海藻から作った代替プラで環境派投資家から6.5億円を調達したLoliware

ここ数年、プラスティック製のレジ袋やストロー、それによく目にするプラゴミを禁止する街が増加し、環境に配慮した代替素材のメーカーが大きく成長している。その中に、ケルプから作った環境に優しい使い捨て製品を供給するLoliware(ロリウェア)がある。巨大な需要と、その優れた原材料の入手法から、初めて巨額の投資を得た。

私は以前にも、非営利団体のSustainable Ocean Alliance(持続可能な海洋連合、SOA)が2017年にスタートしたOcean Solutions Accelerator(海洋ソリューション・アクセラレーター)で最初に投資を受けた企業のひとつとして、Loliwareの紹介をしている。創設者のChelsea “Sea” Briganti(チェルシー“シー”ブリガンティ)氏は、この変わっているが大成功を収めたSOAのAccelerator at Sea(海のアクセラレーター)プログラムからの今回の新たな投資について、去年の暮れに私に聞かせてくれた。

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同社は、ケルプから抽出した物質で、その他の製品も計画中だが、主にストローを製造している。念のために説明しておくと、ケルプとは、ごく一般的な水生藻類(いわゆる海藻)の一種で、非常に大きく育ち、丈夫なことで知られている。また広範に繁殖し、多くの沿岸水域に大量に棲息して「ケルプの森」を形成し、生態系全体を支えている。正しい知識を持って成長の早いこのケルプ資源を上手に管理すれば、トウモロコシや紙よりもずっと優れた資源にできる。今の生分解性ストローのほとんどは、ケルプから作られている。

独自製法でケルプから作られたストローは、プラスティックに似た感触ながら、簡単に分解する。とはいえ、温かい飲み物の中では分解しない。トウモロコシや紙のストローよりも液体中での耐久性はずっと高い。もちろん、海藻には味が求められるシチュエーションもあるが、ストローの場合は炭酸水を飲んでも味がしないように処理されている。

「そこには大変な研究開発と微調整の努力があった」とブリガンティ氏は私に話してくれた。「今までに、これをやった人はいませんでした。私たちは、素材技術から、世界初の製造機械や製造管理方法に至るまで、すべてを作り上げました。そうして、製品開発のあらゆる側面を、本当の意味でスケールアップできるようにしたのです」。

彼らは1000種類以上の試作品を作ったが、今でも改良を重ね、柔軟性を高めたり、別の形状を可能にしたりと進歩を続けている。

「結果的に私たちの素材は、他の企業が目指す生分解素材開発のパラダイムから大きく脱却したものになりました」と彼女は言う。「彼らは、問題の多い、永遠に朽ちない、石油由来のパラダイムから発想して、それをあまり悪くないものにしようと考えています。それは単に延長線上の開発であって、遅くて古臭く、本当のインパクトを与えることはできません」。

当たり前だが、どんなに素晴らしい製造工程を誇っても、誰も買ってくれなければ意味がない。それは倫理を第一に考えた事業に付きまとう問題なのだが、実際、需要は急増しており、それに追いつけるよう規模を拡大することがLoliwareの最大の課題となっている。同社のストローの出荷本数は、この数年で数百万本から1億本に増え、2020年には10億本となる見込みだ。

「(研究室から)完全なオートメーションに移行するまでには、およそ12カ月かかります」と彼女は話す。「完全なオートメーション化が実現すれば、戦略的に重要なプラスティックや紙の製造業者に技術をライセンスします。つまり、10億本のストローも他の製品も、自社では製造しないということです」。

プリント基板やプラスティックの金型などを外注するのと同じだと思えば、当然、理にかなっている。ブリガンティ氏は、全世界にインパクトを与えたいと考えている。それには、すでにグローバルに存在しているインフラを活用することが大切だ。

そしてもうひとつ、持続可能なエコシステムを常に考慮するよう、ブリガンティ氏は心がけてきた。廃棄物の削減と根本から倫理的なプロセスを用いるという理念の上に、この会社全体が成り立っているからだ。

「私たちの製品に使われる海藻は、産地の行政による監視と規制の下で、持続可能性が非常に高い形で供給されています」とブリガンティ氏。「2020年、Loliwareは世界初のAlgae Sustainability Council(海藻持続性委員会、ASC)を発足させます。それにより私たちは、新しい国際的な海藻のサプライチェーンシステム作りを主導できるようになり、監視体制を確立して、持続可能な事業と公平性を確保できます。また私たちは、Zero Waste Circular Extraction Methodology(ゼロ廃棄物の循環型採取方式)と私たちで名付けた手法の先導者になります。これは、そこで推奨するバイオマスの要素をあまねく活用した海藻加工の新しいパラダイムです」。

今回の590万ドル(約6億5000万円)の「スーパーシード」ラウンド投資には、多くの投資家が参加している。その中には、昨年10月にアラスカでAccelerator at Seaの船に同乗した数人も、SOA Seabird Venturesとして加わっている。Blue Bottle CoffeeのCEOも投資した。その他、New York Ventures、Magic Hour、For Good VC、Hatzimemos/Libby、Geekdom Fund、HUmanCo VC、CityRock、Closed Loop Partnersも名を連ねる。

この資金は、規模の拡大と、さらなる研究開発に使われる。Loliwareでは、箱入りジュース用の曲がるストローなど数種類の新しいタイプのストロー、コップ、さらに新しい食器を発売する予定だ。2020年は、いち早く流行を取り入れる人たちよりも、行きつけのコーヒーショップでこの会社のストローを多く見かけるようになるかも知れない。どこで彼らの製品に出会えるかは、Loliwareのウェブサイトでチェックしてほしい。

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(翻訳:金井哲夫)

農業を根本から考え直すCooks Ventureが約13億円を調達

「あなたは、あなたが食べているものが食べている存在です」と、Blue Apron(ブルー・エイプロン)の元COOで、現Cooks Venture(クックス・ベンチャー)の共同創設者およびCEOのMatthew Wadiak(マシュー・ワディアク)氏は言う。

このほど1200万ドル(約12億8000万円)の投資を獲得したCooks Ventureは、現在の穀物の栽培、家畜の給餌、そして究極的には地球環境を保全する方法を考え直そうとしている。彼らの戦略は三段仕込みだ。

まずCooks Ventureは、小規模の農家と契約し、自社の知的資産を応用して環境再生力のある農法を実践する。それは同時に、自社のおよそ320ヘクタールの農場でも行う。そこでは、土壌を守り、地中に二酸化炭素隔離ができる作物の選定も行う。さらに、地中の二酸化炭素量、養分、その他の生物学的用要因を測定し、生物の多様性を高め、害虫の数を減らす。第一線の気候学者たちも、世界中の農場でこれを実践すれば気候変動は逆転すると信じていると、同社は話している。

しかし、製品としての環境再生型農法はCooks Ventureが目指すものの、ほんのひと切れでしかない。結局、Cooks Ventureは畑で何を作るのか?答はニワトリの餌だ。ただし、ずっと昔から使われてきた餌とはわけが違う。

Cooks Ventureのニワトリの餌は、同社のニワトリ専用に作られるものだ。それは、何世代にもわたって選別された、最高に健康な消化器官を持ち自由に外に出られる今では珍しいニワトリだ。簡単に言えば、10年以上かけて遺伝系列を隔離して作られた「エアルーム・チキン」(Heirloom chicken、先祖伝来のニワトリという意味)だ。このニワトリは暑さにも強い。同社がこれを国際展開しようという段階になったときに、異常に暑い地域でも育てられるということだ。

このニワトリは、さまざまな餌に対応できる。通常の養鶏場で使われている餌よりも、食物繊維やタンパク質が多いものが食べられるので、オメガ3脂肪酸の量が多く、味もいいとワディアク氏は言う。さらにCooks Ventureは事業規模を拡大し、処理工場の拡張にも成功したため、週に最大で70万羽のニワトリを出荷できるようになった。

同社の主要な収益モデルが鶏肉の販売であることは明白だ。現在、FreshDirect(フレッシュダイレクト)とGolden Gate Meat Company(ゴールデン・ゲート・ミート・カンパニー)と提携しており、その他多くの提携小売店も近々発表されることになっている。また同時に、同社のウェブサイトでも並行して販売する。

だが今回の投資金は、収益モデルの上流と下流の構築にも役立てられる。Cooks Ventureは農家と手を組み、環境再生型農法を実践するほかに、この環境再生型農法を利用して単位面積あたりの作物のカロリー量を高める、従って収益が増える方法も教えることにしている。それに伴う知的資産、つまりどの作物を育てるべきか、農場に残すべき樹木や池はどれか、どのように輪作するかといった知識が、彼らの貴重な製品となる。

下流では、Cooks Ventureは同社の遺伝系統の増産に興味のある世界中の養鶏農家や企業と手を組みたいと考えている。

これにより同社は環境再生型農法に特化した初の垂直統合型農業企業となる。

ワディアク氏によると同社の最大の挑戦は、人々に環境再生型農法技術を教え、昔ながらの非経済的で環境にも悪い農業システムから方向転換させることだという。

「米国の農業の97%は穀物であり、その作物のほとんどが家畜の餌になっています」とワディアク氏は言う。「この国の家畜給餌システムに対処して、そのシステムに関する政治的な虚偽を正すためにロビー活動を行わなければ、食糧システムを変革し環境再生農法を確立することは大変に困難になります」

さらに彼は、米国の農家は全有権者の2%であるのに対して、数十億ドルがロビー活動に使われ、トウモロコシと大豆の補助金拡大に賛成するよう国会議員に働きかけていると話していた。

今回の1200万ドル(約1億2871万円)は、AMERRA Capital Management(アメラ・キャピタル・マネージメント)の投資によるものだ。

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(翻訳:金井哲夫)

ペプシがミネラルウォーターをアルミ缶で販売へ

PepsiCo(ペプシコ)は米国地区を対象に、ミネラルウォーター製品Aquafinaのペットボトルをアルミ缶に切り替える計画であることを発表した。

これはプラスチック利用削減を目指す同社の大規模な取組みの一環であり、全米に広がりつつありるプラスチック利用に対する批判に答えるものだ。マイクロプラスチックは大気中海洋中いずれにおいても動物や昆虫の体内に蓄積し、海洋生態系に著しい害を及ぼす恐れがある。

こうした動きはLiquid Deathのように、アルミ缶入りの水を売ってうわべの環境保護責任を謳うスタートアップに打撃を与えるかもしれない。

関連記事:A brand called Liquid Death wants to sell mountain water to the cool kids

アルミニウムはほぼ100%再利用可能であり、容器としての総合的環境負荷はプラスチックよりも小さい、と擁護派は言っている。

現時点でペプシ缶入り水製品は、同社製品を扱っている食料品店でのみ販売されるが、いずれサプライチェーンを通じて広く普及させる計画だと会社は言っている。

また同社は、LIFEWTRブランドの製品は100%再生ペットボトルでのみ販売し、炭酸飲料はプラスチック容器で販売しないことも発表した。

この方針変更は来年から実施され、未使用プラスチック8000トン、および温室効果ガス約1万1000トンを削減すると同社は言っている。

ペプシは、2025年までにリサイクルあるいは堆肥化、生分解が可能な容器のみを使用するという目標を設定している。

「世界をリードする食品・飲料メーカーとして、ペプシコは社会がプラスチックを作り、利用し、廃棄する方法を変えるための大きな役割を持っていると認識している」とペプシコのチェアマンでCEOを務めるRamon Laguarta(ラモン・ラグアータ)氏が声明で語った。「当社はパッケージングを削減、再利用、再発明し維持可能性を高めることで、問題解決に真正面から取り組みわれわれの役割を担っている。すべてのプラスチックが再生、再利用される世界に住めるようになるまで、我々の努力は終わらない」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サムスン、プラスチック包装を廃止へ

日曜日(米国時間1/27)にSamsung Electronicsは、携帯電話、タブレット、家電製品からウェアラブルまで、同社製品群に使われているプラスチック包装材料を紙や生分解性プラスチックなどの環境的に持続可能な材料に置き換えると発表した。

Samsungは今年前半に移行を開始する。同社の目標は、来年までに森林認証制度で認められた紙包装材料のみを使用することだ。2030年までにリサイクルプラスチック50万トンを使用し、廃棄された製品750万トン(いずれも2009年からの累積値)を回収する計画だとSamsungは言っている。

同社はプラスチックの使用を回避する革新的包装のアイデアを考案ずくための社内特別チームを結成したと言った。

たとえば、携帯電話やタブレットを保持するために使われているプラスチックトレーは、パルプ製のものに置き換える。Samsungは、充電器のデザインも変更して外観の光沢面をマット処理にして保護フィルムを排除することでプラスチックの使用を減らすとも言っている。

テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの家電製品やキッチン家電の表面を保護するためのビニール袋もリサイクル材料および生分解性プラスチックを使用したものに置き換える。生分解性プラスチックは廃棄プラスチックやデンプン、サトウキビなどの非化石燃料材料から作られている。

さらに同社は、包装およびマニュアルに、森林管理協議会、FSC、PEFC、およびSustainable Forestry Initiatives[持続可能な森林イニシアティブ]などの国際環境保護組織の認証を受けた繊維材料のみを使うことも確約した。

今後はたとえコスト増になっても環境維持可能材料の採用を増やしていくと、Samsungのグローバル顧客満足センター長Gyeong-bin Jeonが声明で語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ニューヨークで野菜を地産地消―、ハイテク農業のBoweryが750万ドルを調達

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環境汚染や異常気象、人口過密によって、大規模な屋外農場の存続が危ぶまれている。Bowery Farming Inc.と呼ばれるスタートアップは、この度のラウンドで750万ドルを調達し、都市部でも屋内で食物を栽培できるよう努力を重ねている。同社は、ロボット工学やLED照明、コンピュータビジョンやセンサー、データ解析といったハイテク技術を駆使し、農薬ゼロかつ少量の水を使って葉物野菜を栽培している。

Boweryは、自社で栽培したレタスやケール、ほうれん草、バジルなどの野菜を、業務用スーパーやレストラン、食料品店などに販売して収益を挙げている。同社の技術を使えば、1年を通して野菜が栽培でき、収穫量は同じ作付面積の従来の屋外農場と比べて100倍以上にもなる上、水の量は95%も少なくてすむ。

Boweryの共同ファウンダーでCEOのIrving Fainは、「過去10年間のテクノジーの進歩によって、今では農作物を安定して生産できるようになりました。私たちは2年前から、この進化したテクノロジーの活用に取り組みだし、近いうちに世界の人口は90億人に達すると言われ、そして約35年後には世界中の70%の人が都市部に住むことになると言われている状況で、人々に食べ物を供給するにはどうすれば良いのだろうと考えはじめました」と話す。

Leafy greens growing at a Bowery indoor farm.

Boweryの屋内農場で育つ葉物野菜。

Boweryがつくった「現代的な屋内農場」を使えば、都市部でも新鮮な野菜の地産地消が実現できるとFainは言う。「LED照明など人工の光源を使った屋内栽培は、既に何年間も行われています。しかし照明機器の値段が下がったことで、商業目的での屋内農業ができるようになったんです」

Boweryの施設のほとんどは市販の製品から構成されているが、同社が開発した「FarmOS」とよばれる自前のシステムで全てが管理されている。Boweryはコンピュータビジョンの技術やセンサーを使って、作物の様子や屋内の気候をモニタリングし、作物に影響のある数値を何百万というデータポイントからリアルタイムで集めることで、何が作物の成長度合い、もしくは色、質感、味といった個別の要素に変化をもたらすかというのを把握することができる。

First Round Capitalがリードインベスターを務めた今回のラウンドには、Box GroupLerer Hippeau Ventures、さらにはショートリブの蒸し煮が看板メニューのシェフで、レストラン経営者としても人々に愛されており、その上Bravoのテレビ番組Top Chefで審査員も務めるTom Colicchioが参加していた。Fainによれば、Colicchioが経営するレストランの中にも、既にBoweryの野菜を使っているところがいくつかあるという。同社の作物は、それ以外にもWhole Foods Marketsなど、ニューヨークを含むトリステートエリア(3つの州の境界が交わる地域。この場合だとニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州)のお店で販売されている。

Greens grown at a high-tech indoor Bowery farm.

Boweryのハイテク屋内農場で生産された野菜。

First Round CapitalのパートナーRob Hayesは「今すぐにとは言わずとも、仮に15年もすれば水の値段は上がり、作物を育てられるような土壌は貴重な存在になり、屋内よりも屋外で作物を育てるほうが高くつくようになるというのは、農業に携わっている人たち全員が考えていることです。そこで、わざわざ悲劇が起きるのを待つ必要もないだろうと私たちは考えました」

自称楽天家のHayesの言っていることは、決して誇張ではない。California Climate and Agriculture Network(CalCAN)によれば、「サラダボール州(salad bowl state)」とも呼ばれるカリフォルニア州の農地は、開発のせいで毎年平均5万エーカーも減少しており、この状況が過去30年間続いている。昔は作物の栽培や家畜の育成に使われていた土地が、ここまで舗装されてしまっているとは驚きだ。

Boweryの競合には、葉物野菜の生産大手のEarthboudやFarms、Doleがいるほか、屋内での持続可能な農業に取り組んでいるスタートアップとしてはAerofarmsや、温室栽培のBrightFarmsなどが存在する。しかしHayesは、ただソフトを開発して、他人の農場で作物をリスクにさらしながらビジネスを展開するよりも、「種からお店まで」のアプローチで、自社の農場を使って実際にシステムに効果があることを証明してきたBoweryのやり方に惹かれたと話す。

今回の調達資金は、新しい屋内農場の設置や、他の作物を屋内で育てるための新しいテクノロジーの開発・テスト、そして引き続き食料品店やレストラン、食品EC企業などへの営業に使っていく予定だとFainは話す。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Greenpeaceがクリーンエネルギー調査でApple、Facebook、Googleを称賛

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環境団体のGreenpeaceが発行した最新のレポートの中で、Appleが3年連続で世界で最もグリーンな企業に選ばれた。「Clicking Clean: Who is Winning the Race to Build a Green Internet(クリーンにクリック:グリーンインターネット設立に向けた競争に勝つのは誰だ)」と題された本レポートで、Appleは他社をリードしクリーンエネルギー指数83%、総合評価Aというを記録を残した。

FacebookとGoogleも健闘しており、それぞれのクリーンエネルギー指数は67%と56%だった。データセンターのSwitchのスコアも100%を記録していた一方、Netflix、Amazon Web Services、Samsungは彼らの後塵を拝した。

Greenpeaceのクリーンエネルギー指数は、再生可能な資源から作られたクリーンエネルギーをどのくらい使用しているかや、エネルギー消費ポリシーを発行する意向、データセンターで再生可能エネルギーが利用されているかどうかといった要因をもとに割り出されている。

名前を挙げた企業のサイズを考慮すると、クリーンエネルギーの使用に関して彼らは同じ業界にいる他のプレイヤーにも影響を及ぼしうる力を持っている。レポート内に記載されている通り、Appleは「ITサプライチェーンの中で触媒としての役割を担い、ITデータセンターやクラウドサービスの事業者など、Appleのサービスを支える企業にも再生可能エネルギーの利用を促している」

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Facebookも大手ネット企業で初めて再生エネルギーの割合を100%にすることにコミットしたということで称賛を受けており、今後も同社はこの業界でグリーンエネルギーに関しリーダー的な存在であり続けるだろう。Greenpeaceは、Facebookが最近設立した5つのデータセンターでも再生可能エネルギーが利用されていると述べている。

GoogleもGoogle Cloudを再生可能エネルギーで稼働させるための取り組みを続けているほか、新市場における再生可能エネルギーの採用率を上げる努力を行っている。その一方で、施設のエネルギー需要に関するデータの公開など、透明性についてはAppleやFacebook、Switchといった会社に比べて劣ると評価されている。

さらに同レポートの中では、NetflixやAmazon、Samsungといった大手テック企業が非難されているほか、今後グローバルプレイヤーとなることが予想されるTencentやBaidu、Alibaba、Naverといったアジアの大手テック企業の分析も初めて行われた。

アジア市場は「再生可能エネルギーへのコミットメントに関し、アメリカ市場に大きな遅れをとっている」とGreenpeaceは評しており、独占状態にあるエネルギー市場における選択肢の少なさをその理由として挙げている。

成長・拡大を続けるアジア企業の現状を考えると、環境団体にとってこれは大きな問題だ。

「東アジアのネット企業は、特に世界中の市場へと進出していくにあたって、100%再生可能エネルギーを利用していくとコミットしなければなりません」とGreenpeace East Asiaでシニア気候・エネルギー消費キャンペイナーを務めるJude Leegは声明の中で語った。

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「IT業界の大部分はクリーンエネルギーが環境とビジネスどちらにとっても良いと認識している、と既にアメリカの大手企業が証明してきました。東アジアの企業も彼らに歩み寄って、この現実を受け入れなければいけません」とLeeは付け加える。

一方で、今や北アメリカのインターネットトラフィックの3分の1を占め、世界中でデータ需要を増加させているNetflixは、2015年に温室ガスの排出量を完全に埋め合わせるという計画を発表した。しかしGreenpeaceは、同社がカーボン・オフセットやグリーン電力証書の購入に頼って、結局再生可能エネルギーへの実質的な投資は「ほとんどしない」のではないかと考えている。

「AppleやFacebook、Googleのように、Netflixはインターネット界の大きな原動力のひとつであり、業界で使用されるエネルギーについても大きな発言権を持っています。Netflixは、今後化石燃料ではなく再生可能エネルギーを使って成長していくという責任を受け入れなければならないと共に、リーダーシップを発揮するべきです」とGreenpeace USAでシニアITアナリストを務めるGary Cookは声明の中で述べた。

なおNetflixは、エネルギー関連情報の透明性、再生可能エネルギーへのコミットメント・支持の項目でF評価を受けている。

Amazonのクリーンエネルギー指数は昨年に比べて下落した。これには、約2倍の規模に増強されたヴァージニア州にあるデータセンターのエネルギー容量が、同社の追加再生エネルギー容量を上回ってしまったという背景がある。またヴァージニア州では再生可能エネルギーを販売している事業者のオプションも限られている(もしくはオプションが存在しない)。

さらにAmazonもエネルギー関連情報の透明性においてF評価を受けた。

「Amazonは引き続き再生可能エネルギーに関してうまいことを言っていますが、エネルギーに関する決定内容を顧客から隠し続けています。特に今後Amazonがダーティエネルギーで溢れる市場に進出していくことを考えるとこれは心配な点です」とCookは話す。

しかしGreenpeaceは、これまでAmazonが再生可能エネルギーの割合を増やし、環境保護活動にも取り組んでいる点を評価している。Amazonが政治家や電力会社と協力して活動を進めた結果、同社はクリーンエネルギーの税控除をサポートしたり、風力発電施設の建設を妨げる法律を改正する後押しをしたりしている。さらにヴァージニア州でAmazonが革新的なエネルギー管理契約の交渉を進めたことで、Dominion Virginia PowerはAmazonの風力・太陽光発電プロジェクトで生産された電気を、AWSのデータセンサーに通じるグリッド内で利用することに合意した。

Greenpeaceは、約20社のネット企業が再生可能エネルギー使用率を100%にすることにコミットしていると話しているものの、ネット業界が急速に拡大し続けていることを考えると、まだこの戦いは終わっていない。

「Apple、Google、Facebook、Switchといった企業のリーダーシップやサポートもあり、テック業界はクリーンエネルギーで稼働するインターネットの実現に向けて突き進んでいます」とCookは語る。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ゲイツ、ベゾス他18人のリーダーがグリーンテック・ファンド、Breakthrougに10億ドル出資

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ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、ヴィノド・コースラ、ジャック・マ、ジョン・ドーアとさらに15人の著名なビジネス・リーダーが新しいBreakthrough Energy Ventures(BEV)に出資することを決めた。このファンドは向こう20年で新しいクリーン・テクノロジー企業に総額で少なくとも10億ドルを投資する。

Breakthroughのウェブ・サイトによれば同社の目的は「世界中の人々に信頼できて安価な電力、食料、製品、輸送機関を温室効果ガスの排出なしで届けること」だという。

BEVはシード資金から上場直前まで含めてあらゆる段階のグリーンテックのスタートアップに投資する。主として関心を持つ分野や発電、製造、農業、建築、運輸の各部門だ。

クリーンテックは以前シリコンバレーでブームになったことがある。2008年にはベンチャーキャピタルの投資総額が61億ドルになったが、その後〔リーマンショックの〕不況に襲われてしまった。ベンチャーキャピタルの出資や政府の各種の補助を受けようとする起業家にとってクリーンテックはタブーに近くなった。

これにともなって多数の企業が地球を救う上で(あるいは出資者に還元する利益で)見るべき貢献をすることに失敗して消えていった。自動車用の高効率の太陽光発電パネルの開発を試みたSolyndraApteraやリサイクル燃料のKiorなどがそうだ(誰かこういう会社を覚えているだろうか?)。

しかし世界の人口が増え続け、それに従ってエネルギー需要も拡大する中で、クリーン・エネルギーの重要性が見直されてきた。クリーンテックは再度関心を集めており、ベンチャーキャピタリストもクリーンテックを毛嫌いする態度を改めつつある。

BEVは2015年にパリで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で発足した Breakthrough Energy Coalitionというグループの公式なベンチャー投資機関だ。

BECはテクノロジー、金融分野の有力メンバーをこぞったグループで、クリーンテックの公的援助、調査研究活動に力を入れている途上国のスタートアップを中心に2020年までに総額300億ドルを投資することを約束している。

BEVはベンチャーキャピタルを正式に発足させたことを発表すると同時に、Landscape of Innovationと名付けられたイノベーシュンのロードマップをリリースした。これは「公的組織、民間組織が温室効果ガス排出の削減への取り組む際のガイドライン」となることを意図しているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、来年には再生可能エネルギー100%を達成すると発表

2016-12-07-google-greem

多くのテクノロジー企業にとってデータセンターその他の電力のグリーンエネルギー化は重要な目標だ。ここで世界最大のテクノロジー企業の一つ、Googleが2017中にGoogleが世界で利用する電力を再生可能エネルギー100%とすると発表した。Googleはこの対象にはデータセンターだけでなく、オフィスで消費される電力も含むとしている。

Googleはどうやってこれを達成するのだろうか? 同社が再生可能エネルギーに大規模に直接投資を始めたのは2010年にまでさかのぼる。

このときにはアイオワ州の風力発電施設から114メガワットの発電量すべて購入する契約を結んだのが最初だった。現在Googleは「世界最大の再生可能エネルギーによる電力購入企業」のタイトルを保持していると主張する。同社によれば、購入額は2位のAmazonを大きく引き離しており、その2倍以上だという。

現在はまだ達成していないものの、Googleは来年には再生可能エネルギー100%というゴールを達成できるとしている。Googleでは2017年には年間の電力消費に等しい量の太陽発電および風力発電による電力を購入する計画だ。Googleがこうした目標を重視しているのは環境への配慮だけでなく、太陽発電、風力発電などのグリーンエネルギーは次第にもっとも安価な電力になりつつあるからだという。クラウド化の進展により、データセンターの消費電力もますます巨大化しているため
電力購入の単価を下げる努力はGoogleにとって財政的にも大きな意味がある。

Googleが電力のグリーンエネルギー100%を達成した後も再生可能エネルギーへの投資を継続するとしているのはそれが理由だ。100%はそれで終わりというゴールではない。Googleでは電力ソースの多様化を進めていくとしており、たとえば風力だけに頼るつもりはない。
Googleは「再生可能エネルギー・クレジット」を利用して、一部の地域では他で購入した再生可能エネルギーと交換に非再生可能エネルギーによる電力を利用している。しかしGoogleが利用するクレジットは同社が購入した再生可能エネルギーの総量によるものだ。同社が購入した再生可能エネルギーは結局は電力網を通じて消費者がに還元されている。

また今日(米国時間12/6)、Googleは総合的な環境レポート(下にエンベッド)を発表した。こうしたレポートをまとめるのはGoogleとして初めての試みだが、これまでの同社のグリーン化、省エネ化への取り組みと関連する情報が詳細に紹介されている。環境問題を扱うサイトもスタートし、グリーン関連の情報が随時アップデートされるという。

他のテクノロジー大企業も同様の目標に向かって同様の試みを続けている。たとえばAppleは9月に再生可能エネルギー100%を目指してRE100グローバル・イニシアチブに参加している。Appleはまた世界で消費する全エネルギーの93%を再生可能エネルギー化した。またアメリカ、中国を含む21ヶ国での電力はすでに100%が再生可能エネルギーになっているという。

Google 2016 Environmental Report by TechCrunch on Scribd

〔日本版〕上のエンベッドは左側のScribdのロゴをクリックするとScribdサイトで表示できる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

世界を養うテクノロジー

Close-Up Of Wheat Growing On Field

【編集部注】著者のJoseph Byrum氏はSyngenta社のライフサイエンス – グローバルプロダクト開発・イノベーション・デリバリー部門のシニアR&Dエグゼクティブである。

今から20年後、あなたのテーブルの上に食べ物を載せるための最も重要なツールは、収穫機でも、コンバインでも、そしてトラクターでもない。それはソフトウェアたちだ。

現在農業は、完全にハイテク企業へ移行する過程にある。これは何世紀にも渡ってものごとが行われてきた方法に対する、遅れてきた革命なのだ。事実を見つめるならば、もし私たちが昔ながらの方法で農業やり続けるならば、2050年までには更に20億人の人びとが飢えることになる。

世界の人口増加が、農業生産性の急激な向上を、差し迫って求めている。生産性に対する、地道な進歩を待っていては、もう単に間に合わない。2050年の課題は、前例のないものである — 今日生きている全ての人を養った上に、1920年に生きていた全員を加えた人口を養うことと等価なのだ。

簡単に言えば、20世紀を通して私たちを導いてきた技術は、21世紀においては私たちを遠くまで導くことができない。そしてこのジレンマを解決するための、どのようなソリューションを手に入れるにせよ、土地と水は乏しい資源であり続け、環境の持続可能性が最優先事項であることも考慮に入れる必要がある。

幸いなことに、ハイテクガジェットが全国の農場に広がりつつあり、作物の生産性を押し上げている。自動運転車が米国のハイウェイ上で受け入れられることに手間取っている一方で、自動運転コンバインやトラクターは、米国の小麦並びにトウモロコシ畑では徐々にありふれた景色になりつつある。

Teslaは昨年自動運転装置を装備したModel Sモデルを5万台販売したが、John Deere社は既に20万台の自動運転トラクターを農場に投入している

ドローンや人工衛星が、農家に対して作物の健康状態に関する、これまでにはなかったオーバービューを与えている一方で、グラウンドレベルのセンサアレイは、土壌と気候に関するリアルタイムのデータを提供している。これらのシステムは、有害な昆虫や作物の生育を脅かすかもしれない他の問題の存在に対して、早期に警告を与える。

農業用ドローンとPrecisionHawks社のDataMapperを利用して作成された土壌マップ

農業用ドローンとPrecisionHawks社のDataMapperを利用して作成された土壌マップ

十分な情報を得ている農家は、問題が深刻になる前に解決へ向けて迅速に行動することが可能になる。例えば、窒素センサが、フィールドの一部における窒素の過剰を報告することもあれば、他の一部では不足を報告するかもしれない。これによって農家は、栄養が多すぎず、少なすぎず、必要な量だけ正確に供給される先進的な施肥システムを制御することができる。高い精度は無駄を省き、お金を節約し、そして環境のために良いのだ。

成長する植物は窒素を渇望し吸収するが、最新設備のない農家はしばしば「念のために」作物が必要とするものよりも多くの施肥を行いがちである。残念なことに、植物によって吸収されなかった余剰窒素は、地下水に浸透する傾向があり、それが多ければ魚に有害なものとなる。

したがって、これらのハイテクガジェットから得られる、効率と環境への潜在的な利点は途方もないものとなるが、それらははるかに複雑なパズルの一片を表しているのだ。

ガジェットが行うのは、前例のないレベルのモニタリングとデータ収集能力の解放である。しかし、21世紀の農業の中心となるものは、これらのデータの処理である。明日の農業のキラーアプリは情報による収穫だ。

成長という話題になると、農家は沢山の疑問に直面する。どのような作物を、いつ、どこに植えるべきなのか?どのくらいの水が必要とされるのか?どのくらいの肥料が必要とされるのか?水や肥料の量は、畑ごとに異なり、個々の畑の中でも異なる。その量も日によって、あるいは時間によっても変化する。このプロセスには、相互に関連する何千もの複雑な変数が関わっている。

ISRAEL – OCTOBER 03: 点滴灌漑  (写真:James L. Stanfield/National Geographic/Getty Images)Netiv Ha Asara, Near Qiryat Gat, Israel. (Photo by James L. Stanfield/National Geographic/Getty Images)

ISRAEL – OCTOBER 03: 点滴灌漑  (写真:James L. Stanfield/National Geographic/Getty Images)

複雑な数学が計算尺と黒板を用いることでしか行えなかった遠い昔には、私たちは訓練された推測以上に、最善の道筋を決定するための、複雑で増大する質問に答える計算能力は持っていなかった。

しかし今や計算能力は安価であり、全ての可能な選択肢とその潜在的な結果をモデル化することが可能になった。例えば、Google Mapを搭載したスマートフォンは、現在の交通状況に基いてA地点からB地点までの全ての経路を、最短あるいは最速の観点から評価することができる。

シミュレーションとモデリングはまた、作物栽培を行う際に迷子になることを防ぐ。最も基本的なレベルとして、作物は成長の様々な段階に応じてレベルが変化する、太陽光、水、そして栄養分を必要としている。これは単純な話に聞こえるが、大規模に行われる世界では、各因子を最適化すれば巨大な見返りが得られるのだ。

米国は毎年5000万エーカーの農地全体から、23億ブッシェル(1ブッシェルは米国では約35.2リットル)の小麦を収穫する。もし生産性が1パーセント伸びれば、毎年67万800トンの小麦粉が追加されることになる。

そしてデータ分析の能力をフルに利用すれば、1%よりもはるかに多い増産を行うことができる。

例え農場の地面に最初の種が蒔かれる前であっても、全国のそして世界中の成長の様々な条件のための遺伝的潜在能力を最大化を狙って、植物品種の育種を最適化するために、データ分析を利用することができる。カリフォルニア州の農家が干ばつに強い種を必要とするかもしれない一方で、中西部の農家は特定の植物病害に対してより強い抵抗性を有する種を欲しいかもしれない。

Prosperaの作物のモニタリングシステムは、農家が収穫量を向上させるための手助けをするために、コンピュータビジョンと人工知能を利用している。

Prosperaの作物のモニタリングシステムは、農家が収穫量を向上させるための手助けをするために、コンピュータビジョンと人工知能を利用している。

データ分析はまた個別の農家側でも役に立つ。例えば特定の農家のニーズと、その農家の畑の(昨年ではなく)今年予想される収穫条件の下で、最高の収量を期待できる種をマッチングする。

そしてその種を植えるタイミングになったときには、データ分析は作物の成長や土の条件、天候、そしてその他のキイファクターに関する大量の履歴データを処理し、個別の作物の条件が最大収量に向かって最適化されるようにする。収穫後には、データ分析は、配送物流や作物の販売を支援する。

情報による収穫は、種子の品種の育種から店舗の棚への食品の配置至るプロセスの各ステップを最適化する、完全なシステムとして考えられなければならない。目指すのは農業における意思決定を改善することだ、農家やそのサプライヤーから、農業機器メーカーまで、そして最終的には消費者たちの意思決定を。

食品製造プロセスの各段階において可能な最善の選択を行うことで、生産性が最大化され、より少ないリソースでより多くの食品を得るというゴールへ近付くことができる。これが、2050年に世界を養うために必要な作物の成長を達成するために、必要とされる努力のレベルだ。

これは、いかなる会社もしくは個人よりも大きな仕事である。既存の農業コミュニティさえ超えている課題なのだ。食品セキュリティは全ての人に影響する、そしてその問題解決が要求するのは、農業が次のレベルの生産性に到達するために必要な革新的なシステムを構築できる、数学とソフトウェア工学の世界からの才能の注入である。

これらのことが意味するのは、明日の最も偉大なテクノロジーの機会は、シリコンバレーではなく、(穀倉地帯である)中西部で見出すことができるということだ。

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(翻訳:Sako)