米国では新型コロナ対策で睡眠時無呼吸用の装置を改造して人工呼吸器の不足に対処

米食品医薬品局(FDA)は、従来とは異なる解決策に対する必要性が高まるなか、同局の方針と規制を適応させるよう取り組んできた。つまり、新型コロナウイルス(COVID-19)患者の治療に必要な医療機器の不足などに対応するためだ。カリフォルニア大学バークレー校と同サンフランシスコ校、さらには実働中の病院に所属する医師、エンジニア、医学研究者のグループは、人工呼吸器不足に対応する独創的な解決策を考案した。それがFDAの緊急使用許可(EUA)の基準を満たすことを願っている。これまでほとんど使われずに放置されていた、どこにでもあるハードウェアと、備蓄されている医療用呼吸器具によって解決しようというもの。

このグループには、肺疾患専門医、医学および工学の教授、その他多くのメンバーがいる。自らを、COVID-19 Ventilator Rapid Response Team(COVID-19人工呼吸器緊急対応チーム)と名乗っている。睡眠時無呼吸症候群の治療に一般的に使われている既存のCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)マシンを改造して、一種の人工呼吸器として利用する方法を編み出した。人工呼吸器は、ICU内で重度の新型コロナウイルス患者の呼吸を維持するための挿管に必要とされている。

睡眠時無呼吸用の装置は、自力で呼吸できない患者が継続的に使用するようには設計されていない。基本的に、睡眠中に患者の気道が塞がれないようにし、酸素レベルを維持して、望ましくない目覚めやいびきを防ぐもの。このCPAPの改造に取り組んだグループは、挿管に使用できるチューブを使用して、ハードウェアを適合させることができた。主導的な役割を果たしたのは、ベイエリアの3つの病院のICUで、肺の疾患を専門とする救命救急医、Ajay Dharia(アジャイ・ダリア)博士と、カリフォルニア大学バークレー校の工学系の大学院生だ。

すでにFDAは、緊急の必要性がある場合には、もともと人工呼吸器として設計されていない呼吸装置の使用を検討するよう、医療施設や専門家に促すガイダンスを発行している。これだけでも、人工呼吸器緊急対応チームのアプローチは一歩先んじたものだったことになる。それでもチームは、当局からの緊急の認可をさらに求めている。というのも、大量の機器を改造するには、サプライヤーやメーカーと大規模に協力することが必要だからだ。

さらにチームでは、現在使われていないCPAP、つまり睡眠時無呼吸症候群用の装置を寄付してくれるよう、個人や組織に協力を求めている。それを改造して、人工呼吸器を作るためのベースのハードウェアとして使うためだ。興味のある人は、チームのウェブサイトで、さらなる情報をチェックしてみよう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

不静脈と睡眠時無呼吸症候群を感知するスマートウオッチ「ScanWatch」が登場

Withings(ウィジングズ)は1月6日、心房細動(不整脈)のリスクと、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を知らせてくれるハイブリッドスマートウォッチ「ScanWatch」を米国ラスベガスで開催されている2020 International CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で発表した。

循環器専門医と睡眠の専門家と共同開発された製品で、北米とヨーロッパで2020年第2四半期(4~6月)に、38mmモデルが249ドル(約2万7000円)、42mmモデルが299ドル(約3万3000円)で販売予定となっている。日本での販売は現在のところ未定とのこと。現在はFDA(U.S. Food and Drug Administration、米国食品医薬品局)とCE(EUの法律で定められた安全性能基準)の認定待ちとなっている。

特徴は、医療レベルの心電図を測定可能で、不整脈や心拍の状態を手元で把握できる点。心電図の測定にはScanWatch内蔵の3つの電極を使う。ユーザーが動悸などの身体の異常を感じた際に側面にあるボタンを押したあと、ベゼルの両端を触ることによって計測可能だ。30秒後にScanWatch本体が振動することでユーザーに心電図の測定を完了したことを通知し、その結果を画面で確認できる。

さらに継続的に心拍を測定し続けることで、ユーザーが異常を感じなくても異常な心拍が感知されると、心電図計測を促す通知機能もある。集計されたデータを医師または医療関係者と共有することも可能だ。

日本でも中高年を中心に患者が増えている睡眠時無呼吸症候群を検知できる機能にも注目だ。内蔵の酸素飽和度(SpO2)センサーで就寝中の酸素飽和度の推移を測定。呼吸の乱れによる異常値を感知することで、睡眠時無呼吸症候群を認識できるという。

そのほかの特徴としては、金属アレルギーを起こしにくいと言われるステンレス316Lステンレスがケースを採用しているほか、時計版はサファイヤガラスで覆われている。表示パネルには文字や静止画の表示に適したPMOLED(パッシブマトリクス有機EL)を採用。当日・前日の歩数やスリープスコア、消費カロリー、走行距離などの健康・運動データを収集・記録することも可能だ。フル充電状態の電池寿命は30日間。

なおScanWatchの開発元であるWithingsは、2016年にノキア傘下となってブランド名もWithingsからNOKIAに変わったが、2018年5月にWithings創業者であるÉricCarreel(エリック・カリール)が経営権と取り戻し、新生Withingsとして独立企業に戻っている。

CES 2020 coverage - TechCrunch