中国のAI・顔認識大手SenseTimeが米国のブラックリスト入りでIPOを延期

中国で最も価値のあるAIソリューションプロバイダーの1つであるSenseTime(商湯科技、センスタイム)は、7億6700万ドル(約872億円)の株式上場を保留すると香港時間12月13日に発表した。

この発表は、香港証券取引所がSenseTimeのIPOにゴーサインを出してから3週間後のことだ。12月10日、米財務省は同社を「中国軍産複合体企業」のリストに加え、同社が「対象者の民族性を判断できる顔認識プログラムを開発し、特にウイグル族を識別することに重点を置いている」と述べた。

前政権時には国防総省と財務省が共同管轄し、財務省のみの管轄へと変更されたこのブラックリストは、米国の投資家がSenseTimeの有価証券を購入または売却することを禁止している。

米国政府の決定を受けて、SenseTimeはIPOを延期し、潜在的な投資家の「利益を守る」ために、新たな上場スケジュールを記載した補足目論見書を発行するとのこと。

SenseTimeは声明の中で、次にように述べた。「当社は、今回の指定およびそれに関連して行われた非難に強く反対します。これらの非難は根拠がなく、当社に対する根本的な誤解を反映しています。地政学的な緊張の渦中に巻き込まれたことを遺憾に思います」。

2019年、SenseTimeは、米国企業との取引を制限する「エンティティリスト」に登録された。

SenseTimeのビジネスの概要については、以前の記事でご覧いただける。

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(文:Rita Liao、Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

米財務省が暗号資産の報告義務を提示、富裕層の税逃れ対策を強化

バイデン大統領のIRS(内国歳入庁)の権限を強化するというビジョンは、暗号資産(仮想通貨)取引に大きな影響を及ぼす準備ができているようだ。

米財務省の新しい報告書によると、バイデン政権は暗号資産を含む金がどのように動いているかを政府が簡単に把握できるよう、新しい義務を課す考えだ。報告書は、暗号資産が「かなりの検知の問題」を抱え、税金を逃れたい高所得者によって頻繁に使われていると指摘している。

提案されている変更では、納税者が稼いだ利子を申告するのに使っている既存の1099-INTフォームのフレームワークをベースに新たに報告義務を設ける。暗号資産取引と管理者には、口座を通じて動く資金の「全体の流入と流出」についての詳細な情報の報告を義務づける。事業者は、1万ドル(約109万円)以上の暗号資産の送金も報告しなければならない。

「現在の商取引における暗号資産の割合は小さいが、そうした包括的な報告は収入を新たな報告体制からシフトする動機づけや機会を最小限にするために必要だ」と報告書にはある。

財務省は、IRSが現在ディスララプトするリソースを持たない複雑なスキームを通じ、富裕税フィルターは往々にして相応の納税を逃れることができるとも指摘している。報告書によると、IRSは賃金による税金の99%を徴収しているが、この数字は非労働収入に関しては45%と低くなる。これは「見えにくい」収入源を持つ高所得者が大きな恩恵を受けるという矛盾だ。いくつかの報告義務があるものの、規制上グレーゾーンのほぼ見えないところで運用されている暗号資産はかなり懸念されるものだ、と財務省は指摘している。

「そうした機会は特に、オフショアリングや複雑な提携ストラクチャの構築、課税対象資産の暗号資産エコノミーへの移動といった洗練された戦略を通じて税を逃れることができる高所得者が利用できます」と財務省は書いている。

報告書には、向こう10年で税収入を7000億ドル(約76兆円)増やすことにつながる、IRSの執行力強化のための複数年にわたる取り組みの詳細も記されている。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産米財務省IRSアメリカジョー・バイデン

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi