米国株は新型コロナ減速の兆候で再び反発

水曜日(米国時間4/8)、米国株式市場の主要インデックスはすべて上昇し、中でもダウ平均株価は3.44%高で引け、3月13日以来初めて2万3000ドルを超えた。

投資家は、国立アレルギー感染病研究所のアンソニー・ファウチ所長による、米国の新型コロナによる死者数は当初のモデルよりも少ないという水曜日の発言に勇気づけられたようだ。ただし、新たな症例の増加は減っても、死者数は今後も増え続けるとファウチ氏は警告した。

この日の動きは、今週月曜日の急反発に続くものだ。それでもダウ平均株価の終値は、前日の最高値である2万3537.44ドルよりも低く、まだ下げ相場の領域にある可能性を示唆している。
各インデックスの終値は次の通り。

  • ダウ平均株価:3.44%、779.71ドル高、終値2万3433.57ドル
  • S&P 500:3.41%、90.57ポイント高、終値2749.98ポイント
  • ナスダック総合指数:2.58%、203.64ポイント高、終値8090.90ポイント

株価は原油価格や民主党大統領候補バーニー・サンダース氏の指名争いからの撤退のニュースなども左右された。サンダース氏の政策は増税への懸念を煽っていた。

今日は輸送株も上がった。Uberは4.66%高、26.94ドルで引けた。それでも2月に記録した今年最高値の41.27ドルより34.7%以上低い。Lyftも7.78%上げて終値は29.64ドルだった。こちらも話はUberと同じだ。Lyftの株価は今年の最高値より約45%も安い(今年のUberとLyftは浮き沈みが激しく、まず黒字の約束で値上がりし、後に資金繰りなどの問題で暴落した。ライドシェアリング業界にとっては動きの激しい年だ。

今日特に目立ったのが航空会社で、この新型コロナの打撃を最も受けた業界のひとつだ。United(ユナイテッド航空)が12.38%高、247.51ドルで引けて先頭を走り、American Airlines(アメリカン航空)とDelta(デルタ航空)がそれぞれ10.9%高と4.4%高で続いた。Tesla(テスラ)は気まぐれな一日を送り、開始時とあまり変わらない0.62%高、548.84ドルで引けた。

自動車株も揃って値上がりした。GM(ゼネラルモーターズ)は8.59%高の23.13ドルで引け、Ford(フォード)は6.59%高の5.03ドル、Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー)は3.15%高の7.86ドルが終値だった。

そして、今日の復調はわれわれTechCrunchが注意深く追跡している重要分野の株価にも起きた。近代的ソフトウェア会社やクラウドに焦点を合わせた企業からなるSaaS株だ。この分野の企業を追跡する指標である、Bessemer(ベッセマー)クラウドインデックスは、5.8%高という強い反発を見せた。それでも最近の最高値より低いが、市場全体と合わせて復調した。この値上がりによって、SaaSベースのスタートアップが資金調達しやすくなるかどうかは、まだわからないが、同インデックスの上昇は、非上場ソフトウェア会社のファウンダーや投資家にとっても吉報に違いない。

画像クレジット:Towfiqu Photography / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NetflixのiOSアプリが、App Storeの売上トップランキングで第1位を獲得

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1年以上前、NetflixはiOSアプリから直接の会員登録ができるオプションを導入した。それにより同社は、ストリーミングサービスの会員数を伸ばすことに成功し、App Storeの「売上トップ」ランキングに仲間入りすることができた。Netflixのアプリが売上トップ・ランキングに初めて姿を表したのは、昨年11月のことだ。当時の順位は9位だった。そして今日、Netflixはもう1つの偉業を成し遂げた。Netflixアプリが米国App Storeの売上No.1アプリとなったのだ

同アプリが売上No.1となったことに最初に気づいたのは、アプリ調査会社のSensor Towerだ。彼らはNetflixが昨年秋にアプリ内からの会員登録オプションを追加して以降、同アプリの動向を追っていた。Sensor Towerが発行したレポートによれば、アプリ内会員登録が可能となって以降、当時は5万ドル程度だったNetflixアプリの週次売上高は、現在では290万ドルにまで増加しているという。

またSonsor Towerは、Netflixアプリがこれまでにも売上トップ・ランキング第1位の座に近づいていた時期もあると話す。2016年11月14日、同アプリはそれまでの最高記録である第2位にランクインしている。これを言っても仕方がないかもしれないが、Sensor Towerのライバル会社であるApp Annieでは、Netflixが第2位に到達したことを記録しておらず、彼らの記録では、2016年11月8日に同アプリが売上トップ・ランキングの第3位となった時が同社の最高記録ということになっている。

この矛盾は、この2社のアプリデータの記録の仕方の違いによるものだが、どちらにしろ、この2つの調査会社によってNetflixアプリがランキング第1位を達成したと認められたのは、今回が初めてのことだ。

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Netflixがランキングで第1位を達成できたことは、彼らにとって非常に意味のあることだ。飽和状態に近づいているとささやかれる米国市場において、同社が顧客ベースを順調に伸ばせていることを表しているからだ。Netflixの第3四半期決算を見ると分かるように、彼らは米国市場の成長鈍化をすでに乗り越えている ― オリジナル・コンテンツを充実させたことが、この成長に寄与したと言われている。

「Fuller House」や「Gilmore Girls」など、視聴者を懐かしくさせるようなオリジナル・コンテンツもあるなかで(調査会社によれば、この2つの番組はそれぞれ、Netflixのオリジナル番組の人気ナンバー1とナンバー3だ)、Netflixはより幅広い視聴者から受け入れられるようなオリジナル・コンテンツも製作している。

その例として、多くの人々に受け入れられた政治ドラマの「House of Cards」や、SFシリーズの「Stranger Things」、コメディーの「Unbreakable Kimmy Schmidt」や「Orange is the New Black」、麻薬捜査官を主人公にしたドキュメンタリー・ドラマの「Narcos」、マーベル・コミックに登場するキャラクターが主人公の「Daredevil」、「Jessica Jones」、「Luke Cage」などが挙げられるだろう。

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Netflixがストリーミング・サービスであることの利点とは、シリーズを継続するために毎回視聴率の高いコンテンツを生み出さなければならないテレビ局とは違い、Netflixではすべての番組が大ウケする必要はないということだ。その代わりに彼らはニッチな視聴者の要望に答えることができ、それが結局は同社の利益拡大につながるのだ。

Netflixは今後もオリジナル・コンテンツを強化して、新しい顧客の獲得を目指していく ― 2017年は今年に比べ、コンテンツの長さにして2倍以上のオリジナル・コンテンツを製作する見通しだ。同社は現地時間5日、トークショーなどの台本のないオリジナル番組を来年に20本以上製作することを発表している。

Netflixが米国のApp Storeで売上トップ・ランキングの第1位を達成したのは今回が初めてだが、外国ではすでにランキング1位を獲得している市場もある。NetflixのiOSアプリは現在、インド、メキシコ、コロンビアの売上トップ・ランキングで第1位を獲得している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter