になることを目指しており、Beamery(ビームリー)のような他の企業もこの目標を追いかけている。Dover(ドーバー)は、別の企業分野からコンセプトを借りて(そのバズワードはオーケストレーション)、採用プラットフォームを構築している。そしてJobandtalent(ジョブアンドタレント)Workstream(ワークストリーム)Fountain(ファウンテン)は、カジュアル、ギグ、時間給労働者をターゲットにしたビジネスモデルを持っている。

Talent.comは、後者3社と同様に、時間給労働者やギグワーカー、熟練労働者を含む市場を主なターゲットとしている。求人広告のプログラムアプローチに加え、雇用主向けのその他のツールとしては、既存の応募者追跡システムやCRMを統合する機能がある。消費者向けには、基本的な求人情報の検索に加え、給与の調査、居住地の税金を差し引いた給与の計算、検索結果をより適切にするためのプロフィール質問への回答などの機能が提供されている。これは、この製品が将来どのように発展していくかという道筋を示すものでもあるだろう。

「これは非常に重要なことです」とマルティネス氏はいう。「就職活動は意欲的なものです。多くの人が、応募している仕事に適性がありません。そこで私たちは、経験と教育を組み合わせ、ユーザーが例えばエンジニアになりたいのであれば、そうすべきであると導いているのです。私たちは、あなたが誰であるかを知り、あなたの履歴書を私たちのプラットフォーム上に置き、その分野の教育プログラムをオンラインで紹介します。これが、ユーザーに対してより多くの価値を提供することになるのです」。と語った。

投資家の興味をそそったのは、ユーザーからより多くの収入を得るための幅広いサービス群に対する取り組みだ。

「人材獲得競争は、企業が今直面している大きな課題によって、さらに激化しています。Talent.comは、雇用主が人材を調達し、採用するための最大かつ最も国際的なプラットフォームの1つになるまで急成長しました。このパートナーシップは、真の求職者中心のプラットフォームとなるための一連の付加価値製品を立ち上げ、成長の新たな段階を促すものです」とInovia CapitalのパートナーであるChris Arsenault(クリス・アーセノー)氏は声明の中で語っている。

画像クレジット:Patrick Strattner / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Akihito Mizukoshi)

【コラム】「大量退職時代」はテックワーカーがキャリア代理人を利用するきっかけになるか?

大量退職時代(The Great Resignation、ザ・グレート・リジグネーション)は、テックワーカーに彼らの力を再認識させた。給料は上がり、人材需要は高まり、もしあなたがStripe(ストライプ)のエンジニアなら、アイデアのタネもないうちからプレ・シード会社を支援してくれる投資家が少なくとも3人いる。

しかし、求人熱の高まりは、進路決定をやさしくするわけでは決してない。もしあなたがShopify(ショッピファイ)のクリエイティブ・ディレクターか、Thrasio(スラシオ)のプロダクト責任者なら、オファーが殺到するだろう。

Free Agency(フリー・エージェンシー)は、2019年にSherveen Mashayekhi(シャービーン・マシャエキ)氏とAlex Rothberg(アレックス・ロスバーグ)氏が共同設立したスタートアップで、スタートアップ人材に対する熱望をビジネスの糧にしようとしている。テックワーカーも、ハリウッドスターやスポーツ選手が代理人から受けているのと同じようなサービスの恩恵に預かれるはずだ、とこのスタートアップは考えた。Free Agencyは、プロダクト、エンジニアリング、マーケティング、デザインなどの分野にわたり、中級から上級幹部レベルの候補者に代理人サービスを提供する。これまでに同社は、4700回の面接で候補者を支援し、交渉の結果獲得した提示給与総額は2億ドル(約229億4000万円)に上るとFree Agencyは推定している。

例えばFree Agencyが手がけたあるクライアントは、プロダクト担当シニアディレクターとして90万ドル(約1億円)の報酬を得て前職の総報酬から53%急増した。その過程で同社は、Snapchat(スナップチャット)、Coinbase(コインベース)、Lyft(リフト)などの企業と計21回の面接を設定し、クライアントは求職活動中1通の応募書類もメールも送る必要がなかった。

「当社のネットワークと仕事検索エンジンを使って、クライアントが寝ている間に面接を設定しました」とマシャエキ氏はメールに書いた。

このエージェントモデルは、ハリウッドでは比較的よく見かけるものだが、テック業界はサードパーティーを通じたキャリアマネージメントという発想をまだ受け入れていない。転職マーケットプレイスを設立し、Toptal(トプタル)やStella.ai(ステラ・エーアイ)などの求人会社で働いた経験を持つマシャエキ氏は、人材活用におけるテクノロジー利用は、伝統的に雇用者を喜ばすためのもので、従業員のためではないと話す。

「もしあなたが人材テック分野のエンタープライズ向けスタートアップのファウンダーなら、雇用者のところへ行って『私のツールを買ってください』と『マーケットプレイスにお金を払ってください』というほうが簡単です。なぜなら相手は問題の緊急性を理解しているから」と彼はいう。「雇用者は、そのお金が雇用と従業員維持の問題を解決することを理解していますが、候補者は歴史的にそういうお金の使い方をしてきませんでした」。

「スパム」を送ったり候補者の「パターンマッチ」をするために雇用者から料金を取るのではなく、Free Agencyは候補者の目的のみに焦点を当てている。同社は、候補者に初年度報酬の5~10%程度を請求して利益を得る。

一方雇用者は、Free Agencyが1週間に最大5人の候補者を紹介するサブスクリプションサービスを無料で利用できる。キャリアを管理するためにリクルーターに金を払えと従業員にいうのは大きな頼み事だ。しかも、候補者は今の職に満足していれば、そのサービスを少なくとも数年間、おそらくもっと長い間必要としない、

マシャエキ氏は、Free Agencyは入社時だけでなく、社内異動、能力向上など昇進サイクルを通じて候補者を手助けすることで価値を示すことができると強調する。現在同社は積極的にプロダクトを拡充しており、エンジニアリング・チームはキャリア・オペレーティング・システムの開発を進めている。そこではユーザーが求人情報や勤務評価、報酬評価などを行える。

もう1つの疑問は、Free Agencyは同社のサービスを最も必要としている人たちに提供するのか、という点だ。歴史的に過小評価され、概してネットワークとのつながりがなく重要な情報を得られない人たちだ。それとも、すでに十分つながりのある人たちをもっとよいところに着地させる手伝いをするだけなのか。

「率直に言って、Free Agentsに登録されている人たちの多様性の内訳は可もなし不可もなしです」とマシャエキ氏がメールで語った。同社は営業、顧客獲得、および市場開拓プログラムを展開してこれを変えようとしている。現在同社のプラットフォーム上にいる代理人は60%が女性で、20%が過小評価グループ出身だ。

こうした疑問符をつけられながらも、Free Agencyは2021年12月、1000万ドル(約11億5000万円)のシリーズAラウンドをアーリー・ステージ投資会社、Maveron(マベロン)のリードで完了した。さらに、Free Agencyのクライアント20社も出資しており、他にKevin Durant(ケビン・デュラント)氏のThirty Five Ventures、Resoloute、Bloomberg Beta、Kygo(カイゴ)氏のPalm Tree Crewなども参加した。同社は以前に、535万ドル(約6億1000万円)のシードラウンドも完了している。

それでもFree Agencyの最終テストは、管理された職探しを積極的に外部委託しようとい候補者を十分な数集められるかどうかだ。大量退職時代は、転職希望者がFree Agencyのようなサービスを試してみる推進力になっているかもしれないが、一度、波が去った後、求職者がどこまで確信を持てるかは不透明だ。

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画像クレジット:Gary Waters / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「オルタナティブMBA」というビジョンの実現をインドで目指すStoa School

伝統的なMBAのディスラプション(創造的破壊)は、EdTechスタートアップのピッチとして最も多く試みられ、テストされ、微調整されているかもしれない。それもうなずける。ビジネススクールは非常に高価であり、概して、エリート教育に投資するための時間と資金のある選ばれた人々のために用意されている。

そのコードを完璧に解読した企業はまだ存在しないが、Stoa School(ストア・スクール)は臆していない。ゴアに拠点を置くこのスタートアップは、インドの成長するスタートアップシーンが広く注目される中、同国の高等ビジネス教育に代わる高品質な非認定教育機関を設立するために数百万ドル(数億円)を調達した。同スタートアップの最初の資金調達は150万ドル(約1億7000万円)のプレシードのパーティーラウンドで、Udemy(ユーデミー)とMaven(メイブン)の共同創業者Gagan Biyani(ゲイガン・ビヤニ)氏、Better Capital(ベター・キャピタル)の創業者Vaibhav Domkundwar(ヴァイバヴ・ドムクンドワール)氏、Teachable(ティーチャブル)の共同創業者Ankur Nagpal(アンカー・ナグパル)氏、NotBoring Media(ノットボーリング・メディア)の創業者Packy McCormick(パッキー・マコーミック)氏、Dunce Capital(ダンス・キャピタル)の投資家John Danner(ジョン・ダナー)氏、Zivame(ジヴァーム)の共同創業者Richa Kar(リチャ・カー)氏らが参加した。

「人々はスタートアップについてもっと知りたいと思っています。そしておそらく、企業での仕事からの移行を望んでいるのでしょう」と共同創業者のRaj Kunkolienkar(ラジ・クンコリエンカー)氏は語り、インドのスタートアップに対する人員需要はこの1年間で40%増加していると推定する。同氏の共同創業者Aditya Kulkarni(アディティア・クルカーニ)氏は、このスタートアップは自らを「スタートアップの仕事への(に就く)手段」と位置づけており、誰もが「CACとは何か、GTMとは何か、LTVとは何か」ということに精通しているわけではないと付け加えた。

クルカーニ氏によると、Stoaの設立につながった最初の洞察は、インドの学生にはビジネス教育を追求する選択肢が多くないという事実にあった。Indian School of Business(ISB、インド商科大学院)に入学するか、米国に引っ越すしかないのが実情だ。同時に、クンコリエンカー氏はインドのLambda School(ラムダ・スクール)を運営していたが「インドの資金調達と資金回収のインフラは、ISA(Income Share Agreement、所得分配契約)を大規模に運用できるほど発展していない」ことに気づいた。

現在、Stoaは6カ月間のパートタイムプログラムであるStoaMBAを設けており、テクノロジー関連のスキルとビジネスの基本をすべての参加者向けに組み合わせて提供している。ライブプログラミングの大部分は週末に実施され、コホート学習、ビジネスケースのハッカソン、基本的な講義と非同期学習が週を通して行われる。学生は平均して週に12時間、月に3週間をこのプログラムに費やしている。

「私たちのアイデアは、さまざまなビジネス領域の完全な360度の概観を提供することです」とクンコリエンカー氏は語る。同氏の推計では、この24週間におけるプログラムの約30%が、データの扱い方や調査をより適切に行う方法など、基礎的なスキルに重点を置いているという。残りの時間は、デジタルマーケティングの役割やプロダクト戦略のヒントなど、需要のある特定の役割について深く掘り下げるために確保されている。

インドのスタートアップのすべてに向けて空白のセールス職の充足を支援するほどの規模には至っていないことを同社は認識しており、現在はオペレーションとセールスの世界におけるジェネラリストを育成することに注力している。StoaMBAの現在の価格は3400ドル(約38万円)で、ほとんどの学生は前払いである。EMIベースの融資オプションを提供するためのパートナーシップをStoaは有しており、それを利用すると学生は月単位で支払うことができる。

伝統的なMBAに真に代わるものとなるために、Stoaは、カリキュラムの品質保証、測定可能な成果、そして非認定のカリキュラムが生徒の生活に違いを生み出すという持続的な証明にフォーカスしていく必要がある。

非認定マインドセットの理解

求職者とそのテック業界での初めての仕事の間で最初のレイヤーになることで、Stoaは大手企業との競争を回避できるかもしれないが、このオポチュニティは最大の課題でもある。

コホート1と2の間で、100人のうち40人だけがこのスタートアップのキャリアサービスを選択し、そのうちの38人が新しい役割に移行した。共同創業者たちは、60%が参加しなかったのではなく、参加した人たちの成功率を重視していたが、この不均衡は他の市場勢力を表しているのかもしれない。同社は将来的に、本格的な転職を希望する人、テクノロジーの基礎を学んで理解を深めたい人、現在の職務でのスキルアップのために単一のスキルを学びたい人に向けて、別のプログラムを作ろうと試みている。

「Stoaに申し込む人の多くは、明瞭性を求めています」とクルカーニ氏。「人々はある一定の変化を望んでいます。しかしその評価に向けた最初のステップは、私がその変化を真剣に求めるかどうかにあるのです」。

逸話や幸せそうな学生たちがオンライン学習の価値を示す一方で、どのブートキャンプも最終的には、規模を拡大するために投資の見返りを証明しなければならない場所にたどり着く。解雇された人や求職者がテック業界に参入する支援を行うブートキャンプのスタートアップFlockjay(フロックジェイ)は最近、B2B SaaSプラットフォームへの方向転換を進める中で、従業員の半分を削減した。過去数年間、訴訟やレイオフ、資金調達に奔走してきたLambda Schoolは、その就職率に関するずさんなマーケティング戦術について精査されてきた。

関連記事:テック業界への就職を支援するFlockjayがB2B SaaSへの移行で従業員の少なくとも半分を削減

このスタートアップは多様性への取り組みを促進する必要もある。共同創業者たちは現在、学生の75%が男性で、25%が女性だと推定している。インドのスタートアップにおける女性の割合が出産休暇のコストと先天的な偏見のために減少していることを考えると、Stoaは現状を助長するのではなく、現状に疑問を提起するオポチュニティを有している。キャップテーブルは主に男性が占めているようであるから、その背後に女性の代表者を増やすことが戦略に役立つかもしれない。クルカーニ氏は、Stoaは女性にスカラーシップを提供してきたが「やるべきことが確かにある」と語った。

最後に、Stoaはさらに他のことも例示している。未来は非認定のコースにあると信じる起業家と、認定が高等教育において正当性を獲得する唯一の方法であると考える起業家との間の違いが大きくなっていることである。

「私たちは6カ月の学位を設置していますが、インドの規制当局がそのような学位や卒業証書を受け入れることは決してありません」とクンコリエンカー氏は話す。「ここインドで認定されるものには、極めて具体的なルールがあります」。Stoaは「学位方式」を採用しない方向に向かっており、その理由はブランド、カリキュラム、そして変化と反復をすばやく行う能力をコントロールし続けたいからだと同社は述べている。

その結果、Stoaのブランドは、同社の長期的な健全性において実質的に重要な意味を持つことになる。言い換えれば、一定数の人々に認証印を与えることは可能かもしれないが、規制当局のサインがなければ、企業の採用担当者はその証印を気にするだろうか、ということだ。

「インドは明らかに資格主義を重んじる社会、そして文化を形成していますが、Stoaには、MBAが国全体になし得ること、意味すること、提供することを再構築するすばらしいオポチュニティを感じます」とVibe Capital(バイブ・キャピタル)の創業者で投資家のAnkur Nagpal(アンクール・ナグパル)氏は語っている。「同社はブランド構築と卒業生のネットワークを十分に発達させてきましたので、知識のある人たちにとって憧れのブランドになっていると思います」。

On Deck(オン・デッキ)とY Combinator(Yコンビネーター)は、どちらのプログラムも卒業者の威信とコミュニティの存在を示唆するものとなっており、サービスとしてのシグナルをある程度スケールすることが可能であることを実証している。アクセラレーターはビジネスのニュアンスを理解しているインサイダーのためのものだが、Stoaはスタートアップのエコシステムに入りたい人たちを獲得できるだろうと共同創業者たちは考えている。

しかし、テック業界で職を得ることは、起業よりも困難で複雑な場合もある。Stoaの次のステップ、ベンチャーが後押しするものは、希望的観測として、伝統的な門番を排除し、これまでに培ってきた同社の価値を通して教育を行うことで、その困難な状況を打開するものとなるだろう。

画像クレジット:Witthaya Prasongsin / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

LinkedInがフリーランスのためのサービスマーケットプレイスをグローバルに展開

Microsoft(マイクロソフト)傘下のLinkedIn(リンクトイン)は、仕事に就いている人や仕事を探している人が、同じ分野の人とつながるためのプラットフォームだ。採用の観点では、正社員の候補者探しや求人広告で知られる。そのLinkedInが、フリーランスのためのジョブマーケットを開拓している。

この新機能では、短期間の仕事向けに誰かを雇いたい人は広告を出すことができる。熟練知識労働者を探せるFiverrやUpworkなどと競合することになる。

今回のフリーランス向けプラットフォームの立ち上げは、他の求職ツールに関するいくつかの重要なアップデートと同時に行われた。雇用市場や働き方の新しい流れに、LinkedInがいかに適応しようとしているかを示している。

新しく検索フィルターが設けられ、リモート、ハイブリッド、オンサイト(つまり正社員)のいずれで働けるのかが表示される。採用担当者からの連絡を受けられるよう「オープン・トゥ・ワーク」をオンにしている場合、そこに上記の情報が表示される。また、求人情報を検討する際、企業の予防接種要件を確認することができるようになった(企業がその詳細を表示している場合)。

Service Marketplace(サービスマーケットプレイス)は2021年2月、小規模なテストの段階で初めてリークされた。それ以来、米国でこのサービスのベータ版を静かに稼働させ、LinkedInが全世界で抱える約8億人のユーザー(米国時間10月26日の決算発表時点)の中から、すでに200万人のユーザーを獲得した。

10月27日からService Marketplaceは全世界で提供される。フリーランスのプロフィールを設定するには、自分のプロフィールページにアクセスし、上の方にあるボタンを押し、指示に従って設定を行い、自分が興味を持って取り組める仕事にフラグを立てる。

この新機能は、Microsoftの傘下に入ったLinkedInにとって興味深い転換点となる。LinkedInは前四半期に約2500万人の新規ユーザーを獲得した。

長い間LinkedInが構築してきたのは、同社が「エコノミックグラフ」と表現するものだ。人々が仕事上の関係でどのようにつながっているかをマッピングすることで、世界経済をより深く理解することができるという構想だ。

その意図はもちろん、同社のビジネスの商業的な側面、すなわち人材紹介ビジネスをより強固なものにすることにある。同社のプラットフォームは、リクルーターにプレミアム会員権を販売して潜在的な候補者に関する詳細なデータを入手できるようにしたり、求人広告を出したり、求職者が仕事を見つけられるようになっている。

このビジネスは着実に成長している。LinkedInは10月27日の決算説明会で、プラットフォーム上で確認された採用数が前年同期比で160%以上増加し、広告収入全体も61%増加したと発表した。また、採用担当者に幅広いトレーニングコンテンツをアップセルしているLinkedIn Learningは現在、1万5000社以上の法人顧客を抱えている。

だが、その過程で、LinkedInは市場の大きな部分を切り離してしまった。この10年間で、フルタイムの長期雇用から短期のフリーランスへと移行する人が急増したからだ。

彼らがLinkedInを利用して、ネットワークを広げたり、同じ分野の人々と連絡を取ったり、仕事を見つけたりすることを妨げるものは何もなかったが、これまでLinkedInには短期のフリーランスに関わる正式な方法がなく、特にそれを収益化できていなかった。

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Service Marketplaceは、他の人材紹介製品と同様、現在は料金を請求していないが、LinkedInが将来提供し得るサービスの基礎となる。

Service Marketplaceは、250の職種カテゴリーでスタートし、500種まで拡大する計画だと、プロダクトマネージャーのMatt Faustman(マット・ファウストマン)氏はインタビューで語った。

「私たちはまだ取りかかり始めたばかりです」と同氏はいう。これまでのところ、マーケットプレイスで引き合いが強いカテゴリーの1つとして、マーケティングが挙げられると付け加えた。

注:ファウストマン氏がLinkedInに入社したのは、前職のリーガルテック専門会社のスタートアップであるUpCounselがLinkedInに買収された時だった。前職での最初のプロジェクトは、短期的な仕事に必要な弁護士を探すマーケットプレイスを構築することだったが、それは自然に、より広範なService Marketplaceに取り組むことへと発展した。

「私たちはまだ取りかかり始めたばかりです」という言葉はピッタリかもしれない。

今のところ、仕事の料金を交渉したり、請求書を発行したりするツールは用意されていない。また、人材を探す側は、候補者との会話が深まるまで、料金について具体的な説明をする必要はない。

レビューに関していえば、クライアントは契約相手をレビューすることができるが、個人側はクライアントのレビューを残すことができない。

また、マーケットプレイスに自身を掲載している人は、自分から仕事を探すことはできない。誰かに見つけ出してもらうのを待つために存在するのであって、自らの仕事を探すためではない。

仕事を探しているクライアントは、LinkedInの大きなドロップダウン検索メニューを使って人材を探す。例えば、ブランドマーケティングのスペシャリストを探している場合、検索ウィンドウにそのフレーズを入力し始めると、LinkedInがオートコンプリートで「in Service Marketplace」と表示し、そのカテゴリーの候補者一覧を出す。

候補者の抽出には、クライアントであるあなたが、仕事や個人的なつながりで、各個人とどれだけ密接につながっているかが考慮される。

しかし繰り返しになるが、一例として、ブランドマーケティングの専門家の人は、包括的な案件リストに目を通すことはできない。これは意図的なものだとファウストマン氏はいう。この機能は今のところ、クライアントの体験のために開発されたものであり、クライアントにターゲットを絞った依頼をさせ、専門家に応募が殺到して選別に時間を取られることがないようにしようという考えだ。

ゆくゆくは、上記の点や、決済など現在用意されていない機能も再検討すると同氏は語る。

LinkedInが労働者を開拓し、彼らの信頼を得たいなら、その点が重要になる。フリーランスは、料金の透明性の低さに悩まされることが多く、結果的に低価格で搾取される危険性がある。ファウストマン氏は、この点が問題であることを認め、LinkedInのプロダクトチーム内でも議論になっていたと話す。

「価格設定については、今後対応していきますが、今のところは見合わせることにしました」と同氏は述べた。

もう1つの興味深い点は、LinkedInが他の種類の労働者をどのように市場に呼び込むのかということだ。つまり、第一線で働く人やその他のサービス業に従事する幅広い人々をどうカバーするのか。Service Marketplaceにそうした層を含める計画は手元にない、とファウストマン氏は語る。しかし「長期的には、LinkedInに存在するあらゆるカテゴリーに拡張する可能性があります」。

画像クレジット:Nan Palmero / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがケニアでクラウドソーシングアプリ「TaskMate」を展開、グローバル展開も検討

米国時間10月18日、Googleは、ケニアにTaskMateを立ち上げた。これはスマートフォンを利用して仕事を見つけ賃金をもらうというクラウドソーシングなアプリで、同社は成長途上のギグ経済を活用する。Googleはケニアで1年間の実験を経てこれからベータテストを行い、この大陸の他の国にも導入するための準備をする。このアプリはインドでもパイロットとして利用できる。

アプリTaskMateのユーザーは、企業が求める翻訳や写真撮影など、スキルを要する、あるいは要しないタスクを充足するが、求人が載るためにはGoogleの承認を必要とする。

TaskMateのような、人びとがサービスを実行して代金をもらうというタイプのGoogleのアプリは、他にもある。たとえば有料でアンケートの回答者になるというアプリや、またLocal Services Adsというアプリは企業に、その会社のサービスを必要としている知人等を見込み客として結びつけて謝礼を得る。

TaskMateのプロダクトマネージャーであるMike Knapp(マイク・ナップ)氏は「TaskMateをローンチしましたが、アフリカだけでなく、も世界でオープンするのもこれが初めてです」と挨拶している。

パイロット事業は2020年後半に始まり、ユーザーはペンシルベニア州立大学の研究プロジェクトのために植物の写真を撮ったり、その他いろいろな仕事をした。このアプリのギグワークには、在宅と現場仕事の両方がある。

ナップ氏は、パイロット事業について「パイロットでは1000名の人たちがアプリを使用し、とてもポジティブなフィードバックが得られました。そこで、今日からはベータ段階に移行します。より大規模な実験になるでしょう」と述べている。

「今は、実験に協力してくれる企業やスタートアップを探しています。彼らの難しい問題の解決にどれぐらい役に立つか、それを検証したい」。

このプラットフォームに求人をポストする企業は、求職者のグループを指定できるし、また特定のスキルを持つ人を招待できる。ケニアのTaskMateのユーザーは、稼いだお金をモバイル決済サービスM-Pesaから引き出せる。M-Pesaを運用しているSafaricomは、東アフリカで最大の通信企業だ。

「クラウドソーシング方式なので、求人を広めるのも、仕事を達成するのもシンプルです。このアプリはケニアの人たちに仕事と収入を得るチャンスを提供し、コミュニティの創成と副収入の獲得の両方の役に立ちます。これはGoogleのアフリカに対するコミットメントであり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の旅路でもある」とナップ氏はいう。

TaskMateの立ち上げと同時期にGoogleは、ガーナとケニアとナイジェリアと南アフリカの小規模企業を助けるための、1000万ドル(約11億4000万円)のローンを発表した。パンデミックによって停滞した経済の回復を助ける意図もある。ローンの提供は、サンフランシスコの非営利貸付組織Kivaを通じて行われる。この融資は、先々週に発表されたアフリカへの10億ドル(約1143億円)の投資の一部だ。

Googleの投資に含まれる海底ケーブルは、南アフリカとナミビアとナイジェリアとセントヘレナを貫き、アフリカとヨーロッパを結ぶ。それは高速インターネットを提供し、2025年までにナイジェリアと南アフリカに、デジタル経済の成長により170万の雇用を作り出す、と言われている。

アフリカのデジタル経済はこのような統合化の継続とともに一層の成長が期待され、接続人口の増加によっても成長の新たな機会が生まれる。アフリカのサハラ南部地域では、人口の28%、約3億300万人が現在、モバイルインターネットに接続している、と2021年のGSMAモバイル経済報告書はいう。そしてこの数字は2025年には40%にもなり、TaskMateのようなインターネット接続を利用するサービスや、アフリカの若い人口により、インターネットをベースとする企業やサービスにさらに大きな機会を提供する。

画像クレジット:SpVVK/Getty Images

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(文:Annie Njanja、翻訳:Hiroshi Iwatani)

リモートワーク可能な勤務特化の求人サイト・情報メディア「テレラボ」を展開するDraftyが4500万円の資金調達

リモートワーク可能な勤務特化の求人サイト・情報メディア「テレラボ」を展開するDraftyが4500万円の資金調達

リモートワーク特化の求人サイト・情報メディア「テレラボ」を展開するDrafty(ドラフティー)は9月27日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による総額4500万円の資金調達を発表した。引受先はEast Ventures、個人投資家5名。調達した資金は、さらなる顧客企業の獲得、カスタマーユーザビリティの向上、プロダクト開発のスピード化、マーケティングの推進などにあてる。

2020年6月設立のDraftyは、東京大学在学中の城戸一稀氏(同社CEO)と、東京工業大学在学中の沖村昂志氏(COO)を共同創業者とするスタートアップ。2020年11月リリースのテレラボでは、リモートワーク求人を中心に掲載し、リモートワークに関する情報の発信を行なっている。リリースから10カ月後には、求人掲載企業数が35社を超えたという。

Draftyによると、従来の求人サイトでは、リモートワークをしようと考えている求職者にとっては「リモートワークの詳細な条件で検索することが難しい」(リモート頻度、福利厚生、勤務可能地域など)、「リモートワークだからこそ気になる社内環境や社内文化、詳細な福利厚生などが不明瞭」、リモートワークに関する正しく正確な情報が手に入らない」点などが課題となっているという。

また、リモートワークを導入している企業の課題として「応募者と企業側のミスマッチ」「リモートワークを含む社内体制の発信が十分にできていない」「Afterコロナに寄り添った働き方としてリモートワークを導入することにより採用を拡大したい」があるとしている。

これら課題に対して同社のテレラボでは、以下の解決策により、「企業側・求職者側双方にとって満足のいくリモートワーク転職」を実現しているという。

  • 詳細なリモートワークの条件による検索機能
  • 社内インタビュー記事による社内文化や事業への取り組みの可視化
  • SEOに長けたコラム記事の公開による良質なリモートワーク情報の発信
  • 求職者のデータやリモートワーク適性を可視化することによる企業と求職者のミスマッチの軽減

Beyond Cafeと村田製作所がコミュニケーション特性解析ツール「NAONA」利用のグループディスカッション練習会開催

Beyond Cafeと村田製作所がコミュニケーション特性解析ツール「NAONA」利用のグループディスカッション練習会開催

学生無料カフェの運営やキャリア面談などを通じて学生のキャリア支援を行う人材教育企業Beyond Cafe(ビヨンドカフェ)は7月27日、村田製作所と共同で、2023年3月卒業予定の大学生を対象としたグループディスカッションの練習を行う「グルディス練習会」の開催を発表した。開催期間は、7月16日から8月19日まで。

この練習会は、村田製作所が開発中の、コミュニケーションを可視化し解析できるセンシングデータプラットフォーム「NAONA」(ナオナ)を基盤とするツール「NAONA Group Discussion」(ナオナ・グループディスカッション)を活用した初の試み。

参加者は、NONAによって検出されるグループディスカッションの「個別特性データ」と、就活を終えた先輩や社会人で構成されるメンターからの口頭によるフィードバックを通じて、自分自身のコミュニケーションの特性を「定量的に確認」でき、改善に役に立てることができるという。

企業には、新卒採用者の選考にグループディスカッションを採り入れているところが多い。しかし、選考通過を目的としたディスカッションの練習は、実践で必要とされる能力の開発とは別物になってしまう傾向がある。そこでBeyod Cafeは、就職後も持続可能な能力を身につけるために、自分の特性を知り、成長できる機会として、この「グルディス練習会」を企画した。

NAONAは、従来デジタル化できなかった、人が感覚的に認知している「関係性情報」、例えば人同士の会話量や人の感情の推移を可視化・データ化を可能とする、センシングデータプラットフォーム。社内ミーティングや1on1ミーティングなどにおけるコミュニケーション可視化ツールとして村田製作所が開発を進めており、オンライン就活におけるグループディスカッション場面でも同様に使用可能という。NAONAをベースとした音声解析+グループディスカッション参加者がお互いに評価し合えるウェブアプリを用いてグループディスカッションを解析し、各々の強みや課題の改善ポイントを表示する。

現時点ですでに3回実施されていて、ある参加者の感想としてそのTwitter投稿の一部がBeyod Cafeによって公開されている。それによると、強みは「アイデア出しでの議論推進」、弱みは「メンバーの反応への不均衡さ」との指摘があり、「役職を無理に取りに行かなくていいからアイデア出しで貢献しつつ、声に出して相槌して全員の意見に反応するよう意識!」とのアドバイスを受けていた。

グルディス練習会は、開催期間中の7月16日から8月19日まで、随時参加希望者を受け付けている。23年春卒業予定の大学生なら誰でも参加が可能。とくに選考や抽選は行わない。練習会開催スケジュールは以下のとおり。

  • 7月15日 19:00~20:30
  • 7月20日 13:30~15:00、19:00~20:30
  • 7月29日 13:30~15:00、19:00~20:30
  • 8月5日 19:00~20:30
  • 8月12日 19:00~20:30
  • 8月19日 19:00~20:30

定員は各回10〜15名。参加方法など詳細はこちら

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カテゴリー:HRテック
タグ:求人 / 求職(用語)人材採用(用語)データ分析(用語)Beyond Cafe(企業)村田製作所(企業)日本(国・地域)

TikTokに履歴書で求人に応募できるLinkedIn的な新パイロットプログラム

TikTok(ティックトック)が発表した新しいパイロットプログラムは、若者たちの動画ベースのソーシャルネットワークにささやかなLinkedIn(リンクトイン)的な機能を導入するものだ。

TikTokが、米国時間7月7日に呼びかけたのは、パイロットプログラムに参加するTarget(ターゲット)、Chipotle(チポトレ)、Shopify(ショッピファイ)、Meredith(メレディス)、NASCAR(ナスカー)、WWEなどの企業への応募に際して、動画による履歴書(レジュメ)を添えて応募することだ。応募者には、コンテンツにハッシュタグ#TikTokResumesをつけて、自分のスキルをクリエイティブにアピールすることを促す。

このパイロットプログラムは、TikTokによるブランドとクリエイターの関係をより洗練されたものにするための最新の取り組みであり、両者が同プラットフォームに時間と資金を投資する理由をさらに増やそうとするものだ。

TikTokのグローバルヘッドオブマーケティングのNick Tran(ニック・トラン)氏はこのパイロットプロジェクトに対して「#CareerTokはすでにプラットフォーム上で盛んなサブカルチャーですが、コミュニティがTikTok Resumes(ティックトック・レジュメ)をどのように受け入れ、採用と仕事の発見をどのように再構築してくれるかを見るのがとても楽しみです」と語っている。

この新しいパイロットプログラムについては、専用のハッシュタグや、応募のヒントやサンプル動画を掲載した独立サイトtiktokresumes.comで知ることができる。このサイトでは、誰でも雇用主別の求人情報を閲覧し、簡単なアンケートに答えて動画のリンクを添付することができる。そしてもちろん、好むと好まざるとにかかわらず、未来の雇用者に自分のLinkedInのプロフィールを紹介することは引き続き推奨されている。

TikTokはこの新しい試みを、同ブランドを宣伝するキャンパス内の代表者として学生を募集するカレッジアンバサダープログラムの「自然な延長」と考えている。今回のパイロットプログラムでは、7月31日までTikTok履歴書を受け付ける。

新しいサイトに掲載されている参加ブランドの中には、NASCARが販売員を募集していたり、Targetが夜勤を担当する時給制の倉庫作業員を募集していたりと、普通の仕事を募集しているものも少なくない(失業している人たちに対して、こうした普通の職種に応募するために、わざわざこんな応募手段を取らせるべきだろうか?)。

中には、All Recipes(オール・レシピ)で視聴者にふわふわビスケットの作り方を教える出演タレントを募集していたり、Popsugar(ポップシュガー)でスーパーバイジングソーシャルプロデューサーを募集していたりと、TikTokのスキルセットに見合った募集もある。

従来の履歴書は何年も変わってこなかった。これまで行ったことを1ページに書き出せというスタイルだ。しかし、ソーシャルメディアマネージャーやその他のコンテンツクリエイターを採用したいブランドは、TikTokの最新のクリエイターエコノミーの試みを利用するとよいだろう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTok求人履歴書

画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)