AIをビジネスに活かすうえで企業が見落してきた道はDIY

1856年、ヘンリー・ベッセマー卿が特許を取得したベッセマー法は、第二の産業革命のもっとも大きな要因となった発明だ。溶鋼に空気を吹き込み酸化還元するという画期的な方法で鉄の不純物を取り除くことで、安価で大量生産が可能な新しい製鋼技術の波を起こした。

ベッセマー卿は、この発明をいち早く利益につなげようと、いくつかの製鋼所に特許をライセンシングを行おうとした。しかし期待に反して、その技術の難しさと独占欲の強さのため、大手製鋼所とは望ましい条件でのライセンス契約が結べなかった。

なんとかこの技術を活かしたかったベッセマー卿は、自分で製鋼所を立ち上げて競合他社を蹴散らそうと考えた。この試みは大成功し、ともに苦労したパートナーたちは14年間の付き合いの末に81倍の投資収益を手にすることができた。

それからおよそ162年。今でも新しい技術を顧客に受け入れさせようとする新興企業の苦悩が続いている。たとえそれが、顧客の最大の関心事であっても難しい。しかし、ベッセマー卿などの実業家を手本とする今日の画期的なスタートアップは、あることに気が付き始めている。いくつもの技術に精通した「フルスタック」な事業を自分で起こして、独自の自動化技術で最適化した従来型のサービスを提供するほうが理に適っていると。

Andreessen HorowitzのChris Dixon氏は、深層学習革命の直前の2014年、「フルスタックスタートアップ」という言葉を流行らせた。彼によれば、フルスタックスタートアップとは、「既存の企業に頼ることなく、最初から最後まで完全な製品やサービスを製造」できる企業のことだ。

フルスタックの考え方は、深層学習革命が頂点に達する前に、UberやTeslaのような企業を生み出した。そして、データと人間によるラベル付けに依存する今日のAI第一の世界では、スタートアップエコシステムにおけるフルスタックスタートアップの役割は、ますます重要性を高めている。

フルスタックには、旧来型のインセンティブ構造から切り離されるという利点がある。古い体質の業界に居座る大手企業では、インセンティブのために自動化の導入が抑制されている。

(写真:Andrew Spear / Getty Images ワシントンポスト向け)

DIY AIとはどんなものか?

BSVポートフォリオ企業のCognition IPAtriumは、そのよい実例を示してくれるスタートアップだ。書類の上では、これらはまったく昔ながらの法律事務所のようだ。弁護士を雇って、特許とスタートアップに関する法律関連の業務を行っている。しかし、従来の法律事務所は1時間単位の料金の請求にインセンティブがあるのに対して、これらのフルスタックのスタートアップの場合は、消費者に利用してもらうことがインセンティブになっているため、迅速で安価でより良い戦略の開発することが利益につながる。

ベッセマーのように、古いインセンティブ構造を改変することで、フルスタックは、さまざまなフィードバックのループから存分に恩恵を回収し、終わりのない複雑な仕事を排除し、ラベル付け作業を過去のものにするチャンスを企業にもたらす。

ラベル付けは、機械学習に依存するスタートアップには避けられない決定的な責務だ。 Amazon Mechanical TurkやFigure Eightは、スタートアップが比較的管理しやすいラベル付けの責任能力を有している場合には有効だが、ラベル付けや、人と機械の共同の意志決定が日々の業務の中心となっているスタートアップは、それを内部で処理するために人を雇う必要がある。

こうした企業が規模を拡大しようとすれば、費用がかさみ作業量は膨大になる。しかしフルスタックにすれば、ラベル付けの作業を他の仕事に統合できる可能性が拓かれる。これまで顧客や企業に関わる通常のサービス業務を行ってきた従業員に、少ない負担でラベル付けを担当させることができるのだ。その作業を機械で支援してやれば、彼らは次第に生産性を高め、ラベル付けされたデータが増え、その支援モデルは正確さを増してゆく。

フルスタックの本質的な性質から得られる2つめの利点に、強力で好ましいデータのフィードバックループを発生させ、さらに所有できることがある。データフローを所有すれば、単に静的データセットを囲い込むよりも、頑丈な堀を築くことができる。たとえばDeep Sentinelは、消費者向けセキュリティーの分野に天然の堀を持っている。同社は正確な分類能力を有するばかりか、その正確な分類能力が、同社のコントロールが及ぶ環境で発生した現実のデータによって継続的に改善されているのだ。

写真提供:Flickr/Tullio Saba

自動化の推進はリスクと報酬のバランスが問題

1951年、フォードの業務部長デル・ハーダーは、会社の生産ラインを、生産工程に部品を移動させる完全なオートメーションシステムに改良することを決断した。それから5年をかけて、クリーブランドにあったフォードのエンジン組み立て工場で試行錯誤を繰り返し技術を完成させ、他の工場に拡大していった。しかし、それまで生産工程から独立していた部品を連鎖させたことで、ハーダーは、その相互依存関係に新たな頭痛の種を生み出すことになった。

現在、製造や農業といった伝統的な産業で企業を立ち上げた人たちは、みな同様にこう考えている。規模を拡大すると細部に悪魔が宿ると。フルスタックの方式を採り入れたスタートアップの場合は、独自のプロセスを統合するときに一度だけ心配すれば済むところに利点がある。

だがその半面、フルスタックの場合、規模を拡大するときに膨大な出費が必要となる。資金を提供してくれるベンチャー投資家は、リスク、利益、希薄化に関してのみ、ある程度まで意味を成す。そのため、規模の拡大を計画する企業創設者の多くは、借金での資金調達に走ることになる。

幸いなことに、今は低金利で経済的に有利な時期にある。TeslaやUberといった古参のフルスタック企業は、借金で多額の資金を得ている。また、Opendoorのような新参企業も、この資金調達作戦に転向した。この忌まわしい景気低迷によって、みんなが予定を狂わされている。

技術の進歩は周期的なものであり、成功は、非常に短時間の好機に実行するか否かに大きく関わってくる。FedExやAppleのような、資本集約的でベンチャー投資家に支えられた企業が、別の資金調達環境でスタートしていたら成功できたかどうかは疑問だ。

機械学習の以前にあった無数の自動化技術がそうであったように、深層学習革命で勝利して莫大な利益を得られるのは、人間と協調的に働くよう最適化したテクノロジーを持つスタートアップだ。フルスタックは難しい。金もかかるし、それだけが勝利の道筋ではない。しかしそれは、過小評価されているものの、今日の機械学習に支えられたスタートアップには非常に有効な戦略となる。

【編集者注】John Mannes氏はBasis Set Venturesの投資家。同社は1億3600万ドル(約152億円)規模のアーリーステージのベンチャー投資企業として、おもに、業界全体にわたる大きな問題を機械学習で解決しようとするスタートアップを支援している。Basis Set Venturesに加わる以前、JohnはTechCrunchのライターとして、人工知能スタートアップ、機械学習研究、巨大ハイテク企業の大規模なAI主導の活動などを取材してきた。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

プロセスマイニングからカスタマーエクスペリエンスへと向かうCelonis

Celonisは、企業内部のプロセスの理解と改善を自動化する活動である「プロセスマイニング」というアイデアを生み出した企業だ。しかし、企業が自社の内部プロセスを理解することの効果は限定的なものだ。最終的には、企業はその情報を使用して、カスタマーエクスペリエンスを向上させる必要があるからだ。だが本日発表された新しい運用レイヤーが、それらを実現するのに役立つかもしれない。

カスタマーエクスペリエンスの管理について考えようとする際に、私たちがまず意識するのは消費者向けアプリケーションやWebサイトである。もしそれがうまく機能していない場合、あるいは購買プロセスに不要な摩擦がある場合には、顧客を失ってしまう可能性がある。

しかしCelonisの共同CEO兼共同創業者であるアレクサンダー・リンケ氏は、プロセスの最前線での摩擦を排除することは、解の一部に過ぎないのだと語る。製造業者や倉庫そしてバックエンドシステムを含む配送システムのどこかに問題がある場合には、そこで起きる摩擦もやはり難しい問題となるのだと彼は述べている。

「プロセスマイニングが本当に役立つのは、摩擦がある場所を明らかにしてくれることです。企業が直面する最大の課題は、運用の中に大量の摩擦があることです。物品は滞留し、配送は遅延し、顧客との約束が破られています」と彼は言う。

Amazonがうまく機能する理由の一部は、顧客が簡単に注文をWebサイトまたはアプリケーションで出すことができるようにしただけでなく、注文を受け取ったAmazonが、約束された時間内に商品を顧客に届ける方法を考え出したことだ。もしそのプロセスに遅延があったなら、人びとは、今ほどAmazonに引き寄せられることはないだろう。

しかしほとんどの企業はアマゾンのような優れた運用環境を所有していない。そここそがCelonisが、運用上の問題点を特定しそれを自動化によって解消することで、支援できると考えている場所だ。「当初私たちは、見通しを良くして、複雑な企業の中で何が起きているかを理解することができる、発見のためのツールを販売していました。そして現在は、ますます多くの企業がこうして得られた洞察を運用に取り込もうとしているのです。問題に取り組み、不具合を修正し、そうした修正を自動化することを望んでいるのです」とリンケ氏は説明した。

これに対する同社の答えがWorkflow Engineのベータ版である。これは企業がその運用フローを改善することを助けるツールだ。説明によれば「コード不要、ポイントアンドクリックのワークフローにより、ビジネスアナリストがプロセスステップをアレンジし、システム間でプロセスフローを連携させることができます」ということだ。これには、SAP、Oracle、Salesforce.com、ServiceNow、Jiraなどの一般的なツール用に、すぐに使えるテンプレートが含まれている。

彼は、電子決済に切り替えてみたものの、顧客がまだまだ彼らの動きについて来ていない企業の例を挙げた。彼らは、ツールを使うことによってそうした顧客を特定し、そうした人たちに対してもし次回の注文を電子的に決済するのならばディスカウントをすると提案することができる(既に電子決済をしている顧客の邪魔はしない)。

同社はまた、SAPシステムへの接続を容易にするための新しいツールも発表した。リンケ氏が指摘しているように、世界中の企業でバックエンドを実行している、システム(財務、在庫、人事など)が何百も存在している。それらが抱える歴史と複雑さのために、接続は必ずしも容易なものとは限らない。

その解決のために、同社はBanyasを買収したことを明らかにした。Banyasは、SAPシステムのワークフローを自動化するためのツールであり、大規模組織全体のプロセスフローを理解し自動化するという同社のビジョンにぴったり合うものだ。

Celonisは2011年に設立された。現在700人以上の従業員を擁し、約7800万ドルを調達している。

画像クレジット: noipornpan / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:sako)

自動化によって私たちに馴染みの銀行の形態は終焉する

[著者:Jason C. Brown]
世界初の自動債務管理会社Tallyの共同創設者、CEO。

銀行の崩壊が始まった。

ほんの10年前、一般の消費者と金融業とのつながりは非常に希薄で、取り引きのある金融機関もひとつかふたつに限られ、人々はそこですべての金融上のニーズを満たしていた。しかし、銀行が行ってきた特定の業務に特化し、それを銀行よりもうまく行うフィンテック企業が現れると、保守的な金融機関は崩壊し始めた。その結果、今では一般消費者も、明確な目的のある個別のサービスを、数多くの金融機関で利用できるようになった。

フィンテック革命は、2008年の金融危機の後に始まり、既存の金融機関に対する不満が大きな追い風となって進行した。監視が厳しくなると、銀行はリスクを避けるために数多くの活動から手を引くようになり、市場に大きな空白が残った。フィンテック企業は、そうしたイノベーションを大きく欠いた業界に踏み入り、新しいアイデアを持ち込んだ。しかし、景気が回復した現在、銀行は失ったものを取り戻そうと、その空白に向けて猛烈な突進を試みている。

世に名の通った銀行は、フィンテックがもたらしたいちばん良い部分をコピーすることに懸命になっている。彼らの動きは遅く、丸々5年遅れているが、その目標は、顧客をつなぎとめておくために、そこそこ便利なモバイル体験を提供することだ。銀行は、フィンテック企業を超える必要はないとわかっている。規模とディストリビューション力で勝る銀行は、そこそこ便利な商品でも強固な顧客基盤を守ることができるからだ。

そうした優位性のために、フィンテック企業は銀行と真っ向勝負ができずにいる。資金コストが低く、顧客一人あたりに使える資金が多い銀行が、ある特定のサービスを開始しようと思えば、一日でフィンテック企業を打ち負かすことができる。そのため私は、銀行が行っていないサービスの市場に的を絞ったフィンテック企業に対しては悲観的だ。そんなフィンテック企業は、いずれ銀行に真似されてしまうので、あるレベル以上に長期的な成長は望めないことを知るだろう。

フィンテック企業として存続しようと思えば、唯一の防衛策、そして長期的な戦略をもたらすものは、自動化しかない。

自動化は
永続的な最適化が
可能になるため
摩擦削減の
究極の方法となる

これからの20年は、どのように自動化するかによって、一般の人々の人生の形が決まる。そう遠くない将来、インテリジェントなサービスが、個人の金融上の判斷の大部分を下すようになるだろう。そうしたサービスは、人々と協力することにより、いつ引退したいか、子どもをどの大学なら入れられるかといった、個々人の人生設計を明確にしてくれる。そして、その超人的インテリジェンスと、瞬時に物事を繰り返し実行する能力を使って、その人のために金融システム全体の力を投入できるようになる。顧客は、そのインテリジェントなサービスの仕組みを理解できないかも知れないが、それが自分の人生を良くするために、100パーセント向けられたものであることは実感できる。

個人が、自分の金融プロファイルを丸ごと、どこへでも好きなところに移せるようになった状況を考えて欲しい。ボタンをひとつ押すだけで、電話番号を移すときと同じように、自分の口座がすべて別の場所に移動できる世界だ。

たとえば携帯電話業界では、電話番号の移転を妨げてはいけない決まりになっているため、業者は移転をさせないように必死に努力している。携帯電話キャリアは、電話番号の移転に高額な料金を課すことで、利用者の移転の意欲を削いできた。しかし2003年、アメリカ政府が携帯電話業界に対して、電話番号の移転の自由を義務付けたことから、携帯電話の利用プランの料金が安くなった。摩擦が消えたことで、過剰な利益も泡と消えたのだ。

自動化は、永続的な最適化が可能になるため、摩擦削減の究極の方法となる。自動化により、限界費用ゼロで最適化が行えるようになる。自動化により、人の手を介さずに最適化ができるようになる。それが可能になれば、顧客は常に理想的な金融サービスを使えるようになる。

これは銀行にとっては悪夢のシナリオだ。金融業界の摩擦が大幅に低減されると、銀行と顧客とのつながりは弱くなる。銀行は、金を保管し、ある場所からある場所へと金を移動させる配管や電線の役割を果たす公共施設となる。そして、特定のサービスに特化したフィンテック企業がそこに参入し、専門的なデータを使って利用者に代わって判斷を行い、その判斷に基づくサービスを提供する。そして最終的には、顧客が必要とするあらゆるものを割り出し、顧客のために実行される目に見えないインテリジェントなサービスとなる。

そう考えると、自動化の力は、顧客に代わって最適な判斷を行い、それに基づいて行動するインテリジェントなサービスの能力を超えるものとなる。摩擦を低減させる自動化の能力は、市場の競争をより活性化し、顧客を市場の中の最適な商品に合致させることで、顧客に大きな富をもたらす。

したがって、インテリジェントな自動化を、いかにして製品の利便性に、製品の製造工程に、または商品開発の過程に組み込むかを考え出すことが、フィンテック企業の成長と成功に欠かせないものとなる。こうしたテクノロジーの世界の変化に気づけない者たちは、市場シェアと市場での地位を失うリスクを負うことになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

ジャケットを着るだけでロボットのプログラムを可能にするWandelbotsが77億円を調達

産業用ロボットは、2020年までに2000億ドル(約22兆7000億円)相当の規模に成長する勢いだ。産業用ロボットには、自動機械の限界を押し広げ、既存技術を打ち壊す人工知能の革新的な利用という、他の最先端分野と共通する側面がある。だが、ひとつだけ大きく異なるのは、どのロボットメーカーも独自のソフトウエアやオペレーティング・システムを使っているため、ロボットのプログラムが大変に難しく、時間も費用もかかるという点だ。

ドイツのスタートアップWandelbots(ドイツ語の「変化」ち「ロボット」をかけ合わせた造語)は、その問題を回避する革新的な方法を考え出した。独自開発のソフトウエアを使い、数十個のセンサーを内蔵したジャケットを着ることで、業界に普及している12のメーカーの、ほぼすべてのロボットに動きを教えられるというものだ。

「どのロボットにも同じ方法で動きが教えられる、共通の言語を提供しています」と、CEOのChristian Piechnickはインタビューに答えている。基本的には、それぞれのソフトウエアがどのように作られているかを解析して、Linuxのような、すべてに共通する基盤を作ったというわけだ。

フォルクスワーゲン、インフィニオン、ミデア(美的集団)との大きな契約を獲得したこのドレスデンのスタートアップは、600万ユーロ(約7億7400万円)の資金を調達した。次のレベルへの成長と中国進出に打って出るためのシリーズA投資だ。これは、Paua VenturesEQT Ventures、その他の名前を明かさない以前からの投資家から提供された(昨年のDisrupt Battlefieldで最終選考に残ったころ、まだ起業前だった同社はシード投資を受けていた)。

Pauraは、革新的なソフトウエア企業を支援してきた実績があり(Stripeにも投資している)、EQTは、未公開株式投資会社とつながり、これを自己資本全体をかける勢いの戦略的投資と位置づけている。

GeorgPüschel、Maria Piechnick、Sebastian Werner、Jan Falkenberg、Giang Nguyenとともに大学で同じ研究を行い、彼らと共同でWandelbotsを設立したPiechnickは、産業用ロボットのプログラムには、通常3カ月ほどの期間がかかり、専門のシステム管理者を雇うなど、ロボットの価格の他に多額の費用が必要となると話している。

Wandelbotsのジャケットを着れば、技術的な知識のない人でも、この作業を10分で行えるようになる。コストも10分の1だ。

「激しく変化する自動化業界で競争力のある製品を提供するには、生産と製造プロセスの自動化の分野のコストを低減し、作業速度を大幅に高める必要があります」とVolkswagen Sachsen GmbHの新交通および革新部門の責任者Marco Weißは声明の中で話している。「Wandelbotsの技術は、自動化に多大な可能性をもたらします。Wandelbotsの製品を使えば、ロボットの設置から調整まで、プログラミングの知識が限られている人間でも、驚くほど早く行えます」

現時点では、Wandelbotsの主眼はロボットアームのプログラミングに置かれている。Amazonその他の企業の倉庫で物品を運んでいる移動機械ではない。つまり、産業ロボットのこの2つの形態間の競争という観点からすると、今のところこれらが激しくぶつかり合う可能性はないということだ。

しかし、Amazonは倉庫以外にも活動の領域を広げようとしている。たとえば、食料品の注文に応じて、コンピュータービジョンとロボットアームが状態のいい果物や野菜を選別して箱に詰めるといった仕事だ。

Amazonなどの企業から発生した革新的技術は、ロボットメーカーにプレッシャーを与えることもある。しかし、Piechnickは、これまでほとんど影響は見られなかったし、今後も(彼の会社のように、利便性を高める技術を持つ企業にチャンスが与えられることは)少ないだろうと話す。

「ロボット用のオペレーティング・システムを作る試みは何度も行われてきましたが、その都度、失敗しています」と彼は言う。「ロボットには、リアルタイムのコンピューティングや、安全の問題、その他無数の要素があり、求められているものがまったく異なるからです。稼働中のロボットは、スマートフォンよりもずっと複雑な存在なのです」と彼は話し、さらに、Wandelbotsが発明した技術が、現在、大量に特許申請中であることを明かした。それは、ロボットに行動を教えるためのソフトウエアであり、何をどのように教えるかによってロボットの機能性を高めることができるというものだ(ジャケット以外の方法も現れるかも知れない)。

人工知能が平凡な事務作業を肩代わりするなど、ロボットによる仕事の自動化を進める他の企業と同様、Piechnickも、彼が作るものや、ロボットの普及が人の仕事を奪うことがないように気をつけている。排除するのではなく、その人に別の仕事を与えることで、ビジネスの視野が広がり、これまで人間にはなし得なかったような仕事が可能になるという。

「私たちが関わってきた企業で、人をロボットに置き換えたところはひとつもありません」と彼は話す。それは、機械を、よりよい機械に置き換えるだけのことだという。「作業効率が上がり、コストが下がれば、有能な人間を、より重要な仕事に割り当てることができます」

現在、Wandelbotsの契約相手は大企業ばかりだが、ゆくゆくはスモールビジネスをターゲットにしたいと彼は考えている。

「これまで、中小企業にはロボットは投資利益率が悪すぎました」と彼は言う。「私たちの技術が、それを変えます」

「Wandelbotsは、産業ロボットの訓練と利用に革新をもたらし、大量に普及させる要の企業になります」とPaua Venturesの共同経営者Georg Stockingerは声明の中で述べている。「この数年間で、ロボットのハードウエアの価格は急激に低下してきました。あとは、Wandelbotsが産業の自動化に残された障壁を取り払うだけです。簡単で素早い導入と訓練。この2つの要素が、次なる産業革命の波を引き起こす、ものすごい嵐になりあす」

企業のデータ保護とコンプライアンス充足をAIと機械学習で自動化するCognigoが$8.5Mを調達

AIと機械学習を利用して企業のデータ保護とGDPRなどの規制へのコンプライアンスを助けるCognigoが今日(米国時間11/13)、シリーズAのラウンドで850万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのはイスラエルのクラウドファンディングプラットホームOurCrowdで、これにプライバシー保護企業のProsegurState of Mind Venturesが参加した。

同社は、重要なデータ資産を護り、個人を同定できる情報が自社のネットワークの外に漏れることを防ごうとしている企業を支援できる、と約束している。そして同社によると、そのやり方は、専用システムのセットアップやそれらの長年の管理を必要とするような手作業の管理ではない。たとえばCognitoによれば、同社は企業のGDPRコンプライアンスの達成を、数か月ではなく数日で完了する。

そのために同社は、事前に訓練したデータ分類用の言語モデルを使用する。そのモデルは、給与明細や特許、NDA、契約書など、よくあるカテゴリーを検出するよう訓練されている。企業は独自のデータサンプルでモデルをさらに訓練し、その独自のニーズのためにモデルをカスタマイズできる。同社のスポークスパーソンは曰く、“唯一必要な人間による介入は構成だが、それは一日で済む作業だ。それ以外では、システムは完全に人手要らずだ”。

同社によると、新たな資金はR&Dとマーケティングと営業のチーム拡大に充てられ、目標は市場プレゼンスの拡張と製品知名度の向上だ。“弊社のビジョンは、顧客が自分のデータを利用して確実にスマートな意思決定ができ、同時にそのデータが継続的に保護されコンプライアンスを維持することだ”、と同社は言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Iron Oxが初の完全自動化農場の運用をまもなく開始

これまで2年半をかけて、Iron Oxは、屋内農場のための完全な農業ロボットの開発に取り組んできた。小さな規模で最初のシステム試験を行ったあと、同社は完全自動化された初の生産農場を開設し、すぐにでも農産物の販売を開始する予定だ。

現在、農場では、ロメインレタス、サラダ菜、ケールといった葉物野菜に加え、バジル、コリアンダー、チャイブも育てている。これらの作物の世話をしているのはAngusという重量約450キログラムのロボットで、野菜が植わっている水耕栽培用の大きなボックスを持ち上げて運搬できる。収穫は、Iron Ox製のロボットアームが行う。

Iron Oxの共同創設者でCEOのBrandon Alexanderが私に話したことによると、現在の施設で年間2万6000本の植物を生産できるという。これは、約40アールの屋外の畑での収穫に相当する。Iron Oxの施設は屋内であり、かなりの密度だ。

Alexanderと共同創設者のJon Binneyは、いくつものロボティクス企業を経て、屋内農場を作ろうと決意した。Alexanderの場合、Google Xに勤めていた期間もあったが、そこでは高度なテクノロジーを開発することがおもな目的であり、そのロボットの利用方法はあまり重視されていなかったという。「目新しいロボット製品をいくつも見てきましたが、それは避けたいと思いました」と彼は言う。スタッフを集めながら、倉庫の物流やドローンへの参入も考えたが、結局は農業に落ち着いた。Alexanderによると、事業を成功させるというだけでなく、社会的な利益を生み出すことをしたいと、みんなが思ったからです。

現在、アメリカでは、(Iron Oxが主要な作物として注目している)葉物野菜の大多数は、カリフォルニアとアリゾナで生産されている。とくに、その他の地域が寒冷になる冬には、その傾向が高まる。ということは、1月に東海岸で売られているロメインレタスは、3000キロメートル以上の旅をしてきたことになる。「それが、屋内に切り替えた理由です」とAlexanderは話す。「農場を非中央集権化するのです」

また、屋内の水耕栽培農場では、屋外の農場と比較して、年間30倍もの収穫が可能になる。しかもずっと狭いスペースを使ってだ。

Iron Oxが自動農場を運用できるようになるまでには、山ほどの努力と工学的な技術センスが必要だった。Alexanderによれば、最大の難関は、ロボットアームがステレオカメラで植物を観察して、いつ収穫するかを考えさせるところにあったという。その時期は一様ではない。しかも、自動運用させるためには、信頼性も高くなければならない。

大型ロボットのAngusは、約360キロもある農作物の栽培用パレットを持ち上げて、ロボットアームのところまで運ぶ。それを正しく行えるようになるまでにも、かなりの時間がかかった。あまり速く動かすと、床が水浸しになって掃除が大変になる。

植物のモニターシステム、成長、植物を見守るセンサー、水耕栽培システムのすべては、クラウドベースのサービスで管理されている。それがロボットに収穫の時期や必要な作業を伝えることになっている。ロボットたちは、それを受けて自律的に仕事をこなすのだ。

しかし、意外だったのは、完全な屋内農場ではLED照明のための電気代が大変な額になり、利益が出ないとわかったことだ。そこで、彼らは考え方を一歩進めて、昔ながらの温室に高効率のLED照明で光を補強する方法に賭けることにした。

そうなれば、街の真ん中に農場を作ること不可能になる。温室を上下に重ねることはできないからだ。だがAlexanderは、たとえ街から30キロ離れた場所に設置しなければならないとしても、何千キロも離れた場所からスーパーまで野菜を運ぶよりはましだと話している。

彼らは、必要なものは何かを知るために、農家とシェフの両方から時間をかけてよく話を聞いたとAlexanderは強調している。農家は、働き手が少ないことを不満に感じている。それは理解できる。農業における労働人口の減少は、農家にとって大きな問題になっている。とくにカリフォルニアのような地域では顕著だ。シェフにとって、もっとも重要なのは、当然ながら品質だ。しかも、予測が立ち、品質が一貫していることも大切になる。

現在のところ、最初の農場からの出荷を開始したあと、彼らはさらに農場を増やし、規模も大きくしてゆく計画だ。Iron Oxにはその資金がある。今年の初めに獲得した300万ドル(約3億4200万円)の投資ラウンドを含め、総額で500万ドル(約5億7000万円)以上を調達している。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

オフィス労働者を置き換えるロボットたちが大きな価値を生み出す

【編集部注:著者のJoanna GlasnerはTechCrunchの寄稿者である】

今でも多くの人たちが、オフィスに座って繰り返しの仕事を行うことによって給料を得ている。しかし近年では、雇用主たちは、その仕事を機械に委託する方法を見つけようと躍起になっている。

ベンチャーと成長企業への投資家たちは、これらのワーカーボットの増加を加速するために多くのことを行っている。これまでのところ、今年彼らは数億ドルの資金を、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)の開発者たちに注ぎ込んできた。RPAとはこれまで人間によって行われていた一連の仕事を行ってくれるソフトウェアを表現するための用語だ。

プロセスオートメーションの資金調達活動は先週大いなる盛り上がりを見せた。この分野のリーダーの1社であるニューヨークの企業UiPathが、2億2500万ドルのシリーズCラウンドを行ったからだ。このラウンドを主導したのはSequoia CapitalAlphabet’s CapitalGである。これにより、この設立13年の企業が調達した資金は合計で4億ドル以上となり、最新の評価額は30億ドルを超えた。

RPAに関わるスタートアップや成長企業に対する、Crunchbaseによる資金分析によれば、今年はこの分野全体が活気をみせてきたことが示されている。少なくとも7つの大型取引によって、総投資額は6億ドルを超えるまでになっているのだ。

以下に示したのは、この分野における大規模なラウンドのいくつかを取り上げたものである:1

UiPathはその分野に対して、壮大なビジョンと素晴らしい成長率を誇っている。新しく入ってくる従業員たちに示されるその広大な目標は「人間を退屈で反復的な作業から解放する」ことだ。

そして世の雇用主たちは、彼らの従業員たちを解放するために、気前良く支払いを行う。UiPathは、この21カ月の間に、年間収益が100万ドルかた1億ドルへと急成長した。これはエンタープライズソフトウェア企業として、真に驚くべき成長率である。

RPA分野における、また別の大きなユニコーンであるAutomation Anywhereも、急速拡大モードに突入している。同社によれば、顧客はそのツールを幅広い産業分野で利用していると言う。例えば電子カルテデータの統合や、住宅ローンアプリケーションの合理化、そして複雑な購買注文書の記入などである。

人びとは問いたいかもしれない:ボットが彼らを面倒な作業から解放した今、従業員たちは一日何をすれば良いのだろうか?UiPathやその他のRPA分野のプレイヤーたちからの、一般的に繰り返される反応は、彼らのソフトウェアによって労働者たちは、より価値の高いプロジェクトに集中する時間をとることができるようになるので、仕事自体はさほど減少しないというものだ。

それは広義には正しいのかもしれない。しかしこの種の自動化に起因する広範な雇用喪失を予測する雇用動向が多数存在しているのだ。それはレイオフの形を取るかもしれないし、そうではないかもしれない。企業が本当に、ボットによって置き換えられた既存の従業員を、実際に他のより価値の高い職種に移行させる可能性はある。しかし、もし彼らがそうしたとしても、RPAは将来的な求人を減らす可能性がある。

とは言うものの、私たちの多くが将来仕事を得ることができるか否かに影響するかもしれない一握りの高成長企業たち(RPAベンダー)に対しては、多額の資金が集まり雇用も大いに行われているのだ。

  1. RPAに対する包括的な資金調達額を算出することは難しかった。なぜなら多くのスタートアップたちはオートメーションを、コアフォーカス分野としてではなく、より広いサービスセットの一部として提供しているからだ。

[原文へ]
(翻訳:sako)

画像クレジット:Bryce Durbin

自動化によって仕事が失われても人は技術を学べる

[共同著者:Brooks Rainwater]
National League of Citiesの都市ソリューションと応用研究センター・ディレクター。

[共同著者:Camille Moore]
都市ソリューション・センター元フェロー。現在は教育基金Congressional Black Caucus Foundationのエネルギー・フェロー。

 

これは、ごく一般的な光景だ。あるトラック運転手がハイウエイを降りて、給油と食事のためにトラックを停める。彼女はカウンターの脇に立っているウェイターにハンバーバーとポテトを注文し、隣の店で持ち帰り用のコーヒーを買う。

しかしあと数年で、この日常的な、なんでもないやり取りは過去のものになる。トラック運転手も、ウェイターも、店員も、次第に機械に置き換えられるからだ。

計算方法は変化しても、数字は嘘をつかない。最終的には、大勢の人たちが機械に職を追われることになる。オックスフォード大学マッキンゼー・グローバル、経済協力開発機構(OECD)のどの予測を採用しようとも、9〜47パーセントのアメリカ人労働者は、今後10年以内に自動化によって職を失うと見て間違いはない。最悪の予測では、100万人単位の労働者が職を失うことになっている。

人の働き方は変化する。人には、自分たちの仕事を変革し進化させる生まれつきの能力があり、その歴史の中で、車輪、蒸気機関、人工知能とさまざまな発明を行っては劇的な進化や影響を仕事にもたらしてきた。なので、まだ生まれていない未来の仕事はたくさんあるのだが、これまでの流れを見れば、機械や職場のテクノロジーは労働者の過酷な肉体労働を肩代わりして、我々に、もっとものを考えたり、管理したりする余裕を与えてくれるはずだ。

我々全員が、より統合された職場に移行するようになれば、誰が機械を動かしているのかを知っておくことが非常に重要になる。実用的で戦略的な方針を持つことで、勤勉なアメリカの家族や街を明るい未来へ導くことができる。

National League of Cities(全米都市連盟)による「私たちの未来の仕事に関する評価」と題した最新の調査では、米労働統計局のデータを分析した結果、2030年までに、もっとも成長の早い業種では、時間管理、積極的傾聴、調整と判断、意識決定といった高度なソフトスキルが要求されるようになることがわかった。しかし最終的には、いかなる業界においても、どの仕事も作業も自動化の影響を受けることになる。しかも、そこに現れるであろう新しい仕事がどんなものであるかは、いまだ予測がつかない。そのような、予期された広範に及ぶ混乱に対処するための、もっとも効率的で、すでにその効果が実証済みの手段として、昔から伝わるインキュベーター(保育器)がある。つまり、我らアメリカの街だ。

才能の天然の発生地である街は
変化やアイデアが見出され
集中し、ふるいにかけられて
より広い社会に広がってゆく場所として
機能している

この報告書では、自動化や地元の経済の変化に直面しても持続性のある、よりよい仕事への論理的なキャリアパスを推奨している。たとえば、看護師や訪問ヘルパーなど、人間的な感性が重視される仕事は需要が伸びて成長を続ける。一方、レジ係(自動化の影響を真っ先に受けると思われるグループ)は、営業担当に転向できる。建設ロボットSemi-Automated Mason(SAM100)のような技術は、労働者を単純な手作業から解放して、監督や、技能を活かした雇用への道を開く。

アメリカの街は、それぞれの独自の未来を構築するために、独自の特性を活かす必要に、今まで以上に迫られている。地方の経済の力は、そこに住んでいる人の才能の力と比例する。そこにどんな才能があるのかを、よく理解することで、街のリーダーは独自のポジションに身を置き、才能のパイプラインを構築し、そこに、近い将来に求められる確かな技能を持つ人々を適切に配置することが、是が非でも必要となる。

私たちの調査では、ボストン、リッチモンド、ミネアポリスの3つの都市が、利用しやすく、平等で、持続可能な方法を用いて未来の職業に備えるという仕事を、特別に効率的なやり方で行っていることがわかった。

ボストンでは、労働人口の38パーセントが自動化の影響を受けやすいと予測されている。つまり、自動化によるリスクが低いということだ。この低さの理由は、成人向けの識字教育プログラム、弟子入りの制度、地元の成長産業のための需要に的を絞った資格制度を導入して、行政が、戦略的、段階的に労働者をサポートしているところにある。

リッチモンドは長い間、経済、政治、商業の力が交差する拠点として活躍してきた。自動化の影響を受けるのは労働人口の41パーセントと予測されているが、ここも自動化による失職のリスクは小さいほうだ。リッチモンドは、面接、シャドーイング、求めに応じた技能など、ビジネスに欠かせない技術を教えるPluggedIn VAといった教育プログラムを実施して、先手を打っている。

ミネアポリスはアメリカ中西部第二の経済センターだ。大学教育が充実しているため、求めに応じた職種に専門的な技術を持つ人間をつなげることができる。とくに、Hennepin Pathwaysは、地元の持続可能な職種に、それに見合う技術をすでに備えた人材を紹介するプログラムが実績を上げている。

才能の天然の発生地である街は、変化やアイデアが見出され、集中し、ふるいにかけられて、より広い社会に広がってゆく場所として機能している。都市部には個人の集塊を有し、あらゆる職業、文化、信念の人たちが密集する街には、国を生産的に前進させるダイナミズムがある。

未来の私たちは、非常に伝統的な空間、つまり職場において、新しいレベルの個性化と柔軟性を求められる。テクノロジーは強迫的で、侵略的で、誤動作もあるが、私たちが前進するための最大の利点は、立ち直る力にある。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

[ビデオ]Airoboticsの完全自動運航ドローンのデモを見る

テルアビブに近い、倉庫と壊れた歩道だけという荒涼とした地域の低空を、ドローンが飛んでいる。そいつはゆっくりと、自分の家に接近する。それは金網のフェンスの中にある冷蔵庫サイズの箱だ。ドローンはその上でホバリングし、着地に備える。まるで、大きな虫が、ブンブン鳴きながら下降するようだ。基地に戻ったドローンはきれいにされ、充電されて空に戻る。このドローンはしかし、不可能に近いことをする: 離陸も着陸も自動的に行い、人間がコントロールしなくても、何度でも離陸着陸充電離陸…を繰り返す。そしてそのためのシステムは外付けの装置ではなく、本機に内蔵されている。そのため、とってもクールなマシンに見える。

この自動運航ロボットを作ったAiroboticsが、本誌取材陣を本社に招待し、製品のデモを見せてくれた。このビデオでは、自動運航ドローンの仕組みや、人間がなかな行けない地域での地図作りや監視などへの利用、ひいてはドローンの自動飛行の未来について同社の人たちが語っている。そのうち、ジャングルや砂漠や戦場などで、これらのドローンが活躍するようになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

OpenStackがオープンソースのCI/CDプラットホームZuulを切り離して独立化

OpenStackほど複雑なオープンソースプロジェクトはほかにないと思われるが、これは要するに、AmazonのAWSのような総合的なクラウドコンピューティング環境を、企業が自分のデータセンターの(主としてプライベートな)インフラストラクチャとして装備するためのシステムだ。それを構成するさまざまなサブシステムを作るためにチームは、独自のDevOpsツールを作らざるをえなかった。2012年には、その一環として、オープンソースの継続的インテグレーションとデリバリ(CI/CD)プラットホームZuulを作った。そしてこのほど、Zulu v3のリリースを契機に、ZuluをOpenStackから切り離して独立のプロジェクトにした。でもOpenStackのエコシステムを去るわけではなく、依然としてそれは、OpenStack Foundationがホストするツールだ。

構造をざっと展望すると、OpenStack Foundationは一種の母体的組織であり、その傘下のメインプロジェクトとしてOpenStack本体のほかに、昨年おそく登場したKata Containersと、今回のZuulがある、という構造になる。すなわちOSFは近年、本体OpenStackのほかに、関連のインフラストラクチャプロジェクトも揃えよう、としているのだ。

Zuulはデベロッパーたちに、プロジェクトに新たな変更を加えようとするときの、コードのマージ、ビルド、そしてテストの工程を自動化するシステムを提供する。サポートする開発プラットホームはかなり幅広くて、GitHubや、コードレビューとプロジェクト管理のツールGerritなどもサポートしている。

Zuulの現在のコントリビューターは、BMW, GitHub, GoDaddy, Huawei, Red Hat, そしてSUSEだ。BMWのソフトウェアエンジニアTobias Henkelは語る: “ソフトウェアプロジェクトがCD/CIを幅広く採用することは、高品質なソフトウェアをタイムリーにデリバリするための基盤だ。それにより、個々のコミットチェックからフルリリースに至るまでの、開発サイクルの重要な部分を、すべて自動化できる。弊社BMWのCI/CDチームは、Zuulコミュニティの一員であることを誇りとし、オープンソースのZuulプロジェクトの積極的なコントリビューターであり続けたい”。

Zuulがスピンオフして独立した今の時期は、CI/CDに関して選択肢がとても多くなっている。GoogleとNetflixはオープンソースのSpinnakerで、Zuulと同様の機能を提供しようとしているし、またJenkinsとその類似プロジェクトたちも依然として強い。これらに対してZuulは、大規模で複雑な開発プロジェクトをうまく扱えるmulti-repo gatingマルチリポジトリ・ゲーティング)機能の有利性を強調している。

今カナダのバンクーバーで、これらのオープンソースプロジェクトの代表者たちによるOpenDevカンファレンスが行われており、そこでOpenStack Summitも併催されているので、数日〜数週間後にはこれらのプロジェクトすべてに関するより詳しい情報が出てくることだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Elon Muskが過剰なオートメーションを過失と認め、人間を過小評価していたと反省

なにごとにも機敏な億万長者、TeslaのCEO Elon Muskにしては珍しく、自分の会社が生産工程でロボットに頼りすぎていた、と認めた。

Wall Street Journalの記者のツイートに応えてMusukは、こう言った: “Teslaの過剰なオートメーションは間違いだった。人間が過小評価されていた”。彼はこれを、CBS NewsのGayle Kingにも語った: “工場にはコンベヤベルトの複雑でクレージーなネットワークがあったが、それほどの生産効果があるわけでもない。だから、全部捨てた”。

Teslaは低価格車Model 3の生産が遅れているため、批判を浴びていた。最近は、週2500台の生産目標を達成できないことが明らかとなり、投資家を幻滅させた。

その不確実性ゆえに、株価は乱高下した。1か月前は340ドルだったが、252ドルまで落ちた。しかしMuskが、第三四半期の黒字とキャッシュ・フロープラスの予想を述べてからは、回復した

Muskは金曜日(米国時間4/13)に、The Economist誌に宛てたツイートで、このことを明かした。

彼はそのツイートで“資金調達の必要性はない”、と述べ、株価は金曜日に300ドル34セントで引けた。

同社の時価総額は507億ドル、対してFord Motorsは450億ドルだ。

画像クレジット: Tesla Club Belgium/Flickr

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

クラウドアプリケーションのセキュリティとコンプライアンスチェックを自動化するChefのInSpec 2.0

データのリポジトリをAmazonでロックすることを忘れて、機密データを露出した、なんて話を何度聞いたことか。それは、稀(まれ)ではなく、びっくりするほど多い。そこでChefは、devやopsの人びとがそんな事件を防ごうとするときの、お手伝いをしたいと考えた。今日同社がリリースしたInSpec 2.0は、クラウド上でアプリケーションのセキュリティとコンプライアンスを自動化する作業を助ける。

InSpecは無料のオープンソースツールで、開発チームはこれを使ってセキュリティとコンプライアンスのルールをコードで表現できる。前の1.0は、アプリケーションの正しいセットアップに主眼を置いた。今度のバージョンは、その能力を企業がアプリケーションを動かしているクラウドに拡張し、クラウドのセキュリティポリシーに合ったコンプライアンスのルールを書いてテストできるようにした。AWSとAzureをサポートし、Docker, IIS, NGINX, PostgreSQLなどなど30種のよく使われる構成が最初からある。

今日の継続的開発の環境では、複数のアプリケーションを複数のクラウドで動かすことが容易ではない。コンプライアンスを人間が継続的にモニタするためには、データベースを露出したままにしておく方が楽だ。

Chefはこの問題の解決を、コンプライアンスを自動化するツールで助ける。何をロックするかなどについて最初に開発とオペレーションが協議しなければならないが、合意に達したらInSpecを使って、クラウドの構成の正しさをチェックするためのルールを書ける。それには、InSpecのスクリプト言語を使う。

Chefのマーケティング部長Julian Dunnによると、スクリプト言語を使い慣れている人ならとっつきやすいだろう、と言う。“InSpecの言語はクラウドに特有のルールをカスタマイズして書くのに適している。クラウドのデプロイのチェックもね”、と彼は語る。

スクリプト言語の例。コードサンプル提供: Chef

“この言語は、読みやすくて書きやすいことを心がけて設計した。プログラミングの経験はないがスクリプトは書いているセキュリティの技術者が、想定ユーザーだ”、とDunnは言う。スクリプトを書いたら、それを自分のコードに対してテストする。そしてコンプライアンス違反が見つかったら、直す。

InSpecは、VulcanoSecを買収した結果として作れた。このドイツのコンプライアンスとセキュリティ企業をChefが買収したのは、2015年だ。InSpec 2.0はオープンソースで、Githubからダウンロードできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonの、監視カメラだらけのレジ無しコンビニエンスストアにて

さて、もう既に多くの人びとが、小売業界を震撼させたAmazonの大胆な試みについて聞いたことがあるだろう。そう、現金不要、レジすら無いGoストアだ。歩いて中に入り、欲しいものを手に取ったら、そのまま歩いて店を出るだけだ。私は最近その経験をするチャンスを得ただけでなく、そのチーフアーキテクトの1人と話をする機会を持つことができた。

ここで私が考えたのは、万引きを試みて、Amazonの独り善がりな態度を出し抜いてみせようというものだった。しかし、店舗に実際に入ってみると、こうしたことが不可能であることがはっきりした。私はずっと、Amazonの広報担当者ならびにプロジェクトのTechnology VPであるDilip Kumarから、60センチも離れずにいたのだが、彼らは既にシステムに対するそうした乱雑な攻撃手段に対処していることがわかった。

プロモーションビデオで見ることができるように、携帯電話上のAmazon Goアプリが生成するQRコードを提示すると、ゲートが開いて店舗に入ることができる(これまではAmazonの従業員だけだった)。この瞬間から(まあ実際には、店内に完全に入った瞬間から、あるいはゲートの前の段階から既に)あなたのアカウントはあなたの物理的な身体と関連付けられて、カメラによる一挙手一頭足の追跡が開始される。

沢山の、本当に沢山のカメラが設置されている。

  1. tc_amazon_go-1180026.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  2. tc_amazon_go-1180010.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  3. tc_amazon_go-1180009.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Amazonのレジ無し店舗のアイデアが最初に発表されたとき、一体どのように実現されるのかと疑問に思った。天井や、ディスプレイケースの後ろ、テープルなどに置かれたカメラを使うのか?どんな種類の?近接センサや重量センサ、そして顔認識も?これらはどこで照合されて処理されるのか?

Amazonのアプローチは、私が想像していたほど複雑ではなく、むしろ私が想像していたようなやり方ではなかった。このシステムは主に、何十台もの天井に備え付けられたビデオで構成されていて、店舗の中のあらゆる場所を、各1平方インチに至るまで、あらゆる方向から撮影している。私が訪れた店舗には、おそらく百台は下らない数のカメラが設置されていたと思う。その大きさは、普通のボデガ(街角の小規模食料雑貨店)やガソリンスタンド併設の店舗程度のものだった。

これらは一般的なRGBカメラであり、ケース内のボードでカスタマイズされたものである。内部ではある程度の基礎的な単純作業が行われているが、おそらくは動きの検出、基本的なオブジェクトの識別などが行われているのだろう。

それらは、また別に用意された深さ感知カメラ(飛行時間関連技法を使っている、とKumarからは説明を受けた)を使って補完されており、それら全てが黒い背景の中に溶け込んでいる。

これらのカメラから取り込まれた画像は、中央処理装置(より適切な用語がなく、正確にはどのようなものかはわからない)に送信される、そこでは店舗内のそれぞれの人物を特定し、棚から取り上げられ手に持たれている商品を、素早く正確に認識するという、実際の仕事が行われている。何かを選ぶと「仮想ショッピングカート」にその品物が自動的に追加され、客はトートバッグやショッピングバッグに、その品物を速度を気にせず無造作に放り込むことができる。システムがしっかり見ることができるように、手で持って差し上げる必要はない。

  1. tc_amazon_go-1180013.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  2. tc_amazon_go-1180018.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  3. tc_amazon_go-1180019.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  4. tc_amazon_go-1180017.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA
  5. tc_amazon_go-1180015.jpg

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

こここそが、秘伝のソースの隠された場所だとKumarは私に話してくれた。それはそうだろう。似たような服装の人物が、ほとんど同じようなヨーグルトを手に取った際に決定することは、ありふれた課題のように思えるかもしれないが、ビジネス全体が基礎を置けるようにするために、必要なスピードと正確性を実現することは容易ではない。

まあ、現在世の中に存在するリソースを与えれば、たとえ学生でも数週間のうちには、80%の場合には動作するような店舗を設計することができるだろう。しかしそれを、99.9%の場合に、面倒な作業も不要で瞬時に正しく動作するようにすることは、本当に多大な努力を必要とする挑戦なのだ。

特筆すべきは、それが顔認識技術を使っていないということだ(質問してみた)。Amazonはおそらく、顔認識技術を使うことが、プライバシーに関心の高い買い物客たちからの非難を招くことになることに、早い段階から気が付いていたのだろう。まあそういったことを心配する人びとが、この店舗にやってくるとはあまり思えないが。その代わりに、システムは他の視覚的な手がかりを使い、カメラ間の連続性をモニタしている。人間がレンズに近付くことはないので、1人の買い物客があるカメラから別のカメラに移動した際に、それらの画像の間に関連付けを行うことは、システムにとって難しいことではない。

1台のカメラに技術的な問題が起きた場合や、何らかの形でレンズの視界が覆われてしまった場合にも、システムが完全に停止してしまうことはない。カメラが失われる状況でもテストされているが、もちろん交換は迅速に行われ、システムは再調整される。

カメラに加えて、棚には重量センサーがあり、システムは各アイテムの正確な重量を知っている。つまり、2個のヨーグルトを一度に取り上げて、そのうちの1つを手の中に隠しておこうとしても無駄なのだ(私が試してみようと思ったことだ)。おそらくインディ・ジョーンズの映画にあったように、同じ重さの砂袋をバッグの中に入れておき、それで素早く品物を置き換えることはできるかもしれないが、そんな面倒なことをやる万引き犯は多くないだろう。

そしてKumarが私に言ったように、ほとんどの人は万引き犯ではなく 、このシステムは普通の人びとに向けて設計されている。単に矛盾を検出するのではなく、悪意を持った人物を前提にシステムを構築することは、必ずしも良い設計選択とは言えない。

実際には人間を相手にするシステムには解決困難なことも起きるが、Kumarによれば、そうしたことが起きることはとても稀なのであまり考える必要はないと話した。彼はまた、店舗が広くなっても難しさは増えないと語った。もちろん追加のカメラや処理能力は必要である。

それはまた、非常に多くの人数に対してもテストされてきている。私たちがそこを訪れたのは午後の空いている時間帯だったが、その直前はランチタイムの混雑だった。Amazonの担当者は私に、そのときは数人ではなくて数十人の人たちが、入口で電話をセンサーに示すだけで、自由に出入りしていたと話した。

レジは無いかもしれないが、スタッフは存在している。在庫を補充するストッカー、ワインとビールのセクションにはIDチェッカー(きっと以前はソムリエだったのだろう)、そして新鮮なサンドイッチや食事パックを作っているシェフたちがバックヤードにはいる。エントランスの付近にいて、アプリを使う人を手助けしたり、質問に答えたり、返品を受付たりする人たちもいる。

品揃えは主に、持ち帰り用のランチパックやスナックなどだが、その他帰宅途中でボデガで買うような、ちょっとした日用雑貨などもある程度置かれている。とはいえ、価格帯はコンビニエンスストアではなく、スーパーマーケットで見られるものだった。

既存の資産や仕組みを活用するAmazonのやり口を期待した向きには意外かもしれないが、そうしたものはほとんど見かけることがなかった。アプリは自己完結型で、顧客の「メイン」Amazonアカウントの中ではなく、あくまでもアプリの中だけで追跡される。プライムメンバーだからといって、割引を受けたりすることはない。Whole Foodsはそれ自体ための小さなセクションを店内に持っているものの、幅広いパートナーシップは見られない(そして、私には理由を想像できないのだが、Whole Foodsの店舗をGoの店舗に転換する予定もないらしい)。

全体としては、私はシステムのシームレスさに感銘を受けた。様々な仕掛けがそこここでスムースに運用されていたからだ。

だがもちろん、哲学的な側面では悩ましい点がある。私がいま後にしたこの店舗は、非常に議論の余地があるテクノロジーの応用の顔の上に、親しげな仮面を被せた代物だからだ。すなわち遍在的個人監視(ubiquitous personal surveillance:社会の様々な場所で個人の動向を監視すること)装置なのだ。

通常のレジや、セルフレジを、まばたきもせずに記録を続ける百台ものカメラで置き換えることは、少々やりすぎだと私は思う。何が得られるというのだろう?自分の時間を20〜30秒ほど取り返せる?まあ利便性の欠如が、この店舗に対して苦情として寄せられることはないだろう。なにしろその名の通りこれは「コンビニエンスストア」(便利な店)なのだ。

多くの企業によるテクノロジーの応用では良く見られることだが、これは私にとっては、気にする人はわずかで問題視する人はさらに少ないような問題を、わざわざ「解決」するために、膨大な工夫と資源が投入されているように思える。技術的成果としてはこれは驚異的なものだが、しかしその反面、これはロボット犬と同じようなものだ。

店舗は機能している。私が言えるのはそこまでだ。Amazonが、この店舗をこの先どうしようとしているのかを、私は語ることができないし、こうした線に沿った私の質問に沿って意味のある回答をしてくれた人もいなかった。Amazon Goは今週から一般公開される予定だが、新奇性以上のものを見いだせるかどうかはまだわからない。

[原文へ]
(翻訳:sako)

量販ディスカウント店BoxedがFC内の商品の流れを完全自動化、しかも誰もクビにならず

Boxedは、Costcoみたいな大量ショッピングのネット版だが、同社が力を入れているのは、大幅なディスカウントだけではない。

Boxedは今年の早い時期に、ニュージャージー州ユニオンのフルフィルメントセンターに自動化を導入し、顧客に送るべき品物が自動的にパッカーのところまで来るシステムをインストールした。しかも同社によれば、人を一人もクビにせずにそれを成し遂げた。

本誌はそのユニオンの施設を取材したが、同社の受注の40〜50%はここから発送されている。そして配送工程に起きた変化について、CTOのWill Fongと配送担当VP Rick Zumpanoに話を聞いた。倉庫内の自動操縦車両(いわば自動運転カート)も見たが、それは商品を他のフルフィルメントセンターに送るためにも使われている。

“これによって実際に起きていることといえば、消費者がスマートフォン上のボタンをいくつか押せば、翌々日には大箱入りのトイレットペーパーやペーパータオルなどの日用品がドアのところにある、ってこと”、とFongは語る。“でもその裏では、膨大な量のテクノロジーが、このようなトランザクションとフルフィルメントを動かしているのさ”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MateLabsが機械学習とIFTTTを連携させた

もし機械学習モデルを訓練してそれをIFTTTと統合したいと思ったことがあるなら、 今やMateLabsの新しい製品を使うことができる 。初心者が機械学習モデルを作りだすことのできるプラットフォームMateVerseは、今やIFTTTと連携して、条件に基づいて実行するモデルを自動的にセットアップできるようになった。

IFTTTをよく知らない人のために述べておくなら、これはプログラミング知識なしで独自のif/then(もし〜ならば〜する)ステートメントを作成するための自動化ツールである。このサービスを使って、外部の気温が50度以上に上昇した場合に通知を受け取ったり、Twitterに直接写真を投稿したりすることができる。

MateLabsによるインテグレーションもほぼこれと同様に働くが、機械学習が加わっている点が異なる。現段階では、同社はTwitter、Slack、Googleドライブ、Facebookなどに対応できる、コンピュータビジョンと自然言語処理ツールを提供している。例えば、Twitterでのメンションを分析して、なぜそのメンションが起こったのかを決定する処理を設定することができる。

もちろん、利用者が自身のデータをMateVerseプラットフォームにアップロードし、特定のユースケースについて独自のモデルを訓練すれば、利用者自身が独自のモデルを構築することもできる。これらのすべては、複雑な機械学習フレームワークに精通していない人にとっては有用だが、だからと言って、上級開発者にメリットがないということではない。

この技術が成熟して行ったときに、ハッカーが何をできるようになるのかを見ることが楽しみだ。ハードウェアとIFTTTとの統合によって一風変わったものを作りだす人も出て来るだろう。例えばあなたやあなたの猫が部屋に入ってきたときに、特定の照明を点灯するといったものだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

このロボットアームで途上国の労働搾取がなくなるかもしれない

screen-shot-2017-02-07-at-9-55-24-am

SewboのファウンダーJon Zornowは、昨年9月に世界で初めて、人間の手助け無しにTシャルを縫い合わせることができるロボットを完成させたとして話題をよんだ。下のビデオのようにロボットアームと自動ミシンが、予めプログラムされた動きに沿って、入念に準備された材料を縫い合わせていくと……

Tシャツが出来上がる。

この一見単純なプロセスには、とてつもなく重要な意味がある。平等や未来の仕事に関する議論が深まる中、昨年9月の時点では面白くて可愛いだけだったこのロボットが、今ではひとつの重要な論点となっているのだ。途上国経済や低賃金と関連付けられることの多い仕事が、自動化によってさらに減少したらどうなるのだろうか?ロボットが今の低賃金労働者を代替して食費や住居もなしに仕事をこなすことで、企業が途上国に製造拠点を置く必要がなくなったら何が起きるのだろうか?

人間で溢れかえったスウェットショップ(劣悪な労働環境で貧困層を搾取する工場)という概念は、長距離トラックやタクシー、さらには配達トラックなどと一緒に、そのうち過去の遺物となるかもしれない。人間が操作するミシンの最後の1台がその役目を終え、全ての服をロボットが作るようになったらどうなるのだろうか?ハンドメイド品にはプレミアムがつくようになるのだろうか?人間が作ったジーンズをはくというのが、ファッションステートメントとして扱われるようになるのだろうか?

しかし、ロボットを使ってTシャツを縫い合わせるというのは難しい作業だ。端的に表現すると、人間はロボットよりも生地の扱いがうまい。ロボットの専門家でさえ、洗濯物たたみ機の開発に10年もかかり、まだ実物は販売されていないのだ。腕の部分に何かを縫い付けたり、裾上げしたりという作業を考えると、裁縫はまだまだ人間の手を離れていかないような気がする。

「Sewboは、現在私が設立中のスタートアップで、自動裁縫技術の開発および商業化を目指しています。5000億ドルもの市場規模を誇る衣料業界ですが、製造面では今でも完全に手作業に頼りきっており、主要産業の中では大幅な自動化の余地が残っている最後の業界だと言えます」とZornowは話す。「1番のハードルは技術障壁です。特にこれまでは、生地の扱いという複雑な問題と、同じくらい複雑な機械の問題をいっぺんに解決しようとしていて、思ったような成果がでていませんでした」

そこでZornowは、それまでとは違うアプローチをとることにした。柔らかい生地の代わりに、硬いシートを使うことにしたのだ。そしてその決断が功を奏した。

「私たちは、水に溶ける熱可塑性プラスチックを使って、一時的に生地を硬めることにしたんです。既製品の産業用ロボットと、プラスチックやダンボール、金属製のシートを扱うためのツールを組合せることで、硬くなった生地を正確に裁つことができ、生地も裁断後に勝手に成型するようになっているんです。その後は、生地を縫い合わせてお湯で洗い流せば、服が完成します」と彼は説明する。

まだ会社の規模は小さく、現在Zornowは社員とシード投資家を探しているところだ。彼らのミッションはもちろん、衣料の製造現場から手作業を無くすことだ。これは何千もの職を消滅させてしまうかもしれない、本当の意味でのディスラプションだ。ニューヨーク、シカゴ、ロンドン以西の全ての都市で服を作っていた人は、グローバリゼーションの結果、職を失った。今度は彼らの仕事を奪った人たちが、ロボットアームと水溶性の熱可塑性プラスチックによって、職を奪われることになるかもしれない。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ソフトウェアテスティングの自動化ツール「Tricentis」がInsight Venturesから1億6500万ドルを調達

Portrait of girl lighted with green numbers

企業の開発チーム向けにソフトウェアテスティングの自動化ツールを提供するTricentisは本日、Insight Venture Partnersから大量の資金を調達した ― 正確にいえば、1億6500万ドルだ。同時に、Insightのマネージング・ディレクターであるMike TriplettがTricentisの取締役に就任することも明らかになった。

従来のソフトウェア開発の現場では、プロダクトを市場に送り出すまでに数カ月もの時間がかかっていた。ソフトウェア・テスティングを行うためには、フロントエンドのインターフェイスからバックエンドのコネクターにいたるまで、プログラムの隅々をテストするためのスクリプトを書かなければならない。しかし、ソフトウェアの中身が変更されると過去のスクリプトをそのまま利用することはできず、多大な時間をかけ、マニュアルで修復作業を行う必要がある。

今よりも物事がゆっくりと進んでいた過去の時代は、それで上手く行っていた。しかし、これまでよりも頻繁にプログラムのアップデートが行なわれるようになり、それに適した素早いソリューションが必要とされている。そこでTricentsの出番だ。

Tricentis CEOのSandeep Johriは、同社のサービスについてこう説明する。「私たちが行うのは、GUIとAPIの両方を対象にしたアプリケーションのスキャンです。それによって、コードの内容をネイティブに解釈していきます。私たちはそのアプリケーションがビジネスの文脈でどのように機能するかを解釈し、理解して、テスティングの土台を構築していきます。その後、.NET、HTML、Javaなど、想定されるものすべてに対してテストを行います」。プログラムがアップデートされたら、再度スキャンをし直すだけでいい。

Insightはこのアプローチに目をつけた。従来のウォーターフォール式のソフトウェア開発手法から、モダンなアジャイル式へとシフトしつつある企業のソフトウェア開発現場。そこで生まれる大きな問題を解決するのがTricentisだ。

Tricentisに似た機能を提供するオープンソース・ツールはすでに存在しており、そのようなツールを利用する企業も多い。それについてJohriは、Tricentisが顧客として抱えるのは複雑な環境下にさらされている企業がほとんどであり、そのような環境においては、Tricentisのオートメーション化のスピードにかなうツールは他にないと語る。

Johriに取材してみた限りでは、彼はTricentisのバリュエーションを公開するつもりはないし、それについて心配をしているようにも見えない。Insightという単独投資家を持てたことに幸せを感じるとJohriは語る。さらに彼は、「ユニコーン」と呼ばれるような過大評価された企業は、従業員や投資家に対してそれに見合う価値を現実化できていないのではないかと話す。

Tricentisは2007年にオーストラリアで創業した。現在は主に、ドイツ、スイス、オーストリアなどドイツ語圏の国でツールを提供している。同社は、その6年後の2013年にシリーズAで700万ドルを調達し、本格的なビジネス拡大を決断した。

同社はこれまでに400社の顧客を獲得しており、現在260人の従業員を抱えている。Tricentisの開発チームは今もオーストラリアに拠点を置いている。1億6500万円を手にした同社は今後、営業およびマーケティングチームの強化を図るようだ。Tricentsはこれまでバーンレートを低く抑えてきたとJohriは話す。彼は、今後もそれを変えないようにしたいと話しているが、戦略的買収のチャンスは探し続けていくという。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

ロボット、仕事、そして変化に対する人びとの恐れ

3D illustration of robots.

【編集部注】著者のSteve CousinsはSaviokeの創業者兼CEOである。同社は人間の環境で働き、人間の生活を改善する自律ロボットの開発と展開を行なっている。以前にはロボットインキュベーターのWillow Garageの社長兼CEOを務めていた。

経済に対する技術のインパクトという話になると、ロボットや他の進歩が、失業につながるのではという懸念が続いている。しかし、新しいテクノロジーが仕事と経済に及ぼす影響について歴史が教えてくれるのは実際にはどのようなものだろう?さらに重要なことは、自動化を拒否して技術革新を妨げた場合には、世界経済におけるアメリカの競争力はどうなるのか?

コンピュータ科学者として、研究者として、そして今は急速に成長しているロボット企業のCEOとして、私は自分のキャリアを人々の生活を改善し、企業の成長を助けるための技術構築に捧げてきた。自動化が急速に経済を変革し続ける中で、ロボットが社会にどのような影響を与えるかを深く気にしている。

だからニュース記事がイノベーションを祝うのではなく、恐怖を撒き散らすとき、私は落胆している。最近もボストンの調査会社Forresterが、ロボットによって2025年までに米国の仕事の7%が失われることになると予測した。しかし報道でしばしば報道されないものは、Forresterが、ロボットから得られると述べているものだ。Forresterのアナリスト、J.P. Gownderは次のように述べている。「これらのテクノロジーは本当に重要で、一部の仕事は無くなってしまいますが、全体としては多くの予言者が信じるほど悲観的ではありません。現実には、自動化は、まったく新しい職種を含む、多くの新しい雇用増加を促すでしょう」。

多くのデータが、テクノロジーの進歩によって実際に仕事が創出されるという事実を裏付けている — 退屈で高いスキルの不要な職業を排除すると同時に、まったく新しい仕事のカテゴリーを創出する。イングランドとウェールズにおける1871年以来の国勢調査データの調査では、この140年間に破壊された仕事よりも、はるかに多くの雇用が創出されていることが判明している。 「機械は、繰り返しと労力を要する作業により使われるようなるが、過去150年間に比べても人間の労働の必要性の排除に向かっているようには見えない」と、デロイトによる報告書には書かれている。

ロボットは通常「仕事」全体を置き換えるのではなく、その代わりに「タスク」を肩代わりする。

ロンドンの経済研究センター(Center for Economic Research)による2015年の別の調査によれば、ロボットの使用は生産性と賃金を向上させ、全体的な雇用には悪影響を及ぼさないことが示されている。この研究によれば、これまでの全体経済へのロボットの貢献は、鉄道や米国の高速道路などの、歴史的に重要な技術とほぼ同じである。ロボットは通常「仕事」全体を置き換えるのではなく、その代わりに物品の運搬、機械の操作、情報の提供などの「タスク」を肩代わりする。企業が反復的または危険な作業を遂行するためにロボットを使用するなら、従業員はより面白くて価値のある作業を行うことができる。

しかしForresterの予測が正しくて、ロボット工学が将来的に実質的に雇用を失わせるとしたらどうだろうか?現状維持のために、研究を止め、革新を止め、新しい技術を創造しようとするのを止めるのが解決策なのだろうか?

競争が激しい今日の世界経済において、イノベーションを阻止することを選択することは、わが国にとって壊滅的なものとなるだろう。 2016年のブルームバーグ・イノベーション・インデックスは、米国を世界で8番目に革新的な国と位置付けている。2015年には6番目だった。他の国は、特に第1位の韓国、第2位のドイツは、革新主導型経済の構築に全力で取り組んでいる。

競争力を維持しながら、革新的な製品を開発するために、米国は技術革新を減速ではなく、加速させる必要がある。エアコン、ワクチン、ロボット、スマートフォンなど、企業が人生をより良くし、働きやすく、人々の健康を向上させる製品やサービスを開発すると、経済は成長する。

技術進歩にとり残されていると感じている社会のメンバーを見捨てるのではなく、革新によって作られた仕事にその人たちを引き込む必要がある。

私は自動化が雇用に影響を与えないだろうと言うほどおめでたくはない。歴史的に、技術によって一部の仕事が排除され、他の仕事が創出されている。産業革命の間に機械が大量に出現したため、洗濯屋、鍛冶屋、織物業者は廃業を余儀なくされた。しかし、それらの労働者の多くは、より良い給与と、工場でのより安定した仕事を得た。それ以来変化のペースは減速していない。ソフトウェア、コンピュータ、携帯電話、ロボットなどの技術は、一部の仕事を絶えず排除し続けてきた(貸ビデオ屋、受付係、メールルーム係、タイピスト、電話オペレーター、など)し、他の仕事を生み出してきた(ビデオゲームプログラマー、3D建築デザイナー、ソーシャルメディア専門家、など)。

例え途中で痛みが増しても、長期的には自動化が経済にプラスの影響を与えるという点で、私はオバマ大統領に同意する。最近のインタビューで、オバマ大統領は「私は楽観的な立場をとりがちです…歴史的に見れば、私たちは新しい技術を吸収し、人々は新しい雇用を見出しそして創出し、移動し、生活水準が一般的に上昇してきました」と述べた。

イノベーションが起きようとしている。米国が世界経済において強固な地位を維持したいならば、それを止めることはできず、止めるべきでもない。それが私たちが集団的な挑戦と機会である、この移行をうまく乗り切る方法だ。収入格差は世界中で増加し続けており、教育を受けた個人は革新的な経済において急速に地位を獲得し、一方低技能労働者は低迷している。技術進歩にとり残されていると感じている社会のメンバーを見捨てるのではなく、革新によって作られた仕事にその人たちを引き込む必要がある。

技術の急速な進歩に社会のすべてのメンバーを組み込むためには、教育と訓練を含むだけでなく(もちろんそれらは本質的だが)、エンジニアが直感的で使い易い機械を設計することを必要とする。タッチスクリーンインターフェースとシンプルなコマンドにより、新しく登場するコラボレーティブロボットの多くは操作が簡単だ。販売員たちがハイテクレジスター(基本的には小売店)を使うことを学んだことと同じように、人々はサービス、ホスピタリティ、小売、ヘルスケアなどの分野でロボットを操作する方法を学ぶことができる。したがって、ロボットが日常的な作業を引き継いでくれることで、人間はこれらの機械を使う側としてより充実した仕事に就くことができる。

これは、私の会社においては、Relayデリバリーロボットが「チームの一部」となるように、役立ち、信頼性が高く、使いやすいものにすることを意味する。ロボットが企業の生産性と収益を高めるのを助けるため、これらの企業はより多くのスタッフを雇うことに投資する。

人間には先天的に変化を恐れる習性がある、それが技術が現状を混乱させるような場合には特にそうだ。しかし、歴史は、ロボットのような革新的な技術を取り入れることによって、大きな進歩が見られることを証明してきた。経済全体を成長させる進歩は、より安全で有意義な仕事を見つけ出し、競争の激しい世界市場でアメリカの地位を確保するのに役立つのだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: 3ALEXD/E+/GETTY IMAGES

仕事の未来へようこそ

Marty Linn, General Motors manager of advanced technology and principal engineer for robotics, shakes hands with Robonaut 2 (R2), a humanoid robot developed by GM and NASA during a nine-year collaboration that also led to development of the RoboGlove, an exo-muscular device that enhances strength and grip through leading-edge sensors, actuators and tendons that are comparable to the nerves, muscles and tendons in a human hand. GM is licensing the RoboGlove intellectual property to Bioservo Technologies AB, a Swedish medical technologies company that will combine RoboGlove with its owner patented SEM glove technology.

【編集部注】著者のBrooks RainwaterはNational League of Cities(全国都市同盟)のシティソリューションおよび応用研究センターのディレクター 。共著者のNicole DuPuisはNational League of Cities(全国都市同盟)のシティソリューションおよび応用研究センターのインフラ担当シニアアソシエイトである。

情報技術、ロボット工学、人工知能の進歩が急速に進展する中で、現在労働力の転換が起こり、それが続いている。既に私たちが気が付いているように、現在の傾向が労働力の変化を不可逆的に加速させるときに、答えられなければならない疑問は、利益を広く共有し困難を和らげるためには私たちは何をすればよいのだろうか、というものである。

都市はしばしば、新技術が大量採用される際のトレンドサイクルをリードする。私たちは、新技術による失業が、新技術による革新と同じくらい古い話題であることを知っている。しかしながら米国の都市は、テクノロジーの成熟がローカル経済の全て、全ての労働者、そして全ての職業に多大な影響を与える時代に突入しているのだ。

自動化は技術革新の繁栄を支え、ビジネスにコストダウンをもたらすが、既存の仕事も変えてしまう。過去数十年にわたり、労働力の要素はますます自動化されるようになってきている。

最近は、食品サービスから工場のフロア、その他に至るまで、沢山の例を見ることができる。例えばEatsa人間とのやりとりが全く不要の新しいファーストフードレストランだ。客はタブレットを経由して注文し、用意された食品を壁に設置されたガラス棚から受け取るのだ。

Amazonのフルフィルメント・ウェアハウスではRobo-Stowを採用している。大きな在庫を動かす6トンのロボットアームと、Kiva Systemsが製造した箱移動ロボットたちが働いている。Kivaの導入以来、何かを見つけて箱に詰め出荷するまでの平均時間は1時間半から15分に短縮された。Amazonはまたその新しい Amazon Robotics部門を通して、自動化されたドローンと人工知能に多大な投資を行っている。

こうした初期の例は、エキサイティングなものではあるが私たちが失うものが自動化される仕事以上のものであることも明らかにした。多くの場合、企業は効率性の恩恵を受ける一方で、多くの消費者が依然として必要としている個人的な人間関係を失う可能性があるのだ。この方程式の人的側面はあらゆる理由で大切なものである — 仕事の中で最も重要なものだ。

プロジェクトに協力し、若いビジネスマン。

写真提供:Getty Images.

こうした中で、生計が危機に瀕している人びとがいる。過去20年間で、先進的なロボットが急速な技術の改善を受け、能力と可用性の両方が大きく変化している。学者たちは、2025年までに食品準備、ヘルスケア、商業清掃、そして老人介護の7から12パーセントのタスクがが商用ロボットによって実施可能になると予測している。

これが意味することは、高コストの都市化されたエリア ‐ ハイソで高給取りのホワイトカラーを既に引き付けている場所 ‐ における労働者階級が、更に追い詰められていくということである。それらの仕事の多くは自動化の煽りを受けやすく、私たちは多くの人たちが労働の場を離れ、都市の外に出ていくのを見送ることになるだろう。

労働者階級とサービス部門の仕事だけが、リスクに晒されているわけではない。人工知能と機械学習の進歩が「知識労働」の自動化をも可能にし始めているのだ。

進歩が現在のペースで進めば、2025年までに全世界で自動化ツールは、事務、顧客サービス、販売、教育、保健、科学技術、IT、財務、法律部門などに影響が及び、1億1000万から1億4000万人の人々の作業を行うことができるようになるだろう。

表面的な価値を見れば、これらの技術的進歩は非常に有意義であり、商業的相互作用に革命をもたらし、これまでとは異なる可能性を広げていく。

私たちにはまだ、オートメーション技術と人工知能が作り出す、新たな潜在的な仕事の種類はまだ分かっていない。それは技術を前にして想像を絶するものだ。しかし私たちは、訓練、教育を通じた準備と、究極的には柔軟性を奨励することが、私たちの都市での成功につながることを知っている。

人間とロボットが一緒に取り組んでいます。

写真提供:Getty Images.

私たちNLC(全国都市同盟)のFuture of Work報告書は、労働力の大きな変化に直面したときに抱える課題と機会について検討している。どこで、いつ、特定のジョブが消滅するかを予測することは困難だが、2025年以降に私たちが目にする仕事は、現在のものとは随分違っているものだろう。

ある者にとってはメリットは素晴らしいものになるだろうが、システムレベルでは課題はとても大きなものになるだろう。テクノロジーは、労働者間の不平等を悪化させ、経済のほとんどの分野に何らかの影響を与える。

これらの潜在的な緊張と激動は都市に集中するだろう。技術的実現可能性だけに左右されるわけではなく、自動化の採用は、技術のコスト、交換される労働のタイプ、そして重要な点だが社会的に受け入れられるかどうかに依存している。

これらの技術が仕事や仕事全体に取って代わるようになるにつれて、反応は楽観的な受け入れから怒り、欲求不満、さらには政治的な激変にまで及ぶようになるだろう。

社会への利益がより均等に分散する可能性があるのか、あるいは最近の歴史的傾向に沿って、収入ピラミッドの最上部に集中していくのか。私たちが行う政策の選択は非常に重要だ。

ネガティブな反応は、賃金や雇用を失う人々の間でより局所的に起きる可能性がある。一方で、ポジティブな反応は、より低い価格とより大きな選択の恩恵を受ける消費者の間で、より広範に広がる可能性がある。

私たちが政策上の解決策を模索しているところで、幅広い議論が始まる必要がある。これらは、ポータブルベネフィット(フリーランスのための持ち歩ける福利厚生制度の概念)から、労働力の再訓練、ベーシックインカムなどに及ぶ可能性がある。明日の労働力のために構築される、こうした種類の拡張された社会基盤は、これまでの職を失った労働者だけではなく、新しい方法で働く人々を支援するために必要となる。

同時に、この拡大された観点は、成長のための積極的な環境を作り出すことができる。これらの選択肢に焦点を当てることで、これらの急激な変化にただ流されて対応するのではなく、むしろ崩壊に先回りをすることができるようになる。

社会への利益がより均等に分散する可能性があるのか、あるいは最近の歴史的傾向に沿って、収入ピラミッドの最上部に集中していくのか。私たちが行う政策の選択は非常に重要だ。都市の指導者たちは、積極的に、公平さを第一の目標とする、より包括的なコミュニティを創造しようとしている。したがって、私たちすべてが、目の前に未来を早急に構築するのを手助けする場は都市にある — そしてそれを真に導くことが、指導者の責務なのだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

産業用ロボットが人間に取って代わるのは良いことだ

Rotherham, UK

【編集部注】執筆者のMatthew Rendallは、Clearpath Roboticsの産業部門・OTTO MotorsのCEO。

間違った人の話を聞くと、北米の製造業は絶望的な状況にあると感じることだろう。

アメリカとカナダの仕事が、過去50年の間に海外へと流出していることに疑いはない。2000年から2010年の間だけで560万もの仕事が消え去った

しかし興味深いことに、外国へとアウトソースされた仕事はそのうち13%にしか満たないのだ。失われた仕事の大部分にあたる残りの85%については、”生産性の向上”、つまり機械が人間を代替したことがその原因となっている。

多くに人にとって、このシナリオは事態がさらに深刻であることを物語っている。中国やメキシコは「アメリカ・カナダ人の仕事を奪っている」かもしれないが、少なくともその担い手は別の人間だ。一方ロボットには、製造業のような分野の仕事をこの世から消し去ってしまう恐れがあると言われている。“How to Keep Your Job When Robots Take Over.(ロボットから自分の仕事を守る方法。)” “Is a robot about to take your job?(ロボットが私たちの仕事を奪おうとしているのか?)” “What Governments Can Do When Robots Take Our Jobs.(ロボットが人間の仕事を奪う中、政府に何ができるか。)” など、人々の恐怖心を利用しようとする動きも多く見られ、もう怖気づかされるのはたくさんだ。

しかし実情は少し違っている。過去20年間でアメリカのインフレ調整済み製造業生産高は40%も増加しており、アメリカ国内の工場が生み出す付加価値も過去最高の2.4兆ドルに達している。つまり仕事の数が減る一方で、製造業の生産高は増えているのだ。製造業に従事する人の教育・給与水準は上がり、彼らは作業員の生産性を向上させるテクノロジーを含め、価値ある製品を生み出している。

実際のところ、主に労働者の高齢化を背景に製造業では200万人もの労働者が不足している。彼らの平均年齢は45歳で、これはアメリカの非農業部門雇用者の中央値よりも2.5歳ほど高いほか、若い世代の同業界への関心も低い。

これまでもテクノロジーが存在する限り、技術の進歩を文字通り破壊するラッダイトのような人たちが存在していた

この数値からは違った結論が導き出される。ロボットは私たちの仕事を奪っているのではなく、私たちの仕事をより良いものにしているのだ。

ロボットを利用すれば安全性は向上するし、パフォーマンスも安定する。海外の労働力を搾取するより道徳的にも優れている。さらにロボットは驚くほど費用対効果が高く、投入資金を12ヶ月以内に回収できることもよくある。つまり、常にコスト削減の方法を模索し、進化のスピードが遅いことに悩まされている製造業にとって、ロボットはゲームチェンジャーだと言えるだろう。

さらにその後に続くコスト削減が連鎖反応を起こし、人がやりたがるような仕事がもっと北米にとどまることになる。そして製造業界は、イノベーションを生み出すことに資金や人員を集中できるようになるのだ。その結果、より良い教育を受け、高度な技術をもった労働者を必要とし、同時に彼らを生み出すような新しい仕事が誕生するだろう。短期的には仕事が減るだろうが、長期的に見るとロボットは労働者・社会の両方に利益をもたらす。

これは何も根拠のない非現実的な見解ではない。歴史的にも、テクノロジーの転換期には一定のパターンが見て取れる。前世紀のあいだに車の作り手は人間からロボットへと代わっていった。その結果、車の生産台数が増加し、車一台当たりの労働者数も以前よりむしろ増えたのだ。労働者は、危険な作業を行う代わりにプログラミングを担当してロボットに大変な仕事を任せ、彼らの給与は以前より増加した。これまでもテクノロジーが存在する限り、技術の進歩を文字通り破壊するラッダイトのような人たちが存在していたが、冷静に周りを見れば、生産性は向上し、生活の質はこれまでにないほど高まっている。

経済的にもこの理論は証明されている。産業革命のように、自動化技術への重点的な投資が行われる時期と、一国のGDPが増加する時期の間には強い相関関係が確認されており、さらにGDPの増加は生活の質の向上と強い関係がある。生活の質の向上とは、ケガの少ない安全な労働環境から、より高度な仕事をこなすことで得られる個人の満足度の向上までを意味しており、それがさらなる好循環を生み出すことになる。高度な仕事をすることで人々の収入が増え、高度な教育も賄えるようになり、その結果より高度な技術をもった労働者が生み出され、彼らがその時間と資金を使って経済をさらに加速させていくのだ。

最近のWashington Postの記事にこの流れが上手く説明されている。「(これこそ)生産性を向上させ、市場経済を豊かにする原動力だ。農業の生産性が向上したことで多くの農家が市街地へと移住し、彼らは市街地で工業経済を支える労働力となった。さらなる生産性の向上のおかげで、最終的に私たちは医療サービスや教育、そして政府を賄えるようになった」私たちは今まさしく同じサイクルの中にいるのだ。

ここでもう一度北米の製造業の現状に立ち戻ってみよう。恐怖心を利用しようとする動きや大げさなメディアの存在、人々のまっとうな不安、むなしく響く政治家の暴言にも関わらず、ロボットは製造業をより良い方向へ導こうとしている。ロボットはこれまでのテクノロジーのように、人の仕事を奪うとされる批判の対象でしかなく、ロボットが奪おうとしている仕事はそもそも人間がする必要がないのだ。

実際には、ロボットのおかげでより多くの(そしてより良い)仕事が母国にとどまり、国内産業が発展し、ミクロ・マクロ両方のレベルで私たちの生活の質が高まっていくだろう。自動化が進み、効率・安全・生産性が向上することで、北米の製造業はただ生き残るだけでなく、私たちのイノベーションや想像力のパワーを世界に見せつけることになるだろう。

結局、ロボットが私たちの仕事を奪っていくのか、と聞かれればそうかもしれない。しかしその代わりに、私たちや私たちの子ども、そして孫たちは、もっと意味があって高収入の仕事につく可能性が高くなるだろう。私の目には、これはまっとうなトレードオフのように映る。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter