自閉症コミニュティの「投資・イノベーション部門」を目指すベンチャーファンド「AIF」

2018年、Christopher Male(クリストファー・メイル)氏の息子が自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された時、長年の投資家は自分が見知らぬ領域に置かれたことを知った。

「あの時、私は『自閉症』という言葉も、それが何であるかも、文字どおり初めて知りました」と同氏は回想した。

息子の力になるために、メイル氏はこの話題に没頭し「驚くほど断片化、両極化したコミュニティと、不適切で旧態依然の解決方法が法外な価格と長い待ち行列で提供されているマーケットプレイス」と同氏が評する状況を認識した。

同氏は「このマーケットプレイスで起きていることに関する科学的理解は存在しない」と結論づけた。部分的には資本主義から、しかしほとんどが、自分の子どもや同じような境遇の子どもたちを助けたいという動機から、メイル氏は決断し、Brian O’Callaghan(ブライアン・オカラハン)氏とともにAutism Impact Fund(AIF、自閉症インパクトファンド)を2021年立ち上げた。ファンドのミッションは「ベンチャーキャピタルモデルを通じて、自閉症の診断、治療、および自閉症とともに生きていくための現状に革命を起こす」ことだ。これまでにAIFはアーリーステージの企業、7社に投資してきた。

AIFは、GlaxoSmithKline(GSK、グラクソ・スミスクライン)からRob Saarazin(ロブ・サラジン)氏を最高投資責任者兼マネージングパートナーとして迎えた。メイル氏とサラジン氏は、ファンドの日常業務を管理している。

ニーズは存在している。自閉症スペクトラム障害(ASD)は子どもの54人に1人が診断され、世界で数百万の家族に影響を与えているとCDCの調査結果が報告している。

「私たちは自閉症インパクトファンドを、自閉症コミュニティの投資・イノベーション部門になるという野心をもって設立しました」とメイル氏は語った。「これはシステムが完全に崩壊している巨大な社会問題であり、私たちのゴールはそのシステムを変えることです」。

10年近くにわたり、メイル氏は家族の投資事務所を運営していた。その後、自らベンチャーファンドを立ち上げた。そして彼は、人生で現在の自分の役割以上に重要なものはなかったと打ち明ける。

AIFには著名なアドバイザー、Uber(ウーバー)CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏、バンダービルト大学、Frist Center for Autism & InnovationのJennifer Frist(ジェニファー・フリスト)氏、ARCH Venture Partnersの共同ファウンダー、Bob Nelsen(ボブ・ネルセン)氏らが名を連ねる。

メイル氏はAIFの損益を明らかにしなかったが、富裕層の組織やファミリーオフィスが参加していると語った。ファンドは現在積極的に資金調達を行っているところなので、一連の計画についてメイル氏は順調に進んでいるという以上のコメントはできなかった。

「市場は私たちにとってかなりポジティブで順調なので、思っていたよりかなり先へ進んでいます」と彼は言った。

AIFは、生物学、環境と行動など広い分野にわたって、さまざまなステージの会社に直接投資を行っている。同ファンドは意図的に営利企業に焦点を当てており、非営利との重複を避けている。

これは単なる個人の集まりではありません。私たちはプロフェッショナルな投資家です」とメイル氏は言った。「そして学界、政府機関、非営利団体、財団などを通じて複数のコミニュティーをまとめています」。

画像クレジット:Autism Impact Fund

投資先企業には、自閉症の主要症状を治療するための腸内制限小分子物質を開発しているAxial(アクシアル)、自閉症のためのバイオマーカーを開発しているBioROSA(バイオロサ)、AI駆動バーチャルリアリティープラットフォームを通してさまざまな治療法を提供するFloreo(フローレオ)、および特別な支援を必要としている人のためのデジタルケアプラットフォーム、Joshin(ジョーシン)がある。Joshinについては最近TechCrunchが資金調達について報じた

John Slattery(ジョン・スラッタリー)氏とMarie Causey(マリー・コーシー)氏はボストン地区のスタートアップBioROSAを2018年に立ち上げ、生後18カ月から幼児のASDを検出するバイオマーカーを開発している。

「これは、現在4歳以上である平均診断年齢を引き下げるものです。この障害は、うまく対応できない社会的少数者や低所得層に大きく偏っています」。

BioROSAは、これまでに300万ドル(約3億4000万円)を少し超える資金を調達しており、AIFが7月に参加したラウンドも含まれている。

「この会社の基礎をなつ理論には、支持している強力な学術研究があります」とスラッタリー氏は言った。「私たちのゴールは、早期発見を可能にして、介入の診断基準を変えることです」。

自閉症者のいる家族にとって、AIFが行った投資は生活を変える可能性がある。そして、それ以上に大きな意味のあるものはない。

画像クレジット:wildpixel / Getty Images under a iStock/Getty Images Plus license

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズ、「独創的」な考え方を持つ脳多様性な人たちも活かすソフト設計とは

ホモ・サピエンスは実に多様性に富んだ種である。地球上のさまざまな地域に起源を持つ私たちは、出自に基づく区別を呈する姿をしており、コミュニケーション手段には何千もの言語が存在する。そしてそれぞれの経験、伝統、文化に基づいた異なる思考パターンを持ち合わせている。私たちの脳は、そのすべてに独自性がある。このような特性をはじめとするあらゆる機能を駆使して、私たちは問題を分析し、意思決定を行う。

これらの要素はすべて、私たちがビジネスを行う方法と、職務を遂行するためにツールを使用する方法に直接影響している。ビジネスを上手く進めることは、ほとんどの人にとって課題をともなうチャレンジングなものだ。しかし、ニューロダイバース(神経学的に多様)の特性を有する人々、故Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏がかつて述べたような「think different(異なる考えを持つ)」プロフェッショナルたちは、その才能が企業内でしばしば過小評価されるか、未開拓である、独自の類型となっている。こうした企業は、標準化に価値を置き、通常のワークパターンからの逸脱は限定的であることを好む傾向にある。

ニューロダイバーシティ(神経多様性 / 脳の多様性)の役割

ニューロダイバースな資質を持つ(ニューロダイバージェント)人々は、主流派とは異なる方法で情報を処理する。自閉症スペクトラム、失読症、注意欠陥障害(ADD)を持つ人々もその例として挙げられるが、専門家は全人口の40%がニューロダイバージェントであると考えている。

優秀なセールスパーソンほど粘り強さを発揮し「独創的」な考え方をすることが多いことを勘案し、このパーセンテージはセールス専門職ではさらに高くなると思う人も少なくない。あるセールスチームの誰かがスーパースター級のセールスパーソンであっても、彼らが情報や他者とどのようにやり取りするかに影響を与える神経学的変異を持っているという可能性は低い。こうしたことから、ニューロアティピカル(神経学的に非定型)な人々をセールス組織に統合し、彼らを成功に導く知恵についての非常に興味深い議論が生じている。

例えば、セールスパーソンはCRM(Customer Relationship Managementm、顧客関係管理)ソフトウェアシステムを利用している。このシステムでは、すべての記録、ワークフロー、アナリティクスが標準化されており、ユーザーエクスペリエンスはシステムに設定された1つの方法に限定されている。

だが、このような複雑で柔軟性に欠けるシステムを誰もが最適に使用できるわけではない。特に、ユーザーインタラクションレイヤーが非常に厳しく制限されている場合はなおさらだ。ニューロダイバースな人々の多くは、特に「独断的」なアプリケーションを使うことに困難を感じる。このようなアプリケーションでは、ユーザーに特定の作業方法を押し付ける傾向があり、ときにユーザーの人間性のすべての面、つまり情報を処理し、ワークフローをナビゲートするユーザー独自の方法を考慮しないこともある。そのため、ほとんどのセールス組織において、最も高いパフォーマンスを発揮するセールス担当者は、CRMを最低限しか更新していないことが多い。ノートテイキングアプリケーション、タスク、スプレッドシートなどの基本的なツールで取引のパイプラインを管理しているセールス担当者が多いのも、こうした理由からだろう。

ニューロダイバースなプロフェッショナルは、異なる視点と強みをもたらし、しばしば現状に挑戦する。思考の多様性が、特別なやり方で組織に力を与えるのだ。

企業はニューロダイバースの人材から何を得るべきだろうか?

JP Morgan(JPモルガン)は、2015年にニューロダイバーシティのパイロットプログラム「Autism(自閉症)at Work」を立ち上げた。その結果は注目に価するものであった。このプログラムに参加した従業員は、同僚よりも48%早く仕事を完了し、92%生産性が高かった。オーストラリアのDepartment of Human Services(福祉省)の別のパイロットプログラムの結果によると、同組織のニューロダイバースなソフトウェアテストチームは、ニューロティピカル(神経学的に定型)なチームよりも30%生産性が高くなっていた。

自閉症の人の多くは細部にまで強いこだわりを持つことが知られている。例えば、自閉症スペクトラムの7歳の少年は、歴史上のあらゆる難破船の詳細を暗記している。この種の情報への集中と欲求は、適切な役割に利用されることで、驚くべきポテンシャルが生み出される。自閉症の人材は、データアナリティクス、技術サービス、ソフトウェアエンジニアリングなど、知識経済の急成長分野の一部に理想的に適していることも多い。実際、Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身が自閉症の一種であるアスペルガー症候群であることを最近明らかにしている

ニューロダイバーシティの別の領域として、独創的な考え方をする人は失読症であることが多い。世界を変革した失読症の人々について考えてみよう。Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏、Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏。これはほんの一部の例にすぎない。彼らに共通しているのは、世界を違った目で見る能力である。

ソフトウェアのジレンマ

企業はこうしたメッセージを意識し始めている。ニューロダイバージェントの従業員は才能と貢献の巨大な源泉として評価されるべきであるという認識である。同時に、2020年の出来事をきっかけに、あらゆる種類の社会的不公平に対する意識が高まり、より多くの組織がニューロダイバーシティを多様性、公平性、インクルージョンの取り組みの一環として認識するようになった。

しかしこれまでのところ、焦点が当てられているのは、雇用、トレーニング、オンボーディングプロセス、さらにはオフィス設計(私たちがオフィスに復帰した場合)がどのようにしてニューロダイバージェントの人々にとってより包括的になることができるのかということだ。例えば、SAP(エスエイピー)とMicrosoft(マイクロソフト)は、ニューロアティピカルの従業員をより多く雇用する取り組みを拡大している。

こうしたイニシアティブは重要であるが、ソフトウェア企業は一歩進んで、中核的な設計レベルでアプローチを変える必要があると私たちは考えている。

多くのソフトウェアは、ユーザーの視点からすべてのものがどのように感じられ、どのように流れるかについてほとんど、またはまったく配慮することなく、ユーザーに特定の作業方法を課している。そしてその過程で、この硬直的なシステムは、ニューロダイバースな人々を排除してしまう。その結果、ユーザーは日々の業務で課題に直面することになる。これまで提供されてきたツールは、標準化という名の下に、情報の処理方法やワークフローの操作方法に適合していないのである。そして、組織はツールやシステムの適用状況が不十分であることに悩まされている。

このようなことを意図的に行っているベンダーは存在しない。ただ、実行して良い結果を出すのは難しいということである。しかし、あらゆるユーザーを念頭に置き、すべてのユーザーが同じように効率的かつ生産的になれるような、共感できるソフトウェア設計を追求することは、すべてのソフトウェア企業にとってコアバリューとなるはずだ。それは、すべての「ユーザー」が同じではないことを認識し、尊重することから始まる。そうすることで、より多くの人々が自然に利用できる、より柔軟でアプローチしやすいソフトウェアを設計する道が開けてくるだろう。

セールス組織がニューロダイバージェントの人材を多く擁しているとしたら、間違った種類のツールがもたらす影響を想像してみて欲しい。例えば、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持つ人に大量の単調なデータ入力タスクを要求するCRMソフトウェアのようなものだ。熟練した、ニューロダイバースなセールスパーソンが、自分の潜在能力を十分に発揮するには不適切なツールを与えられたために、フラストレーション、潜在能力の喪失、士気の低下が生じてしまうことを想像して欲しい。

業界全体として、ソフトウェアのユーザーエクスペリエンスについての考え方を広げ、柔軟性を主要な設計原則として組み込む時期がきているといえるだろう。

編集部注:本稿の執筆者Pouyan Salehi(プーヤン・サレヒ)氏は、Scratchpadの共同設立者兼CEO。

画像クレジット:Hiroshi Watanabe / Getty Images

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(文:Pouyan Salehi、翻訳:Dragonfly)

【コラム】「脳の多様性」を活用してサイバーセキュリティのスキルギャップを解消する

編集注:本稿の著者Cat Contillo(キャット・コンティロ)氏は、HuntressのThreat Analyst IIで、誇り高き自閉症のクィア。LGBTQ+の権利、自閉症、神経多様性、DEI、サイバーセキュリティに情熱を注いでいる。

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組織はさまざまな考え方や視点からサイバーセキュリティのスキルギャップに対処し、さまざまな能力や思考プロセスを持つ人材を取り入れてセキュリティチームを強化する必要がある。その際の最初のステップとなるのがニューロダイバーシティ(脳の多様性、神経多様性)の理解である。ニューロダイバーシティを持つ人には、未開発の可能性があることをご存じだろうか?

ニューロダイバーシティが意味するところは私たち1人ひとりで異なる。ニューロダイバーシティとは、ADHD、自閉症、失読症、トゥレット障害などの認知障害や発達障害などの神経学的差異を、人間の脳の自然なバリエーションとしてとらえ、脳の違いはただの多様性でしかないと考える概念である。

私は、自分が人とは異なるオペレーティングシステムを持っているという自覚を常に持っていた。Mac OSで育てられた、Windows専用OSのような感覚だ。自閉症と診断されて初めて、なぜ自分がこのように感じていたかを理解し、目的を持つことができた。そして社会に出て、ニューロダイバーシティを持つ人々がサイバーセキュリティ業界にとって重要視されることを知ることができた。

自閉症の人には、サイバーセキュリティの分野での業務に適した特性がたくさんある。例えば自閉症の人の多くはパターン思考を持ち、細部にまでこだわる性格である。自閉症の人は、脅威ハンティングで悪意のあるコードとそうでないコードの微妙な違いを見つけ、自動化されたツールが見逃してしまうような脅威をキャッチすることができる。過集中という特性では、問題解決に集中し、他の人が投げ出したくなる複雑な問題にも粘り強く取り組むことができる。

もちろん、私たちが持つ能力、興味、強み、弱点は1人ひとり異なる。しかし、適切なサポートや環境があれば、サイバーセキュリティにプラスに働く特性もある。

自閉症の大人がテクノロジーやサイバーセキュリティに興味を持っていれば、特にその傾向が顕著である。興味があることで細部へのこだわりがさらにアップし、防御チームの優秀なサイバー専門家になることができるのだ。サイバー脅威の数や種類は常に変化している。明らかに排除できるものもあれば、もっと巧妙なものもある。コンピュータにもともと備わっているアプリケーションや実行ファイルのようなネイティブファイルを利用する「Living off the Land(LOTL:自給自足型、環境寄生型)」という攻撃手法もある。このような情報、何を探すべきか、どこに注目すべきかさえわかれば、ニューロダイバーシティ人材は、最も巧妙な脅威に対しても、集中して検査、調査、追跡することができる。

利点を受け入れる

私たちは、ニューロダイバーシティ人材の「違い」に注目するのではなく、異なる考え方や視点がサイバーセキュリティの分野にもたらすメリットを受け入れるべきである。実際、世界はさらに多くのサイバーセキュリティの専門家を必要としている。チームの多様性を確保するには、ニューロダイバーシティを受け入れることが必要だ。細部にこだわる人、規則にこだわる人、論理的な人、人とは違う考えを持つ人など、ユニークな才能を融合したチームは、サイバーセキュリティにおける競争力の源泉であり続けることになる。

サイバーセキュリティ分野でキャリアを積むには、論理性、規律性、好奇心、そして問題解決やパターン発見の能力が必要だ。この業界は、ニューロダイバーシティ人材に、特に脅威分析、脅威インテリジェンス、脅威ハンティングといった幅広いポジションとキャリアパスを提供している。

ニューロダイバーシティ人材は、干し草の中から針を見つけるように、潜在的な脅威を探し出して分析するのに欠かせない、小さな危険信号や細かな情報を見つけることができる。パターン認識、既成概念にとらわれない思考、細部へのこだわり、鋭い集中力、論理的な思考、誠実さなどの長所もある。

チームの多様性が高まれば高まるほど、チームの生産性、創造性、成功率は向上する。また、ニューロダイバーシティ人材が存在することで、サイバーセキュリティを強化できるだけでなく、異なる考え方や視点を採用してコミュニケーションの問題を解決し、チームや企業全体にプラスの効果をもたらすことができる。

米国労働省労働統計局によると、サイバーセキュリティ専門家の一般的なキャリアパスの1つである情報セキュリティアナリストの需要は、2029年までに31%増加すると予想されているが、これは他の職業の平均成長率4%をはるかに上回る。サイバーセキュリティ分野の重要な業務に空席がある一方、その業務に理想的な人材が何百万人も失業したままで取り残されている。

第一歩を踏み出す

今こそ「優秀な人材=神経学的定型(ニューロダイバーシティの逆の意味)」という思い込みを改める時である。職場における包括性と帰属意識を高める方法は数多くある。いずれも、求人情報が最初のステップだ。

求人情報には、求める人材や業務の要件を明確に記載する。より包括な求人情報を作成し、制限を減らしてみよう。配慮を必要とする応募者がアクセスできる連絡先のアドレスを記載し、必要な配慮を提供して、従来の方法とは異なる働きかけを行う。

ニューロダイバーシティ人材にとって一般的な面接は難しく、雇用に向けた最初のハードルになることが多い。面接時の質問のリストをガイドラインとして提供すれば、応募者の緊張を和らげることができるだろう。アイコンタクトの異常で人を判断しないことはさらに重要だ。

職場でニューロダイバーシティ人材を受け入れる包括的な文化を促進するためには、職場でさまざまなニーズに対応できるようにする必要がある。あらゆるレベルの従業員が、多様性のあるチームの力を引き出せる、風通しがよく包括的な職場環境を構築するための知識と理解を持つことが不可欠である。そのためには、全従業員を対象とした多様性、公平性、包括性、帰属意識を目的としたトレーニングが必要である。コミュニケーション手段を変更することも検討しなければならない。ニューロダイバーシティ人材は人によってコミュニケーションの仕方が異なるので、手段を考えないと職場内でのコミュニケーションの断絶につながりかねない。

サイバーセキュリティの分野で活躍したいニューロダイバーシティを持つ人や自閉症者にもアドバイスしたい。学習を続け、サイバーセキュリティの専門家とつながってネットワークを作り、決してあきらめるな。企業の大小を問わず、あらゆる面で意識を高め、包括的な対応を求め続ければ、成功のチャンスは増えるはずだ。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:コラム自閉症多様性LGBTQ+

画像クレジット:Chris Madden / Getty Images

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(文:Cat Contillo、翻訳:Dragonfly)