フランスの相乗りサービス「BlaBlaCar」が2019年に71%の急成長

フランスのスタートアップであるBlaBlaCarが業績の一部を明らかにした。2019年の同社の売り上げは、対前年比で71%増加した。2018年と2019年の違いは、バスのライドシェアや一部地域でのバスのチケットサービスを手がけて経営を多角化したことだ。

BlaBlaCarのサービスで今でも最も知名度が高いのは、長距離ライドシェアリングのマーケットプレイスだ。ある都市から別の都市へ移動したいときに、シートが空いている車を見つけ、その車に乗せてもらえるように予約をすることができる。長距離を自分の車で移動しようとする人は、このプラットフォームに登録して乗りたい人を見つければ、ガソリン代や高速道路料金の負担を分けあえる。

2018年11月にBlaBlaCarはOuibusを買収して、バスと自家用車の両方のマーケットプレイスになった。Ouibusの名称は、現在はBlaBlaBusとなっている。BlaBlaCarは自宅と職場の間の通勤相乗りマーケットプレイスも運営しており、このサービスはBlaBlaLinesという名前だ。

BlaBlaBusはヨーロッパの400の都市をカバーし、BlaBlaLinesは150万人のユーザーが利用している。つまり、BlaBlaCarは巨大なコミュニティを築いている。同社のユーザーは8700万人に上り、そのうち1700万人は2019年に登録したユーザーだ。BlaBlaCarは昨年、サービス全体で7000万人を運んだ。

フランスでは、長距離の相乗りサービスの利用者が1日に13万5000人を記録した。鉄道会社のストライキが影響していると思われる。企業としては、最高執行責任者にBéatrice Dumurgier(ベアトリス・デュミュジエ)氏を迎えた。BlaBlaCarは数年前には困難に直面したが、現在はエンジニアリングチームを2020年に2倍にしてチームを再び拡大する計画だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

都内から成田空港まで一律4000円弱、NearMeの相乗りシャトルバスが運行開始

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を提供するNearMeは8月27日、東京都区内から成田空港までの相乗りシャトルバスサービスを開始した。乗車地は、新宿区、渋谷区、世田谷区、港区、台東区、墨田区、千代田区、中央区、文京区にあるホテルに限られるが、料金は成田空港までの距離に関係なく一律3980円となる。

同社がiOSとAndoridに提供中のnearMe.は、目的地が同じ方向の利用者を専用のスマートフォンアプリでマッチングして相乗りを実現するサービス。nearMe.を使った場合、通常のタクシー料金よりも20〜40%安くなるのが特徴だ。

複数の利用者が降車時にタクシー料金をその都度支払う相乗りは法律では認めらていないが、nearMe.では最終目的地に向かう利用者のみがタクシー料金を払うため、タクシー会社側からは単一の運送契約となるため合法だ。途中下車の利用者はアプリ上で最終目的地に向かう利用者に対してタクシー料金を清算できる。

同社は、利用者同士をマッチングしたあとに、複数人をピックアップしてそれぞれの降車地までの最適ルートを算出する独自の技術を有しており、本日からスタートした成田空港までの相乗りシャトルバスにはこの技術が生かされている。

相乗りシャトルバスサービスは日本語、英語の2カ国語対応で、今後は5カ国対応を進めるとのこと。シャトルバスを頼むには、乗車地のホテルを指定後、成田空港から搭乗する飛行機の便名を入力すればいい。成田空港ではもちろん、第1、第2、第3ターミナルのいずれかの場所で降車できる。シャトルバスの定員は9名。

都内から成田空港までの定額タクシーは、1.6万〜2.3万円。成田空港に近い都区内東部からの乗車が安く、成田空港から遠く北西部からの乗車は高くなる。NearMeの相乗りシャトルは、乗車地が都内9区に限られるが、料金は一律3980円と定額タクシーの4分の1以下の料金で利用できるのが強みだ。

朝夕のラッシュの時間帯に空港へ電車で移動するのは非常に疲れる。荷物が多いとなおさらで、時間に余裕があればリムジンバスやタクシーを利用するのが快適だ。しかし、リムジンバスはかなりの余裕を持たせて運行するため、空港に到着するのが電車に比べてどうしても遅くなる。定時運行のため、搭乗する便によっては空港ロビーで長時間待つ必要も出てくる。前述のようにタクシーは料金が非常に高額になるため、経費精算できないと利用しづらい。相乗りシャトルバスは、電車とリムジンバスの間を埋める効率的な移動手段として注目のサービスだ。

サンフランシスコでの相乗りサービスで、Uberの足元を脅かすGoogle

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Googleがサンフランシスコで独自の相乗りサービスを実施していることを、 ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。この動きはGoogleをUberの直接的な競合にするもので、Alphabet幹部であるDavid DrummondがUberの取締役会を辞任した、という最近のニュースとも整合する。WSJによれば、Googleの新製品は5月にパイロットプロジェクトが開始され、Googleが所有するWazeアプリを使用して相乗り希望の通勤者をつないでいる。

この計画はおそらくこの秋には全サンフランシスコ居住者に対してオープンになると言われている、その先に見込まれる拡張を見越してのことだ。そしてUberとは違い、これは同じ方向に向かうドライバーと乗客を一緒にするための、マッチングサービスの性格が強いものである。料金もまた安くなる ‐ WSJのレポートでは、このピアツーピアの共同運行アレンジをGoogleは意図的に安くしていると述べている。UberやLyftのように専用の資格を持つプロのドライバーが参加したくなるようなものとは対照的だ。

これまでのWazeの運用モデルは、クラウドソーシングナビゲーション情報を経由してドライバ同士をつなぐことに焦点を当てていた。ユーザーは、事故、沿道障害物、嵐や交通渋滞のようなものをレポートし、それらは他のドライバー間ですぐに共有されている。Googleは、2013年にWazeを買収した直後に、そのクラウドソーシングナビゲーションデータを主にGoogle Mapsの中で使い始めた。

パイロットプロジェクトでは元々Googleを含む、サンフランシスコに拠点を置く2万5000の大規模なハイテク企業の従業員に乗客を制限しており、1日の乗車数は2回までとされていた。WSJによれば、新しい拡大により、ドライバーも乗客も等しく「Wazeアプリの利用者なら誰でも」利用できるようになる。

UberとGoogleが採用するドライバーのモデルは異なっているが、その究極の目標はおそらく同じである:無人タクシーだ。Googleは、相乗りモデルの中に自動運転車を投入することを考えていると言われている。そして、WSJも触れているが、Googleの最近のビジネス組織変更は、自動運転車を最高の状態で市場に投入するにはどうすればよいかをGoogleが真剣に考えていることを示唆している。

かつてGoogleとUberは、非常に密接な関係を持っているように見えた、その中にはGoogleからオンデマンド乗車会社への相当額の投資や、Google Maps公式アプリの中に、Uberを移動オプションの追加モードとして取り込むようなアレンジなども含まれていた。

最近ではしかし、この関係は変容した。信頼できる情報源によれば、内部的にはUberはGoogleの地図製品への依存度を完全になくそうと真剣に努力している最中だそうである。これはフィナンシャル・タイムズが7月下旬に報告した内容とも一致する。

より詳細な情報を求めてGoogleに問い合わせを行ったが、彼らは私たちの要請に対して反応していない。

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(翻訳:Sako)

子供たちのためのUberを目指すHopSkipDrive

先日TechCrunchはロサンゼルスを目指して南に向かった、目的は私たちのミニミートアップのため、そして急成長する同地域発のハイテクシーンに追いつくためだ。

私たちの注意を惹いたスタートアップの一つがHopSkipDriveだ。子供送迎のためのUberを目指している。Uberに1人で乗るためには乗客は少なくとも18歳である必要があるので、それに代わってHopSkipDriveは忙しい両親のための送迎問題を解決したいと考えている。

「一般的な相乗り市場にはないニッチを本当に埋めているんですよ」と、CEOのJoanna McFarlandは上のビデオの中でTechCrunchに語っている。3人の共同設立者全員が母親であり、子供たちを必要な場所に送り届けるために「もっと良い方法があるべきだ」と感じていたチームなのだ。

ダウンタウン・ロスアンジェルスに拠点をおくこのスタートアップ企業は、1400万ドルの資本金Upfront Ventures、FirstMark Capital、その他から調達し、子供たちのための安全な相乗り手段を提供したいと考えている。安全性に焦点を当て、同社は保育者を兼ねたドライバーを探しているという。

「私たちの自慢は、項目が15点にも及ぶ安全認証プロセスです」と、共同創設者兼運営方針責任者のCarolyn Yashari BecherはTechCrunchに語った。彼女はHopSkipDriveの背景調査と指紋照合について熱く説明した。彼女はまた、従事するドライバーたちが、過去に子供を相手に働いた経験(乳母から教師に至るまで)を持っていることを強調した。

Uberと異なり、アプリはオンデマンドではない。ユーザーは事前に時間をえらび、送迎のためのドライバーを予約する。

正しいドライバがピックアップすることを確かにするために、子供たちには秘密のパスワードが伝えられ、両親はGPS追跡アプリを介して移動を追うことができる。

多くの親が、そのようなサービスの必要性に共感しながらも、少し前には「Uber型子供送迎サービスShuddleが、資金調達難から突然の事業停止」というニュースも伝えられた。このスタートアップは最近、残った事業の一部をHopSkipDriveが引き継ぐ形で、事業停止された。

しかしMcFarlandは「ブランドへの信頼性と、私たちのような者が創業者であること」が、サービスの背後で情熱を支えてくれるので、HopSkipDriveは広く受け容れられることを信じている、と語った。

HopSkipDriveはロサンゼルスとサンフランシスコで現在利用可能である。近い将来における、他の地域への拡大も希望している。

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(翻訳:Sako)

Lyftが相乗り(カープール)サービスの提供を中止

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まあ、早かった。始めてから5ヶ月も経っていないが、 Lyftはサンフランシスコ市域の外から通勤する人たちのための相乗り(カープール)通勤サービスを立ち上げていた。そのアイデアは、通勤途中の乗客を拾うと、運転手がそのたびに4ドルから10ドルの報酬を受け取るというものだ。このサンフランイスコベイエリアだけで提供されていたサービスが、十分な数のドライバーが参加に積極的ではなかったために、停止されることになったと、フォーブスが報じている

「供給(相乗り担当ドライバー)が需要(相乗り希望乗客)に対して意味のあるレベルに達するには、まだ時期尚早であると判断したため、テストを中止します」とLyftの広報担当者はTechCrunchに伝えてきた。

5月に筆者は、企業向けの相乗りスタートアップScoopについて報告した。ScoopはTesla、Twitter、Ciscoといった企業と提携している。その時、そのルーツがZimrideであることを考えると、果たしてLyftが相乗りに挑戦して有利な位置を占めることができるのだろうかと疑っていた。そして現時点で、Lyftの相乗り機能は消え、一方Scoopは国内最大の相乗りネットワークとして順調に伸びている。最初の年にScoopは12万5000人以上を乗客として迎えた。ということは、おそらくLyftが相乗りに手を伸ばすのはこれが最後ではないだろう。

「私たちはスケジュールされた相乗りサービスは、長期的には正しい戦略だと思っています。供給が需要(相乗り希望乗客)に対して意味のあるレベルに達するには、まだ時期尚早なのです」とLyftの広報担当者は言う。「私たちは、 移動における苦労を解決する、という私たちのビジョンを発展させていく過程で多くのことを学び、これまでのそして新しいプロジェクト ‐ たとえばLyft Lineのような ‐ へと応用して行きます」。

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(翻訳:Sako)

Lyftで経路指定が可能に

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Lyftは利用者にマルチストップの提供を始めた。これによって利用者は2点間の経路に目的地を追加することができる。理由は単純だ:より多くのユーザー、特に都市生活者たちが、車を所有する代わりに相乗りとオンデマンドサービスを選び始めているからだ。色々な場所を回って欲しい時に、どのような経路を使うかについての柔軟性が求められることは想像しやすい。

経路の追加は簡単だ:乗車をリクエストする際に最初の目的地を入力するが、そのあと目的地の横に表示されている新しい「+」アイコンをタップすることによって、最終的な立ち寄り場所を追加していく。運転手は途中の立ち寄り場所も参照することができる、これであなたは朝の11時に自宅に向かう前に酒屋に立ち寄りたい意向を「いまは5時くらいかねえ」などと、もごもご言いながら伝える必要はなくなる。もちろん他の使い方もできる。より社会的に大手を振って行なえるのは、相乗りの友人を降ろしたり、家へ帰る途中にちょっとした食料品を調達したいといった場合だ。

Lyftはまた、あなたがやろうとしていたことが何だったにせよ、心変わりをして寄り道を削除することも自由にさせてくれる。こうしたことは便利で素晴らしいことのように思える。しかしLyftは、最大の競合相手であるUberが提供していない、この機能の追加によって得られる実データを活用することによって、そのサービスを最適化することを狙っている。

Classic、PlusそしてPremierに属する会員の90%が予約時に1つの目的地を入力していることにLyftは気が付いた(訳注:目的地を入力せずに車の到着を待つこともできる)。そしてそれらのうちの5%は、乗車中に手動で変更されることになるのだが、それは実際には何十万というマルチストップ移動の結果なのである。これは紛れもなく重要な利用者のニーズなのだ。そして運賃を割り振るために、既存の割り勘機能ともうまく融合している。

しかし、これはまた運転手のためのサービスでもある。Lyftは乗車の終わりが近付くと、実際の乗車が終了する前に近隣の待機乗客とのマッチングを行う。これにより連続した乗車によって運転手がさらに収入を上げることを助けるのだ。このような仕様の場合、土壇場での目的地変更は、運転手と乗客の双方にとってフラストレーションとなり得る。しかし複数の目的地を指定できることができるようになったことで、運転手は計画を立てやすくなり、近隣の車両のキューイングに伴う欠点を回避することがやりやすくなる。

目的地を追加する機能は、ほどなくLyftのモバイルアプリに提供される。これは、ささやかながらも賢い追加機能である。そして、より自動化される将来の乗り合いモデルのためのコアコンポーネントへと転用することも容易なのだ。

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(翻訳:Sako)